説明

仕分け設備

【課題】仕分け先ごとの荷の物量に応じて、適切な大きさの荷収容空間を有する仕分け排出部を構成可能な仕分け設備を提供する。
【解決手段】傾動可能な複数の移動式スラット13が並べて設けられ、スラット13に載せた荷12を搬送路に沿って、搬送可能であるとともに、スラット13の傾動により荷12を搬送路から側方へ送り出し可能な搬送コンベヤ11と、荷搬送路の側方に設けられ、スラット13の傾動により側方へ送り出された荷12を受け取って仕分け先ごとに仕分けることが可能な仕分け排出部30とを備えた仕分け設備であって、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさを変更できるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾動可能な複数の移動式スラットを有する搬送コンベヤにより荷を支持しながら搬送し、スラットを傾倒させて荷を落下させることにより、仕分け先ごとの仕分け排出部に荷の仕分けを行う仕分け設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の仕分け設備には、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
特許文献1に記載された仕分け設備は、複数のスラットにより搬送面が構成される搬送コンベヤを用いて、みかん等の小型の荷の搬送と、これら搬送に係る荷の複数の仕分け排出部ごとへの仕分け処理を行う設備である。
この仕分け設備では、スラットにより、みかんの等の小型の荷を支持しながら搬送し、荷が仕分け先の割り当てられた仕分け排出部まで搬送されると、仕分け排出部に対応して設けられた傾倒駆動装置を駆動して荷を支持しているスラットを傾倒させ、仕分け先が割り当てられた仕分け排出部へ荷を落下させて仕分ける。このような動作が、各仕分け排出部について行われることにより、仕分け先ごとに荷の仕分けが実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−135026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の仕分け設備では、仕分け排出部において荷を貯めることができる荷収容空間の大きさは固定されているため、仕分け先の荷の物量が変動する場合等に、物量の多い仕分け先が割り付けられた仕分け排出部では、仕分け処理を開始してから早期に満量になってしまう問題があった。
仕分け排出部が満量になると、満量となった仕分け排出部に対する荷の仕分けを一旦停止せざるをえないため、このような仕分け処理を開始してから早期に満量となってしまう状態では、仕分け設備の荷の処理効率が低下するという弊害が生じる。
そこで、本発明は、仕分け先ごとの荷の物量に応じて、適切な大きさの荷収容空間を有する仕分け排出部を構成可能な仕分け設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明は、傾動可能な複数の移動式スラットが並べて設けられ、スラットに載せた荷を搬送路に沿って、搬送可能であるとともに、スラットの傾動により荷を搬送路から側方へ送り出し可能な搬送コンベヤと、荷搬送路の側方に設けられ、スラットの傾動により側方へ送り出された荷を受け取って仕分け先ごとに仕分けることが可能な仕分け排出部と、を備えた仕分け設備であって、仕分け排出部の荷収容空間の大きさを変更できるように構成したことを特徴とする。
【0006】
また本発明は、請求項2に記載の如く、仕分け排出部を、荷を収容するための、荷搬送路の方向に複数形成された区画単位によって構成し、隣り合う区画単位どうしの境界位置に、この境界位置を越える荷の移動を阻止して、荷収容空間の大きさを画定するための仕切壁を着脱自在に設置して、荷収容空間の大きさを変更できるようにしたことが好適である。
【0007】
また本発明は、請求項3に記載の如く、スラットを傾動させるための傾動駆動装置を、各区画単位ごとにそれぞれ設け、複数の区画単位によって構成された仕分け排出部において、仕分け排出部に割り当てた各傾倒駆動装置を駆動して仕分け排出部に荷の仕分けを行う際に、傾倒駆動装置を駆動してから同一の傾倒駆動装置を次に駆動するまでの間に、仕分け排出部に割り当てられた他の傾倒駆動装置を駆動するように構成したことが好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の仕分け設備によれば、各仕分け排出部について、仕分け排出部の荷収容空間の大きさを変更できるようにしたことにより、仕分け先ごとの荷の物量に応じて、仕分け先ごとに適切な荷収容空間の大きさの仕分け排出部を構成することができ、仕分け排出部から荷が溢れるおそれを解消でき、荷の処理効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態における仕分け設備を示す斜視図である。
【図2】同仕分け設備を示す平面図である。
【図3】同仕分け設備のスラットを説明する正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態における仕分け設備を示す。
仕分け設備において、11は搬送コンベヤであり、この搬送コンベヤ11は、傾動可能な複数の移動式スラット13が並べて設けられ、スラット13の傾動により仕分け先の割り当てられた荷12(箱状の小型物品等)を搬送路から側方へ送り出し可能に構成されている。
【0011】
この搬送コンベヤ11の荷搬送路に沿って、排出シュート25が設けられている。
排出シュート25は、搬送コンベヤ11の荷搬送路の側方に設けられ、スラット13の傾動により側方へ送り出された荷12を受け取って仕分け先ごとに仕分けることが可能な仕分け排出部30を有している。また排出シュート25は、搬送コンベヤ11から離れるに従って、荷12を貯留する傾斜面26が下り傾斜となるように構成されている。荷12を傾斜面26に貯留するため、排出シュート25の搬送コンベヤ11から遠い側には、荷12の零れ落ちを防止するためのストッパー31が設けられている。
【0012】
図2に示すように、排出シュート25は、荷12を収容可能な区画単位28(間口ともいう)が、荷12の搬送路の方向に複数形成された構成である。
仕分け排出部30は、1つまたは複数の区画単位28により構成し、隣り合う区画単位28どうしの境界位置に、この境界位置を越える荷12の移動を阻止して、荷収容空間の大きさを画定するための仕切壁29を着脱自在に設置することにより、荷収容空間の大きさが変更可能とされている。また区画単位28間の各境界位置にはそれぞれ仕切壁29を差込み可能な差込穴27が形成されている。
【0013】
仕切壁29は、差込部が差込穴27へ差し込まれることで所定位置に設置され、傾斜面26に対して着脱自在とされる。一対の仕切壁29どうしの間に、仕分け排出部30が形成される。仕切壁29の着脱によって、一つの仕分け排出部30を形成する区画単位28の数を変更することができる。これにより、仕分け先ごとの荷12の物量に応じて、仕分け先ごとに適切な荷収容空間の大きさの仕分け排出部30を構成することができ、荷12の処理効率を向上できる。
【0014】
つまり、仕切壁29の差込部を差込穴27から取り外すと隣り合う区画単位28どうしが一体となって新たな大形の荷収容空間を形成可能である。反対に、仕切壁29の差込部を差込穴27に差し込むことで、一つの荷収容空間が二つの荷収容空間に区分けされる。すなわち、仕切壁29の着脱により仕分け先ごとの荷収容空間を形成する区画単位の数を変更して、荷収容空間の大きさを変更することができる。仕切壁29により、隣接する仕分け排出部30間での荷12の移動が阻止され、仕分け先間で荷12の混入が発生することを有効に防止できる。
【0015】
傾倒駆動装置16の構成について、図3を用いて説明する。
スラット13が、荷搬送路に沿って走行移動する走行部15に接続されている支持軸20を中心として旋回可能に配置され、スラット13の一部が係合片19の爪19aに係合されることにより、荷12を水平に支持しうるように構成されている。走行部15は、スラット13を、図3の紙面と垂直な方向に走行させることができる。
【0016】
このスラット13を傾倒させるのが、コンベヤフレームの上部に取り付けられている傾倒駆動装置16である。傾倒駆動装置16は、区画単位28ごとにそれぞれ設けられている。この際、好ましくは、各区画単位28の傾倒駆動装置16は、それぞれ、荷搬送路の搬送方向において、対応する区画単位28が配置される位置よりもやや上流位置に配置される。荷12は、搬送時の慣性により、傾倒駆動装置16の位置よりも、荷搬送路の搬送方向において下流側に寄って落下される傾向にあるためである。
【0017】
傾倒駆動装置16はアクチュエータ17を有し、アクチュエータ17を駆動することによりプッシャー17aで駆動片18を押し下げ、駆動片18により係合片19の一端を押し下げて揺動させて係合片19の他端の爪19aを持ち上げ、爪19aとスラット13の一部との係合を解く。すると、図3において二点鎖線で示すように、スラット13は、荷12の支持面が、水平位置から外側へ向けて所定角度だけ傾斜した位置まで旋回して傾倒する。ここで、好ましくは、前記所定角度は、約20度〜約60度の範囲内の角度とされる。スラット13の旋回角度が20度より小さいと、スラット13から荷12が落下しにくくなり、スラット13の旋回角度が60度より大きいと、荷12が排出シュート25の傾斜面26上を転がって落下するおそれがあるためである。さらに好ましくは、前記所定角度は25度〜35度の範囲内の角度とされ、最適には約30度の角度とされる。
【0018】
スラット13を旋回させるに際して、スラット13が水平位置から所定角度以上旋回しないように、スラット13の旋回角度を規制する第1規制部材33や第2規制部材33’を設けることが好適である。第1規制部材33は、スラット13が所定角度旋回した際にスラット13の下部に当接可能な位置に設けられ、スラット13が所定角度以上に旋回することを防止する。第1規制部材33は、荷搬送路における荷12の搬送方向に沿って延ばされたガイドレールの状の部材により構成してもよい。ここで、第1規制部材33を設けるときは、スラット13の下部に、第1規制部材33に当接する際の衝撃を吸収するゴム弾性部材等を設けることが好ましい。
また第2規制部材33’は、スラット13の下部に設けられ、スラット13が所定角度旋回した際に、走行部15の一部等に当接するように構成され、第1規制部材33と同様に、スラット13が所定角度以上に旋回することを防止する。第2規制部材33’は、衝撃を吸収するゴム弾性部材等から構成されることが好ましい。
第1弾性部材33,第2弾性部材33’は、いずれか一方だけ設けてもよいし、あるいは、両方とも設けてもよい。
【0019】
このように、スラット13が旋回して傾倒されることにより、スラット13に支持されていた荷12は、排出シュート25の傾斜面26へと滑るようにして落下される。
ここで、複数のスラット13で荷12を支持しながら搬送するので、傾倒駆動装置16は、荷12を支持しているスラット13の個数の回数だけ駆動される。これにより、荷12を確実に排出シュート25へ落下させることができる。
【0020】
なお、上述の各仕分け排出部30には、それぞれ、仕分け排出部30に貯留されている荷12の物量が、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさの約80%以上であることを検知する満量徴候検知装置および仕分け排出部30の荷収容空間の大きさの100%以上であることを検知する満量検知装置を備えてもよい。この場合、各仕分け排出部30の満量徴候検知装置および満量検知装置は、それぞれ、発光素子と受光素子からなる光電センサ装置により構成可能である。発光素子と受光素子は、仕切壁29の搬送コンベヤ11の近傍位置に設けてもよい。
【0021】
次に、制御構成について説明する。この仕分け設備には、荷12の仕分け処理を制御するためのコンピュータからなる制御装置(図示省略)が設けられている。仕分け処理開始前と、仕分け処理開始後の処理について以下説明する。
[仕分け処理開始前]
まず、仕分け処理が開始される前に、制御装置に、予め、仕分け先ごとの荷12の物量(荷12の数量。体積でもよい。)が入力されて登録される。
この登録された仕分け先ごとの荷12の物量のデータに基づいて、制御装置は、各仕分け先に割り当てる仕分け排出部30を構成する区画単位28の数、すなわち、各仕分け先に割り当てる荷収容空間の大きさを決定する。
なお、制御装置に代えて作業者Hが、登録された仕分け先ごとの荷12の物量のデータに基づいて、各仕分け先に割り当てる仕分け排出部30を構成する区画単位28の数、すなわち、各仕分け先に割り当てる荷収容空間の大きさを決定するようにしてもよい。
【0022】
次に、制御装置は、決定した仕分け排出部30を構成する区画単位28に基づいて、区画単位28に対応する傾倒駆動装置16に同一の仕分け先を割り当てる。
また、作業者Hは、決定した仕分け排出部30を構成する区画単位28に基づいて、仕分け排出部30間の各境界位置の差込穴27に仕切壁29を設置し、荷収容空間の大きさを変更する。なお、制御装置が、仕分け排出部30を構成する区画単位28を決定する場合、この決定された仕分け排出部30を構成する区画単位28を、作業者Hに通知する表示装置(図示省略)が設けられ、作業者Hは、表示装置に表示される情報に基づいて、仕分け排出部30間の各境界位置の差込穴27に仕切壁29を設置し、荷収容空間の大きさを変更する。
【0023】
例えば、仕分け先の荷12の物量が増加された場合、仕切壁29の位置が変更されて、仕分け先に割り当てる仕分け排出部30を構成する区画単位28の数が増加される。これにより、仕分け排出部30から荷12が溢れる可能性を低減できる。
反対に、仕分け先の荷12の物量が減少された場合、仕切壁29の位置が変更されて、仕分け先に割り当てる仕分け排出部30を構成する区画単位28の数が減少される。これにより、荷収納空間が広すぎる仕分け排出部30について、仕分け排出部30を構成する区画単位28を減らすことができ、減らされた区画単位28を新たな仕分け排出部30として構成し、新たな仕分け排出部30に仕分け先を追加して割り当てることができる。
【0024】
[仕分け処理開始後]
仕分け処理が開始されると、制御装置により搬送コンベヤ11が駆動され、荷搬送路に沿って、識別情報が付された荷12が搬送されてくる。
そして、コンベヤの荷搬送方向における最上流に設けられた識別情報読取手段により荷12の識別情報が読み取られて、荷12識別情報が制御手段に入力される。識別情報読取手段により、荷12の識別情報が読み取られると、制御装置は、荷12の識別情報から登録したデータを検索して荷12の仕分け先を判断する。
ここで、識別情報と識別情報読取手段としては、例えば、バーコードとバーコードリーダの組合せ、RFID(Radio Frequency IDentification)タグとRFIDアンテナの組合せ等を用いることができる。
【0025】
次に、制御装置は、識別情報読取手段により識別情報が読み取られた荷12が、荷検知装置(図示省略)により検知されると、搬送コンベヤ11の駆動軸の回転軸を検知するロータリーエンコーダー(図示省略)から入力されるパルス信号に基づいて搬送コンベヤ11上の荷12の計算上の位置を求め、すなわち、荷12を支持しているスラット13がどのスラット13であるかを求める。これにより、制御装置は、荷12の搬送位置(荷12を支持するスラット13の移動位置)は、トラッキングして把握する。
そして、制御装置は、荷12が仕分け先の割り当てられた仕分け排出部30まで搬送されてくると、荷12を支持しているスラット13が傾倒駆動装置16の位置にくるタイミングで傾倒駆動装置16を順次駆動し、荷12を支持する複数のスラット13を順次傾倒させて(図1参照)、仕分け排出部30に荷12を落下させて仕分ける。
この際、荷12を支持しているスラット13のみを傾倒させて荷12を排出シュート25に排出させる構成としているため、荷12と後続の荷12とが同一のスラット13に載ってさえいなければ、荷12と後続の荷12とを区別して仕分けることができる。すなわち、図1に示すように、荷12と後続の荷12との間の最小の間隔である最小荷間dは、搬送方向におけるスラット13の幅1つ分となり、搬送コンベヤ11上の荷間を極力小さくすることができ、搬送コンベヤ11による荷12の搬送効率を向上できる。
【0026】
また制御装置は、複数の区画単位28によって構成された仕分け排出部30では、仕分け排出部30に割り当てた各傾倒駆動装置16を駆動して仕分け排出部30に荷12の仕分けを行う際に、傾倒駆動装置16を駆動してから同一の傾倒駆動装置16を次に駆動するまでの間に、仕分け排出部30に割り当てられた他の傾倒駆動装置16を駆動するようにする。これにより、仕分け排出部30に割り当てられた各傾倒駆動装置16が順繰りに駆動されるため、仕分け排出部30内で、荷12の偏りが発生することを有効に防止でき、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさの限度まで荷12を貯留することができる。
【0027】
なお、各仕分け排出部30に、荷12が仕分け排出部30に満量になったことを検知する満量検知装置等を設ける場合、満量検知装置等により満量が検知されたことが制御装置に入力されると、制御装置は、仕分け排出部30に対応する倒駆動装置16の駆動を禁止し、すなわち、満量になった仕分け排出部30への荷12の仕分けを禁止する。このとき、満量となった仕分け排出部30に仕分けられるはずであった荷12は、満量となった仕分け排出部30を通過して搬送され、搬送コンベヤ11の最下流位置に設けられるリジェクトシュート(図示省略)に荷12が排出される。リジェクトシュートに排出された荷12は、作業者Hにより仕分け先の物品群へ荷合わせされる。
作業者Hが、仕分け排出部30上の荷12を処理する等して、仕分け排出部30の満量が解消され、満量検知装置等により物品が検知されなくなったことが制御装置に入力されると、制御装置は、満量の解消された仕分け排出部30に対応する倒駆動装置16の駆動を許可する。これにより、満量の解消された仕分け排出部30に対する荷12の仕分け処理が再開される。
【0028】
作業者Hは、上述のように仕分けられて仕分け排出部30に蓄積した荷12を、荷12の識別情報を個別の識別情報読取手段により読み取りながら、仕分け排出部30ごとにカゴ車等への積み込みを行う。この際、作業者Hが、仕分け先の荷12を下位カテゴリの仕分け先に分別しながら、下位カテゴリの仕分け先ごとにカゴ車等に積み込む二次仕分けを行うようにしてもよい。仕分け先と下位カテゴリの仕分け先とは、例えば、配送方面と配送方面に属する店舗等との関係等である。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、各仕分け排出部30について、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさを変更できるようにしたことにより、仕分け先ごとの荷12の物量に応じて、仕分け先ごとに適切な荷収容空間の大きさの仕分け排出部30を構成することができ、荷12の処理効率を向上できる。
【0030】
また本実施形態によれば、仕分け排出部30を、荷12を収容するための、荷搬送路の方向に複数形成された区画単位28によって構成し、隣り合う区画単位28どうしの境界位置に、この境界位置を越える荷12の移動を阻止して、荷収容空間の大きさを画定するための仕切壁29を着脱自在に設置して、荷収容空間の大きさを変更できるようにしたことにより、仕分け排出部30における荷12の荷収容空間の大きさを、仕分け排出部30を構成する区画単位28の数を変更することにより調整でき、仕切壁29により仕分け先間で荷12の混入が発生することを有効に防止できる。
【0031】
また本実施形態によれば、スラット13を傾動させるための傾動駆動装置16を、各区画単位28ごとにそれぞれ設け、複数の区画単位28によって構成された仕分け排出部30において、仕分け排出部30に割り当てた各傾倒駆動装置16を駆動して仕分け排出部30に荷12の仕分けを行う際に、傾倒駆動装置16を駆動してから同一の傾倒駆動装置16を次に駆動するまでの間に、仕分け排出部30に割り当てられた他の傾倒駆動装置16を駆動するように構成したことにより、仕分け排出部30に割り当てられた各傾倒駆動装置16が順繰りに駆動されるため、仕分け排出部30内で、荷12の偏りが発生することを有効に防止でき、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさの限度まで荷12を貯留することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、排出シュート25上に一定間隔ごとに設けた差込穴27へ仕切壁29を取り付けて仕分け排出部30を形成し、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさを変更できるようにしているが、仕切壁29の有無に関わらず、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさを変更できるような構造であれば、どのような構造であってもよい。
例えば、上述の仕切壁29に代えて、排出シュート25上にスライド式の仕切部材を設け、スライド式の仕切部材を排出シュート25上でスライド移動させて所定位置で固定することにより、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさを変更できるようにしてもよい。
また例えば、上述の仕切壁29に代えて、区画単位28間の境界位置ごとに、上下方向の出退動可能な出退式の仕切板を設け、出退式の仕切板を、傾斜面26からの突出状態と傾斜面26より下方への引込み状態とを切り替えることにより、仕分け排出部30の荷収容空間の大きさを変更できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
H 作業者
d 最小荷間
11 搬送コンベヤ
12 荷
13 スラット
14 ガイドレール
15 走行部
16 傾倒駆動装置
17 アクチュエータ
17a プッシャー
18 駆動片
19 係合片
19a 爪
20 支持軸
25 排出シュート
26 傾斜面
27 差込穴
28 区画単位
29 仕切壁
30 仕分け排出部
31 ストッパー
33,33’ 規制部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾動可能な複数の移動式スラットが並べて設けられ、スラットに載せた荷を搬送路に沿って、搬送可能であるとともに、スラットの傾動により荷を搬送路から側方へ送り出し可能な搬送コンベヤと、
荷搬送路の側方に設けられ、スラットの傾動により側方へ送り出された荷を受け取って仕分け先ごとに仕分けることが可能な仕分け排出部と、を備えた仕分け設備であって、
仕分け排出部の荷収容空間の大きさを変更できるように構成したこと
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
仕分け排出部を、荷を収容するための、荷搬送路の方向に複数形成された区画単位によって構成し、隣り合う区画単位どうしの境界位置に、この境界位置を越える荷の移動を阻止して、荷収容空間の大きさを画定するための仕切壁を着脱自在に設置して、荷収容空間の大きさを変更できるようにしたこと
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
スラットを傾動させるための傾動駆動装置を、各区画単位ごとにそれぞれ設け、
複数の区画単位によって構成された仕分け排出部において、
仕分け排出部に割り当てた各傾倒駆動装置を駆動して仕分け排出部に荷の仕分けを行う際に、傾倒駆動装置を駆動してから同一の傾倒駆動装置を次に駆動するまでの間に、仕分け排出部に割り当てられた他の傾倒駆動装置を駆動するように構成したこと
を特徴とする請求項2に記載の仕分け設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−71829(P2013−71829A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213606(P2011−213606)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】