説明

伸縮式門扉

【課題】縦枠とパンタグラフ機構とを含む扉体の剛性の向上を図る。
【解決手段】パンタグラフ機構6と縦枠9との3箇所の交差部32〜34の内、中間の交差部33を縦枠9に上下動不能に枢着する固定枢軸37と、上下の各交差部32,34を縦枠9に上下動可能に枢着する可動枢軸38とを含む扉体5を備え、複数個の縦枠9の内の中間の縦枠9を区分縦枠23とし、区分縦枠23に対して中間の交差部33で交差する各傾斜リンク30,31を固定枢軸37廻りに屈折可能な上部リンク52,54と下部リンク53,55とに分断し、上下の各交差部32,34の可動枢軸38を区分縦枠23に対して各傾斜リンク30,31毎に別々に上下動自在に設け、上部リンク52,54と下部リンク53,55との各対向端側に、固定枢軸37用の挿通部62を相手側に対して前後方向の反対側に突出させて設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個の縦枠とパンタグラフ機構とを含む扉体を備えた伸縮式門扉に関し、中間の区分縦枠により左右に区分された扉体の一部を他とは別に伸縮させて開閉できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
左右方向に略等間隔を置いて配置された複数個の縦枠と、右上がり傾斜リンクと右下がり傾斜リンクとを互いに交差状に組み合わせて左右方向に伸縮自在に構成したパンタグラフ機構とを含む扉体を備えた伸縮式門扉において、複数個の縦枠の内、落とし棒を有する中間の縦枠を区分縦枠とし、この区分縦枠により扉体を移動端側扉体と吊り元側扉体とに区分して、その落とし棒を地面側の落とし孔に落とし込んで区分縦桟を左右方向に移動不能にロックすれば、移動端側扉体を吊り元側扉体とは別に伸縮させて開閉できるようにしたものがある(特許文献1)。
【0003】
この伸縮式門扉は、傾斜リンクが上下2箇所の交差部で縦枠と交差するパンタグラフ機構を上下に2組備え、その各パンタグラフ機構の上下の交差部の内、下側の交差部を固定枢軸で縦枠に枢着し、上側の交差部の各傾斜リンクを前後別々の可動枢軸で縦枠に上下動可能に枢着することにより、区分縦桟よりも移動端側の移動端側扉体を吊り元側扉体とは別に伸縮できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平1−20472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の伸縮式門扉では、必要に応じて移動端側扉体を伸縮させて開閉できるので、扉体の全体を伸縮させて開閉する場合に比較して使い勝手がよく利便性が向上する利点がある。
【0006】
しかし、従来の伸縮式門扉は、上下2箇所の交差部で縦枠と交差する短い傾斜リンクにより構成されたパンタグラフ機構を上下に2組配置しているため、上下のパンタグラフ機構と左右に隣り合う各縦枠とにより平行リンクを構成してはいるが、上下のパンタグラフ機構の一体性に欠け、扉体全体の剛性を確保し難いという問題がある。そのため落とし棒により区分縦枠を地面側にロックして扉体の移動端側扉体を開閉する際に、扉体の区分縦枠側が前後方向に倒れ易くなる欠点がある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、縦枠とパンタグラフ機構とを含む扉体の剛性が向上し、区分縦枠を地面側にロックして扉体の一部を伸縮させて開閉する際にも、区分縦枠側での扉体の前後方向の揺れ、倒れを容易に防止することができる伸縮式門扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、左右方向に略等間隔を置いて配置された複数個の縦枠9と、該各縦枠9に少なくとも上下方向の3箇所の交差部32〜34で交差する右上がり傾斜リンク30と左上がり傾斜リンク31とを組み合わせて左右方向に伸縮自在に構成されたパンタグラフ機構6と、該パンタグラフ機構6の前記少なくとも上下方向の3箇所の交差部32〜34の内、1箇所の交差部32〜34を前記縦枠9に上下動不能に枢着する固定枢軸37と、他の各交差部32〜34を前記縦枠9に上下動可能に枢着する可動枢軸38とを含む扉体5を備え、前記複数個の縦枠9の内の中間の縦枠9を区分縦枠23とし、該区分縦枠23に対して前記中間の交差部33で交差する前記各傾斜リンク30,31を前記枢軸37廻りに屈折可能な上部リンク52,54と下部リンク53,55とに分断し、前記他の各交差部32,34の前記可動枢軸38を前記区分縦枠23に対して前記各傾斜リンク30,31毎に別々に上下動自在に設け、前記上部リンク52,54と前記下部リンク53,55との各対向端側に、前記枢軸37用の挿通部62を相手側に対して前後方向の反対側に突出させて設けたものである。
【0009】
また別の本発明は、左右方向に略等間隔を置いて配置された複数個の縦枠9と、該各縦枠9に上下方向の3箇所の交差部32〜34で交差する右上がり傾斜リンク30と左上がり傾斜リンク31とを組み合わせて左右方向に伸縮自在に構成されたパンタグラフ機構6と、該パンタグラフ機構6の前記3箇所の交差部32〜34の内、中間の交差部33を前記縦枠9に上下動不能に枢着する固定枢軸37と、上下の各交差部32,34を前記縦枠9に上下動可能に枢着する可動枢軸38とを含む扉体5を備え、前記複数個の縦枠9の内の中間の縦枠9を区分縦枠23とし、該区分縦枠23に対して前記中間の交差部33で交差する前記各傾斜リンク30,31を前記固定枢軸37廻りに屈折可能な上部リンク52,54と下部リンク53,55とに分断し、前記上下の各交差部32,34の前記可動枢軸38を前記区分縦枠23に対して前記各傾斜リンク30,31毎に別々に上下動自在に設け、前記上部リンク52,54と前記下部リンク53,55との各対向端側に、前記固定枢軸37用の挿通部62を相手側に対して前後方向の反対側に突出させて設けたものである。
【0010】
前記各縦枠9は前記パンタグラフ機構6の前後両側に配置された前後縦桟17,18を有し、前記区分縦枠23は前記前後縦桟17,18に対応して前記右上がり傾斜リンク30と前記左上がり傾斜リンク31との間に配置された中間縦桟24を有し、前記区分縦枠23上の前記可動枢軸38を前記中間縦桟24と前記前後縦桟17,18との間に上下動自在に設け、前記中間縦桟24を前後に貫通する固定枢軸37を前記前後縦桟17,18間に設けてもよい。
【0011】
また前記上部リンク52,54と前記下部リンク53,55との先端部に継ぎ手57〜60を備え、該各継ぎ手57〜60は前記各リンク52〜55に嵌合する取り付け部61と、該取り付け部61の先端側に一体に設けられた前記挿通部62とを有するものでもよい。
【0012】
しかも前記各継ぎ手57〜60は相手側の前記挿通部62に対応して前記取り付け部61の略半分の切り欠き部73を有し、前記挿通部62の前記取り付け部61と反対側の外周面を円弧状に形成し、前記取り付け部61の前記切り欠き部73側を相手側の前記挿通部62が相対回動可能な凹入状に形成してもよい。
【0013】
更に前記前後縦桟17,18側の前記継ぎ手57,59の前記挿通部62はその突出端面が前記前後縦桟17,18に相対回動可能に当接又は近接し、前記中間縦桟24側の前記継ぎ手57〜60の前記挿通部62は前記中間縦桟24内に相対回動可能に嵌合する嵌合筒部75aを有するものでもよい。
【0014】
また前記中間縦桟24の左右幅を前記前後縦桟17,18の左右幅よりも小さくし、前記パンタグラフ機構6を収縮させたときに、前記区分縦枠23と該区分縦枠23に隣り合う収縮側の前記縦枠9との中間で前記両傾斜リンク30,31を枢着する中間枢軸40の外周が前記中間縦桟24に当接するようにしてもよい。前記中間縦桟24に当接する前記中間枢軸40の外径を他の中間枢軸39よりも細くしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、縦枠9とパンタグラフ機構6とを含む扉体5の剛性が向上し、区分縦枠23を地面側にロックして扉体5の一部を伸縮させて開閉する際にも、区分縦枠23側での扉体5の前後方向の揺れ、倒れを容易に防止できる利点がある。特に上部リンク52,54と下部リンク53,55との各対向端側の枢軸37用の挿通部62を相手側に対して前後方向の反対側に突出させてているので、枢軸37に上部リンク52,54と下部リンク53,55との前後方向の剛性が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す伸縮式門扉の平面図及び正面図である。
【図2】同じく伸縮式門扉の側面図である。
【図3】同じく固定枢軸部分の平面断面図である。
【図4】同じく可動枢軸部分の平面断面図である。
【図5】同じく中間枢軸部分の平面断面図である。
【図6】同じく中間枢軸部分の平面断面図である。
【図7】同じく端枠側の固定枢軸部分の平面断面図である。
【図8】同じく端枠側の可動枢軸部分の平面断面図である。
【図9】同じく区分縦枠側の固定枢軸部分の正面断面図である。
【図10】同じく区分縦枠側の固定枢軸部分の平面断面図である。
【図11】同じく区分縦枠側の固定枢軸部分の側面断面図である。
【図12】同じく区分縦枠側の固定枢軸部分の分解斜視図である。
【図13】同じく継ぎ手部分の断面図である。
【図14】同じく区分縦枠側の可動枢軸部分の正面断面図である。
【図15】同じく区分縦枠側の可動枢軸部分の平面断面図である。
【図16】同じく傾斜リンクの継ぎ手側の断面図である。
【図17】同じく区分縦枠側の可動枢軸部分の分解斜視図である。
【図18】同じく移動端側扉体を収縮させたときの正面図である。
【図19】同じく移動端側扉体を収縮させたときの要部の拡大説明図である。
【図20】本発明の第2の実施形態を示す区分縦枠側の固定枢軸部分の平面断面図である。
【図21】本発明の第3の実施形態を示す伸縮門扉の平面図及び正面図である。
【図22】本発明の第4の実施形態を示す伸縮門扉の正面図である。
【図23】本発明の第5の実施形態を示す伸縮門扉の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図19は本発明に係る伸縮式門扉の第1の実施形態を例示する。図1(A)(B)において、1は吊り元側支柱、2は戸当たり側支柱で、これら一対の支柱1,2は出入り口3の左右両側で地面4上に立設されている。5は伸縮式の扉体で、出入り口3を開閉するように吊り元側支柱1と戸当たり側支柱2との間に左右方向に伸縮開閉自在に配置されている。
【0018】
この扉体5は、左右方向に伸縮自在に構成されたパンタグラフ機構6と、このパンタグラフ機構6の吊り元側端部に配置された吊り元側端枠7と、パンタグラフ機構6の戸当たり側端部に配置された戸当たり側端枠(移動側端枠)8と、両端枠7,8間にパンタグラフ機構6を前後両側から挟み且つ左右方向(伸縮方向)に略等間隔を置いて配置された複数個の縦枠9とを備えている。
【0019】
吊り元側端枠7は収縮させた扉体5を吊り元側支柱1に対して旋回収容できるように、吊り元側支柱1に対してヒンジ10を介して縦軸廻りに回動可能に装着されている。戸当たり側端枠8は把手12、施錠手段(図示省略)、キャスター車輪13、落とし棒14等を備えている。キャスター車輪13は扉体5を戸当たり側端枠8の位置で地面4上に移動可能に支持するためのもので、例えば戸当たり側端枠8の前後両側に配置されている。落とし棒14は扉体5上の戸当たり側端枠8を伸縮経路上の所定位置で移動不能にロックするためのもので、戸当たり側端枠8の前後一方側又は前後の略中央側に上下動自在に設けられ、下降したときに地面4の落とし孔15a,15bに係合するようになっている。
【0020】
各縦枠9は図1〜図4に示すように、パンタグラフ機構6を挟んでその前後に配置された一対の前後縦桟17,18と、パンタグラフ機構6の上下両側で前後縦桟17,18の上下両端を前後方向に連結する一対の連結材19,20とを備えている。前後縦桟17,18には上下方向の案内溝等の案内部17a,18aが相対向して設けられている。
【0021】
各端枠7,8は図7、図9に吊り元側端枠7を例示するように、縦枠9の前後縦桟17,18、連結材19,20等に対応する前後縦桟21,22、連結材等を有し、その前後縦桟21,22に左右両端の縦枠9の前後縦桟17,18が一体に設けられている。なお、左右両端の縦枠9は端枠7,8と別体に設けて、金具等で連結してもよい。
【0022】
複数個の縦枠9の内、左右方向の中間(例えば左右方向の略中央等)の縦枠9が区分縦枠23となっている。区分縦枠23は図1に示すように扉体5を吊り元側扉体27と移動端側扉体28とに区分するもので、この区分縦枠23の左右両側で吊り元側扉体27と移動端側扉体28とが別々に伸縮して開閉できるようになっている。
【0023】
区分縦枠23は図3、図9〜図11、図14、図15に示すように、前後縦桟17,18と、この前後縦桟17,18間の前後方向の略中央に配置された中間縦桟24とを有する。中間縦桟24は左右幅が前後縦桟17,18よりも小さい略断面H型であって、前後両側に前後縦桟17,18の案内部17a,18aと相対向する案内溝等の案内部24aを有する。なお、中間縦桟24の上下両端は、上下の連結材19,20に連結されている。
【0024】
区分縦枠23には図1、図2に示すように、キャスター車輪25と落とし棒26とが設けられている。キャスター車輪25は扉体5を区分縦枠23の位置で地面4上に移動可能に支持するためのものである。落とし棒26は扉体5上の区分縦枠23を伸縮経路上の所定位置で移動不能にロックするためのもので、区分縦枠23の前後一方側(例えば後側)に上下動自在に設けられ、下降したときに地面4の落とし孔29に係合するようになっている。
【0025】
パンタグラフ機構6は図1に示すように、左右方向に一定間隔で平行に配置された複数の右上がり傾斜リンク30と左上がり傾斜リンク31とを前後に備え、各傾斜リンク30,31は各縦枠9に対しては少なくとも上下方向の3箇所の交差部32〜34で交差し、隣り合う縦枠9間では夫々上下方向の2箇所の中間交差部35で交差している。なお、傾斜リンク30,31は角パイプ状のアルミ型材等により構成されている。
【0026】
縦枠9に対応する上下3箇所の交差部32〜34の内、その上下の中間の交差部33は図3に示すように、前後縦桟17,18間に支架された固定枢軸37により上下動不能に枢支され、また上下両側の交差部32,34は、図4に示すように可動枢軸38により縦枠9に対して上下動自在に枢支されている。隣り合う縦枠9間の中間交差部35では、図5、図6に示すように中間枢軸39,40により傾斜リンク30,31が枢支されている。
【0027】
区分縦枠23を除く縦枠9に対応する各交差部32〜34では、固定枢軸37は図3に示すように前後両端がリベット等の固定具41により前後縦桟17,18に固定されており、この固定枢軸37により、幅決め材42によって所定の間隔に規制された傾斜リンク30,31が枢支されている。また上下の可動枢軸38は、図4に示すように前後両端に套嵌された摺動体44を介して前後縦桟17,18により上下動自在に支持され、この可動枢軸38により、幅決め材45によって所定の間隔に規制された傾斜リンク30,31が枢支されている。摺動体44には扉体5を収縮させたときにも、隣り合う縦枠9同士が接触しないように、前後縦桟17,18の左右幅よりも大径の大径部44aが設けられている。
【0028】
中間枢軸39,40は図5、図6に示すように両端が各傾斜リンク30,31内に挿入され、その各傾斜リンク30,31の反対側の壁部にリベット等の固定具46,47により固定されている。中間枢軸39,40には傾斜リンク30,31間に幅決め材48,49が套嵌されているが、区分縦枠23の左右両側に隣接する中間枢軸40側の外径、即ち中間枢軸40上の幅決め材49は図6に示す通りであり、図5に示す他の箇所の中間枢軸39側の外径、即ち中間枢軸39上の幅決め材48の外径に比較して小径の細いものが使用されている。
【0029】
なお、図6に示す小径の幅決め材49に統一してもよい。幅決め材49に相当する部分を中間枢軸39,40の外周に一体に設けてもよい。また実施形態では、縦枠9間の上下2個の交差部35の全てにおいて中間枢軸39,40により各傾斜リンク30,31を枢着しているが、例えば上側の交差部35は吊り元側扉体27、移動端側扉体28の両端にのみ中間枢軸39,40を配置して、他の中間部分では枢軸を省略してもよい。
【0030】
各端枠7,8と一体の左右両端の縦枠9側の上下3箇所の交差部32〜34の内、その中間の交差部33では、図7に示すように前後縦桟17,18間に支架された固定枢軸37により傾斜リンク30,31が上下動不能に枢支され、また上下両側の交差部32,34では、図8に示すように可動枢軸38により1個の傾斜リンク30又は傾斜リンク31が縦枠9に対して上下動自在に枢支されている。
【0031】
区分縦枠23側の上下の中間の交差部33では、図9〜図12に示すように右上がり傾斜リンク30は吊り元側扉体27側の上部リンク52と移動端側扉体28側の下部リンク53とに分断され、左上がり傾斜リンク31は移動端側扉体28側の上部リンク54と吊り元側扉体27側の下部リンク55とに分断されている。前後の傾斜リンク30,31の上部リンク52,54、下部リンク53,55は、前後の傾斜リンク30,31間に配置された中間縦桟24の前後両側で区分縦枠23の固定枢軸37廻りに屈折可能に枢支されている。また区分縦枠23の上下両側の交差部32,34では、前後の傾斜リンク30,31は図14〜図17に示すように中間縦桟24の前後両側に配置された前後2個の可動枢軸38により別々に上下動自在に枢支されている。
【0032】
区分縦枠23側の固定枢軸37は、図9〜図12に示すように、中間縦桟24を前後に貫通して前後縦桟17,18間に支架され、前後縦桟17,18の外側から螺合するネジ等の固定具56により前後縦桟17,18に固定されている。前後の各傾斜リンク30,31の上部リンク52,54は継ぎ手57,59を、下部リンク53,55は継ぎ手58,60を夫々有し、扉体5の最大伸長時に各傾斜リンク30,31毎に略一直線状に連続するように、中間縦桟24の前後両側で固定枢軸37により各継ぎ手57〜60を介して前後別々に枢支されている。
【0033】
各継ぎ手57〜60は合成樹脂製であって、図9、図11〜図13に示すように、リンク52〜55に着脱自在に嵌着される角筒状の取り付け部61と、この取り付け部61の先端側に一体に設けられ且つ固定枢軸37が挿通された挿通部62とを有する。取り付け部61はリンク52〜55に挿入したときに左右壁部63がリンク52〜55の左右内側面に接触する左右幅を有し、この取り付け部61内には左右壁部63の前後方向の中間を左右に連結して取り付け部61を内側から補強する補強部64が設けられている。また取り付け部61の前後壁部65には、リンク52〜55内に挿入したときにその係合部67に内側から係脱自在に係合する係合爪68と、この係合爪68の左右両側に設けられ且つリンク52〜55内に挿入したときにリンク52〜55の前後内側面に接触する突条69とが設けられている。
【0034】
各継ぎ手57〜60の挿通部62は固定枢軸37上で前後に配置されており、その対向端面71が各リンク52〜55の前後方向の略中央で近接するように、各継ぎ手57〜60の挿通部62が取り付け部61に対して前後反対側に偏位している。従って、各継ぎ手57〜60には取り付け部61の先端側に相手側の挿通部62に対応して取り付け部61の前後幅の略半分程度の切り欠き部73があり、残りの略半分程度で挿通部62が取り付け部61に一体に連結されている。
【0035】
挿通部62はリンク52〜55の前後幅に略対応する対応部74と、この対応部74から対向端面71と反対側へと突出する突出部75とを有し、一方の継ぎ手57〜60の対応部74が他方の継ぎ手57〜60の各切り欠き部73に配置され、両者の対向端面71が摺動自在に接触している。各継ぎ手57〜60の対応部74の取り付け部61と反対側の外周面は略同一径で湾曲する円弧状に形成され、また切り欠き部73の取り付け部61側は挿通部62が相対回動可能な凹入状に形成されている。
【0036】
前後縦桟17,18側の継ぎ手57〜60の突出部75は前後縦桟17,18の案内部17a,18a内に嵌合しない大径であり、その突出端面が前後縦桟17,18に相対回動可能に当接又は近接する位置まで突出している。中間縦桟24側の継ぎ手57〜60の突出部75は、中間縦桟24内に相対回動可能に嵌合する小径の嵌合筒部75aと中間縦桟24の端面に当接又は近接する段部75bとが設けられている。
【0037】
区分縦枠23側の上下の交差部32,34では、図14〜図17に示すように前後の傾斜リンク30,31に対応して前後2個の可動枢軸38が別々に上下動自在に設けられている。各可動枢軸38は前後縦桟17,18の案内部17a,18aに摺動自在な摺動体44Aと、中間縦桟24の案内部24aに摺動自在な摺動体44Bとが前後両側に装着され、その摺動体44A,44B間に各傾斜リンク30,31の継ぎ手77,78が套嵌されている。摺動体44A,44Bは可動枢軸38の両端部にリベット等の固定具79により固定され、また前後縦桟17,18側の摺動体44Aには他の摺動体44と同様に大径部44aが設けられている。
【0038】
各継ぎ手77,78は合成樹脂製であって、傾斜リンク30,31に着脱自在に装着された取り付け部80と、この取り付け部80の先端側に一体に形成された挿通部81とを有する。挿通部81の取り付け部80と反対側の外周面は、摺動体44Aの大径部44aの半径よりも小さいのは勿論、傾斜リンク30,31の左右幅の略半分未満の小径で円弧状に湾曲する湾曲面81aに形成されており、吊り元側扉体27の最大伸長状態において、移動端側扉体28を最短状態まで収縮させたときにも、図18、図19に示すように吊り元側扉体27の傾斜リンク30,31の継ぎ手77,78、取り分けその挿通部81が移動端側扉体28の傾斜リンク30,31に接触しないように構成されている。
【0039】
取り付け部80は他の継ぎ手57〜60の取り付け部61と同様であって、取り付け部80を内側から補強する補強部64と、傾斜リンク30,31内に挿入したときにその係合部67に内側から係脱自在に係合する係合爪68と、この係合爪68の左右両側に設けられ且つ傾斜リンク30,31内に挿入したときに傾斜リンク30,31の前後の内面に接触する突条69とを有する。
【0040】
このような構成の伸縮式門扉では、扉体5を伸長させて出入り口3を閉じた状態において、図1に示すように区分縦枠23の落とし棒26を落とし孔29に落とし込んで区分縦枠23を移動不能にロックした後、その移動側端枠8を区分縦枠23側へとa矢示方向に移動させて行けば、図18に示すように吊り元側扉体27が伸長状態のままで移動端側扉体28を収縮させて出入り口3の一部を開けることができる。
【0041】
即ち、扉体5は区分縦枠23に対して上下中間の交差部32〜34で交差する各傾斜リンク30,31を固定枢軸37廻りに屈折可能な上部リンク52,54と下部リンク53,55とに分断し、且つ区分縦枠23上の各可動枢軸38を各傾斜リンク30,31毎に区分縦枠23に対して別々に上下動自在に設けているので、区分縦枠23の左右両側で移動端側扉体28と吊り元側扉体27とのパンタグラフ機構6が別々に伸縮可能である。そのため落とし棒26により区分縦枠23を地面4に移動不能にロックした後に、移動端側端枠8を区分縦枠23側へと移動させて行けば、移動側端枠8と区分縦枠23との間のパンタグラフ機構6が独自に収縮して、吊り元側扉体27に関係なく移動端側扉体28を収縮させることができる。
【0042】
この移動端側扉体28の収縮時には、移動端側扉体28のパンタグラフ機構6の収縮に伴って、上の交差部32で傾斜リンク30,31を区分縦枠23に枢着する可動枢軸38が上昇し、下の交差部34で傾斜リンク30,31を区分縦枠23に枢着する可動枢軸38が下降する。そして、移動端側扉体28が最短状態まで収縮したときに、図19に示すように中間枢軸40の外周の幅決め材49が区分縦枠23の中間縦桟24の側面に当接する。
【0043】
このように移動端側扉体28を収縮させたときに区分縦枠23に隣接する中間枢軸40上の幅決め材49が区分縦枠23の中間縦桟24に当接して最短状態になるが、その中間枢軸40上の幅決め材49を小径にすることによって、収縮時の各縦枠9相互間の隙間を小さくできるので、収縮時の折り畳み長さを極力短くすることができる。
【0044】
また移動端側扉体28の傾斜リンク31の上部リンク54が直立に近い状態まで起立し、これに対して吊り元側扉体27の傾斜リンク31が最大伸長状態まで倒れた状態にあるが、その継ぎ手78の挿通部81は取り付け部80と反対側が小径の湾曲面81aとなっているので、図19に示すように吊り元側扉体27側の挿通部81と移動端側扉体28側の上部リンク54との干渉を回避することができる。従って、移動端側扉体28を収縮させて折り畳んだときの長さを極力短くすることができる。なお、下側でも同様である。
【0045】
移動端側扉体28を収縮させた後は、移動側端枠8の落とし棒14を地面4の落とし孔15aに係合させてロックしてもよい。また落とし棒14,26を外して移動側端枠8を吊り元側へと移動させて行けば、図1(A)に二点鎖線で示すように扉体5全体を収縮させることもできる。
【0046】
この扉体5では、右上がり傾斜リンク30と左上がり傾斜リンク31とが縦枠9に対して上下方向の3箇所の交差部32〜34で交差するパンタグラフ機構6を備え、その上下方向の3箇所の交差部32〜34の内、上下の中間の交差部33を固定枢軸37で縦枠9に上下動不能に枢着し、上下両側の交差部32,34を可動枢軸38で縦枠9に上下動自在に枢着しているため、従来の上下二組のパンタグラフ機構6を備えたものに比較して扉体5の剛性が向上し、区分縦枠23を地面4側にロックして扉体5の移動端側を伸縮させて開閉する際にも、扉体5の区分縦枠23側での前後方向の揺れ、倒れを容易に防止することができる。
【0047】
扉体5の組み立てに際して、例えば継ぎ手57〜60を各リンク52〜55に装着する場合には、取り付け部61をリンク52〜55に挿入すれば、取り付け部61の前後の係合爪68がリンク52〜55の前後両側の係合部67に係合するため、リンク52〜55の端部に継ぎ手57〜60を容易に装着することができる。また取り付け部61にはリンク52〜55の左右方向の内面に接触する左右側壁部63間に補強部64があるので、扉体5の開閉時に各リンク52〜55に加わる外力に対しても十分に抗することができ、継ぎ手57〜60とリンク52〜55とのガタツキの発生等を防止できる。
【0048】
しかも、取り付け部61は突条69を介してリンク52〜55の前後方向の内面に接触するため、前後壁部65の全面がリンク52〜55の内面に接触する場合に比較して取り付け部61をリンク52〜55内に容易に挿入又は圧入することができる。更に取り付け部61内の前後方向の中間に補強部64があり、この補強部64と前後壁部65との間に空間があるため、係合爪68を容易に配置できると共に、係合爪68の変形量も容易に確保できる。
【0049】
上部リンク52,54と下部リンク53,55との継ぎ手57〜59は、相対向側に取り付け部61の略半分の切り欠き部73を有し、挿通部62の取り付け部61と反対側の外周を円弧状に形成し、取り付け部61の切り欠き部73側を相手側の挿通部62が相対回動可能な凹入状に形成しているので、各傾斜リンク30,31の上部リンク52,54と下部リンク53,55とを前後方向の略同一位置に配置しながらも、上部リンク52,54と下部リンク53,55とを固定枢軸37廻りに屈折(相対回動)可能に枢着でき、扉体5を伸長させたときに各傾斜リンク30,31の上部リンク52,54と下部リンク53,55とを略一直線状に伸展させることができる。
【0050】
従って、区分縦枠23と交差する各傾斜リンク30,31を上部リンク52,54と下部リンク53,55とに分断して固定枢軸37により屈折可能に枢着して、扉体5の一部である移動端側扉体28を吊り元側扉体27とは別に開閉できるようにしているにも拘わらず、扉体5の伸長時に傾斜リンク30,31の上部リンク52,54と下部リンク53,55とが屈曲状態になる等によって、扉体5の区分縦枠23周辺部分の見栄えが損なわれるようなこともない。
【0051】
また各継ぎ手57〜59の挿通部62には、リンク52〜55から前後縦桟17,18、中間縦桟24側に突出する突出部75を設けているので、一方の切り欠き部73に他方の挿通部62の一部を配置しているにも拘わらず、各継ぎ手57〜59に前後方向に長い挿通部62を設けることができ、固定枢軸37に対する上部リンク52,54、下部リンク53,55の前後方向の倒れを極力防止でき、区分縦枠23の近傍での前後方向の剛性を容易に確保できる。更に中間縦桟24側の突出部75には嵌合筒部75aがあり、その嵌合筒部75aが中間縦桟24の案内部24a内に嵌合しているので、中間縦桟24の案内部24aの前後幅を有効に利用でき、中間縦桟24側の吊り元の挿通部62の前後方向の長さを最大限に確保することができる。
【0052】
図20は本発明の第2の実施形態を例示する。中間縦桟24は前後縦桟17,18の左右幅と略同一幅の断面略H状であり、この中間縦桟24の前後両側には前後縦桟17,18の案内部17a,18aと略同形状の案内部24aが形成されている。中間の交差部33の固定枢軸37に套嵌された継ぎ手57の挿通部62は、前後縦桟17,18の案内部17a,18aを経て各前後縦桟17,18内に嵌合する嵌合筒部62aを備えている。なお、上下の可動枢軸38上の摺動体44A,44Bも、中間縦桟24の案内部24aに対応した形状とする。
【0053】
このように中間縦桟24は前後縦桟17,18と略同一幅に構成してもよい。また中間縦桟24の左右幅が大になれば、継ぎ手58,60の挿通部62に中間縦桟24内に嵌合する嵌合筒部62aを設けるに際しても、その嵌合筒部62aを大径にできるので、嵌合筒部62aが小径の場合に比較して下部リンク53,55の前後方向への傾斜を小さく抑えることができる。継ぎ手57,59の挿通部62に前後縦桟17,18内に嵌合する嵌合筒部62aを設けた場合には挿通部62の長さを更に長くできるので、上部リンク52,54の前後方向への傾斜を小さく抑えることができる。
【0054】
図21は本発明の第3の実施形態を例示する。扉体5の複数個の縦枠9の内、中間の特定の縦枠9を区分縦枠23とし、この区分縦枠23よりも吊り元側にあり、且つ区分縦枠23に最も近い縦枠9aに落とし棒26を設けている。
【0055】
移動端側扉体28を単独で開閉できるようにするためには、落とし棒26等の適宜ロック手段を利用して区分縦枠23を地面4等の固定側に移動不能にロックする必要がある。この場合に吊り元側扉体27の区分縦枠23に近い縦枠9aに落とし棒26を設けても、吊り元側扉体27のパンタグラフ機構6を介して区分縦枠23をロックすることができる。従って、区分縦枠23自体に落とし棒26を設ける必要はなく、移動端側扉体28以外の吊り元側扉体27の縦枠9であって、吊り元側支柱1に最も近い縦枠9を除く何れかの縦枠9aに落とし棒26を設ければよい。
【0056】
図22は本発明の第4の実施形態を例示する。この扉体5は必要に応じて左扉体5aと右扉体5bとの何れでも開閉できるようになっている。扉体5は区分縦枠23を間にして左扉体5aと右扉体5bとに分かれている。扉体5の両端の端枠8a,8bは、施錠手段、把手12a,12b、キャスター車輪13a,13b、落とし棒14a,14b等を有し、出入り口3の両側の支柱1a,1bに施錠可能である。区分縦枠23、固定枢軸37及び可動枢軸38を含むその他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0057】
この実施形態では、区分縦枠23を地面4に落とし棒26でロックすれば、必要に応じて左扉体5aと右扉体5bとの何れをも開閉できるし、区分縦枠23のロックを解除すれば、左扉体5aと右扉体5bとを含む扉体5を左右の支柱1a,1bの何れ側へも開閉することができる。
【0058】
図23は本発明の第5の実施形態を例示する。この扉体5は、傾斜リンク30,31が上下方向の4箇所の交差部32〜34で縦枠9に対して交差するパンタグラフ機構6が採用されている。区分縦枠23側の上下4箇所の交差部32〜35の内、上下両端の交差部32,35は第1の実施形態と同様に構成されている。中間の下側の交差部34は第1の実施形態と同様に構成され、前後の傾斜リンク30,31が上部リンク52a,54aと下部リンク53a,55aとに分断されている。中間の上側の交差部33では、前後の傾斜リンク30,31が上部リンク52b,55bと下部リンク53b,55bとに分断され、その上部リンク52b,54bと下部リンク53b,55bが区分縦枠23に沿って別々に上下動可能な前後の可動枢軸38により屈折自在に枢着されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0059】
このように傾斜リンク30,31が上下方向の4箇所で縦枠9と交差するパンタグラフ機構6を使用して扉体5を構成することも可能である。従って、上下方向の3箇所以上で傾斜リンク30,31と縦枠9とが交差するものであればよい。
【0060】
その場合、中間の各交差部32,34で区分縦枠23と交差する各傾斜リンク30,31を上部リンク52a,54a,52b,54bと下部リンク53a,55a,53b,55bとに分断すると共に、その中間の1箇所の交差部34で固定枢軸37により上部リンク52a,54aと下部リンク53a,55aとを屈折可能に枢着し、中間の他の交差部33を別々に上下動自在な前後2個の可動枢軸38により上部リンク52b,54bと下部リンク53b,55bとを屈折可能に枢着すればよい。
【0061】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施形態では、扉体5を区分縦枠23により移動端側扉体28と吊り元側扉体27との二つに区分しているが、左右方向に多数配置される縦枠9の内、間に複数個の縦枠9、例えば縦枠9上の交差部32〜34の数と同数又はそれ以上の数の縦枠9を挟んで複数個の区分縦枠23を配置して扉体5を少なくとも3区分に区分し、移動端側から第1区分目、第1区分目及び第2区分目等と異なる複数の区分に分けて扉体5を開閉できるようにしてもよい。
【0062】
縦枠9を構成する前後縦桟17,18、区分縦枠23の中間縦桟24、傾斜リンク30,31、継ぎ手57〜60,77,78等の各部材の形状、構造は任意に変更可能である。また縦枠9の数は扉体5の長さに応じて適宜変更可能であるが、区分縦枠23の片側に、上下両端の交差部32〜34間に跨がって傾斜リンク30,31がX状に少なくとも1組配置されるか、縦枠9上の交差部32〜34の数と同数又はそれ以上の数の縦枠9が配置されるようにすることが望ましい。傾斜リンク30,31の縦枠9に対する交差部32〜34の数は3箇所以上であればよい。幅決め材はパイプ状のものが適当である。
【符号の説明】
【0063】
6 パンタグラフ機構
9 縦枠
17,18 前後縦桟
23 区分縦枠
24 中間縦桟
30 右上がり傾斜リンク
31 左上がり傾斜リンク
32〜34 交差部
37 固定枢軸
38 可動枢軸
40 中間枢軸
52,54 上部リンク
53,55 下部リンク
57〜60 継ぎ手
61 取り付け部
62 挿通部
73 切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に略等間隔を置いて配置された複数個の縦枠(9)と、該各縦枠(9)に少なくとも上下方向の3箇所の交差部(32〜34)で交差する右上がり傾斜リンク(30)と左上がり傾斜リンク(31)とを組み合わせて左右方向に伸縮自在に構成されたパンタグラフ機構(6)と、該パンタグラフ機構(6)の前記少なくとも上下方向の3箇所の交差部(32〜34)の内、1箇所の交差部(32〜34)を前記縦枠(9)に上下動不能に枢着する固定枢軸(37)と、他の各交差部(32〜34)を前記縦枠(9)に上下動可能に枢着する可動枢軸(38)とを含む扉体(5)を備え、前記複数個の縦枠(9)の内の中間の縦枠(9)を区分縦枠(23)とし、該区分縦枠(23)に対して前記中間の交差部(33)で交差する前記各傾斜リンク(30,31)を前記枢軸(37)廻りに屈折可能な上部リンク(52,54)と下部リンク(53,55)とに分断し、前記他の各交差部(32,34)の前記可動枢軸(38)を前記区分縦枠(23)に対して前記各傾斜リンク(30,31)毎に別々に上下動自在に設け、前記上部リンク(52,54)と前記下部リンク(53,55)との各対向端側に、前記枢軸(37)用の挿通部(62)を相手側に対して前後方向の反対側に突出させて設けたことを特徴とする伸縮式門扉。
【請求項2】
左右方向に略等間隔を置いて配置された複数個の縦枠(9)と、該各縦枠(9)に上下方向の3箇所の交差部(32〜34)で交差する右上がり傾斜リンク(30)と左上がり傾斜リンク(31)とを組み合わせて左右方向に伸縮自在に構成されたパンタグラフ機構(6)と、該パンタグラフ機構(6)の前記3箇所の交差部(32〜34)の内、中間の交差部(33)を前記縦枠(9)に上下動不能に枢着する固定枢軸(37)と、上下の各交差部(32,34)を前記縦枠(9)に上下動可能に枢着する可動枢軸(38)とを含む扉体(5)を備え、前記複数個の縦枠(9)の内の中間の縦枠(9)を区分縦枠(23)とし、該区分縦枠(23)に対して前記中間の交差部(33)で交差する前記各傾斜リンク(30,31)を前記固定枢軸(37)廻りに屈折可能な上部リンク(52,54)と下部リンク(53,55)とに分断し、前記上下の各交差部(32,34)の前記可動枢軸(38)を前記区分縦枠(23)に対して前記各傾斜リンク(30,31)毎に別々に上下動自在に設け、前記上部リンク(52,54)と前記下部リンク(53,55)との各対向端側に、前記固定枢軸(37)用の挿通部(62)を相手側に対して前後方向の反対側に突出させて設けたことを特徴とする伸縮式門扉。
【請求項3】
前記各縦枠(9)は前記パンタグラフ機構(6)の前後両側に配置された前後縦桟(17,18)を有し、前記区分縦枠(23)は前記前後縦桟(17,18)に対応して前記右上がり傾斜リンク(30)と前記左上がり傾斜リンク(31)との間に配置された中間縦桟(24)を有し、前記区分縦枠(23)上の前記可動枢軸(38)を前記中間縦桟(24)と前記前後縦桟(17,18)との間に上下動自在に設け、前記中間縦桟(24)を前後に貫通する固定枢軸(37)を前記前後縦桟(17,18)間に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮式門扉。
【請求項4】
前記上部リンク(52,54)と前記下部リンク(53,55)との先端部に継ぎ手(57〜60)を備え、該各継ぎ手(57〜60)は前記各リンク(52〜55)に嵌合する取り付け部(61)と、該取り付け部(61)の先端側に一体に設けられた前記挿通部(62)とを有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の伸縮式門扉。
【請求項5】
前記各継ぎ手(57〜60)は相手側の前記挿通部(62)に対応して前記取り付け部(61)の略半分の切り欠き部(73)を有し、前記挿通部(62)の前記取り付け部(61)と反対側の外周面を円弧状に形成し、前記取り付け部(61)の前記切り欠き部(73)側を相手側の前記挿通部(62)が相対回動可能な凹入状に形成したことを特徴とする請求項4に記載の伸縮式門扉。
【請求項6】
前記前後縦桟(17,18)側の前記継ぎ手(57,59)の前記挿通部(62)はその突出端面が前記前後縦桟(17,18)に相対回動可能に当接又は近接し、前記中間縦桟(24)側の前記継ぎ手(57〜60)の前記挿通部(62)は前記中間縦桟(24)内に相対回動可能に嵌合する嵌合筒部(75a)を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の伸縮式門扉。
【請求項7】
前記中間縦桟(24)の左右幅を前記前後縦桟(17,18)の左右幅よりも小さくし、前記パンタグラフ機構(6)を収縮させたときに、前記区分縦枠(23)と該区分縦枠(23)に隣り合う収縮側の前記縦枠(9)との中間で前記両傾斜リンク(30,31)を枢着する中間枢軸(40)の外周が前記中間縦桟(24)に当接するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の伸縮式門扉。
【請求項8】
前記中間縦桟(24)に当接する前記中間枢軸(40)の外径を他の中間枢軸(39)よりも細くしたことを特徴とする請求項7に記載の伸縮式門扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−197554(P2012−197554A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60498(P2011−60498)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000230984)日本工機株式会社 (36)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】