説明

位置決め基台

【課題】支持部材に対する引き抜き及び、転倒モーメントに対する拘束力や抗力があり、外部からの振動により位置精度が損なわれるのを抑制する。
【解決手段】テーブル2と、固定板3とが、3つの連結機構4a〜4cによって連結されている。連結機構4a〜4cが、テーブル2に固定されたテーブル側シャフト11a、11bと同心に回転自在に接続されているとともに、固定板3に固定された固定側シャフト12a〜12cと偏心した状態で回転自在に接続された連結部材31a〜31cを有している。テーブル側シャフト11a及び固定側シャフト12a〜12cは互いに平行になっており、連結部材31b及び連結部材31cが互いに平行となっていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ、X線、電子線を照射するビーム照射装置など支持対象物の姿勢を制御する位置決め基台に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ、X線、電子線を照射するビーム照射装置の姿勢を制御する位置決め基台としては、ビーム照射装置を支持するテーブルの下面に、下方に向いた平面を有する平面受け部と下方に突出したV字面を有するV字面受け部とが形成されており、このテーブルを下方から支持する基台が、テーブルの平面受け部と接する平面用偏心カムとV字面受け部の各平面に接する一対のV字面用偏心カムとを備えているものが知られている(非特許文献1参照)。この位置決め基台においては、平面用偏心カムを回転させることにより、これに接する平面受け部が昇降する。また、一対のV字面用偏心カムはV字受け部を挟持するように配置されているため、V字面用偏心カムの各接触面の位置、及び、接触面間の距離が変化するようにV字面用偏心カムを回転させることにより、V受け部がV字面用偏心カムの間で昇降及び水平移動する。このテーブルは、各偏心カムと接するように基台上に載置されているのみで、基台に固定されていない。このため、平面用偏心カム及びV字面用偏心カムの回転位置を制御することによって、平面受け部とV字面受け部との位置を変化させる。これにより、テーブルを、水平、鉛直、回転の面内3自由度で姿勢制御することが可能となっている。
【0003】
【非特許文献1】G.ブロウデン(G.Browden)、P.ホリック(P.Holik)及びS.R.ワグナー(S.R.Wagner)著、「ファイナルフォーカスビームのためのプレシジョンマグネットムーバ(Precision Magnet Movers for Final Focus Test Beam)」、(米国)、SLAC-PUB-95-6132、1995年6月、(Figure 1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の位置決め基台によると、テーブルが基台に固定されていないため、テーブルに対する引き抜き及び、転倒モーメントに対する拘束力や抗力がない。また、各受け部の平面が接触する偏心カムの曲面上を移動する構成となっているため、各受け部及び各偏心カムの加工精度及び歪みが位置決め精度に大きく影響する。さらに、テーブル上に設置される装置が軽量である場合には、外部からの振動の影響を受けることがある。特に、地震の多い国内においては、ビーム照射装置などを長期間に亘って位置保持するのが難しい。さらに、テーブルの基台に対する荷重方向を鉛直方向に保つ必要があるため、位置決め基台の設置姿勢が制限される。
【0005】
本発明の主たる目的は、支持部材に対する引き抜き及び、転倒モーメントに対する拘束力や抗力があり、外部からの振動により位置精度が損なわれるのを抑制するとともに、設置に関する自由度が高い位置決め基台を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の位置決め基台は、支持対象物を支持する支持部材と、設置場所に固定される固定部材と、前記支持部材と前記固定部材とを連結する3つの連結機構とを備えている。前記連結機構が、前記支持部材に固定されている支持側シャフトと、前記固定部材に固定された固定側シャフトと、前記支持側シャフト及び前記固定側シャフトの一方に、回転中心に対して偏心した状態で回転自在に接続されているとともに、前記支持側シャフト及び前記固定側シャフトの他方に、回転中心に対して同心に回転自在に接続された連結部材とを有している。全ての前記連結機構が有する前記支持側シャフト及び前記固定側シャフトが互いに平行になるように、前記連結機構がそれぞれ配置されている。3つの前記連結部材中に、互いに平行でない2つの前記連結部材がある。
【0007】
本発明によると、支持部材が連結機構を介して固定部材に連結されているため、支持部材に関する引き抜き及び転倒モーメントに対する拘束力及び抗力が保障される。また、連結部材が、支持側シャフト及び固定側シャフトに回転自在に接続されているため、外部からの振動により支持部材の位置がずれて位置精度が損なわれるのを抑制することができる。さらに、位置決め基台の姿勢が制限されることがなくなり、設置に関する自由度が向上する。
【0008】
本発明においては、3つの前記連結部材中に、前記支持部材に関する荷重方向に対して互いに反対方向に傾いている2つの前記連結部材があることが好ましい。これによると、互いに反対方向に傾く連結部材に、互いに反対方向のモーメントが加えられるため、これらのモーメントが相殺され、位置決め基台の耐荷重が向上する。
【0009】
また、本発明においては、前記連結機構間で、前記連結部材と回転中心に対して同心に回転自在に接続された前記支持側シャフト又は前記固定側シャフトが共有されていることが好ましい。これによると、位置決め基台の部品点数が削減され、低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る好適な一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態である位置決め基台の側面図である。図2は、図1に示すII−II線に関する位置決め基台1の断面図である。図3は、図2に示すIII−III線に関する位置決め基台1の断面図である。位置決め基台1は、レーザ、X線、電子線を照射するビーム照射装置(支持対象物)Mを支持しつつ、ビーム照射装置Mの姿勢を高精度に制御する基台である。このビーム照射装置Mは、例えば、直線加速器などに用いられる。図1及び図2に示すように、位置決め基台1は、ビーム照射装置Mを支持する板形状を有するテーブル(支持部材)2と、設置場所に固定される板形状を有する固定板(固定部材)3と、テーブル2と固定板3とを連結する3つの連結機構4a〜4cとを有している。3つの連結機構4a〜4cは、図中左方から右方に向かって、連結機構4a、連結機構4b及び連結機構4cの順に配列されている。
【0012】
連結機構4aは、テーブル2の下面(ビーム照射装置Mを支持している面の反対側の面)に固定された一対のテーブル側軸受け21aと、その両端近傍が一対のテーブル側軸受け21aにより回転中心軸Yaを中心に回転自在に支持されているテーブル側シャフト(支持側シャフト)11aと、固定板3の上面に固定された一対の固定側軸受け22aと、その両端近傍が一対の固定側軸受け22aにより回転中心軸Xaを中心に回転自在に支持されている固定側シャフト12aと、テーブル側シャフト11aと固定側シャフト12aとを連結する一対の連結部材31aとを有している。そして、固定側シャフト12aは、固定側軸受け22aに支持されている両端近傍の中心軸が回転中心軸Xaとなっており、一対の固定側軸受け22a間における中心軸が回転中心軸Xaに対して偏心している回転中心軸Xa'となっている。また、固定側シャフト12aの端部には、固定側シャフト12aを駆動するステッピングモータ41aが接続されている。このように、固定側シャフト12aの回転中心が、回転中心軸Xaとなっている。
【0013】
図2及び図3に示すように、連結部材31aは、一方向に延在した板形状を有しているとともに、その一方がテーブル側シャフト11aにおける一対のテーブル側軸受け21a間に接続されており、他方が固定側シャフト12aにおける一対の固定側軸受け22a間に接続されている。このため、各連結部材31aは、テーブル側シャフト11aに対して回転中心軸Yaを中心に回転自在となっており、固定側シャフト12aに対して回転中心軸Xa'を中心に回転自在となっている。言い換えれば、各連結部材31aの一方が、回転中心軸Yaと同心にテーブル側シャフト11aと回転自在に接続されており、他方が、固定側シャフト12aの回転中心軸Xa対して偏心した回転中心軸Xaと同心に固定側シャフト12aと回転自在に接続されている。
【0014】
図1及び図2に示すように、連結機構4bは、テーブル2の下面に固定された一対のテーブル側軸受け21bと、その両端近傍が一対のテーブル側軸受け21bにより回転中心軸Ybを中心に回転自在に支持されているテーブル側シャフト11bと、固定板3の上面に固定された一対の固定側軸受け22bと、その両端近傍が一対の固定側軸受け22bにより回転中心軸Xbを中心に回転自在に支持されている固定側シャフト12bと、テーブル側シャフト11bと固定側シャフト12bとを連結する一対の連結部材31bとを有している。そして、固定側シャフト12bは、固定側軸受け22bに支持されている両端近傍の中心軸が回転中心軸Xbとなっており、一対の固定側軸受け22b間における中心軸が回転中心軸Xbに対して偏心している回転中心軸Xb'となっている。また、固定側シャフト12bの端部には、固定側シャフト12bを駆動するステッピングモータ41bが接続されている。このように、固定側シャフト12bの回転中心が、回転中心軸Xbとなっている。
【0015】
図2及び図3に示すように、連結部材31bは、一方向に延在した板形状を有しているとともに、その一方がテーブル側シャフト11bにおける一対のテーブル側軸受け21b間に接続されており、他方が固定側シャフト12bにおける一対の固定側軸受け22a間に接続されている。このため、各連結部材31bは、テーブル側シャフト11bに対して回転中心軸Ybを中心に回転自在となっており、固定側シャフト12bに対して回転中心軸Xb'を中心に回転自在となっている。
【0016】
図1及び図2に示すように、連結機構4cは、連結機構4bに隣接して配置されており、一対のテーブル側軸受け21bと、テーブル側シャフト11bと、固定板3の上面に固定された一対の固定側軸受け22cと、その両端近傍が一対の固定側軸受け22cにより回転中心軸Xcを中心に回転自在に支持されている固定側シャフト12cと、テーブル側シャフト11bと固定側シャフト12cとを連結する一対の連結部材31cとを有している。つまり、連結機構4bと連結機構4cとの間で、一対のテーブル側軸受け21b及びテーブル側シャフト11bを共有している。そして、固定側シャフト12cは、固定側軸受け22cに支持されている両端近傍の中心軸が回転中心軸Xcとなっており、一対の固定側軸受け22c間における中心軸が回転中心軸Xcに対して偏心している回転中心軸Xc'となっている。また、固定側シャフト12cの端部には、固定側シャフト12cを駆動するステッピングモータ41cが接続されている。このため、固定側シャフト12cの回転中心が、回転中心軸Xcとなっている。
【0017】
図2及び図3に示すように、連結部材31cは、一方向に延在した板形状を有しているとともに、その一方がテーブル側シャフト11bにおける一対のテーブル側軸受け21b間に接続されており、他方が固定側シャフト12cにおける一対の固定側軸受け22c間に接続されている。これにより、各連結部材31cは、テーブル側シャフト11bに対して回転中心軸Ybを中心に回転自在となっており、固定側シャフト12cに対して回転中心軸Xc'を中心に回転自在となっている。
【0018】
そして、連結機構4bの連結部材31bと連結機構4cの連結部材31cとが、テーブル2に関する荷重方向、すなわち鉛直方向に対して互いに反対方向に傾くように配置されている。さらに、これら3つの連結機構4a〜4cが有する全てのテーブル側シャフト11a、11b及び固定側シャフト12a〜12cが互いに平行に配置されている。このため、テーブル2からの荷重により、連結部材31b、31cに接続された固定側シャフト12b、12cに発生するモーメントが常に互いに反対方向となる。
【0019】
このように、各固定側シャフト12a〜12cの回転位置により、テーブル側軸受け21a、21bの位置が決定される。そして、図示しない制御装置がステッピングモータ41a〜41cを制御して、連結機構4a〜4cの各固定側シャフト12a〜12cの回転位置を制御する。これにより、テーブル側軸受け21a、21bに固定されるテーブル2の姿勢が制御される。この位置決め基台1の動作には、テーブル2を上下方向に移動させる上下動作、テーブル2を連結機構4a〜4cの配列方向(図中左右方向)に沿って水平に移動させる水平動作、及び、各テーブル側軸受け21a、21bの上下方向に関する位置関係によりテーブル2を回転させる回転動作があり、これらを組み合わせることによって、テーブル2の姿勢、すなわち、ビーム照射装置Mの姿勢が3自由度で制御可能となっている。なお、どのような動作を行った場合においても、連結機構4bの連結部材31bと連結機構4cの連結部材31cとが、テーブル2に関する荷重方向に対して互いに反対方向に傾くようになっている。
【0020】
次に、図4〜図6を参照しつつ、位置決め基台1の動作について説明する。図4は、位置決め基台1の上下動作を説明するための図である。図5は、位置決め基台1の水平動作を説明するための図であり、図5(a)の状態を基準とし、図5(b)がテーブル2を図中左方に水平移動させた状態を示しており、図5(c)がテーブル2を図中右方に水平移動させた状態を示している。図6は、位置決め基台1の回転動作を説明するための図であり、図6(a)の状態を基準とし、図6(b)がテーブル2を図中反時計回りに回転させた状態を示しており、図6(c)がテーブル2を図中時計回りに回転させた状態を示している。なお、図4〜図6においては、位置決め基台1を構成する各部材の接続構造を模式的に示している。
【0021】
まず、上下動作について説明する。図4(a)〜図4(c)に示すように、図4(a)の状態からテーブル2を上昇させるときは、固定側シャフト12a、12bを、図中時計方向に回転させ、固定側シャフト12cを、図中反時計方向に回転させる。これにより、連結部材31aがテーブル側軸受け21aを上昇させるとともに、連結部材31b、31cが、テーブル側軸受け21bを上昇させる。このように、テーブル側軸受け21a、21bが同時に上昇することでこれらに固定されたテーブル2が上昇する。
【0022】
逆に、図4(c)の状態からテーブル2を降下させるときは、固定側シャフト12a、12bを、図中反時計方向に回転させ、固定側シャフト12cを、図中時計方向に回転させる。これにより、連結部材31aがテーブル側軸受け21aを降下させるとともに、連結部材31b、31cが、テーブル側軸受け21bを降下させる。このように、テーブル側軸受け21a、21bが同時に降下することでこれらに固定されたテーブル2が降下する。
【0023】
なお、図4(a)〜図4(c)においては、連結機構4a〜4cにおける、回転中心軸Xa〜Xcに対する回転中心軸Xa'〜Xc'の偏心距離、連結部材31a〜31bにおける回転中心軸Xa'〜Xc'から回転中心軸Ya、Ybまでの直線距離及び荷重方向に対する傾斜角度が同じであるため、各固定側シャフト12a〜12cの回転を同期させる。上下動作においては、連結機構4a〜4cの状態により固定側シャフト12a〜12c毎に回転量が決定される。すなわち、上下動作を開始する状態によって、固定側シャフト12a〜12cの回転方向、回転速度及び回転量が変化する。したがって、固定側シャフト12a〜12cの回転量は必ずしも一致するものではない。
【0024】
次に、水平動作について説明する。図5(b)に示すように、図5(a)の状態からテーブル2を図中左方に水平移動させるときは、固定側シャフト12a〜12cを、図中反時計方向に回転させる。これにより、連結部材31b、31cがテーブル側軸受け21a、21bと共にテーブル2を図中左方に水平移動させる。逆に、図5(c)に示すように、図5(a)の状態からテーブル2を図中右方に水平移動させるときは、固定側シャフト12a〜12cを、図中時計方向に回転させる。これにより、連結部材31b、31cがテーブル側軸受け21a、21bと共にテーブル2を図中右方に水平移動させる。
【0025】
最後に、回転動作について説明する。図6(b)に示すように、図6(a)の状態からテーブル2を図中反時計方向に回転させるときは、固定側シャフト12a、12bを、図中時計方向に回転させ、固定側シャフト12cを、図中反時計方向に回転させる。これにより、連結部材31aがテーブル側軸受け21aを降下させ、同時に、連結部材31b、31cが、テーブル側軸受け21bを上昇させる。このように、テーブル側軸受け21aが降下し、テーブル側軸受け21bが上昇することで、これらに固定されたテーブル2が図中反時計方向に回転する。
【0026】
逆に、図6(c)に示すように、図6(a)の状態からテーブル2を図中時計方向に回転させるときは、固定側シャフト12aを、図中反時計方向に回転させ、固定側シャフト12b、12cを、図中時計方向に回転させる。これにより、連結部材31aがテーブル側軸受け21aを上昇させ、同時に、連結部材31b、31cが、テーブル側軸受け21bを降下させる。このように、テーブル側軸受け21aが上昇し、テーブル側軸受け21bが降下することで、これらに固定されたテーブル2が図中時計方向に回転する。
【0027】
なお、上下動作と同様に水平動作及び回転動作においても、連結機構4a〜4cの状態により固定側シャフト12a〜12c毎に回転量が決定される。すなわち、水平動作及び回転移動を開始する状態、すなわちテーブル2の姿勢によって、固定側シャフト12a〜12cの回転方向、回転速度及び回転量が変化する。
【0028】
以上、説明した実施の形態によると、テーブル2が連結機構4a〜4cを介して固定板3に連結されているため、テーブル2に関する引き抜き及び転倒モーメントに対する拘束力及び抗力が保障される。また、連結部材31a〜31cが、テーブル側シャフト11a〜11c及び固定側シャフト12a〜12cに回転自在に接続されているため、外部からの振動によりテーブル2の位置がずれて位置精度が損なわれることがない。また、位置決め基台1の姿勢が制限されることがなくなり、設置に関する自由度が向上する。
【0029】
また、連結機構4bの連結部材31bと連結機構4cの連結部材31cとが、テーブル2に関する荷重方向に対して互いに反対方向に傾くように配置されているため、連結部材31b、31cに、互いに反対方向のモーメントが加えられることになる。これにより、これらのモーメントが相殺され、位置決め基台1の耐荷重が向上する。
【0030】
さらに、連結機構4bと連結機構4cとの間で、一対のテーブル側軸受け21b及びテーブル側シャフト11bを共有しているため、位置決め基台1の部品点数が削減され、低コスト化を図ることができる。
【0031】
以上、本発明に係る一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものでなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、連結機構4bの連結部材31bと連結機構4cの連結部材31cとが、テーブル2に関する荷重方向に対して互いに反対方向に傾くように配置される構成であるが、各連結機構の連結部材が互い平行でないように配置されていれば、これらが同じ方向に傾いていてもよい。
【0032】
また、上述の実施形態においては、連結機構4bと連結機構4cとの間で、一対のテーブル側軸受け21b及びテーブル側シャフト11bを共有する構成となっているが、各連結機構の間でにおいて、テーブル側軸受け及びテーブル側シャフトを共有しない構成であってもよい。
【0033】
さらに、上述の実施形態においては、連結機構4a〜4cにおいて、各連結部材31aの一方が、回転中心軸Yaと同心にテーブル側シャフト11aと回転自在に接続されており、他方が、固定側シャフト12aの回転中心軸Xa対して偏心した回転中心軸Xaと同心に固定側シャフト12aと回転自在に接続されている構成であるが、各連結部材の一方が、テーブル側シャフトの回転中心に対して偏心した状態でテーブル側シャフトと回転自在に接続されており、他方が、固定側シャフトの回転中心と同心に固定側シャフトと回転自在に接続されている構成であってもよい。
【0034】
加えて、上述の実施形態においては、テーブル2及び固定板3が板形状を有する構成であるが、テーブル及び設置場所に固定される固定部材は、任意の形状を有していてもよい。例えば、3つの連結機構4a〜4cのうち、連結機構4bのみが他の連結機構4a、4cより下方に位置するように、固定部材の表面に段差が形成されていてもよい。これによると、位置決め基台の重心位置が下がるため、位置決め基台が安定する。
【0035】
さらに、上述の実施形態においては、テーブル2と固定板3とが3つの連結機構4a〜4cにより連結される構成であるが、テーブル2と固定板3とが4つ以上の連結機構で連結される構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態に係る位置決め基台の側面図である。
【図2】図1に示すII-II線に関する位置決め基台の断面図である。
【図3】図2に示すIII-III線に関する位置決め基台の断面図である。
【図4】図1に示す位置決め基台の上下動作を説明するための図である。
【図5】図1に示す位置決め基台の水平動作を説明するための図である。
【図6】図1に示す位置決め基台の回転動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0037】
1 位置決め基台
2 テーブル
3 固定板
4a〜4c 連結機構
11a、11b テーブル側シャフト
12a〜12c 固定側シャフト
31a〜31c 連結部材
41a〜41c ステッピングモータ
M ビーム照射装置
Xa〜Xc 回転中心軸
Xa'〜Xc' 回転中心軸
Ya、Yb 回転中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象物を支持する支持部材と、
設置場所に固定される固定部材と、
前記支持部材と前記固定部材とを連結する3つの連結機構とを備えており、
前記連結機構が、
前記支持部材に固定されている支持側シャフトと、
前記固定部材に固定された固定側シャフトと、
前記支持側シャフト及び前記固定側シャフトの一方に、回転中心に対して偏心した状態で回転自在に接続されているとともに、前記支持側シャフト及び前記固定側シャフトの他方に、回転中心に対して同心に回転自在に接続された連結部材とを有しており、
全ての前記連結機構が有する前記支持側シャフト及び前記固定側シャフトが互いに平行になるように、前記連結機構がそれぞれ配置されており、
3つの前記連結部材中に、互いに平行でない2つの前記連結部材があることを特徴とする位置決め基台。
【請求項2】
3つの前記連結部材中に、前記支持部材に関する荷重方向に対して互いに反対方向に傾いている2つの前記連結部材があることを特徴とする位置決め基台。
【請求項3】
前記連結機構間で、前記連結部材と回転中心に対して同心に回転自在に接続された前記支持側シャフト又は前記固定側シャフトが共有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置決め基台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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