説明

企業応援メッセージサービスシステム

【課題】携帯電話サービスの中の着信音、呼出音を楽しむサービスを利用して企業の広告効果を上げることや商談、流通を誘起していく仕組みを提供する。
【解決手段】携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流す企業応援メッセージサービスシステムであって、該システムに参画する参画企業の中から応援する企業を選択する応援企業選択手段と、発信者が応援企業を選択した企業応援ユーザーを呼び出す企業応援ユーザー呼出手段と、呼び出しにより応援企業の企業応援メッセージを発信者に流す企業応援メッセージ発信手段と、企業応援メッセージを流した利用回数を管理サーバでカウントし、その利用カウントに応じて企業応援ユーザーにメリットを提供する企業応援メリット提供手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話の新しいサービスシステムに関する。詳しくは、携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流す企業応援メッセージサービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年目覚しい発展を遂げた携帯電話であるが、需要がピークに達して新規契約数が伸び悩む中、多契約によるサービス(家族割引等)、長期契約によるサービス等、基本料金から一定の支払い金額が減少するサービスでユーザーの獲得を図ってきた。
【0003】
さらに、平成18年10月から導入予定の携帯電話番号ポータビリティが追い討ちをかけ、ますますユーザー獲得競争が熱を帯びるなかで、本来の通話機能以外のサービスの充実がユーザーをひきつける重要な要素となっている。
【0004】
また、数年前から、携帯電話からインターネットに接続してWebサイトを見たり、電子メールを送受信するといった携帯電話のインターネット端末化が急激に進み、インターネットから配信される音楽、動画をダウンロードして、携帯電話の着信音とするサービスが知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
この内容は、CMソング等の広告のための着信音声を表す音声データ及び広告のための一連のフレームからなる着信画面のそれぞれを表わす一連の画像データから形成された複合データであって、インターネットに接続された携帯電話に、音声データが表わす着信音声を音声鳴音手段によって鳴音させ、かつ、着信音声に連動して、一連の画像データが表わす動画の着信画面のそれぞれのフレームを所定のタイミングで表示させるための制御情報を有する更なる複合データを、着信メロディ等の音声のダウンロード要求に応じてインターネットを通じて携帯電話に着信音として送信するサービスである。
【0006】
一方、携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わりメロディを送信する呼出メロディサービスシステムが知られている(例えば、特許文献2)。
【0007】
この内容は、交換機が、携帯電話から発呼信号を受信すると、その番号を用いてユーザDBに対して、予め着信側のユーザにより設定されたレコードが存在するかの検索をRBT管理センタに行わせ、その検索結果を受け取る。この検索により、その番号を持つレコードが抽出されると、そのレコードで設定されたRBTデータを音楽DBから取得し、RBT管理センタを介して交換機が受け取る。交換機は、RBT管理センタから受け取ったRBTデータを携帯電話に送信し、当該携帯電話は、受信したRBTデータに基づき鳴音するシステムである。
【0008】
この呼出メロディサービスシステムによって、呼出音に代わり呼出メロディを送信する手順を、図6に示すフローチャートにより説明する。呼出メロディサービスを希望する利用者は、携帯電話から特定のキャリア会社が提供するコンテンツサービスを選択し(PR401)、呼出メロディサービスを申し込む(PR402)。そして、楽曲を登録するにあたり、キャリア会社が一律に選定した楽曲をそのまま登録する場合(PR403)と、利用者が自由に好きな楽曲を選定し呼出音として登録する場合(PR404)とがあり、後者の場合は、キャリア会社と提携している特定のプロバイダのWebサイトを選択し(PR405)、そのWebサイトの中から気に入った楽曲を選択し呼出音として登録する(PR406)。このようにして楽曲を登録完了した後は、利用者の携帯電話への着信毎に、選定、登録した楽曲が発信者の携帯電話へ流れる(PR407)。その場合、発信者全てに、同じ楽曲を呼出音として流す場合(PR408)と、特定の発信者を選定し、それぞれに設定した楽曲を呼出音として流す場合(PR409)とがある。このようにして、利用者の携帯電話への着信毎に、利用者が気に入った楽曲を発信者の携帯電話に呼出音として送信する。
【0009】
【特許文献1】特開2002−247206号公報
【特許文献2】特開2003−274016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上説明したように、特許文献1、特許文献2に代表される従来の携帯電話のサービスシステムには、次のような問題点がある。
【0011】
現在、ディジタルセルラ電話システムのようにマルチメディア通信に対応できる通信インフラの整備が進んでおり、サービスの高機能化が進んでいる。しかし、通信事業者にとっては、高機能なサービスを提供するためには通信システムのインフラを変更する必要があって設備などに相応のコストがかかるため、携帯電話通信網を掌握する通信システム事業者でなくては新規のサービスを提供することは経済的に困難である。
【0012】
一方、携帯電話サービスの中で着信メロディとか呼出メロディサービスのように、音楽的あるいは旋律的な着信音、呼出音を楽しむサービスが提供されている。このような着信音、呼出音については、現状では単に個人が楽しむ利用目的に止まっており、この着信音、呼出音を楽しむサービスは企業の営利活動と結びつくものではない。そのため、携帯電話分野においてはこのサービスを利用して企業の広告効果を上げることや商談、流通を誘起していくように発展させるサービスの手段がない。
【0013】
そこで、本発明の企業応援メッセージサービスシステムは、このような従来のコンテンツサービスの持つ問題点を解決するためになされたもので、既存の通信インフラをできるだけ利用してインフラの大幅な変更を行うことなく、プロバイダが携帯電話における新規なコンテンツとして、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージサービスシステムを企画提案することにある。そのため、現在ある音楽やタレントボイス等を提供するサービスとは異なり「ブルブル」という呼出音に代わり、企業応援メッセージを音声あるいはこれにメロディを付加した音声として流す。
【0014】
このことにより、この企業応援メッセージサービスシステムに参画する企業は効果的に不特定多数の携帯電話に企業応援メッセージを聞かせ、これをきっかけに商談、流通が起きていく仕組みを提供することを目的としている。
【0015】
即ち、従来の着信メロディのように電話を受信した人が音楽を聴くのではなく、受信した人が受話器を取り上げるまでの時間、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを、発信者へ出力する企業応援メッセージサービスシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで、本発明者等は、現在ある音楽やタレントボイス等を提供するサービスとは異なり「ブルブル」という呼出音に代わり、企業応援メッセージを音声あるいはこれにメロディを付加した音声として流すことに着目し具現化したものである。
【0017】
上記目的を達成するため、請求項1の企業応援メッセージサービスシステムは、携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流す企業応援メッセージサービスシステムであって、該システムに参画する参画企業の中から応援する企業を選択する応援企業選択手段と、発信者が応援企業を選択した企業応援ユーザーを呼び出す企業応援ユーザー呼出手段と、呼び出しにより応援企業の企業応援メッセージを発信者に流す企業応援メッセージ発信手段と、企業応援メッセージを流した利用回数を管理サーバでカウントし、その利用カウントに応じて企業応援ユーザーにメリットを提供する企業応援メリット提供手段とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項2の企業応援メッセージサービスシステムは、請求項1に記載の企業応援メッセージサービスシステムであって、管理サーバは、企業応援メッセージサービスシステムに参画する企業を登録する参画企業管理部と、参画企業の中から応援する企業を選択する企業応援ユーザーを登録する企業応援ユーザー管理部と、企業応援メッセージの音源を管理するシステム管理部とを有することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項3の企業応援メッセージサービスシステムは、請求項1に記載の企業応援メッセージサービスシステムであって、企業応援メッセージサービスシステムを提供するキャリア会社の携帯電話ユーザーに対し、該システムに参画する参画企業登録情報及び参画企業サービス情報を、プロバイダの特定のWebサイトに表示するコンテンツ表示部を設けることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項4の企業応援メッセージサービスシステムは、請求項1に記載の企業応援メッセージサービスシステムであって、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業の企業応援ユーザーに対し、該企業応援ユーザーを呼び出す携帯電話の発信者に企業応援ユーザーが応援する応援企業の企業応援メッセージを流した利用状況を、プロバイダの特定のWebサイトに表示する企業応援ユーザー操作表示部を設けることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項5の企業応援メッセージサービスシステムは、請求項1に記載の企業応援メッセージサービスシステムであって、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業に対し、自社を応援する企業応援ユーザーのユーザー数と利用状況を、プロバイダの特定のWebサイトに表示する参画企業操作表示部を設けることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の企業応援メッセージサービスシステムによれば、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業の中から応援する企業を選択する企業応援ユーザーを呼び出す携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流し、その流した利用回数をカウントし、その利用カウントに応じて企業応援ユーザーはメリットとして応援する企業から様々な優待特典を得ることができる。
【0023】
例えば、応援する企業が自動車会社であれば、企業応援ユーザーは企業応援メッセージの広告主である自動車会社のキャンペーン期間中、新車購入代金の値引き等の恩恵を受けることができる。あるいは、飲食店フランチャイズを応援することにより、キャンペーン期間中の飲食代金の割引等の恩恵を受けることができる。
【0024】
また、携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流すことにより、発信者に企業応援メッセージに該当する企業を応援していることがわかり、企業応援ユーザーとしての意識も高まり、このことが次の商談に結びつく。
【0025】
一方、参画企業は自社を選択した企業応援ユーザーの携帯電話を経由して、企業応援ユーザーを呼び出した発信者の携帯電話へ、呼び出した企業応援ユーザーが受話器を取り上げるまで呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流すので、不特定多数の人に宣伝することができ、記憶に残る効果的な宣伝効果が期待できる。
【0026】
また、参画企業は、本発明の企業応援メッセージサービスシステムを採用して自社の企業応援メッセージを全社員が登録することにより、全社員の携帯電話を経由して企業応援ユーザーを呼び出した不特定多数の発信者の携帯電話に、自社を宣伝する企業応援メッセージが音声で自動的に送出される。このことにより、多大な費用を使ってテレビやラジオを介して自社の宣伝をすることなく、少ない広告宣伝費で不特定多数の人に自社の宣伝をすることが可能である。
【0027】
請求項2記載の企業応援メッセージサービスシステムによれば、企業応援メッセージサービスシステムに参画する企業を登録する参画企業管理部と、参画企業の中から応援する企業を選択する企業応援ユーザーを登録する企業応援ユーザー管理部と、企業応援メッセージの音源を管理するシステム管理部とを有する管理サーバを設けるだけで、新たな通信システムのインフラ整備をする必要はない。
【0028】
請求項3記載の企業応援メッセージサービスシステムによれば、携帯電話の新しい通信サービスである企業応援メッセージサービスシステムを提供するキャリア会社Cが、携帯電話ユーザーに対し、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業登録情報と参画企業サービス情報を、プロバイダの特定のWebサイトに表示することにより、携帯電話契約者の囲い込み及び新規契約者の獲得のため、魅力的なコンテンツを情報公開する場とすることができる。
【0029】
請求項4記載の企業応援メッセージサービスシステムによれば、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業の企業応援ユーザーに対し、該企業応援ユーザーを呼び出す携帯電話の発信者に企業応援ユーザーが応援する応援企業の企業応援メッセージを流した利用状況を、プロバイダの特定のWebサイトに表示することにより、優待特典に結びつく利用カウントをタイムリーに確認することができる。
【0030】
請求項5記載の企業応援メッセージサービスシステムによれば、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業に対し、自社を応援する企業応援ユーザーのユーザー数と利用状況を、プロバイダの特定のWebサイトに表示することにより、企業応援ユーザーのユーザー数と利用者状況のデータを取得することができる。
【0031】
これにより、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業は、どれくらいの人が自社の企業応援メッセージを聴いたかを確認することができ、このデータから発信者のターゲットを絞り込んで自社の商品カタログ、次のキャンペーンのお知らせメール等を届けることができる。従って、本発明の企業応援メッセージサービスシステムを使うことにより、少ない広告宣伝費によって、応援メッセージが流れた不特定多数の人に重点的に営業活動を行って売上げ拡大へ結び付けることができる。
【0032】
また、その他の効果として、本発明による企業応援メッセージサービスシステムによれば、この企業応援メッセージサービスシステムを企画するプロバイダは、参画企業としての広告主と契約した企業応援メッセージを不特定多数の人に出力することの対価として、広告主から広告料収入を得ることができる。また、プロバイダは、企業応援メッセージサービスシステムを企画して各種企業に販売するという商売の路も開ける。さらにまた、プロバイダは、広告代理店として広告料収入を得ることができ、この収入を他の各種の携帯電話コンテンツ、望ましくはキラーコンテンツを生むシステムを開発するためのコストに充当させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【実施例】
【0034】
先ず、本発明の実施例について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例に係る企業応援メッセージサービスシステムのシステム概要を示す。図2は本発明の企業応援メッセージサービスシステムの一実施例であるシステム概念図を示す。図3は本発明の企業応援メッセージサービスシステムの利用者が応援企業の企業応援メッセージを選定、登録するフローチャートを示す。図4は本発明の企業応援メッセージサービスシステムのユーザー数と利用状況を調査するフローチャートを示す。図5は本発明の企業応援メッセージサービスシステムの使用状況を集計するフローチャートを示す。
【0035】
図1において、1は携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流す企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6の中から応援する企業K0を選択する応援企業選択手段である。2は発信者Tが応援企業K0を選択した企業応援ユーザーUを呼び出す企業応援ユーザー呼出手段である。3は呼び出しにより応援企業K0の企業応援メッセージMを発信者Tに流す企業応援メッセージ発信手段である。4は企業応援メッセージMの利用回数を管理サーバSでカウントし、その利用カウントに応じて企業応援ユーザーUにメリットを提供する企業応援メリット提供手段である。
【0036】
企業応援ユーザーUは企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6の中から自分が応援したい企業K0を応援企業選択手段1によって選択する。
【0037】
携帯電話の発信者Tが応援企業K0を選択した企業応援ユーザーUを企業応援ユーザー呼出手段2によって呼び出すと、応援企業K0の企業応援メッセージMを企業応援メッセージ発信手段3によって企業応援ユーザーUが受話器を取り上げるまで発信者Tに流す。
【0038】
ここで、企業応援メッセージMとは、音声による企業応援メッセージあるいはこれにメロディを付加した企業応援メッセージを音声として出力するようにしたものである。
【0039】
企業応援メッセージMを発信者Tに流した時間、回数等の利用回数を管理サーバSでカウントし、その利用カウントに応じて企業応援メリット提供手段4によって企業応援ユーザーUに様々な優待特典を与える。例えば、自動車会社を応援することにより、企業応援ユーザーUはキャンペーン期間中、新車購入代金の値引き等の恩恵を受けることができる。あるいは、飲食店フランチャイズを応援することにより、キャンペーン期間中の飲食代金の割引等の恩恵を受けることができる。
【0040】
次に、本発明の企業応援メッセージサービスシステムの一実施例を図2に示すシステム概念図によって詳細に説明する。
【0041】
図2において、携帯電話の通信サービスを提供しているキャリア会社C或いは別組織の通信事業会社Zとそれらが保有する基地局Yとがそれぞれ有線通信回線Lで接続され、さらに基地局Yを経由し無線通信回線Wを介して携帯電話Qが接続される。また、基地局Y、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6、キャリア会社C、プロバイダPがそれぞれインターネットNに接続される。
【0042】
携帯電話Qの発信者Tが、音声による企業応援メッセージを流す企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6の中から応援する企業K0を選択した人U(以下企業応援ユーザーU)の携帯電話Qを呼び出すと、呼出音に代わり応援企業K0の企業応援メッセージMを発信者Tの携帯電話Qに流す。
【0043】
一方、携帯電話の通信サービスを提供しているキャリア会社Cにとって、企業応援メッセージサービスシステムを運営するためには、新技術、通信システムの大幅なインフラ変更を必要とせず、管理サーバSを設けるだけで実現可能である。或いは、キャリア会社Cとは別組織の通信事業会社Zに、管理サーバSのみを設けても良い。
【0044】
また、企業応援メッセージサービスシステムを企画するプロバイダPに管理サーバSを設ければ、プロバイダP自身で企業応援メッセージサービスシステムを運営することができる。
【0045】
管理サーバSは、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6、企業応援ユーザーU、企業応援メッセージMの音源を運用・管理するために設けられ、参画企業管理部10と、企業応援ユーザー管理部20と、システム管理部30を有している。
【0046】
参画企業管理部10は、企業応援メッセージサービスシステムに参画する企業を登録する参画企業登録部11と、参画企業毎の利用カウントを集計する利用カウント処理部12と、利用カウントに応じた課金を徴収する課金徴収部13とから構成される。
【0047】
企業応援ユーザー管理部20は、参画企業K1、K2、・・・、K6の中から応援する企業K0を選択する企業応援ユーザーUを登録する企業応援ユーザー登録部21と、企業応援メッセージMを発信者Tの携帯電話Qに流した時間、回数等の利用回数をカウントする利用カウント処理部22と、その利用カウントを利用ポイントに換算するポイント処理部23とから構成される。
【0048】
システム管理部30は、企業応援メッセージMの音源を管理する音源管理部31から構成される。
【0049】
一方、企業応援メッセージサービスシステムを企画するプロバイダPのホームページ(Webサイト)に、コンテンツ表示部40、企業応援ユーザー操作表示部50、参画企業操作表示部60を設ける。
【0050】
コンテンツ表示部40は、携帯電話の新しい通信サービスである企業応援メッセージサービスシステムを提供するキャリア会社Cが、携帯電話契約者の囲い込み及び新規契約者の獲得のため、魅力的なコンテンツを情報公開する場であり、企業応援メッセージサービスシステムの概要と企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6を一覧で表示する参画企業情報表示部41、それらの参画企業K1、K2、・・・、K6のポイントサービス内容を表示するポイントサービス情報表示部42、表示されたポイントサービスを選択するポイントサービス選択部43を有する。
【0051】
企業応援ユーザー操作表示部50は、参画企業情報表示部41で表示された企業応援メッセージサービスシステムの概要を確認した携帯電話のユーザーが企業応援ユーザーとして登録・更新・解除するユーザー登録・更新・解除操作部51、参画企業K1、K2、・・・、K6の中から応援する企業K0を選択する応援企業選択部52、応援企業の利用状況・ポイントを表示する利用状況・ポイント表示部53、利用状況・ポイントに応じたサービスを選択するポイントサービス選択部54、同報通知サービス(メールマガジン)の参加・不参加を通知する同報通知サービス登録・解除操作部55を有する。
【0052】
参画企業操作表示部60は、企業応援メッセージMの音源を登録・変更・削除するメッセージ音源登録・削除操作部61、自社を応援する企業応援ユーザーUの利用状況を表示する企業応援ユーザー利用状況表示部62、利用カウントに応じたポイント付加比率を設定するポイント付加基準操作部63、同報通知サービス(メールマガジン)を発信操作する同報通知サービス発信部64を有する。
【0053】
また、プロバイダPは、これらのホームページ(Webサイト)を管理するWEBサーバー70、企業応援ユーザーのメールアドレスを管理するメールサーバー80、企業応援メッセージサービスシステムの各種データを管理するデータベース90を有する。
【0054】
以上説明したように、本発明の企業応援メッセージサービスシステムを構成する参画企業K1、K2、・・・、K6、企業応援ユーザーU、キャリア会社Cは、インターネットNを介してプロバイダPの特定のWebサイトを開くことにより、企業応援メッセージサービスシステムのサービス情報及びその利用状況を知ることができる。
【0055】
以上のように構成された本発明による企業応援メッセージサービスシステムの作用について説明する。
【0056】
本発明の企業応援メッセージサービスシステムでは、携帯電話コンテンツを提供するプロバイダPが、携帯電話等による電子媒体を通じて送受信される、映画、音楽、番組、ゲーム等の情報やサービスのひとつである企業応援メッセージサービスシステムを企画する。その新しい企画をもって、プロバイダPは先ず、キャリア会社Cに携帯電話コンテンツサービスのひとつとして企業応援メッセージサービスシステムの参画を申し入れる。
【0057】
携帯電話の通信サービスを提供しているキャリア会社Cは、既存の通信インフラを使用して携帯電話に関する各種コンテンツのオンラインサービスを提供している。その中のひとつに、企業応援メッセージサービスシステムがオンラインサービスとして新規に開設されることになる。
【0058】
一方、プロバイダPは音声あるいは音声とメロディとを合成した企業応援メッセージを企画し、企業応援メッセージサービスシステムに参画する企業を募集する。プロバイダPは企業応援メッセージサービスシステムに参画する企業と契約を結び、契約した参画企業K1、K2、・・・、K6及びその企業応援メッセージMを管理サーバSに格納する手続きをする。
【0059】
管理サーバSは、参画企業管理部10の参画企業登録部11に企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6を登録し、システム管理部30の音源管理部31に企業応援メッセージMの音源を登録する。
【0060】
以上のようにして、企業応援メッセージサービスシステムに関する環境が整うと、キャリア会社Cの携帯電話ユーザーは、呼出メロディサービスに代わり企業応援メッセージサービスシステムに参加することが可能となる。
【0061】
企業応援メッセージサービスシステムのサービス概要は、プロバイダPのホームページを立ち上げ、特定のWebサイトを開きコンテンツ表示部40の参画企業情報表示部41及びポイントサービス情報表示部42に、企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6及び参画企業のポイントサービス内容が表示されるので、携帯電話ユーザーは誰でも知ることが出来る。ポイントサービス内容が複数ある場合は、ポイントサービス選択部43により表示されたポイントサービスを選択する。
【0062】
また、企業応援メッセージサービスシステムの企業応援ユーザーUになるためには、企業応援メッセージサービスシステムを提供するキャリア会社Cの携帯電話を契約していなければならない。既に契約済であれば、携帯電話契約時に個人認証が完了しているため、簡単な任意の認証鍵(パスワード等)で自己証明ができるので、後のユーザー登録が簡単に行える。
【0063】
企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業K1、K2、・・・、K6及び参画企業のポイントサービス内容を確認して、自分が応援したい企業K0があれば、プロバイダPの特定のWebサイトの企業応援ユーザー操作表示部50に移行してユーザー登録・更新・解除操作部51によりユーザー登録をする。
【0064】
キャリア会社Cの携帯電話を契約していれば、携帯電話契約時に個人認証が完了しているため、簡単な任意の認証鍵(パスワード等)で自己証明ができ、その個人データが管理サーバSに伝送され、企業応援ユーザー管理部20の企業応援ユーザー登録部21で企業応援ユーザーUとして登録される。
【0065】
キャリア会社Cの携帯電話を契約していないユーザーは、携帯電話番号ポータビリティにより、携帯電話番号はそのままの番号で、キャリア会社Cの携帯電話を契約することができ、企業応援ユーザーのユーザー登録をすることができる。ユーザー登録を済ませた後、自分が応援したい企業K0の企業応援メッセージMを応援企業選択部52により選定、登録する。以下その手順を図3に示すフローチャートにより説明する。
【0066】
企業応援ユーザーUは携帯電話からプロバイダPの特定のWebサイトに表示する呼出音配信サービスを選択し(PR101)、呼出音の配信サービスを申し込む(PR102)。次に、コンテンツ表示部40の自分が応援したい企業K0と企業応援メッセージMを選定、登録し(PR103)、キャリア会社Cと提携しているプロバイダPのWebサイトを選択する(PR104)。次に、企業応援ユーザーUはWebサイトの中から気に入った企業応援メッセージMを選択、登録する(PR105)。その後、着信毎に登録した企業応援メッセージMが発信者へ出力される(PR106)。この発信者へ企業応援メッセージMを出力する方法として、発信者全てに、同じ企業応援メッセージMを流す場合(PR107)と、特定の発信者を選定し、それぞれに設定した企業応援メッセージMを流す場合(PR108)とがある。
【0067】
このようにして、本発明の企業応援メッセージサービスシステムにより自分が応援したい企業K0の企業応援メッセージMを選定、登録すれば、携帯電話のユーザーが自分の携帯電話Qに保存している特定の顧客、知人である発信者側の携帯電話Qもしくはすべての発信者側の携帯電話Qに、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージMが流れる。この企業応援メッセージMを発信者Tに流した時間、回数等の利用回数は、管理サーバSにより企業応援ユーザー毎に管理され、企業応援ユーザー管理部20の利用カウント処理部22でカウントして蓄積される。
【0068】
企業応援ユーザー毎にカウントして蓄積された利用回数は、さらに、利用カウント処理部22で利用カウントとして集計され、ポイント処理部23で利用カウントに応じた利用ポイントに換算される。
【0069】
企業応援ユーザーUは、自分の携帯電話から利用ポイントがどれだけ貯まっているかを、プロバイダの特定のWebサイトを開き、企業応援ユーザー操作表示部50の利用状況・ポイント表示部53で確認でき、利用状況・ポイントに応じたサービスをポイントサービス選択部54で選択して様々な優待特典が得られる。例えば、自動車会社を応援することにより、キャンペーン期間中、新車購入代金の値引き等の恩恵を受けることができる。あるいは、飲食店フランチャイズを応援することにより、キャンペーン期間中の飲食代金の割引等の恩恵を受けることができる。
【0070】
また、企業応援ユーザーUは、携帯電話契約時に個人認証が完了しているため、住所、氏名、年齢、性別、メールアドレス等の個人情報は認知されているので、その利用回数は、管理サーバSにより参画企業毎に管理され、企業応援ユーザー別に、参画企業管理部10の利用カウント処理部12でカウントして蓄積される。
【0071】
一方、参画企業K1、K2、・・・、K6は、自社を応援する企業応援ユーザーUのユーザー数と利用状況をパソコンからプロバイダPの特定のWebサイトを開き、参画企業操作表示部60の企業応援ユーザー利用状況表示部62によって、調査することができ、その手順を図4に示すフローチャートにより説明する。
【0072】
先ず、参画企業K1、K2、・・・、K6はプロバイダPの特定のWebサイトを開き(PR201)、ID番号およびパスワードを入力する(PR202)。ID番号およびパスワードが認証されると(PR203)、プロバイダPと契約した内容に基づくオプションにより二つに手順が分かれる(PR204)。オプションを選択していない場合、自社を応援する企業応援ユーザーUのユーザー数およびメールアドレスを随時閲覧することができる(PR205)。オプションを選択した場合、自社を応援する企業応援ユーザーUのユーザー数およびメールアドレスを随時閲覧することができるうえ、さらに詳細に企業応援ユーザーUの利用状況、即ち企業応援メッセージMを流した曜日および時間帯、企業応援ユーザーの年齢、男女別を閲覧することができる(PR206)。
【0073】
したがって、参画企業K1、K2、・・・、K6は、企業応援ユーザーUのメールアドレスに同報通知サービス発信部64から同報通知サービス(メールマガジン)を発信操作したり、企業応援ユーザーUの詳細データに基づき、年齢、男女別に応じた自社のPRを始めとした特別キャンペーンの開催等を知らせることができ、さらには、商談へ結び付ける等の営業活動へと展開することができる。
【0074】
一方、企業応援ユーザーUが同報通知サービス(メールマガジン)を望まないときは、プロバイダPの特定のWebサイトを開き、企業応援ユーザー操作表示部50の同報通知サービス登録・解除操作部55から同報通知サービス(メールマガジン)の不参加を通知する
【0075】
また、参画企業K1、K2、・・・、K6は、複数の企業応援メッセージを有する場合、メッセージ音源登録・削除操作部61により特別キャンペーンの開催等に関連する企業応援メッセージを選び、ポイント付加基準操作部63により利用カウントに応じたポイント付加比率を変更することができる。
【0076】
さらに、キャリア会社Cは、企業応援メッセージのユーザー登録数、着信回数等の使用状況の統計データを管理サーバSの内部処理により集計し、参画企業別に作成して、プロバイダPの特定のWebサイトに公開する。その手順を図5に示すフローチャートにより説明する。
【0077】
携帯電話の発信者Tが企業応援ユーザーUを呼び出して、企業応援メッセージMを発信者Tに流した時間、回数等の利用回数をカウントして、企業応援ユーザー別に月次集計し(PR301)、企業応援ユーザー別データベースに月次集計結果を追加する(PR302)。月次集計結果を追加した企業応援ユーザー別データベースから参画企業毎のデータを抽出し(PR303)、参画企業別に月次集計する(PR304)。集計した参画企業別の月次集計データをプロバイダPの特定のWebサイトに公開する(PR305)。参画企業K1、K2、・・・、K6は、プロバイダPの特定のWebサイトを開き、企業応援メッセージの使用状況の統計データをパソコンによって、閲覧することができる。
【0078】
参画企業K1、K2、・・・、K6は、月次集計された利用カウントに応じた課金を課金徴収部13から徴収され、企業応援メッセージサービスシステムを運営する運営者の広告料収入となる。
【0079】
以上の説明では、自社を応援する企業応援ユーザーとしては、携帯電話の一般ユーザーであったが、本発明の企業応援メッセージサービスシステムを採用して自社の企業応援メッセージを全社員が登録することにより、全社員の携帯電話に発信する不特定多数の人の携帯電話に自社を宣伝する企業応援メッセージが音声で自動的に送出される。このことにより、多大な費用を使ってテレビやラジオを介して自社の宣伝をすることなく、少ない広告宣伝費で不特定多数の人に自社の宣伝をすることが可能で、自社の売り上げに貢献することができる。
【0080】
以上説明したように、本発明の企業応援メッセージサービスシステムによれば、従来課金の対象外である呼び出し中のロスタイムに着目し、携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流すことで、企業応援ユーザーには利用ポイントに応じた優待特典を与え、参画企業には効果的な宣伝効果を与え、キャリア会社には携帯電話契約者の囲い込み効果と新規契約者の獲得効果を与え、企業応援メッセージサービスシステムを運営するキャリア会社或いはコンテンツプロバイダには参画企業から利用ポイントに応じた広告費が新たな収入源となる等の新しいサービスシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の企業応援メッセージサービスシステムのシステム概要を示す。
【図2】本発明の企業応援メッセージサービスシステムのシステム概念図の一実施例を示す。
【図3】本発明の企業応援メッセージサービスシステムの利用者が応援企業の企業応援メッセージを選定、登録するフローチャートを示す。
【図4】本発明の企業応援メッセージサービスシステムのユーザー数と利用状況を調査するフローチャートを示す。
【図5】本発明の企業応援メッセージサービスシステムの使用状況を集計するフローチャートを示す。
【図6】従来例に係る、携帯電話の呼出音に代わり呼出メロディを送信するフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0082】
K1、K2、・・・、K6 企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業
K0 企業応援ユーザーが応援する企業
P プロバイダ
C キャリア会社
S 管理サーバ
U 企業応援ユーザー
T 携帯電話の発信者
1 応援企業選択手段
2 企業応援ユーザー呼出手段
3 企業応援メッセージ発信手段
4 企業応援メリット提供手段
10 参画企業管理部
20 企業応援ユーザー管理部
30 システム管理部
40 コンテンツ表示部
50 企業応援ユーザー操作表示部
60 参画企業操作表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話の発信者に対して、呼出音に代わり音声による企業応援メッセージを流す企業応援メッセージサービスシステムであって、該システムに参画する参画企業の中から応援する企業を選択する応援企業選択手段と、発信者が前記応援企業を選択した企業応援ユーザーを呼び出す企業応援ユーザー呼出手段と、前記呼び出しにより前記応援企業の企業応援メッセージを前記発信者に流す企業応援メッセージ発信手段と、前記企業応援メッセージを流した利用回数を管理サーバでカウントし、その利用カウントに応じて前記企業応援ユーザーにメリットを提供する企業応援メリット提供手段と、を備えることを特徴とする企業応援メッセージサービスシステム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記企業応援メッセージサービスシステムに参画する企業を登録する参画企業管理部と、参画企業の中から応援する企業を選択する企業応援ユーザーを登録する企業応援ユーザー管理部と、前記企業応援メッセージの音源を管理するシステム管理部と、を有することを特徴とする請求項1記載の企業応援メッセージサービスシステム。
【請求項3】
前記企業応援メッセージサービスシステムを提供するキャリア会社の携帯電話ユーザーに対し、該システムに参画する参画企業登録情報及び参画企業サービス情報を、プロバイダの特定のWebサイトに表示するコンテンツ表示部を設けることを特徴とする請求項1記載の企業応援メッセージサービスシステム。
【請求項4】
前記企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業の企業応援ユーザーに対し、該企業応援ユーザーを呼び出す携帯電話の発信者に企業応援ユーザーが応援する応援企業の企業応援メッセージを流した利用状況を、プロバイダの特定のWebサイトに表示する企業応援ユーザー操作表示部を設けることを特徴とする請求項1記載の企業応援メッセージサービスシステム。
【請求項5】
前記企業応援メッセージサービスシステムに参画する参画企業に対し、自社を応援する企業応援ユーザーのユーザー数と利用状況を、プロバイダの特定のWebサイトに表示する参画企業操作表示部を設けることを特徴とする請求項1記載の企業応援メッセージサービスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−97317(P2008−97317A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−278196(P2006−278196)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(503452384)昭和印刷株式会社 (2)
【Fターム(参考)】