説明

人体感知センサを備えた負荷制御装置

【課題】人体感知センサを備えたセンサ部が負荷制御装置の本体部と分離され、電波を用いた無線によりセンサ部と本体部との間で検出信号を送受信する負荷制御装置において、センサ部に内蔵されている電池の消耗を抑制する。
【解決手段】人体感知センサ11が人の存在を検出したときに、最初の人の存在の検出に応じて、第1無線通信部13は、センサ部1とは離れた位置にある本体部2の第2無線通信部22に対して検出信号を同じ周波数で2回ずつ、異なる2つの周波数で計4回送信し、人体感知センサ11が人の存在を検出し続けている間は、2つの周波数で1回ずつ計2回送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体感知センサを備え、人体感知センサによる人の検出に応じて、照明装置などの負荷を制御することが可能な負荷制御装置に関し、特に、人体感知センサが負荷制御装置本体と分離され、電波を用いた無線により検出信号を送受信するものに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、従来から、人体感知センサを備え、人体感知センサが人の存在を検出したときに、照明装置や換気扇などの負荷を起動させる負荷制御装置を製品化している(非特許文献1参照)。従来の人体感知センサを備えた負荷制御装置は、造営面(例えば、建築物の玄関やトイレなどの壁面など)に設置され、人体感知センサの検出領域に人の存在を検出したときに、照明装置を点灯させ、必要に応じて換気扇などを起動させる。人体感知センサは検出領域に人が存在するか否かを検出し、人が存在する場合は、その出力信号が変化する。負荷制御装置の制御部は、人体感知センサから出力信号の変化に応じて、タイマーをリセットし、一定時間負荷の起動状態を継続させる。
【0003】
従来の人体感知センサを備えた負荷制御装置では、人体感知センサは、負荷制御装置の本体部に設けられているので、負荷制御装置の設置場所によっては、人体感知センサの検出領域と、実際に人の存在を検出したい領域とが一致しない場合がある。一方、複雑な配線工事を行うことなく、既存の負荷制御装置をこの人体感知センサを備えた負荷制御装置に置き換えたいという要望が存在する。そのため、本出願人は、人体感知センサを備えたセンサ部を負荷制御装置の本体部から分離し、人体感知センサと負荷制御装置の本体部との間で無線通信装置を介して検出信号の送受信を行うことを提案している(特許文献1、非特許文献2参照)。
【0004】
負荷制御装置のセンサ部と本体部との間の無線通信手段として、赤外線による信号を利用する場合、センサ部と本体部との間に障害物が存在する場合、検出信号の送受信が確実に行われない可能性がある。そのため、人体感知センサが人の存在を検出しても、負荷、例えば照明装置がすぐに点灯されない場合が生じる。そこで、近年では、負荷制御装置のセンサ部と本体部との間の無線通信手段として、特定小電力の電波を用いることも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−253092号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】パナソニック電工 電設資材カタログ2010−2012 第110頁
【非特許文献2】パナソニック電工 電設資材カタログ2010−2012 第55頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人体感知センサを備えたセンサ部が負荷制御装置の本体部から分離されている場合、センサ部の電源は内蔵された電池から供給されるため、電池の消耗をできるだけ少なくすることが需要である。そのため、センサ部から本体部に対して一定時間間隔で信号が送信されるように構成されている。また、特定小電力無線通信では、無線信号の送信出力が小さいので、電波環境によっては本体側の無線受信部で確実に受信できない場合もあり得る。そのため、従来の負荷制御装置では、センサ部から本体部に対して検出信号を同じ周波数で2回ずつ送信するように構成されているものが存在する。さらに、環境ノイズの変動や他の無線通信機器との電波の干渉などに起因する受信不能に対応して、検出信号を同じ周波数で2回ずつ、異なる2つの周波数で計4回送信するように構成されているものも存在する。実際の電力消費量に関して、人体感知センサによる電力消費量に比べて無線送信装置による電力消費量は遙かに大きい。従って、電池の消耗を抑制するには、無線送信装置による電力消費量を低減させることが有効である。ところが、無線送信装置による電力消費量を低減させるために、検出信号の送信間隔を長くすると、人体感知センサが人の存在を検出しているにもかかわらず、例えば照明装置がすぐに点灯されないなどの不都合が生じる。
【0008】
本発明は、人体感知センサを備えたセンサ部が負荷制御装置の本体部と分離され、電波を用いた無線によりセンサ部と本体部との間で検出信号を送受信する負荷制御装置において、センサ部に内蔵されている電池の消耗を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る人体感知センサを備えた負荷制御装置は、人体感知センサが人の存在を検出したときに、最初の人の存在の検出に応じて、前記人体感知センサとは離れた位置にある負荷制御部に対して検出信号を同じ周波数で2回ずつ、異なる2つの周波数で計4回送信し、その後前記人体感知センサが人の存在を検出し続けている間は、所定時間間隔で又は所定間隔とは異なるタイミングで前記検出信号を前記負荷制御部に向けて前記2つの周波数で1回ずつ計2回送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る人体感知センサを備えた負荷制御装置は、
所定の検出領域内に人が存在するか否かを検出する人体感知センサと、前記人体感知センサが人の存在を検出したときに第1所定時間間隔で所定の検出信号を出力する第1制御部と、前記信号出力部から前記検出信号が出力されたときに、前記第1所定時間間隔で又は前記第1所定時間間隔とは異なるタイミングで前記検出信号を送信する第1無線通信部を備えたセンサ部と、
前記無線送信部から送信される前記検出信号を受信する第2無線通信部と、負荷に接続され、前記第2無線通信部が前記検出信号を受信するたびにタイマーをリセットして前記第1所定時間よりも長い第2所定時間をカウントすると共に、前記第2所定時間のカウント中、前記負荷を起動させ、前記第2所定時間のカウントの終了と共に前記負荷を停止させる第2制御部とを備えた本体部とで構成され、
前記人体感知センサが、前記第2所定時間以上の期間前記所定の検出領域内に人が存在することを検出しなかった後、人の存在を検出したとき、前記第1無線通信部は、前記検出信号を前記第2所定時間よりも短い第3所定時間内に、第1周波数で2回送信し、さらに前記第1所定周波数とは異なる第2周波数で2回送信し、前記人体感知センサが人の存在を検出し続けている間は、前記第3所定時間内に又は前記第3所定時間とは異なる第4所定時間内に、前記検出信号を前記第1周波数で1回送信し、さらに前記第2周波数で1回送信することを特徴とする。
【0011】
前記人体感知センサが人の存在を検出しなくなったときに、前記第1制御部は、非検出信号を出力し、前記第1無線通信部は、前記第3所定時間内に前記非検出信号を前記第1周波数で2回送信し、さらに前記第第2周波数で2回送信することが好ましい。
【0012】
前記第1制御部は、前記人体感知センサが、前記第2所定時間以上の期間前記所定の検出領域内に人が存在することを検出しなかった後、人の存在を検出したときに、前記検出信号を4回出力し、前記人体感知センサが人の存在を検出し続けている間は、前記検出信号を2回だけ出力することが好ましい。
【0013】
また、前記第2所定時間は、前記第1所定時間の2倍以上であることが好ましい。
【0014】
また、前記人体感知センサは、熱線式赤外線感知センサであることが好ましい。
【0015】
または、前記人体感知センサは、撮像装置と画像処理装置を備えた人認識センサであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来のものに比べて、人体感知センサが検出領域内に人の存在を検出し続けている間、センサ部の第1無線通信部から本体部の第2無線通信部に送信される検出信号の総送信回数を低減させることができる。その結果、センサ部に内蔵されている電池の消耗を抑制し、電池交換の頻度を少なくすることができる。特に、長時間検出領域内に人が存在し続ける場合に、その効果が顕著である。また、無線を用いて検出信号を送受信するので、ユーザが負荷制御装置の無線受信部の前にいたとしても、赤外線を用いた場合に比べて高い確率で検出信号の送受信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る人体感知センサを備えた負荷制御装置の設置状態を示す斜視図。
【図2】上記負荷制御装置の本体部の外観を示す正面図。
【図3】上記負荷制御装置のセンサ部の構成を示す正面断面図。
【図4】上記負荷制御装置のブロック構成を示す図。
【図5】上記負荷制御装置の動作モードが自動モードである場合の負荷制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】上記負荷制御装置の動作モードが自動モードである場合の負荷制御装置の変形例の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】上記負荷制御装置の動作モードが自動モードである場合の負荷制御装置の他の変形例の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る人体感知センサを備えた負荷制御装置について説明する。図1は本実施形態に係る負荷制御装置の設置状態をし、図2は負荷制御装置の本体部の正面外観を示す。また、図3はこの負荷制御装置のセンサ部の構成を示す。さらに、図4はセンサ部及び本体部からなる負荷制御装置のブロック構成を示す。図5〜7は、負荷制御装置の動作モードが自動モードに設定されている場合の負荷制御装置の動作を示すタイミングチャートである。なお、以下の説明において、制御対象である負荷として照明装置のみを例示するけれども、これに限定されるものではなく、換気扇やその他の負荷を制御しうることは言うまでもない。
【0019】
図1に示すように、負荷制御装置は、センサ部1と本体部2で構成され、センサ部1は本体部2とは分離されている。本体部2は、例えば、建築物の玄関やトイレなどの壁面などの造営面(図では玄関の壁面)に設置され、壁面の裏側に設置された配線4を介して照明装置(負荷)3に接続されている。一方、センサ部1は、ユーザによって任意の場所に設置可能であり、例えば両面粘着テープ、接着剤、ねじなどで天井部などに取り付けられる。センサ部1は、内蔵電池で駆動され、電波を用いて本体部2との間で信号の送受信を行う。そのため、センサ部1と本体部2との間の配線工事は不要である。
【0020】
図2に示すように、負荷制御装置の本体部2には、動作モード切換スイッチ20が設けられており、その操作ハンドル21の位置によって負荷制御装置の動作モードが切り換えられる。負荷制御装置は、常時照明装置(負荷)3を点灯(起動)させる常時起動モード、センサ部1に設けられている人体感知センサが人の存在を検出したときだけ照明装置3を点灯させる自動モード、常時照明装置3を消灯(停止)させる常時停止モードを有している。図2において、動作モード切換スイッチ20の操作ハンドル21の「連続入」、「自動」及び「切」位置は、それぞれ常時起動モード、自動モード及び常時停止モードに対応している。なお、負荷制御装置の本体部2には、人体感知センサは設けられていない。
【0021】
図3に示すように、センサ部1は、例えば筐体10の中央部に設けられた人体感知センサ(照度センサを含む)11と、第1制御部(信号出力部)12と、第1無線通信部(無線送信部)13、電池14、アンテナ15などで構成されている。人体感知センサ11は常時所定の検出領域内に人が存在するか否かを検出している。人体感知センサ11は、例えば熱線式赤外線検知センサであり、人の体から放射される赤外線を受けると、その出力信号が変化する。すなわち、人体感知センサ11の出力が変化することによって、所定の検出領域内に人が存在することが検出される。人体感知センサ11の出力が変化すると、信号出力部として機能する第1制御部12は所定の検出信号を出力する。ところで、センサ部1は電池14の電源により駆動されるため、電池14の消耗を抑制させることが重要である。そのため、第1制御部12は、一定間隔(第1所定時間間隔)で検出信号を出力する。第1制御部12から検出信号が出力されると、第1無線通信部13は無線送信部として機能し、電波を用いてこの検出信号を負荷制御装置の本体部2に向けて送信する。第1制御部12は、一般的なCPU、ROM及びRAMなどで構成されており、タイマー機能及びメモリ機能などを備えている。なお、検出信号が出力されない場合であっても、第1無線通信部13から第2無線通信部22に向けてその他の信号(例えば非検出信号など)を送信してもよい。
【0022】
負荷制御装置の本体部2は、第2無線通信部22と、第2制御部(負荷制御部)23などで構成されている。第2無線通信部22は、センサ部1の第1無線通信部13から送信される検出信号を受信する。第2制御部23は負荷制御部として機能し、動作モード切換スイッチ20の設定又は検出信号の受信に応じて照明装置(負荷)3の点灯及び消灯(起動及び停止)を制御する。第2制御部23は、主開閉部としてトライアックなどの電子スイッチを用いると共に、CPU、ROM及びRAMなどで構成されており、タイマー機能及びメモリ機能などを備えている。
【0023】
この負荷制御装置が、例えば玄関やトイレなど、一定時間人が留まるような場所に設置されている場合、人体感知センサ11はその間人の存在を検出し続けている。一方、この負荷制御装置が、例えば廊下や階段など、人が通過するような場所に設置されている場合、人体感知センサ11は、人の通過によって1回だけしか人の存在を検出しない。従って、第2制御部23は、検出信号を受信した後、ユーザが設定した任意の所定時間(後述する第2所定時間)だけ照明装置3を点灯させ、その所定時間内に新たに検出信号を受信すると、タイマーのカウントをリセットするように構成されている。
【0024】
上記第2所定時間は、時間設定スイッチ(時間調整用ボリューム)を調節することによってユーザが任意に設定することができる。この第2所定時間を設定する時間設定スイッチは、センサ部1又は本体部2のいずれに設けられていてもよい。センサ部1に時間設定スイッチが設けられている場合、上記検出信号として、照明装置3を点灯させる命令と共に、点灯時間情報が送信される。一方、本体部2に時間設定スイッチが設けられている場合、上記検出信号として、照明装置3を点灯させる命令を送信すればよい。この時間設定スイッチを調節することにより、第3所定時間を例えば10秒から10分の間の任意の時間に設定することができる。
【0025】
第1無線通信部13及び第2無線通信部22は、例えば特定小電力無線通信方式を利用して、電波により検出信号などの送受信を行う。特定小電力無線通信では、特定の周波数を複数の無線通信機器で共有する。そのため、第1無線通信部13は、検出信号を送信しようとする際、他の無線通信機器がその特定の周波数の電波を送信しているか否かを判断する。そして、他の無線通信機器がその特定の周波数の電波を送信していないときは、第1無線通信部13は、速やかに検出信号を送信する。一方、他の無線通信機器がその特定の周波数の電波を送信しているときは、第1無線通信部13は、一定時間経過した後で検出信号を送信する。なお、特定小電力無線通信では、特定の周波数を複数の無線通信機器で共有するため、各無線通信機器が連続して電波を送信し続けられる時間(送信可能時間)に制限が設けられている(例えば連続して5秒以内)。また、他の無線通信機器に電波送信の機会を与えるため、第1無線通信部13は、検出信号を送信した後の一定の送信禁止時間(例えば2秒間)、電波を送信することができない。すなわち、この負荷制御装置の付近に、データ量の多い信号を送信する無線機器が存在しない場合であっても、第1無線通信部13は、検出信号を送信した後、少なくともの一定の送信禁止時間は次の検出信号を送信することができない。従って、上記第1所定時間は、少なくともこの検出信号を定期的に送信するための待ち時間以上に設定される。なお、この負荷制御装置のように、限られた種類の負荷の制御に使用される場合、他の無線通信機器との送信信号と干渉し、検出信号の送信に失敗しても、特に問題は生じない。そのため、検出信号の送信に際して、必ずしも他の無線通信機器がその特定の周波数の電波を送信しているか否かを判断しなくてもよい。
【0026】
特定小電力無線通信では、無線信号の送信出力が小さいので、電波環境によっては第2無線通信部22で確実に受信できない場合もあり得る。そのため、従来から、検出信号を同じ周波数で2回ずつ、周波数を変えて合計4回送信するように構成されている負荷制御装置も存在する。本実施形態に係る負荷制御装置では、電池の消耗を抑制するため、人体感知センサ11が検出領域内に人の存在を検出し続けている間、センサ部1の第1無線通信部13から本体部2の第2無線通信部22に送信される検出信号の総送信回数を低減させる。具体的には、人体感知センサ11が一定時間人の存在を検出していなかった後、最初に人の存在を検出すると、センサ部1から本体部2に対して検出信号を同じ周波数で2回ずつ、異なる2つの周波数で計4回送信する。一方、人体感知センサ11が人の存在を検出し続けている間は、第1所定時間間隔で又は第1所定間隔とは異なるタイミングで、にセンサ部1から本体部2に対し検出信号を2つの周波数で1回ずつ計2回送信する。
【0027】
次に、図5に示すタイミングチャートを参照しつつ、自動モードにおける負荷制御装置の動作を説明する。図5に示す例では、本体部2に時間設定スイッチが設けられており、検出信号として、照明装置3を点灯させる命令が送信されるものとする。
【0028】
所定の期間、人体感知センサ11が検出領域内に人の存在を検出しなかった後、最初に人の存在を検出したとき、すなわち、消灯されていた照明装置3を点灯させる場合、検出信号をセンサ部1から本体部2に確実に送信する必要がある。そこで、センサ部1の第1無線通信部13は、検出信号を上記第1所定時間よりも短い第3所定時間内に、第1周波数で検出信号を2回送信し、さらに第2周波数で検出信号を2回送信する。すなわち、検出信号は合計4回送信される。第1無線通信部13から送信される信号の全体を検出信号と定義するか、あるいはペイロード部分のみを検出信号と定義するかによるが、第1無線通信部13が1つの検出信号を送信するのに要する時間は、100ミリ秒程度である。一般的に、第1無線通信部13は、検出信号を4回連続して送信するが、必ずしも連続して送信する必要はなく、一定の時間間隔を開けて送信してもよい。また、後者の定義によれば、検出信号は時間を置いて送信されることになる。この場合、検出信号を4回送信するのに要する時間は、400ミリ秒〜1秒程度となる。この検出信号が4回送信されるのに要する時間を第3所定時間とする。検出信号は、人体感知センサ11による人の存在の検出に応じて第1制御部(センサ制御部)12から出力されるが、この場合、第1制御部12は検出信号を4回続けて出力するものとする。第1無線通信部13は、上記送信可能時間内に第1制御部12から出力された4つの検出信号を送信する。本体部2の第2無線通信部22がセンサ部1の第1無線通信部13から送信された検出信号を受信すると、第2制御部23は照明装置3を点灯させる。その際、第2無線通信部22は、第1無線通信部13から送信された4つの検出信号のうち、いずれか一つの検出信号を受信できればよい。
【0029】
次に、人が人体感知センサ11の検出領域内に留まっている場合、人体感知センサ11は人の存在を検出し、第1制御部12は第1所定間隔で検出信号を出力する。この場合、第1制御部12は検出信号を2回出力する。第1無線通信部13は、上記第3所定時間内に又は第3所定時間とは異なる第4所定時間内に、検出信号を第1周波数で1回送信し、さらに第2周波数で1回送信する。上記のように照明装置3を点灯させる第2所定時間は第1所定時間よりも長い。第2所定時間の設定可能な最短時間を第1所定時間の少なくとも2倍以上に設定すれば、自動モードにおいて照明装置3が点灯している間に、第2無線通信部22は第1無線通信部13からの検出信号を少なくとも4回受信することができる。この場合、既に照明装置3が点灯されており、仮に第1無線通信部13から送信された検出信号が第2無線通信部22によって受信されなくても、照明装置3はすぐには消灯されない。
【0030】
ここで、第1無線通信部13は、環境ノイズの変動などにかかわらず、必ず第1周波数と第2周波数で検出信号を送信する。それに対して、第2無線通信部22は、第1周波数と第2周波数で検出信号を待ち受ける必要はない。図5に示す例では、第2無線通信部22は、一定時間第1周波数で検出信号を待ち受け、その後一定時間第2周波数で検出信号を待ち受けるように構成されている。しかしながら、上記のように、検出信号が出力されない場合であっても、第1無線通信部13から第2無線通信部22に向けて比検出信号などを送信することができる。従って、図6に示すように、第2制御部23は、いずれかの周波数で受信した信号のS/N(信号対ノイズ比)を閾値と比較し、S/Nが閾値よりも低くなっているときに他方の周波数に切り換えて検出信号を待ち受けるように構成してもよい。
【0031】
第2制御部23は、第2無線通信部22が検出信号を受信すると第2所定時間のカウントを開始し、既に第2所定時間のカウントを行っているときは、カウント値をリセットしてカウントをやり直す。さらに、第2制御部23は、タイマーが第2所定時間のカウントを行っている間、照明装置3を点灯させ続ける。そして、人体感知センサ11が人の存在を検出しなくなり、最後の検出信号を受信した後、第2所定時間のカウントを終了すると、第2制御部23は、照明装置3を消灯する。
【0032】
このように、人体感知センサ11が、所定の期間人が存在を検出しなかった後、最初に人の存在を検出したときだけ検出信号を異なる2つの周波数で2回ずつ計4回送信し、人体感知センサが人の存在を検出し続けている間2つの周波数で1回ずつ計2回送信する。それによって、従来のものに比べて、人体感知センサが検出領域内に人の存在を検出し続けている間、センサ部1の第1無線通信部13から本体部2の第2無線通信部22に送信される検出信号の総送信回数を低減させることができる。その結果、センサ部1に内蔵されている電池14の消耗を抑制し、電池交換の頻度を少なくすることができる。特に、長時間検出領域内に人が存在し続ける場合に、その効果が顕著である。なお、上記「所定の期間」は、第2所定時間以上の期間であればよい。
【0033】
図7は、センサ部1に時間設定スイッチが設けられている場合のタイミングチャートを示しており、検出信号として、照明装置3を点灯させる命令と共に、点灯時間情報が送信される。第2制御部23は、第2無線通信部22が検出信号を受信するたびに、タイマーのカウント値をリセットし、検出信号に含まれる点灯時間情報に従って第2所定時間をカウントし、第2所定時間のカウント中、照明装置3を点灯させる。そして、人体感知センサ11が所定検出領域内に人の存在を検出しなくなったときに、センサ部1から本体部2に対して、検出信号ではなく、非検出信号(この場合消灯信号)が第3所定時間内に、第1周波数で2回送信され、さらに第2周波数で2回送信される。本体部2の第2制御部23は、第2無線通信部22がこの非検出信号を受信すると、第5所定時間経過後に照明装置3を消灯するように構成してもよい。人体感知センサ11が人の存在を検出しなくなるということは、人が検出領域から離れて行っていることを意味するので、この第5所定時間は、上記第2所定時間の設定によっては、それと同じ時間であってもよいし、それよりも短い時間であってもよい。なお、図7では、人体感知センサ11が人の存在を検出し続けている間に環境ノイズが変化し、非検出信号を第1周波数では受信できず、第2周波数でのみ受信できる場合を例示している。このように、最初の検出信号及び非検出信号など、照明装置3の点灯及び消灯に関する重要な信号を、周波数を変えて2回ずつ、合計4回送信することにより、確実に照明装置3を点灯及び消灯させることができる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態の説明に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、人体感知センサは、熱線式赤外線検出センサに限定されず、撮像装置と画像処理装置を備えた人認識センサであってもよい。周知のように、熱線式赤外線検出センサは、構造が簡単であるという利点を有するが、人以外の熱源、例えばペットなどが検出領域を通過した場合にも反応してしまう欠点も有している。撮像装置と画像処理装置を備えた人認識センサは、構造及び画像処理が複雑であるという欠点を有しているが、人以外の熱源には反応しないという利点を有している。
【符号の説明】
【0035】
1 (負荷制御装置の)センサ部
2 (負荷制御装置の)本体部
3 照明装置(負荷)
11 人体感知センサ
12 第1制御部(信号出力部)
13 第1無線通信部(無線送信部)
20 動作モード切換スイッチ
21 操作ハンドル
22 第2無線通信部(無線受信部)
23 第2制御部(負荷制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体感知センサが人の存在を検出したときに、最初の人の存在の検出に応じて、前記人体感知センサとは離れた位置にある負荷制御部に対して検出信号を同じ周波数で2回ずつ、異なる2つの周波数で計4回送信し、その後前記人体感知センサが人の存在を検出し続けている間は、所定時間間隔で又は所定間隔とは異なるタイミングで前記検出信号を前記負荷制御部に向けて前記2つの周波数で1回ずつ計2回送信することを特徴とする人体感知センサを備えた負荷制御装置。
【請求項2】
所定の検出領域内に人が存在するか否かを検出する人体感知センサと、前記人体感知センサが人の存在を検出したときに第1所定時間間隔で所定の検出信号を出力する第1制御部と、前記信号出力部から前記検出信号が出力されたときに、前記第1所定時間間隔で又は前記第1所定時間間隔とは異なるタイミングで前記検出信号を送信する第1無線通信部を備えたセンサ部と、
前記無線送信部から送信される前記検出信号を受信する第2無線通信部と、負荷に接続され、前記第2無線通信部が前記検出信号を受信するたびにタイマーをリセットして前記第1所定時間よりも長い第2所定時間をカウントすると共に、前記第2所定時間のカウント中、前記負荷を起動させ、前記第2所定時間のカウントの終了と共に前記負荷を停止させる第2制御部とを備えた本体部とで構成され、
前記人体感知センサが、前記第2所定時間以上の期間前記所定の検出領域内に人が存在することを検出しなかった後、人の存在を検出したとき、前記第1無線通信部は、前記検出信号を前記第2所定時間よりも短い第3所定時間内に、第1周波数で2回送信し、さらに前記第1所定周波数とは異なる第2周波数で2回送信し、前記人体感知センサが人の存在を検出し続けている間は、前記第3所定時間内に又は前記第3所定時間とは異なる第4所定時間内に、前記検出信号を前記第1周波数で1回送信し、さらに前記第2周波数で1回送信することを特徴とする人体感知センサを備えた負荷制御装置。
【請求項3】
前記人体感知センサが人の存在を検出しなくなったときに、前記第1制御部は、非検出信号を出力し、前記第1無線通信部は、前記第3所定時間内に前記非検出信号を前記第1周波数で2回送信し、さらに前記第第2周波数で2回送信することを特徴とする請求項2に記載の人体感知センサを備えた負荷制御装置。
【請求項4】
前記第1制御部は、前記人体感知センサが、前記第2所定時間以上の期間前記所定の検出領域内に人が存在することを検出しなかった後、人の存在を検出したときに、前記検出信号を4回出力し、前記人体感知センサが人の存在を検出し続けている間は、前記検出信号を2回だけ出力することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の人体感知センサを備えた負荷制御装置。
【請求項5】
前記第2所定時間は、前記第1所定時間の2倍以上であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の人体感知センサを備えた負荷制御装置。
【請求項6】
前記人体感知センサは、熱線式赤外線感知センサであることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の人体感知センサを備えた負荷制御装置。
【請求項7】
前記人体感知センサは、撮像装置と画像処理装置を備えた人認識センサであることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の人体感知センサを備えた負荷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−185937(P2012−185937A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46822(P2011−46822)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】