説明

伸張可能なプラスチックフィルムで物品を梱包する装置及び方法

伸張可能なプラスチックフィルム(14)で複数の物品を梱包するための方法及び装置を開示する。前記装置は、物品を支持及び加熱するための手段(8、30)と;前記フィルム(14)を給送し、前記物品が戴置されている位置で把持するための手段(55、56、57;6)と;前記フィルム(14)に、前記フィルムのまだ解放されていない辺に沿って接触及び接着するための手段(5)と;前記物品と伸張して接触している切断された前記フィルム(14)を係止及び解放するための手段(6)と;前記フィルム(14)を折り曲げて、前記物品の周縁部に接着させるための手段(15、16、45、46)と;梱包された前記物品を取り除くための手段と;前記装置の制御手段(13、20、33、34、35、36、38)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、伸張可能なプラスチックフィルムで物品を梱包するための装置及びそのような装置を使用した方法に関する。以下に記載する装置は、梱包対象の物品の周囲にプラスチックフィルムを伸張させて巻き付け、前記梱包対象の物品を完全に封入するのに用いられる電気機械的装置である。
【0002】
物品の周囲にプラスチックフィルムを巻き付けるための、異なる複数のモードで動作する様々なシステムが当業で公知である。これらのシステムは、一般には自動化されており、梱包対象の物品をプラスチックフィルムで形成されたスリーブ内に押し入れた後に、前記フィルムを切断して、その両側を前記物品の下に折り込むことにより、又は、適切な機械的手段及び把持顎部によって伸張されたプラスチックフィルムのシートの下方から、梱包対象の物品を上方に押し上げた後に、前記フィルムを、顎型機構を使用し、可能な場合には物品を移動させて、自動的に前記物品の下に折り込むことにより、動作する。
【0003】
これらのシステムは、モータによって作動し特別にプログラムされた多くの部品からなる、非常に複雑でコストのかかる機械的装置を備えた機械を必要とする。特定の高品質のプラスチックフィルムを必要とすることに加えて、様々な複雑な機構から構成されているために保守コストの高いそのような機械を継続的に作動させることは困難である。さらに、そのような機械は、梱包対象の物品の残留物が、機械的部品、特にプラスチックフィルムの把持及び伸張のための手段の動きを妨げるおそれがあるので、操作者による高度の予防的保守を必要とする。
【0004】
本発明の目的は、上述の先行技術の問題を、容易に製造、設置及び操作可能であり、エンドユーザが全ての梱包作業を単純で簡単な方法で手動でも自動でも実行可能な装置及びこれに関連する方法を提供することによって解決することにある。
【0005】
本発明の更なる目的は、上述の装置及び方法において、前記装置に備えられた部品の数がより少ないにもかかわらず、多数の(及び様々な種類の)梱包作業を、制御された効率的な方法で、操作者に危害を与えることなく行うことの可能な装置及び方法を提供することにある。
【0006】
以下の説明から明らかとなるであろう本発明の上述の及びその他の目的及び利点は、請求項1乃至37にそれぞれ記載された装置及び方法によって実現される。本発明の好適な実施例及び自明でない変更例は、従属的な請求項に記載されている。
【0007】
本発明を、限定的ではない例として示された幾つかの好適な実施例により、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0008】
図面を参照して、本発明の装置及び方法の好適な実施例を図示及び説明する。(例えば形状、大きさ、様々な色及び同等の機能を有する部品に関する)数多くの変更及び修正を、添付の請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、前記装置及び方法に加えてもよいことは、当業者に自明であろう。
【0009】
ここで使用される「物品」という用語は、(例えば食料品業界において)梱包対象の単一の物又は要素と、集合体全体を梱包するための容器、箱、トレイなどの中に収容された前記物又は要素との双方を意味する。
【0010】
以下に記載の装置は、物品を梱包するためのプラスチックフィルム14を給送するための、及び梱包ヘッド5を下降させるための機能が手動で操作される、半自動式のシステムに関する(図1及び図2を参照のこと)。
【0011】
最初に図1を参照すると、本装置は、前記ヘッドを支持するように固定された2つの肩部2と、前記伸張可能なプラスチックフィルム14の巻筒4を支持しているローラ3とを有する基部1上に構成されている。肩部2内に、(例えば梱包対象の物品の数の表示装置やスイッチなどの)電気制御パネルの視覚装置12が挿入されていてもよい。
【0012】
基部1は、肩部2を固定するために、前記ヘッド5を均衡させるガススプリング7のピン及び接続部に働くあらゆる力に十分に耐えうる強度を有する構成からなっている。更に、高温の面8並びに跳開するヘッド5の回転及び拘束支持部(図示せず)が、前記基部1上に固定されている。更に、本装置と、前記電気パネル(図示せず)に関連した全ての部品とを操作するための適切な限界センサ(図示せず)が、基部1に固定かつ収容されている。
【0013】
上述の装置の動作について説明すると、伸張可能なプラスチックフィルム14の巻筒4が本装置のローラヘッド3上に載置されている。フィルム14は、跳開梱包ヘッド5内に格納されたローラa、b、c、dを通過するのに伴って展張される。梱包に適した長さのフィルム14が、跳開ヘッド面Zとフィルム係止枠6との間に手動で又は自動的に挿入されなければならない。
【0014】
梱包対象の物品にフィルム14が正しい長さで巻き付くように、フィルム14の熱線カッタ9が調節され、平行移動によって基部1上に配置され、ヘッド5が下降した時に作動する。
【0015】
この後、物品(又は前記物品を収容したトレイ)が、停止アバットメント11を用いて、高温の面8上の正しい位置に配置される。この時に、梱包ヘッド5を、ハンドル10を用いてヘッド5自体の下限位置まで下降させることにより、限界センサ13が同じ位置で作動し、ヘッド5内部に配置された、フィルム14を前記物品(又は前記物品を収容したトレイ)の全ての面上に伸張して巻き付かせる適切な機構を始動させる。
【0016】
自動梱包サイクルが終了すると、梱包ヘッド5はその上限位置に保持され(図1を参照のこと)、高温の載置面8上の梱包された物品を、操作者が手で取り出すことができる。例えば本装置のヘッド5がその上限位置にある時に、梱包済みの物品を取り出して、梱包対象の新たな物品を載置面8上に載置するように操作されるバンド(図示せず)などの、上記作業を自動化させることの可能な変更を加えてもよいことは明らかである。
【0017】
高温の載置面8から生じた熱が、本装置によって覆われ、本装置によって物品の下に挿入されたフィルム14の四辺を加熱することにより、前記フィルム14の四辺が物品に付着するので、確実に密封して梱包することが可能となるように載置面8は加熱される。
【0018】
本発明の機能を実現する部品並びに機械的及び電気機械的構成を、以下に説明及び図示する。
【0019】
図4は、フィルム14のカッタ装置9を図示したものである。
【0020】
カッタ9は、好適には鋼製のブレード25からなり、その内部に配置された電気抵抗によって加熱される。このブレード25は、矢印で示すように長手方向にスライド可能な絶縁金属ガイド9’に固定されており、またノブ27によって所望の位置に固定されている。
【0021】
梱包ヘッド5が上昇した状態では、高温のブレード25はばね24上に配置されたスクリーン23によって保護されている。高温のブレード25は、スクリーン23に設けられた穴28から外に出て、梱包ヘッド5の下で伸張されたプラスチックフィルム14の溶融切断を行う。高温のブレード装置29全体は、ばね26上に配置されており、このばね26は、梱包ヘッド5の下降動作の間、ばね24と共に押圧される。前述のように、押圧されたばね24によって、高温のブレード25は穴28からスクリーン23の外に出て、プラスチックフィルム14を切断し、ばね26は、梱包ヘッド5の下降と並行して高温のブレード装置29を下降させて、高温のブレード25がより長時間にわたってフィルム14の切断を行うことを可能にする。
【0022】
図5は、梱包対象の物品が載置される高温の面8を詳細に図示したものである。
【0023】
高温の面8は、ヘッド5の梱包範囲に対して中央位置を占めるように、本装置の基部1上に配置されている。この梱包対象の物品を載置する面8は、これを構成している金属の箱8の内部に配置された電気抵抗30によって加熱される。当然のことながら、高温の面8の温度は、操作者の安全基準の限度を十分に下回る温度である。前記温度は、基部1内に挿入された適切な電気温度調節システム31によって調節される。
【0024】
上述のように、高温の載置面8は、物品を梱包した後に、物品の下で高温の面8と接しているフィルム14の縁を溶融させる目的で設けられている。
【0025】
図6は、フィルム14を押圧係止するための枠6及び関連する制御機構20を概略的に図示したのもである。
【0026】
跳開梱包ヘッド5が上昇すると、フィルム14の押圧枠6が、梱包ヘッド5の面Zに対して開く。フィルム14は、頂部から下方に向かって、枠6と梱包ヘッド5の面Zとの間の空間内へと手動で挿入される(図13)。挿入されるフィルムの長さは、梱包対象の物品の幅に基づいて調節される。
【0027】
図6に示すように、フィルム14の押圧枠6は、跳開梱包ヘッド5の下端34にヒンジ式に取り付けられている。好適にはフォーク状に構成されたこの枠は、梱包ヘッド5の穴37の外周と等しい大きさの縁32を有し、ここに、枠6を閉じる際にフィルム14を係止するように設けられたガスケット(図示せず)が挿入される。跳開ヘッド5と一体に配置された好適な電磁石20が、限界センサ35のフィーラシステム36及び関連する電気システムによって制御され、梱包ヘッド5が下降を開始した時に作動を開始する。押圧枠6に接続されたレバーと一体に設けられた磁石33の金属ストライカである支点34が、電気パルスによって磁石20へと引き寄せられ、枠6を閉じて、磁石20自体に作用する電流の強度に比例した力によってプラスチックフィルム14を係止する。
【0028】
磁石20に作用する電流パルスの終端で、枠6は、ばね38に引っ張られて開位置へと戻る。
【0029】
跳開梱包ヘッド5の下降動作の間に、枠6によって梱包ヘッド5の穴の周縁上に押え付けられたプラスチックフィルム14は、高温の面8上に配置された物品を挿入することによって伸張される。
【0030】
梱包ヘッド5は、その行程の下端で適切なストライカと接することにより、限界センサ35を作動させ、またモータ19及び伝動ベルト17を介して、複数のブレード15、16、45、46を作動させる。これらのブレードは、高温の面8上に配置された物品の下にプラスチックフィルム14を挿入することにより、物品にプラスチックフィルム14を巻き付ける。
【0031】
ブレード15、16、45、46は、限界センサ39及び40に制御されて、自動的に往復運動を行う。
【0032】
ブレード15、16、45、46が物品の梱包を開始すると、プラスチックフィルム14の押圧枠6が開いて、高温のブレード9によって既に切断されたフィルム14を解放し、ブレード15、16、45、46は物品の梱包を続行する。梱包ヘッド5の底面Zからのフィルム14の押圧枠6の分離は、図7に矢印で示すように、長手方向に調節可能な限界センサ41によって制御される。この調節によって、プラスチックフィルム14を係止している枠6の分離を遅らせるか又は早めることにより、物品を梱包する際のフィルム14の張力を強めるか又は弱めることが可能となる。
【0033】
図8は、梱包ヘッド5の略平面図である。梱包ヘッド5は、本装置が梱包可能な最大寸法の適切な開口部が設けられた平らな底部を有する、金属製の容器からなっている。回転シャフト18を支持している支持部が前記容器の金属壁に固定されている。これらの回転シャフト18の端部に、歯付きのベルト17(又は類似の伝動手段)を案内する2つの歯付きの滑車が固定されている。図9に示すように横方向ガイド53上に設けられて互いに重複している梱包ブレード15、16が、クランプ43、44、50、51によって歯付きのベルト17に接続されている。これらの梱包ブレード15、16、45、46は、横方向ガイド53上で、歯付きのベルト17に接続されたクランプ43、44、50、51により、互いに重複するまで平行移動することが可能である。ベルト17の動きは、レシオモータ19、歯付きの滑車及び回転シャフト18を有するシステムによって伝動される。
【0034】
前述のように、これらのブレード15、16、45、46は、矢印で示すように自動的に往復運動を行う(図8)。
【0035】
ブレード15は、2つの揺動するアーム48、49及びアーム48、49毎の2つの回転するピン52によって、ヘッド5に対して長手方向に配置されかつブレード15、16に対して横方向に配置された2つのブレード45、46に接続されている。ブレード15、16が互いに接近するように平行移動している間、2つのアーム48、49が、回転ピン52によってブレード15及びブレード45、46とヒンジ式に連動するので、ブレード45、46は、矢印で示すように、梱包範囲の中心に向かって集まる(図8及び19)。前述のように、ブレード15、16、45、46は、レシオモータ、歯付きの滑車、回転シャフト及び終端部からなるシステムに接続されて往復運動を行う。
【0036】
図11及び12は、物品梱包サイクルの間のブレード15、16、45、46の重複及び位置を概略的に示したものである。図11に概略的に示すように、ブレード15、16は、互いに接近する際に、フィルム14を物品の二辺の下に挿入し、これと同時に、ブレード45、46がフィルム14を物品の他の二辺の下に挿入する(図12)。次に、物品の下のフィルム14の四縁はブレード15、16、45、46と重なり合い、高温の面8から供給される熱によって溶融される。
【0037】
本装置の使用に関する改良点を図14及び図15に示す。これらは、フィルム14の自動配置に関する概略図である。フィルム14は、モータを備えた回転ローラ55上を通過する。このローラ55は、伝動ベルトを介してローラ18’に接続されている。ローラ55に作用するレシオモータ装置54は、(梱包ヘッド5の両側に配置された)伝動ベルトを作動させる。伝動ベルトは、限界センサ58、59によって移動点に到達したと判定された時に作動する機械的システムによって開閉する顎部56に接続されて、これらを制御する。これらの限界センサ58、59は、その位置に従ってこれらを移動させ、顎部56は、プラスチックフィルム14を把持して引き出し、梱包ヘッド5の面Zとフィルム14の押圧枠6との間に挿入する。
【0038】
顎部56によるフィルム14のこの把持動作は、梱包ヘッド5が上限位置まで上昇した時に自動的に行われるので、物品の梱包工程中の操作者による手動作業が簡略化される。
【0039】
図16に示す本発明の装置の変更例によれば、ヘッド5は、昇降による開閉動作に加えて、本装置の構成に対して跳開して接近及び後退する動作を行う。ヘッド5がこのような動作を行うことにより、操作者の作業が簡略化される。このような動作は、詳細には、ヘッド5が、一方の端部62がヘッド5に固定され、他方の端部64が肩部2に対する回転ピン点となっているトグルピン60を介して肩部2に接続されていることによって可能となる。
【0040】
図16に示す本発明の装置の更なる変更例によれば、物品を支持及び加熱するための手段8が、本装置の基部1に沿って滑動することにより、操作者の作業を更に簡略化するように設けられている。詳細には、手段8は、滑動ガイド66又はその他の適切なシステムによって基部1上を滑動可能であり、梱包対象の物品がその上に載置されるとその作動位置で停止する。
【0041】
上述の装置を使用して、以下の主要なステップを含む自動化された又は部分的に自動化された新規な方法を実現することが可能である:
梱包対象の物品のうちの一つを、前記物品底部の接合面で支持すると同時に加熱するステップと;
フィルム14を、収容手段4から梱包対象の物品が載置されている位置へと給送するステップと;
フィルム14を、梱包対象の物品が載置されている位置で把持するステップと;
フィルム14を前記物品に伸張させて接着させるような方法で、把持されたフィルム14を梱包対象の物品と接触させるステップと;
前記物品に伸張して接触しているフィルム14を、収容手段4から出てきたフィルム14にまだ接触していない前記物品の辺に沿って切断するステップと;
前記物品に伸張して接触している切断されたフィルム14を解放するステップと;
折り込み動作によってフィルム14を前記物品の周囲全体にわたって前記物品の下に折り込むステップであって、このような折り込み動作によって、フィルム14の四縁が互いに接着されるので、フィルム14が前記物品底部の加熱される接合面と接着することが可能となるステップと;
フィルム14で梱包された前記物品を取り除くステップ。
【0042】
詳細には、把持されたフィルム14を梱包対象の物品と接触させるステップは、物品を静止させて、その上に把持されたフィルム14を配置することによって実行されるが、逆に、把持されたフィルム14を静止させ、ここに前記物品を押し出すことによっても実行可能である。
【0043】
更に、把持されたフィルム14を梱包対象の物品と接触させるステップには、前記物品に対するフィルム14の張度を調節することが更に含まれ、またフィルム14を把持するステップには、磁石20に印加される電圧を調節することによってフィルム14の係止圧を調節するステップが更に含まれる。
【0044】
本発明の方法の更なる特徴によれば、フィルム14を把持するステップに、本装置のサイクルに関して、フィルム14を解放する時点を、フィルム14の折り込みステップに対して可変とすることが更に含まれる。
【0045】
更に、フィルム14を切断するステップは、切断手段25によって行われるが、このフィルム14の切断ステップの前に、切断手段25を加熱するステップが更に含まれる。
【0046】
本発明の方法の一変更例には、物品を支持するステップの後に、前記物品を所定の梱包位置に配置するステップが更に含まれる。
【0047】
更に、フィルム14を物品の下に折り込むステップが、前記物品の全ての辺で同時に行われてもよいし、又は最初に前記物品の二辺で行われ、次にこれらの辺と対向する他の二辺で行われてもよい。
【0048】
最後に、本発明の方法には、物品をフィルム14で梱包している間、前記物品を押圧して静止させるステップが更に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の梱包装置の一実施例の開位置での斜視図である。
【図2】図1の装置の閉位置での斜視図である。
【図3】図2の装置の側断面図である。
【図4】フィルム切断手段を図示した、図1の装置の詳細図である。
【図5】支持及び加熱手段を図示した、図1の装置の詳細図である。
【図6】フィルム押圧枠を有する梱包カバーを図示した、図1の装置の詳細図である。
【図7】カバーが閉位置にある、図2の装置の詳細図である。
【図8】図1の装置の上面図である。
【図9】図1の装置の折り込みブレードの一部分である。
【図10】相対する位置にあり操作されている折り込みブレードの別の一部分である。
【図11】物品の折り込み動作を行っているブレードの一部分である。
【図12】物品の折り込み動作を行っている別のブレードの一部分である。
【図13】図1の装置の手動フィルム給送モードを示す概略図である。
【図14】図1の装置の自動フィルム給送モードを示す側断面図である。
【図15】図14の一部分の詳細図である。
【図16】本発明の装置の変更例の略側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を伸縮可能なプラスチックフィルム(14)で梱包するための装置であって、前記装置が:
前記複数の梱包対象の物品のうちの一つを支持するための、及び前記複数の物品底部の接合面を加熱するための手段(8、30)と;
前記フィルム(14)を、収容手段(4)から、前記梱包対象の物品が載置されている位置へと給送するための手段(55、56、57)と;
前記フィルム(14)を、前記梱包対象の物品が載置されている位置で把持するための手段(6)と;
前記把持されたフィルム(14)を、前記フィルム(14)が前記物品に伸張して接着するような方法で、前記梱包対象の物品に接触させるための手段(5)と;
前記物品に伸張して接触している前記フィルム(14)を、前記収容手段(4)から給送された前記フィルム(14)にまだ接触していない前記物品の辺に沿って切断するための手段(9)と;
前記物品と伸張して接触している前記切断されたフィルム(14)を解放するための手段(6)と;
前記フィルム(14)を、折り込み動作によって、前記物品底部の周囲全体にわたって前記物品の下に折り込むための手段(15、16、45、46)であって、前記折り込み手段(15、16、45、46)が、前記フィルム(14)を前記物品底部の高温の接合面に接着させる、手段と;
前記フィルム(14)で梱包された前記物品を取り除くための手段と;
前記装置の動作を検査するための制御手段(13、20、33、34、35、36、38)と;
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記把持されたフィルム(14)を前記梱包対象の物品に接触させるための前記手段(5)が、跳開運動を行う少なくとも1つの揺動するヘッド(5)から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ヘッド(5)の前記跳開運動が手動で行われることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ヘッド(5)の前記跳開運動がモータによって行われることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ヘッド(5)に、前記梱包対象の物品を挿入するための開口部を有する底部(Z)が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記ヘッド(5)に、前記物品に対する前記フィルム(14)の張度を調節するための手段(41)が更に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記手段(41)が、その検出位置が前記ヘッド(5)の軸に沿って調節可能である少なくとも1つの限界センサ(41)から構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フィルム(14)を把持するための手段(6)が、前記手段(5)にヒンジ式に取り付けられ、前記手段(5)に対して揺動して開閉するように設けられた、前記フィルム(14)の押圧枠(6)から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記フィルム(14)の前記押圧枠(6)に、前記フィルム(14)を係止するように設けられた手段(20、22、33、34、35、36)が備えられていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記フィルム(14)の前記係止手段(20、22、33、34、35、36)が、前記跳開ヘッド(5)と一体に配置されかつ前記限界センサ(35)のフィーラシステム(36)及び関連する電気システムによって制御される電磁石(20)から構成されており、前記電磁石(20)が、前記梱包ヘッド(5)が下降を開始した時に動作を開始し、前記押圧枠(6)に接続されたレバーと一体に設けられた、前記磁石(33)の金属アバットメント、即ち支点(34)が、電気パルスによって前記磁石(20)に引き寄せられることにより、前記磁石(20)に作用する電流の強度に比例した力で前記枠(6)を閉じて前記プラスチックフィルム(14)を係止することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルム(14)の前記押圧枠(6)に、前記フィルム(14)を解放するための手段(38)が設けられていることを特徴とする、請求項8、9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記解放手段(38)が、前記枠(6)を引っ張り、前記磁石(20)に印加される電流パルスの終端で前記枠(6)を開位置に戻すばね(38)から構成されていることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記手段(6)が、限界センサ(41)によって作動される電気機械的及び電子的手段(20、33、34、35、36)によって前記押圧枠(6)の開放が遅延されることにより、前記物品に対する前記フィルム(14)の張力を調節するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記フィルム(14)を切断するための前記手段(9)が、前記プラスチックフィルム(14)を切断する長さの調節を可能にする少なくとも1つの引き込み可能な高温のブレード(25)から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記フィルム(14)を切断するブレード(25)が、揺動するスクリーン(23)によって保護され、揺動ブレード装置(29)上に設けられていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ヘッド(5)が下降して高温のブレード装置(29)を押圧した時にフィルム(14)を切断する時間を長引かせて切断効率を向上させるために、前記スクリーン(23)及び前記ブレード装置(29)が各ばね(24、26)上で揺動することを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記フィルム(14)を切断するブレード(25)に、直流電流又は電気パルスによる電気抵抗によって加熱するための手段(28)が設けられていることを特徴とする、請求項14、15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記ブレード(25)が前記フィルム(14)の切断を機械的ナイフによって行うことを特徴とする、請求項14、15、16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記ブレード(15)が前記手段(5)に接して配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記梱包対象の複数の物品のうちの一つを支持するための、及びその底部の接合面を加熱するための前記手段(8、30)が、前記梱包対象の物品がその上に載置される少なくとも一つの高温の面(8)から構成され、前記高温の面(8)の高さ及び温度が調節可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記手段(8)が前記手段(5)に対して固定されており、前記手段(5)が、前記フィルム(14)を前記梱包対象の物品上に被せるために、前記手段(8)の上方に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記手段(8)が前記手段(5)に対して移動し、前記手段(8)が上昇して、前記手段(5)によって静止させられている前記フィルム(14)に向かって前記物品を押し出すことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記梱包対象の物品を前記手段(8)上に載置するように設けられた、移動する引き込み可能なアバットメント(11)が更に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記移動する引き込み可能なアバットメント(11)が、前記跳開する梱包ヘッド(5)が下降した時に作動する機械的及び電気機械的機構によって制御されることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記フィルム(14)を前記物品の下に折り込むための前記手段(15、16、45、46)が、対向する二方向に同時に前記フィルム(14)上を移動する複数の梱包ブレード(15、16、45、46)から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記フィルム(14)を前記物品の下に折り込むための前記手段(15、16、45、46)が、対向する二方向に、同時にではなく一方(45、46)が他方(15、16)に対して遅延するように前記フィルム(14)上を移動する複数の梱包ブレード(15、16、45、46)から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記複数の梱包ブレード(15、16、45、46)が、二対となって、一方(15、16)が他方(45、46)に対して重複していることを特徴とする、請求項25又は26に記載の装置。
【請求項28】
前記複数のブレード(15、16、45、46)が自動で往復運動を行い、限界センサ(39、40)によって制御されることを特徴とする、請求項25、26又は27に記載の装置。
【請求項29】
前記ブレード(15)が、2つの揺動するアーム(48、49)及び及びアーム(48、49)毎の2つの回転するピン(52)によって、前記ヘッド(5)に対して長手方向に配置されかつ前記ブレード(15、16)に対して横方向に配置された前記ブレード(45、46)に接続されていることを特徴とする、請求項25、26、27又は28に記載の装置。
【請求項30】
前記物品が前記フィルム(14)で梱包されている間、前記物品を静止させるように設けられた、前記物品の静止手段(21)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
前記フィルム(14)を給送するための前記手段(55、56、57)が手動であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記フィルム(14)を給送するための前記手段(55、56、57)が、モータを備えた2つの回転ローラ(55、18’)及び顎部(56)から構成されており、前記2つのローラ(55、18’)が伝動ベルトを介して相互に接続されており、レシオモータ装置(54)が前記ローラ(55)に作用して、前記梱包ヘッド(5)の側に配置された前記伝動ベルトを作動させ、前記伝動ベルトが、顎部(56)に接続されてこれを作動させ、前記顎部(56)が、限界センサ(58、59)によって移動点に達したと判定された時に前記顎部(56)を作動させる機械的システムによって開閉し、前記限界センサ(58、59)が、その位置に基づいて前記顎部(56)を移動させ、前記顎部(56)が、前記プラスチックフィルム(14)を把持して引き出し、これを前記梱包ヘッド(5)の面(Z)と前記フィルム(14)を押圧する枠(6)との間に挿入し、前記梱包ヘッド(5)がその上限位置まで上昇した時に、前記顎部(56)が前記フィルム(14)の把持を自動的に行うことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記手段(5)が、昇降による開閉動作に加えて、前記装置の構成に対して跳開して接近及び後退する動作を行い、前記手段(5)の前記動作によって操作者の作業が簡略化されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項34】
前記手段(5)が、一方の端部(62)が前記手段(5)に固定され、他方の端部(64)が前記肩部(2)と共に回転する回転点となっているトグルピン(60)を介して前記肩部(2)に接続されていることを特徴とする、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記物品を支持及び加熱するための前記手段(8)が、前記装置の基部(1)に沿って滑動することにより、操作者の作業を更に簡略化するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記手段(8)が、滑動ガイド(66)によって前記基部(1)上を滑動することを特徴とする、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
先行する請求項のいずれか一つに基づく装置を使用して、複数の物品を伸張可能なプラスチックフィルム(14)で梱包するための、以下のステップを含む方法:
前記梱包対象の複数の物品のうちの一つを、前記物品底部の接合面で支持すると同時に加熱するステップと;
前記フィルム(14)を、収容手段(4)から前記梱包対象の物品が載置されている位置へと給送するステップと;
前記フィルム(14)を、前記梱包対象の物品が載置されている位置で把持するステップと;
前記フィルム(14)を前記物品に伸張させて接着させるような方法で、把持された前記フィルム(14)を梱包対象の物品と接触させるステップと;
前記物品に伸張して接触している前記フィルム(14)を、前記収容手段(4)から出てきた前記フィルム(14)にまだ接触していない前記物品の辺に沿って切断するステップと;
前記物品に伸張して接触している切断された前記フィルム(14)を解放するステップと;
折り込み動作によって前記フィルム(14)を前記物品の周囲全体にわたって前記物品の下に折り込むステップであって、このような折り込み動作によって、前記フィルム(14)の四縁が互いに接着されるので、前記フィルム(14)が前記物品底部の加熱される接合面と接着することが可能となるステップと;
前記フィルム(14)で梱包された前記物品を取り除くステップ。
【請求項38】
把持された前記フィルム(14)を前記梱包対象の物品と接触させるステップが、前記物品を静止させて、その上方に前記把持されたフィルム(14)を配置することによって実行されることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
把持された前記フィルム(14)を前記梱包対象の物品と接触させるステップが、把持された前記フィルム(14)を静止させ、ここに前記物品を押し出すことによって実行されることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
把持された前記フィルム(14)を前記梱包対象の物品と接触させるステップに、前記物品に対するフィルム(14)の張度を調節することが更に含まれることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記フィルム(14)を把持するステップに、前記磁石(20)に印加される電圧を調節することによってフィルム(14)の係止圧を調節するステップが更に含まれることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記フィルム(14)を把持するステップに、本装置のサイクルに関して、フィルム(14)を解放する時点を、前記フィルム(14)の折り込みステップに対して可変とすることが更に含まれることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記フィルム(14)を切断するステップが、切断手段(25)によって行われ、前記ステップに、前記フィルム(14)の切断ステップの前に前記切断手段(25)を加熱するステップが更に含まれることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記物品を支持する前記ステップの後に、前記物品を所定の梱包位置に配置するステップが更に含まれることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記フィルム(14)を前記物品の下に折り込むステップが、前記物品の全ての辺で同時に行われることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記フィルム(14)を前記物品の下に折り込むステップが、最初に前記物品の二辺で行われ、次にこれらの辺と対向する他の二辺で行われることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記物品を前記フィルム(14)で梱包している間、前記物品を押圧して静止させるステップが更に含まれることを特徴とする、請求項37に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−507192(P2006−507192A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554908(P2004−554908)
【出願日】平成15年4月17日(2003.4.17)
【国際出願番号】PCT/IT2003/000256
【国際公開番号】WO2004/048201
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505182753)
【氏名又は名称原語表記】MINIPACK−TORRE S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Provinciale 54, I−24044 Dalmine (IT)
【Fターム(参考)】