説明

位相インクリメント又は周波数シフトの振幅画像を使ったSSFPの間に磁場マップを生成する方法及びシステム

【課題】化学シフトの影響をあまり受けないものであって、イメージングシーケンスに関わる磁場マップを生成する方法を提供すること。
【解決手段】SSFPのシーケンスの間に磁場マップを生成する磁気共鳴イメージングシステムにおいて、RFコイル15、16と傾斜磁場コイル14に対して関連回路を介して接続され、バランスSSFPのイメージングシーケンスを位相インクリメント又は周波数シフトとともに実行し、k空間上のSSFPデータセットを収集するプログラムされたコントローラ17、18と、補正されたSSFPデータを処理して、磁場マップを生成するものであって、k空間上のデータを画像に変換し、画像の振幅を分析することにより磁場マップを生成するデータプロセッサ19とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来の磁気共鳴イメージング(MRI)方法は、磁場と、撮影対象の被検体中の核スピンの空間的な位置との間の線形関係を活用している。この関係は、均一性のある磁石と線形性のある傾斜磁場コイルの組合せを使用することによって、実現される。この線形関係が崩れると、画像の歪みやアーチファクトが生じる。
【0002】
磁場の異常は規定値から磁場が外れることである。異常は、シーケンスに起因する静的である。静的な異常は、例えば静磁場を発生するのに使用される磁石による磁場不均一性に起因する。シーケンスに起因する異常は、例えば渦電流又はマクスウェルフィールドにより起こる。
【0003】
次の2つの対処法が磁場異常を補正するのに使用される。(i)特別なシミング用ハードウェアを用いて磁場を補正することにより、磁場均一性を最小化する。(ii)磁場異常の影響を補正するためにデータ収集後に画像を補正する。これらの対処法では、画像データが収集されたときの磁場の空間分布に関する正確な情報が必要とされる。
【0004】
従来では、磁場マップは、それ専用の磁場マッピングシーケンスを使って生成される。画像は異なるシーケンスを使って収集されるので、磁場マップはイメージングシーケンスに関わる磁場異常に関する情報を全く含まない。バランス定常自由歳差運動(SSFP)のシーケンスのような場合、イメージング用と同一のシーケンスを使って磁場マップを生成することが望ましい。
【0005】
さらに、磁場マップは画像の位相から得られる。当業者周知の通り、磁気共鳴(MR)信号の位相は静磁場以外の要因の影響を受ける。この要因としては典型的には化学シフトや高周波(RF)磁場である。例えば、水脂肪分離SSFPのために最近紹介されたシングル・クアドラチュア・ディクソン(SVD)法では、複数の磁場マップがエコー画像の位相で得られる。エコー信号の位相では、化学シフトと同様に磁場不均一性の影響を受けるので、磁場マップは、化学シフトの影響下にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、化学シフトの影響をあまり受けないものであって、イメージングシーケンスに関わる磁場マップを生成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
システムは、バランス定常自由歳差運動(SSFP)のシーケンスの間に磁場マップを生成するために開発された。磁場マップは、画像生成のための位相インクリメント又は周波数シフトを伴ってSSFPシーケンスの間に収集されたデータを使って生成される。このシステムは、振幅画像を画素ごとに分析することにより磁場マップを生成する。システムは、位相情報を必要としない。
【0008】
磁場マップは、位相インクリメント又は周波数シフトを伴うバランスSSFPのシーケンスで収集された振幅画像を分析することにより生成される。画素値は、データ収集の間に用いられる位相インクリメント又は周波数シフトの関数として調べられる。繰り返し期間(TR)の各時点の核スピンの歳差角は、最小が素強度を生じさせる高周波(RF)の位相インクリメント又は周波数シフトから画素毎に決定される。歳差角のマップは、磁場のマップを形成するために、折り返り除去される。
【0009】
この磁場マップは、静磁場の不均一性と、シーケンスに起因する磁場変化の影響とに関する情報を含んでいる。磁場マップを使って磁場を自動的に補正(シミング)を行って、静磁場不均一を補正し、またSSFPの間にシーケンスに起因する磁場異常を補正することができる。磁場マップを、水脂肪信号の分離処理のような後処理に用いて、磁場異常の影響を補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に示すように、磁気共鳴イメージング(MRI)システムは、典型的には、静磁場(B0)を発生する大きな磁石10と、直交3軸座標系に関して空間的に変化する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル14と、被検体の対象原子核に対してRF信号を送受信するRFコイル15、16とを有する。被検体13は、移動可能な天板12上に載置される。それにより被検体の撮影対象部位を、磁石10とコイル14、15、16の間の3次元の撮影空間11内で移動することができる。撮影空間11は、撮影視野FOVと称される。
【0011】
MRIデータを収集するために、MRIシステムは、ワークステーションコンピュータ24等のプログラマブルプロセッサ19の制御下にあるMRIパルスシーケンスコントローラ17、19を介して磁場傾斜とRF章動パルスを発生させる。さらに、プロセッサ19は、傾斜磁場アンプ20、RF発生回路21、RFアンプ回路22を制御する。MR信号回路(RF検出器)25は、シールドされたMRシステムガントリ内に配置されたRFコイル15、16を介してMR信号を受信する。受信されたMR RFエコー信号レスポンスは、デジタイザ23によりディジタル化され、プロセッサ19に供給される。プロセッサ19は、アレイプロセッサ又はそれと同様の画像処理部と、MR信号データの収集やその処理の制御、またコントロール端末24のディスプレイ上に画像を表示するための複数のプログラムが選択的に使用可能に書き込まれたコンピュータプログラム記憶媒体(図示しない)とを有する。MRシステムコントロール端末24は、適当なキーボード、タッチスクリーン、操作者が操作できる他の入力デバイスを有する。画像はフィルムに直接記録され、電気的に記憶され、または適当な媒体に印刷機で印刷される。
【0012】
図2は、リフォーカスされる定常自由歳差運動(SSFP)を伴う3次元(3D)磁気共鳴イメージングシーケンスを示している。高周波(RF)励起パルス30は、スキャン対象の被検体に印加される。RFパルス30は繰り返し時間(TR)で繰り返し印加される。RFエコー信号(S)は、データ収集(ADC)期間32に受信される。受信エコー信号は、エコー時間(TE)の後に生じる。傾斜磁場は、x,y,zの方向に印加される。スライス傾斜磁場(Gslice)はスライスを選択し、またスライスごとにエンコードをかける。また位相エンコード傾斜磁場(Gphase)は、選択されたスライス内の励起された原子核に対して空間的な位相エンコードをかける。リードアウト傾斜磁場(Greadout)はADC期間に印加され、受信エコー信号に周波数エンコードをかける。
【0013】
定常自由歳差運動(SSFP)は、完全に熱平衡状態に戻すことなく、歳差運動をする水素原子核からMRI信号を発生させるのに使われる技術である。SSFPシーケンスは、被検体内の水素原子核のスピン格子緩和時間(T1)とスピンスピン緩和時間(T2)より短い繰り返し時間(TR)で印加されるRF励起パルスと傾斜磁場パルスの系列を用いる。完全なリフォーカスSSFPシーケンスでは、傾斜磁場パルスは完全に釣り合いがとれている。例えば各TR期間の全傾斜磁場パルスの合計(傾斜磁場モーメント)は各傾斜磁場チャンネルに関してゼロである。
【0014】
SSFP間で磁場マップを生成する原理:
SSFPシーケンスのTR期間の間、核スピンは歳差運動をして、歳差角(φ)は磁場オフセットに応じて累積していく。
【数3】

【0015】
SSFP信号(S)の振幅は、このスピン歳差角に対応している。
【数4】

【0016】
SはSSFPシーケンスで発生する定常状態の信号である。ΔB0はシーケンスに起因する磁場異常のような静磁場不均一性を含んでいる磁場オフセットである。γは対象原子核の磁気回転比である。αはSSFPシーケンスで使われるフリップ角である。TRはSSFPシーケンスでの繰り返し時間である。T1は原子核スピンのスピン格子緩和時間であり、T2はスピンスピン緩和時間である。
【0017】
図3はバランスSSFPシーケンスで得られる定常状態にある横断磁場の振幅を平衡磁化に対する比率として表すグラフである。図3は、TR=10ms、α=55°、T1=500ms、T2=80msと仮定した場合のSSFP信号の理論上のスペクトルを示している。
【0018】
図3から明らかなように、SSFP信号はスピンの歳差角がゼロのとき、すなわちスピンの歳差周波数がMRIシステムのRF搬送波の周波数に一致するとき、最小値を示す。位相インクリメントSSFPシーケンスにおいて、RF励起パルスの位相は、あるTR期間から次の期間に対して、θi+1=θi+δにしたがって、増加される。θはRFパルスの位相を表し、δはRFパルスの位相増分を表している。この位相インクリメントスキームは、等価周波数オフセットを伴う周波数シフトの場合と同じ影響をSSFP信号上で及ぼす。
【数5】

【0019】
位相インクリメントSSFP信号は、スピン歳差角がRFパルスの位相インクリメントのそれに一致するとき最小値を示す。最小のRF信号が発生するRF位相インクリメントを発見することにより、画像の各画素に関する核スピンのスピン歳差角を決定することができる。
【0020】
SSFP信号のスペクトルが2π期間有するので、測定されたスピン歳差角は−πと+πとの間に折り返る。磁場オフセットは、測定されたスピン歳差角に関連する。
【数6】

【0021】
φmeasのマップの折り返りを除去することで、磁場マップ(ΔB0)が得られる。
【数7】

【0022】
図4は、位相インクリメント又は周波数シフトSSFP収集から、磁場マップを発生するための典型的な方法のフローチャートを示している。ステップ100において、SSFPの複数のスキャンは位相サイクリング又は周波数シフトとともに実行される。各スキャンは、スキャン間で所定の位相インクリメント値、または所定の周波数シフト値で実行される。スキャンは、完全に同じイメージングシーケンスで同じ被検体に対して行われる。
【0023】
位相インクリメントSSFP収集に関して、RFパルスの位相は、スキャンの繰り返しごとに増加される。位相の増分(ステップ101)は0〜2πの範囲をカバーするように次のようにスキャン毎に変化する。
【数8】

【0024】
なお、iは繰り返し番号(0〜M−1)である。jはスキャン番号(0〜N−1)である。Mはスキャンあたりの繰り返し総数、Nはスキャン総数である。
【0025】
周波数シフトSSFP収集に関して、RF搬送周波数はスキャンごとに次のように増加される(ステップ101)。
【数9】

【0026】
f0はオフセットのないRF搬送周波数である。fjは、スキャンjのRF搬送周波数である。Δfjは、スキャンjで使用されるRF周波数オフセットである。TRはSSFPの繰り返し時間である。
【0027】
単一のセットのスキャンを使って、磁場マッピング及びイメージングが行われる。代わりに、位相インクリメント又は周波数シフトが不均一のスキーム(non−uniform scheme)が、ステップ100で用いてもよい。このような不均一の体系において、k空間の中心のデータは他の部分のk空間データより高分解能で収集される。
【0028】
図5はこのような不均一の体系で収集されたk空間データの一例を示している。この例において、k空間の中心部分は、k空間の周辺部分の2倍の周波数でサンプルされる。磁場マッピングのために、中心部分では位相インクリメント又は周波数シフトのより多くのステップ数をカバーするのに用いられる。低い周波数で収集されるが空間分解能の高い全k空間データを使って画像を得る。このような不均一の体系により、磁場マップを得るのに、位相インクリメント又は周波数シフトのステップ数は増加するが、総スキャン時間はそれほど増加することない。位相インクリメント又は周波数シフトのステップ数を増加することにより、磁場マップの精度は向上する。
【0029】
このような不均一の収集の場合、ステップ102において、収集されたk空間データはイメージング用データと磁場マップ作成用データとに分類される。このステップは、同じデータがイメージング用データと磁場マップ作成用データとで使われる均一収集の場合にはスキップされる(飛ばされる)。
【0030】
ステップ103において、磁場マップ作成用データはk空間から画像空間に変換される。k空間データから画像データに変換するアルゴリズムは、従来通りであり、MRI分野の当業者であれば周知である。この変換のための正確なアルゴリズムは、k空間データを収集する方法に基づいて選択される。従前のフーリエ収集に関しては、高速フーリエ変換(FFT)がk空間データから画像データに変換するのに用いられる。
【0031】
ステップ104では、画素値がスキャン間で比較される。各画素の位置において、最小強度を示す画素のスキャン番号を、jminとする。ステップ105において、jminの左右隣の画素を次のように特定される。
【数10】

【0032】
隣り合う3点(Ileft,Jleft)、(Imin,Jmin)、(Iright,Jright)を、最小位置の精度を向上するために改良された2次関数に近似する。
【数11】

【0033】
は、3つの上述したペアの画素値であり、jは3つの上述したペアのスキャン番号である。Iは、最小の画素値であり、dは、そのスキャン番号である。スキャン番号(d)は整数ある必要はない。
【0034】
スキャン番号(d)を使って、位相インクリメントを決定し、最小画素値を発生させる。
【数12】

【0035】
ステップ106において、ステップ104、105が、全画素について繰り返され、最小画素値が得られる期間のスピン歳差角を画素ごとに表す歳差角マップが生成される。
【0036】
ステップ107では、歳差角マップの折り返しが除去され、磁場マップが生成される。
【数13】

【0037】
ΔBは、磁場オフセットマップである。unwrap{}は、米国特許5,909,119のような位相の折り返しを除去する処理を表している。γは画像対象の原子核の磁気回転比を表している。TRはSSFPシーケンスの繰り返し時間である。
【0038】
ステップ107において、水と脂肪とがともに最終画像に寄与する場合、磁場マップは、折り返り除去後の水信号と脂肪信号との間で歳差角の差が2πになるように調整された歳差角マップから生成される。
【数14】

【0039】
Δfwater−fatは、水の核スピンと脂肪の核スピンとの間の共鳴周波数の差を表している。
【0040】
磁場マップ(ΔB)は、実際にSSFPイメージングシーケンスを実行している最中の真の磁場を表している。このマップは、MRIシステムのシミング装置を設定するのに用いられ、磁場マップに反映されている磁場異常が補正される。磁場マップに従ってシミングシステムを設定するその手法は従来周知の通りである。磁場マップを使ってMRIシステムをシミングする技術はその一例がKimらによって「Journal of Magnetic Resonance in Medicine (MRM) 48号(2002発行)の:715-722頁“Regularized Higher Order in Vivo Shimming”」に記載されている。
【0041】
磁場マップは、SSFPイメージングにおいて水信号と脂肪信号との分離にも用いられる。図6には、水脂肪分離を伴う位相インクリメント又は周波数シフト型SSFPデータの収集と処理の工程に関するフローチャートを示している。ステップ200において、位相インクリメント又は周波数シフトSSFPデータは、磁場マップ作成のために上述の通り収集される。このシーケンスのTR,TEは次の通りである。
【数15】

【0042】
データ収集の不均一な手法が、磁場マップ作成のための位相インクリメント又は周波数シフトのステップ数を増加するために用いられる。ステップ201において、収集されたk空間データは磁場マップ作成用のデータセットと水脂肪イメージング用のデータセットとに分類される。ステップ202において、振幅SSFP画像を使って磁場マップを作成する上述の方法が実行され、イメージングシーケンスの期間の磁場マップが得られる。
【0043】
ステップ203において、複数スキャンのイメージングデータセットは結合され、エコー信号に個々に分離される。
【数16】

【0044】
なお、i=(−1)1/2、jはスキャン番号、Nはデータセットのスキャン総数、S、S−1は独特なエコー系列経路を経たエコー信号である。
【0045】
ステップ204において、S、S−1は処理され、k空間データから画像空間に変換され、I、I−1が生成される。
【0046】
ステップ205において、分離画像データはステップ202の磁場マップを使って次のように位相補正される。
【数17】

【0047】
ステップ206において、水画像と脂肪画像が次のように発生される。
【数18】

【0048】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】MRIシステムの概略図。
【図2】バランスSSFPをイメージングシーケンスを示す図。
【図3】バランスSSFPシーケンスで収集された歳差角の関数としての定常状態での横磁化の振幅に関する理論上のスペクトルのグラフを示す図。
【図4】位相インクリメント又は周波数シフトされたSSFPデータを収集し、磁場マップを生成するための手順を示すフローチャート。
【図5】イメージングのためのデータと磁場マップ生成のためのデータとに分類された不均一サンプルのk空間データの概略図。
【図6】水脂肪分離のための位相インクリメント又は周波数シフトされたSSFPデータを収集し、処理するための手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0050】
10…磁石、14…傾斜磁場コイル、15、16…RFコイル、13…被検体、12…天板、11…撮影空間、17、18…MRIパルスシーケンスコントローラ、19…プログラマブルプロセッサ、20…傾斜磁場アンプ、21…RF発生回路、22…RFアンプ回路、23…デジタイザ、24…ワークステーションコンピュータ、25…MR信号回路(RF検出器)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バランス定常自由歳差運動(balanced SSFP:steady−state free precesion)のシーケンスの間に磁場マップを生成する方法において、
MRIスキャナの撮像領域内に被検体を配置し、
位相インクリメント又は周波数シフトを伴って前記バランスSSFPのイメージングシーケンスを実行して、SSFPのk空間データセットを収集し、
前記k空間データセットを複数の振幅画像に変換し、
前記振幅画像を分析して前記磁場マップを生成する方法。
【請求項2】
前記バランスSSFPのイメージングシーケンスを実行するステップでは、位相インクリメント又は周波数シフトが0乃至2πの範囲で変化する前記バランスSSFPのスキャンを繰り返す請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記振幅画像を分析するステップでは、前記振幅画像の画素値をスキャン間で分析し、最小強度を示す各画素について位相インクリメント又は周波数シフトの値を特定する請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記磁場マップを生成するステップでは、最小強度を示す複数画素に対する3点の2次関数近似を用いてスピン歳差角のマップを発生する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記磁場マップを生成するステップでは、歳差角のマップの重なりを解放する請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記バランスSSFPのイメージングシーケンスを実行するステップでは、前記k空間の中央部分が他の部分よりも高頻度になる前記k空間データを収集する請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記他の部分は、全k空間である請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記収集されたk空間データは、磁場マップ用データとイメージング用データとに分類される請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記磁場マップ用データは、前記k空間の中央部分を占め、比較的多くの位相インクリメント又は周波数シフトのステップ数を有し、
前記イメージング用データは、前記k空間の全域を占め、比較的少ない位相インクリメント又は周波数シフトのステップ数を有する請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記MRIスキャナ周囲の磁場に関する複数のマップを使って、前記磁場マップの磁場異常を補正する請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記MRIスキャナ周囲の磁場に関する複数のマップを使って、前記水細胞分離SSFP画像を生成する請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記位相インクリメント又は周波数シフトによるSSFPデータは、
【数1】

により収集され、
前記式において、TRはSSFPシーケンスの繰り返し時間、TEはエコー時間、Δfwater−fatは水と脂肪の間の核スピンの共鳴周波数の差である請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記収集したSSFPの信号セットを合成して、分離したエコー信号S、S−1を生成し、
前記エコー信号S、S−1をk空間から画像空間に変換して、分離画像I、I−1を生成し、
前記分離画像を位相補正し、
前記位相補正した分離画像を合成して、水SSFP画像と脂肪SSFP画像とを生成する請求項11記載の方法。
【請求項14】
バランス定常自由歳差運動(SSFP)のシーケンスの間に磁場マップを生成する磁気共鳴イメージング(MRI)システムにおいて、
RFコイルと傾斜磁場コイルに対して関連回路を介して接続され、バランスSSFPのイメージングシーケンスを位相インクリメント又は周波数シフトとともに実行し、k空間上のSSFPデータセットを収集するプログラムされたコントローラと、
前記補正されたSSFPデータを処理して、磁場マップを生成するものであって、前記k空間上のデータを画像に変換し、前記画像の振幅を分析することにより前記磁場マップを生成するデータプロセッサとを具備する磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項15】
前記データプロセッサは、前記振幅画像の画素値を分析し、最小強度を示す各画素について位相インクリメント又は周波数シフトの値を特定することにより、前記振幅を分析する請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記データプロセッサは、複数のスピン歳差角のマップを、最小強度を示す複数画素に対する3点の2次関数近似を用いて発生する請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記データプロセッサは、前記歳差角のマップの重なりを解放する請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記バランスSSFPのイメージングシーケンスは、前記k空間の中央部分がk空間全域よりも高頻度になるようにk空間データを収集する請求項14記載のシステム。
【請求項19】
前記データプロセッサは、前記収集されたk空間データを、磁場マップ用データとイメージング用データとに分類する請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記磁場マップ用データは、前記k空間の中央部分を占め、比較的多くの位相インクリメント又は周波数シフトのステップ数を有し、
前記イメージング用データは、前記k空間の全域を占め、比較的少ない位相インクリメント又は周波数シフトのステップ数を有する請求項18記載のシステム。
【請求項21】
前記データプロセッサは、前記MRIシステム周囲の磁場に関する複数のマップを使って、前記磁場マップの磁場異常を補正する請求項14記載のシステム。
【請求項22】
前記データプロセッサは、前記磁場マップを使って、前記水細胞分離SSFP画像を生成する請求項14記載のシステム。
【請求項23】
前記位相インクリメント又は周波数シフトによるSSFPデータは、
【数2】

により収集され、
前記式において、TRはSSFPシーケンスの繰り返し時間、TEはエコー時間、Δfwater−fatは水と脂肪の間の核スピンの共鳴周波数の差である請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記データプロセッサは、前記収集したSSFPの信号セットを合成して、分離したエコー信号S、S−1を生成し、
前記エコー信号S、S−1をk空間から画像空間に変換して、分離画像I、I−1を生成し、
前記分離エコー画像を位相補正し、
前記位相補正した分離画像を合成して、水SSFP画像と脂肪SSFP画像とを生成する請求項22記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−280930(P2006−280930A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−91445(P2006−91445)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(594131304)トーシバ アメリカ エムアールアイ インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】TOSHIBA AMERICA MRI, INC.
【Fターム(参考)】