説明

仕分装置

【課題】封筒状に形成された仕分対象物の開口部の位置を揃えて仕分けることができる仕分装置を提供する。
【解決手段】封筒状に形成されかつその開口部の位置を識別することができる開口識別部が設けられた仕分対象物100を仕分ける仕分装置1を、仕分対象物100を搬送する搬送部20と、搬送部20によって搬送される仕分対象物100の開口識別部を検出する第1の検出部40と、第1の検出部40の出力に基づいて、開口部の位置を判定する第1の判定部と、第1の判定部の出力に基づいて、仕分対象物100をその開口部の位置に応じて仕分ける第1の仕分部50とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通い袋等の封筒状容器の仕分けを行う仕分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通い袋は、特定の者の間において繰り返し使用される封筒状に形成された容器であって、リターナブル袋とも称されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の通い袋は、例えば、カタログ販売等を行う販売者が商品説明用の冊子等を封入して購入者に送付し、購入者は、購入申込用紙等を封入して販売者に返送する。このような商品販売形態において、購入者がこの販売者から定期的に商品等を購入する特定の者である場合には、販売者は、通い袋を回収して再使用する。
【0003】
ここで、通い袋に冊子等を封入する際に、自動封入機を使用すれば作業効率が向上するが、このような自動封入機を使用する場合、販売者(場合により冊子等を印刷する印刷業者)は、回収した通い袋の天地方向の向き(開口部の位置)を揃えて準備する必要がある。
【特許文献1】実用新案登録第3056662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、回収した通い袋の天地方向の向きを人手で揃えることは、その数量が大量である場合には非常に煩雑であり、通い袋の天地方向の向きを揃えて仕分けることのできる装置の開発が望まれていた。
本発明の課題は、封筒状に形成された仕分対象物の開口部の位置を揃えて仕分けることができる仕分装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の解決手段により、前記課題を解決する。
請求項1の発明は、封筒状に形成されかつその開口部の位置を識別可能な開口識別部が設けられた仕分対象物を仕分ける仕分装置であって、前記仕分対象物を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記仕分対象物の前記開口識別部を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部の出力に基づいて、前記仕分対象物の前記開口部の位置を判定する第1の判定部と、前記第1の判定部の出力に基づいて、前記仕分対象物をその開口部の位置に応じて仕分ける第1の仕分部とを備えることを特徴とする仕分装置である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の仕分装置において、前記開口識別部は、前記仕分対象物の開口部側、底部側にそれぞれ印刷された開口部側マーク、底部側マークであり、前記搬送部は、前記仕分対象物を前記開口部、前記底部が搬送方向に配列された状態で搬送し、前記第1の検出部は、前記開口部側マーク、前記底部側マークのうち前記搬送方向前部側に設けられたものを検出することを特徴とする仕分装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の仕分装置において、前記仕分対象物は、その表裏面を識別可能な表裏面識別部を備え、前記搬送部によって搬送される前記仕分対象物の前記表裏面識別部を検出する第2の検出部と、前記第2の検出部の出力に基づいて、前記仕分対象物の表裏面の向きを判定する第2の判定部と、前記第2の判定部の出力に基づいて、前記仕分対象物をその表裏面の向きに応じて仕分ける第2の仕分部とを備えることを特徴とする仕分装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の仕分装置において、前記搬送部の上方に配置され、前記仕分対象物を前記搬送部に供給する供給部を備えるとともに、前記仕分対象物が前記供給部から前記搬送部に落下する際に、前記仕分対象物と前記搬送部との間に気体を通過させる第1の気体供給部を備えることを特徴とする仕分装置である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の仕分装置において、前記仕分対象物が前記供給部から前記搬送部に落下する際に、前記仕分対象物が前記搬送部を押圧する方向に前記仕分対象物に対して気体を供給する第2の気体供給部を備えることを特徴とする仕分装置である。
【0007】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の仕分装置において、前記仕分部によって仕分られた前記仕分対象物を集積する集積部を備え、前記集積部は、前記仕分対象物の底部側を開口部側よりも高い位置で支持する支持部を備えることを特徴とする仕分装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の仕分装置において、前記支持部は、前記仕分対象物の幅方向の中間部をその両端部よりも高い位置で支持することを特徴とする仕分装置である。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の仕分装置において、前記集積部は、前記搬送部の下方に配置され、前記仕分対象物が前記搬送部から前記集積部に落下する際、前記仕分対象物の下面側に気体を供給して前記仕分対象物の前記落下時の姿勢を略水平に維持する落下姿勢維持部を備えることを特徴とする仕分装置である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)仕分対象物の開口部の位置を識別できる開口識別部を検出する第1の検出部、及び、この第1の検出部の出力に基づいて仕分対象物の開口部の位置を判定する第1の判定部を設けたから、仮に搬送部によって搬送される仕分対象物の開口部の位置が不揃いであっても、開口部の位置に応じて仕分対象物を仕分けてその開口部の位置を揃えることができる。
(2)仕分対象物の搬送方向を予め揃えたので、仕分パターンが2種類、すなわち、搬送方向前部が開口部であるか、底部であるかに限定される。したがって、仕分けを容易に行うことができる。
また、仕分対象物に印刷された開口部側マーク、底部側マークのうち、仕分対象物の搬送方向前部に設けられたもののみを検出すればよいので、検出後、直ちに仕分対象物を仕分けることができる。
【0009】
(3)仕分け対象物をその表裏面の向きに応じて仕分けるので、例えば、仕分対象物の一方の面部に印刷等が設けられ、他方の面が無地である場合には、この印刷面の向きを揃えることができる。
(4)第1の気体供給部が仕分対象物と搬送部との間に気体を通過させると、地面効果によってこれらの間に負圧が発生するので、仕分対象物が落下した後バウンド等することを防止でき、確実に仕分対象物を搬送することができる。
(5)第2の気体供給部が仕分対象物に対して気体を供給すると、仕分対象物が搬送部に押し付けられるので、仕分対象物が落下した後バウンド等することを防止でき、確実に仕分対象物を搬送することができる。
【0010】
(6)集積部は、仕分対象物の底部側を開口部側よりも高い位置で支持する支持部を備えるから、例えば、仕分対象物の開口部側の端部にフラップが設けられた場合であっても、集積状態で開口部側が厚く(高く)なること防止でき、確実に仕分対象物を集積できる。
(7)仕分対象物は、封筒状に形成されているので、幅方向の両端部に折り返し部や接着部、溶着部等が設けられている。支持部は、仕分対象物の幅方向の中間部をその幅方向の両端部よりも高い位置で支持するから、集積状態において幅方向の端部側が厚く(高く)なること防止でき、確実に仕分対象物を集積できる。
(8)仕分対象物の下面側に気体を供給してその落下姿勢を略水平に維持する落下姿勢維持部を設けたから、仕分対象物を集積部に確実に集積することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、封筒状に形成された仕分対象物の開口部の位置を揃えて仕分けることができる仕分装置を提供するという課題を、通い袋に印刷された印刷部の開口部側、底部側の印刷パターンの相違に基づいて、通い袋の搬送方向における開口部、底部の配置を判定する判定部を設けるとともに、通い袋の開口部の位置に応じて通い袋をそれぞれ別個の集積箱に案内する仕分部を設けることによって解決した。
【実施例】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明を適用した仕分装置の実施例を説明する。
図1は、実施例の仕分装置の全体的な構成を示す斜視図である。
図2は、図1の仕分装置の仕分対象物である通い袋を示す平面図であり、(a)、(b)は、通い袋の表側面、裏側面をそれぞれ示している。
図3は、図1の仕分装置に備えられたストック箱を示す側断面図であり、(a)から(d)は、通い袋を引き出す際の動作をその動作毎に示している。
【0013】
仕分装置1は、図2に示すような通い袋100と称される封筒状の容器を仕分けるものであり、例えば、この通い袋100に挿入される冊子等を印刷する印刷会社等に備えられている。
通い袋100は、リターナブル袋とも称され、例えば、ポリエチレン等の合成樹脂材料によって形成されている。この通い袋100は、その内部に冊子等の印刷物が挿入されるようになっており、本体部101、印刷部102、フラップ103を備えている。
本体部101は、例えば、一枚のシート材が二つ折りにされるとともに、その折部を除く3つの辺部のうち2つの辺部が溶着されることによって、4辺のうちの3辺に閉塞部、残りの1辺に開口部を備えた袋状に形成されている。
本体部101は、その平面形が長方形となっており、前述の開口部は、本体部101の一方の短辺に設けられている。以下、本体部101の長手方向を天地方向と称して説明する。また、本体部101は、天地方向の寸法が、例えば、540mmとなっている。
【0014】
印刷部102は、本体部101における一方の面部に印刷によって設けられている。以下、本体部101のうち、この印刷部102が設けられた方の面部を印刷面部101a、その反対側の面部を裏面部101bと称して説明する。
この印刷部102は、本体部101の地の色と異なる色のインクによって印刷されている。本体部101、印刷部102の色は、特に限定されないが、例えば、それぞれ青色、白色となっている。
【0015】
印刷部102は、枠部102a、開口側表示部102b、底側表示部102cを備えている。
枠部102aは、印刷面部101aの端部よりも内部側の領域に印刷面部101aの端部に沿って印刷された線であり、開口側表示部102b、底側表示部102cは、それぞれこの枠部102aに囲まれた領域に印刷されている。
開口側表示部102bは、本体部101の天地方向の中央よりも開口部側に印刷された矩形の領域であり、例えば、文字や記号等が表示されている。
底側表示部102cは、本体部101の天地方向の中央よりも底部側に設けられた矩形の領域である。ここで、本明細書において、「底部」とは、開口部に対し本体部101の長手方向の反対側に設けられた端部を指すものとする。
【0016】
印刷部102は、枠部102aのうち本体部101の開口部側の端部に沿って印刷された部分と開口側表示部102bとの距離(図2における矢印L1)、枠部102aのうち本体部101の底部側の端部に沿って印刷された部分と底側表示部102cとの距離(図2にける矢印L2)が、それぞれ、例えば、50mm、30mmとなっている。
また、本体部101は、その裏面部101bに何も印刷されていない。
フラップ103は、上述した印刷面部101aの開口部側の端部に一体に形成された台形状の部分である。この通い袋100は、本体部101とフラップ103との境界部を折り曲げることによって、開口部を閉じるようになっている。
【0017】
仕分装置1は、図1に示すように、供給部10、搬送部20、方向変換加速部30、検出部40、仕分部50、集積部60を備えている。
供給部10は、通い袋100を後述する搬送部20に供給する部分であり、ストック箱11、フィーダ12(図3参照)、第1のコンベア13を備えている。
ストック箱11は、直方体状に形成された箱型の容器であり、その内部に通い袋100を複数部重ねて収容するものである。このストック箱11の内部において、通い袋100は、その長手方向とストック箱11の長手方向とが揃った状態で収容されている。ただし、この収容状態において、通い袋100は、開口部の位置、表裏面の向きが揃えられていない。
ストック箱11は、その底面部に開口部11aを備えている(図3参照)。
この開口部11aは、ストック箱11の幅方向における一方の端部側に設けられかつストック箱11の長手方向に沿って形成された矩形状の長穴である。これにより、ストック箱11に収容された通い袋100のうち、最下部に配置された通い袋100は、その幅方向の一方の端部がこの開口部11aから外部に露出している。ここで、本明細書において、通い袋100の幅方向とは、通い袋100の天地方向に直交する方向を指すものとする。
【0018】
フィーダ12は、ストック箱11に収容された通い袋100のうち、最下部のものをストック箱11から引き出して、第1のコンベア13に受け渡すものである。
フィーダ12は、吸着部12a、チャック部12bを備えている。
吸着部12aは、吸盤を備え、ストック箱11の下面部に対して接近、離間する方向に揺動可能に設けられている。吸着部12aは、ストック箱11に接近することによって通い袋100の開口部11aから露出した部分に吸着するとともに、この状態でストック箱11から離間する方向に揺動することによって、通い袋100の一部をストック箱11から下方に引き出すようになっている(図3(b)参照)。
【0019】
チャック部12bは、ストック箱11に対し第1のコンベア13の搬送方向下流側に設けられている。このチャック部12bは、ストック箱11の下面部に対して接近、離間する方向に揺動可能に設けられており、ストック箱11に接近することによって、吸着部12aがストック箱11から引き出した通い袋100の一部を挟み込んで保持するようになっている(図3(c)参照)。
また、チャック部12bは、この通い袋100を保持した状態でストック箱11から離間する方向に揺動することによって、この保持した通い袋100をストック箱11から略水平方向に引き出すようになっている(図3(d)参照)。
【0020】
第1のコンベア13は、ループ状に形成されたゴムベルトを備え、このベルトを回転させることによってゴムベルト上に載せられた搬送対象物を搬送する公知のベルトコンベアである。
この第1のコンベア13は、その上流側の端部がストック箱11に対して上下方向に重ねて配置され、ストック箱11が第1のコンベア13よりも上方に設けられている。
第1のコンベア13は、チャック部12bによって引き出された通い袋100を後述する第2のコンベア21に搬送するものであり、その搬送方向は、ストック箱11の長手方向に直交している。通い袋100は、ストック箱11に収容された状態において、その長手方向とストック箱11の長手方向とが揃えられているので、第1のコンベア13によって搬送される際、その搬送方向に対して、天地方向が直交している。以下、通い袋100の天地方向が搬送方向に対し直交した状態を搬送方向に対して横置きされた状態と称して説明する。
【0021】
搬送部20は、第2のコンベア21、第3のコンベア22、第4のコンベア23、第5のコンベア24、第6のコンベア25を備えている。これらのコンベアは、前述した第1のコンベア13と同様な機能を有する公知のベルトコンベアであり、通い袋100の搬送方向の上流側から下流側に向かって上記の順番で配列されている。
また、これらのコンベアは、通い袋100を略同じ水平面内において略同じ方向に搬送するようになっている。
さらに、これらのコンベアは、隣接する他のコンベアに対して、所定の間隔を隔てて配置されている。なお、図1において、隣接するコンベアの間隔は、後述する仕分部50の理解を容易にするために実際よりも広く記載してある。
【0022】
第2のコンベア21は、搬送部20を構成する各コンベアのうち、最も通い袋100の搬送方向上流側に設けられており、供給部10に備えられた第1のコンベア13に対し、通い袋100の搬送方向が略直交するように配置されている。
これによって、通い袋100は、その天地方向が、搬送方向に対して直交した横置きの状態から、天地方向が搬送方向に対して略一致した状態(以下、縦置きの状態と称して説明する)に変換される。
また、第2のコンベア21は、第1のコンベア13よりも下方に配置されており、第1のコンベア13の下流側の端部が、第2のコンベア21の幅方向の一方の端部に上下方向に重なっている。これによって、第2のコンベア21の上側面(搬送対象物である通い袋100を載せる面)よりも第1のコンベア13の下側面が上方に配置され、第1のコンベア13によって搬送された通い袋100は、第1のコンベア13から落下して第2のコンベア21に受け渡されるようになっている。この第1のコンベア13の上側面と第2のコンベア21の上側面との落差は、例えば、120mmに設定されている。
第3のコンベア22、第4のコンベア23、第5のコンベア24、第6のコンベア25は、前述のように第2のコンベア21よりも通い袋100の搬送方向下流側に向けてこの順番で配列されている。
【0023】
方向変換加速部30は、第1のコンベア13と第2のコンベア21との境界部に設けられ、ストッパ31を備えている。
図4は、図1の仕分装置に備えられた方向変換加速部を示す斜視図である。
ストッパ31は、第2のコンベア21の幅方向の端部のうち、第1のコンベア13と上下方向に重ならない側の端部であって、第1のコンベア13による通い袋100の搬送方向の延長線上に設けられている。
ストッパ31は、第2のコンベア21の上側面から上方に突き出して設けられた柱状の部材であり、通い袋100の搬送方向に沿って一組が離間して設けられている。
このストッパ31は、通い袋100が第1のコンベア13から落下して第2のコンベア21に受け渡される際に通い袋100に当接して、通い袋100が第2のコンベア21から落下することを防止するようになっている。
【0024】
また、方向変換加速部30は、それぞれ図示しない当接センサ、圧縮エア供給部、コントローラを備えている。
当接センサは、ストッパ31に備えられ、通い袋100の当接を検出するようになっている。
圧縮エア供給部は、第1のエア吐出部及び第2のエア吐出部を備えている(ともに図示省略)。第1のエア吐出部は、通い袋100の搬送方向上流側から下流側に向けて、第2のコンベア21の上側面に沿って略水平方向(図4において矢印A1で示す方向)に圧縮エアを吐出し、第2のエア吐出部は、第2のコンベア21の上方から下方に向けて(図4において矢印A2で示す方向に)圧縮エアを吐出するようになっている。
【0025】
コントローラは、圧縮エア供給部がエアを吐出するタイミングを制御するものである。具体的に説明すると、コントローラは、当接センサの出力に応じて、すなわち、通い袋100が第1のコンベア13から落下してストッパ31に当接した際に第1のエア吐出部からエアを、例えば、0.1秒間吐出させる。
第1のエア吐出部が吐出するエアは、通い袋100と第2のコンベア21の上側面との間を通過し、地面効果によって通い袋100と第2のコンベア21の上側面との間に負圧が発生する。これによって、通い袋100は、第2のコンベア21の上側面に吸い寄せられ、第1のエア吐出部は、第1の気体供給部として機能する。
この後、コントローラは、第2のエア吐出部から圧縮エアを吐出させ、通い袋100を第2のコンベア21に表側面に押し付けるようになっている。これによって、第2のエア吐出部は、第2の気体供給部として機能する。
【0026】
検出部40は、図1に示すように、第2のコンベア21と第3のコンベア22との境界部に設けられており、第1のセンサ41、第2のセンサ42、第3のセンサ43を備えている。これらの各センサは、図示しないコントローラに接続されている。
コントローラは、各センサの出力に応じて通い袋100の搬送パターンを判定するものであり、この判定結果に基づいて後述する仕分部50の駆動を制御するようになっている。
第1のセンサ41は、第2のコンベア21の上側面よりも上方に配置されている。この第1のセンサ41は、搬送部20上の通い袋100の有無を非接触検出するものであり、通い袋100の搬送方向前端部を検出するとコントローラにオン出力をし、通い袋100の搬送方向後端部を検出するとコントローラにオフ出力をするようになっている。
【0027】
第2のセンサ42は、第2のコンベア21の上側面よりも上方であって、第1のセンサ41に隣接して配置されている。この第2のセンサ42は、通い袋100に印刷された絵柄の有無を色の変化に反応することによって非接触検出するようになっている。
また、第3のセンサ43は、搬送部20の下方であって第2のセンサ42に対し搬送部20を挟んで対向して配置されている。この第3のセンサ43は、第2のコンベア21と第3のコンベア22との隙間から通い袋100に印刷された絵柄の有無を第2のセンサ42と同様に非接触検出するようになっている。
これらの第2のセンサ42、第3のセンサ43は、通い袋100の印刷面部101aが無地部分(非印刷部)から印刷部分に切り替わったときにコントローラに対してオン出力し、印刷部分から無地部分に切り替わったときにコントローラに対してオフ出力するようになっている。
【0028】
ここで、ストック箱11に収容された通い袋100は、天地方向の向きが揃えられていないので、搬送部20が通い袋100を搬送する際、通い袋100の搬送方向の前端部が開口部側である場合と、底部側である場合とがある。
また、ストック箱11に収容された通い袋100は、その表裏面の向きも揃えられていないので、搬送部20によって搬送される通い袋100は、印刷面部101aが上方を向く場合と、裏面部101bが上方を向く場合とがある。
このように、通い袋100は、搬送方向前端部が開口部か底部か、上方を向いた面が印刷面部101a側か裏面部101b側かの違いによって、合計4つの搬送パターンがある。
【0029】
以下、検出部40のコントローラが各センサからの出力に応じて、通い袋100の搬送パターンを判定する際の手順を説明する。
検出部40は、まず、第1のセンサ41が通い袋100の搬送方向前端部を検出する。検出部40のコントローラは、第1のセンサ41からの出力に応じて、第2のセンサ42、第3のセンサ43を駆動する。
【0030】
第2のセンサ42、第3のセンサ43は、それぞれ、通い袋100に印刷された絵柄の有無を検出する。
コントローラは、第2のセンサ42、又は、第3のセンサ43からの出力が最初にオン(枠部102a検出)からオフ(枠部102a非検出)に切り替わり、再びオン(開口側表示部102b又は底側表示部102c検出)となるまでの時間、及び、搬送部20による通い袋100の搬送速度から、通い袋100の搬送方向前部に印刷された絵柄間の距離を演算する。
【0031】
この結果、コントローラは、絵柄間の距離が、例えば、50mmである場合には、通い袋100の搬送方向前部が開口部であると判定し、絵柄間の距離が、例えば、30mmである場合には、通い袋100の進行方向前部が底部であると判定する。
また、コントローラは、この出力が第2のセンサ42からのものである場合には、通い袋100の印刷面部101aが上方を向いていると、また、出力が第3のセンサ43からのものである場合には、裏面部101b側が上方を向いていると判定する。
このように、通い袋100の印刷部102の枠部102a、開口側表示部102bは、開口部側マークとして、枠部102a、底側表示部102cは、底部側マークとして機能し、印刷部102は、表裏面識別部として機能する。
さらに、検出部40の第2のセンサ42、第3のセンサ43は、それぞれ第1の検出部として機能するとともに、協働して第2の検出部として機能し、コントローラは、第1の判定部、第2の判定部として機能する。
【0032】
仕分部50は、検出部40が判定した通い袋100の搬送パターンの違いに応じて通い袋100を仕分ける部分であり、第1のリジェクタ51、第2のリジェクタ52、第3のリジェクタ53を備えている。
第1のリジェクタ51は、第3のコンベア22と第4のコンベア23との境界部、第2のリジェクタ52は、第4のコンベア23と第5のコンベア24との境界部、第3のリジェクタ53は、第5のコンベア24と第6のコンベア25との境界部であって、これらのコンベアの上方に配置されている。
ここで、これらの第1のリジェクタ51、第2のリジェクタ52、第3のリジェクタ53は、その配置、機能が異なる以外、その構造が同じであるので、以下、第1のリジェクタ51のみについて説明する。
【0033】
図5は、図1の仕分装置に備えられた第1のリジェクタを示す側面図である。
第1のリジェクタ51は、板部51a、アクチュエータ51bを備えている。
板部51aは、平面形が矩形状に形成された板材である。板部51aは、通い袋100の搬送方向の上流側の端部が下流側の端部よりも高い位置に配置されており、その面部が第3のコンベア22の上側面に対して、例えば、45°程度傾斜した状態で配置されている。
アクチュエータ51bは、公知のエアアクチュエータであり、シリンダロッドの先端部が板部51aの上端部に接続されている。
【0034】
この第1のリジェクタ51は、シリンダロッドがシリンダに収容された状態において、板部51aの下端部が搬送部20の上方に配置されており、搬送中の通い袋100に干渉しないようになっている。
また、第1のリジェクタ51は、この状態からシリンダ内に圧縮エアが供給されると、シリンダロッドがシリンダから突き出し、これによって板部51aの下端部が第3のコンベア22と第4のコンベア23との隙間に挿入されるようになっている。この状態において、板部51aは、その下端部が通い袋100の搬送経路内に突き出した状態となる。
板部51aの下端部が通い袋100の搬送経路内に突き出した状態で通い袋100を搬送すると、通い袋100は、板部51aの下端部に接触する。ここで、板部51aは、前述のように、その面部が第3のコンベア22の上側面に対して45°程度傾斜して配置されているので、搬送中の通い袋100は、板部51aに接触するとその進行方向が、下方に変換されるようになっている(図5参照)。
【0035】
第1のリジェクタ51、第2のリジェクタ52、第3のリジェクタ53は、検出部40に備えられたコントローラに接続されており、コントローラの出力に応じて駆動されるようになっている。
具体的に説明すると、前述のように、通い袋100は、その搬送態様が4パターンあり、第1のリジェクタ51は、例えば、搬送方向前端部に開口部が配置され、印刷面部101aが上方を向いた状態の通い袋100が検出された場合に駆動され、この通い袋100の進行方向を変換するようになっている。第1のリジェクタ51は、通い袋100がこれ以外のパターンで搬送された場合には駆動されず、通い袋100は、搬送部20の搬送方向下流側に向けて搬送される。
また、第2のリジェクタ52は、例えば、搬送方向前端部に開口部が配置され、印刷面部101aが下方を向いた状態で搬送される通い袋100の進行方向を変換するようになっている。
さらに、第3のリジェクタ53は、例えば、搬送方向前端部に底部が配置され、印刷面部101aが上方を向いた状態で搬送される通い袋100の進行方向を変換するようになっている。
【0036】
したがって、通い袋100が、例えば、搬送方向前端部に底部が配置され、印刷面部101aが下方を向いた状態で搬送された場合には、いずれのリジェクタも駆動されず、この通い袋100は、第6のコンベア25に搬送される。
このように、仕分部50は、第1のリジェクタ51及び第2のリジェクタ52が、通い袋100の開口部の位置に応じて駆動が制御されることによって、第1の仕分部として機能し、通い袋100の開口部の位置に応じた仕分を行うようになっている。
また、第1のリジェクタ51及び第2のリジェクタ52は、通い袋100の表裏面の向きに応じて駆動が制御されることによって第2の仕分部としても機能し、通い袋100の表裏面の向きに応じた仕分を行うようになっている。
さらに、第3のリジェクタ53も、通い袋100の表裏面の向きに応じて駆動されることによって第2の仕分部として機能し、通い袋100の表裏面の向きに応じた仕分を行うようになっている。
【0037】
集積部60は、図1に示すように、仕分部50によって仕分けられた通い袋100を保持する部分であり、搬送部20の下方に設置されている。
集積部60は、集積箱70、方向変換板80を備えている。また、集積箱70は、第1の集積箱70a、第2の集積箱70b、第3の集積箱70c、第4の集積箱70dを含んでいる。
第1の集積箱70aは、第3のコンベア22と第4のコンベア23との境界部に、第2の集積箱70bは、第4のコンベア23と第5のコンベア24との境界部に、第3の集積箱70cは、第5のコンベア24と第6のコンベア25との境界部に、第4の集積箱70dは、第6のコンベア25の搬送方向下流側の端部近傍にそれぞれ配置されている。
【0038】
図6は図1の仕分装置に備えられた第1の集積箱を示す斜視図である。
第1の集積箱70aは、複数のパイプを略直方体の籠状に組んだものであり、下側フレーム71、上側フレーム72、接続部73、支持部74を備えている。
下側フレーム71は、4本のパイプの端部同士を接続して略正方形状に組み合わせたものである。また、この下側フレーム71は、4本のパイプのうち、対向して配置された2本のパイプの長手方向の中間部が中間パイプ75によって接続されている。
上側フレーム72は、3本のパイプをコの字状(U字状)に組み合わせたものであり、下側フレーム71の上方に配置されている。この上側フレーム72は、下側フレーム71に比べて1本パイプが少なくなっており、以下、このパイプが設けられていない部分を開口部76と称して説明する。
接続部73は、下側フレーム71、上側フレーム72の4方の角部(4隅)に渡して設けられた柱状の部分である。
この集積箱70は、上側フレーム72の開口部76が、通い袋100の搬送方向上流側を向いた状態で配置されている。また、中間パイプ75は、通い袋100の搬送方向に直交する方向に延在して配置されている。
【0039】
支持部74は、下側フレーム71、上側フレーム72、接続部73によって形成される空間部内に配置されており、1本の支持パイプ77と2本の支柱パイプ78とによって形成されている。支持パイプ77は、下側フレーム71を形成する各パイプに比べその長さが半分程度のパイプである。また、支柱パイプ78は、支持パイプ77に比べその長さが短いパイプである。
支持パイプ77は、その両端部に支柱パイプ78の一方の端部が接続されている。支持パイプ77、支柱パイプ78は、略直角に接続されており、支持部74は、コの字状(U字状)に形成されている。
2本の支柱パイプ78のうち、一方の支柱パイプ78の他方の端部は、中間パイプ75の長手方向の略中央部に接続されている。また、他方の支柱パイプ78の他方の端部は、下側フレーム71を形成するパイプのうち、開口部76の下方に配置されたパイプの長手方向の略中央部に接続されている。
これによって、集積箱70aは、支持部74の支持パイプ77が、この集積箱70aの開口部76側の領域において、その設置面と略平行に延在し、かつ、下側フレーム71よりも高い位置に配置されている。
【0040】
第2の集積箱70bは、その配置が異なる以外、第1の集積箱70aと同じ構造、機能を有しているので説明を省略する。
第3の集積箱70c、第4の集積箱70dは、第1の集積箱70aに比べ、支持部74の配置が異なる以外は第1の集積箱70aと同じ構造、機能を有している。以下、第3の集積箱70cについて、第1の集積箱70aとの相違点のみ説明する。
図7は、図1の仕分装置に備えられた第3の集積箱を示す斜視図である。
第3の集積箱70cは、下側フレーム91、上側フレーム92、接続部93、支持部94を備えている。
第3の集積箱70cにおいて、支持部94の2本の支柱パイプ98のうち、一方の支柱パイプ98は、第1の集積箱70aと同様に中間パイプ95の長手方向の中央部に接続されている。また、他方の支柱パイプ98は、下側フレーム91のうち、開口部96の下方に配置されたパイプに対して中間パイプ95を挟んで反対側のパイプに接続されている。
【0041】
方向変換板80は、第1の集積箱70aと第3のコンベア22との間(図5参照)、第2の集積箱70bと第4のコンベア23との間、第3の集積箱70cと第5のコンベア24との間、第4の集積箱70dと第6のコンベア25との間にそれぞれ設けられた板状の部材である。
この方向変換板80は、仕分部50によって下方に変換された通い袋100の進行方向を再び略水平方向にするものである。なお、図1において、方向変換板80は、図示を省略してある。
方向変換板80は、平面形が矩形状に形成された板材であり、搬送方向の上流側の端部が下流側の端部よりも上方に配置され、その面部がコンベアの上側面に対して傾斜している。
また、集積部60は、図示しないエア供給部を備えている。このエア供給部は、方向変換板80の下端部近傍に圧縮エアを吐出するようになっている。このエア供給部の機能については後述する。
【0042】
次に、仕分装置1の動作について説明する。
購入者等から回収された複数の通い袋100は、まとめてストック箱11に収容される。前述のように、この収容状態において、通い袋100は、その開口部の位置、表裏面の向きが揃えられていない。
通い袋100は、吸着部12aによって、その幅方向の一端部がストック箱11の開口部11aから引き出されるとともに、チャック部12bによってこの端部が保持される。また、このとき吸着部12aによる通い袋100の吸着が解除される。チャック部12bは、通い袋100を保持した状態で揺動し、この通い袋100をストック箱11から引き出す。
チャック部12bは、通い袋100がストック箱11から完全に引き出された後に、通い袋100の保持が解除され、通い袋100は、第1のコンベア13に載せられる。この後、通い袋100は、その天地方向と第1のコンベア13の搬送方向とが直交した横置きの状態で搬送される。
【0043】
通い袋100は、第1のコンベア13から第2のコンベア21に受け渡される。
このとき、通い袋100は、第1のコンベア13から第2のコンベア21に落下し、これと併せて方向変換加速部30の圧縮エア供給部が駆動される。
通い袋100は、搬送方向下流側に搬送され第2のコンベア21から第3のコンベア22に受け渡される。検出部40のコントローラは、この通い袋100の搬送方向前部が開口部側か底部側か、及び、上方を向いた面部が印刷面部101aか裏面部101bかを判定する。
【0044】
仕分部50は、コントローラの出力に応じて第1のリジェクタ51から第3のリジェクタ53のうち、対応するものが駆動され、通い袋100の進行方向を変換する。
このときの具体的な動作を、図1を用いて説明すると、図1において、第2のコンベア21と第3のコンベア22との間を搬送されている通い袋100aは、その搬送方向前部が底部であり、かつ、印刷面部101aが上方を向いている。したがって、検出部40(第1のセンサ41、第2のセンサ42)がこの通い袋100を検出した場合には、第1のリジェクタ51、第2のリジェクタ52は、駆動されず、第3のリジェクタ53が駆動される。
これによって、通い袋100は、搬送方向前端部(底部)が第3のリジェクタ53に当接して、その進行方向が下方に変換される。
また、図1において、この通い袋100aに次いで搬送される通い袋100bは、その搬送方向前部が開口部であり、かつ、印刷面部101aが上方を向いている。したがって、検出部40がこの通い袋100を検出した場合には、第1のリジェクタ51が駆動される。
【0045】
通い袋100は、進行方向が下方に変換されると、搬送部20から集積部60の方向変換板80に落下する。
方向変換板80は、前述のように傾斜して設けられており、通い袋100は、この傾斜を滑り降りて集積箱70(集積箱70aから集積箱70dの何れか)に落下する。
このとき、集積部60に設けられたエア供給部が、方向変換板80の下端部近傍、すなわち、滑り降りてきた通い袋100の進行方向先端部(図5において矢印A3で示す位置)にエアを吐出する。
このエアの吐出圧は、例えば、通い袋100の進行方向先端部が自重によって方向変換板80の下端部から垂れ下がるのを防止できる程度に設定されている。これによって、方向変換板80から集積箱70に落下する通い袋100は、その面部が略水平に維持され、集積部60のエア供給部は、落下姿勢維持部として機能する。
【0046】
通い袋100は、方向変換板80から落下し、集積箱70の開口部76又は開口部96を介して集積箱70に収容される。
図8は、図6のVIII−VIII部矢視図であって、通い袋が集積箱に収容された状態を示し、(a)は通い袋が3部重ねられた状態、(b)は通い袋が5部重ねられた状態を示している。
進行方向前部に開口部(フラップ103)が配置された通い袋100を収容する第1の収積箱70a、第2の収積箱70bは、図6に示すように、奥行き方向の手前側(開口部側)に支持部74が設けられている。
したがって、通い袋100は、集積箱70に収容された状態において、図8に示すように、天地方向の底部側の領域が支持部74に支持され、フラップ103が設けられた開口部側の領域が集積箱70の底面から浮いた状態となる。
【0047】
また、進行方向前部に底部が配置された通い袋100を収容する第3の集積箱70c、第4の集積箱70dは、図7に示すように奥行き方向の奥側に支持部94が設けられているので、通い袋100は、第1の収積箱70a、第2の収積箱70bと同様に、開口部側の領域が集積箱70の底面から浮いた状態となる。
図9は、図6のIX−IX部矢視図であって、通い袋が集積箱に収容された状態を示し、(a)は通い袋が3部重ねられた状態、(b)は通い袋が5部重ねられた状態を示している。
図9に示すように、通い袋100は、幅方向の中央部分が支持部74に支持されることによって、両端部側の領域が集積箱70の底面から浮いた状態となる。
【0048】
以上、説明したように、本実施例の仕分装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)仕分装置1は、通い袋100を4種類の搬送パターン(開口部の位置及び表裏面の向きの違い)に応じて仕分けて4つの集積箱70に個別に仕分けるから、通い袋100は、各集積箱70内に収容された状態で開口部の位置、表裏面の向きが揃っている。したがって、自動封入装置等を使用して通い袋100内に冊子等を封入する際の作業効率を向上することができる。
(2)仕分装置1は、通い袋100の搬送方向をその天地方向と一致させた状態で通い袋100を搬送するので、仕分パターンを4種類に限定することができる。したがって、仕分装置1の設置スペースを小さくすることができる。
【0049】
(3)仕分装置1の検出部40は、通い袋100に予め印刷された枠部102a、第1の表示部102b、第2の表示部102cから、通い袋100の搬送方向における開口部の位置を判断できるので、開口部側、底部側で印刷パターンが異なる通い袋100をそのまま仕分けることができる。
(4)仕分装置1の検出部40は、通い袋100の搬送方向前部の印刷パターンを検出するだけでその開口部の位置を特定するので、通い袋100を迅速に仕分けることができる。
(5)仕分装置1の搬送部20に隙間を設け、この隙間に仕分部50の板部51aを挿入することによって、通い袋100を仕分けることができるので、構造が簡単であり、かつ、仕分のスピードを向上することができる。
【0050】
(6)第1のコンベア13と第2のコンベア21との境界部に方向変換加速部30を設けたから、第1のコンベア13から第2のコンベア21に落下した直後の通い袋100を迅速に搬送することができる。
これに対し、方向変換加速部30を備えない場合、通い袋100が第2のコンベア21に落下した際のバウンド等によって、通い袋100を迅速に搬送することができない可能性があり、この場合、先行する通い袋100とこれに次いで搬送された後続の通い袋100とが、第1のコンベア13と第2のコンベア21との境界部において重なる可能性がある。ふたつの通い袋100が重なった状態で搬送されると、検出部40が通い袋100の端部を正しく検出できず、正確な仕分けができなくなる。
【0051】
以下、本仕分装置1を使用した実験について説明する。
実験は、通い袋100の目標処理部数を時間当たり、例えば、8400部(分当たり140部)に設定し、搬送部20を搬送される通い袋100の間隔が、例えば、60mmとなるように供給部10のフィーダ12、及び、搬送部20の駆動サイクルを設定した。
通い袋100の天地方向の寸法は、前述のように、例えば、540mmであるので、通い袋100を毎時8400部(毎分140部)処理するためには、搬送部20のコンベアを、例えば、84m/分で駆動する必要がある。
以上の条件で実験を行った結果、隣接する通い袋100間の重なりは、発生しなかった。コンベアの速度が84m/分(1400mm/秒)、通い袋100の間隔が60mmであるので、この仕分装置1の方向変換加速部30は、通い袋100が第1のコンベア13から第2のコンベア21に落下した後、例えば、約0.043秒以内に通い袋100を方向変換加速して搬送することができる。
【0052】
(7)供給部10の吸着部12aが通い袋100の幅方向の端部に吸着するようにストック箱11に開口部11aを設けたので、確実に通い袋100をストック箱11から引き出すことができる。
前述のように、通い袋100は、ストック箱11に収容された状態で、開口部の位置、表裏面の向きが揃っていないので、仮に吸着部12aが通い袋100の天地方向の端部を吸着するようにした場合、吸着部12aがフラップ103に吸着する可能性がある。この場合、吸着部12aがこのフラップ103のみをストック箱11から引き出すので、チャック部12bが通い袋100の本体部101を保持できず、通い袋100がストック箱11から引き出されない可能性がある。
これに対し、本実施例の供給部10は、通い袋100を確実にストック箱11から第1のコンベア13に受け渡すことができる。
【0053】
(8)集積部60の支持部74は、通い袋100の底部側を他の部分よりも高い位置で支持するから、フラップ103側が下方に垂れ下がった状態となる。したがって、集積箱70に集積された状態で、通い袋100のフラップ103側が厚く(高く)なることを防止できる。
これに対し、仮に支持部74を備えない集積箱70を使用したとすると、通い袋100の部数が増加するに従ってフラップ103側が厚くなり斜面が形成される。通い袋100のフラップ103は、カールする(丸くなる)ことがあるので、例えば、2、3部程度重ねた状態であっても、最上面に斜面が形成される。この場合、新たに通い袋100を重ねて集積しようとしても、通い袋100がこの斜面を滑り落ちてしまう可能性がある。
これに対し、実施例の集積箱70は、フラップ103側の端部が垂れ下がるので、通い袋100を複数枚重ねたとしても、フラップ103が設けられた領域が高くならず、通い袋100を確実に集積できる。
【0054】
また、通い袋100は、一枚のシートを折り加工して形成されるものが一般的であるので、幅方向の端部に折部、溶着部等が形成され、これによって、幅方向の端部の厚みが幅方向の中央部よりも厚いのが一般的である。
実施例の集積箱70は、通い袋100の幅方向の中央部を他の部分よりも高い位置で支持するから、通い袋100は、両端部側が下方に垂れ下がった状態となる。
これによって、集積箱70に集積された状態で、通い袋100の幅方向の端部が厚く(高く)なることを防止でき、通い袋100を確実に集積できる。
【0055】
(9)仕分装置1の集積部60は、通い袋100が方向変換板80から集積箱70に落下する際、通い袋100の下面にエアを供給することによって、その落下姿勢を略水平に保持するから、通い袋100を確実に集積袋に集積することができる。
これに対し、このようなエアを供給しない場合、通い袋100が落下時に折れ曲がり、この状態で集積箱70に集積される可能性がある。これは、集積箱70に集積された通い袋100の部数が少なく、方向変換板80と集積箱70の底部との落差が大きい場合に特に発生しやすい。
なお、集積箱70を上下方向に昇降可能に設けることも考えられるが、この場合、装置のコストが上昇する問題がある。また、搬送部20の設置高さは、その作業性等を考慮すると極端に高い位置にすることができないので、集積箱70を昇降可能にするには、集積箱70の高さ方向寸法を小さくする必要がある。この場合、集積箱70に収容される通い袋100の部数が減少するという問題がある。
本実施例の集積部60は、その収容部数を低下させることがなく、かつ、通い袋100を確実に集積できる。
【0056】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)本発明の仕分装置の構成は、実施例に記載したものに限られず適宜変更が可能である。例えば、実施例の仕分装置は、仕分対象物の開口部の位置、表裏面の向きを同時に検出して仕分を行ったが、これに限らず、仕分けを2段階に分けてもよく、例えば、一回目の仕分けで開口部の位置を揃え、2回目の仕分で表裏面の向きを揃えるように、検出部、仕分部の動作をプログラミングしてもよい。この場合、集積部は、実施例において4箇所設けられていたのに対し、2箇所でよいので仕分装置の設置スペースを節約できる。
(2)実施例の仕分装置は、その仕分対象物が通い袋であったが、封筒状に形成されたものであればこれに限られない。
(3)実施例は、フィーダを使用して仕分対象物である通い袋を1部ずつ搬送したが、これに限らず、第1のコンベアの上流側に一基、低速のコンベアを設け、仕分対象物を人手によってサシミ状に並べてもよい。この場合、第1のコンベアの速度は、第1のコンベア上で仕分対象物の重なりが発生しない速度に設定すればよく、フィーダが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例の仕分装置の全体的な構成を示す斜視図である。
【図2】図1の仕分装置の仕分対象物である通い袋を示す平面図である。
【図3】図1の仕分装置に備えられたストック箱を示す側断面図である。
【図4】図1の仕分装置に備えられた方向変換加速部を示す斜視図である。
【図5】図1の仕分装置に備えられた第1のリジェクタを示す側面図である。
【図6】図1の仕分装置に備えられた第1の集積箱を示す斜視図である。
【図7】図1の仕分装置に備えられた第3の集積箱を示す斜視図である。
【図8】図6のVIII−VIII部矢視図である。
【図9】図6のIX−IX部矢視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 仕分装置
10 供給部
20 搬送部
30 方向変換加速部
40 検出部
50 仕分部
60 集積部
70 集積箱
74 支持部
80 方向変換板
100 通い袋


【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒状に形成されかつその開口部の位置を識別可能な開口識別部が設けられた仕分対象物を仕分ける仕分装置であって、
前記仕分対象物を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記仕分対象物の前記開口識別部を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部の出力に基づいて、前記仕分対象物の前記開口部の位置を判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部の出力に基づいて、前記仕分対象物をその開口部の位置に応じて仕分ける第1の仕分部とを備えること
を特徴とする仕分装置。
【請求項2】
請求項1に記載の仕分装置において、
前記開口識別部は、前記仕分対象物の開口部側、底部側にそれぞれ印刷された開口部側マーク、底部側マークであり、
前記搬送部は、前記仕分対象物を前記開口部、前記底部が搬送方向に配列された状態で搬送し、
前記第1の検出部は、前記開口部側マーク、前記底部側マークのうち前記搬送方向前部側に設けられたものを検出すること
を特徴とする仕分装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の仕分装置において、
前記仕分対象物は、その表裏面を識別可能な表裏面識別部を備え、
前記搬送部によって搬送される前記仕分対象物の前記表裏面識別部を検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部の出力に基づいて、前記仕分対象物の表裏面の向きを判定する第2の判定部と、
前記第2の判定部の出力に基づいて、前記仕分対象物をその表裏面の向きに応じて仕分ける第2の仕分部とを備えること
を特徴とする仕分装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の仕分装置において、
前記搬送部の上方に配置され、前記仕分対象物を前記搬送部に供給する供給部を備えるとともに、
前記仕分対象物が前記供給部から前記搬送部に落下する際に、前記仕分対象物と前記搬送部との間に気体を通過させる第1の気体供給部を備えること
を特徴とする仕分装置。
【請求項5】
請求項4に記載の仕分装置において、
前記仕分対象物が前記供給部から前記搬送部に落下する際に、前記仕分対象物が前記搬送部を押圧する方向に前記仕分対象物に対して気体を供給する第2の気体供給部を備えること
を特徴とする仕分装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の仕分装置において、
前記仕分部によって仕分られた前記仕分対象物を集積する集積部を備え、
前記集積部は、前記仕分対象物の底部側を開口部側よりも高い位置で支持する支持部を備えること
を特徴とする仕分装置。
【請求項7】
請求項6に記載の仕分装置において、
前記支持部は、前記仕分対象物の幅方向の中間部をその両端部よりも高い位置で支持すること
を特徴とする仕分装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の仕分装置において、
前記集積部は、前記搬送部の下方に配置され、
前記仕分対象物が前記搬送部から前記集積部に落下する際、前記仕分対象物の下面側に気体を供給して前記仕分対象物の前記落下時の姿勢を略水平に維持する落下姿勢維持部を備えること
を特徴とする仕分装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−331886(P2007−331886A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165235(P2006−165235)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】