説明

伸縮式ポールアセンブリ

【課題】伸縮式のスキーポールやトレッキングポールを収縮したときのサイズが出来る限り小さくなるようするとともに、ポールアセンブリが伸長状態にあるときに各シャフトを両方向に強固に固定する。
【解決手段】第2のシャフト部18が第3のシャフト部22に摺動可能に固定された伸縮式ポールアセンブリで用いる解除可能なロックアセンブリ30は、第2及び第3のシャフト部を伸長位置に選択的にロックするロック機構を備える。解除可能なロックアセンブリは第2及び第3の端部を有する細長い部材を有するストップアセンブリ48を更に備え、第1の端部は第2及び第3のシャフト部の一方に固定され、第2の端部は第2及び第3のシャフト部の他方に固定されている。ストップアセンブリは第2及び第3のシャフト部を収縮位置に移動させるストップアセンブリバイアス部材58を更に備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
収縮したときのサイズが出来る限り小さくなるように伸縮式のスキーポールやトレッキングポールを製造する方法の1つは、複数の伸縮式シャフトを摺動させて互いを完全に収納することである。この方法の設計上の課題は、ポールアセンブリが伸長状態にあるときにいかに各シャフトを両方向に強固に固定するかである。
【0002】
伸長させたシャフト部は、重なり合う内側と外側のシャフトを貫通するロックピンで固定することができる。両方向(両方向とは伸張と収縮を意味する)でシャフトを固定するには、主に2種類のロックピン設計がある。
【0003】
図1A及び図1Bを参照されたい。第1の設計は「外側シャフト貫通ピン設計」である。上部の外側シャフトは一連の孔を有し、下部の内側シャフトはそれらの孔の1つの中に受け取り可能なスプリングピンを有する。図1Bに示されるように、内側シャフトは外側シャフト内に受け取られ、スプリングピンは外側シャフトの孔の1つに配置される。この設計によりシャフトは両方向で概ね強固に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来の外側シャフト貫通ピン設計に係る主要な問題の1つは、シャフトが相互に回転しないようにある種の非円形断面形状を有する必要があるということである。シャフトが円形断面を有する場合、外側及び内側のシャフトの向きと孔の向きがずれ、スプリングピンが外側シャフトの孔を貫通できるように正確な位置を特定するのが難しくなる。この問題への従来の対処法の1つは、内側シャフト上にスプリングピンと一致する縦線を描くことである。このようなガイドラインを用いることによりユーザは目視でシャフトを位置決めすることができる。この方法は有効だが、容易ではなく時間もかかる。
【0005】
従来の外側シャフト貫通設計のもう一つの問題は、2つのシャフトがピンだけで結合され、装置の遊びがピンと孔との直径差によるということである。ピンを容易に孔に通すには多少の遊びが必要なので、本装置はガタつく可能性がある。
【0006】
図1Cを参照されたい。第2の設計は「外側シャフト下ピン設計」である。この設計は上側/外側シャフトと下側/内側シャフトとを備える。下側/内側シャフトのスプリングピンが上側/外側シャフトの下に飛び出しているので、ポールに下方向の力がかかっても上側シャフトが内側シャフト上に滑り落ちてくることはない。この設計はピンを孔に合わせる上記方法の主要な問題を解決する。ピンが単純に上側/外側シャフトの下に飛び出し、方向づけを必要としないからである。しかし、この外側シャフト下ピン設計の問題は、下側/内側シャフトが更に上方に伸びたり上側/外側シャフトから抜け落ちたりするのを抑えるものがないということである。
【0007】
この問題の従来の解決法として、内部のコード、紐、又はケーブルを用いて2つのシャフトを結合し、過度に離れるまで伸長するのを防ぐという方法がある。しかし、このコードを用いる方法の場合、コードの長さを固定するか、ポールを伸長させる度にコードをピンと張る必要がある。コードの長さが固定である場合、2つのシャフトの伸長範囲はコードの長さによって限定される。コードの長さが調節可能である場合は、ポールを自由に伸長させるときにコードを緩め、伸長させたらスプリングピンが上側/外側シャフトの下端に対してしっかり保たれるようにコードをきつく締める。上側/外側シャフトの下端に対してきつく保持すれば、ポールアセンブリにはガタつきや遊びがほとんどなくなり、ポールを伸ばし過ぎることもなくなる。しかし、ポールアセンブリを伸縮させる度にコードを緩めたり締めたりするのは非常に厄介で時間がかかる。
【0008】
調整可能コードを用いる方法のもう一つの制約は、2つのシャフトを伸長させる場合にのみこの方法の利用が適当だということである。例えば、第1のシャフトと第1のシャフト上に伸縮して受け取られる第2及び第3のシャフトを有するスリーピースタイプの伸縮式ポールアセンブリの場合、コードは第1、第2、及び第3のシャフト間で伸長する。第2及び第3のシャフトがゆっくり同時に伸長されない限り、コードは第2のシャフト又は第3のシャフトがその伸長範囲を超えて伸長するのを防げない場合がある。
【0009】
よって、少なくとも以上の従来の設計を改良した伸縮式のスキーポールアセンブリ又はトレッキングポールアセンブリが求められていることが理解できよう。
【発明を解決するための手段】
【0010】
第1のシャフト部が第2のシャフト部に摺動可能に固定された伸縮式ポールアセンブリで用いる解除可能なロックアセンブリは、第1及び第2のシャフト部を伸長位置に選択的にロックするロック機構を備える。解除可能なロックアセンブリは第1及び第2の端部を有する細長い部材を有するストップアセンブリを更に備え、第1の端部は第1及び第2のシャフト部の一方に固定され、第2の端部は第1及び第2のシャフト部の他方に固定されている。ストップアセンブリは第1及び第2のシャフト部を収縮位置に移動させるストップアセンブリバイアス部材を更に備える。
【0011】
上記概要は、以下の「発明を実施するための形態」で詳細に説明される概念の一部を簡素化して紹介したものである。よって上記概要はクレームされた主題の主要な特徴を特定することを意図したものではなく、クレームされた主題の範囲を決定する際の補助として用いられることを意図したものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の上記態様及び付随する利点は以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照することによってより容易に理解されよう。
【0013】
【図1A】従来の外側シャフト貫通ピン設計による伸縮式ポールアセンブリの等角分解図である。
【図1B】従来の外側シャフト貫通ピン設計による伸縮式ポールアセンブリの等角分解図である。
【図1C】従来の外側シャフト下ピン設計による伸縮式ポールアセンブリの等角図である。
【0014】
【図2】伸長位置にある本開示の第1の態様に係る典型的伸縮式ポールアセンブリの等角図である。
【図3】収縮位置にある図1の伸縮式ポールアセンブリの等角図である。
【図4】図1の伸縮式ポールアセンブリと好適に使用される、ポールアセンブリをロック位置及び非ロック位置に選択的に固定するロック機構の等角分解図である。
【図5】ロック位置にある図3の解除可能なロックアセンブリの断面図である。
【0015】
【図6】非ロック位置にある図3の解除可能なロックアセンブリの断面図である。
【図7】ロック位置にある拡張機構の別の典型的な実施形態の断面図である。
【図8】非ロック位置にある図6の拡張機構の断面図である。
【図9】伸長位置にある本開示の第2の態様に係る典型的伸縮式ポールアセンブリの等角図である。
【0016】
【図10】収縮位置にある図9の伸縮式ポールアセンブリの等角図である。
【図11】図9の伸縮式ポールアセンブリで使用されるつばアセンブリの後方等角図である。
【図12】図11のつばアセンブリの前方等角図である。
【0017】
【図13】第1の位置にある図11のつば機構の断面図である。
【図14】第2の位置にある図11のつば機構の断面図である。
【図15】図9の伸縮式ポールアセンブリの解除可能なロックアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の第1の実施形態に係る伸縮式ポールアセンブリ10は、図2〜4を参照することにより最も良く理解できる。伸縮式ポールアセンブリ10は解除可能なロックアセンブリ30を備える。解除可能なロックアセンブリ30は、当該技術分野で周知のように、伸縮式ポールアセンブリ10がトレッキングやスキーなどで使用できるように伸縮式ポールアセンブリ10を伸長位置に選択的にロックする。
【0019】
まず図2、3を参照して、解除可能なロックアセンブリ30とともに使用される典型的な伸縮式ポールアセンブリ10について説明する。伸縮式ポールアセンブリ10は、2つ以上の伸縮式シャフト部によって規定されるシャフト12を備える。これらの伸縮式シャフト部はそれぞれ図2、図3に示されるような伸長位置と収縮位置との間を移動する。本実施形態において、シャフト12は、第1のシャフト部径を有する第1のシャフト部14と、第1のシャフト部14上に伸縮式に受け取られ第1のシャフト径より大きい第2のシャフト径を有する第2のシャフト部18と、第2のシャフト部18上に伸縮式に受け取られ第2のシャフト径より大きい第3のシャフト径を有する第3のシャフト部22とを備える。第1、第2、第3のシャフト部14、18、22は、伸長させたとき、所定の長さを有する伸縮式ポールアセンブリ10のシャフト12を規定する。第1、第2、第3のシャフト部14、18、22は、任意の適切な直径や長さを有してよく、アルミやカーボンファイバなどの当技術分野で周知の任意の適切な材料から形成されてよいことを理解されたい。
【0020】
地面その他の表面を引っかけるための先端部34が第1のシャフト部14の下端部から延在してもよい。当技術分野で周知のように、バスケット38がシャフト12上の第1のシャフト部14と先端部34との間で受け取られてもよい。このバスケットはシャフトが雪や柔らかい泥状の地面に沈み込むのを防ぐのに役立つ。シャフト12を伸長させたとき伸縮式ポールアセンブリ10を握って使用できるように適切に構成されたグリップ42が、第3のシャフト部22の上端部から延在する。
【0021】
グリップ42を第3のシャフト部22の上端部に適切に取り付けるためのグリップ取り付け具44が、第3のシャフト部22の上部開口端内に受け取られてもよい。グリップ取り付け具44は任意の適切な構成であってよい。例えば、グリップ取り付け具44はグリップ42の底部開口内にスナップ嵌めされるようにしてもよい。又は、グリップ取り付け具44は第3のシャフト部22内に一体形成されてもよい。上述の伸縮式ポールアセンブリ10は代表例であり、それ以外の任意の適切な伸縮式ポールアセンブリ設計を採用してもよいことを理解されたい。
【0022】
次に、図4〜6を参照して、伸縮式ポールアセンブリ10を伸長位置に選択的に固定するための解除可能なロックアセンブリ30について詳細に説明する。それらの図では、解除可能なロックアセンブリ30は第2、第3のシャフト部18、22の間に配置されている。追加の解除可能なロックアセンブリ30を第2、第3のシャフト部18、22の間、及び第1、第2のシャフト部14、18の間に配置してもよいことを理解されたい。
【0023】
解除可能なロックアセンブリ30は円筒形シャフト50を備える。円筒形シャフト50は、第2のシャフト部18内にプレス嵌めされるか他の方法で受け取られるように第2のシャフト部18の内径と概ね等しい外径を有する。ロック機構すなわち戻り止め機構48が円筒形シャフト50内に規定されている。戻り止め機構48は、第2のシャフト部18に対して第3のシャフト部22を伸長位置で選択的に固定するものである。戻り止め機構48は、スプリングピン56を受け取れる大きさの横開口部58を円筒形シャフト50内に有する。円筒形シャフト50内の開口部58は空洞62と連通する。空洞62は圧縮ばね58などのバイアス部材を受け入れる深さを有する。圧縮ばね58はスプリングピン56を空洞62の外に出させるものである。
【0024】
図5に示されるように、スプリングピン56は円筒形シャフト50内の開口部58及び第2のシャフト部18内の開口部54から突き出させるような所定の長さを有し、第3のシャフト部22が伸長位置に移動したとき第3のシャフト部22の下端部と係合する。換言すれば、スプリングピン56が外方向に移動させられて第3のシャフト部22の下端部と係合するまで、第3のシャフト部22は伸長位置に向かって第2のシャフト部18に対して摺動する。第3のシャフト部22を第2のシャフト部18上に収縮させるには、図6に示すように、ユーザは第3のシャフト部22が第2のシャフト部18に対して軸方向に摺動できるようにスプリングピン56を押し下げる。これにより、スプリングピン56は第3のシャフト部22が収縮位置に向かって第2のシャフト部18に対して摺動するのを一時的に防ぐ。上記以外の任意の適切な戻り止め機構又は他の種類のロック機構を用いてもよいことを理解されたい。
【0025】
図5に示すように、解除可能なロックアセンブリ30は更に拡張アセンブリ60を備える。拡張アセンブリ60は、第3のシャフト部22が伸長位置に移動する際第2のシャフト部18から軸方向の上方に摺動し続けるのを防ぐものである。拡張アセンブリ60はピン・サブアセンブリ64を備え、ピン・サブアセンブリ64は円筒形シャフト50の上端の内部に規定された軸状ピン空洞68内に摺動可能に受け取られている。
【0026】
ピン・サブアセンブリ64は、細長い部材すなわちピン66によって規定される。ピン66はその遠位下端部上に軸方向に受け取られたスプリングワッシャ70を有する。スプリングワッシャ70は、ナット74その他の留め具によりピン66の端部に固定されている。圧縮ばね78がピン66上に軸方向に配置され、ピン66の上端部とスプリングワッシャ70との間に延在する。
【0027】
ピン・サブアセンブリ64は、ピン66が空洞68内で軸方向に摺動可能なように軸状ピン空洞68内に固定されている。ピン66は任意の適切な方法で軸状ピン空洞68内に固定されてよいが、本実施形態では、キー82を円筒形シャフト50内の第1、第2のスロット86、88を横に通すことによって空洞内に固定されている。キー82は、ピン66のシャフトが通ることができるピン開口部90を有する。これによって、図5、6からも分かるように、圧縮ばね78はキー82とスプリングワッシャ70との間に保たれる。
【0028】
上記の構成以外にピン・サブアセンブリ64は引張ばねを用いるようにしてもよいことを理解されたい。そのような別の実施形態では、引張ばねの第1の端部を円筒形シャフト50又は第2のシャフト部18の一部に取り付け、その第2の端部をピン66に固定してもよい。このように、本開示の範囲から逸脱しない限り、第2、第3のシャフト部18、22をぴんと張った状態で連結する任意の適切な拡張アセンブリを用いてもよい。
【0029】
ピン66の上端部(すなわち、図に示されるような頭部)は、非弾性の第1のコード94又は同様の器具を介してグリップ取り付け具44に固定されている。第2、第3のシャフト部18、22が伸ばされると、グリップ取り付け具44は第1のコード94を介してピン66を軸方向の上方に引っ張る。上記の構成以外にピン66及びコード94は1つの細長い一体部材であってもよいことを理解されたい。
【0030】
図5を参照されたい。ピン66がコード94によって上方へ引っ張られると、圧縮ばね78が収縮し第2、第3のシャフト部18、22はぴんと張った状態で連結される。これに関して、ピン・サブアセンブリ64の圧縮ばね78が少なくとも部分的に圧縮されて伸縮式ポールアセンブリが伸長位置でぴんと張った状態に保たれるまでスプリングピン56が飛び出さないように解除可能なロックアセンブリ30を構成してもよい。また、図6に示されるように、第2、第3のシャフト部18、22がぴんと張った状態で連結されているときにスプリングピン56が押し下げられると、第2、第3のシャフト部18、22は収縮位置に移動させられる。上記の構成以外に、コード94が第2のシャフト部18に固定され拡張アセンブリ60が第3のシャフト部22内に配置されるように(すなわち、解除可能なロックアセンブリ30がひっくり返るように)、解除可能なロックアセンブリ30を構成してもよいことを理解されたい。
【0031】
同様に、解除可能なロックアセンブリ30を第1のシャフト部14と第2のシャフト部18との間に配置してもよい。これにより、第1、第2、第3のシャフト部14、18、22は、伸長位置に移されると、ぴんと張った状態で連結される。また、第1、第2、第3のシャフト部14、18、22は、スプリングピン56が押し下げられると、収縮位置に移動させられる。よって、無制限の数のシャフト部が伸長位置と収縮位置との間を移動する際それらシャフト部をぴんと張った状態で互いに固定するために解除可能なロックアセンブリ30を用いてもよいことが理解できよう。
【0032】
次に、図7、8を参照して、伸縮式ポールアセンブリの第2の実施形態(その全体は示されていない)で使用される解除可能なロックアセンブリ30の別の実施形態を詳細に説明する。解除可能なロックアセンブリ130は、以下に述べる違いを除き、上記の解除可能なロックアセンブリ30と概ね同様である。そのため、参照しやすいように、同様の部品には100番台の同様の符号が付けられている。
【0033】
解除可能なロックアセンブリ130は、ピン・サブアセンブリ164を含む拡張アセンブリ160を備える。ピン・サブアセンブリ164は、ピン166の上部遠位端が内部止め板196に固定されていることを除き、上記のピン・サブアセンブリ64と実質的に同じである。内部止め板196は、第3のシャフト部122の内部減径部192によって係合可能であるように所定の直径を有する。これに関して、第3のシャフト部122は、第2、第3のシャフト部118、122の間に隙間が規定されるように、第2のシャフト部118の外径より大きい内径を有してもよい。また、内部減径部192の内径は、第2のシャフト部118の外径とほぼ同じ大きさか若干大きくてもよい。これによって、内部減径部192は第2のシャフト部に対して摺動できる。
【0034】
図7に示されるように、内部減径部192は、第3のシャフト部122が引き上げられて伸長位置へ移動したときに内部止め板196と係合してこれを持ち上げるように、第3のシャフト部122内に形成されている。内部止め板196が内部減径部192によって持ち上げられると、圧縮ばね178が収縮してアセンブリをぴんと張った状態に保つ。
【0035】
減径部が上記以外の任意の適切な設計として具体化されてもよいことを理解されたい。例えば、減径部は、第3のシャフト部122の内面に沿って形成されたリブや第3のシャフト部122の内面に形成又は取り付けられた内側スリーブなどとして構成されてもよい。このような限定されない例においては、リブやスリーブが、第3のシャフト部122が上方へ引き上げられて伸長位置へ移動する際内部止め板196と係合してこれを持ち上げる。
【0036】
図9〜15を参照して、本開示の第3の実施形態に係る伸縮式ポールアセンブリ210を説明する。伸縮式ポールアセンブリ210は上記伸縮式ポールアセンブリ10と実質的に同じである。伸縮式ポールアセンブリ210はシャフト212を備え、シャフト212は第1のシャフト部径を有する第1のシャフト部214と、第1のシャフト部214上に伸縮式に受け取られ、第1のシャフト径より大きい第2のシャフト径を有する第2のシャフト部218と、第2のシャフト部18上に伸縮式に受け取られ、第2のシャフト径より大きい第3のシャフト径を有する第3のシャフト部222とを備える。先端部34及びバスケット38が第1のシャフト部214の下端部から延在し、グリップ取り付け具44及びグリップ42が第3のシャフト部222の上端部から延在する。
【0037】
図15を参照すると、伸縮式ポールアセンブリ210は、伸縮式ポールアセンブリ10を伸長位置に選択的にロックする解除可能なロックアセンブリ230を備えている。解除可能なロックアセンブリ230は、上記解除可能なロックアセンブリ30と実質的に同じである。ただし本実施形態では、解除可能なロックアセンブリ230は第1のシャフト部214と第3のシャフト部222(又はグリップ取り付け具44)との間に延在する。
【0038】
解除可能なロックアセンブリ30と同様、解除可能なロックアセンブリ230は、円筒形シャフト50が第1のシャフト部214の上端部内に固定されロック機構すなわち戻り止め機構48が円筒形シャフト50の下端部に規定された状態で、拡張アセンブリ60を備えている。図9に示されるように、第2のシャフト部218が伸長位置に移動するとき、戻り止め機構48のスプリングピン56は第2のシャフト部218の下端部と係合する。このようにして、スプリングピン56は第2のシャフト部218を伸長位置に固定する。
【0039】
ピン・サブアセンブリ64のピン66は、第1のコード94を介して第3のシャフト部222(又はグリップ取り付け具44)に固定されている。第2のシャフト部218が伸ばされると、コード94はピン64を軸方向の上方に引っ張って圧縮ばね78を圧縮し、それによって第1、第2のシャフト部214、218がぴんと張った状態で互いに固定される。また、第1、第2のシャフト部214、218がぴんと張った状態で連結しているときにスプリングピン56が押し下げられると、第1、第2のシャフト部214、218は収縮位置に移動させられる。
【0040】
図11〜15を参照すると、解除可能なロックアセンブリ230は更につばアセンブリ240を備える。つばアセンブリ240は第3のシャフト部222の下端部に固定され、第3のシャフト部22を伸長位置に選択的に固定する。つばアセンブリ240は実質的に円筒形の物体242を備える。物体242は第2、第3のシャフト部218、222を受け取る空洞内部を有し、第3のシャフト部222に固定された上部シャフト固定部244及び第2のシャフト部218に固定可能な下部クランプ部246を備える。
【0041】
上部シャフト固定部244は、上部シャフト固定部244と第3のシャフト部との間に摩擦嵌め又はプレス嵌めが規定されるように、第3のシャフト部222の外径と実質的に等しい内径を有する。上部シャフト固定部244を第3のシャフト部222に固定するため、接着剤などの追加の留め具を用いてもよい。
【0042】
下部クランプ部246は、第2のシャフト部218が下部クランプ部246に対して摺動可能なように、第2のシャフト部218の外径と実質的に等しいか若干大きい内径を有する。下部クランプ部246の外面上にはクランプアセンブリ250が規定されており、クランプアセンブリ250は、第1の内径を有する、開いてロックされていない位置(図13を参照)と、第2の内径を有する、閉じてロック位置(図14を参照)との間で下部クランプ部246を遷移させるものである。第2のシャフト部218が下部クランプ部246に対して摺動するのを防ぐため、閉じたロック位置では、下部クランプ部246の内径が第2のシャフト部218上に収縮できるように十分小さくなっている。
【0043】
非ロック位置とロック位置との間で下部クランプ部246を遷移させるために任意の適切なクランプアセンブリを用いてもよい。よって、クランプアセンブリ250については簡潔に述べるにとどめる。クランプアセンブリ250はレバーアーム254を備え、レバーアーム254の第1の遠位端は下部クランプ部246の外面上に規定されたレバーアーム基部256に枢動可能に固定されている。同じ旋回軸に沿って、レバーアーム254の第1の遠位端はクランプピン264の第1の端部260に枢動可能に固定されている。
【0044】
クランプピン264は下部クランプ部246の外側で実質的に接線方向に延在し、その第2の端部268が下部クランプ部246の外面上に規定された軸基部270内に枢動可能に固定されている。クランプピン264は、下部クランプ部246をロック位置に固定するために下部クランプ部246の一部を引っ張る。これに関して、軸スロット272が、レバーアーム基部256と軸基部270との間で下部クランプ部246の少なくとも一部に沿って延在してもよい。同様に、第2のシャフト部218を伸長位置に固定するために、軸スロット272の向かい合う側にある下部クランプ部246の部分を閉じたロック位置に引っ張ってもよい。
【0045】
レバーアーム254は、図13に示すような開いた非ロック位置と図14に示すような閉じたロック位置との間を移動できる。図13を参照すると、レバーアーム254の遠位の第2端部が下部クランプ部24から離れており、これがクランプピン264に下部クランプ部246の把握を緩めさせている。これによって軸スロット272及び下部クランプ部246の内径が拡大し、第2のシャフト部218が下部クランプ部246に対して摺動できるようになっている。
【0046】
図14を参照すると、レバーアーム254の遠位の第2端部が下部クランプ部24に接近し、これがクランプピン264に下部クランプ部246の把握を強めさせている。これによって軸スロット272及び下部クランプ部246の内径が収縮し、第2のシャフト部218は下部クランプ部246に対して摺動できないようになっている。
【0047】
このように、クランプアセンブリ240は、開いた非ロック位置内に移動して第2のシャフト部218が収縮位置又は伸長位置に移動できるようにし、また、閉じたロック位置に移動して第2のシャフト部218を伸長位置に固定する。また、解除可能なロックアセンブリ230が第1、第3のシャフト部214、222との間に延在した状態で伸長されると、第1、第2、第3のシャフト部214、218、222はぴんと張った状態に保たれる。
【0048】
つばアセンブリ240はまた、第3のシャフト部222が収縮され更に第2のシャフト部218が収縮されたときに自動的に戻り止め機構48のロックを解除する。これに関して、つばアセンブリ240は下部クランプ部246の下部内端上に規定された内部環状クランプ基部傾斜面274を備える。内部環状クランプ基部傾斜面274は、クランプ部246の下部内端からその中心縦軸に向かって内側へ延在する。
【0049】
内部環状クランプ基部傾斜面274は、スプリングピン56の上部外端上に規定された、同様に傾斜するピン表面57に対して摺動可能である。傾斜ピン表面57は、スプリングピン56の上面からその横端面に向かって下方に延在する。これによって、内部環状クランプ基部傾斜面274が傾斜ピン表面57に対して嵌合し摺動したとき、スプリングピン56は空洞62内の押し下げられた位置まで軸方向に移動する。スプリングピン56を押し下げられた位置に維持したまま、第2のシャフト部218を収縮位置まで第1のシャフト部214に対して摺動させてもよい。
【0050】
よって、第3のシャフト部222が収縮し更に第2のシャフト部218が収縮すると、つばアセンブリ240は自動的にロック機構のスプリングピン56を押し下げることが理解できよう。これにより、ユーザが手でスプリングピン56を押し下げる必要がなくなる。第1、第2、第3のシャフト部214、218、222がぴんと張った状態で連結されているときにユーザが手でスプリングピン56を押し下げと、ユーザの指が第1、第2のシャフト部214、218の間に挟まれる危険性がある。以上のように、つばアセンブリ240はスプリングピン56の押し下げという余分な動作をなくし、指を挟む危険性を取り除いている。
【0051】
つばアセンブリ240は4つ以上のシャフト部を備える伸縮式ポールアセンブリで用いられてもよいことを理解されたい。例えば、伸縮式ポールアセンブリが第1のシャフト部214内で伸縮可能な第4のシャフト部を備える場合、戻り止め機構48を有する追加の解除可能なロックアセンブリ230を第4と第1のシャフト部の間に配置することができる。これにより、ポールアセンブリの各シャフト部が収縮できるように、つばアセンブリ240を用いて両戻り止め機構48のスプリングピンを自動的に押し下げることが可能である。
【0052】
上記の構成以外に、つばアセンブリ240は、内部環状クランプ基部傾斜面274を有する摺動可能なリング又はつばによって規定されてもよい。このリング又はつばは手動で動かしたときにスプリングピン56と係合可能なものである。このような別の実施形態において、伸縮式ポールアセンブリは、第2、第3のシャフト部218、222の間に配置された戻り止め機構48を有する追加の解除可能なロックアセンブリ230を備えることになる。これにより、つばはまず第2、第3のシャフト部218、222の間に配置されたスプリングピンと係合して第3のシャフト部222を収縮させる。その後、第3のシャフト部222が収縮した状態で、つばは第1、第2のシャフト部214、218の間に配置されたスプリングピンと係合して第2のシャフト部218を収縮させる。
【0053】
つばアセンブリ240を上記解除可能なロックアセンブリ30と概ね同様の解除可能なロックアセンブリ230との関連で図示し説明してきたが、つばアセンブリ240は図7、8に図示され上記に説明した解除可能なロックアセンブリ130と共に用いられてよいことを更に理解されたい。このように、本開示の範囲から逸脱しない限り上記の特徴を任意に組み合わせてもよいことを理解されたい。
【0054】
本開示の好適な実施形態を図示し説明してきたが、本開示の趣旨から逸脱しない限り当該実施形態に種々の変更を加えることが可能であることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシャフト部が第2のシャフト部に摺動可能に固定された伸縮式ポールアセンブリで用いる解除可能なロックアセンブリであって、
前記第1及び第2のシャフト部を伸長位置に選択的にロックするロック機構(a)と
ストップアセンブリ(b)とを備え、該ストップアセンブリ(b)は
前記第1及び第2のシャフト部の一方に固定された第1の端部と前記第1及び第2のシャフト部の他方に固定された第2の端部を有する細長い部材(i)と
前記第1及び第2のシャフト部を収縮位置に移動させるストップアセンブリバイアス部材(ii)とを備える、解除可能なロックアセンブリ。
【請求項2】
前記細長い部材の第1の端部は前記第1及び第2のシャフト部の一方に不動に固定され、その第2の端部は前記第1及び第2のシャフト部の他方に可動に固定されている、請求項1に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項3】
前記ストップアセンブリバイアス部材は前記第1及び第2のシャフト部の一方の一部と前記細長い部材の一部との間に配置されている、請求項2に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項4】
前記細長い部材の第1の端部は前記第1及び第2のシャフト部の一方に可動に固定され、その第2の端部は前記第1及び第2のシャフト部の他方に可動に固定されている、請求項1に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項5】
前記ストップアセンブリバイアス部材は前記第1及び第2のシャフト部の一方の一部と前記細長い部材の一部との間に配置されている、請求項4に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のシャフト部は前記第2のシャフト部の外径と概ね同じ大きさの内径を有し、前記細長い部材の第1の端部は前記第1のシャフト部の内側部分と係合可能である、請求項4に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項7】
前記細長い部材の第2の端部は前記ストップアセンブリバイアス部材と動作可能に連通している、請求項6に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項8】
前記ロック機構は伸長位置と退避位置との間に可動に配置された戻り止め部材を備え、該戻り止め部材は前記第1及び第2のシャフト部を前記伸長位置に固定するために前記第1及び第2のシャフト部の一方の一部と係合可能である、請求項1に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項9】
前記戻り止め部材を前記退避位置に移動するために前記戻り止め部材と係合可能なつばアセンブリであって、前記第1及び第2のシャフト部を前記収縮位置に移動させるつばアセンブリを更に備える、請求項8に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項10】
前記つばアセンブリは、前記戻り止め部材を前記退避位置に移動させるために、前記戻り止め部材の傾斜面に対して摺動可能な内部環状傾斜面を有する基部を備える、請求項9に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項11】
前記ロック機構のロックを解除するために前記ロック機構の一部と係合可能なつばアセンブリであって、前記第1及び第2のシャフト部を前記収縮位置に移動させるつばアセンブリを更に備える、請求項1に記載の解除可能なロックアセンブリ。
【請求項12】
第1のシャフト部(a)と、
前記第1のシャフト部に摺動可能に固定された第2のシャフト部(b)と、
前記第2のシャフト部を伸長位置に選択的にロックするロック機構(c)と、
前記第2のシャフト部を収縮位置に移動させるストップアセンブリ(d)とを備える、伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項13】
前記ストップアセンブリは
前記第1及び第2のシャフト部の一方に固定された第1の端部と前記第1及び第2のシャフト部の他方に固定された第2の端部を有する細長い部材(a)と
前記第1及び第2のシャフト部を収縮位置に移動させるストップアセンブリバイアス部材(b)とを含む、請求項12に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項14】
前記細長い部材の第1の端部は前記第1及び第2のシャフト部の一方に不動に固定され、その第2の端部は前記第1及び第2のシャフト部の他方に可動に固定されている、請求項13に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項15】
前記ストップアセンブリバイアス部材は前記第1のシャフト部の一部と前記細長い部材の一部との間に配置されている、請求項14に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項16】
前記細長い部材の第1の端部は前記第1及び第2のシャフト部の一方に可動に固定され、その第2の端部は前記第1及び第2のシャフト部の他方に可動に固定されている、請求項13に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項17】
前記第2のシャフト部は前記第1のシャフト部の外径と概ね同じ大きさの内径を有し、前記細長い部材の第1の端部は前記第2のシャフト部の内側部分と係合可能である、請求項16に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項18】
前記細長い部材の第2の端部は前記ストップアセンブリバイアス部材と動作可能に連通している、請求項17に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項19】
前記ロック機構は伸長位置と退避位置との間に可動に配置された戻り止め部材を備え、該戻り部材は、前記第2のシャフト部を前記伸長位置に固定するために前記第2のシャフト部の一部と係合可能である、請求項12に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項20】
前記戻り止め部材を前記退避位置に移動させるために前記戻り止め部材と係合可能なつばアセンブリであって、前記第2のシャフト部を前記収縮位置に移動させるつばアセンブリを更に備える、請求項19に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項21】
前記つばアセンブリは、前記戻り止め部材を前記退避位置に移動させるために、前記戻り止め部材の傾斜面に対して摺動可能な内部環状傾斜面を有する基部を備える、請求項20に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項22】
前記ロック機構のロックを解除するために前記ロック機構の一部と係合可能なつばアセンブリであって、前記第2のシャフト部を前記収縮位置に移動させるつばアセンブリを更に備える、請求項12に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項24】
前記第2のシャフト部に摺動可能に固定された第3のシャフト部を更に備える、請求項12に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項25】
前記ストップアセンブリは
前記第1のシャフト部に固定された第1の端部と前記第3のシャフト部に固定された第2の端部を有する細長い部材(a)と
前記第1及び第2のシャフト部を収縮位置に移動させるストップアセンブリバイアス部材(b)とを含む、請求項24に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項26】
前記ロック機構のロックを解除するために前記ロック機構の一部と係合可能なつばアセンブリであって、前記第1及び第2のシャフト部を前記収縮位置に移動させるつばアセンブリを更に備える、請求項25に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項27】
前記つばアセンブリは前記第3のシャフト部を伸長位置に選択的に固定するクランプアセンブリを備える、請求項26の記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項28】
前記ロック機構は伸長位置と退避位置との間に可動に配置された戻り止め部材を備え、該戻り部材は、前記第2のシャフト部を前記伸長位置に固定するために前記第2のシャフト部の一部と係合可能である、請求項27に記載の伸縮式ポールアセンブリ。
【請求項29】
前記つばアセンブリは、前記戻り止め部材を前記退避位置に移動させるために、前記戻り止め部材の傾斜面に対して摺動可能な内部環状傾斜面を有する基部を備える、請求項28に記載の伸縮式ポールアセンブリ。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−96578(P2013−96578A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−237575(P2012−237575)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【出願人】(512279693)ケイ−2 コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】K−2 Corporation
【住所又は居所原語表記】4201 Sixth Avenue South, Seattle, Washington 98108−1702 United States of America
【Fターム(参考)】