位置を変えることができる容器の底部の構造
容器の底部は、支持面と、蝶番と、第1の壁と、第2の壁とを備える。第1の壁は、支持面から蝶番への第1の方向に傾いている。第2の壁は、蝶番から遠ざかる第2の方向に傾いている。第2の壁は、実質的に第1の壁を動かすことなく、蝶番に対して位置を変えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の底部の構造に関し、特に熱充填工程において容器内の真空圧力を低減するために蝶番に対して位置を変えることができる容器の底部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造者は、プラスチック容器のプラスチック物質のガラス転移温度に近い高温、約82℃で容器に製品を入れる熱充填工程を用い、その後に容器にキャップを被せる。容器と内容物が冷えると、内容物は縮む傾向があり、この体積変化により容器内に部分的な真空が作られる。これらの内部の体積及び気圧の変化に対応する手段が無いため、容器は歪み、及び/又は、潰れる傾向があった。例えば、円形容器は楕円になるか、又は、歪んで円形ではなくなる。他の形の容器も同様に歪む。容器の外観に悪影響を及ぼすだけでなく、歪みや変形により、容器は傾き、平面の上に置いた場合に不安定になる。
【0003】
熱充填工程による容器内の部分的な真空を解消するために、製造者は容器の保全性を保つ様々な異なる方法を用いてきた。一つの公知の方法として、垂直方向の真空パネルが容器の側壁に形成される。真空パネルは、容器の体積を減らす内部の真空に応じて内側に収縮して、内部の真空圧力を低減する。しかし、熱充填工程による真空圧力を十分に低減させるには、このような真空パネルを容器のかなりの部分に設ける必要があり、視覚的な要求に合わなくなる。
【0004】
内部の真空圧力を補償する他の公知の方法として、容器にパターン構造を形成するものがある。多くの形、カーブ及び曲がりのパターン構造を持つ容器の領域は、その領域におけるプラスチックの剛性を向上させる。しかし、熱充填工程にける体積変化に起因する容器の構造的保全性を保つためには、このようなパターン構造を容器のかなりの部分に設ける必要がある。パターン構造により容器のプラスチック量も増加し、これにより重量とコストが増加する。
【0005】
従来技術の問題点を解消する改良された容器が求められている。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、以前に知られておらず、示唆もされていない改良により従来技術とは異なる。
【0007】
本発明は、容器の底部、容器、及び、容器内の真空圧力の変化を補償する方法に関する。
【0008】
容器の底部は、支持面と、蝶番と、前記支持面から前記蝶番への第1の方向に傾いた第1の壁と、前記蝶番から遠ざかる第2の方向に傾いた第2の壁とを備え、前記第2の壁は、実質的に前記第1の壁を動かすことなく、前記蝶番に対して位置を変えることができる。
【0009】
容器は、容器内への開口を持つ上部と、前記上部の下に配置され、容器の内部を規定する容器本体と、前記上部とは反対側の容器の端において前記容器本体に隣接した底部とを備える。前記底部は、蝶番と、前記容器本体と前記蝶番の間に設けられ、前記容器の内側に傾いた第1の壁と、前記蝶番に隣接し、前記容器の内側から傾き、前記蝶番に対して位置を変えることができる第2の壁とを有する。
【0010】
容器内の真空圧力の変化を補償する方法は、容器に製品を熱充填する工程と、前記容器を密閉部材で密閉する工程と、前記熱充填された容器を冷却する工程と、底部の蝶番に隣接した前記底部の壁を前記蝶番に対して外側に延びた位置から内側に延びた位置に変化させ、前記容器の内部圧力を低減させる工程とを備え、位置を変化させる前に、前記容器を平面上に立たせる。
【0011】
更なる目的及び効果は、より良い実施例の構造及び機能と同様に、記載、図面、及び例を検討することで明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上記及び他の構成及び効果は、添付の図面に示されるように、以下の本発明のより良い実施例のより詳細な記述により明らかになるだろう。図面において、同じ参照番号は、同一、機能的に似ている、及び/又は、構造的に似ている構成要素を示す
【図1A】図1Aは、本発明に係る底部の構造を持つ容器の実施例を示す。
【図1B】図1Bは、本発明に係る底部の構造を持つ容器の実施例を示す。
【図1C】図1Cは、本発明に係る底部の構造を持つ容器の実施例を示す。
【図2】図2は、本発明に係る容器の実施例の断面図を示す。
【図3A】図3Aは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3B】図3Bは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3C】図3Cは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3D】図3Dは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3E】図3Eは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3F】図3Fは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3G】図3Gは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例について以下に詳細に述べる。実施例を示す上で、明確化のために特別な用語を用いた。しかし、本発明は、この選択された特別な用語に限定されるものではない。特定の実施例を示すが、これは説明するためである。当業者は、本発明の概念から離れることなく、他の構成を用い得ることが分かる。
【0014】
本発明は、熱充填工程の後に製品を冷やすことによる容器の内部真空圧力を低減させるために、蝶番に対して位置を変えることができる容器の底部の構造に関する。図1A−1Cは、本発明に係る底部の構造を持つ容器100の実施例を示す。まず、図1A−1Cを参照しながら、本発明を説明する。
【0015】
本発明の実施例において、容器100は、上部102、肩部104、容器本体106及び底部108を備える。容器100の上部102は、容器100内部への開口を持つ構造であり、密閉部(不図示)が取り付けられる。密閉部は、容器100内に熱充填された製品を密閉するのに用いる装置であり、上部102を通って容器100に空気が入るのを防ぐ。一つの実施例において、上部102は、捻って取り付けるキャップである密閉部が結合されるスレッド112を持つ。上部102のスレッド112にキャップを捻って取り付けることで、容器100が密閉される。他の実施例において、容器100を密閉するために、上部102に密閉プラグを取り付ける。当業者は、他の密閉部や密閉を用いることができる。
【0016】
容器100の肩部104は、容器本体106の頂上から上部102の底に延びる。一般的に、肩部104は、容器本体106から上部102の底に向かって狭くなる。肩部104は、デザインされた形でもよいし、容器100から省略してもよい。肩部104は、パターン、形状、及び他の公知の幾何学的形状を持つか、又は、実質的に滑らかでもよい。図示のように、肩部104の底の幅は、容器本体106の頂上の幅に対応し、肩部104上部102に近付くにつれて内側に曲がって狭くなる。肩部104は、上部102に届く前に外側に曲がり、肩部104が上部102に届くと内側に曲がる。肩部104は他の形状でもよいし、他のパターンを含んでもよい。
【0017】
容器100の容器本体106は、底部108から肩部104に及び、容器100の内部を規定する。容器本体106は上部102の下に配置されている。他の実施例において、もし肩部104が容器100から省略された場合、容器本体106は上部102まで延びる。容器本体106は、公知の非対称又は対称な形状、例えば、円筒状、正方形、長方形、又は、他の幾何学的形状である。他の例として、容器100の容器本体106は、パターン化された支持構造又は真空パネルを含む。パターン化された支持構造と真空パネルは、後段で詳細に説明するように、容器100の構造的保全性を供給するのを助ける。
【0018】
図示のように、容器本体106は、円筒状であり、助材114と多数の真空パネル116を有する。肋材114は、容器本体106上において窪んでいない部分に平行する窪んだ部分の配列である。真空パネル116は、肋材114よりも大きく窪んだ領域を持つ、実質的に平らな窪んだ部分である。代わりに、真空パネルは、握る領域を形成するように構成されていてもよい。他の真空パネルが知られている。本発明に係る容器は、異なるタイプの真空パネルを含む。肋材114は他のタイプ又は形状でもよく、肋材114と真空パネル116の容器本体106での位置を入れ替えてもよい。肋材114と真空パネル116は容器本体106から省略してもよく、他の位置に配置してもよい。
【0019】
図1Bに示すように、底部108は、支持面118、第1の壁120、蝶番122、第2の壁124、及びセクション126を有する。底部108の支持面118は、底部108を平面に垂直に置いた場合に、平面に接触する容器100の接触面である。支持面118が平面に接触して、平面が容器100の下になった場合、容器100は平面上に直立する。支持面118は、他の非対称又は対称な幾何学的形状に形成してもよい。
【0020】
容器100の第1の壁120は、容器本体106の底と蝶番122の間に位置する。第1の壁120は、支持面118から蝶番122の方向において、容器100の内部に向かって傾いている。第1の壁120の傾きは、曲線、直線、又は曲線部と直線部の組み合わせである。第1の壁120には、底部108、第1の壁120及び容器100の強度を増すために、肋材132が設けられている。一般的に、プラスチックで助材を形成すると、平坦又は滑らかな表面に比べて、助材の周りの領域でプラスチックの剛性が増す。従って、肋材132は底部108の構造の保全性を向上する。同様の理由により、肋材114は容器本体106を強化する。
【0021】
一つの実施例において、第1の壁120は肋材132の間に支持材130を持つ。図示のように、肋材132と支持材130は隣接している。支持材130は、支持面118から蝶番122に延びている。肋材132も支持面118から蝶番122に延びている。しかし、図示のように、肋材132は支持面118と蝶番122の間の直線をなぞり、支持材130は第1の壁120上に形成された2つの表面である。支持材130は、ある角度で交差する2つの実質的に平らな部分であり、支持面118と蝶番122の間の直線から外側に延びている。
【0022】
底部108の蝶番122は、第1の壁120と第2の壁124の接続部に位置する。後段で詳細に説明するように、容器100が熱充填及び密閉された後に、第2の壁124は蝶番122に対して位置が変わる。蝶番122は、支持面118から隔てられた円形リングである。しかし、蝶番122は他の対称又は非対象の形状でもよい。
【0023】
位置を変える前に、第2の壁124は蝶番122から遠ざかる方向に傾いている。この方向は容器100の内部から遠ざかる方向でもある。第2の壁124はセクション126の方向に傾いている。第2の壁124の傾きは、曲線、直線、又は曲線部と直線部の組み合わせである。図示のように、第2の壁124は、蝶番122からセクション126に直線的に傾いている。本実施の形態に係る第2の壁124は、蝶番122に対して第2の壁124の位置を変えるのを容易にする折り目128を持つ。折り目128は第2の壁124の位置を変える際に収縮する。
【0024】
セクション126は、第2の壁124の中央に位置し、容器100の内部に対して凹型、凸型又は平坦である。セクション126は、蝶番122に対して第2の壁124の位置を変える機械的装置に採用されている。この機械的装置は、第2の壁124の位置を変えるために、セクション126に力を与える。
【0025】
底部108の構造は、熱充填工程における容器100の内部の真空圧力を低減させるために採用されている。容器100が製品で熱充填され、キャップなどの密閉部で密閉された後、容器100内の製品は冷却される。製品の冷却により、容器100の内部の真空圧力は、製品の冷却及び収縮による製品の体積の低減により決まる。容器100の内部の真空圧力により、容器100は内側にへこむ傾向がある。
【0026】
容器100の内部の真空圧力を解消するために、第2の壁124は蝶番122に対して位置が変わる。図1Cには、蝶番122に対して位置が変わった後の第2の壁124に係る実施例が示されている。位置を変える際に、第2の壁124は、容器100から外側に延びた位置から容器100の内部に延びた位置まで移動する。
【0027】
第2の壁124の位置を変えることで、容器100の内部の体積が低減する。この体積の低減により、冷却した製品の体積の収縮による容器100の内部の真空圧力を低減することができる。低減する体積の量は、容器100の底部108における第2の壁124とセクション126に囲まれた領域の体積に関係する。体積の低減は、第2の壁124が外側に延びた図1Bに示す容器100と、第2の壁124が容器100の内部に延びた図1Cに示す容器100との間の内部の体積の差に関係する。
【0028】
第2の壁124とセクション126に囲まれた空間の体積は容器100の体積圧力の低減量を制御するのに用いられる。第2の壁124とセクション126に囲まれた空間の体積が大きいほど、内部圧力の低減が大きくなる。これは、容器100の肋材114の量を制御するのに用いられ、顧客と熱充填処理者の要望に合う真空パネル116のサイズに影響する。特に、本発明に係る底部を用いて圧力を変化させることにより、助材及び/又は真空パネルの数と大きさを低減させることができる。当業者は、第2の壁の位置を変えることによる体積の変化量を計算することができ、それにより容器のデザインを調整することができる。
【0029】
第1の壁120の剛性により、第2の壁124の位置が変わる間又は後において、第1の壁120の位置は変わらない。一つの実施例において、第1の壁120の強度により反転時における底部108の歪みが妨げられる。セクション126に力を加えて第2の壁124を反転させることで、容器100のプラスチック物質にストレスが発生する。容器100の歪みは、支持面118の折り畳み、底部108のプラスチックの歪み、又は容器100の他の歪みの原因となる。肋材132と支持材130を含む底部108の構造により、第1の壁120は十分な強度を持ち、支持面118だけでなく容器100と底部108の歪みを防ぐことができる。これにより、容器100と第1の壁120は反転時にプラスチックのストレスに絶えることができ、反転後に容器100を平面上に安定に立てることができる。
【0030】
第2の壁124の位置を変えることでは補償されない残りの真空を補償するために、容器100には真空パネル116と肋材114が設けられている。内部の真空圧力に応じて真空パネル116は内側に収縮して容器100の体積を更に低減させ、肋材114の強度は残りの真空圧力に耐えることができる。位置を変えることができる第2の壁124と共に真空パネル116と肋材114を用いることで、容器100内の真空を低減させる際容器100の構造的保全性は保たれる。位置を変えることができる第2の壁124により、容器製造者は、熱充填工程に起因する内部の真空圧力ストレスに対して、容器の形状又は容器の保全性を犠牲にすることなく、容器の真空パネルと肋材を減らすことができる。位置を変えることができる第2の壁124により、容器のプラスチック物質を減らすことができ、容器のコストを減らすことができ、より軽い容器を搬送することになり搬送コストも低減する。
【0031】
従来の方法に対して、容器100は、容器100を支持する構造を設けることなく、第2の壁124の位置を変える前に平面上に安定に立つことができる。図2は、第2の壁124の位置を変えるまえに平面Pに立っている本発明に係る容器の実施例の断面図を示す。位置を変えることができる第2の壁124を持つ容器100が平面状に安定に立つようにするため、セクション126と第2の壁124は、容器100から外側に向かって支持面118の向こうには延びず、容器100の支持面118は平面に接触することができる。一つの実施例において、セクション126の少なくとも一部は平面に接する。支持面118は容器及び熱充填された製品の負荷に耐えるようにデザインされた容器100の一部であり、平面に安定に立つことは有利である。セクション126が支持面118の向こう側に延びないようにすることで、容器100が倒れないように支持する構造を設けなくても、処理の前及び途中で容器100を立てておくことができる。これにより、容器を立てた状態で支持する構造を削除することができ、コストを削減することができる。容器100の底部108により、熱充填工程による内部の真空圧力を低減させることができ、容器を処理する機械の間を搬送するための平面に容器を安定に立てておくことができる。
【0032】
図3A−3Gは、本発明に係る容器の底部108の構造の他の実施例を示す。それぞれの底部308A−Gは、図1A−1Cの底部108と同様の構造を有する。図3A−3Gは、支持材330A−Gと助材332A−Gの構造が、前に述べた底部108とは最も顕著に異なる。図3Aは、平らに突き出た支持材330Aと平らに窪んだ肋材332Aが交互に配置された底部308Aの第1の壁320Aを示す。図3Bは、ピラミッド型の肋材332Bと台形の支持材330Bを持つ底部3O8Bの第1の壁320Bを示す。図3Cは、多重同心円型のリッジ340Cを持つ底部308Cの第1の壁320Cを示す。図3Dは、助材又は支持材が無く、容器の内部に向かって支持面318Dから蝶番322Dに下がる底部308Dの第1の壁320Dを示す。図3Eは、肋材332Eと支持材330Eを持つ底部308Eの第1の壁320Eを示す。支持材330Eは支持面318Eと蝶番322Eで狭くなり、両者の真中で広がる。肋材332Eは支持面318Eと蝶番322Eで広がり、両者の真中で狭くなる。図3Fは、肋材332Fの間に平らな支持材330Fを持ち、それぞれ容器の内部に向かって凹んだ3つの四角い窪みがある第1の壁320Fを示す。図3Gに示された底部308Gは、折り目328を持つ支持面318と第1の壁320Gを備えている。第1の壁320Gの折り目328は、図1Bの実施例における第2の壁124の折り目128に似ている。図3A−3Gは本発明に係る底部の構造の一例であり、当業者は、対称、非対称、非円形、又は他の形を持つ他の実施例を用いることができる。
【0033】
容器100は、公知のプラスチック材料により形成される。容器100は例えば一体的な構造を持つ。そして、ポリアミド、例えばナイロン;ポリオレフィンなどのポリオレフィン、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン(HDPE)、又はポリプロピレン;ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ肋材チレンナフタレート(PEN);その他、物質の物理的又は化学的特性を変えるために添加物を加えたものなどの単層のプラスチック物質により形成することができる。例えば、酸素透過度を向上させるためにプラスチック樹脂を改良してもよい。また、容器100は、多層のプラスチック物質により形成してもよい。層は新しい物質や再利用の物質を含む如何なるプラスチック物質でもよく、容器の物理特性を向上させるために添加物を加えたプラスチックや他の物質でもよい。上記の物質に加えて、例えばエチルビニールアルコール(EVOH)と接着層又は接着剤を含む多層プラスチック容器でもよい。例えば酸素を防ぐ特性を持つ単層又は多層の物質としてコーティングを用いてもよい。
【0034】
容器100は、プラスチック成形工程により形成される。容器100は、延伸ブロー成形工程により形成される。この工程では、容器成形内においてプラスチック予備成形部を伸ばすために暖かいガスが用いられる。予備成形部は、細線の頂上を持つか、連続したプラスチックチューブを用いる。プラスチックチューブのブロー成型は、プラスチックチューブに針を刺し、針を通してガスを吹き込んでプラスチックチューブを拡張して、容器の形に成形する。さらに、容器100を形成するために、注入ブロー成形、引き伸ばしブロー成形、又は押し出しブロー成形を含む他のブロー成形を用いることができる。
【0035】
この明細書に記載された実施例は、本発明を実施するための最良の方法を当業者に示すことを意図されている。相対的な言葉と方向を示す言葉、例えば、上、下、内部などは、本発明の応用例として用いただけで、それに限定されるものではない。この明細書に記載されていないからといって本発明を限定すべきではない。記載した全ての例は代表例であり、これに限定されるものではない。上記の本発明の実施例は、本発明から逸脱しない範囲で、変形することができる。本発明は、実施例で記載した範囲を超えて、請求項及びそれと同等の範囲において実現できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の底部の構造に関し、特に熱充填工程において容器内の真空圧力を低減するために蝶番に対して位置を変えることができる容器の底部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造者は、プラスチック容器のプラスチック物質のガラス転移温度に近い高温、約82℃で容器に製品を入れる熱充填工程を用い、その後に容器にキャップを被せる。容器と内容物が冷えると、内容物は縮む傾向があり、この体積変化により容器内に部分的な真空が作られる。これらの内部の体積及び気圧の変化に対応する手段が無いため、容器は歪み、及び/又は、潰れる傾向があった。例えば、円形容器は楕円になるか、又は、歪んで円形ではなくなる。他の形の容器も同様に歪む。容器の外観に悪影響を及ぼすだけでなく、歪みや変形により、容器は傾き、平面の上に置いた場合に不安定になる。
【0003】
熱充填工程による容器内の部分的な真空を解消するために、製造者は容器の保全性を保つ様々な異なる方法を用いてきた。一つの公知の方法として、垂直方向の真空パネルが容器の側壁に形成される。真空パネルは、容器の体積を減らす内部の真空に応じて内側に収縮して、内部の真空圧力を低減する。しかし、熱充填工程による真空圧力を十分に低減させるには、このような真空パネルを容器のかなりの部分に設ける必要があり、視覚的な要求に合わなくなる。
【0004】
内部の真空圧力を補償する他の公知の方法として、容器にパターン構造を形成するものがある。多くの形、カーブ及び曲がりのパターン構造を持つ容器の領域は、その領域におけるプラスチックの剛性を向上させる。しかし、熱充填工程にける体積変化に起因する容器の構造的保全性を保つためには、このようなパターン構造を容器のかなりの部分に設ける必要がある。パターン構造により容器のプラスチック量も増加し、これにより重量とコストが増加する。
【0005】
従来技術の問題点を解消する改良された容器が求められている。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、以前に知られておらず、示唆もされていない改良により従来技術とは異なる。
【0007】
本発明は、容器の底部、容器、及び、容器内の真空圧力の変化を補償する方法に関する。
【0008】
容器の底部は、支持面と、蝶番と、前記支持面から前記蝶番への第1の方向に傾いた第1の壁と、前記蝶番から遠ざかる第2の方向に傾いた第2の壁とを備え、前記第2の壁は、実質的に前記第1の壁を動かすことなく、前記蝶番に対して位置を変えることができる。
【0009】
容器は、容器内への開口を持つ上部と、前記上部の下に配置され、容器の内部を規定する容器本体と、前記上部とは反対側の容器の端において前記容器本体に隣接した底部とを備える。前記底部は、蝶番と、前記容器本体と前記蝶番の間に設けられ、前記容器の内側に傾いた第1の壁と、前記蝶番に隣接し、前記容器の内側から傾き、前記蝶番に対して位置を変えることができる第2の壁とを有する。
【0010】
容器内の真空圧力の変化を補償する方法は、容器に製品を熱充填する工程と、前記容器を密閉部材で密閉する工程と、前記熱充填された容器を冷却する工程と、底部の蝶番に隣接した前記底部の壁を前記蝶番に対して外側に延びた位置から内側に延びた位置に変化させ、前記容器の内部圧力を低減させる工程とを備え、位置を変化させる前に、前記容器を平面上に立たせる。
【0011】
更なる目的及び効果は、より良い実施例の構造及び機能と同様に、記載、図面、及び例を検討することで明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上記及び他の構成及び効果は、添付の図面に示されるように、以下の本発明のより良い実施例のより詳細な記述により明らかになるだろう。図面において、同じ参照番号は、同一、機能的に似ている、及び/又は、構造的に似ている構成要素を示す
【図1A】図1Aは、本発明に係る底部の構造を持つ容器の実施例を示す。
【図1B】図1Bは、本発明に係る底部の構造を持つ容器の実施例を示す。
【図1C】図1Cは、本発明に係る底部の構造を持つ容器の実施例を示す。
【図2】図2は、本発明に係る容器の実施例の断面図を示す。
【図3A】図3Aは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3B】図3Bは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3C】図3Cは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3D】図3Dは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3E】図3Eは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3F】図3Fは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【図3G】図3Gは、本発明に係る容器の底部の構造の他の実施例を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例について以下に詳細に述べる。実施例を示す上で、明確化のために特別な用語を用いた。しかし、本発明は、この選択された特別な用語に限定されるものではない。特定の実施例を示すが、これは説明するためである。当業者は、本発明の概念から離れることなく、他の構成を用い得ることが分かる。
【0014】
本発明は、熱充填工程の後に製品を冷やすことによる容器の内部真空圧力を低減させるために、蝶番に対して位置を変えることができる容器の底部の構造に関する。図1A−1Cは、本発明に係る底部の構造を持つ容器100の実施例を示す。まず、図1A−1Cを参照しながら、本発明を説明する。
【0015】
本発明の実施例において、容器100は、上部102、肩部104、容器本体106及び底部108を備える。容器100の上部102は、容器100内部への開口を持つ構造であり、密閉部(不図示)が取り付けられる。密閉部は、容器100内に熱充填された製品を密閉するのに用いる装置であり、上部102を通って容器100に空気が入るのを防ぐ。一つの実施例において、上部102は、捻って取り付けるキャップである密閉部が結合されるスレッド112を持つ。上部102のスレッド112にキャップを捻って取り付けることで、容器100が密閉される。他の実施例において、容器100を密閉するために、上部102に密閉プラグを取り付ける。当業者は、他の密閉部や密閉を用いることができる。
【0016】
容器100の肩部104は、容器本体106の頂上から上部102の底に延びる。一般的に、肩部104は、容器本体106から上部102の底に向かって狭くなる。肩部104は、デザインされた形でもよいし、容器100から省略してもよい。肩部104は、パターン、形状、及び他の公知の幾何学的形状を持つか、又は、実質的に滑らかでもよい。図示のように、肩部104の底の幅は、容器本体106の頂上の幅に対応し、肩部104上部102に近付くにつれて内側に曲がって狭くなる。肩部104は、上部102に届く前に外側に曲がり、肩部104が上部102に届くと内側に曲がる。肩部104は他の形状でもよいし、他のパターンを含んでもよい。
【0017】
容器100の容器本体106は、底部108から肩部104に及び、容器100の内部を規定する。容器本体106は上部102の下に配置されている。他の実施例において、もし肩部104が容器100から省略された場合、容器本体106は上部102まで延びる。容器本体106は、公知の非対称又は対称な形状、例えば、円筒状、正方形、長方形、又は、他の幾何学的形状である。他の例として、容器100の容器本体106は、パターン化された支持構造又は真空パネルを含む。パターン化された支持構造と真空パネルは、後段で詳細に説明するように、容器100の構造的保全性を供給するのを助ける。
【0018】
図示のように、容器本体106は、円筒状であり、助材114と多数の真空パネル116を有する。肋材114は、容器本体106上において窪んでいない部分に平行する窪んだ部分の配列である。真空パネル116は、肋材114よりも大きく窪んだ領域を持つ、実質的に平らな窪んだ部分である。代わりに、真空パネルは、握る領域を形成するように構成されていてもよい。他の真空パネルが知られている。本発明に係る容器は、異なるタイプの真空パネルを含む。肋材114は他のタイプ又は形状でもよく、肋材114と真空パネル116の容器本体106での位置を入れ替えてもよい。肋材114と真空パネル116は容器本体106から省略してもよく、他の位置に配置してもよい。
【0019】
図1Bに示すように、底部108は、支持面118、第1の壁120、蝶番122、第2の壁124、及びセクション126を有する。底部108の支持面118は、底部108を平面に垂直に置いた場合に、平面に接触する容器100の接触面である。支持面118が平面に接触して、平面が容器100の下になった場合、容器100は平面上に直立する。支持面118は、他の非対称又は対称な幾何学的形状に形成してもよい。
【0020】
容器100の第1の壁120は、容器本体106の底と蝶番122の間に位置する。第1の壁120は、支持面118から蝶番122の方向において、容器100の内部に向かって傾いている。第1の壁120の傾きは、曲線、直線、又は曲線部と直線部の組み合わせである。第1の壁120には、底部108、第1の壁120及び容器100の強度を増すために、肋材132が設けられている。一般的に、プラスチックで助材を形成すると、平坦又は滑らかな表面に比べて、助材の周りの領域でプラスチックの剛性が増す。従って、肋材132は底部108の構造の保全性を向上する。同様の理由により、肋材114は容器本体106を強化する。
【0021】
一つの実施例において、第1の壁120は肋材132の間に支持材130を持つ。図示のように、肋材132と支持材130は隣接している。支持材130は、支持面118から蝶番122に延びている。肋材132も支持面118から蝶番122に延びている。しかし、図示のように、肋材132は支持面118と蝶番122の間の直線をなぞり、支持材130は第1の壁120上に形成された2つの表面である。支持材130は、ある角度で交差する2つの実質的に平らな部分であり、支持面118と蝶番122の間の直線から外側に延びている。
【0022】
底部108の蝶番122は、第1の壁120と第2の壁124の接続部に位置する。後段で詳細に説明するように、容器100が熱充填及び密閉された後に、第2の壁124は蝶番122に対して位置が変わる。蝶番122は、支持面118から隔てられた円形リングである。しかし、蝶番122は他の対称又は非対象の形状でもよい。
【0023】
位置を変える前に、第2の壁124は蝶番122から遠ざかる方向に傾いている。この方向は容器100の内部から遠ざかる方向でもある。第2の壁124はセクション126の方向に傾いている。第2の壁124の傾きは、曲線、直線、又は曲線部と直線部の組み合わせである。図示のように、第2の壁124は、蝶番122からセクション126に直線的に傾いている。本実施の形態に係る第2の壁124は、蝶番122に対して第2の壁124の位置を変えるのを容易にする折り目128を持つ。折り目128は第2の壁124の位置を変える際に収縮する。
【0024】
セクション126は、第2の壁124の中央に位置し、容器100の内部に対して凹型、凸型又は平坦である。セクション126は、蝶番122に対して第2の壁124の位置を変える機械的装置に採用されている。この機械的装置は、第2の壁124の位置を変えるために、セクション126に力を与える。
【0025】
底部108の構造は、熱充填工程における容器100の内部の真空圧力を低減させるために採用されている。容器100が製品で熱充填され、キャップなどの密閉部で密閉された後、容器100内の製品は冷却される。製品の冷却により、容器100の内部の真空圧力は、製品の冷却及び収縮による製品の体積の低減により決まる。容器100の内部の真空圧力により、容器100は内側にへこむ傾向がある。
【0026】
容器100の内部の真空圧力を解消するために、第2の壁124は蝶番122に対して位置が変わる。図1Cには、蝶番122に対して位置が変わった後の第2の壁124に係る実施例が示されている。位置を変える際に、第2の壁124は、容器100から外側に延びた位置から容器100の内部に延びた位置まで移動する。
【0027】
第2の壁124の位置を変えることで、容器100の内部の体積が低減する。この体積の低減により、冷却した製品の体積の収縮による容器100の内部の真空圧力を低減することができる。低減する体積の量は、容器100の底部108における第2の壁124とセクション126に囲まれた領域の体積に関係する。体積の低減は、第2の壁124が外側に延びた図1Bに示す容器100と、第2の壁124が容器100の内部に延びた図1Cに示す容器100との間の内部の体積の差に関係する。
【0028】
第2の壁124とセクション126に囲まれた空間の体積は容器100の体積圧力の低減量を制御するのに用いられる。第2の壁124とセクション126に囲まれた空間の体積が大きいほど、内部圧力の低減が大きくなる。これは、容器100の肋材114の量を制御するのに用いられ、顧客と熱充填処理者の要望に合う真空パネル116のサイズに影響する。特に、本発明に係る底部を用いて圧力を変化させることにより、助材及び/又は真空パネルの数と大きさを低減させることができる。当業者は、第2の壁の位置を変えることによる体積の変化量を計算することができ、それにより容器のデザインを調整することができる。
【0029】
第1の壁120の剛性により、第2の壁124の位置が変わる間又は後において、第1の壁120の位置は変わらない。一つの実施例において、第1の壁120の強度により反転時における底部108の歪みが妨げられる。セクション126に力を加えて第2の壁124を反転させることで、容器100のプラスチック物質にストレスが発生する。容器100の歪みは、支持面118の折り畳み、底部108のプラスチックの歪み、又は容器100の他の歪みの原因となる。肋材132と支持材130を含む底部108の構造により、第1の壁120は十分な強度を持ち、支持面118だけでなく容器100と底部108の歪みを防ぐことができる。これにより、容器100と第1の壁120は反転時にプラスチックのストレスに絶えることができ、反転後に容器100を平面上に安定に立てることができる。
【0030】
第2の壁124の位置を変えることでは補償されない残りの真空を補償するために、容器100には真空パネル116と肋材114が設けられている。内部の真空圧力に応じて真空パネル116は内側に収縮して容器100の体積を更に低減させ、肋材114の強度は残りの真空圧力に耐えることができる。位置を変えることができる第2の壁124と共に真空パネル116と肋材114を用いることで、容器100内の真空を低減させる際容器100の構造的保全性は保たれる。位置を変えることができる第2の壁124により、容器製造者は、熱充填工程に起因する内部の真空圧力ストレスに対して、容器の形状又は容器の保全性を犠牲にすることなく、容器の真空パネルと肋材を減らすことができる。位置を変えることができる第2の壁124により、容器のプラスチック物質を減らすことができ、容器のコストを減らすことができ、より軽い容器を搬送することになり搬送コストも低減する。
【0031】
従来の方法に対して、容器100は、容器100を支持する構造を設けることなく、第2の壁124の位置を変える前に平面上に安定に立つことができる。図2は、第2の壁124の位置を変えるまえに平面Pに立っている本発明に係る容器の実施例の断面図を示す。位置を変えることができる第2の壁124を持つ容器100が平面状に安定に立つようにするため、セクション126と第2の壁124は、容器100から外側に向かって支持面118の向こうには延びず、容器100の支持面118は平面に接触することができる。一つの実施例において、セクション126の少なくとも一部は平面に接する。支持面118は容器及び熱充填された製品の負荷に耐えるようにデザインされた容器100の一部であり、平面に安定に立つことは有利である。セクション126が支持面118の向こう側に延びないようにすることで、容器100が倒れないように支持する構造を設けなくても、処理の前及び途中で容器100を立てておくことができる。これにより、容器を立てた状態で支持する構造を削除することができ、コストを削減することができる。容器100の底部108により、熱充填工程による内部の真空圧力を低減させることができ、容器を処理する機械の間を搬送するための平面に容器を安定に立てておくことができる。
【0032】
図3A−3Gは、本発明に係る容器の底部108の構造の他の実施例を示す。それぞれの底部308A−Gは、図1A−1Cの底部108と同様の構造を有する。図3A−3Gは、支持材330A−Gと助材332A−Gの構造が、前に述べた底部108とは最も顕著に異なる。図3Aは、平らに突き出た支持材330Aと平らに窪んだ肋材332Aが交互に配置された底部308Aの第1の壁320Aを示す。図3Bは、ピラミッド型の肋材332Bと台形の支持材330Bを持つ底部3O8Bの第1の壁320Bを示す。図3Cは、多重同心円型のリッジ340Cを持つ底部308Cの第1の壁320Cを示す。図3Dは、助材又は支持材が無く、容器の内部に向かって支持面318Dから蝶番322Dに下がる底部308Dの第1の壁320Dを示す。図3Eは、肋材332Eと支持材330Eを持つ底部308Eの第1の壁320Eを示す。支持材330Eは支持面318Eと蝶番322Eで狭くなり、両者の真中で広がる。肋材332Eは支持面318Eと蝶番322Eで広がり、両者の真中で狭くなる。図3Fは、肋材332Fの間に平らな支持材330Fを持ち、それぞれ容器の内部に向かって凹んだ3つの四角い窪みがある第1の壁320Fを示す。図3Gに示された底部308Gは、折り目328を持つ支持面318と第1の壁320Gを備えている。第1の壁320Gの折り目328は、図1Bの実施例における第2の壁124の折り目128に似ている。図3A−3Gは本発明に係る底部の構造の一例であり、当業者は、対称、非対称、非円形、又は他の形を持つ他の実施例を用いることができる。
【0033】
容器100は、公知のプラスチック材料により形成される。容器100は例えば一体的な構造を持つ。そして、ポリアミド、例えばナイロン;ポリオレフィンなどのポリオレフィン、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン(HDPE)、又はポリプロピレン;ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ肋材チレンナフタレート(PEN);その他、物質の物理的又は化学的特性を変えるために添加物を加えたものなどの単層のプラスチック物質により形成することができる。例えば、酸素透過度を向上させるためにプラスチック樹脂を改良してもよい。また、容器100は、多層のプラスチック物質により形成してもよい。層は新しい物質や再利用の物質を含む如何なるプラスチック物質でもよく、容器の物理特性を向上させるために添加物を加えたプラスチックや他の物質でもよい。上記の物質に加えて、例えばエチルビニールアルコール(EVOH)と接着層又は接着剤を含む多層プラスチック容器でもよい。例えば酸素を防ぐ特性を持つ単層又は多層の物質としてコーティングを用いてもよい。
【0034】
容器100は、プラスチック成形工程により形成される。容器100は、延伸ブロー成形工程により形成される。この工程では、容器成形内においてプラスチック予備成形部を伸ばすために暖かいガスが用いられる。予備成形部は、細線の頂上を持つか、連続したプラスチックチューブを用いる。プラスチックチューブのブロー成型は、プラスチックチューブに針を刺し、針を通してガスを吹き込んでプラスチックチューブを拡張して、容器の形に成形する。さらに、容器100を形成するために、注入ブロー成形、引き伸ばしブロー成形、又は押し出しブロー成形を含む他のブロー成形を用いることができる。
【0035】
この明細書に記載された実施例は、本発明を実施するための最良の方法を当業者に示すことを意図されている。相対的な言葉と方向を示す言葉、例えば、上、下、内部などは、本発明の応用例として用いただけで、それに限定されるものではない。この明細書に記載されていないからといって本発明を限定すべきではない。記載した全ての例は代表例であり、これに限定されるものではない。上記の本発明の実施例は、本発明から逸脱しない範囲で、変形することができる。本発明は、実施例で記載した範囲を超えて、請求項及びそれと同等の範囲において実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面と、
蝶番と、
前記支持面から前記蝶番への第1の方向に傾いた第1の壁と、
前記蝶番から遠ざかる第2の方向に傾いた第2の壁とを備え、
前記第2の壁は、実質的に前記第1の壁を動かすことなく、前記蝶番に対して位置を変えることができることを特徴とする容器の底部。
【請求項2】
熱充填して容器を密閉した後に、前記蝶番に対して前記第2の壁の位置を変えることで、容器内部の真空圧力が下がることを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項3】
前記第2の壁の中心に位置するセクションを更に備えることを特徴とする請求項2に記載の容器の底部。
【請求項4】
内部圧力の低減量は、前記第2の壁及び前記セクションに囲まれた領域の容器内部の体積に関係することを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項5】
前記第2の壁は、前記セクションに力を印加することで位置を変えることができることを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項6】
事前に位置を変えることで、前記セクション及び前記第2の壁は、前記支持面の向こうに広がらないことを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項7】
前記底部は、位置を変える前に、平面に立てるのに適用されることを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項8】
前記支持面及び少なくとも前記セクションの一部は前記平面に接することを特徴とする請求項7に記載の容器の底部。
【請求項9】
前記第1の壁は、複数の支持材を更に有することを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項10】
前記第1の壁は、前記支持材同士の間において肋材を更に有することを特徴とする請求項9に記載の容器の底部。
【請求項11】
前記肋材は、実質的に前記支持面から前記蝶番に延びることを特徴とする請求項10に記載の容器の底部。
【請求項12】
前記支持材は、ある角度で交差する2つの平面を有することを特徴とする請求項10に記載の容器の底部。
【請求項13】
前記第2の壁は、前記第2の壁の位置を変えられるように、位置を変える際に収縮する複数の折り目を更に有することを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項14】
前記第2の壁の位置を変えると、前記第2の壁は容器の外側に延びた状態から容器の内側に延びた状態に移動することを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項15】
容器内への開口を持つ上部と、
前記上部の下に配置され、容器の内部を規定する容器本体と、
前記上部とは反対側の容器の端において前記容器本体に隣接した底部とを備え、
前記底部は、
蝶番と、
前記容器本体と前記蝶番の間に設けられ、前記容器の内側に傾いた第1の壁と、
前記蝶番に隣接し、前記容器の内側から傾き、前記蝶番に対して位置を変えることができる第2の壁とを有することを特徴とする容器。
【請求項16】
熱充填と容器の密閉の後に、前記蝶番に対して前記第2の壁の位置を変えることで、容器の内部圧力を低減することを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記底部は、
前記第2の壁の中央に配置されたセクションと、
前記第1の壁に隣接した支持面とを更に有することを特徴とする請求項16に記載の容器。
【請求項18】
低減された内部圧力の量は、前記第2の壁と前記セクションに囲まれた領域の内部体積に関係することを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項19】
前記セクションは、凹型、凸型又は平面の何れか1つであることを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項20】
前記セクションは、前記第2の壁の位置を変えるための力を受けるものであることを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項21】
前記上部と前記容器本体の間に結合された肩部を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項22】
容器に製品を熱充填する工程と、
前記容器を密閉部で密閉する工程と、
前記熱充填された容器を冷却する工程と、
底部の蝶番に隣接した前記底部の壁を前記蝶番に対して外側に延びた位置から内側に延びた位置に変化させ、前記容器の内部圧力を低減させる工程とを備え、
位置を変化させる前に、前記容器を平面上に立たせることを特徴とする容器内の真空圧力の変化を補償する方法。
【請求項1】
支持面と、
蝶番と、
前記支持面から前記蝶番への第1の方向に傾いた第1の壁と、
前記蝶番から遠ざかる第2の方向に傾いた第2の壁とを備え、
前記第2の壁は、実質的に前記第1の壁を動かすことなく、前記蝶番に対して位置を変えることができることを特徴とする容器の底部。
【請求項2】
熱充填して容器を密閉した後に、前記蝶番に対して前記第2の壁の位置を変えることで、容器内部の真空圧力が下がることを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項3】
前記第2の壁の中心に位置するセクションを更に備えることを特徴とする請求項2に記載の容器の底部。
【請求項4】
内部圧力の低減量は、前記第2の壁及び前記セクションに囲まれた領域の容器内部の体積に関係することを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項5】
前記第2の壁は、前記セクションに力を印加することで位置を変えることができることを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項6】
事前に位置を変えることで、前記セクション及び前記第2の壁は、前記支持面の向こうに広がらないことを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項7】
前記底部は、位置を変える前に、平面に立てるのに適用されることを特徴とする請求項3に記載の容器の底部。
【請求項8】
前記支持面及び少なくとも前記セクションの一部は前記平面に接することを特徴とする請求項7に記載の容器の底部。
【請求項9】
前記第1の壁は、複数の支持材を更に有することを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項10】
前記第1の壁は、前記支持材同士の間において肋材を更に有することを特徴とする請求項9に記載の容器の底部。
【請求項11】
前記肋材は、実質的に前記支持面から前記蝶番に延びることを特徴とする請求項10に記載の容器の底部。
【請求項12】
前記支持材は、ある角度で交差する2つの平面を有することを特徴とする請求項10に記載の容器の底部。
【請求項13】
前記第2の壁は、前記第2の壁の位置を変えられるように、位置を変える際に収縮する複数の折り目を更に有することを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項14】
前記第2の壁の位置を変えると、前記第2の壁は容器の外側に延びた状態から容器の内側に延びた状態に移動することを特徴とする請求項1に記載の容器の底部。
【請求項15】
容器内への開口を持つ上部と、
前記上部の下に配置され、容器の内部を規定する容器本体と、
前記上部とは反対側の容器の端において前記容器本体に隣接した底部とを備え、
前記底部は、
蝶番と、
前記容器本体と前記蝶番の間に設けられ、前記容器の内側に傾いた第1の壁と、
前記蝶番に隣接し、前記容器の内側から傾き、前記蝶番に対して位置を変えることができる第2の壁とを有することを特徴とする容器。
【請求項16】
熱充填と容器の密閉の後に、前記蝶番に対して前記第2の壁の位置を変えることで、容器の内部圧力を低減することを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記底部は、
前記第2の壁の中央に配置されたセクションと、
前記第1の壁に隣接した支持面とを更に有することを特徴とする請求項16に記載の容器。
【請求項18】
低減された内部圧力の量は、前記第2の壁と前記セクションに囲まれた領域の内部体積に関係することを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項19】
前記セクションは、凹型、凸型又は平面の何れか1つであることを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項20】
前記セクションは、前記第2の壁の位置を変えるための力を受けるものであることを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項21】
前記上部と前記容器本体の間に結合された肩部を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項22】
容器に製品を熱充填する工程と、
前記容器を密閉部で密閉する工程と、
前記熱充填された容器を冷却する工程と、
底部の蝶番に隣接した前記底部の壁を前記蝶番に対して外側に延びた位置から内側に延びた位置に変化させ、前記容器の内部圧力を低減させる工程とを備え、
位置を変化させる前に、前記容器を平面上に立たせることを特徴とする容器内の真空圧力の変化を補償する方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【公表番号】特表2009−511378(P2009−511378A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535769(P2008−535769)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/040361
【国際公開番号】WO2007/047574
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(502326130)グラハム パッケージング カンパニー,エル ピー (15)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/040361
【国際公開番号】WO2007/047574
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(502326130)グラハム パッケージング カンパニー,エル ピー (15)
【Fターム(参考)】
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