説明

人体各部の押圧具

【課題】人体各部のこりや痛みを、経穴等への押圧とトルマリン等の活用によって顕著に緩和することができ、且つその押圧力を機械的に調整可能な構成とした人体各部の押圧具を提供する。
【解決手段】押圧軸21を遊嵌状に突設した形状の前筒部11と、トルマリンボール51およびゲルマニウムボール52を収納した後筒部12とを、分離可能に連結して成る把持体10の内部に、押圧力調整手段30を設けた構造の押圧具であって、前記押圧力調整手段30を、前筒部11の内壁に取付けられた調整螺子31と、その調整螺子31に連動するバネ調整用の基台32と、大小2本のコイルバネ33,34とにより形成し、該調整螺子31の位置変更によって、前記コイルバネの押圧力を調整するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体中に点在している経穴(ツボ)、トリガーポイントや反射点等(以下、経穴等と称する)を押圧して刺激することにより、症状の改善や健康増進に寄与することができる人体各部の押圧具に係るものであり、さらに詳しくは、経穴等への押圧力を適宜に調整することができる手持ち型の押圧具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、手持ち型の押圧具としては、金属製の棒状体の少なくとも一方の先端部に磁石を設けた構造のつぼ押し具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また細長い丸棒の一端近傍に緩やかな湾曲収縮部を形成するとともに、その一端面に放射状の切り溝を設け、他端面に円筒外面をなす凹曲面と放射状の切り溝を形成した人体各部のツボ押圧器具も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】実願平7−7100号公報(第6−7頁、図1)
【特許文献2】実願2000−5663号公報(第4−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した両公報のつぼ押し具およびツボ押圧器具は、いずれも押圧を行う先端部がやや大径に形成されているので、経穴等に局所的強刺激を与えることができず、人体深部のこりや痛みを充分に緩和することができないという欠点があり、またこれらの各器具には押圧力の調整機能が付与されていないので、人為的な手加減で押圧力を調整しなければならないという顕著な問題点もあった。
【0004】
そこで本発明は、人体深部のこりや痛みを充分に緩和することができ、加えてその押圧力を機械的に調整可能な構成とするとともに、トルマリンやゲルマニウムから放射される遠赤外線やマイナスイオン等を複合的に活用することにより、顕著な治療成果が得られるようにした人体各部の押圧具の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、内部が空洞の筒状に形成された把持体の前部に、経穴等を押圧するための押圧部を配置し、且つ把持体の内部に押圧力調整手段を備えた押圧具であって、前記把持体を、前筒部と後筒部に分離可能な形状とするとともに、前記押圧部を、前筒部から遊嵌状に突設された押圧軸と前筒部に内設された鍔部とにより形成し、さらに前記押圧力調整手段を、前筒部の内壁に取付けられた調整螺子と、その調整螺子に連動するバネ調整用の基台と、その基台と鍔部の間に配設されたコイルバネとにより形成し、該調整螺子の位置変更によって、前記コイルバネの押圧力を調整するように構成したことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、上記した前筒部と後筒部を、把持体の内壁に螺合するロック螺子を介して連結するとともに、そのロック螺子を用いて、上記調整螺子を所望位置でロックすることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、上記したコイルバネが、大きさの異なる2本のバネを用いて成ることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、上記したロック螺子と調整螺子にそれぞれ貫通孔を形成するとともに、上記した後筒部に、トルマリンボールとゲルマニウムボールの一方または両方を収納したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、上記した押圧部を、セラミックとトルマリンとゲルマニウムを混合した金属で形成したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、トルマリンとゲルマニウムを混合して成る当接部材を、上記した押圧軸の先端に、略半球面状に突設して設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の人体各部の押圧具は、経穴等をピンポイントで押圧することができるので、人体の深部のこりや痛みを容易に緩和することができるばかりでなく、大小2本のコイルバネを二重状に配置してあるので、強い押圧力に対してはハードに、弱い押圧力に対してはソフトに作用し、且つ一定圧まで押圧力を維持していれば、コイルバネの押圧作用で筋の硬結を緩和することができるという特筆すべき効果を奏するとともに、内部に押圧力調整手段を設けてあるので、コイルバネの押圧力を任意に変更することができるという他に類を見ない大きな効果を有するものである。また本発明は、トルマリンやゲルマニウムの遠赤外線やマイナスイオン等を直接的または間接的に放射するように構成してあるので、押圧による刺激と相俟って、顕著な治療成果を得ることができるという特長もある。
【0012】
以上のような効果を発揮する本発明の押圧具を使用すれば、痛みを抑制する物質の分泌や血流の促進、筋・腱・靭帯の緊張緩和等に著しい効果があるので、腰痛や肩こりを始めとする多様な症状の改善に大きく寄与することができ、また自然治癒力を高め、病気になりにくい身体を作ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
筒状に形成された把持体の前端部に押圧軸を遊嵌し、且つ前記把持体の内部に押圧力調整手段を設けるとともに、トルマリンやゲルマニウムを有効に活用することにより、人体各部におけるこりや痛み、その他の多種多様な症状の緩和に貢献するものである。
【実施例1】
【0014】
以下に、本発明の第1の実施例を図面に基いて説明するが、本発明の各実施例は、主として把持体10、押圧部20、押圧力調整手段30、ロック螺子40から構成されるものである。
【0015】
本発明に成る人体各部の押圧具の外観は、図1の分解斜視図で示すように、細長筒状の把持体10と押圧軸21によって大略ボールペン状に形成され、さらにその把持体10の外周面には、周方向の溝が刻設されているので、使用の際には把持し易い形状となっている。なおこの押圧具は、適度の重量を有するために金属を用いて製造されている。
【0016】
上記した把持体10は、前筒部11と後筒部12に分割して形成され、この両筒部を、後述するロック螺子40を介して連結するように構成されている。また該把持体10の内部は、図2に示すように空洞状になっていて、その内部側壁の大半に雌螺子が形成されており、さらに前筒部11の前部には、後述する押圧軸を外方へ突設するための押圧軸挿通口13が設けられている。なお図2は図1の押圧具を組立てた状態の断面図で、把持体外周の溝は省略してある。
【0017】
押圧部20は、前筒部11の前端側に内設した鍔部22と、図示のような細長丸棒状に形成された押圧軸21とにより、断面T字状に設けられたものである。該鍔部22は、前筒部11の内部を前後方向(図においては上下方向)へ支障なく移動可能な形状となっており、且つ押圧軸21の直径が前記した押圧軸挿通口13の内径よりもやや小さく形成されていて、その動きが把持体10に拘束されることはないので、押圧軸21が把持体の前部に遊嵌された形態となっている。また前述した如くに、押圧軸21が小径の丸棒状に設けられていて、経穴等に対してピンポイントで押圧力を加えることができるので、身体深部のこりや痛みを確実に緩和することができるようになっている。
【0018】
押圧力調整手段30は、前筒部11の内部側壁に取付けられる調整螺子31と、その調整螺子31の位置変更に連動するバネ調整用の基台(以下、基台)32と、大小2本のコイルバネ33,34とを備えて成るものである。
【0019】
前記調整螺子31は、その表面に雄螺子を設け、且つその内部に貫通孔35が形成されたパイプ状に設けられたもので、その設定位置を変更する場合は、図1のように後筒部12を前筒部11から分離させ、後述するロック螺子40を取外した後、ドライバーやレンチ等の適宜な工具を用いて所望する位置まで前進または後退させるものである。またやや大径の丸棒状に形成された基台32は、前筒部の内部側壁との間に空隙部を有し、自由移動できるように設計されたものである。なお該基台32には貫通孔を設けないものとし、また調整螺子31の貫通孔35は、その後端部のみを解放状とし、前端部を閉鎖状に形成してもよい。
【0020】
さらに前記鍔部22と基台32の間に介在するコイルバネ33,34は、大小2本のバネを二重に設けた構造となっており、使用時において、強く押圧した場合は2本のバネが効いてハードに作用し、また弱く押圧した場合は1本のバネのみでソフトに作用するようになっている。また一定圧まで押圧状態を維持すれば、コイルバネの圧力で押圧され、筋の硬結を容易に緩和させることができる。なお本発明においてはコイルバネを2本用いる場合が最も好適であるが、このバネの数は2本に限定されるものではなく、1本のバネを用いても、また2本以上のバネを併用するようにしてもよい。
【0021】
このように構成された押圧力調整手段30は、調整螺子31の設定位置を適宜に変更することにより、上述のようなコイルバネ33,34の押圧力を調整するように設けられたものである。
【0022】
また把持体10から独立して設けられたロック螺子40は、その外周に雄螺子が形成され、且つその内部に貫通孔41が形成されたもので、前記調整螺子31を所定位置でロックすると同時に、前筒部11と後筒部12を連結する役目を担うものであり、以下にその使用手順を説明する。まず調整螺子31の位置が決まると、調整螺子31の後端部にロック螺子40の前端部が密着するような形態で、ロック螺子40の前半部を前筒部11の内壁に螺合させる。するとロック螺子40の後半部は前筒部から後方に突出するので、その突出部分と後筒部12を螺合させるのである。ロック螺子40は、このような方法で前記した二つの役目を遂行するものである。
【0023】
なお本発明では、調整螺子のロックと両筒部の連結のためにロック螺子40を用いているが、このロック螺子を用いない方法を採用しても差支えない。すなわち前筒部と後筒部の連結は、両者の接合部に設けた雌雄の螺子等で直接連結するようにし、調整螺子のロックは、例えば固定爪や嵌合リングなどを用いて別途なロック手段を講じるようにするものである。
【0024】
以上のように構成された本実施例においては、後筒部12にトルマリンボール51とゲルマニウムボール52の一方または両方を収納し、押圧具を使用する際に押圧軸21が下側になるように傾斜させて、ロック螺子40の貫通孔41を経て調整螺子31の貫通孔35に各ボールを誘導し、貫通孔35の前端部に全部のボールを集めるようにする。ここで使用するトルマリンボール51およびゲルマニウムボール52は、遠赤外線やマイナスイオン等を放出するので、血流の促進や浄化、筋の緊張緩和、神経の鎮静作用をもたらし、経穴等への押圧と複合的に作用して、症状の改善や健康増進を実現するために有効な働きを成すものである。
【0025】
上述したように、本実施例ではトルマリンボール51とゲルマニウムボール52を使用するようになっているが、これらの各ボールを活用せずに、人体各部への押圧のみを行う単一機能器具として使用することも可能である。この場合はロック螺子40や調整螺子31に貫通孔を設ける必要がないので、両螺子を丸棒状に形成してもよい。また上記したトルマリンボール51とゲルマニウムボール52の使用に代えるか、またはこれらのボールの使用と併せて、プラスチック素材の一つであるシリコンゴムキャップにトルマリンとゲルマニウムを混合し、そのシリコンゴムキャップを押圧軸21の突出部分に装着するようにしてもよい。
【実施例2】
【0026】
本発明の第2の実施例は、第1実施例における押圧部(押圧軸21と鍔部22)を、セラミック、トルマリン、ゲルマニウムなどを混合させて製造した金属で形成するものである。このような物質は、前述した如くに、血流の促進や浄化、筋の緊張緩和、神経の鎮静作用を発揮するので、押圧による刺激と相俟って非常に好適である。
【実施例3】
【0027】
本発明の第3の実施例は、図3に示すように、第1実施例における押圧軸21の先端部に、トルマリンとゲルマニウムを混合させた当接部材23を取付けた形状とするものである。この場合は、押圧軸21の先端部を半球状に削り、ほぼ球状に形成された当接部材23の下半部を埋設するようにし、かつ当接部材23の上半部を略半球面状に突出させた構造とするものである。この実施例の場合においても、当接部材23が血流の促進や浄化、筋の緊張緩和、神経の鎮静作用を発揮するので、非常に好適である。
【0028】
なお実施例1で使用するトルマリンボール51とゲルマニウムボール52は、上記した実施例2および実施例3においては必須の要件ではないので、これらの各ボールを使用しなくても差支えない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に成る身体各部の押圧具の外観を示す分解斜視図である。
【図2】図1の押圧具を組立てた状態の拡大断面図である。
【図3】他の実施例の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 把持体
11 前筒部
12 後筒部
20 押圧部
21 押圧軸
22 鍔部
23 当接部材
30 押圧力調整手段
31 調整螺子
32 バネ調整用の基台
33,34 コイルバネ
35,41 貫通孔
40 ロック螺子
51 トルマリンボール
52 ゲルマニウムボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前筒部と後筒部を分離可能に連結して成る把持体の前部に、経穴等を押圧するための押圧部を配置し、且つ把持体の内部に押圧力調整手段を備えた押圧具であって、前記押圧部を、前筒部から遊嵌状に突設された押圧軸と前筒部に内設された鍔部とにより形成し、また前記押圧力調整手段を、前筒部の内壁に取付けられた調整螺子と、その調整螺子に連動するバネ調整用の基台と、その基台と鍔部の間に配設されたコイルバネとにより形成し、該調整螺子の位置変更によって、前記コイルバネの押圧力を調整するように構成したことを特徴とする人体各部の押圧具。
【請求項2】
上記した前筒部と後筒部を、把持体の内壁に螺合するロック螺子を介して連結するとともに、そのロック螺子を用いて、上記した調整螺子を所望位置でロックすることを特徴とする請求項1に記載の人体各部の押圧具。
【請求項3】
上記したコイルバネが、大きさの異なる2本のバネを用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の人体各部の押圧具。
【請求項4】
上記したロック螺子と調整螺子にそれぞれ貫通孔を形成するとともに、上記した後筒部に、トルマリンボールとゲルマニウムボールの一方または両方を収納したことを特徴とする請求項2に記載の人体各部の押圧具。
【請求項5】
上記した押圧部を、セラミックとトルマリンとゲルマニウムを混合した金属で形成したことを特徴とする請求項1に記載の人体各部の押圧具。
【請求項6】
トルマリンとゲルマニウムを混合して成る当接部材を、上記した押圧軸の先端に、略半球面状に突設して設けたことを特徴とする請求項1に記載の人体各部の押圧具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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