説明

位置決め部品

【課題】装置の高さが低く且つ簡単な構成の位置決め装置を提供すること。
【解決手段】基台11の表面に沿って延びるレール12に支持され、レールに垂直な側面21bを持つ第一のスライド部材21、第一のスライド部材の側面21bに備えられた第一のリニアガイド31、レール12に支持され、第一のスライド部材の側面21bに対向する側面22bから斜め上方に延びる斜面22aを持つ第二のスライド部材22、第二のスライド部材22に斜面22aに沿って傾斜して備えられた第二のリニアガイド32、第一のリニアガイド31と第二のリニアガイド32により昇降可能に支持されている楔状昇降部材23、そして基台11と第一のスライド部材21とを互いに接続しているスライド部材駆動具41、そして第一のスライド部材21と第二のスライド部材22を相互の間隔の調節を可能にするように接続しているスライド部材間距離調節具42を備える位置決め部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決め対象物を直動及び/又は昇降させて位置決めする位置決め部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光学描画装置により感光材の所定位置にレーザ光を照射するため、感光材(位置決め対象物)を直動及び/又は昇降させて位置決めする位置決め部品が開示されている。同文献の位置決め部品は、位置決め対象物を直動(水平方向に直線移動)させて位置決めする部品(一軸テーブル)の上に、位置決め対象物を昇降(垂直方向に直線移動)させて位置決めする部品(移動ステージ)を重ねて配置した構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−343357号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、高さを低くすることが容易で且つ簡単な構成の位置決め部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、レールに支持された第一のスライド部材の前記レールに垂直な側面に備えられた第一のリニアガイドと、上記レールに支持された第二のスライド部材の前記側面に対向する側面から斜め上方に延びる斜面に備えられた第二のリニアガイドとにより、位置決め対象物を支持する楔状の昇降部品を昇降可能に支持することにより、簡単な構成で高さの低い位置決め部品が実現することを見出し、本願発明に到達した。
【0006】
本発明は、基台、基台の表面に沿って直線状に延びるレール、レールにスライド可能に支持され、レールに垂直な側面を持つ第一のスライド部材、第一のスライド部材の該側面に縦方向に沿って備えられた第一のリニアガイド、上記レールにスライド可能に支持され、第一のスライド部材の側面に対向する側面から斜め上方に延びる斜面を持つ第二のスライド部材、第二のスライド部材に斜面に沿って傾斜して備えられた第二のリニアガイド、第一のリニアガイドと第二のリニアガイドにより昇降可能に支持されている楔状昇降部材、そして下記(1)または(2)に記載のスライド部材駆動手段を含む位置決め部品にある。
(1)基台と第一のスライド部材又は第二のスライド部材とを互いに接続している、接続しているスライド部材をレールに沿ってスライドさせるスライド部材駆動具、そして第一のスライド部材と第二のスライド部材を相互の間隔の調節を可能にするように接続しているスライド部材間距離調節具を含むスライド部材駆動手段。
(2)基台と第一のスライド部材とを互いに接続している、第一のスライド部材をレールに沿ってスライドさせる第一のスライド部材駆動具、そして基台と第二のスライド部材とを互いに接続している、第二のスライド部材をレールに沿ってスライドさせる第二のスライド部材駆動具を含むスライド部材駆動手段。
【0007】
本発明の位置決め部品の好ましい態様は、次の通りである。
(I)スライド部材駆動手段が、上記(1)のスライド部材駆動手段であって、スライド部材駆動具が、上記レールと平行に配置された回転軸を有する回転駆動装置と、前記回転軸に接続された送りねじからなり、そしてスライド部材間距離調節具が、上記レールと平行に配置された回転軸を有する回転駆動装置と、前記回転軸に接続された送りねじからなる。
(II)スライド部材駆動手段が、上記(2)のスライド部材駆動手段であって、第一のスライド部材駆動具及び第二のスライド部材駆動具が共に、上記レールと平行に配置された回転軸を有する回転駆動装置と、前記回転軸に接続された送りねじからなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の位置決め部品は、位置決め対象物が支持される昇降部材を、レール上に設置された第一のスライド部材及び第二のスライド部材の各々が備えるリニアガイドで支持した簡単な構成を有している。本発明の位置決め部品は、位置決め対象物を直動させて位置決めする部品と、位置決め対象物を昇降させて位置決めする部品とを積み重ねて構成する必要はない、すなわち下側の部品の位置決め対象物を支持する部材と、上側の部品の基台とが不要であるため、その高さを低くすることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の位置決め部品の構成例を示す平面図である。
【図2】図1の位置決め部品10の一部切り欠き正面図である。
【図3】図1の位置決め部品10を図の右側から見た図である。
【図4】図2の位置決め部品10を、昇降部材23を図の右側の方向に移動(直動)させた状態で示す図。但し、スライド部材21、22、そして昇降部材23の動作の理解を容易とするため、図2に示すスライド部材駆動具41は記入していない。
【図5】図4の位置決め部品10を、昇降部材23を図の上側の方向に移動(上昇)させた状態で示す図。但し、スライド部材21、22、そして昇降部材23の動作の理解を容易とするため、スライド部材駆動具は記入していない。
【図6】本発明の位置決め部品の別の構成例を示す平面図である。
【図7】図6に記入した切断線VII−VII線に沿って切断した位置決め部品60の断面図である。
【図8】図6の位置決め部品60を図の右側から見た図である。
【図9】図6の位置決め部品60を図の左側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の位置決め部品を、添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の位置決め部品の構成例を示す平面図である。図2は、図1の位置決め部品10の一部切り欠き正面図である。そして図3は、図1の位置決め部品10を図の右側から見た図である。
【0011】
図1〜図3に示す位置決め部品10は、基台11、基台11の表面に沿って直線状に延びるレール12、レール12にスライド可能に支持され、レール12に垂直な側面21bを持つ第一のスライド部材21、第一のスライド部材21の側面21bに縦方向に沿って備えられた第一のリニアガイド31、レール12にスライド可能に支持され、第一のスライド部材21の側面21bに対向する側面22bから斜め上方に延びる斜面22aを持つ第二のスライド部材22、第二のスライド部材22に斜面22aに沿って傾斜して備えられた第二のリニアガイド32、第一のリニアガイド31と第二のリニアガイド32により昇降可能に支持されている楔状昇降部材23、および後述のスライド部材駆動手段から構成されている。
【0012】
第一のスライド部材21は、その底面にレール12に沿ってスライド可能なスライダ13aを備えている。同様に、第二のスライド部材22は、その底面にレール12に沿ってスライド可能なスライダ13bを備えている。
【0013】
第一のリニアガイド31は、レール31aとレール31aにスライド可能に装着されたスライダ31bとから構成されている。第一のリニアガイド31のレール31aは第一のスライド部材21の側面21bに固定されていて、そしてスライダ31bは昇降部材23の側面23bに固定されている。なお、第一のリニアガイド31のレール31aを昇降部材23の側面23bに固定し、そしてスライダ31bを第一のスライド部材21の側面21bに固定することもできる。
【0014】
第二のリニアガイド32は、レール32aとレール32aにスライド可能に装着されたスライダ32bとから構成されている。第二のリニアガイド32のレール32aは昇降部材23の斜面23aに固定されていて、そしてスライダ32bは第二のスライド部材22の斜面22aに固定されている。なお、第一のリニアガイド32のレール32aを第二のスライド部材22の斜面22aに固定し、そしてスライダ32bを昇降部材23の斜面23aに固定することもできる。
【0015】
位置決め対象物を支持する昇降部材23は、第二のスライド部材22の斜面22aと対向する斜面23aを底面に有している。昇降部材23は、第一のリニアガイド31と第二のリニアガイド32により昇降可能に支持されている。
【0016】
昇降部材23は、第一のスライド部材21と第二のスライド部材22とを、それぞれレール12に沿って互いに同一の方向にスライドさせることにより、レール12に沿って移動(直動)する。
【0017】
その一方で、第一のスライド部材21及び第二のスライド部材22の一方あるいは両方をレール12に沿ってスライドさせ、両スライド部材21、22を互いに近づける(両スライド部材21、22の間隔を小さくする)ことにより、昇降部材23を上昇させることができる。
【0018】
例えば、第二のスライド部材22をレール12に沿ってスライドさせて第一のスライド部材21に近づけると、第二のリニアガイド32のスライダ32bがレール32aの下端の側にスライドする。これにより、昇降部材23が、レール32aの下端の側にスライドしたスライダ32bを介して第二のスライド部材22に支持される。このため、昇降部材23は、第一のリニアガイド31のスライダ31bと共にレール31aに沿って上昇する。
【0019】
これとは逆に、第一のスライド部材21及び第二のスライド部材22の一方あるいは両方をレール12に沿ってスライドさせ、両者のスライド部材を互いに遠ざける(両スライド部材21、22の間隔を大きくする)ことにより、昇降部材23を下降させることができる。
【0020】
例えば、第二のスライド部材22をレール12に沿ってスライドさせて第一のスライド部材21から遠ざけると、第二のリニアガイド32のスライダ32bがレール32aの上端の側にスライドする。これにより、昇降部材23が、レール32aの上端の側にスライドしたスライダ32bを介して第二のスライド部材22に支持される。このため、昇降部材23は、第一のリニアガイド31のスライダ31bと共にレール31aに沿って下降する。
【0021】
位置決め部品10は、昇降部材をレール12に設置した第一のスライド部材21及び第二のスライド部材22の各々が備えるリニアガイド31、32で支持した簡単な構成により、昇降部材23の上に置かれた位置決め対象物を直動及び/又は昇降させて位置決めすることが可能とされている。位置決め部品10は、位置決め対象物を直動させて位置決めする部品と、位置決め対象物を昇降させて位置決めする部品とを積み重ねて構成する必要はない、すなわち下側の部品の位置決め対象物を支持する部材と上側の部品の基台とが不要であるため、その高さを低くしたり、軽量化したりすることができる。
【0022】
位置決め部品10は、基台11と第一のスライド部材21とを互いに接続している、接続しているスライド部材21(スライド部材駆動具41を介して基台11に接続されているスライド部材)をレール12に沿ってスライドさせるスライド部材駆動具41、そして第一のスライド部材21と第二のスライド部材22を相互の間隔の調節を可能にするように接続しているスライド部材間距離調節具42からなるスライド部材駆動手段を備えている。
【0023】
第一のスライド部材21と第二のスライド部材22とは、スライド部材間距離調節具42を介して互いに接続された状態でレール12に沿ってスライドする。このため、スライド部材駆動具41により、上記のように基台11と第一のスライド部材21とが互いに接続されている場合でも、基台11と第二のスライド部材22とが互いに接続されている場合でも、スライド部材間距離調節具42を介して基台11に接続されたスライド部材をレール12に沿ってスライドさせると、残りのスライド部材もまたレール12に沿ってスライドする。従って、スライド部材駆動具41により、基台11と第二のスライド部材22とが互いに接続されていてもよい。
【0024】
スライド部材駆動具41は、レール12と平行に配置された回転軸43aを有する回転駆動装置43と、回転軸43aに接続された送りねじ45から構成されている。送りねじ45は、ねじ軸45aと、ねじ軸45aの周囲に嵌め合わされたナット45bから構成されている。送りねじ45のねじ軸45aは、接続具(カップリング)47を介して回転軸43aに接続されている。
【0025】
回転駆動装置43は、基台11の上に設置(接続)されていて、そして送りねじ45のナット45bは、第一のスライド部材21の突出部21aの透孔に収容固定(接続)されている。なお、回転駆動装置43を第一のスライド部材21に設置(接続)し、そして送りねじ45のナット45bを基台11に固定(接続)することもできる。
【0026】
スライド部材駆動具41の回転駆動装置43を作動させ、回転軸43aをねじ軸45aと共に回転させると、ねじ軸45aに嵌め合わされているナット45bが、ナット45bに固定されている第一のスライド部材21と共にレール12に沿ってスライドする。これにより、第一のスライド部材21(あるいは第一のスライド部材21にスライド部材間距離調節具42を介して接続されている第二のスライド部材22)を、レール12の上の所定位置に配置することができる。
【0027】
第一のスライド部材21と第二のスライド部材22とはスライド部材間距離調節具42を介して互いに接続されているため、第二のスライド部材22に支持されている昇降部材23とその上に置かれた位置決め対象物(図示していない)もまた、レール12の長さ方向に移動(直動)して所定位置に配置(位置決め)される。
【0028】
例えば、図2に示す位置決め部品10のスライド部材駆動具41により、第一のスライド部材21を図の右側の方向にスライドさせてレール12の上の所定位置に配置することにより、図4に示すように昇降部材23とその上に置かれる位置決め対象物もまた図の右側の方向に移動(直動)して位置決めされる。
【0029】
図2に示すように、スライド部材間距離調節具42は、レール12と平行に配置された回転軸44aを有する回転駆動装置44と、回転軸44aに接続された送りねじ46とから構成されている。送りねじ46は、ねじ軸46aと、ねじ軸46aの周囲に嵌め合わされたナット46bから構成されている。送りねじ46のねじ軸46aは、接続具47を介して回転軸44aに接続されている。
【0030】
回転駆動装置44は、第一のスライド部材21に設置(接続)されていて、そして送りねじ46のナット46bは、第二のスライド部材22の透孔に収容固定(接続)されている。なお、回転駆動装置44を第二のスライド部材22に設置(接続)し、そして送りねじ46のナット46bを第一のスライド部材21に固定(接続)することもできる。
【0031】
スライド部材間距離調節具42の回転駆動装置44を作動させ、回転軸44aをねじ軸46aと共に回転(正転あるいは逆転)させると、ねじ軸46aに嵌め合わされているナット46bが、ナット46bに固定されている第二のスライド部材22と共にレール12に沿ってスライドする。これにより、第一のスライド部材21と第二のスライド部材22との間隔を調節することができる。
【0032】
第一のスライド部材21と第二のスライド部材22との間隔を調節することにより、昇降部材23とその上に置かれた位置決め対象物(図示していない)とが上下方向に移動(昇降)して所定の高さに配置(位置決め)される。
【0033】
例えば、図4に示す位置決め部品10のスライド部材間距離調節具42により、第二のスライド部材22を図の左側の方向にスライドさせて第一のスライド部材21に近づける(両スライド部材21、22の間隔を小さくする)ことにより、図5に示すように昇降部材23とその上に置かれる位置決め対象物とが図の上側の方向に移動(上昇)して位置決めされる。
【0034】
位置決め部品10が備えるスライド部材駆動手段は、一台の回転駆動装置(回転駆動装置44)によって、第一のスライド部材21及び第二のスライド部材22との間隔、すなわち昇降部材23の高さを調節するため、昇降部材23を高精度にて昇降させることができる。
【0035】
図1〜図3に示す位置決め部品10の第二のリニアガイド32は、第二のスライド部材22の斜面22aと、昇降部材23の斜面23aとの各々に固定されている。第二のリニアガイド32は、例えば、第二のスライド部材22及び昇降部材23の各々の斜面に近接する側面(図2にて手前側もしくは奥側の側面)の各々に固定することもできる。この場合、第二のリニアガイド32の傾斜角度は、第二のスライド部材22の斜面22aあるいは昇降部材23の斜面23aの傾斜角度と一致する必要はない。第二のリニアガイド32の傾斜角度により、両スライド部材21、22の間隔と、昇降部材23の上下方向の位置との関係が定まる。
【0036】
また、スライド部材駆動具41あるいはスライド部材間距離調節具42として用いる回転駆動装置と送りねじは、直動駆動装置として機能する。従って、回転駆動装置43と送りねじ45、あるいは回転駆動装置44と送りねじ46に代えて、それぞれ公知の直動駆動装置(例、リニアモータ)を用いることもできる。回転駆動装置43、44の各々としては、公知の回転駆動装置(代表例、ステッピングモータ)を用いることができる。
【0037】
図6は、本発明の位置決め部品の別の構成例を示す平面図である。図7は、図6に記入した切断線VII−VII線に沿って切断した位置決め部品60の断面図である。図8は、図6の位置決め部品60を図の右側から見た図である。そして図9は、図6の位置決め部品60を図の左側から見た図である。
【0038】
図6〜図9に示す位置決め部品60の構成は、スライド部材駆動手段の構成が異なること以外は図1〜3に示す位置決め部品10と同様である。
【0039】
位置決め部品60は、基台11と第一のスライド部材61とを互いに接続している、第一のスライド部材61をレール12に沿ってスライドさせる第一のスライド部材駆動具51、そして基台11と第二のスライド部材62とを互いに接続している、第二のスライド部材62をレール12に沿ってスライドさせる第二のスライド部材駆動具52からなるスライド部材駆動手段を備えている。
【0040】
第一のスライド部材駆動具51は、レール12と平行に配置された回転軸43aを有する回転駆動装置43と、回転軸43aに接続された送りねじ45とから構成されている。送りねじ45のナット45bは、第一のスライド部材61の突出部61aの透孔に収容固定されている。同様に、第二のスライド部材駆動具52は、レール12と平行に配置された回転軸44aを有する回転駆動装置44と、回転軸44aに接続された送りねじ46とから構成されている。送りねじ46のナット46bは、第二のスライド部材62の突出部62aの透孔に収容固定されている。
【0041】
第一のスライド部材駆動具51の回転駆動装置43を作動させることにより、回転駆動装置43に送りねじ45を介して接続されている第一のスライド部材61をレール12に沿ってスライドさせ、レール12の上の所定位置に配置することができる。そして第二のスライド部材駆動具52の回転駆動装置44を作動させることにより、回転駆動装置44に送りねじ46を介して接続されている第二のスライド部材62をレール12沿ってスライドさせ、レール12の上の所定位置に配置することができる。
【0042】
従って、第一のスライド部材駆動具51及び第二のスライド部材駆動具52を用いて、第一のスライド部材61及び第二のスライド部材62を、両スライド部材61、62を一定の間隔に保った状態でレール12に沿ってスライドさせることにより、昇降部材23とその上に置かれる位置決め対象物とをレールに沿って移動(直動)させて位置決めすることができる。
【0043】
一方、第一のスライド部材駆動具51及び第二のスライド部材駆動具52を用いて、第一のスライド部材61及び第二のスライド部材62の各々をレール12に沿ってスライドさせ、両スライド部材61、62の間隔を調節することにより、昇降部材23とその上に置かれる位置決め対象物とを昇降させて位置決めすることができる。
【0044】
位置決め部品60が備えるスライド部材駆動手段は、回転駆動装置43、44が基台11の上に設置されていて移動することがないため、各々の回転駆動装置に接続される各種ケーブル(代表例、電源ケーブル)の配置を固定することができる。
【0045】
本発明の位置決め部品は、例えば、機械加工の対象となる物品を直動及び/又は昇降させて位置決めするXZステージとして用いることができる。また、本発明の位置決め部品の複数台を用いて大きなサイズのステージ板を支持することにより大型のXZステージを構成することもできる。また、本発明の位置決め部品(XZステージ)と別の位置決め部品(例えば、Yステージ、θステージ)とを重ねて配置して、多自由度の位置決め部品を構成することもできる。また、本発明の位置決め部品の複数台によりステージ板を支持して、更に前記ステージ板と各々の位置決め部品の昇降部材との間に各種の軸受(直動軸受、回転軸受あるいは球面軸受)を設置して多自由度の位置決め部品を構成することもできる。
【符号の説明】
【0046】
10 位置決め部品
11 基台
12 レール
13a、13b スライダ
21 第一のスライド部材
21a 突出部
21b 側面
22 第二のスライド部材
22a 斜面
22b 側面
23 昇降部材
23a 斜面
23b 側面
31 第一のリニアガイド
31a レール
31b スライダ
32 第二のリニアガイド
32a レール
32b スライダ
41 スライド部材駆動具
42 スライド部材間距離調節具
43、44 回転駆動装置
43a、44a 回転軸
45、46 送りねじ
45a、46a ねじ軸
45b 46b ナット
47 接続具
51 第一のスライド部材駆動具
52 第二のスライド部材駆動具
60 位置決め部品
61 第一のスライド部材
61a 突出部
62 第二のスライド部材
62a 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台、基台の表面に沿って直線状に延びるレール、レールにスライド可能に支持され、レールに垂直な側面を持つ第一のスライド部材、第一のスライド部材の該側面に縦方向に沿って備えられた第一のリニアガイド、上記レールにスライド可能に支持され、第一のスライド部材の側面に対向する側面から斜め上方に延びる斜面を持つ第二のスライド部材、第二のスライド部材に斜面に沿って傾斜して備えられた第二のリニアガイド、第一のリニアガイドと第二のリニアガイドにより昇降可能に支持されている楔状昇降部材、そして下記(1)または(2)に記載のスライド部材駆動手段を含む位置決め部品:
(1)基台と第一のスライド部材又は第二のスライド部材とを互いに接続している、接続しているスライド部材をレールに沿ってスライドさせるスライド部材駆動具、そして第一のスライド部材と第二のスライド部材を相互の間隔の調節を可能にするように接続しているスライド部材間距離調節具を含むスライド部材駆動手段、または
(2)基台と第一のスライド部材とを互いに接続している、該スライド部材をレールに沿ってスライドさせる第一のスライド部材駆動具、そして基台と第二のスライド部材とを互いに接続している、該スライド部材をレールに沿ってスライドさせる第二のスライド部材駆動具を含むスライド部材駆動手段。
【請求項2】
スライド部材駆動手段が、上記(1)のスライド部材駆動手段であって、スライド部材駆動具が、上記レールと平行に配置された回転軸を有する回転駆動装置と、該回転軸に接続された送りねじからなり、そしてスライド部材間距離調節具が、上記レールと平行に配置された回転軸を有する回転駆動装置と、該回転軸に接続された送りねじからなる請求項1に記載の位置決め部品。
【請求項3】
スライド部材駆動手段が、上記(2)のスライド部材駆動手段であって、第一のスライド部材駆動具及び第二のスライド部材駆動具が共に、上記レールと平行に配置された回転軸を有する回転駆動装置と、該回転軸に接続された送りねじからなる請求項1に記載の位置決め部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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