説明

伝送レート許容性判定装置、伝送レート許容性判定方法、及びプログラム

【課題】伝送レートが制限された複数の伝送路から構成され、ネットワーク符号化を行うネットワークにおいて、複数のメッセージを複数の終端ノードに対して伝送する際に、与えられた伝送レートで各メッセージを伝送することが可能か否かを判定する。
【解決手段】伝送レート許容性判定装置において、対象となるネットワークを表す非周期有効グラフG、各伝送路のレート制限R、および各終端ノードが受け取るべきメッセージのインデックスKTを記憶する記憶手段と、各メッセージの伝送レートωを入力する入力手段と、対象ネットワークの各値を前記記憶手段から読み出し、所定の複数の拘束条件に代入し、当該複数の拘束条件を満足するフロー変数ζ(Λ)e(for e∈E,Λ∈2K、Λは各辺のサブチャンネルのインデックス)の解の有無を線形計画法を用いて判定する伝送レート許容性判定処理手段と、判定結果に基づき、伝送レートが許容か否かを出力する出力手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の伝送路から構成されるネットワークの各ノードが符号化を行うネットワーク符号化(Network Coding)の技術に関連するものであり、特に、各辺(各伝送路に対応)にレート制限を持つ非周期有向グラフとして与えられたネットワークにおいて、複数のメッセージを複数の終端ノードに対して伝送する際に、メッセージの伝送レートの候補が与えられたとき、実際にメッセージをこのレートで伝送することが可能か否かを判定するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク符号化は、各辺にレート制限を持つ非周期有向グラフとしてネットワークが与えられた際に、情報源ノードから終端ノードへメッセージを伝送するための符号化方式を与えるものである(非特許文献1、及び非特許文献2)。
【0003】
ネットワーク符号化における最も一般的な枠組みは、同一のメッセージを複数の終端ノードへ伝送するものである。この場合、伝送可能なレートは、
【0004】
【数1】

で与えられる。ただし、上記式1におけるTは終端ノードの集合である。また、maxflow(s, t)は、情報源ノードsと終端ノードtとの間のmaxflow(最大フロー)を表わす関数である(非特許文献2の(18.8)式および定理18.1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】[Ahlswede00] R. Ahlswede, N. Cai, S. -Y. R. Li, and R. W. Yeung, "Network information flow,"IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 46, pp. 1204-1216, 2000.
【非特許文献2】[Yeung08]R. W. Yeung, Information Theory and Network Coding, Springer, 2008, (18. The Max-Flow Bound (pp. 421-434), 21. Multi-Source Network Coding (pp. 505-539))
【非特許文献3】[Yan07]X. Yan, R. W. Yeung, and Z. Zhang, "The capacity region for multi-source multi-sink network coding," Proc. 2007 IEEE International Symposium on Information Theory, pp. 116-120, 2007.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、同一のメッセージを複数の終端ノードへ伝送する場合における伝送可能なレートは式1で与えられる。
【0007】
しかしながら、必ずしも同一でないメッセージの集合を終端ノードへ伝送する場合、伝送可能なレートの条件は必ずしも明らかでない。非特許文献2や非特許文献3では伝送可能なレート条件が与えられているが、具体的な計算方法は自明ではない。
【0008】
すなわち、各メッセージに対して伝送レートの候補が与えられているとき、このレートの組みが実際に伝送可能(許容)であるか否かを判定するためには、
1)与えられたネットワークに対して、伝送可能(許容)なレートの条件が明らかであること。
【0009】
2)上記1)で明らかにされた条件が計算可能であること。
の2つをクリアする必要があるが、従来においては1)および2)の両者を満足する技術はなかった。
【0010】
この点に鑑みて、本発明は、各メッセージに対して伝送レートの候補が与えられているとき、このレートの組みが実際に伝送可能(許容)であるか否かを判定する技術を提供することを課題としている。この課題を以下でより具体的に説明する。
【0011】
非周期有向グラフG=(V,E)(ただし、Vはノードの集合、Eは辺の集合)と各辺(i,j)∈Eに対するレート制限Rijの組Rが与えられたとき、(G, R)でネットワークが定まる。このようなネットワークの例を図1に示す。更に、情報源ノードsが送出するメッセージを、
【0012】
【数2】

とし、また、ネットワークの終端ノードの集合をTとした場合、各終端ノードtが受け取るメッセージ(のインデックス)の集合を
【0013】
【数3】

とする。上記非周期有向グラフG、レート制限の組R、及びメッセージのインデックスの集合KTの3つからなる組
【0014】
【数4】

を与えることにより、マルチソースマルチキャスティング(multi-source multicasting)システムが定まる。
【0015】
各メッセージに関しては、
【0016】
【数5】

とする。上記式におけるnはメッセージ伝送の際に各辺が使用される回数を表わし、ωiはメッセージxiの伝送レートを表わす。また、Fは有限体である。
【0017】
このときノードiからノードjへ通信路n回使用あたり送られるビット数をkijとすると、レート制限は
kij/n<Rij (式2)
として表わすことができる。
【0018】
本発明が解決しようとする課題は、multi-source multicastingシステムが
【0019】
【数6】

で与えられ、伝送レートの組
【0020】
【数7】

で各メッセージが送出されるとき、式2で示されるレート制限を満足しながら各終端ノードtにおいてKt (をインデックスとするようなメッセージ)が正しく復号されるような符号が存在するか否かを判定することである。ここで、正しく復号されるような符号が存在するとき、式3で示される伝送レートは、許容であると呼ぶことにする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、本発明は、伝送レートが制限された複数の伝送路から構成され、ネットワーク符号化を行うネットワークにおいて、複数のメッセージを複数の終端ノードに対して伝送する際に、与えられた伝送レートで各メッセージを伝送することが可能か否かを示す伝送レートの許容性を判定する伝送レート許容性判定装置であって、対象となるネットワークを表す非周期有効グラフG、各伝送路のレート制限R、および各終端ノードが受け取るべきメッセージのインデックスKTを記憶する記憶手段と、各メッセージの伝送レートωを入力する入力手段と、ノードの集合V及び伝送路に対応する辺の集合Eからなる非周期有効グラフG、レート制限R、メッセージのインデックスKT、及び伝送レートωの各値を前記記憶手段から読み出し、所定の複数の拘束条件に代入し、当該複数の拘束条件を満足するフロー変数ζ(Λ)e(for e∈E,Λ∈2K、Λは各辺のサブチャンネルのインデックス)の解の有無を線形計画法を用いて判定する伝送レート許容性判定処理手段と、前記伝送レート許容性判定処理手段の判定結果に基づき、入力された伝送レートが許容か否かを示す情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする伝送レート許容性判定装置として構成される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、各辺にレート制限を持つ非周期有向グラフとして与えられたネットワークにおいて、複数のメッセージを複数の終端ノードに対して伝送する際に、メッセージの伝送レートの候補が与えられたとき、実際にメッセージをこのレートで伝送することが可能か否かを判定することが可能となり、ネットワークの資源をより有効に利用可能とするようなレートの割り当てを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ネットワークの例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る伝送レート許容性判定装置10の機能構成図である。
【図3】伝送レート許容性判定装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】終端ノードが復号の際に自分が受け取るメッセージに関する情報しか利用できない場合の伝送可能なレートの集合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
本実施の形態において対象とするmulti-source multicastingシステムは、前述した
【0026】
【数8】

で定められ、これは所与のものとする。
【0027】
本実施の形態では、この所与のmulti-source multicastingシステムにおいて、伝送レートの組
【0028】
【数9】

が許容であるか否かを判定する伝送レート許容性判定装置10が提供される。
【0029】
(装置構成)
図2に、本発明の実施の形態に係る伝送レート許容性判定装置10の機能構成図を示す。図2に示すように、伝送レート許容性判定装置10は、入力部11、伝送レート許容性判定処理部12、データ記憶部13、出力部14を備える。また、伝送レート許容性判定処理部12は、サブチャンネル生成部121、線形計画法求解演算部122、及び演算用記憶部123を備える。各機能部の機能概要は以下のとおりである。
【0030】
入力部11は、許容性を判定したい伝送レートの組を入力として受け取り、伝送レート許容性判定処理部12へ渡す機能部である。データ記憶部13は、伝送レート許容性判定処理部12による線形計画法の演算実行の際に用いるネットワークに関するデータ
【0031】
【数10】

を記憶している。すなわち、データ記憶部13は、有向グラフGのパラメータVおよびE、および各辺のレート制限R、および各終端ノードがどのメッセージを受け取るかに関するデータ(メッセージのインデックス)KTを記憶している。
【0032】
伝送レート許容性判定処理部12は、入力部11により入力されたデータを受信し、更に、データ記憶部13から、後述する複数の拘束条件を満足する解の探索処理を線形計画法を用いて実行する際に必要なデータを読み出して、これらのデータを用いて、線形計画法の解法アルゴリズム(シンプレックス法など)を実行し、拘束条件を満足する解の有無を判定する機能部である。
【0033】
ここで、伝送レート許容性判定処理部12におけるサブチャンネル生成部121は、線形計画法での演算を行う準備として、グラフGにおける各辺をサブチャンネルに分ける処理等を行う機能部である。線形計画法求解演算部122は、線形計画法の解法アルゴリズムを用いた演算を実行する機能部である。
【0034】
また、演算用記憶部123は、線形計画法の解法アルゴリズムを用いた演算を実行するにあたって、変数等の領域を確保して、演算途中のデータや、演算結果を記憶する機能部であり、線形計画法求解演算部122は、演算用記憶部123に対してデータの読み書きをしながら線形計画法の解法アルゴリズムを用いた演算を進める。
伝送レート許容性判定処理部12は、線形計画法求解演算部122による演算実行結果を出力部14に渡し、出力部14は、当該実行結果を受けて、もし解が存在した場合には「許容」を、そうでない場合には「非許容」を出力する。
【0035】
伝送レート許容性判定装置10は、例えば、CPUやメモリ、ハードディスク等を備えた一般的なコンピュータに本実施の形態で説明するアルゴリズム(処理手順)に対応するプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、当該プログラムは、コンピュータを、本実施の形態で説明する伝送レート許容性判定装置10の各部として機能させるためのプログラムである。
【0036】
当該プログラムは、可搬メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して配布してもよいし、ネットワーク上のサーバからダウンロードすることもできる。
【0037】
また、例えば、伝送レート許容性判定装置10を、コンピュータに、線形計画法求解演算部122に対応するハードウェアロジック回路を組み込んだ装置として実現することもできる。また、伝送レート許容性判定装置10の全体をハードウェアロジック回路で実現することも可能である。また、伝送レート許容性判定装置10を、実際のネットワークを構成する伝送装置内に組み込むことにより、伝送レート許容性判定機能を備えた伝送装置を提供することもできる。
【0038】
(処理動作)
以下、図2に示す機能構成を有する伝送レート許容性判定装置10の処理動作について、図3に示すフローチャートの手順に沿って説明する。
【0039】
まず、入力部11から許容性を判定したい伝送レートの組
【0040】
【数11】

が入力され、入力部11は、上記伝送レートの組を伝送レート許容性判定処理部12に渡す(ステップ1)。伝送レート許容性判定処理部12において、当該伝送レートの組のデータが演算用記憶部123に格納される。
【0041】
伝送レート許容性判定処理部12におけるサブチャンネル生成部121は、データ記憶部13からネットワークのデータを読み出し、有向グラフGの各辺e∈Eをサブチャンネルに分け、サブチャンネルのインデックスをΛ∈2Kとする(ステップ2)。ここで、集合Kに対して2Kは集合Kの全ての部分集合の族を表わすものとする。サブチャンネルのデータは、演算用記憶部123に格納される。
【0042】
次に、伝送レート許容性判定処理部12における線形計画法求解演算部122は、以下で説明する最適化問題の求解対象となるフロー変数を、
【0043】
【数12】

として設定する(ステップ3)。当該フロー変数は、下記の条件1〜条件3(式4〜式6)を満足するものとする。
【0044】
線形計画法求解演算部122は、データ記憶部13から、非周期有効グラフG、レート制限R、メッセージのインデックスKT、及び伝送レートωの各データを読み出し、これらを下記の条件1〜条件3(式4〜式6)、及び式7で示される拘束条件に代入し、これらの拘束条件を満足する解
【0045】
【数13】

の有無を判定するための線形計画法求解演算処理を行う(ステップ4)。
【0046】
【数14】

【0047】
【数15】

ただし、式5において、fin(e)=vは有向辺eの終端ノードがvであることを示す。また、ini(e)=vは有向辺eの開始ノードがvであることを示す。
【0048】
【数16】

は、辺eに関する足し合わせをfin(e)=vを満足する有向辺eに関して行うことを表す。
【0049】
【数17】

上記の条件1はフローの正値性を表わし、条件2はフローの保存を表わし、条件3はレート制限((式2)に対応する)を表わしている。
【0050】
ステップ4において、線形計画法求解演算部122は、上記の条件1〜3の下で、
【0051】
【数18】

を満足する解を求めるための演算を行う。
【0052】
なお、式7において、
【0053】
【数19】

は、集合
【0054】
【数20】

に関する足し合わせを、
【0055】
【数21】

を満足する集合
【0056】
【数22】

に関して行うことを表わしている。また、
【0057】
【数23】

は、ノードvに関する足し合わせを(v,t)が有向辺の集合Eに含まれているときにのみ行うことを表している。
【0058】
上記の条件1〜3の下で、式7を満足する解
【0059】
【数24】

が存在するならば、許容性を判定する対象である伝送レートの組
【0060】
【数25】

は許容であり、上記の解が存在しないならば上記伝送レートの組は許容ではない。
【0061】
条件1〜3(式4〜6)および式7は、フロー変数
【0062】
【数26】

に関して線形の拘束条件であるので、この解を求めることは、フロー変数に関する線形計画法の問題を解くことと見なすことができる。従って、ステップ4において、線形計画法求解演算部122は、線形計画法を解くためのアルゴリズム(シンプレックス法など)を用いることで、上記の解を求める演算を行うことにより、許容性の判定を実行することが可能である。
【0063】
図3のフローチャートにおいて、ステップ4の演算の実行結果が得られると、線形計画法求解演算部122は、実行結果(解が存在する場合には解の値、解が存在しない場合には解が存在しないことを示す情報)を出力部14に渡す。
【0064】
そして、解が存在する場合(ステップ5のYes)、出力部14は、「許容」を示す情報を出力し(ステップ6)、解が存在しない場合(ステップ5のNo)、出力部14は、「非許容」を示す情報を出力する(ステップ7)。すなわち、出力部14は、入力された許容性判定対象の伝送レートの組が許容されるか否かを示す情報を出力する。
【0065】
以上の処理により、ネットワーク符号化を行うネットワークの伝送レートに関する「許容」、「非許容」の判定結果を得ることができる。
【0066】
なお、「発明が解決しようとする課題」の部分で説明したレートの許容性判定可能であるための条件1)については、その領域が具体的な形で図4に示すように与えられている。図4は、終端ノードが復号の際に自分が受け取るメッセージに関する情報しか利用できない場合の伝送可能なレートの集合を示すものであるが、終端ノードが自分が受け取るメッセージ以外の情報も利用できる場合の伝送可能なレート集合も同様に表わすことができ、本発明に係るアルゴリズムの適用も容易である。
【0067】
(実施の形態の効果等)
これまでに説明したように、本実施の形態に係る伝送レート許容性判定装置10が実行する処理のアルゴリズムは線形計画法で実現できるので、ネットワークのパラメータ(グラフ構造Gなど)が固定であるならば、各辺の使用回数nに関しては定数オーダーで与えられたレートの組の許容性に関する判定が可能となる。
【0068】
そして、与えられた伝送レートの組が許容か否かを判定することによって、ネットワークの資源をより有効に利用可能とするようなレートの割り当てを行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、各辺にレート制限を持つ非周期有向グラフとして与えられたネットワークにおいて、複数のメッセージを複数の終端ノードに対して伝送する際に、メッセージの伝送レートの候補が与えられたとき、実際にメッセージをこのレートで伝送することが可能か否かを判定する技術に適用できる。
【0070】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 伝送レート許容性判定装置
11 入力部
12 伝送レート許容性判定処理部
13 データ記憶部
14 出力部
121 サブチャンネル生成部
122 線形計画法求解演算部
123 演算用記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送レートが制限された複数の伝送路から構成され、ネットワーク符号化を行うネットワークにおいて、複数のメッセージを複数の終端ノードに対して伝送する際に、与えられた伝送レートで各メッセージを伝送することが可能か否かを示す伝送レートの許容性を判定する伝送レート許容性判定装置であって、
対象となるネットワークを表す非周期有効グラフG、各伝送路のレート制限R、および各終端ノードが受け取るべきメッセージのインデックスKTを記憶する記憶手段と、
各メッセージの伝送レートωを入力する入力手段と、
ノードの集合V及び伝送路に対応する辺の集合Eからなる非周期有効グラフG、レート制限R、メッセージのインデックスKT、及び伝送レートωの各値を前記記憶手段から読み出し、所定の複数の拘束条件に代入し、当該複数の拘束条件を満足するフロー変数ζ(Λ)e(for e∈E,Λ∈2K、Λは各辺のサブチャンネルのインデックス)の解の有無を線形計画法を用いて判定する伝送レート許容性判定処理手段と、
前記伝送レート許容性判定処理手段の判定結果に基づき、入力された伝送レートが許容か否かを示す情報を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする伝送レート許容性判定装置。
【請求項2】
前記複数の拘束条件は、
【数1】

【数2】

(ただし、fin(e)=vは有向辺eの終端ノードがvであることを示し、ini(e)=vは有向辺eの開始ノードがvであることを示す。)
【数3】

【数4】

の4つの条件式で表わされる条件であることを特徴とする請求項1に記載の伝送レート許容性判定装置。
【請求項3】
伝送レートが制限された複数の伝送路から構成され、ネットワーク符号化を行うネットワークにおいて、複数のメッセージを複数の終端ノードに対して伝送する際に、与えられた伝送レートで各メッセージを伝送することが可能か否かを示す伝送レートの許容性を判定する伝送レート許容性判定装置により実行される伝送レート許容性判定方法であって、
前記伝送レート許容性判定装置は、対象となるネットワークを表す非周期有効グラフG、各伝送路のレート制限R、および各終端ノードが受け取るべきメッセージのインデックスKTを記憶する記憶手段を備えており、
各メッセージの伝送レートωを入力する入力ステップと、
ノードの集合V及び伝送路に対応する辺の集合Eからなる非周期有効グラフG、レート制限R、メッセージのインデックスKT、及び伝送レートωの各値を前記記憶手段から読み出し、所定の複数の拘束条件に代入し、当該複数の拘束条件を満足するフロー変数ζ(Λ)e(for e∈E,Λ∈2K、Λは各辺のサブチャンネルのインデックス)の解の有無を線形計画法を用いて判定する伝送レート許容性判定処理ステップと、
前記伝送レート許容性判定処理ステップでの判定結果に基づき、入力された伝送レートが許容か否かを示す情報を出力する出力ステップと
を備えることを特徴とする伝送レート許容性判定方法。
【請求項4】
前記複数の拘束条件は、
【数5】

【数6】

(ただし、fin(e)=vは有向辺eの終端ノードがvであることを示し、ini(e)=vは有向辺eの開始ノードがvであることを示す。)
【数7】

【数8】

の4つの条件式で表わされる条件であることを特徴とする請求項3に記載の伝送レート許容性判定方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1又は2に記載の伝送レート許容性判定装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−254327(P2011−254327A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127179(P2010−127179)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】