説明

伸縮性経編地およびその製造方法

【課題】伸縮性に優れるとともに、着用快適性の良好なインナーウェアやスポーツウェアなどに好適な伸縮性経編地とその製造方法を提供する。
【解決手段】伸縮糸および非伸縮糸から編成される伸縮性経編地であって、該生地が無緊張状態のときに、周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域を有し、該島領域は、編地経方向に、編地長さ1cmあたりの同一伸縮糸の編込み長が、前記海領域のそれと5%以上300%以下の差を有して編成された編糸4を含んで構成されている領域であるとともに、伸縮糸と非伸縮糸とを用いて伸縮性経編地を編成するに際して、個々の該伸縮糸の巻糸体から、直接解舒されるように構成し、かつ、該解舒された伸縮糸を、各伸縮糸ごとに糸張力調整装置2に通過させて、該伸縮糸の長さ方向に編成張力を変動させて編成し、伸縮糸による緊縮力が周囲の海領域と相違して編成される緊縮領域を島状に形成しつつ編成する伸縮性経編地の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性経編地およびその製造方法に関する。
【0002】
特に、ランジェリー、ファンデーション等のインナーウェアや、アクティブウェア、レオタード等のスポーツウェアに好適に使用される伸縮性経編地とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ランジェリー、ファンデーション等のインナーウェアや、アクティブウェア、レオタード等のスポーツウェアには、ポリウレタン弾性糸等の伸縮糸を編み込むことにより伸縮性を付与した伸縮性布帛が用いられている。この伸縮性布帛としては、経編地、丸編地等の編地が一般に用いられている。
【0004】
伸縮性経編地は、通常、トリコット編機やラッシェル編機が用いられて、ナイロン糸、ポリエステル糸、綿糸等の非伸縮糸と、ポリウレタン弾性繊維糸やポリエステル複合加工糸や捲縮加工糸等の伸縮糸と交編される。
【0005】
また、近年、特にガードルやショーツなどのウェアは、大腿部や臀部下部等の緊迫力を部分的に高めて、着用中の裾部の反り返りや身体へのフィット感を高めたり、縫製部の違和感を軽減させるべくシームレス化が追求され、そのため、素材として用いられる伸縮性経編地においては一枚の布帛の中にパワーの強い部分と弱い部分を形成したり、柄による外観変化等、複雑なものが求められている(特許文献1)。
【0006】
生地の部分的にパワーを変える方法としては、パワーを強くする部分の伸縮糸の繊度を太くするかあるいは本数を増やす方法が用いられている。経編機の構造から使用される糸は前工程において多糸条にしてビームに揃えて巻き取られ、そのビームをシャフトに刺し、経編機に装着しシャフトを駆動することにより、ビームに巻かれた多糸条の糸が同時に解舒され経編機の筬に給糸される。
【0007】
そのため、反物の幅方向においてパワーの強い領域を部分的に作る場合は、その部分に給糸される伸縮糸の繊度を太くする、すなわち、前工程たる整経工程において、ビームのしかるべき位置に太い繊度の伸縮糸が巻かれるように段取りする。あるいは、繊度の太い伸縮糸だけを別のビームに必要な本数だけ巻き取り、該ビームを別のシャフトに刺して経編機の別の駆動軸として給糸する方法がとられている。
【0008】
しかしながら、この方法では生地の幅方向に対してパワーを部分的に変化させる、いわゆるストライブ状のパワー変化は可能であるが、生地の長手方向に対してパワーを部分的に変化させることはできない。
【0009】
要するに、生地の長手方向に対してパワーを部分的に変化させるためには、編成中に伸縮糸の編成張力を一時的に変化させるか、あるいは、途中で繊度や伸縮特性の違う伸縮糸と繋ぎ変える必要がある。後者は、量産工程で実施することは効率の点で実現性は極めて低い。前者については、まず伸縮糸の編成張力を調整する機構が必要であるが、従来の方法では全ての糸条の張力が均一になること、また、常に均一になることが目的とされ、一時的に張力を変化させることや特定の位置の糸条の張力だけを変化させることはできない。
【0010】
そのため、生地の長手方向に対して、任意に部分的にパワーを変化させることは不可能であり、生地の反物の中で所望の位置に島状にパワーを変化さぜることは不可能であった。
【特許文献1】特開2000−303209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述のような点に鑑み、伸縮性に優れるとともに、着用快適性の良好なインナーウェアやスポーツウェアなどに好適な伸縮性経編地とその製造方法を提供すること、さらに、該伸縮性編地を用いてなる伸縮性に優れるとともに、着用快適性の良好なインナーウェアやスポーツウェアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成する本発明の伸縮性経編地は、以下の(1)の構成を有する。
(1)伸縮糸および非伸縮糸から編成される伸縮性経編地であって、該生地が無緊張状態のときに、周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域を有し、該島領域は、編地経方向に、編地長さ1cmあたりの同一伸縮糸の編込み長が、前記海領域のそれと5%以上300%以下の差を有して編成された編糸を含んで構成されている領域であるとともに、該経編地長さ200cmにおいて少なくとも1個存在することを特徴とする伸縮性経編地。
【0013】
また、かかる本発明の伸縮性経編地において、より好ましくは、下記(2)〜(3)のいずれかの具体的構成を有するものである。
(2)周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の面積が、1cm2 以上であることを特徴とする請求項1記載の伸縮性経編地。
(3)前記面積が1cm2 以上である島領域が、編地面積中1〜400島/m2 存在することを特徴とする請求項2記載の伸縮性経編地。
【0014】
また、上述した目的を達成する本発明の伸縮性経編地の製造方法は、以下の(4)の構成からなる。
(4)伸縮糸と非伸縮糸とを用いて伸縮性経編地を編成するに際して、該伸縮糸を経糸ビームに形成することなく、個々の該伸縮糸の巻糸体から、直接、該巻糸体の軸方向に糸取りがされ解舒されるように構成し、かつ、該解舒された伸縮糸を、各伸縮糸ごとに糸張力調整装置に通過させて、該伸縮糸の長さ方向に編成張力を変動させて編成し、伸縮糸による緊縮力が周囲の海領域と相違して編成される緊縮領域を島状に形成しつつ編成することを特徴とする伸縮性経編地の製造方法。
【0015】
また、かかる伸縮性編地の製造方法において、より好ましくは、下記(5)の具体的構成を有するものである。
(5)前記該伸縮糸の長さ方向の編成張力を、少なくとも経方向編地長さ1cmを編成する間において、5%以上300%以下変動させて編成することを特徴とする上記(4)記載の伸縮性経編地の製造方法。
【0016】
また、上述した目的を達成する本発明のスポーツウェアあるいはインナーウェアは、以下の(6)〜(9)のいずれかの構成を有する。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の伸縮性経編地が使用されて形成されてなることを特徴とするスポーツウェア。
(7)周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の面積が1cm2 以上であり、該島領域が、編地面積中1〜400島/m2 存在することを特徴とする上記(6)記載のスポーツウェア。
(8)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の伸縮性経編地が使用されて形成されてなることを特徴とするインナーウェア。
(9)周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の面積が1cm2 以上であり、該島領域が、編地面積中1〜400島/m2 存在することを特徴とする上記(6)記載のインナーウェア。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、伸縮性に優れるともに、着用快適性の良好なインナーウェアやスポーツウェアなどに好適な伸縮性経編地とその製造方法が提供される。
【0018】
また、該本発明の伸縮性経編地を用いて、伸縮性に優れるともに、着用快適性の良好なインナーウェアやスポーツウェアが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面などに基づいて、更に詳しく本発明について説明する。
【0020】
図1は、本発明にかかる伸縮性経編地の編成方法をモデル的に示した概要図である。
【0021】
図2は、本発明にかかる伸縮性経編地における周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の存在状態の1例を示した概略図である。
【0022】
本発明の伸縮性経編地は、伸縮糸および非伸縮糸から編成される伸縮性経編地であって、該生地が無緊張状態のときに、周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域を有し、該島領域は、編地経方向に、編地長さ1cmあたりの同一伸縮糸の編込み長が、前記海領域のそれと5%以上300%以下の差を有して編成された編糸を含んで構成されている領域であるとともに、該経編地長さ200cmにおいて少なくとも1個存在することを特徴とする。
【0023】
本発明において、無緊張状態とは、編地を24時間以上標準状態で、自由放縮させたときの状態をいう。
【0024】
本発明において、島領域とは、周囲の海領域と緊縮力が相違して存在する領域を言い、該編地を肉眼で観察した場合、丸や楕円あるいは三角形や四角形等の多角形状あるいは丸や楕円と多角形などが複合された輪郭形状を呈して、その周囲と編地性状が相違して観察できる部分をいう。
【0025】
また、島領域の面積は、該生地が無緊張状態のときに、編地を1cm四方ごとのマス目状に分割し、島領域の内側にあるマス目の数を数え(A)とする。次に、島領域の外周線を部分的に超えるマス目について、個々に島領域の外周線の内側に相当する部分を目分量にてひとマス目に対する比率を求め(例えば、1/2、1/3、2/3等)、各マス目の数にその比率を掛けた値を個々のマス目毎に求め、その値の和を(B)とし、(A)+(B)×1cm2 =島領域の面積とするものである。
【0026】
本発明において、「伸縮糸」とは、一般に伸縮する特質を有する糸のことをいい、いわゆるスパンデックス糸と呼ばれる糸などが該当し、市販の糸では、「ライクラ」(登録商標、オペロンテックス社製)などが該当する。
【0027】
また、本発明において、「非伸縮糸」とは、伸縮特性を有さない糸をいい、代表的には、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿糸などが該当する。
【0028】
本発明にかかる伸縮性経編地は、該生地が無緊張状態のときに、周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域を有し、該島領域は、編地経方向に、編地長さ1cmあたりの同一伸縮糸の編込み長が、前記海領域のそれと5%以上300%以下の差を有して編成された領域であるとともに、該経編地長さ200cm(編方向の長さ200cmの直線1本当たり)において少なくとも1個存在するものであり、図2に示したように、周囲の海領域9と、緊縮力が相違する島領域10を有してなり、これらの両領域が、本発明の編地11に、意匠効果やデザイン効果を与えるものである。
【0029】
島領域は、編地長さ1cmあたりの同一伸縮糸の編込み長が、該海領域のそれと5%以上300%以下の差を有している。
【0030】
該同一伸縮糸の編込み長の差は、以下の数式によるものである。
編込み長の差(%)=(島領域中の編糸長さ/海領域中の編糸長さ)×100
【0031】
本発明の伸縮性経編地において、好ましくは、周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の面積が1cm2 以上であることである。島領域の面積は、意匠効果やデザイン効果の点から、1cm2 以上であることが好ましく、あまり大きいとそれら効果がわかりにくくなるので、3000cm2 以下程度とするのがよい。
【0032】
この島領域は、その領域外形線が少なくとも曲線を呈して形成されてなることが好ましく、直線の外形では得ることのできない、意匠効果やデザイン効果を奏することが自在にできるものである。
【0033】
具体的な島領域の形状は、図2に示したような、四角形状のものや、多角形、円、楕円、三日月、帯状など、適宜に採用することができるが、一般的には、水玉模様、ペーズリー模様、ドーナツ状模様等が好ましい。
【0034】
面積が1cm2 以上である島領域は、編地面積中1〜400島/1m2 存在することが好ましい。たとえば、ブラジャー用などの比較的小さなインナー類用途においては、200〜400島/m2 存在することが好ましく、また、ロングタイツ等などの比較的大きなウェアー類用途においては、1〜10島/m2 存在することが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0035】
前記伸縮糸と前記非伸縮糸の混用比率(重量比率)は、伸縮糸/非伸縮糸=10/90〜50/50であることが好ましく、より好ましくは、伸縮糸/非伸縮糸=20/80〜40/60である。
【0036】
本発明の伸縮性経編地は、以下の方法により製造することができる。
【0037】
すなわち、伸縮糸と非伸縮糸とを用いて伸縮性経編地を編成するに際して、該伸縮糸を経糸ビームに形成することなく、個々の該伸縮糸の巻糸体から、直接、該巻糸体の軸方向に糸取りがされ解舒されるように構成し、かつ、該解舒された伸縮糸を、各伸縮糸ごとに糸張力調整装置に通過させて、該伸縮糸の長さ方向に編成張力を変動させて編成し、伸縮糸による緊縮力が周囲の海領域と相違して編成される緊縮領域を島状に形成しつつ編成することを特徴とする伸縮性経編地の製造方法である。
【0038】
かかる方法において、より好ましくは、伸縮糸の長さ方向の編成張力を、少なくとも経方向編地長さ1cmを編成する間において、5%以上300%以下変動させて編成することである。
【0039】
この方法を図2に基づいて説明すると、1は伸縮糸の巻糸体、2は糸張力調整装置、3はガイド筬、4は編糸(伸縮糸)、5は編み針、6は編目、7はトリックプレート、8は糸の収束ガイドである。
【0040】
図2に示したように、伸縮糸は巻き糸体1からその軸方向に引き出す、いわゆるタテ取り方式にて引き出され、糸張力調整装置2によって編み込み時の張力を制御されながら編み針5で編目ループ6を形成して編地を編成していく。4は張力を制御されている伸縮糸の編糸であり、例えば、張力を大きくかけて編み込むと、伸縮糸により形成されるループは縮む力が強くなり、張力を小さくして編み込むと、同ループは縮む力が弱くなり、生地中で縮む力が強いところと縮む力が弱いところを、任意に編方向に形成する効果を持つ経編地を得ることができるのである。
【0041】
糸張力調整装置2による編み込み時の張力の制御は、明確に編み地中において、交編する伸縮糸の長さに差異が生ずるように、上述のように、少なくとも経方向編地長さ1cmを編成する間において、5%以上300%以下変動させて編成することであり、かつ、編み組織中で隣接する伸縮糸編糸は複数本を同様レベルで制御して、領域を形成するようにする。例えば、隣接して編成されていく20本〜700本は同一の制御を受けるように基本的に設計し、あとは、模様に応じて、所望のループ数を編み込んだ後、該模様の端部あるいは中央部などから徐々に糸張力を海領域の糸と同じレベルに戻していく。
【0042】
従来のビーム給糸方式にせずに、タテ取り方式にしているのは、張力に対応して自在に糸が解舒されていくことができるようにするためである。ビーム給糸方式の場合は、積極的にビームを回転させて、糸が送り出されるようにしなければならないので、本発明には適さないものである。
【0043】
なお、以上の説明において、「無緊張状態」とは、外力による付加がかからない状態をいい、編み地のときは、標準状態の温湿度環境下で少なくとも24時間以上放置した状態をいい、編み糸のときは、巻き糸体(ボビン)から糸をほどき標準状態の温湿度環境下で少なくとも24時間放置した状態のことをいう。
【0044】
また、同一伸縮糸の編み込み長を測定するときは、同一ウエール上の伸縮糸を編地より分解し、解いた分解糸を標準状態の温湿度環境下で24時間放置後に行うものである。
【実施例】
【0045】
図3に示した編組織で、本発明にかかる編地(実施例1)、本発明によらない編地(比較例1)を作成した。
【0046】
実施例1、比較例1
実施例1、比較例1ともに、以下のように、伸縮糸と非伸縮糸を編糸に用いて編成した
(1)筬1(非伸縮糸、地組織):ポリアミド糸、44dtex(東レ(株)製)
(2)筬2(伸縮糸、第1弾性糸):スパンデックス糸“ライクラ”(登録商標)T−127C、310dtex(オペロンテックス(株)製)
(3)筬3(伸縮糸、第2弾性糸): スパンデックス糸“ライクラ”(登録商標)T−127C、44dtex(オペロンテックス(株)製)
【0047】
編組織は、実施例1、比較例1ともに、筬1は23/21/12/10/12/21/、筬2は00/11/×3、筬3は00/11/00/33/22/33/とした。
【0048】
ランナーは、実施例1では、海部は総糸本数を3600本とし、島部を形成する糸本数を100本とした。
【0049】
筬1(非伸縮糸、地組織)は1100mm/R、筬2(伸縮糸、第1弾性糸)は島部が100mm/R、海部は140mm/R、筬3(伸縮糸、第2弾性糸)は300mm/Rとした。
【0050】
なお、島部は(650)コースを100mm/Rとした後、(650)コースを140mm/Rとなるようにリピート切替し編成した(参考:仕上げ生地では長さ10cmに相当するもの)。
【0051】
比較例1のランナーは、筬1(非伸縮糸、地組織)と筬3(伸縮糸、第2弾性糸)は、実施例1と同一とし、筬2(伸縮糸、第1弾性糸)は島部なし、海部は実施例1と同一とした。
【0052】
仕上がり密度は、実施例1では、海部がウェール55本/インチでコース150本/インチ、島部がウェール57本/インチでコース150本/インチだった。比較例1では、海部は実施例1同様であった(海部はなし)。
【0053】
緊縮力は、実施例1では海部が10CN、島部が30CN、比較例1では海部が9CN、島部なしであった。
【0054】
編込み長さの差は、実施例1では島部は海部に対し30%短く、比較例1では有意差はなかった。
【0055】
島領域の面積は、実施例1では、幅5cm×長さ10cm=50cm2 であった(比較例1はなし)。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明にかかる伸縮性経編地の編成方法をモデル的に示した概要図である。
【図2】図2は、本発明にかかる伸縮性経編地における周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の存在状態の1例を示した概略図である。
【図3】図3は、実施例1、比較例1で編成した編地の編組織図である。
【符号の説明】
【0057】
1 伸縮糸の巻糸体
2 糸張力調整装置
3 ガイド筬
4 編糸(伸縮糸)
5 編み針
6 編目
7 トリックプレート
8 糸の収束ガイド
9 周囲の海領域
10 緊縮力が相違する島領域
11 編地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮糸および非伸縮糸から編成される伸縮性経編地であって、該生地が無緊張状態のときに、周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域を有し、該島領域は、編地経方向に、編地長さ1cmあたりの同一伸縮糸の編込み長が、前記海領域のそれと5%以上300%以下の差を有して編成された編糸を含んで構成されている領域であるとともに、該経編地長さ200cmにおいて少なくとも1個存在することを特徴とする伸縮性経編地。
【請求項2】
周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の面積が、1cm2 以上であることを特徴とする請求項1記載の伸縮性経編地。
【請求項3】
前記面積が1cm2 以上である島領域が、編地面積中1〜400島/m2 存在することを特徴とする請求項2記載の伸縮性経編地。
【請求項4】
伸縮糸と非伸縮糸とを用いて伸縮性経編地を編成するに際して、該伸縮糸を経糸ビームに形成することなく、個々の該伸縮糸の巻糸体から、直接、該巻糸体の軸方向に糸取りがされ解舒されるように構成し、かつ、該解舒された伸縮糸を、各伸縮糸ごとに糸張力調整装置に通過させて、該伸縮糸の長さ方向に編成張力を変動させて編成し、伸縮糸による緊縮力が周囲の海領域と相違して編成される緊縮領域を島状に形成しつつ編成することを特徴とする伸縮性経編地の製造方法。
【請求項5】
前記該伸縮糸の長さ方向の編成張力を、少なくとも経方向編地長さ1cmを編成する間において、5%以上300%以下変動させて編成することを特徴とする請求項4記載の伸縮性経編地の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の伸縮性経編地が使用されて形成されてなることを特徴とするスポーツウェア。
【請求項7】
周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の面積が1cm2 以上であり、該島領域が、編地面積中1〜400島/1m2 存在することを特徴とする請求項6記載のスポーツウェア。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載の伸縮性経編地が使用されて形成されてなることを特徴とするインナーウェア。
【請求項9】
周囲の海領域と緊縮力が相違する島領域の面積が1cm2 以上であり、該島領域が、編地面積中1〜400島/1m2 存在することを特徴とする請求項6記載のインナーウェア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−74218(P2009−74218A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246848(P2007−246848)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(502179282)オペロンテックス株式会社 (100)
【Fターム(参考)】