説明

伝送品質評価装置

【課題】本発明は、受信波の伝送歪みを補償する機能を有する無線受信機において、その受信波の伝送品質を評価する伝送品質評価装置に関し、構成が大幅に複雑化することなく、精度よく効率的に伝送品質を評価できることを目的とする。
【解決手段】受信波が入力される受信機において、前記受信波の伝搬路歪みの補償の下で得られる伝送品質が前記受信波のSN比に対応づけられて予め登録された伝送品質記憶手段と、前記補償の下で前記受信波のレベルに対する比率として得られた前記受信波の雑音成分のレベルLnの補数と、前記レベルLnとの比として前記受信波のSN比を得るSN比特定手段と、前記SN比特定手段によって得られたSN比に基づいて前記伝送品質記憶手段を参照し、前記受信波の伝送品質を評価する伝送品質評価手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信波の伝送歪みを補償する機能を有する無線受信機において、その受信波の伝送品質を評価する伝送品質評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データ通信に供される無線伝送系では、受信端に到来した受信波の品質に応じて通信速度や変調方式などが最適に選択されることにより、データ誤りが少なく効率的な伝送が図られている。しかし、送信端から受信端に至る無線伝送路では、一般に、有線伝送路に比べて、外来ノイズが発生し易く、かつ伝送特性が広範に変化する可能性が高い。
【0003】
したがって、特に、VHF帯以上の周波数帯に比べてフロアノイズレベルが高いMF帯やHF帯の無線伝送系では、伝送品質の評価は、ALE(Automatic Link Establishment)方式に基づき最良の無線チャネルを選択するための基準を与える重要な技術となっている。
【0004】
従来、このような伝送品質は、受信端において、送信端から送信された既知のデータのビット誤り率(BER)として評価されていた。
【0005】
なお、本発明に関連した先行技術としては、例えば、後述する特許文献1ないし特許文献3に開示される技術がある。
(1) 「無線通信リンク上で、送信機から受信機に、適応符号化・変調(ACM)を使用して、可変のデータ転送速度でデータが送信される系において、
前記受信機から前記送信機にフィードバックされるフィードバック情報と、前記データの符号化および変調のためにフォーワード誤り訂正(FEC)符号および変調方式を規定するACMプロファイルとに基づく選択によって、前記データを送信する前記可変のデータ転送速度が設定され、
前記フィードバック情報が使用不可能であることを検出したとき、前記フィードバックとは独立に前記送信機の動作が変更される」点に特徴があるレート可変な通信リンクの管理…特許文献1
【0006】
(2) 「利用可能伝送形式を識別するための手段と、
前記識別された利用可能伝送形式を無線リンク品質メトリックに基づいて評価するための手段と、
前記識別された利用可能伝送形式のうちの少なくとも1つを、前記評価された無線リンク品質メトリックに基づいて、通信のために選択するための手段とを具備することにより、マルチバンド無線通信のためのシステム、装置、および方法に関する。周波数バンドおよび/または伝送形式は、無線通信のための周波数範囲の中で利用可能なように識別され、かつ利用可能なそれぞれの周波数バンドに対する信号品質メトリックを評価し、評価した信号品質に基づいて、識別された周波数バンドのうちの少なくとも1つを通信のために選択することができる。」点に特徴がある周波数バンド適応無線通信システム…特許文献2
【0007】
(3) 「周期的なノイズやインピーダンス変動が存在する伝送路状態において、その局所的なノイズやインピーダンス変動に影響されることなく、可能な限り最大の通信速度で動作するように通信パラメータを設定することを可能とするために、送受信装置100は電灯線の状態を確認するためのトレーニングパケットを、相異なる二回のタイミングで送信し、送受信装置101はトレーニングパケットが受信される毎に、各キャリアの周波数におけるSNRを解析し、その結果得られるSNR評価結果を記憶すると共に、送受信装置101は二回のチャネルエスティメーションアルゴリズムによって得られた二つのSNR評価結果を比較して、PHYレートが速くなる方のSNR評価結果を選択して、送受信装置100に送信し、さらに、送受信装置100は受信したSNR解析結果に基づいて変復調ルールを変更する。」点に特徴がある通信ネットワークシステム…特許文献3
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−27690号公報
【特許文献2】特表2009−504010号公報
【特許文献3】特表2007−529156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した従来例では、ビット誤り率の測定のためにデータ通信が別途必要であった。また、そのデータ通信の過程では、無線伝送路の品質が低い状態であっても受信端で既知のデータがある程度の高い伝送品質で受信されなければならないために、通信速度が低く抑えられなければならなかった。
【0010】
さらに、このようなビット誤り率の測定は、上記既知のデータの長さがある程度長くなければ、十分な精度では実現されなかった。
したがって、従来例では、ビット誤りの測定のために長い時間を要していた。
【0011】
また、ビット誤り率は、精度よく測定されても、無線伝送路で生じた歪みの成分と、その無線伝送路で重畳された雑音の成分との双方に起因するビット誤りが反映される。
したがって、従来例では、伝送品質は、ビット誤り率が高くなる要因が峻別されることなく評価されていた。
【0012】
さらに、上記既知のデータは、例えば、伝送情報の送信に用いられるPSK変調方式に比べて、送信波のレベルが大きくなるFSK変調方式に基づいて伝送される。
したがって、従来例では、既知のデータのビット誤り率がその既知のデータとは異なる伝送情報のビット誤り率より低く評価されるために、最良の無線チャネルは必ずしも十分な確度では選択されなかった。
【0013】
本発明は、構成が大幅に複雑化することなく、精度よく効率的に伝送品質を評価できる伝送品質評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明では、伝送品質記憶手段には、受信波が入力される受信機において、前記受信波の伝送歪みの補償の下で得られる伝送品質が前記受信波のSN比に対応づけられて予め登録される。SN比特定手段は、前記補償の下で前記受信波のレベルに対する比率として得られた前記受信波の雑音成分のレベルLnの補数と、前記レベルLnとの比として前記受信波のSN比を特定する。伝送品質評価手段は、前記SN比特定手段によって得られたSN比に基づいて前記伝送品質記憶手段を参照し、前記受信波の伝送品質を評価する。
【0015】
すなわち、受信波の伝送品質は、上記伝搬路歪みの補償の下でその受信波のレベルに対する比率として得られた雑音成分のレベルLnと、このレベルLnの補数とで定まるSN比に基づいて伝送品質記憶手段が参照されることによって、評価される。
【0016】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の伝送品質評価装置において、前記受信波の伝送歪みの補償は、判定帰還型の等化処理として行われる。
【0017】
すなわち、受信波のSN比は、マルチパス等の伝送歪みに起因するビット誤りの多くが除外されつつ得られる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の伝送品質評価装置において、前記伝送品質記憶手段に登録される個々の伝送品質に対応するSN比は、前記受信波として伝送される伝送情報の内、前記伝送情報を含むフレームのフレーム同期に供されるフレーム同期ワードに基づいて求められ、前記受信波の雑音成分のレベルLnは、前記補償が施されたフレーム同期ワードに基づいて得られる。
【0019】
すなわち、受信波のSN比は、従来例に比べて語長が大幅に短く、かつ所望のフレーム構成に適合した既存のフレーム同期ワードに基づいて得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、伝送品質は、受信波に含まれる信号成分のレベルが絶対値として求められることなく、単純な手順の処理により評価される。
本発明によれば、受信波の伝送品質は、伝搬路の伝送特性が変動しても安定に精度よく評価される。
本発明によれば、伝送品質の評価に要する時間の大幅な短縮が可能となる。
したがって、本発明が適用された無線伝送系では、従来例に比べて、コストが大幅に増加することなく、伝送品質および伝送速度が高められ、かつ安定に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】本実施形態においてプロセッサが行う処理のフローチャートである。
【図3】ビット誤り率テーブルの構成を示す図である。
【図4】ビット誤り率テーブルの生成に用いられる測定系の構成を示す図である。
【図5】本実施形態に適用されたフレーム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す図である。
図において、受信機10のアンテナ端子には、アンテナ20の給電点が接続される。その受信機10の第一および第二の出力には、アンテナ20に到来した受信波が規定の信号点配置に基づく信号判定の下で得られたシンボル列と、後述するビット誤り率とがそれぞれ出力される。なお、以下では、受信波は、4相PSK方式に基づいて生成されると仮定する。
【0023】
受信機10では、上記受信波を示すベースバンド信号がフィルタ11の入力に与えられ、そのフィルタ11の出力は判定器12の入力および減算器の一方の入力に接続される。判定器12の出力には上述したシンボル列が得られ、そのシンボル列は、減算器13の他方の入力およびプロセッサ14の第一の入力ポートに与えられる。減算器13の出力はフィルタ11の制御端子およびプロセッサ14の第二の入力ポートに接続される。プロセッサ14の出力ポートには既述のビット誤り率が出力される。
【0024】
図2は、本実施形態においてプロセッサが行う処理のフローチャートである。
以下、図1および図2を参照して本実施形態の動作を説明する。
本実施形態では、プロセッサ14の主記憶の特定の記憶領域に、図3に示すビット誤り率テーブル14Tが配置される。
【0025】
このようなビット誤り率テーブル14Tに登録されるビット誤り率BER(1)〜BER(N)は、図4に示す測定系によって後述する通りに求められる。
図4に示す測定系の後段部は、図1に示す受信機10が配置され、その受信機10のアンテナ端子には、既述のアンテナ20に代わるコンバイナ31の出力が接続される。コンバイナ31の第一の入力には標準信号発生器(SG)32の出力が接続され,そのコンバイナ31の第二の入力には、規定のレベルの雑音信号が入力される。
【0026】
ビット誤り率テーブル14Tに対するビット誤りBER(1)〜BER(N)の登録は、以下の通りに行われる。
標準信号発生器32は、所定のフレームの列で反復して変調され、かつアンテナ20に到来すべき受信波の主要な成分に相当する無線周波信号を予め決められた周期でレベルをレベルL(1)〜L(N)と段階的に変化させながら順次生成する。
以下では、このように段階的に変化するレベルL(1)〜L(N)に個別に対応して行われる各部の動作については、これらのレベルL(1)〜L(N)に個別に対応した添え番号「1」〜「N」の何れにも該当し得る添え文字「C」を用いて記述する。
【0027】
受信機10のアンテナ端子には、このような無線周波信号に併せて、上記雑音信号が入力される。以下、このようにしてアンテナ端子に入力される信号については、「擬似受信波R(C) 」と称する。
【0028】
受信機10は、その擬似受信波R(C) を示すベースバンド信号(以下、「擬似ベースバンド信号」という。)をフィルタ11に入力する。このフィルタ11に併せて、既述の判定器12および減算器13は、擬似ベースバンド信号として与えられる個々のフレーム(図5(a))に含まれるフレーム同期ワード(UW)(図5(b))に応答する「判定帰還型等化器」として機能する。
【0029】
したがって、判定器12の出力には、擬似ベースバンド信号に時系列の順に含まれるフレーム同期ワードを示す信号点の列(図5(c))がシンボル列S(C) として得られる。
【0030】
また、減算器13の出力には、このようなシンボル列S(C) に含まれる個々のシンボルの信号空間上における誤差N(C) が得られる。
さらに、フィルタ11は、例えば、トランスバーサル型フィルタとして構成され、そのトランスバーサル型フィルタの各タップの係数は、上述した誤差N(C) に基づいて適宜更新される。これらの係数は、判定帰還型等化器の各段のレベルダイヤグラムが擬似受信波のレベルの好適な値で正規化される値の組み合わせとして決定され、かつ維持される。
【0031】
したがって、減算器13の出力に得られる誤差N(C) は、擬似受信波のレベルに対する比率として与えられる。
【0032】
プロセッサ14は、図4に示す測定系に受信機10が組み込まれている状態では、通常のモード(以下、「通常モード」という。)とは異なる「校正モード」で作動し、以下の校正処理を行う。
【0033】
(1) 誤差N(C) のレベルLn(C) を求める(図2ステップS1)。
(2) 判定器12が出力するシンボル列S(C) に含まれるフレーム同期ワードのビット誤り率BER(C) を求める(図2ステップS2)。
【0034】
(3) 上記レベルLn(C) に対して下式で示されるSN比SNR(C) を求める(図2ステップS3)。
SNR(C) =(1−Ln(C) )/Ln(C)
(4) ビット誤り率テーブル14Tに、ビット誤り率BER(C) をSN比SNR(C) に対応づけて登録する(図2ステップS4)。
【0035】
したがって、ビット誤り率テーブル14Tには、標準信号発生器32が生成する無線周波信号のレベルL(1)〜L(N)の下で個別に計測されたSN比SNR(1) 〜SNR(N) に対応して、受信機10によって復調されたフレーム同期ワードのビット誤り率BER(1)〜BER(N)が予め登録される。
【0036】
一方、受信機10が無線伝送系の受信局に設置された状態では、プロセッサ14は、上記「校正モード」ではなく、「通常モード」で作動し、以下の通常処理を行う。なお、受信機10の構成要素の内、プロセッサ14以外の要素が通常モードにおいて行う動作については、既述の「校正モード」における動作と同じであるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0037】
受信機10には、送信端から無線伝送路を介してアンテナ20に到来した受信波が入力される。
減算器13の出力には、このような受信波に含まれるフレーム同期ワードに重畳された雑音Nが信号空間上における誤差として得られる。
【0038】
プロセッサ14は、以下の処理を行う。
(1) 雑音NのレベルLnを求める(図2ステップS5)。
(2) 上記レベルLnに対して下式で示されるSN比SNRを求める(図2ステップS6)。
SNR=(1−Ln)/Ln
【0039】
(3) ビット誤り率テーブル14Tのレコードの内、このようにして求められたSN比SNRとの誤差が最小であるSN比SNR′に対応づけられたレコードを特定し(図2ステップS7)、そのレコードに登録されたビット誤り率BERを取得する(図2ステップS8)。
【0040】
(4) このビット誤り率BERに対して好適であり、かつ既述のフレームの伝送情報フィールド(図5(d))の無線伝送に適用されるべき以下の項目の全てまたは一部を特定する(図2ステップS9)。
フレーム構成、変調方式、無線チャネルの構成(周波数配置(周波数割り付け)、チャネル構成、伝送路符号化方式等々)
【0041】
(5) これらの特定された項目に基づいて後続する伝送情報を送信する送信局宛に、これらの項目を直接的にあるいは間接的に示す情報を送信する(図2ステップS10)。
【0042】
すなわち、既述の判定帰還型等化器が行う正規化の下で求める雑音信号の比率と、その比率の補数とに基づいて受信波のSN比が求められ、このSN比に基づいてビット誤り率テーブル14Tが参照される簡単な処理により、伝送品質が効率的に精度よく求められる。
【0043】
また、このようなSN比は、無線伝送路で生じるマルチパス等のように、判定帰還型等化の下で補償される歪みによる誤差が抑圧されつつ、精度よく求められる。
したがって、本実施形態が適用された無線伝送系では、無線伝送路の特性の広範な変動に柔軟に適応して精度よく効率的に伝送品質が評価され、かつ伝送情報の無線伝送は、その評価の結果に適応した方式や形態で安定に行われる。
【0044】
なお、本実施形態では、判定帰還型の等化器が備えられているが、このような等化器は伝搬路で生じた歪みを補償する如何なる等化器であってもよい。
本実施形態では、このような補償の対象となる歪みは、マルチパス歪みに限定されず、例えば、周波数軸上におけるノッチ、チャネル間干渉、送受信間干渉等であってもよい。
【0045】
本実施形態は、SN比の特定が既知の情報であるフレーム同期ワードに基づいて行われている。しかし、このような既知の情報は、既定のフレーム構成の下で既知であるならば、制御情報や伝送情報に含まれてもよい。
【0046】
本実施形態は、MF帯やHF帯におけるデータの無線伝送系に本発明が適用されている。しかし、本発明は、このようなHF帯の無線伝送系に限定されず、VHF帯その他の周波数帯においてデータの無線伝送を実現する系にも適用可能である。また、このような無線伝送の対象となるデータは、所望の信号点配置の下で伝送される画像情報等の如何なる情報であってもよい。
【0047】
本実施形態では、本発明は、4相PSK変調方式が適用された無線伝送系に適用されている。しかし、本発明は、既述のSN比の計測や評価が可能であるならば、如何なる変調方式が適用された無線伝送系にも適用可能であり、かつ変調方式だけではなく、多元接続方式やフレーム構成が如何なるものであっても適用可能である。
【0048】
本実施形態では、本発明は、無線伝送系のビット誤り率の評価に適用されている。しかし、本発明は、例えば、無線伝送路の特性に応じて変化し得るLQI(Link Quality Indicator)、あるいは伝送路復号化の過程で得られるシンドロームのように、無線回線の品質や伝送品質を直接的にあるいは間接的に示す値の評価にも適用可能である。
【0049】
本実施形態では、ビット誤り率テーブル14Tの各レコードが対応づけられたSN比は、校正モードと同様の手順(図2ステップS1〜S3)に基づいて求められなくてもよく、例えば、標準信号発生器32によって生成される無線周波信号のレベルL(1)〜L(N)と、コンバイナ31に入力される雑音信号の規定のレベルとに基づいて直接算出されてもよい。
【0050】
本実施形態では、ビット誤り率テーブル14Tの各レコードには、これらのレコードに対応するSN比を降順(あるいは昇順)に示す離散的な値の列は、既知であっても、ビット誤り率と共に登録されなくてもよい。
また、ビット誤り率テーブル14Tに登録される情報は、データの復調に供されるモデム(図示されない。)の特性が仕様や試験データとしてそのモデムの製造者等によって提供される場合には、例えば、その特性が受信機10の構成、性能等に基づく換算の結果として求められてもよい。このような場合には、既述の校正モードあるいは図4に示す測定系の構成の省略や大幅な簡略化が可能となる。
【0051】
本実施形態では、既述のフレームの伝送情報フィールドの無線伝送に適用されるべきフレーム構成、変調方式、無線チャネルの構成(周波数配置(周波数割り付け)、チャネル構成、伝送路符号化方式等々)等の項目の組み合わせと、これらの組み合わせの選定の基準とについては、本発明の特徴ではなく、如何なるものであってもよい。
【0052】
本実施形態では、後続する伝送情報を送信する送信局に対するこれらの項目の通知は必ずしも無線伝送によって行われなくてもよく、その通知に供される伝送路、伝送方式、チャネル構成等は如何なるものであってもよい。
【0053】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲において多様な実施形態の構成が可能であり、構成要素の全てまたは一部に如何なる改良が施されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 受信機
11 フィルタ
12 判定器
13 減算器
14 プロセッサ
14T ビット誤り率テーブル
20 アンテナ
31 コンバイナ
32 標準信号発生器(SG)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信波が入力される受信機において、前記受信波の伝送歪みの補償の下で得られる伝送品質が前記受信波のSN比に対応づけられて予め登録された伝送品質記憶手段と、
前記補償の下で前記受信波のレベルに対する比率として得られた前記受信波の雑音成分のレベルLnの補数と、前記レベルLnとの比として前記受信波のSN比を特定するSN比特定手段と、
前記SN比特定手段によって得られたSN比に基づいて前記伝送品質記憶手段を参照し、前記受信波の伝送品質を評価する伝送品質評価手段と
を備えたことを特徴とする伝送品質評価装置。
【請求項2】
請求項1に記載の伝送品質評価装置において、
前記受信波の伝送歪みの補償は、
判定帰還型の等化処理として行われる
ことを特徴とする伝送品質評価装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の伝送品質評価装置において、
前記伝送品質記憶手段に登録される個々の伝送品質に対応するSN比は、
前記受信波として伝送される伝送情報の内、前記伝送情報を含むフレームのフレーム同期に供されるフレーム同期ワードに基づいて求められ、
前記受信波の雑音成分のレベルLnは、
前記補償が施されたフレーム同期ワードに基づいて得られる
ことを特徴とする伝送品質評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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