説明

位置確認装置、位置確認システムおよび位置確認方法

【課題】 所定の目標点の方向やその点に至るまでの距離をリアルタイムで確認する。
【解決手段】 2つの移動通信ゲーム機1A、1Bがある場合、これらから所定のタイミングで座標情報(Xa,Ya)および(Xb,Yb)が出力される。そして、センタ30のパソコン32は、これらの座標から両者の間の距離および方向を算出する。そして、移動通信ゲーム機1Aまたは1Bのいずれかから要求があれば、算出した距離および方向を示すデータを送信する。図示の場合は、移動通信ゲーム機1Aにデータを送信した場合を示しており、データを受信した移動通信ゲーム機1Aは、移動通信ゲーム機1Bまでの距離を表示するとともに、その向きを矢印で表示する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、アウトドアゲームや車両の走行ルート管理に用いて好適な位置確認装置および位置確認システムおよび位置確認方法に関する。
【0002】
【従来の技術】市街地や郊外において、見えない相手の位置や方向をリアルタイムに確認しながらゲームなどが行えれば、今までにない面白さをもったゲームを楽しむことができる。また、自動車の走行ルート沿って目標点を設定し、これらの位置を示す情報を確認しながら走行することができれば、道に迷うこともなく、走行計画も立て易い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来は、上述した要求を満たす装置はなく、その開発が望まれていた。そこで、この発明は、所定の目標点やゲームの相手の方向と距離をリアルタイムで確認することができる位置確認装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、装置本体の地上における座標を検出する座標検出手段と、外部と信号の授受を行う通信手段と、前記座標検出手段が検出した座標を所定のタイミングにおいて前記通信手段を介して外部に送信する座標送信制御手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される距離情報に基づいて距離を指示する距離指示手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される方向情報に基づいて方向を指示する方向指示手段とを具備することを特徴とする。
【0005】また、請求項2に記載の発明においては、前記方向指示手段は、方向を表示する方向表示手段と、当該装置の向きを検出する向き検出手段とを具備し、前記方向情報が示す方向を、前記向き検出手段が検出した角度を参照して当該装置の向きに関わらず、前記方向情報に応じた絶対的な方向を指示するように前記方向表示手段を制御することを特徴とする。
【0006】請求項3に記載の発明においては、請求項1または2記載の位置確認装置において、前記通信手段は、移動電話によるパケット通信を用いて通信を行うことを特徴とする。
【0007】請求項4に記載の発明においては、(a)装置本体の地上における座標を検出する座標検出手段と、外部と信号の授受を行う通信手段と、前記座標検出手段が検出した座標を所定のタイミングにおいて前記通信手段を介して外部に送信する地上座標送信制御手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される距離情報に基づいて距離を指示する距離指示手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される方向情報に基づいて方向を指示する方向指示手段とを有する複数の位置確認装置と、(b)前記各位置確認装置から送信された座標に基づいて、前記各移動位置確認装置相互間の距離および方向を演算する第1の演算、または、予め設定された座標を目標点とし、前記各移動位置確認装置と前記目標点との間の相対距離および方向を演算する第2の演算のうち少なくともいずれか一方を行う演算手段と、(c)前記演算手段の演算結果を前記各移動位置確認装置に送信する演算結果送信手段とを具備することを特徴とする。
【0008】請求項5に記載の発明においては、請求項4記載の位置確認システムにおいて、前記方向指示手段は、方向を表示する方向表示手段と、当該装置の向きを検出する向き検出手段とを具備し、前記方向情報が示す方向を、前記向き検出手段が検出した角度を参照し、当該装置の向きに拘わらず、前記方向情報に応じた絶対的な向きを表示するように前記方向表示手段を制御することを特徴とする。
【0009】請求項6に記載の発明においては、請求項4または5記載の位置確認システムにおいて、前記通信手段は、移動電話によるパケット通信を用いて通信を行うことを特徴とする。
【0010】また、請求項7に記載の発明においては、複数の端末装置の相互間の距離および方向を確認する方法であって、(a)前記各端末装置本体の地上における座標を各端末装置の座標検出装置によって各々検出するとともに、この検出結果を各端末装置の送信装置によって送信する過程と、(b)前記各端末装置とは別体に設けられた演算装置において、前記各端末装置から送信された座標に基づき、前記各端末相互間の距離および方向を演算する過程と、(c)前記演算装置によって得られた結果を、送信手段を用いて前記各端末装置に送信する過程と、(d)前記各端末装置に設けられた距離指示装置および方向指示装置において、前記送信手段から送信された演算結果に基づく距離および方向を各々指示する過程とを有することを特徴とする。
【0011】請求項8に記載の発明においては、複数の端末装置の相互間の距離および方向を確認する方法であって、(a)前記各端末装置本体の地上における座標を各端末装置の座標検出装置によって各々検出するとともに、この検出結果を各端末装置の送信装置によって送信する過程と、(b)前記各端末装置とは別体に設けられた演算装置において、前記各端末装置から送信された座標に基づき、前記各端末相互間の距離および方向を演算する過程と、(c)前記演算装置の演算結果のうちいずれの端末装置についての演算結果が必要であるかを示す情報を前記各端末の要求送出手段から送信する過程と、(d)前記演算装置によって得られた結果のうち各端末装置の要求に応じたものを、送信手段を用いて対応する端末装置に送信する過程と、(e)前記各端末装置に設けられた距離指示装置および方向指示装置において、前記送信手段から送信された演算結果に基づく距離および方向を各々指示する過程とを有することを特徴とする。
【0012】(作用)請求項1に記載の発明にあっては、外部から距離情報および方向情報が送信されると、距離指示手段および方向指示手段によって、その距離および方向が指示される。また、座標検出手段が検出した当該装置の位置を示す座標が通信手段を介して外部へ送信されるから、外部において当該装置の位置を知ることができる。この結果、外部においては、所定の目標位置と当該装置との相対距離や方向などを求めることができる。そして、このようにして求められた距離や方向を、各々距離情報および方向情報として通信手段を介して送信すれば、当該装置においては、これらの距離や方向が指示される。したがって、当該装置を携帯している人を誘導することができる。
【0013】請求項4に記載の発明にあっては、複数の位置確認装置から各装置の位置を示す座標が送信され、また、演算手段においては、前記各位置確認装置相互間の距離および方向の演算、または、予め設定された目標点と前記各位置確認装置との間の相対距離および方向の演算の少なくともいずれか一方が行われ、その結果が演算結果送信手段によって送信されるので、各位置確認装置にあっては、互いの位置を知ることができるとともに、所定の目標点の位置を知ることができる。
【0014】請求項2、5に記載の発明においては、位置確認装置がどのような向きであっても、角度情報に対応する方向が直接的に表示される。
【0015】請求項3、6に記載の発明においては、位置確認装置がパケット通信によって送受信を行うので、回線の利用効率がよく、また、通話料金の低廉化が図れる。
【0016】請求項7、8に記載の発明においては、各端末装置の相互の位置および方向を各端末装置において知ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
A:実施形態の構成以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態の構成を示すブロック図であり、1は携帯型の移動通信ゲーム機である。この通信ゲーム機1は、ネットワークNTを介してパケット通信を行う携帯電話部2、所定の方位(例えば、北)に対する装置本体の角度を示すデジタル方位磁石部3、各種操作や表示を行う画面操作部4および衛星ST,STからの信号を基に装置本体の地上座標を検出するGPS部5を有している。
【0018】次に、上述した各構成要素についてより詳細に説明する。まず、図2は、移動通信ゲーム機1の前面パネルを示す正面図であり、各種表示を行う液晶表示部10が前面パネルの右側に設けられ、他の移動通信ゲーム機や所定の目標点までの方向を示す方向表示部11が前面パネルの左上部に設けられ、また、各種操作を行う操作部12が前面パネルの左下部に設けられている。これら液晶表示部10、方向表示部11および操作部12は、各々上述した画面操作部4の構成要素である。この場合、液晶表示部10は、ドットマトリックス表示により各種文字や数字などを表示するようになっており、同様に、方向表示部11もドットマトリックスにより矢印11aを表示する。
【0019】また、図3は、画面操作部4の電気的構成を示すブロック図である。図において20は、各部を制御するCPU、21はプログラム等が記憶されたICカード、22は各種データが一次記憶されるRAMであり、23は他の回路との間でデータの授受を行うインターフェイスである。このインターフェイス23を介して、デジタル方位磁石部3およびGPS部5の出力データがCPU20に転送されるようになっている。
【0020】ここで、GPS部5は、静止衛星ST,ST,ST……からの信号をアンテナ5aで受信し、これらの受信信号に基づいて自己の位置を検出する回路であり、経緯(地上座標)を示す座標情報(X,Y)を出力する。この座標情報(X,Y)は、CPU20の管理の基に、一定時間毎に携帯電話部2に転送され、ここからアンテナ2aを介してネットワークNTに送信される。
【0021】次に、デジタル磁石方位部3は、本体の方向が所定の方位(この実施形態の場合は北)に対してどのような角度にあるかを検出するものであり、図4に示すように、北を0°とし、右回りに+θ°、左回りに−θ°の角度信号を出力する。この角度信号は、インターフェイス23を介してCPU20に供給される。また、操作部12は、図示のように、5つのスイッチ12a〜12eに分割されており、各スイッチからオン/オフ信号がCPU20に供給される。
【0022】次に、図1に示す30は、管理センタであり、携帯電話部31とパーソナルコンピュータ(以下パソコンと略称する)32とを有している。携帯電話部31は、ネットワークNTから座標情報(X,Y)を受け取ると、これをパソコン32に転送する。パソコン32では、転送された座標情報(X,Y)を、所定のプログラムによって処理し、処理結果を携帯電話31に返送する。そして、処理結果は、携帯電話31のアンテナ31aを介してネットワークNTに伝達され、さらに、移動通信ゲーム機1に転送される。
【0023】例えば、図5に示すように、2つの移動通信ゲーム機1A、1Bがある場合、これらから所定のタイミングで座標情報(Xa,Ya)および(Xb,Yb)が出力される。センタ30のパソコン32は、これらの座標から両者の間の距離および方向を算出し、移動通信ゲーム機1Aまたは1Bのいずれかから要求があれば、距離および方向を示すデータを送信する。図示の場合は、移動通信ゲーム機1Aからの要求の答えてデータを送信した場合を示している。
【0024】B:実施形態の動作次に、上記構成によるこの実施形態の動作について説明する。ただし、図3に示すように画面操作部4のCPU20は、ICカード21内のプログラムに基づいて動作するので、ICカード21を入れ換えることでその動作が変化する。そこで、以下においては、ICカード21にゲーム用プログラムが記憶されている場合を例にとり、各ゲーム毎に説明を行う。
【0025】(1)オリエンテーリングゲームこのゲームは、参加者が所定のチェックポイントを探しながら順次通過し、全てのチェックポイントを通過するまでの時間を競うゲームである。始めに、チェックポイントとなる場所を決め、その場所の座標をパソコン32に入力する。なお、チェックポイントの座標が判っていないときには、その場所に移動通信ゲーム機1をおき、座標情報(X,Y)をネットワークNTおよび携帯電話31を介してパソコン32に入力するようにしてもよい。
【0026】次に、ゲーム参加者は、それぞれが移動通信ゲーム機1を持って所定の位置からスタートする。この場合、各移動通信ゲーム機1からは定期的に座標情報(X,Y)が出力され、管理センタ30のパソコンにおいては、それらの座標情報(X,Y)を基にチェックポイントまでの距離および方向を算出する。そして、パソコン32は、各移動通信ゲーム機1から要求があると、その移動通信ゲーム機1とチェックポイントまでの距離および方向を示す距離情報および方向情報を伝送する。この場合、移動通信ゲーム機1からの情報要求は、ICカード21内のプログラムに基づいて、自動的に所定のタイミング(一定間隔、あるいは他の処理の合間等の適宜な間隔)で出力されるようになっている。なお、操作部12のスイッチ12a〜12eのいずれか、または、所定の組み合わせを押すことにより、情報要求を発信するように構成することもできる。
【0027】そして、管理センタ30側から伝送された距離情報および方向情報は、携帯電話2およびインターフェイス23(図3参照)を順次介して、CPU20に供給される。そして、CPU20は、供給された位置情報を液晶表示部10の部分10a(図2参照)に表示させる。また、CPU20は、供給された方位情報に基づいて方向表示部11の矢印の向きを制御する。この場合、デジタル方位磁石部3が出力する信号θと管理センタ30から供給される方位情報の双方から、チェックポイントの絶対的な方向を求め、これを表示する。
【0028】すなわち、移動通信ゲーム機1の本体の向きによらず、チェックポイントの絶対的な方向を示すように制御が行われる。例えば、図6(イ)に示すような位置関係にあれば、方向情報は「北から右回りに45°の方向」となるが、この場合に本体の向きが図6(ロ)に示すように北を向いていれば、方向表示部11の矢印は基準点11bから右回りに45°回転した位置に表示される。一方、本体の向きが同図(ハ)に示すように右回りに45°回転した向きにあれば、デジタル方位磁石部3の出力信号θが45°となるので、方向表示部11の矢印は、基準点11bの位置に表示される。すなわち、「方位情報−(θ°)」によって求められる方向に表示され、本体の向きによらず、チェックポイントまでの絶対的な方向が示される。以上の表示によって、ゲーム参加者はチェックポイントまでの距離および方向を知り、これを参考にして移動する。
【0029】そして、チェックポイントに近づき、距離が所定値以内になると、CPU20がこれを検知し、ICカード内に記憶されている質問事項を読み出し、液晶表示部10の部分10cに表示する。この場合の質問は、例えば、「チェックポイントの目印は?」、「ビルの中それとも外?」、「どんな人がいる?」等のヒントとなる質問が用意されている。そして、操作部12のスイッチ12a〜12eを押すことによって、質問を選択すると、その質問を示す選択信号が携帯電話部2、ネットワークNTを介して管理センタ30のパソコン32に転送される。そして、パソコン32では、この選択信号に対する答えをメモリから読み出し、これを携帯電話31およびネットワークNTを介して移動通信ゲーム機1に返送する。このようにして返送された答えは、携帯電話部2およびインターフェイス23を介してCPU20に転送され、これにより、CPU20は液晶表示部10の部分10dに当該答えを表示する。ゲーム参加者は、この答えを読むことで、チェックポイントを見つけることができる。ここで、図7は、移動通信ゲーム機1Bから選択信号(n)が送信され、それに対する答えが管理センタ30から返送された場合の信号の経路を示している。
【0030】上述のようにヒントを出すことにより、チェックポイントへの到達が容易になるとともに、仮に、GPS部5における座標検出誤差がある場合でも、間違いなくチェックポイントを見つけることができるという効果が得られる。
【0031】そして、チェックポイントに達したゲーム参加者は、スイッチ12a〜12eを用いて所定の操作を行い、チェックポイントに達した旨のデータを管理センタ30に送る。この結果、管理センタ30は、次のチェックポイントまでの距離および方向を当該移動通信ゲーム機1に伝送する。
【0032】以上のようにして、各チェックポイントを通過していき、最終チェックポイントに達する時間を争う。この場合CPU20は、ソフトウエア処理によってゲーム時間を計時し、その経過時間を表示部10の部分10bに表示する。また、ゲーム終了後は、経過時間をパソコン32に送信する。パソコン32では、各参加者から送信されたゲーム終了時間から勝者を判定する。
【0033】なお、各参加者のゲーム経過時間をパソコン32において計時し、その計時結果を時間データとして移動通信ゲーム機1に送信するように構成してもよい。この場合、移動通信ゲーム機1においては、転送された時間データを液晶表示部10の部分10bに表示する。
【0034】(2)人探しゲームこのゲームは、移動する特定の人を、複数の参加者が探すゲームであり、最も早く探した人が勝者となる。まず、特定の人(以下、ターゲットと呼ぶ)と、これを探す人(以下、シーカーと呼ぶ)が各々移動通信ゲーム機1を携帯する。そして、パソコン32は、ターゲットから送られてくる座標情報および各シーカから送られてくる座標に基づき、各シーカ毎に、ターゲットまでの距離と方向を算出し、これらを各シーカに送信する。この結果、各シーカーの移動通信ゲーム機1には、前述のゲームの場合と同様にして、ターゲットまでの距離と方向が表示され、各シーカーはこれを参照してターゲットを探す。
【0035】そして、シーカーがターゲットに近づいたときは、シーカーに関する質問が表示され、これを選択するとその答えが液晶表示部10に表示される。この答えは、ターゲットについてのヒントになっており、これによって、シーカーがターゲットを発見する。この質問と回答の手順は、前述したゲームの場合と同様である。
【0036】また、ターゲットは、発見された際に、操作部12に対し所定の操作を行い、座標情報の発信を停止させる。管理センタ30では、ターゲットから座標情報の発信が止まったことを検出し、以後、各シーカーに対して距離情報および方向情報の伝送を停止する。そして、各シーカーのCPU20が、距離情報および方向情報の伝送が停止されたことを認識し、液晶表示部10および方向表示部11の表示を停止する。これにより、各シーカーは、ターゲットが発見され、ゲームが終了したことを知る。
【0037】(3)恋人探しゲームこのゲームは、男女それぞれ複数人によって行い、互いに好みの相手を見つけるというゲームである。まず、ゲームに参加する男女に、それぞれ移動通信ゲーム機1を携帯させる。そして、男女毎に各人を識別する番号を設定する。例えば、男女各5人が参加する場合は、男■〜男■および女■〜女■というように設定する。この設定は、管理センタ30で行い、各参加者にそれぞれ異性の参加数を示すデータを伝送する。このデータを受けた各参加者の移動通信ゲーム機1では、その液晶表示部10の所定の位置に参加番号表示を行う。例えば、男性の参加者においては、液晶表示部10に■、■、■、■、■の数値が表示される。
【0038】次に、ゲームが開始されると、各参加者の移動通信ゲーム機1から、それぞれの座標情報が所定のタイミングで周期的に発信される。管理センタ30のパソコン32は、これらの座標情報を読み取り、それぞれの相対距離および方向を算出する。この場合、どの参加者の情報であるかは、通信の際に伝送される移動局番号から識別する。
【0039】そして、各参加者は、操作部12のスイッチ12a〜12eを操作して、異性の参加者番号のいずれかを選択し、距離情報と方向情報のリクエストを行う。例えば、男■として設定されている男性の参加者が1番を選択すると、この選択信号が管理センタ30のパソコン32に伝達され、これにより、パソコン32は、女■までの距離および方向を、男■の移動通信ゲーム機1に転送する。この結果、男■は、女■までの距離、および方向を知ることができる。同様に、女性参加者が1番を選択すると、その参加者の移動通信ゲーム機1には男■について距離と方向が表示される。このようにして、男性参加者は、女■〜女■についての距離と方向を知ることができ、同様に女性参加者は男■〜男■についての距離と方向を知ることができる。
【0040】そして、男女各5人が、例えば、最も近くにいる異性を探したり、あるいは、行きやすい方向にいる異性を探す。この場合、自分が探している相手が、必ずしも自分を探している訳ではないので、距離が次第に離れたり、あるいは、方向が頻繁に変わったりすることもある。
【0041】そして、このような状況のなかで、男女1組の距離がある程度近づくと、前述したゲームと同様にして、液晶表示部10に質問が表示される。例えば、男性参加者の液晶表示部10には、図2に示すように、「帽子は何色?」、「身長は高い?」、「髪の毛は長い?」、「服は何色?」等の質問が表示される。そして、質問を選択すると、選択信号が管理センタ30のパソコン32に伝達される。この場合、パソコン32は、両者の接近状態から相手を認識し、この相手について予め入力されている回答を返送する。そして、男性参加者の液晶表示部10の部分10dには、質問の回答が表示される。図2に示す表示例では、「帽子は何色?」の答えとして「青色」の回答が表示されている。参加者は、これらの回答をヒントにして相手を発見する。
【0042】さて、相手を発見すると、このとき始めてお互いを見ることになり、ここで、カップルとなれば、男女共に操作部12に対し所定の操作を行い、座標情報の発信を停止する。これにより、管理センタ30のパソコン32が、この2人の座標情報が発信されないことを検知し、他の参加者にこの2人がカップルとなりゲームから抜けた旨の情報を伝達する。この結果、他の参加者の液晶表示部10においては、カップルとなった男女の参加番号が消灯する。
【0043】例えば、男■と女■がカップルとなれば、パソコン32は、男性参加者には女■がゲームから抜けたことを伝達し、また、女性参加者には男■が抜けたことを伝達する。そして、男性参加者の移動通信ゲーム機1においては、液晶表示部10に表示されてた■〜■の番号から■が消去され、また、女性参加者の移動通信ゲーム機1においては、液晶表示部10に表示されていた■〜■の番号から■が消去される。なお、この場合の表示制御は、パソコン32のデータが伝達されるCPU20によって行われる。
【0044】一方、相手を発見してもカップルとならなかった場合は、そのままゲームが続行され、それぞれ別の相手を探すべく、移動を開始する。
【0045】(4)バトルシップゲームこのゲームは、所定のポイントに仮想配置された武器を獲得し、その武器を用いて相手を攻撃するゲームであり、攻撃された相手は、武器に応じたダメージを受け、これが所定量を超えると負けとなる。
【0046】始めに、所定のポイントを幾つか定め、そこに各種武器を仮想配置する。これらの設定は、管理センタ30内のパソコン32のメモリに設定する。そして、パソコン32は、参加人数に対応するデータを各参加者の移動通信ゲーム機1に送信し、これにより、各移動通信ゲーム機1の液晶表示部10には参加者の数に応じた番号が表示される。これは、前述した恋人探しゲームの参加者表示と同様にして行われる。また、各参加者は、操作部12を操作することにより、他の参加者までの距離および方向を知る。
【0047】また、パソコン32は、各参加者の移動通信ゲーム機1に仮想配置されている武器の数を送信する。これにより、各移動通信ゲーム機1の液晶表示部10には武器の数に応じた番号が表示される。すなわち、■、■……等の表示される。そして、操作部12を操作していずれかも武器を選択すると、その武器までの距離、および方向を示す情報がパソコン32から返送される。このとき、武器の種類についての情報は与えられず、参加者は武器の位置の情報だけしか判らない。
【0048】そして、各参加者は、武器を獲得するために、パソコン32から返送される距離と方向をたよりに移動する。参加者が武器に近づくと、パソコン32から武器の種類を知らせる情報が送信され、これが液晶表示部10に表示される。そして、参加者がその武器の仮想配置点に達すると、当該武器を獲得したことになり、パソコン32はその旨を記憶する。
【0049】そして、武器を獲得した参加者は、保有している武器の中から任意のものを選んで他の参加者を攻撃する。この攻撃は、操作部12を操作して、使用する武器を決定するとともに、攻撃する相手を選択する。この場合、武器の種類や相手までの距離などに応じて、相手のダメージが異なるように設定されている。
【0050】一方、攻撃を受けた参加者については、そのダメージの度合いをパソコン32がカウントする。そして、ダメージの量が所定量を超えた場合は、当該参加者を失格とし、その参加者の番号を消去する旨の信号を他の参加者の移動通信ゲーム機1に送信する。これにより、他の参加者は、当該ダメージを受けた参加者が失格したことを知る。
【0051】(5)その他の適用本実施形態は、上述したゲームの他、種々の適用が可能である。
■前述したオリエンテーリングゲームは、参加者が徒歩にて行うゲームであったが、参加者が移動通信ゲーム機1を自動車に乗せてゲームを行うようにすれば、ゲームエリアが極めて広くなり、例えば、自動車ラリーを行うことも可能である。
【0052】■前述した人探しゲームのターゲットを、賞品代えれば、全く同様の手法で宝探しゲームを行うことができる。
【0053】D:変形例(1)複数プログラムを記憶したROMを用い、このROM内のプログラムを適宜選択して用いるようにしてもよい。また、このROMは、ICカードに代えて用いても、併用して用いてもよい。
【0054】(2)管理センタ30とネットワークNTの間は、有線で接続してもよい。
【0055】(3)座標情報を転送するタイミングは、実施形態で示したタイミングに限らず、例えば、管理センタ30からポーリングを行い、これに対する応答として座標で情報を転送してもよい。
【0056】(4)上述した実施形態においては、パケット通信チャンネルを使用しているので、通信料金の低廉化を図ることができるが、料金について問題がなければ、通常の通信方式を用いてもよい。
【0057】(5)方向指示を矢印で行ったが、これを音声によって行うようにしてもよい。例えば、方向を案内する音声を記憶した音声合成LSIを設け、方向情報とデジタル方位磁石部3の出力信号θに基づいて、対応する音声を選択するように構成する。同様にして、距離表示も音声案内に代えることができる。
【0058】(6)上述した実施形態においては、特定の一人の相手(あるいは、特定の一つの座標)についての方向および距離を示すようにしたが、複数の相手(あるいは、複数の座標)について、同時に方向および距離を指示するように構成してもよい。この場合においては、例えば、管理センタ30から複数の相手についての情報を得るようにするとともに、方向表示部11を複数設けて各相手の方向を表示し、また、液晶表示部10に複数の相手までの距離を表示する窓を設定する。なお、時分割に表示を行う場合は、実施形態において示した構成でも実施可能である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、所定の目標点やゲーム相手までの位置および方向をリアルタイムで確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における画面操作部4の外観を示す正面図である。
【図3】同実施形態における画面操作部4の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態におけるデジタル方位磁石部3の出力信号と方位との関係を説明するための説明図である。
【図5】同実施形態における移動通信ゲーム機1と管理センタ30との信号のやり取りを示すブロック図である。
【図6】同実施形態における方向表示部11における表示制御を説明するための説明図である。
【図7】同実施形態における移動通信ゲーム機1と管理センタ30との信号のやり取りを示すブロック図である。
【符号の説明】
1 移動通信ゲーム機(位置確認手段:端末装置)
2 携帯電話部(通信手段:送信装置)
3 デジタル方位磁石部(向き検出手段)
5 GPS部(座標検出手段:座標検出装置)
20 CPU(座標送信制御手段:要求送出手段)
10 液晶表示部(距離指示手段:距離指示装置)
11 方向表示部(方向指示手段:方向表示手段)
31 携帯電話(演算結果送信手段:送信手段:方向指示装置)
32 パソコン(演算手段:演算装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置本体の地上における座標を検出する座標検出手段と、外部と信号の授受を行う通信手段と、前記座標検出手段が検出した座標を所定のタイミングにおいて前記通信手段を介して外部に送信する座標送信制御手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される距離情報に基づいて距離を指示する距離指示手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される方向情報に基づいて方向を指示する方向指示手段とを具備することを特徴とする位置確認装置。
【請求項2】 前記方向指示手段は、方向を表示する方向表示手段と、当該装置の向きを検出する向き検出手段とを具備し、前記方向情報が示す方向を、前記向き検出手段が検出した角度を参照して当該装置の向きに関わらず、前記方向情報に応じた絶対的な方向を指示すように前記方向表示手段を制御することを特徴とする請求項1記載の位置確認装置。
【請求項3】 前記通信手段は、移動電話によるパケット通信を用いて通信を行うことを特徴とする請求項1または2記載の位置確認装置。
【請求項4】(a)装置本体の地上における座標を検出する座標検出手段と、外部と信号の授受を行う通信手段と、前記座標検出手段が検出した座標を所定のタイミングにおいて前記通信手段を介して外部に送信する地上座標送信制御手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される距離情報に基づいて距離を指示する距離指示手段と、前記通信手段を介して外部から伝達される方向情報に基づいて方向を指示する方向指示手段とを有する複数の位置確認装置と、(b)前記各位置確認装置から送信された座標に基づいて、前記各移動位置確認装置相互間の距離および方向を演算する第1の演算、または、予め設定された座標を目標点とし、前記各移動位置確認装置と前記目標点との間の相対距離および方向を演算する第2の演算のうち少なくともいずれか一方を行う演算手段と、(c)前記演算手段の演算結果を前記各移動位置確認装置に送信する演算結果送信手段とを具備することを特徴とする位置確認システム。
【請求項5】 前記方向指示手段は、方向を表示する方向表示手段と、当該装置の向きを検出する向き検出手段とを具備し、前記方向情報が示す方向を、前記向き検出手段が検出した角度を参照し、当該装置の向きに拘わらず、前記方向情報に応じた絶対的な向きを表示するように前記方向表示手段を制御することを特徴とする請求項4記載の位置確認システム。
【請求項6】 前記通信手段は、移動電話によるパケット通信を用いて通信を行うことを特徴とする請求項4または5記載の位置確認システム。
【請求項7】 複数の端末装置の相互間の距離および方向を確認する方法であって、(a)前記各端末装置本体の地上における座標を各端末装置の座標検出装置によって各々検出するとともに、この検出結果を各端末装置の送信装置によって送信する過程と、(b)前記各端末装置とは別体に設けられた演算装置において、前記各端末装置から送信された座標に基づき、前記各端末相互間の距離および方向を演算する過程と、(c)前記演算装置によって得られた結果を、送信手段を用いて前記各端末装置に送信する過程と、(d)前記各端末装置に設けられた距離指示装置および方向指示装置において、前記送信手段から送信された演算結果に基づく距離および方向を各々指示する過程とを有することを特徴とする位置確認方法。
【請求項8】 複数の端末装置の相互間の距離および方向を確認する方法であって、(a)前記各端末装置本体の地上における座標を各端末装置の座標検出装置によって各々検出するとともに、この検出結果を各端末装置の送信装置によって送信する過程と、(b)前記各端末装置とは別体に設けられた演算装置において、前記各端末装置から送信された座標に基づき、前記各端末相互間の距離および方向を演算する過程と、(c)前記演算装置の演算結果のうちいずれの端末装置についての演算結果が必要であるかを示す情報を前記各端末の要求送出手段から送信する過程と、(d)前記演算装置によって得られた結果のうち各端末装置の要求に応じたものを、送信手段を用いて対応する端末装置に送信する過程と、(e)前記各端末装置に設けられた距離指示装置および方向指示装置において、前記送信手段から送信された演算結果に基づく距離および方向を各々指示する過程とを有することを特徴とする位置確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開平9−68427
【公開日】平成9年(1997)3月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−222259
【出願日】平成7年(1995)8月30日
【出願人】(392026693)エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社 (5,876)