説明

仕分装置

【課題】受容した搬送物を複数の積載部材によって仕分けする場合に、各積載部材に積載される複数の搬送物における積載順序の入れ替わりを抑制することができる仕分装置を提供する。
【解決手段】仕分装置120は、受け渡し領域DAで受容したカット用紙CSを積載して仕分領域SAに向けて順次移動する複数のトレイ130と、受け渡し領域DAに向けて投げ出されるカット用紙CSを受け止めてトレイ130側に案内する案内部81と、を備え、案内部81は、受け渡し領域DA内において、搬送方向X2の中央付近に配置される第1案内面79a,79bと、第1案内面79a,79bよりも搬送方向X2の下流側に配置される第2案内面79c,79dとを有し、第1案内面79a,79bは、搬送方向X2の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているとともに、水平方向に対する傾斜角度が第2案内面79c,79dよりも大きくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば印刷物などの搬送物を仕分ける仕分装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、記録媒体に記録処理を施す記録装置としてインクジェット式プリンターが広く知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載のプリンターは、オーダー毎にプリントペーパー(搬送物)に対して記録処理を行うプリンター本体部を備えている。また、このプリンターは、プリンター本体部で記録処理がなされたプリントペーパーを搬送ベルトで搬送する搬送ユニットと、搬送ユニットによって搬送されるプリントペーパーをオーダー毎に複数の集積プレートに振り分けて集積する集積ユニット(仕分装置)とを備えている。
【0003】
そして、搬送ユニットは、プリンター本体部側から搬送したプリントペーパーの集積ユニットへの受け渡しを、搬送ベルト上から集積ユニットの受け渡し位置に向かって投げ出すようにして行っている。そのため、集積ユニットにおける搬送ベルトからのプリントペーパーの受け渡し位置の端部には、垂直方向に立設する案内板が設けられている。そして、搬送ベルト上から投げ出されたプリントペーパーをこの案内板に衝突させて、衝突したプリントペーパーを集積プレート上に落とすようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−92804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような方法で搬送ユニットから集積ユニットに用紙を受け渡す場合には、案内板に衝突して集積プレート上に落下したプリントペーパーの落下位置がばらついてしまうという問題がある。そして、このようにプリントペーパーの落下位置がばらつくと、特にプリントペーパーのサイズが小さい場合には、複数のプリントペーパーが上下に重ならない状態で集積プレート上に落ちて、その積載順序が入れ替わってしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、受容した搬送物を複数の積載部材によって仕分けする場合に、各積載部材に積載される複数の搬送物における積載順序の入れ替わりを抑制することができる仕分装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の仕分装置は、搬送方向の上流側から搬送される搬送物の仕分領域を有し、該仕分領域への前記搬送物の受け渡し領域において、該受け渡し領域に向けて前記搬送方向の上流側から順次投げ出される複数の前記搬送物を受容するとともに、受容した前記搬送物を前記仕分領域において仕分けする仕分装置であって、前記受け渡し領域で受容した前記搬送物を積載して前記受け渡し領域から前記仕分領域に向けて順次移動する複数の積載部材と、前記受け渡し領域に向けて投げ出される前記搬送物を受け止めて前記積載部材の方に案内する案内部と、を備え、前記案内部は、前記受け渡し領域内において、前記搬送方向の中央付近に配置される第1案内面と、該第1案内面よりも前記搬送方向の下流側に配置される第2案内面とを有し、前記第1案内面は、前記搬送方向の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているとともに、水平方向に対する傾斜角度が前記第2案内面よりも大きくなっている。
【0008】
この構成によれば、案内部の第1案内面は、搬送方向の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているので、受け止めた搬送物を搬送方向の上流側に向けて押し戻すことで積載部材の方に案内することができる。また、搬送物の搬送方向における長さが受け渡し領域の搬送方向における長さの半分未満であった場合にも、受け渡し領域の搬送方向における中央付近に配置された第1案内面で搬送物を受け止めることで、搬送物が搬送方向の下流側に移動するのを抑制することができる。これにより、積載部材上に積載される複数の搬送物は、案内部によって受け渡し領域の搬送方向における上流側寄りに順次案内されることになる。したがって、受容した搬送物を複数の積載部材によって仕分けする場合に、各積載部材に積載される複数の搬送物における積載順序の入れ替わりを抑制することができる。
【0009】
本発明の仕分装置において、前記案内部の前記第2案内面は、前記搬送方向の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜している。
この構成によれば、搬送物の搬送方向における長さが受け渡し領域の搬送方向における長さの半分以上であった場合には、案内部の第2案内面で搬送物を受け止めることができる。なお、1つの積載部材に複数の搬送物を積載する場合、後から積載される搬送物は、先に積載された搬送物の表面を滑って搬送方向の下流側まで進入することがある。その点、第2案内面は搬送方向の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているので、後から積載された搬送物が搬送方向の下流側に進入するのを抑制することができる。
【0010】
本発明の仕分装置において、前記各積載部材は前記仕分領域において前記搬送方向と直交する前記搬送物の仕分方向に移動することで前記搬送物を仕分けするとともに、前記受け渡し領域は前記仕分方向において前記仕分領域の上流側に配置され、前記積載部材は、前記受け渡し領域において前記搬送物を受容する受容部と、該受容部の前記仕分方向における下流側の端部に設けられて前記受容部に積載された前記搬送物の位置決めを行う位置決め部とを有し、前記第1案内面及び前記第2案内面は、前記仕分方向の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜している。
【0011】
この構成によれば、第1案内面及び第2案内面は仕分方向の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜しているので、受け止めた搬送物を積載部材の位置決め部の方に案内することができる。したがって、積載部材上に複数の搬送物を積載する場合にも、案内部が各搬送物を積載部材の位置決め部材の方に順次案内することで、搬送物の積載位置のばらつきを抑制することができる。
【0012】
本発明の仕分装置において、前記案内部は、前記第1案内面及び前記第2案内面よりも前記仕分方向の上流側に配置される第3案内面をさらに備え、該第3案内面は、前記仕分方向の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜している。
【0013】
この構成によれば、搬送物の仕分方向における長さが積載部材の仕分方向における長さよりも長い場合にも、案内部の第3案内面によって搬送物を積載部材の方に案内することができる。
【0014】
本発明の仕分装置は、一定の周回移動経路を形成するとともに複数の前記積載部材が前記周回移動経路に沿って並ぶように取着される無端状の移動体をさらに備え、前記積載部材は前記受け渡し領域において前記搬送物を寝かせた状態で受け入れる受容姿勢から、前記移動体の周回移動に伴って起きあがるように姿勢を変化させながら前記仕分領域に移動するとともに、前記積載部材には受容した前記搬送物の取り出しを補助するための切欠部が設けられ、前記第1案内面及び前記第2案内面は、前記積載部材の前記切欠部と対応する位置に配置されている。
【0015】
この構成によれば、案内部の第1案内面及び第2案内面は積載部材の切欠部と対応する位置に配置されているので、積載部材が受け渡し領域から仕分領域に向けて姿勢を変化させながら移動する場合にも、案内部と積載部材との干渉を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】仕分装置を備えたプリンターユニットの構成を示す上面図。
【図2】図1における2―2線矢視断面図。
【図3】図1における3―3線矢視断面図。
【図4】図1における4―4線矢視断面図。
【図5】案内部の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を記録装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」と略す場合もある)に付属して用いられる仕分装置に具体化した実施形態を説明する。また、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は各図中に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。なお、図面中の上方向、右方向及び前方向を示す矢印において、「○」の中に「・」が記載されたもの(矢の先端を前から見た図)は紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたもの(矢の羽根を後ろから見た図)は紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0018】
図1に示すように、プリンターユニット11は、記録装置の一例としてのプリンター100と、搬送装置110と、仕分装置120とを構成要素として備えている。プリンター100は、長尺状の用紙であるシートST(図2参照)に対して記録(印刷)を施すとともに、シートSTの記録が施された部分を切断することで搬送物の一例としてのカット用紙CSとして排紙する。
【0019】
搬送装置110は、プリンター100から排紙された記録済みのカット用紙CSを仕分装置120に向けて搬送するとともに、仕分装置120がカット用紙CSを受容する受け渡し領域DAに向けてカット用紙CSを排出する。また、仕分装置120は、積載部材の一例としての複数のトレイ130を備えている。各トレイ130は、半透明の合成樹脂からなる。そして、仕分装置120は、各トレイ130が受け渡し領域DAに順次移動していくことで、カット用紙CS(印刷物)を仕分けするようになっている。
【0020】
次に、プリンター100の構成について詳述する。
図2に示すように、プリンター100は、後壁の上部に排紙部12aを有する略直方体状の本体ケース12と、本体ケース12内の前側下部においてシートSTをロール状に巻き重ねたロール体RSの状態で保持する保持部13とを備えている。また、プリンター100は、本体ケース12内に、保持部13から排紙部12aに向かって延びる搬送経路に沿ってシートSTを搬送する搬送機構14を備えている。また、本体ケース12内には、ロール体RSから巻き解かれたシートSTに対して記録を施す記録部15と、カッター16とが設けられている。また、本体ケース12内において排紙部12aと隣接する位置には、搬送機構14の一部を構成するカール矯正機構17が設けられている。
【0021】
搬送機構14によって搬送されるシートSTは、記録部15において表面に記録処理が施される。その後、シートSTは、表面に印刷が施された部分がカッター16で切断される。そして、切断されたシートSTの先端側の部分はカット用紙CS(単票)となる。また、このカット用紙CSは、カール矯正機構17においてカール(巻きぐせ)が矯正される。
【0022】
保持部13は、ロール体RSを回転可能に支持する回転軸18と、回転軸18を回転させるための回転モーター(図示略)とを備えている。そして、回転モーターの駆動に伴って回転軸18が図2における反時計方向に回転すると、ロール体RSからシートSTが巻き解かれるようになっている。
【0023】
搬送機構14は、シートSTを搬送方向X1の上流側から下流側(本実施形態では前側から後側)に搬送する複数の搬送ローラー20〜24と、各搬送ローラー20,21,22,24との間にシートSTを挟持する従動ローラー30,31,32,34とを備えている。各搬送ローラー20,21,22,24と各従動ローラー30,31,32,34とは、搬送経路を挟んで互いに対向する位置に配置されている。
【0024】
なお、以下の説明において、互いに対をなす搬送ローラー22と従動ローラー32を搬送ローラー対R2ということがある。また、搬送機構14は、搬送ローラー20〜24を回転させるための搬送モーター(図示略)と、搬送ローラー対R2と対応する位置に配置された搬送経路形成部材38とを備えている。
【0025】
記録部15は、搬送経路の上側に配置されたガイド軸42と、ガイド軸42に支持されたキャリッジ43と、キャリッジ43に支持された記録ヘッド44とを備えている。また、記録部15は、搬送経路を挟んで記録ヘッド44と対向する位置に配置された支持部材45を備えている。ガイド軸42は、搬送方向X1と交差(本実施形態では直交)するシートSTの幅方向Y1(本実施形態では左右方向)に沿って延びるように本体ケース12に架設されている。また、キャリッジ43は、ガイド軸42に案内されつつ幅方向Y1に沿って往復移動するようになっている。
【0026】
支持部材45の上面には複数の吸引孔(図示略)が開口している。また、支持部材45には吸引孔を通じてシートSTを吸着するための吸引機構46が内蔵されている。また、記録ヘッド44には、液体としてのインクを噴射する複数のノズル47が設けられている。そして、支持部材45に支持されたシートSTの表面(図1では上面となる記録面)に記録ヘッド44のノズル47からインクが噴射されることで、シートSTに記録が施されるようになっている。
【0027】
なお、プリンター100では、1つの印刷ジョブに含まれる印刷データを複数に分割し、分割された各印刷データに基づく印刷処理をキャリッジ43の走査毎に行うとともに、各印刷処理の合間に、シートSTの印刷が施された部分が間欠的に搬送されるようになっている。すなわち、記録部15では、幅方向Y1が長手方向となる帯状の画像の形成と紙送りとが交互に繰り返されることで、1つの印刷ジョブに基づく画像が形成されるようになっている。
【0028】
また、カッター16によるシートSTの切断は、搬送機構14によるシートSTの搬送を停止させ、上流側を支持部材45の吸引機構46で保持する一方、下流側を搬送ローラー対R2で挟持した状態で行われる。なお、本実施形態においては、印刷を行うためにシートSTの搬送を停止したときに、シートSTの切断を行うようになっている。そして、切断されたカット用紙CSは、搬送ローラー22〜24によって停止されることなく連続的に搬送され、カール矯正機構17でカールが矯正された後に、排紙部12aを通じて搬送装置110側に排紙される。
【0029】
カール矯正機構17は、搬送ローラー23,24及び従動ローラー34を構成要素の一部として有している。従動ローラー34は、搬送ローラー24との間にカット用紙CSを挟持したときに、カット用紙CSの搬送に伴って従動回転するとともに、搬送ローラー23との間でカット用紙CSを屈曲させることで、カット用紙CSのカールを矯正するようになっている。なお、搬送ローラー23は、カット用紙CSが屈曲されるときに、その屈曲部分の上流側を支持する支持部として機能する。
【0030】
次に、搬送装置110の構成について詳述する。
図3に示すように、搬送装置110は、プリンター100の排紙部12aから排紙されたカット用紙CSを搬送方向X2の上流側から下流側(本実施形態では左側から右側)に向けて搬送するもので、基台部50上に載置されている。
【0031】
搬送装置110は、駆動ローラー51と、従動ローラー52と、駆動ローラー51及び従動ローラー52に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト53と、駆動ローラー51を回転させるための駆動モーター54(図1参照)とを備えている。そして、駆動モーター54の駆動によって駆動ローラー51が図3における反時計方向に回転することで搬送ベルト53が回転(周回移動)するようになっている。
【0032】
搬送ベルト53の搬送方向X2における上流側はプリンター100の排紙部12aの下方に配置されている。また、搬送ベルト53の搬送方向X2における下流側は仕分装置120の受け渡し領域DAと隣接する位置に配置されている。したがって、駆動モーター54の駆動時にカット用紙CSが搬送ベルト53の搬送面53a(上面からなる水平面)に載置されると、カット用紙CSは仕分装置120の受け渡し領域DAに向かって搬送方向X2に搬送されるようになっている。
【0033】
このとき、搬送ベルト53は受け渡し領域DAの搬送方向X2における中央付近に向けてカット用紙CSを投げ出すような速度で回転される。そして、カット用紙CSは搬送面53aの搬送方向X2における下流端に至ると、搬送面53aから離間して仕分装置120の受け渡し領域DAに向けて排出される。
【0034】
次に、仕分装置120の構成について詳述する。
図1に示すように、仕分装置120は、箱形の本体部59を備えている。仕分装置120は、本体部59において後側となる位置に受け渡し領域DAを有しているとともに、本体部59において前側となる位置に反転領域RAを有している。さらに、仕分装置120は、本体部59の前後方向における受け渡し領域DAと反転領域RAとの間に、搬送装置110によって搬送方向X2の上流側から搬送されるカット用紙CSを仕分けするための仕分領域SAを有している。
【0035】
仕分装置120は、搬送装置110から仕分領域SAへのカット用紙CSの受け渡し領域DAにおいて、受け渡し領域DAに向けて搬送方向X2の上流側から順次投げ出される複数のカット用紙CSを受容する。また、仕分装置120は、受容したカット用紙CSを仕分領域SAにおいて仕分けする。なお、受け渡し領域DAは、搬送方向X2と直交するカット用紙CSの仕分方向X3(本実施形態では前方向)において、仕分領域SAの上流側(本実施形態では後側)に配置されている。
【0036】
図4に示すように、仕分装置120は本体部59内に収容された移動機構60を備えている。移動機構60は、歯車61,62,63,64と、移動体の一例としての無端状のチェーン65と、歯車61を回転させるための駆動モーター(図示略)とを備えている。歯車61,63は駆動歯車で、駆動モーター(図示略)によって図4における反時計方向に回転される。また、歯車62は従動歯車であるとともに、歯車64はばね(図示略)によって下側に付勢されるテンション歯車である。そして、各歯車61〜64は、チェーン65に対して内側からそれぞれ噛合している。
【0037】
チェーン65は、歯車61,62,63,64に巻き掛けられるとともに、歯車64によって適度に張設された状態に保持されている。そして、チェーン65は、駆動モーターの駆動に伴って歯車61,63が回転すると、一定の周回移動経路を形成するように図4において反時計方向に周回移動するようになっている。
【0038】
チェーン65には、トレイ130を装着するための複数(本実施形態では22個)の保持部67がほぼ等間隔に設けられている。トレイ130は、保持部67に装着される装着部70と、平板状の受容部71と、側面視において受容部71と略直交するように設けられた位置決め部72とを有している。そして、チェーン65の各保持部67には、それぞれ1つのトレイ130が周回移動経路に沿って並ぶように取着されている。
【0039】
各トレイ130は、チェーン65の周回移動に伴って移動する過程で、受け渡し領域DAに順次配置される。また、受け渡し領域DAでカット用紙CSを受容した各トレイ130は、チェーン65の周回移動に伴って受け渡し領域DAから仕分領域SAに移動し、さらに仕分領域SAにおいて仕分方向X3に移動することで、カット用紙CSを仕分けする。
【0040】
トレイ130は、受容部71が仕分方向X3の上流側から下流側に向けてやや低くなるように傾斜した受容姿勢で受け渡し領域DAに配置されるとともに、この受け渡し姿勢においてカット用紙CSを寝かせた状態で受け入れる。また、トレイ130の位置決め部72は受容部71の仕分方向X3における下流側の端部に設けられている。そのため、トレイ130の受容部71に積載されたカット用紙CSは自重によって仕分方向X3の下流側に移動し、位置決め部72によって仕分方向X3における位置決め及び下端位置の位置決めが行われる。
【0041】
受け渡し領域DAにおいてカット用紙CSを受容した各トレイ130は、カット用紙CSを積載した状態で、チェーン65の周回移動に伴って受容姿勢から起きあがるように姿勢を変化させながら、受け渡し領域DAから仕分領域SAに向けて順次移動する。これにより、仕分領域SAにおいてチェーン65の上側に位置する複数(本実施形態では9つ)のトレイ130は、受容部71同士が互いに平行をなす仕分姿勢で仕分領域SAに配置される。
【0042】
トレイ130が仕分姿勢になっている場合には、位置決め部72が受容部71の下側に位置するため、カット用紙CSは図4に二点鎖線で示すように下面側が受容部71にもたれかかった状態で下端が位置決め部72に支持される。すなわち、トレイ130は、仕分姿勢にある場合、カット用紙CSを立てた状態で支持する。
【0043】
仕分領域SAには、仕分方向X3に沿って仕分姿勢のトレイ130が9つ並ぶようになっているため、仕分装置120はカット用紙CSをオーダー毎に9つに仕分けることができるようになっている。また、カット用紙CSを積載したトレイ130が仕分領域SAの最前列に移動すると、トレイ130の移動が停止され、ユーザーによってカット用紙CSが取り出されるようになっている。そして、仕分領域SAの最前列に位置するトレイ130からカット用紙CSが取り出されると、トレイ130の仕分方向X3への移動が再開される。これにより、空になったトレイ130は反転領域RAにおいて反転され、チェーン65の回転に伴って再び受け渡し領域DAに向けて移動するようになっている。
【0044】
図1に示すように、トレイ130の受容部71において搬送方向X2(左右方向)の中央付近には、反射部73が設けられている。反射部73は、受容部71から後方に向けて三角錐状をなすように凹み形成された3つの斜面のうち、右側の斜面に光を反射する反射シールを貼り付けることで構成されている。
【0045】
また、本体部59において反転領域RAの左端側には、光源部74a及び受光部74bを有する反射型の光学式センサー74が設けられている。光学式センサー74は、同図に二点鎖線で示すように、仕分領域SAの最前列に位置するトレイ130の反射部73に向けて光源部74aから光を出射する。
【0046】
そして、仕分領域SAの最前列に位置するトレイ130にカット用紙CSが積載されていない場合には、光源部74aから出射された光は反射部73で反射して、その反射光を受光部74bが受光する。一方、仕分領域SAの最前列に位置するトレイ130にカット用紙CSが積載されている場合には、光源部74aから出射された光はカット用紙CSによって遮られ、受光部74bは反射光を受光しない。したがって、仕分装置120においては、受光部74bが反射光を受光している場合にはトレイ130を移動させる一方、受光部74bが反射光を受光しなくなった場合にトレイ130の移動を停止させるようになっている。
【0047】
図5に示すように、トレイ130において受容部71の右端側には、ユーザーによるカット用紙CSの取り出しを補助するために、2つの切欠部75,76が形成されている。なお、仕分装置120は、図5に二点鎖線で示す最小サイズのカット用紙CSから、図5に一点鎖線で示す最大サイズのカット用紙CSまでの複数サイズのカット用紙CSを仕分けする。したがって、切欠部75は主に小さいサイズのカット用紙CSの取り出しを補助する一方、切欠部76は主に大きいサイズのカット用紙CSの取り出しを補助する。また、トレイ130の反射部73は、トレイ130の左端側に寄せられた最小サイズのカット用紙CSによっても覆うことが可能なように、搬送方向X2の中央付近においてやや左側(上流側)寄りとなる位置に配置されている。
【0048】
図3に示すように、本体部59において受け渡し領域DAの左端部には、搬送装置110の搬送ベルト53によって排出されたカット用紙CSを受け渡し領域DAに向けて案内する傾斜板77が立設されている。傾斜板77の上端位置は、搬送ベルト53の搬送面53aよりもやや低い位置に配置されている。
【0049】
また、受け渡し領域DAの右端部には、仕切板78が垂直方向に立設されている。なお、搬送ベルト53は受け渡し領域DAの搬送方向X2における中央付近に向けてカット用紙CSを投げ出すような速度で回転される。また、1つのトレイ130には、50枚程度のカット用紙CSが積載可能となっている。そのため、仕切板78は主にトレイ130上に積み重なったカット用紙CSが受け渡し領域DAから右側にあふれ出るのを抑制するために設けられている。
【0050】
図5に示すように、受け渡し領域DAには、受け渡し領域DAに向けて投げ出されるカット用紙CSを受け止めてトレイ130の方に案内する案内板79,80が設けられている。案内板79は、受け渡し領域DAに配置されたトレイ130の位置決め部72よりも後側に配置されている。また、案内板80は、受け渡し領域DAに配置されるトレイ130及び案内板79よりも後側に配置されている。
【0051】
案内板79は、受け渡し領域DA内において、搬送方向X2の中央付近に配置される第1案内面79a,79bと、第1案内面79a,79bよりもそれぞれ搬送方向X2の下流側に配置される第2案内面79c,79dとを有している。なお、案内部81の第1案内面79a及び第2案内面79cはトレイ130の切欠部75と対応する位置に配置されているとともに、案内部81の第1案内面79b及び第2案内面79dはトレイ130の切欠部76と対応する位置に配置されている。
【0052】
案内板79の第1案内面79a,79b及び第2案内面79c,79dは、何れも搬送方向X2の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜している。また、案内板79の第1案内面79a,79bは、水平方向に対する傾斜角度が第2案内面79c,79dよりも大きくなっている。
【0053】
案内板80は、案内板79の第1案内面79a,79b及び第2案内面79c,79dよりも仕分方向X3の上流側に配置される第3案内面80aを有している。本実施形態において、案内板79の第1案内面79a,79b及び第2案内面79c,79d並びに案内板80の第3案内面80aは案内部81を構成している。
【0054】
案内板80の第3案内面80aは、仕分方向X3の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜している。さらに、案内板79の第1案内面79a及び第2案内面79cは、仕分方向の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜している。
【0055】
次に、仕分装置120の作用について説明する。
図3に示すように、搬送方向X2において、受け渡し領域DAの長さをL1、受け渡し領域DAの上流端から第2案内面79c,79dの下流端までの長さをL2、受け渡し領域DAの上流端から第1案内面79a,79bの下流端までの長さをL3とする。また、プリンター100から排出される最小サイズのカット用紙CSの搬送方向X2における長さをLsとすると、L3<Ls<L2<L1、Ls<L1/2となっている。
【0056】
そして、搬送装置110の搬送ベルト53は受け渡し領域DAの搬送方向X2における中央付近に向けてカット用紙CSを投げ出すような速度で回転されるので、搬送装置110から排出されたカット用紙CSは、搬送方向X2における下流端が案内板79に衝突する。このとき、カット用紙CSの搬送方向X2における長さが受け渡し領域DAの搬送方向X2における長さの半分未満であった場合には、案内板79の第1案内面79a,79bがそのカット用紙CSを受け止める。一方、カット用紙CSの搬送方向X2における長さが受け渡し領域DAの搬送方向X2における長さの半分以上であった場合には、カット用紙CSが第1案内面79a,79bを乗り越え、第2案内面79c,79dによって受け止められる。
【0057】
なお、既にカット用紙CSが積載されたトレイ130にさらにカット用紙CSが積載される場合には、後から積載されるカット用紙CSが先に積載されたカット用紙CSの表面を滑って搬送方向X2の下流側まで進入することがある。この場合には、最小サイズのカット用紙CSであっても、そのカット用紙CSは案内板79の第2案内面79c,79dによって受け止められることがある。
【0058】
そして、案内板79の第1案内面79a,79b及び第2案内面79c,79dは何れも搬送方向X2の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているので、案内板79に受け止められたカット用紙CSは搬送方向X2の上流側に向けて押し戻され、トレイ130によって受容される。また、トレイ130に受容されたカット用紙CSは、自重によって仕分方向X3の下流側に移動して、仕分方向X3の下流側の端部が位置決め部72に当接する。
【0059】
このとき、案内板79の第1案内面79a及び第2案内面79c並びに案内板80の第3案内面80aは、仕分方向X3の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜しているので、カット用紙CSの仕分方向X3の下流側に向かう移動が促進される。したがって、トレイ130に複数のカット用紙CSが積載される場合にも、各カット用紙CSは積載される順に、搬送方向X2の上流側(左側)及び仕分方向X3の下流側(前側)に案内され、積載位置のばらつきが抑制される。
【0060】
なお、最小サイズのカット用紙CSは、搬送方向X2における長さが受け渡し領域DAの搬送方向X2における長さの半分未満であるので、受け渡し領域DAでの落下位置がばらつくと、トレイ130への積載順序が入れ替わってしまう虞がある。しかし、本実施形態によれば、案内部81によって各カット用紙CSのトレイ130への積載位置のばらつきが抑制されるので、積載順序の入れ替わりを回避することが可能になる。
【0061】
また、カット用紙CSがトレイ130において搬送方向X2の下流側寄りに積載されると、最小サイズのカット用紙CSが反射部73から離間した状態でトレイ130が仕分領域SAに移動してしまう虞がある。そして、この場合には、このトレイ130が仕分領域SAの最前列に位置したときに光学式センサー74の光がカット用紙CSによって遮られないので、トレイ130がカット用紙CSを積載したまま反転して、カット用紙CSが本体部59内に散乱してしまうことになる。
【0062】
すなわち、トレイ130にカット用紙CSが積載されているにもかかわらず、その積載状態を光学式センサー74によって検出することができないという検出エラーが生じてしまう。その点、本実施形態では、カット用紙CSは案内部81によってトレイ130の搬送方向X2における上流側に案内され、反射部73を確実に覆うので、上述したような検出エラーの発生を抑制することができる。
【0063】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)案内部81の第1案内面79a,79bは、搬送方向X2の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているので、受け止めたカット用紙CSを搬送方向X2の上流側に向けて押し戻すことでトレイ130の方に案内することができる。また、カット用紙CSの搬送方向X2における長さが受け渡し領域DAの搬送方向X2における長さの半分未満であった場合にも、受け渡し領域DAの搬送方向X2における中央付近に配置された第1案内面79a,79bでカット用紙CSを受け止めることで、カット用紙CSが搬送方向X2の下流側に移動するのを抑制することができる。これにより、トレイ130上に積載される複数のカット用紙CSは、案内部81によって受け渡し領域DAの搬送方向X2における上流側寄りに順次案内されることになる。したがって、受容したカット用紙CSを複数のトレイ130によって仕分けする場合に、各トレイ130に積載される複数のカット用紙CSにおける積載順序の入れ替わりを抑制することができる。
【0064】
(2)カット用紙CSの搬送方向X2における長さが受け渡し領域DAの搬送方向X2における長さの半分以上であった場合には、案内部81の第2案内面79c,79dでカット用紙CSを受け止めることができる。なお、1つのトレイ130に複数のカット用紙CSを積載する場合、後から積載されるカット用紙CSは、先に積載されたカット用紙CSの表面を滑って搬送方向X2の下流側まで進入することがある。その点、第2案内面79c,79dは搬送方向X2の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているので、後から積載されたカット用紙CSが搬送方向X2の下流側に進入するのを抑制することができる。また、複数のカット用紙CSが搬送方向X2の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜した状態で順次積載されることで、先に積載されたカット用紙CSによって、次に積載されるカット用紙CSを受け止めて搬送方向X2の上流側に押し戻すことができる。
【0065】
(3)第1案内面79a、第2案内面79c及び第3案内面80aは仕分方向X3の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜しているので、受け止めたカット用紙CSをトレイ130の位置決め部72の方に案内することができる。したがって、トレイ130上に複数のカット用紙CSを積載する場合にも、案内部81が各カット用紙CSをトレイ130の位置決め部72材の方に順次案内することで、カット用紙CSの積載位置のばらつきを抑制することができる。
【0066】
(4)カット用紙CSの仕分方向X3における長さがトレイ130の仕分方向X3における長さよりも長い場合にも、案内部81の第3案内面80aによってカット用紙CSをトレイ130の方に案内することができる。
【0067】
(5)案内部81の第1案内面79a及び第2案内面79cはトレイ130の切欠部75と対応する位置に配置されているとともに、案内部81の第1案内面79b及び第2案内面79dはトレイ130の切欠部76と対応する位置に配置されている。そのため、トレイ130が受け渡し領域DAから仕分領域SAに向けて起きあがるように姿勢を変化させながら移動する場合にも、案内部81とトレイ130との干渉を回避することができる。
【0068】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・仕分装置120に設けられるトレイ130の数や仕分領域SAに配置されるトレイ130の数は任意に変更することができる。
【0069】
・受け渡し領域DAと仕分領域SAとが上下方向に並ぶように配置してもよい。また、仕分領域SAが受け渡し領域DAの下方に位置している場合には、受け渡し領域DAに配置されたトレイ130の上方に案内板79を配置しても、トレイ130の受け渡し領域DAから仕分領域SAへの移動を妨げない。そのため、この場合には、必ずしも案内板79がトレイ130の切欠部75,76と対応する位置に配置されていなくてもよい。また、案内板79の第1案内面79a及び第2案内面79c並びに案内板80の第3案内面80aは、仕分方向X3の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜していなくてもよい。
【0070】
・第1案内面79b及び第2案内面79dが仕分方向X3の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜していてもよい。
・受け渡し領域DAにおいて、トレイ130の受容部71が水平となる受容姿勢でカット用紙CSを受容するようにしてもよい。
【0071】
・第2案内面79c,79dが水平をなすように配置されていてもよい。
・トレイ130に切欠部76が設けられていない場合などには、第1案内面79b及び第2案内面79dを備えなくてもよい。
【0072】
・カット用紙CSの仕分方向X3における長さがトレイ130における受容部71の仕分方向X3における長さよりも短い場合などには、第3案内面80a(案内板80)を備えなくてもよい。
【0073】
・第1案内面79a,79b、第2案内面79c,79d及び第3案内面80aが同一の案内板によって形成されるようにしてもよい。
・プリンター100は、長尺状のシートSTを切断してカット用紙CSとするものに限らず、予め単票とされたカット用紙CSに対して印刷を施すものであってもよい。
【0074】
・プリンター100は、インク以外の他の液体の微小量の液滴を噴射したり吐出したりする液体噴射ヘッド等を備える液体噴射装置であってもよい。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置や捺染装置等であってもよい。
【0075】
・上記実施形態では、記録方式としてインクジェット方式を採用したプリンターについて記載したが、ドットインパクト方式、電子写真方式や熱転写方式など、任意の記録方式のプリンターに変更することもできる。また、プリンターはシリアルプリンターに限定されず、ラインプリンターやページプリンターでもよい。
【0076】
・記録装置はプリンターに限らず、FAX装置、コピー装置あるいはこれら複数機能を備えた複合機等であってもよい。また、記録装置は、ラベルプリンター、バーコードプリンターや発券装置などであってもよい。
【0077】
・搬送物は用紙に限らず、金属やプラスチックフィルム、布、磁気テープ、ゴムなど、任意の素材のものを対象とすることができる。また、搬送物は単票に限らず、袋や複数枚の単票が綴じられた冊子、剥離紙が付属したラベルなどであってもよい。
【0078】
・仕分装置は、記録装置に付属して用いられるものに限らない。例えば、シールの貼付処理、箔の転写処理、ステイプル(綴じ)処理、エンボス加工処理、折り畳み処理など、任意の加工処理を施した搬送物を仕分けする仕分装置としてもよい。
【0079】
さらに、上記実施形態及び各変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の仕分装置と、
前記搬送物を前記搬送方向に沿って搬送するとともに前記受け渡し領域の前記搬送方向における中央付近に排出する搬送装置と、を備えることを特徴とする仕分ユニット。
【0080】
この構成によれば、搬送装置は搬送物を受け渡し領域の搬送方向における中央付近に排出するので、上記仕分装置と同様の作用効果を得ることができる。なお、技術的思想(イ)における仕分ユニットは、上記実施形態の搬送装置110及び仕分装置120によって構成される。
【符号の説明】
【0081】
65…移動体の一例としてのチェーン、71…受容部、72…位置決め部、75,76…切欠部、79a,79b…第1案内面、79c,79d…第2案内面、80a…第3案内面、81…案内部、120…仕分装置、130…積載部材の一例としてのトレイ、CS…搬送物の一例としてのカット用紙、DA…受け渡し領域、SA…仕分領域、X2…搬送方向、X3…仕分方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向の上流側から搬送される搬送物の仕分領域を有し、該仕分領域への前記搬送物の受け渡し領域において、該受け渡し領域に向けて前記搬送方向の上流側から順次投げ出される複数の前記搬送物を受容するとともに、受容した前記搬送物を前記仕分領域において仕分けする仕分装置であって、
前記受け渡し領域で受容した前記搬送物を積載して前記受け渡し領域から前記仕分領域に向けて順次移動する複数の積載部材と、
前記受け渡し領域に向けて投げ出される前記搬送物を受け止めて前記積載部材の方に案内する案内部と、を備え、
前記案内部は、前記受け渡し領域内において、前記搬送方向の中央付近に配置される第1案内面と、該第1案内面よりも前記搬送方向の下流側に配置される第2案内面とを有し、前記第1案内面は、前記搬送方向の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜しているとともに、水平方向に対する傾斜角度が前記第2案内面よりも大きくなっていることを特徴とする仕分装置。
【請求項2】
前記案内部の前記第2案内面は、前記搬送方向の下流側から上流側に向けて低くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の仕分装置。
【請求項3】
前記各積載部材は前記仕分領域において前記搬送方向と直交する前記搬送物の仕分方向に移動することで前記搬送物を仕分けするとともに、前記受け渡し領域は前記仕分方向において前記仕分領域の上流側に配置され、
前記積載部材は、前記受け渡し領域において前記搬送物を受容する受容部と、該受容部の前記仕分方向における下流側の端部に設けられて前記受容部に積載された前記搬送物の位置決めを行う位置決め部とを有し、
前記第1案内面及び前記第2案内面は、前記仕分方向の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の仕分装置。
【請求項4】
前記案内部は、前記第1案内面及び前記第2案内面よりも前記仕分方向の上流側に配置される第3案内面をさらに備え、
該第3案内面は、前記仕分方向の上流側から下流側に向けて低くなるように傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の仕分装置。
【請求項5】
一定の周回移動経路を形成するとともに複数の前記積載部材が前記周回移動経路に沿って並ぶように取着される無端状の移動体をさらに備え、
前記積載部材は前記受け渡し領域において前記搬送物を寝かせた状態で受け入れる受容姿勢から、前記移動体の周回移動に伴って起きあがるように姿勢を変化させながら前記仕分領域に移動するとともに、前記積載部材には受容した前記搬送物の取り出しを補助するための切欠部が設けられ、
前記第1案内面及び前記第2案内面は、前記積載部材の前記切欠部と対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の仕分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−56756(P2012−56756A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204024(P2010−204024)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】