説明

位置決め装置

【課題】真空雰囲気下で使用する場合に真空に晒されない部分をなくし、真空度を所定値に維持することができる位置決め装置を提供する。
【解決手段】位置決め装置としてのボールプランジャ10は、先端にボール収容部14が設けられた本体11と、前記ボール収容部14に収容され、その一部がボール収容部14より外部に突出されたボール15と、ボール収容部14内に設けられ、ボール15を支持するコイルばね17とにより構成されている。そして、本体11の先端側にはボール収容部14内を先端側から外部に連通する一対のスリット18が形成されるとともに、本体11の基端側にはボール収容部14内を基端側から外部に連通するガス抜き孔20が貫通形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工作機械のテーブル上にワークを位置決め固定するために用いられるボールプランジャ、クランピングスクリュー等の位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールプランジャは、その先端側に開口するコイルばね収容部が設けられ、該コイルばね収容部内のコイルばねにボールが自由回転可能に支持されている。このボールの一部はボール収容部から露出され、ワークに接触されるようになっている。そして、このボールプランジャを使用してワークを位置決めする場合には、ワークを支持するテーブルの近傍位置に配置されたボールプランジャの支持具のねじ穴にボールプランジャを螺入し、ボールをワークに接触させる。その状態で、ワークを移動させ、ワークの位置決め凹部にボールプランジャのボールを係合させることにより、ワークを所定位置に位置決めすることができる。
【0003】
このようなボールプランジャ機構が例えば特許文献1に記載されている。このボールプランジャ機構は、対象物に押圧されるボールと、該ボールを収納するボール収納穴と、このボール収納穴の開口端部に形成された狭溢部と、前記ボールを狭溢部に押し付けるバネ部材とを備え、前記ボールの一部が狭溢部から突出するように構成されている。そして、ボール収納穴の穴径はボールプランジャ機構の動作時にボール収納穴の内部で移動するボールがボール収納穴の内壁に接触しないようにボールの直径よりも大きな値に設定されている。
【0004】
一方、クランピングスクリューは、その先端部に円錐穴状のボール収容部が凹設され、ボール収容部にはボールが自由回転可能に支持されている。該ボールの一部はボール収容部から露出され、ワークに接触されるようになっている。そして、このクランピングスクリューを使用し、ボールプランジャと同様にしてワークを所定位置に位置決めすることができるようになっている。
【0005】
このようなクランピングスクリューが例えば特許文献2に開示されている。斯かるクランピングスクリューは、先端にボール収容部が設けられたクランピングスクリュー本体と、前記ボール収容部に自由回転可能に収容され、その一部がボール収容部より突出されたボールと、ボール収容部内に設けられ、クランピングスクリュー本体の回転軸線上の一点でボールを支持する支持手段とを備えている。そして、クランピングスクリューをワークに対して強く締付けたとき、ボールは支持手段により点で支持されていることから、ボールにはクランピングスクリュー本体の回転力が伝達されない。このため、クランピングスクリュー本体をスムーズに回転させることができるとともに、クランピングスクリュー本体の回転にワークが連動して回転せず、その位置からずれるおそれがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−285527号公報
【特許文献2】特開平7−217616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記ボールプランジャ、クランピングスクリュー等の位置決め装置は、位置決めをするワークが所定の真空度まで減圧された真空雰囲気に置かれて使用される場合がある。この場合には、ボール収容部やボールプランジャ又はクランピングスクリューを支持具のねじ穴にねじ込むための工具係止穴などは外部とは遮断され、真空雰囲気に晒されない。特許文献1及び2に記載の従来構成においても、真空雰囲気下ではボールプランジャ及びクランピングスクリューのボール収容部や工具係止穴などは真空雰囲気に晒されず、常圧雰囲気に置かれたままである。
【0008】
このため、クランピングスクリューやボールプランジャが、高真空で処理を行う成膜装置等の真空雰囲気で使用された場合、クランピングスクリューやボールプランジャのボール収容部内の工具係止穴内に存在する空気が、徐々に真空内に漏れ、真空雰囲気の真空度が次第に低下する。従って、処理工程に適正な真空度を維持することができず、生産する製品の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0009】
本発明はそのような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、真空雰囲気下で使用する場合に真空に晒されない部分をなくし、真空度を所定値に維持することができる位置決め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の位置決め装置は、先端にボール収容部が設けられた本体と、前記ボール収容部に収容され、その一部がボール収容部より外部に突出されたボールと、前記ボール収容部内に設けられ、ボールを支持するボール支持部とから構成され、対象物の係合部に前記ボールが係合して対象物の位置決めを行う位置決め装置であって、前記本体の先端側にはボール収容部内を先端側から外部に連通するガス抜き開口部を形成するとともに、本体の基端側にはボール収容部内を基端側から外部に連通するガス抜き孔を貫通形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明の位置決め装置は、請求項1に係る発明において、前記ガス抜き開口部は、本体の先端において該本体の軸線方向に沿って切欠かれたスリットにより形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明の位置決め装置は、請求項2に係る発明において、前記スリットは、180度対向する位置に一対設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明の位置決め装置は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記ガス抜き孔は、本体の基端の中心位置で該本体の軸線方向に延びるように貫通形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明の位置決め装置は、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、前記ガス抜き孔は、本体の基端に開口形成された工具係止穴とボール収容部内とを連通するように貫通形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明の位置決め装置は、請求項1から請求項5のいずれか一項に係る発明において、前記ボールには切欠き部が設けられ、該切欠き部がボール収容部より外部に突出され、対象物の係合部に係合するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明の位置決め装置は、先端にボール収容部が設けられた本体と、前記ボール収容部に収容され、その一部がボール収容部より外部に突出されたボールと、前記ボール収容部内に設けられ、ボールを支持するボール支持部とから構成されている。そして、本体の先端側にはボール収容部内を先端側から外部に連通するガス抜き開口部が形成されるとともに、本体の基端側にはボール収容部内を基端側から外部に連通するガス抜き孔が貫通形成されている。
【0016】
このため、位置決め装置を真空雰囲気下で使用する場合には、ボール収容部内の空気がガス抜き開口部から外部へ抜き出されると同時に、ボール収容部からガス抜き孔を通って外部へ抜き出される。従って、位置決め装置におけるボール収容部内に存在する空気に加えて、例えば本体の基端部に設けた工具係止穴内に存在する空気もガス抜き孔を介してガス抜き開口部から外部へ抜き出すことができる。
【0017】
よって、本発明の位置決め装置によれば、真空雰囲気下で使用する場合に真空に晒されない部分をなくし、真空度を所定値に維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態におけるボールプランジャの使用状態を示す断面図。
【図2】(a)はボールプランジャを示す正面図、(b)はボールプランジャを示す右側面図及び(c)はボールプランジャを示す左側面図。
【図3】クランピングスクリューの使用状態を示す断面図。
【図4】(a)はクランピングスクリューを示す正面図、(b)はクランピングスクリューを示す右側面図及び(c)はクランピングスクリューを示す左側面図。
【図5】別例としてのクランピングスクリューの使用状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明の位置決め装置をボールプランジャに具体化した第1実施形態について図1及び図2に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1及び図2(a)に示すように、位置決め装置としてのボールプランジャ10は、その本体11がステンレス鋼により略円筒状に形成され、本体11の外周面には雄ねじ11aが螺刻されている。そして、ボールプランジャ10の支持具として例えば工作機械のテーブル12の保持孔13に形成された雌ねじ13aに螺合され、ボールプランジャ10がテーブル12に取付けられるように構成されている。この本体11の先端には円錐台状のボール収容部14が設けられ、該ボール収容部14内にはステンレス鋼製のボール15が収容されている。ボール収容部14の外端部はボール15に沿うように内周側にかしめられ、ボール15の脱落を規制する規制縁14aとなっている。ボール収容部14に収容されたボール15の一部は前記規制縁14aより外方に突出されている。
【0021】
本体11内の中心位置には本体11の軸線方向に延びる円孔状のばね収容穴16が凹設され、このばね収容穴16内にはボール支持部としてのコイルばね17が収容されている。そして、コイルばね17の内端部がばね収容穴16の底壁16aに支持されるとともに、その外端部がボール15を支持し、このコイルばね17によりボール15が外方へ付勢されるように構成されている。
【0022】
図2(a)及び(b)に示すように、前記本体11の先端側にはボール収容部14内を先端側から外部に連通するガス抜き開口部としてのスリット18が180度対向する位置に一対設けられている。両スリット18は、本体11の軸線方向に沿って切欠かれ、真空雰囲気下ではボール収容部14内の空気が外部へ抜き出されるようになっている。
【0023】
図2(a)及び(c)に示すように、前記本体11の基端面の中心位置には六角穴状の工具係止穴19が凹設され、この工具係止穴19に六角レンチを係入してボールプランジャ10を回動操作するように構成されている。本体11の基端側には工具係止穴19内と前記ボール収容部14内とを連通するように円孔状のガス抜き孔20が本体11の軸線方向に貫通形成されている。そして、工具係止穴19内の空気がガス抜き孔20を通ってボール収容部14内からスリット18を経て外部へ抜き出されるようになっている。また、ボールプランジャ10の使用形態によっては、ボール収容部14内の空気はガス抜き孔20を通って工具係止穴19から外部へ抜き出されるようになっている。
【0024】
次に、上記のように構成されたボールプランジャ10の作用を説明する。
さて、図1に示すように、ボールプランジャ10の工具係止穴19に図示しない六角レンチを係入し、ボールプランジャ10の本体11の雄ねじ11aをテーブル12の保持孔13の雌ねじ13aに螺合することにより、ボールプランジャ10の先端部がテーブル12面に面一となるように固定する。このとき、ボールプランジャ10のボール15の一部はコイルばね17に付勢された状態でテーブル12面より外方へ露出されている。一方、図1の二点鎖線に示すように、対象物としてのワーク21はテーブル12上に移動可能に配置され、そのワーク21の係合部として断面三角形状をなす位置決め凹部22がボールプランジャ10のボール15に係合してワーク21の位置決めがなされる。
【0025】
前記ワーク21が真空雰囲気下で使用される場合には、ボールプランジャ10も真空雰囲気に晒される。このとき、ボールプランジャ10のボール収容部14内に存在する空気は一対のスリット18から外部に抜き出されるが、ボールプランジャ10の基端側の工具係止穴19内に存在する空気は、従来ではテーブル12の保持孔13内においてボールプランジャ10の本体11で遮蔽されていることから外部へ抜け難い状態にある。なお、ボールプランジャ10の本体11より内方における保持孔13内は密閉状態にある。
【0026】
しかしながら、本第1実施形態のボールプランジャ10においては、ボール収容部14と工具係止穴19との間にはガス抜き孔20が貫通形成されている。このため、工具係止穴19やばね収容穴16内に存在する空気はガス抜き孔20を通過してばね収容穴16からボール収容部14内に到り、さらにボール収容部14内からスリット18を通ってワーク21側の空間部へ流れる。従って、ボールプランジャ10の遮蔽部に溜まった空気がワーク21の使用時に徐々に漏れて真空度が低下するおそれがなく、ワーク21の真空雰囲気における真空度は所定値に維持される。
【0027】
以上詳述した第1実施形態により発揮される効果を以下にまとめて説明する。
(1)第1実施形態のボールプランジャ10においては、本体11の先端側にはボール収容部14内を先端側から外部に連通するスリット18が形成されるとともに、本体11の基端側にはボール収容部14内を基端側から外部に連通するガス抜き孔20が貫通形成されている。このため、ボールプランジャ10を真空雰囲気下で使用する場合には、工具係止穴19内の空気がガス抜き孔20からばね収容穴16を経てボール収容部14内の空気とともにスリット18を介して外部へ抜き出される。
【0028】
よって、本第1実施形態のボールプランジャ10によれば、真空雰囲気下で使用する場合に真空に晒されない部分をなくし、真空度を所定値に維持することができるという効果を発揮することができる。
(2)前記ガス抜き開口部は、本体11の先端において該本体11の軸線方向に沿って切欠かれたスリット18により形成されている。このため、ガス抜き開口部の構成を簡単にすることができるとともに、空気を本体11の軸線方向の外方へ円滑に抜き出すことができる。
(3)前記スリット18は、180度対向する位置に一対設けられている。従って、ボールプランジャ10におけるボール収容部14内の空気の抜き出しをバランス良く、速やかに行うことができる。
(4)前記ガス抜き孔20は、本体11の基端の中心位置で該本体11の軸線方向に延びるように貫通形成されている。そのため、本体11の基端側に存在する空気又は本体11の先端側に存在する空気を本体11中心部のガス抜き孔20を通して反対側の外部へ有効かつ速やかに抜き出すことができる。
(5)前記ガス抜き孔20は、本体11の基端に開口形成された工具係止穴19内とボール収容部14内とを連通するように貫通形成されている。このため、工具係止穴19内の空気をボール収容部14内へ導くことができるとともに、ボール収容部14内の空気を工具係止穴19内へ導くことができ、ボールプランジャ10の先端側又は基端側の外部へ抜き出すことができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の位置決め装置をクランピングスクリューに具体化した第2実施形態について図3及び図4に基づき詳細に説明する。この第2実施形態では前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0029】
図3及び図4(a)に示すように、このクランピングスクリュー30は前記ボールプランジャ10よりも細長く形成されるとともに、ボール支持部がコイルばね17ではなく、本体31の先端部に凹設されたボール受け面32で構成されている。図4(a)及び(b)に示すように、一対のスリット18は、前記ボール受け面32よりも深くなるように形成され、ボール収容部14内の空気が外部へ抜けるように構成されている。図4(a)及び(c)に示すように、工具係止穴19の底部には傾斜面19aが設けられている。
【0030】
さて、クランピングスクリュー30を真空雰囲気下で使用する場合には、図3に示すように、クランピングスクリュー30の工具係止穴19に図示しない六角レンチを係入し、クランピングスクリュー30の本体31の雄ねじ31aを支持具としての保持体33の保持孔34の雌ねじ34aに螺合する。この操作により、クランピングスクリュー30の本体31の先端部が保持体33の端面に面一となるように固定する。このとき、クランピングスクリュー30のボール15の一部は保持体33の端面より外方に露出されている。一方、図3の二点鎖線に示すように、ワーク21は保持体33に対して移動可能に配置され、そのワーク21の係合部としての対象面36に対してクランピングスクリュー30のボール15が押圧してワーク21の位置決めがなされる。
【0031】
そして、このワーク21が真空雰囲気に晒されるときには、クランピングスクリュー30のワーク21側が真空雰囲気に晒される。このとき、クランピングスクリュー30のボール収容部14内に存在する空気は一対のスリット18から外部に抜き出されるが、クランピングスクリュー30の基端側の工具係止穴19内に存在する空気は、従来では保持体33の保持孔34内においてクランピングスクリュー30の本体31で遮蔽されていることから外部へ抜け難い。しかし、この第2実施形態のクランピングスクリュー30においては、その先端側にボール収容部14内を外部に連通する一対のスリット18が設けられるとともに、ボール収容部14内と工具係止穴19との間にはガス抜き孔20が貫通形成されている。
【0032】
このため、工具係止穴19内の空気はガス抜き孔20を通過してボール収容部14内に到り、さらにボール収容部14内からスリット18を通ってワーク21側の空間部へ流れ出す。従って、ワーク21の使用時にクランピングスクリュー30の遮蔽部から空気が漏れて真空度が低下するおそれがなく、ワーク21の真空雰囲気における真空度は維持される。
【0033】
よって、第2実施形態のクランピングスクリュー30によれば、第1実施形態と同様の効果を発揮することができるとともに、簡易な構成によりワーク21を位置決めすることができる。
【0034】
なお、前記各実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 図5に示すように、クランピングスクリュー30のボール15の先端部には切欠き部として平坦に切欠かれた切欠き面35を設けることもできる。この場合、保持体33の保持孔34は斜め方向に延び、その中にクランピングスクリュー30が螺入されている。ボール15の切欠き面35はボール収容部14より外部に突出され、ワーク21の係合部としての対象面36に係合するように構成されている。なお、ボール15の切欠き面35の大きさは、ワーク21の種類、クランピングスクリュー30の傾斜角度等に応じて適宜設定することができる。
【0035】
従って、ボール15に切欠き面35を設けることにより、ワーク21の対象面36に対して保持体33の保持孔34の軸線すなわちクランピングスクリュー30の軸線が斜め方向に延びる場合、ワーク21の対象面36に対するボール15の切欠き面35の接触面積を大きくしてワーク21の位置決めを有効に行うことができる。
【0036】
・ 前記ガス抜き開口部としてのスリット18を1つで構成したり、或いは3つ以上で構成したりすることもできる。
・ 前記ガス抜き開口部を、本体11,31の先端部においてボール収容部14内を外部に開口する貫通孔で構成することもできる。
【0037】
・ 前記ガス抜き孔20を、ボール収容部14内と工具係止穴19内とを連通するように複数箇所に設けることも可能である。
・ 前記ボール15とコイルばね17との間にスペーサを介装し、ボール15の回転を円滑にするように構成することができる。
【0038】
・ 前記ボール15を、セラミック、合成樹脂等で形成することもできる。
【符号の説明】
【0039】
10…位置決め装置としてのボールプランジャ、11…本体、14…ボール収容部、15…ボール、17…ボール支持部としてのコイルばね、18…ガス抜き開口部としてのスリット、19…工具係止穴、20…ガス抜き孔、21…対象物としてのワーク、22…係合部としての位置決め凹部、30…位置決め装置としてのクランピングスクリュー、31…本体、32…ボール支持部としてのボール受け面、35…切欠き部としての切欠き面、36…係合部としての対象面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端にボール収容部が設けられた本体と、前記ボール収容部に収容され、その一部がボール収容部より外部に突出されたボールと、前記ボール収容部内に設けられ、ボールを支持するボール支持部とから構成され、対象物の係合部に前記ボールが係合して対象物の位置決めを行う位置決め装置であって、
前記本体の先端側にはボール収容部内を先端側から外部に連通するガス抜き開口部を形成するとともに、本体の基端側にはボール収容部内を基端側から外部に連通するガス抜き孔を貫通形成したことを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記ガス抜き開口部は、本体の先端において該本体の軸線方向に沿って切欠かれたスリットにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記スリットは、180度対向する位置に一対設けられていることを特徴とする請求項2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記ガス抜き孔は、本体の基端の中心位置で該本体の軸線方向に延びるように貫通形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記ガス抜き孔は、本体の基端に開口形成された工具係止穴とボール収容部内とを連通するように貫通形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記ボールには切欠き部が設けられ、該切欠き部がボール収容部より外部に突出され、対象物の係合部に係合するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−87931(P2013−87931A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231964(P2011−231964)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(592153953)鍋屋バイテック株式会社 (13)
【Fターム(参考)】