位置計測方法
【課題】特定の位置を高精度で検出できる位置計測方法を提供する。
【解決手段】第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流して発生する磁束は、前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面が交差した線上に前記受信コイルの共通の不感帯部を形成するので、前記第1の受信コイル61の位置を変えながら前記第1の受信コイル61に誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出でき、X線を用いる放射線透過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効率を向上することができる。
【解決手段】第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流して発生する磁束は、前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面が交差した線上に前記受信コイルの共通の不感帯部を形成するので、前記第1の受信コイル61の位置を変えながら前記第1の受信コイル61に誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出でき、X線を用いる放射線透過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効率を向上することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物に埋設されている配管、配線、鉄筋等の埋設物を放射線透過法によって探査するにあたり、撮影側のフィルムの位置決めを行う位置計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既存建物の改修工事等において、コンクリート床やコンクリート壁に設備配管、電力ケーブル、通信ケーブル等を敷設するための貫通孔を形成する場合、コンクリート内部に埋設されている配管、配線、鉄筋等の埋設物を損傷しないように、事前に埋設物の有無を探査する必要がある。
【0003】
このようなコンクリート構造物における埋設物を探査する方法には、例えば特許文献1等に見られるようなX線を用いる放射線透過法がある。
【0004】
X線を用いる放射線透過法としては、X線発生装置とフィルムをコンクリート構造体の両側に配置し、コンクリート構造体の片面にX線を照射して、コンクリート構造体のX線像をフィルムに撮影する方法が一般的である。
【0005】
ここで、照射がX線発生装置を置く場所は容易に決定できるが、撮影側のフィルムを貼る位置は、撮影側でX線発生装置を目視出来ない場合が多いので、微弱なX線によるサーベイメーターの感度での測定や壁や梁などの実測測定が行われていたが、これらの方法では正確な測定は困難であるとともに、X線の多用はいろいろな面で問題が大きかった。
【0006】
一方、電磁誘導の原理を利用し目視出来ない位置にある被計測体の位置を計測する方法として、例えば特許文献2に記載されている地中位置計測方法がある。
【0007】
特許文献2に記載されている地中位置計測方法では、往路ケーブルおよび帰路ケーブルを一定の間隔をもって設置し、被計測体には、直交して配置する2つの受信コイルを設け、前記ケーブルに交流電流を流し、前記の第1,2のコイルに誘起された信号を測定することで被計測体の位置を求めるようになっている。
【0008】
【特許文献1】特公平2−42408号公報
【特許文献2】特開平5−125898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら従来の電磁誘導の原理を利用し目視出来ない位置にある被計測体の位置を計測する方法では、広範囲をある程度万偏なく測定できるが、特定の位置に対して精度はあまり高くなく、X線を用いる放射線透過法における撮影側のフィルムを貼る位置の特定用には十分適しているとはいえなかった。
【0010】
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、特定の位置を高精度で検出できる位置計測方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明の位置計測方法は、第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイルをコンクリート構造物の一面側に配置し、前記第1の励磁コイルより小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイルを、そのコイル面が第1の励磁コイルのコイル面と交差した状態で第1の励磁コイルの輪の内側に配置し、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルをコンクリート構造物の他面側に配置し、前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束で共通の不感帯部の位置を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明の位置計測方法は、請求項1に記載の位置計測方法であって、前記第1及び第2の励磁コイルにそれぞれ流す交流電流の周波数が互いに異なることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明の位置計測方法は、請求項1または2に記載の位置計測方法であって、前記受信コイルを平面上に複数並べて配置し、これら複数の受信コイルのそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明の位置計測方法は、請求項1または2に記載の位置計測方法であって、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルを第1の受信コイルとし、前記第1の受信コイルと同じまたは近傍の位置にそのコイル面が第1の受信コイルのコイル面と交差する第2の受信コイルを設け、前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記第1の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束の不感帯部の位置を検出し、前記第2の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイルからの距離を検出することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明の位置計測方法は、請求項4に記載の位置計測方法であって、前記第1及び第2の励磁コイルを励磁コイルケースに収納し、前記第2の受信コイルのコイル面を前記第1及び第2の励磁コイルの両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイルを受信コイルケースに収納することを特徴とする。
請求項1に記載の位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流して発生する磁束は、前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面が交差した線上に前記受信コイルの共通の不感帯部を形成するので、前記受信コイルの位置を変えながら前記受信コイルに誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出できる。
【0016】
請求項2に記載の位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイルにそれぞれ流す交流電流に互いに異なる周波数を用いることで前記第1及び第2の励磁コイルの磁束が干渉するのを防止できる。
【0017】
請求項3に記載の位置計測方法によれば、複数の受信コイルのそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで、短時間で特定の位置を高精度で検出できる。
【0018】
請求項4に記載の位置計測方法によれば、前記第2の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイルからの距離を容易に検出するこができる。
【0019】
請求項5に記載の発明の位置計測方法は、請求項4に記載の位置計測方法であって、前記第1及び第2の励磁コイルを励磁コイルケースに収納し、前記第2の受信コイルのコイル面を前記第1及び第2の励磁コイルの両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイルを受信コイルケースに収納したので、前記第1及び第2の励磁コイルと前記第1及び第2の受信コイルの位置合わせが容易になるとともに、前記第2の受信コイルに誘起された信号の電圧が安定化し、前記第2の受信コイルの前記第1及び第2の励磁コイルからの距離の測定結果に対して高い測定精度が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の位置計測方法によれば、特定の位置を高精度で検出できるので、X線を用いる放射線透過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る位置計測方法の好適な第1の実施形態を係る位置計測システムを例に図面を参照して説明する。なお、図1は係る位置計測システム1の断面図である。図2は磁束発生部4の分解斜視図である。図3は磁束発生部4の組み立てた状態斜視図である。図4は受信部6の分解斜視図である。図5は受信部6の組み立てた状態斜視図である。図6は前記第1の受信コイル61の受信感度を説明する説明図である。図7は第1の受信コイル61による検出位置を説明する説明図である。図8は第1の受信コイル61に誘起された信号の検出結果を立体グラフで説明する説明図である。図9は第1の受信コイル61に誘起された信号の検出結果と位置の関係を示すグラフである。図10は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を傾けずに収納した場合を示す説明図である。図11は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を45°傾けて収納した場合を示す説明図である。図12は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を傾けずに収納した場合の第2の受信コイルに誘起された信号の検出結果を示すグラフ図である。図13は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を45°傾けて収納した場合の第2の受信コイルに誘起された信号の検出結果を示すグラフ図である。
【0022】
図1において、位置計測システム1は、コンクリート構造物100の一面側に配置される磁束発生装置2とコンクリート構造物100の他面側に配置される受信装置3とから構成され、コンクリート構造物100に埋設されている配管、配線、鉄筋等の埋設物101を放射線透過法によって探査するにあたり、撮影側のフィルムの位置決めを行うためのものである。
【0023】
磁束発生装置2は、磁束発生部4と、この磁束発生部4に交流電流を流す交流駆動部5とから構成される。
【0024】
受信装置3は、受信部6と、この受信部6からの出力を検出する出力検出部7とから構成される。
【0025】
磁束発生部4は、合成樹脂製の励磁コイルケース40に、 第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイル41と、前記第1の励磁コイル41より小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイル4と2を収納したものである。
【0026】
第2の励磁コイル42は、そのコイル面が第1の励磁コイル41のコイル面と交差した状態で第1の励磁コイル41の輪の内側に配置する。第1の励磁コイル41のコイル面は水平方向を配置し、第2の励磁コイル42のコイル面は、コンクリート構造物100の壁面に対して垂直方向に配置するとともに、地面に対しても垂直方向に配置する。
【0027】
励磁コイルケース40には、交流駆動部5からのコード51が挿入される貫通孔46が形成されている。
【0028】
コード51は、第1の励磁コイル41の一端及び他端とそれぞれ接続する導線43、44と、第2の励磁コイル42の一端及び他端とそれぞれ接続する導線45、46とが挿入されている。
【0029】
受信部6は、合成樹脂製の受信コイルケース60に、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いた第1の受信コイル61と、前記第1の受信コイル61と同じまたは近傍の位置に配置し、そのコイル面が第1の受信コイル61のコイル面と交差する第2の受信コイル62を収納したものである。この場合、第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の交わる線が図中のL1となっている。
【0030】
第1の受信コイル61のコイル面はコンクリート構造物100の壁面に対して平行に配置する。第2の受信コイル62のコイル面は、コンクリート構造物100の壁面に対して垂直方向に配置するとともに、地面に対して45°傾いた方向に配置する。
【0031】
受信コイルケース60には、出力検出部7に接続するコード71が挿入される貫通孔66が形成されている。
【0032】
コード71は、第1の受信コイル61の一端及び他端とそれぞれ接続する導線73、74と、第2の受信コイル62の一端及び他端とそれぞれ接続する導線75、76とが挿入されている。
【0033】
出力検出部7は、導線73、74を介して第1の受信コイル61と電気的に接続しており、第1の受信コイル61が受信した信号を増幅して整流し、電圧出力に変換して測定を行うことで、前記第1の受信コイル61に誘起された信号を測定する。
【0034】
また、出力検出部7は、導線75、76を介して第2の受信コイル62と電気的に接続しており、第2の受信コイル62が受信した交流信号を増幅して整流し、電圧出力に変換して測定を行うことで、第2の受信コイル62に誘起された信号を測定する。
【0035】
以下、磁束発生装置2の構造について詳細に説明する。
【0036】
図2において、磁束発生装置2の励磁コイルケース40は、平面部410及び前後左右の壁部411、412、413、414を備え、上面が開口したケース本体401と、ケース本体401の上面の開口を閉塞するケース蓋体402とから構成される。
【0037】
第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42は、接着により互いに固定している。
【0038】
左右の壁部413、414の内側面には、第1の励磁コイル41の位置決めを行うフック415、416が形成されている。第1の励磁コイル41は、フック415、416に接着固定される。
【0039】
平面部410の上面には、第2の励磁コイル42の位置決めを行うための台座部417が形成されている。第2の励磁コイル42は、台座部417に接着固定される。
【0040】
後の壁部412には、コード51が挿入される貫通孔46が形成されている。
【0041】
ケース蓋体402は、図3に示すように4本のネジ421によりケース本体401の上面にネジ止め固定される。
【0042】
ケース蓋体402の上面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線431が印刷されている。平面部410の下面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0043】
右の壁部414の外側面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線432が印刷されている。左の壁部413の外側面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0044】
以下、受信装置3の構造について詳細に説明する。
【0045】
図4において、受信装置3の受信コイルケース60は、平面部610及び前後左右の壁部611、612、613、614を備え、上面が開口したケース本体601と、ケース本体601の上面の開口を閉塞するケース蓋体602とから構成される。尚、受信コイルケース60は、図1のコンクリート構造物100側が後側になっている。
【0046】
第1の受信コイル61と第2の受信コイル62は、それぞれボビン67、68に巻き回されている。
【0047】
平面部610の上面には、第1の受信コイル61の位置決めを行うための台座部615と、第2の受信コイル62の位置決めを行うための台座部617が形成されている。第1の受信コイル61と第2の受信コイル62は、それぞれ台座部615、617に接着固定される。
【0048】
前の壁部611には、コード51が挿入される貫通孔66が形成されている。
【0049】
ケース蓋体602は、図5に示すように4本のネジ621によりケース本体601の上面にネジ止め固定される。
【0050】
ケース蓋体602の上面の後側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線631が印刷されている。平面部610の下面の前側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0051】
右の壁部614の外側面の後側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線632が印刷されている。左の壁部613の外側面の前側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0052】
以下、第2の励磁コイル42の発生する磁束と第1の受信コイル61の磁束について説明する。
【0053】
図6において、第2の励磁コイル42のコイル面は、コンクリート構造物100の壁面に対して垂直方向に配置する。
【0054】
第1の受信コイル61は、第2の励磁コイル42のコイル面において第2の励磁コイル42の磁束が当該第1の受信コイル61のコイル面に平行になるので、最も感度が低下することになる。
【0055】
図7乃至図9を用いて第1の受信コイル61による磁束検出を説明する。
【0056】
図7は、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42を前方から見た状態である。第1の受信コイル61は、第1の励磁コイル41から前後方向で300mm離れてする。また、図1に示した交流駆動部5から第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42に流れる交流電流の周波数は、互いに干渉しないように離している。
【0057】
図8において、x軸は、第1の受信コイル61の横方向の位置を示し、y軸は、第1の受信コイル61の縦方向の位置を示し、z軸は、出力検出部7において第1の受信コイル61が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0058】
図7及び図8において、符号S1、S2…S7は、第1の受信コイル61が配置する高さを示している。破線の矢印は第1の受信コイル61の移動方向を示している。
【0059】
図9において、横軸は、第1の受信コイル61の高さS4における横方向の位置を示し、縦軸は、出力検出部7において第1の受信コイル61が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0060】
受信装置3で第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42から磁束の検出を行う場合、受信部6を上下左右に動かすことで、第1の受信コイル61を上下に動かすことになる。一方、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42は、クロスして配置することで、縦横2方向の磁束を発生させる。これにより、第1の受信コイル61は、2軸方向の中心測定が可能になる。第1の受信コイル61は、図8及び図9に示すように、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42が交わる中心線L1(図1及び図6参照)上で著しく感度が低下することにより、磁束パターンの中心部を精度よく測定することができる。
【0061】
図10乃至図13を用いて第2の受信コイル62による磁束検出を説明する。
【0062】
図10の状態201は、第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62を平行に配置した状態を示している。図10の状態202は、第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を平行に配置した状態を示している。
【0063】
図11の状態203は、第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62を時計回りに45°傾けた状態を示している。図11の状態204は、第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を時計回りに45°傾けた状態を示している。
【0064】
図12は、図10に示した状態201、202における第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離と出力検出部7における第2の受信コイル62の出力の検出結果の関係を示すグラフであり、横軸に第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離を取り、縦軸に出力検出部7において第2の受信コイル62が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0065】
図12に示すグラフの数値は、以下の表1によって示される。表1において、最大感度が状態201となり、最小感度が状態202となる。
【0066】
【表1】
【0067】
図13は、図11に示した状態203、204における第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離と出力検出部7における第2の受信コイル62の出力の検出結果の関係を示すグラフであり、横軸に第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離を取り、縦軸に出力検出部7において第2の受信コイル62が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0068】
図13に示すグラフの数値は、以下の表2によって示される。表2において、最大感度が状態203となり、最小感度が状態204となる。
【0069】
【表2】
【0070】
図12及び図13と表1及び表2から分かるように、第1の励磁コイル41または第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を平行に配置するよりも、第1の励磁コイル41または第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を45°傾けた方が第2の受信コイル62の検出出力が安定する。この理由は、第1の励磁コイル41または第2の励磁コイル42の何れかに対して第2の受信コイル62を平行に配置した場合、片方の励磁コイルからの磁束を大きく拾うことになり、感度誤差が大きくなるためである。
【0071】
以下、位置計測システム1を用いた具体的な位置計測方法について説明する。
【0072】
位置計測システム1は、図1に示すようにコンクリート構造物100の一面側に磁束発生装置2を配置し、コンクリート構造物100の他面側に受信装置3を配置し、コンクリート構造物100のX線発生装置を配置する予定の位置に磁束発生部4を配置する。この場合、磁束発生部4は、上下左右を正確に合わせて配置する。次に、交流駆動部5をオンし、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42に互いに周波数の異なる交流電流を流して、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42から磁束を発生させる。
【0073】
次に、受信装置3の受信部6を上下左右に動かすことで、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42の磁束の検出を行う。出力検出部7において第1及び第2の受信コイル61、62が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力の検出結果は、出力検出部7に設けられた液晶表示装置や出力検出部7からの出力データをコンピューターの画面に表示することで確認できる。
【0074】
出力検出部7の第1の励磁コイル41の検出結果が高い状態から急激に低下して出力の谷となる位置は、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42のコイル面が交差した線L1上にあり、この位置が撮影側のフィルムを貼る位置の中心となる。
【0075】
また、出力検出部7の第2の励磁コイル42の検出結果により、磁束発生部4と受信部6の距離、即ち、コンクリート構造物100の厚みを検出できる。
【0076】
このような構成及び動作を纏めて説明すると、位置計測システム1を用いた位置計測方法は、第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイル41をコンクリート構造物100の一面側に配置し、前記第1の励磁コイル41より小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイル42を、そのコイル面が第1の励磁コイル41のコイル面と交差した状態で第1の励磁コイル41の輪の内側に配置し、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルをコンクリート構造物100の他面側に配置し、前記第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流し、前記受信コイル61に誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束で共通の不感帯部の位置(図中の線L1)を検出することで位置特定を行う。
【0077】
また、位置計測システム1では、前記第1及び第2の励磁コイル41、42にそれぞれ流す交流電流の周波数が互いに異なる。
【0078】
また、位置計測システム1では、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルを第1の受信コイル61とし、前記第1の受信コイル61と同じまたは近傍の位置にそのコイル面が第1の受信コイル61のコイル面と交差する第2の受信コイル62を設け、前記第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流し、前記第2の受信コイル62に誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイル41、42からの距離を検出する。
【0079】
また、位置計測システム1では、前記第1及び第2の励磁コイル41、42を励磁コイルケース40に収納し、前記第2の受信コイル62のコイル面を前記第1及び第2の励磁コイル41、42の両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイル62を受信コイルケース60に収納する。
【0080】
かかる構成の図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流して発生する磁束は、前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面が交差した線(図1の線L1)上に前記第1の受信コイル61の共通の不感帯部を形成するので、前記第1の受信コイル61の位置を変えながら前記第1の受信コイル61に誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出でき、X線を用いる放射線透過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効率を向上することができる。
【0081】
また、図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイル41、42にそれぞれ流す交流電流に互いに異なる周波数を用いることで前記第1及び第2の励磁コイル41、42の磁束が干渉するのを防止でし、計測精度を向上できる。
【0082】
また、図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、第2の受信コイル62に誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイル41、42からの距離を容易に検出するこができる。
【0083】
また、図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイル41、42を励磁コイルケース40に収納し、前記第2の受信コイル62のコイル面を前記第1及び第2の励磁コイル41、42の両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイル62を受信コイルケース60に収納したので、前記第1及び第2の励磁コイル41、42と前記第1及び第2の受信コイル62の位置合わせが容易になるとともに、前記第2の受信コイル62に誘起された信号の電圧が安定化し、前記第2の受信コイル62の前記第1及び第2の励磁コイル41、42からの距離の測定結果に対して高い測定精度が得られる。
【0084】
以下、以下、本発明に係る位置計測方法の好適な第2の実施形態を係る位置計測システムを例に図面を参照して説明する。なお、図14は位置計測方法に用いられる受信装置8を示す一面側から見た斜視図である。図15は位置計測方法に用いられる受信装置8を示す他面側から見た斜視図である。尚、
第2の実施形態において、受信装置8以外の部分は図1に示した第1の実施形態と同様である。
【0085】
図14において、受信装置8は、合成樹脂製の基板80の一面側に複数の受信コイル81を縦7列、横7列で配置したものである。受信コイル81は、基板80を図1に示したコンクリート構造物100の壁面に対して平行に配置した状態でそのコイル面が図1に示した前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いている。
【0086】
図15において、受信装置8の基板80の他面側には、複数の発光ダイオード82が縦7列、横7列で配置したものである。複数の発光ダイオード82は、基板80に形成された貫通孔を介してそれぞれ図14に示す受信コイル81と電気的に接続している。
【0087】
以下、受信装置8を用いた位置測定方法について説明する。
【0088】
以下、位置計測システム1を用いた具体的な位置計測方法について説明する。
【0089】
作業者は、まず、図1に示すコンクリート構造物100の一面側に磁束発生装置2を配置し、コンクリート構造物100の他面側に基板80の一面側を向け、基板80を図1に示したコンクリート構造物100の壁面に対して平行にした状態で受信装置8と配置する。
【0090】
次に、交流駆動部5をオンし、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42に互いに周波数の異なる交流電流を流して、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42から磁束を発生させる。
【0091】
この状態で、受信装置8の複数の発光ダイオード82の発光を確認し、回りの発光ダイオードに比べて極端に暗い発光ダイオードの位置が第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42のコイル面が交差した線上にあり、この位置が撮影側のフィルムを貼る位置となる。
【0092】
このような構成及び動作により、受信装置8を用いた位置測定方法では、前記受信コイル81を平面上に複数並べて配置し、これら複数の受信コイル81のそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出するようになっている。
【0093】
図14及び図15に示した受信装置8を用いた位置測定方法によれば、複数の受信コイル81のそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで、短時間で特定の位置を高精度で検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態による位置計測システムの断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態による磁束発生部の分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態による磁束発生部の組み立てた状態斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態による受信部の分解斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態による受信部の組み立てた状態斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態による前記第1の受信コイルの受信感度を説明する説明図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態による第1の受信コイルによる検出位置を説明する説明図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態による第1の受信コイルに誘起された信号の検出結果を立体グラフで説明する説明図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態による前記第1の受信コイルに誘起された信号の検出結果と位置の関係を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを傾けずに収納した場合を示す説明図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを45°傾けて収納した場合を示す説明図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを傾けずに収納した場合の第2の受信コイルに誘起された信号の検出結果を示すグラフ図である。
【図13】図13は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを45°傾けて収納した場合の第2の受信コイルの検出出力位置計測システムの外観構造を表した斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第2の実施形態による位置計測方法に用いられる受信装置を示す一面側から見た斜視図である。
【図15】図15は、本発明の第2の実施形態による位置計測方法に用いられる受信装置8を示す他面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
1…位置計測システム、2…磁束発生装置、3…受信装置、4…磁束発生部、5…交流駆動部、6…受信部、7…出力検出部、8…受信装置、40…励磁コイルケース、41…第1の励磁コイル、42…第2の励磁コイル、46…貫通孔、43、44、45、46…導線、51…コード、60…受信コイルケース、61…第1の受信コイル、62…第2の受信コイル、66…貫通孔、67、68…ボビン、71…コード、73、74、75、76…導線、80…基板、81…受信コイル、82…発光ダイオード、100…コンクリート構造物、101…埋設物、401…ケース本体、402…ケース蓋体、410…平面部、411、412、413、414…壁部、415、416…フック、417…台座部、421…ネジ、431、432…目印線、601…ケース本体、602…ケース蓋体、610…平面部、611、612、613、614…壁部、615…、617…台座部、631、632…目印線
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物に埋設されている配管、配線、鉄筋等の埋設物を放射線透過法によって探査するにあたり、撮影側のフィルムの位置決めを行う位置計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既存建物の改修工事等において、コンクリート床やコンクリート壁に設備配管、電力ケーブル、通信ケーブル等を敷設するための貫通孔を形成する場合、コンクリート内部に埋設されている配管、配線、鉄筋等の埋設物を損傷しないように、事前に埋設物の有無を探査する必要がある。
【0003】
このようなコンクリート構造物における埋設物を探査する方法には、例えば特許文献1等に見られるようなX線を用いる放射線透過法がある。
【0004】
X線を用いる放射線透過法としては、X線発生装置とフィルムをコンクリート構造体の両側に配置し、コンクリート構造体の片面にX線を照射して、コンクリート構造体のX線像をフィルムに撮影する方法が一般的である。
【0005】
ここで、照射がX線発生装置を置く場所は容易に決定できるが、撮影側のフィルムを貼る位置は、撮影側でX線発生装置を目視出来ない場合が多いので、微弱なX線によるサーベイメーターの感度での測定や壁や梁などの実測測定が行われていたが、これらの方法では正確な測定は困難であるとともに、X線の多用はいろいろな面で問題が大きかった。
【0006】
一方、電磁誘導の原理を利用し目視出来ない位置にある被計測体の位置を計測する方法として、例えば特許文献2に記載されている地中位置計測方法がある。
【0007】
特許文献2に記載されている地中位置計測方法では、往路ケーブルおよび帰路ケーブルを一定の間隔をもって設置し、被計測体には、直交して配置する2つの受信コイルを設け、前記ケーブルに交流電流を流し、前記の第1,2のコイルに誘起された信号を測定することで被計測体の位置を求めるようになっている。
【0008】
【特許文献1】特公平2−42408号公報
【特許文献2】特開平5−125898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら従来の電磁誘導の原理を利用し目視出来ない位置にある被計測体の位置を計測する方法では、広範囲をある程度万偏なく測定できるが、特定の位置に対して精度はあまり高くなく、X線を用いる放射線透過法における撮影側のフィルムを貼る位置の特定用には十分適しているとはいえなかった。
【0010】
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、特定の位置を高精度で検出できる位置計測方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明の位置計測方法は、第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイルをコンクリート構造物の一面側に配置し、前記第1の励磁コイルより小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイルを、そのコイル面が第1の励磁コイルのコイル面と交差した状態で第1の励磁コイルの輪の内側に配置し、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルをコンクリート構造物の他面側に配置し、前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束で共通の不感帯部の位置を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明の位置計測方法は、請求項1に記載の位置計測方法であって、前記第1及び第2の励磁コイルにそれぞれ流す交流電流の周波数が互いに異なることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明の位置計測方法は、請求項1または2に記載の位置計測方法であって、前記受信コイルを平面上に複数並べて配置し、これら複数の受信コイルのそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明の位置計測方法は、請求項1または2に記載の位置計測方法であって、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルを第1の受信コイルとし、前記第1の受信コイルと同じまたは近傍の位置にそのコイル面が第1の受信コイルのコイル面と交差する第2の受信コイルを設け、前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記第1の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束の不感帯部の位置を検出し、前記第2の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイルからの距離を検出することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明の位置計測方法は、請求項4に記載の位置計測方法であって、前記第1及び第2の励磁コイルを励磁コイルケースに収納し、前記第2の受信コイルのコイル面を前記第1及び第2の励磁コイルの両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイルを受信コイルケースに収納することを特徴とする。
請求項1に記載の位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流して発生する磁束は、前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面が交差した線上に前記受信コイルの共通の不感帯部を形成するので、前記受信コイルの位置を変えながら前記受信コイルに誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出できる。
【0016】
請求項2に記載の位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイルにそれぞれ流す交流電流に互いに異なる周波数を用いることで前記第1及び第2の励磁コイルの磁束が干渉するのを防止できる。
【0017】
請求項3に記載の位置計測方法によれば、複数の受信コイルのそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで、短時間で特定の位置を高精度で検出できる。
【0018】
請求項4に記載の位置計測方法によれば、前記第2の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイルからの距離を容易に検出するこができる。
【0019】
請求項5に記載の発明の位置計測方法は、請求項4に記載の位置計測方法であって、前記第1及び第2の励磁コイルを励磁コイルケースに収納し、前記第2の受信コイルのコイル面を前記第1及び第2の励磁コイルの両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイルを受信コイルケースに収納したので、前記第1及び第2の励磁コイルと前記第1及び第2の受信コイルの位置合わせが容易になるとともに、前記第2の受信コイルに誘起された信号の電圧が安定化し、前記第2の受信コイルの前記第1及び第2の励磁コイルからの距離の測定結果に対して高い測定精度が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の位置計測方法によれば、特定の位置を高精度で検出できるので、X線を用いる放射線透過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る位置計測方法の好適な第1の実施形態を係る位置計測システムを例に図面を参照して説明する。なお、図1は係る位置計測システム1の断面図である。図2は磁束発生部4の分解斜視図である。図3は磁束発生部4の組み立てた状態斜視図である。図4は受信部6の分解斜視図である。図5は受信部6の組み立てた状態斜視図である。図6は前記第1の受信コイル61の受信感度を説明する説明図である。図7は第1の受信コイル61による検出位置を説明する説明図である。図8は第1の受信コイル61に誘起された信号の検出結果を立体グラフで説明する説明図である。図9は第1の受信コイル61に誘起された信号の検出結果と位置の関係を示すグラフである。図10は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を傾けずに収納した場合を示す説明図である。図11は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を45°傾けて収納した場合を示す説明図である。図12は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を傾けずに収納した場合の第2の受信コイルに誘起された信号の検出結果を示すグラフ図である。図13は受信コイルケース60の壁面を対して第2の受信コイル62を45°傾けて収納した場合の第2の受信コイルに誘起された信号の検出結果を示すグラフ図である。
【0022】
図1において、位置計測システム1は、コンクリート構造物100の一面側に配置される磁束発生装置2とコンクリート構造物100の他面側に配置される受信装置3とから構成され、コンクリート構造物100に埋設されている配管、配線、鉄筋等の埋設物101を放射線透過法によって探査するにあたり、撮影側のフィルムの位置決めを行うためのものである。
【0023】
磁束発生装置2は、磁束発生部4と、この磁束発生部4に交流電流を流す交流駆動部5とから構成される。
【0024】
受信装置3は、受信部6と、この受信部6からの出力を検出する出力検出部7とから構成される。
【0025】
磁束発生部4は、合成樹脂製の励磁コイルケース40に、 第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイル41と、前記第1の励磁コイル41より小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイル4と2を収納したものである。
【0026】
第2の励磁コイル42は、そのコイル面が第1の励磁コイル41のコイル面と交差した状態で第1の励磁コイル41の輪の内側に配置する。第1の励磁コイル41のコイル面は水平方向を配置し、第2の励磁コイル42のコイル面は、コンクリート構造物100の壁面に対して垂直方向に配置するとともに、地面に対しても垂直方向に配置する。
【0027】
励磁コイルケース40には、交流駆動部5からのコード51が挿入される貫通孔46が形成されている。
【0028】
コード51は、第1の励磁コイル41の一端及び他端とそれぞれ接続する導線43、44と、第2の励磁コイル42の一端及び他端とそれぞれ接続する導線45、46とが挿入されている。
【0029】
受信部6は、合成樹脂製の受信コイルケース60に、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いた第1の受信コイル61と、前記第1の受信コイル61と同じまたは近傍の位置に配置し、そのコイル面が第1の受信コイル61のコイル面と交差する第2の受信コイル62を収納したものである。この場合、第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の交わる線が図中のL1となっている。
【0030】
第1の受信コイル61のコイル面はコンクリート構造物100の壁面に対して平行に配置する。第2の受信コイル62のコイル面は、コンクリート構造物100の壁面に対して垂直方向に配置するとともに、地面に対して45°傾いた方向に配置する。
【0031】
受信コイルケース60には、出力検出部7に接続するコード71が挿入される貫通孔66が形成されている。
【0032】
コード71は、第1の受信コイル61の一端及び他端とそれぞれ接続する導線73、74と、第2の受信コイル62の一端及び他端とそれぞれ接続する導線75、76とが挿入されている。
【0033】
出力検出部7は、導線73、74を介して第1の受信コイル61と電気的に接続しており、第1の受信コイル61が受信した信号を増幅して整流し、電圧出力に変換して測定を行うことで、前記第1の受信コイル61に誘起された信号を測定する。
【0034】
また、出力検出部7は、導線75、76を介して第2の受信コイル62と電気的に接続しており、第2の受信コイル62が受信した交流信号を増幅して整流し、電圧出力に変換して測定を行うことで、第2の受信コイル62に誘起された信号を測定する。
【0035】
以下、磁束発生装置2の構造について詳細に説明する。
【0036】
図2において、磁束発生装置2の励磁コイルケース40は、平面部410及び前後左右の壁部411、412、413、414を備え、上面が開口したケース本体401と、ケース本体401の上面の開口を閉塞するケース蓋体402とから構成される。
【0037】
第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42は、接着により互いに固定している。
【0038】
左右の壁部413、414の内側面には、第1の励磁コイル41の位置決めを行うフック415、416が形成されている。第1の励磁コイル41は、フック415、416に接着固定される。
【0039】
平面部410の上面には、第2の励磁コイル42の位置決めを行うための台座部417が形成されている。第2の励磁コイル42は、台座部417に接着固定される。
【0040】
後の壁部412には、コード51が挿入される貫通孔46が形成されている。
【0041】
ケース蓋体402は、図3に示すように4本のネジ421によりケース本体401の上面にネジ止め固定される。
【0042】
ケース蓋体402の上面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線431が印刷されている。平面部410の下面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0043】
右の壁部414の外側面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線432が印刷されている。左の壁部413の外側面の前側には、磁束発生装置2の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0044】
以下、受信装置3の構造について詳細に説明する。
【0045】
図4において、受信装置3の受信コイルケース60は、平面部610及び前後左右の壁部611、612、613、614を備え、上面が開口したケース本体601と、ケース本体601の上面の開口を閉塞するケース蓋体602とから構成される。尚、受信コイルケース60は、図1のコンクリート構造物100側が後側になっている。
【0046】
第1の受信コイル61と第2の受信コイル62は、それぞれボビン67、68に巻き回されている。
【0047】
平面部610の上面には、第1の受信コイル61の位置決めを行うための台座部615と、第2の受信コイル62の位置決めを行うための台座部617が形成されている。第1の受信コイル61と第2の受信コイル62は、それぞれ台座部615、617に接着固定される。
【0048】
前の壁部611には、コード51が挿入される貫通孔66が形成されている。
【0049】
ケース蓋体602は、図5に示すように4本のネジ621によりケース本体601の上面にネジ止め固定される。
【0050】
ケース蓋体602の上面の後側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線631が印刷されている。平面部610の下面の前側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0051】
右の壁部614の外側面の後側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線632が印刷されている。左の壁部613の外側面の前側には、受信装置3の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0052】
以下、第2の励磁コイル42の発生する磁束と第1の受信コイル61の磁束について説明する。
【0053】
図6において、第2の励磁コイル42のコイル面は、コンクリート構造物100の壁面に対して垂直方向に配置する。
【0054】
第1の受信コイル61は、第2の励磁コイル42のコイル面において第2の励磁コイル42の磁束が当該第1の受信コイル61のコイル面に平行になるので、最も感度が低下することになる。
【0055】
図7乃至図9を用いて第1の受信コイル61による磁束検出を説明する。
【0056】
図7は、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42を前方から見た状態である。第1の受信コイル61は、第1の励磁コイル41から前後方向で300mm離れてする。また、図1に示した交流駆動部5から第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42に流れる交流電流の周波数は、互いに干渉しないように離している。
【0057】
図8において、x軸は、第1の受信コイル61の横方向の位置を示し、y軸は、第1の受信コイル61の縦方向の位置を示し、z軸は、出力検出部7において第1の受信コイル61が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0058】
図7及び図8において、符号S1、S2…S7は、第1の受信コイル61が配置する高さを示している。破線の矢印は第1の受信コイル61の移動方向を示している。
【0059】
図9において、横軸は、第1の受信コイル61の高さS4における横方向の位置を示し、縦軸は、出力検出部7において第1の受信コイル61が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0060】
受信装置3で第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42から磁束の検出を行う場合、受信部6を上下左右に動かすことで、第1の受信コイル61を上下に動かすことになる。一方、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42は、クロスして配置することで、縦横2方向の磁束を発生させる。これにより、第1の受信コイル61は、2軸方向の中心測定が可能になる。第1の受信コイル61は、図8及び図9に示すように、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42が交わる中心線L1(図1及び図6参照)上で著しく感度が低下することにより、磁束パターンの中心部を精度よく測定することができる。
【0061】
図10乃至図13を用いて第2の受信コイル62による磁束検出を説明する。
【0062】
図10の状態201は、第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62を平行に配置した状態を示している。図10の状態202は、第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を平行に配置した状態を示している。
【0063】
図11の状態203は、第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62を時計回りに45°傾けた状態を示している。図11の状態204は、第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を時計回りに45°傾けた状態を示している。
【0064】
図12は、図10に示した状態201、202における第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離と出力検出部7における第2の受信コイル62の出力の検出結果の関係を示すグラフであり、横軸に第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離を取り、縦軸に出力検出部7において第2の受信コイル62が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0065】
図12に示すグラフの数値は、以下の表1によって示される。表1において、最大感度が状態201となり、最小感度が状態202となる。
【0066】
【表1】
【0067】
図13は、図11に示した状態203、204における第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離と出力検出部7における第2の受信コイル62の出力の検出結果の関係を示すグラフであり、横軸に第1の励磁コイル41に対して第2の受信コイル62の距離を取り、縦軸に出力検出部7において第2の受信コイル62が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力を示している。
【0068】
図13に示すグラフの数値は、以下の表2によって示される。表2において、最大感度が状態203となり、最小感度が状態204となる。
【0069】
【表2】
【0070】
図12及び図13と表1及び表2から分かるように、第1の励磁コイル41または第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を平行に配置するよりも、第1の励磁コイル41または第2の励磁コイル42に対して第2の受信コイル62を45°傾けた方が第2の受信コイル62の検出出力が安定する。この理由は、第1の励磁コイル41または第2の励磁コイル42の何れかに対して第2の受信コイル62を平行に配置した場合、片方の励磁コイルからの磁束を大きく拾うことになり、感度誤差が大きくなるためである。
【0071】
以下、位置計測システム1を用いた具体的な位置計測方法について説明する。
【0072】
位置計測システム1は、図1に示すようにコンクリート構造物100の一面側に磁束発生装置2を配置し、コンクリート構造物100の他面側に受信装置3を配置し、コンクリート構造物100のX線発生装置を配置する予定の位置に磁束発生部4を配置する。この場合、磁束発生部4は、上下左右を正確に合わせて配置する。次に、交流駆動部5をオンし、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42に互いに周波数の異なる交流電流を流して、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42から磁束を発生させる。
【0073】
次に、受信装置3の受信部6を上下左右に動かすことで、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42の磁束の検出を行う。出力検出部7において第1及び第2の受信コイル61、62が受信した交流信号を増幅して整流した電圧出力の検出結果は、出力検出部7に設けられた液晶表示装置や出力検出部7からの出力データをコンピューターの画面に表示することで確認できる。
【0074】
出力検出部7の第1の励磁コイル41の検出結果が高い状態から急激に低下して出力の谷となる位置は、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42のコイル面が交差した線L1上にあり、この位置が撮影側のフィルムを貼る位置の中心となる。
【0075】
また、出力検出部7の第2の励磁コイル42の検出結果により、磁束発生部4と受信部6の距離、即ち、コンクリート構造物100の厚みを検出できる。
【0076】
このような構成及び動作を纏めて説明すると、位置計測システム1を用いた位置計測方法は、第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイル41をコンクリート構造物100の一面側に配置し、前記第1の励磁コイル41より小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイル42を、そのコイル面が第1の励磁コイル41のコイル面と交差した状態で第1の励磁コイル41の輪の内側に配置し、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルをコンクリート構造物100の他面側に配置し、前記第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流し、前記受信コイル61に誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束で共通の不感帯部の位置(図中の線L1)を検出することで位置特定を行う。
【0077】
また、位置計測システム1では、前記第1及び第2の励磁コイル41、42にそれぞれ流す交流電流の周波数が互いに異なる。
【0078】
また、位置計測システム1では、そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルを第1の受信コイル61とし、前記第1の受信コイル61と同じまたは近傍の位置にそのコイル面が第1の受信コイル61のコイル面と交差する第2の受信コイル62を設け、前記第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流し、前記第2の受信コイル62に誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイル41、42からの距離を検出する。
【0079】
また、位置計測システム1では、前記第1及び第2の励磁コイル41、42を励磁コイルケース40に収納し、前記第2の受信コイル62のコイル面を前記第1及び第2の励磁コイル41、42の両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイル62を受信コイルケース60に収納する。
【0080】
かかる構成の図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイル41、42に交流電流を流して発生する磁束は、前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面が交差した線(図1の線L1)上に前記第1の受信コイル61の共通の不感帯部を形成するので、前記第1の受信コイル61の位置を変えながら前記第1の受信コイル61に誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出でき、X線を用いる放射線透過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効率を向上することができる。
【0081】
また、図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイル41、42にそれぞれ流す交流電流に互いに異なる周波数を用いることで前記第1及び第2の励磁コイル41、42の磁束が干渉するのを防止でし、計測精度を向上できる。
【0082】
また、図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、第2の受信コイル62に誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイル41、42からの距離を容易に検出するこができる。
【0083】
また、図1乃至図13に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、前記第1及び第2の励磁コイル41、42を励磁コイルケース40に収納し、前記第2の受信コイル62のコイル面を前記第1及び第2の励磁コイル41、42の両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイル62を受信コイルケース60に収納したので、前記第1及び第2の励磁コイル41、42と前記第1及び第2の受信コイル62の位置合わせが容易になるとともに、前記第2の受信コイル62に誘起された信号の電圧が安定化し、前記第2の受信コイル62の前記第1及び第2の励磁コイル41、42からの距離の測定結果に対して高い測定精度が得られる。
【0084】
以下、以下、本発明に係る位置計測方法の好適な第2の実施形態を係る位置計測システムを例に図面を参照して説明する。なお、図14は位置計測方法に用いられる受信装置8を示す一面側から見た斜視図である。図15は位置計測方法に用いられる受信装置8を示す他面側から見た斜視図である。尚、
第2の実施形態において、受信装置8以外の部分は図1に示した第1の実施形態と同様である。
【0085】
図14において、受信装置8は、合成樹脂製の基板80の一面側に複数の受信コイル81を縦7列、横7列で配置したものである。受信コイル81は、基板80を図1に示したコンクリート構造物100の壁面に対して平行に配置した状態でそのコイル面が図1に示した前記第1及び第2の励磁コイル41、42のコイル面の両方と直交する方向に向いている。
【0086】
図15において、受信装置8の基板80の他面側には、複数の発光ダイオード82が縦7列、横7列で配置したものである。複数の発光ダイオード82は、基板80に形成された貫通孔を介してそれぞれ図14に示す受信コイル81と電気的に接続している。
【0087】
以下、受信装置8を用いた位置測定方法について説明する。
【0088】
以下、位置計測システム1を用いた具体的な位置計測方法について説明する。
【0089】
作業者は、まず、図1に示すコンクリート構造物100の一面側に磁束発生装置2を配置し、コンクリート構造物100の他面側に基板80の一面側を向け、基板80を図1に示したコンクリート構造物100の壁面に対して平行にした状態で受信装置8と配置する。
【0090】
次に、交流駆動部5をオンし、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42に互いに周波数の異なる交流電流を流して、第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42から磁束を発生させる。
【0091】
この状態で、受信装置8の複数の発光ダイオード82の発光を確認し、回りの発光ダイオードに比べて極端に暗い発光ダイオードの位置が第1の励磁コイル41と第2の励磁コイル42のコイル面が交差した線上にあり、この位置が撮影側のフィルムを貼る位置となる。
【0092】
このような構成及び動作により、受信装置8を用いた位置測定方法では、前記受信コイル81を平面上に複数並べて配置し、これら複数の受信コイル81のそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出するようになっている。
【0093】
図14及び図15に示した受信装置8を用いた位置測定方法によれば、複数の受信コイル81のそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで、短時間で特定の位置を高精度で検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態による位置計測システムの断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態による磁束発生部の分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態による磁束発生部の組み立てた状態斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態による受信部の分解斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態による受信部の組み立てた状態斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態による前記第1の受信コイルの受信感度を説明する説明図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態による第1の受信コイルによる検出位置を説明する説明図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態による第1の受信コイルに誘起された信号の検出結果を立体グラフで説明する説明図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態による前記第1の受信コイルに誘起された信号の検出結果と位置の関係を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを傾けずに収納した場合を示す説明図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを45°傾けて収納した場合を示す説明図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを傾けずに収納した場合の第2の受信コイルに誘起された信号の検出結果を示すグラフ図である。
【図13】図13は、本発明の第1の実施形態による受信コイルケースの壁面を対して第2の受信コイルを45°傾けて収納した場合の第2の受信コイルの検出出力位置計測システムの外観構造を表した斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第2の実施形態による位置計測方法に用いられる受信装置を示す一面側から見た斜視図である。
【図15】図15は、本発明の第2の実施形態による位置計測方法に用いられる受信装置8を示す他面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
1…位置計測システム、2…磁束発生装置、3…受信装置、4…磁束発生部、5…交流駆動部、6…受信部、7…出力検出部、8…受信装置、40…励磁コイルケース、41…第1の励磁コイル、42…第2の励磁コイル、46…貫通孔、43、44、45、46…導線、51…コード、60…受信コイルケース、61…第1の受信コイル、62…第2の受信コイル、66…貫通孔、67、68…ボビン、71…コード、73、74、75、76…導線、80…基板、81…受信コイル、82…発光ダイオード、100…コンクリート構造物、101…埋設物、401…ケース本体、402…ケース蓋体、410…平面部、411、412、413、414…壁部、415、416…フック、417…台座部、421…ネジ、431、432…目印線、601…ケース本体、602…ケース蓋体、610…平面部、611、612、613、614…壁部、615…、617…台座部、631、632…目印線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイルをコンクリート構造物の一面側に配置し、
前記第1の励磁コイルより小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイルを、そのコイル面が第1の励磁コイルのコイル面と交差した状態で第1の励磁コイルの輪の内側に配置し、
そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルをコンクリート構造物の他面側に配置し、
前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束で共通の不感帯部の位置を検出することを特徴とする位置計測方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の励磁コイルにそれぞれ流す交流電流の周波数が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の位置計測方法。
【請求項3】
前記受信コイルを平面上に複数並べて配置し、これら複数の受信コイルのそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の位置計測方法。
【請求項4】
そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルを第1の受信コイルとし、前記第1の受信コイルと同じまたは近傍の位置にそのコイル面が第1の受信コイルのコイル面と交差する第2の受信コイルを設け、
前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記第1の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束の不感帯部の位置を検出し、前記第2の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイルからの距離を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の位置計測方法。
【請求項5】
前記第1及び第2の励磁コイルを励磁コイルケースに収納し、前記第2の受信コイルのコイル面を前記第1及び第2の励磁コイルの両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイルを受信コイルケースに収納することを特徴とする請求項4に記載の位置計測方法。
【請求項1】
第1の送信側磁束を発生する第1の励磁コイルをコンクリート構造物の一面側に配置し、
前記第1の励磁コイルより小径に形成され第2の送信側磁束を発生する第2の励磁コイルを、そのコイル面が第1の励磁コイルのコイル面と交差した状態で第1の励磁コイルの輪の内側に配置し、
そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルをコンクリート構造物の他面側に配置し、
前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束で共通の不感帯部の位置を検出することを特徴とする位置計測方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の励磁コイルにそれぞれ流す交流電流の周波数が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の位置計測方法。
【請求項3】
前記受信コイルを平面上に複数並べて配置し、これら複数の受信コイルのそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の位置計測方法。
【請求項4】
そのコイル面が前記第1及び第2の励磁コイルのコイル面の両方と直交する方向に向いた受信コイルを第1の受信コイルとし、前記第1の受信コイルと同じまたは近傍の位置にそのコイル面が第1の受信コイルのコイル面と交差する第2の受信コイルを設け、
前記第1及び第2の励磁コイルに交流電流を流し、前記第1の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の送信側磁束の不感帯部の位置を検出し、前記第2の受信コイルに誘起された信号を測定することで前記第1及び第2の励磁コイルからの距離を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の位置計測方法。
【請求項5】
前記第1及び第2の励磁コイルを励磁コイルケースに収納し、前記第2の受信コイルのコイル面を前記第1及び第2の励磁コイルの両方のコイル面に対して略45°傾けた状態で前記第1及び第2の受信コイルを受信コイルケースに収納することを特徴とする請求項4に記載の位置計測方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−103612(P2009−103612A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276549(P2007−276549)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(591248577)東京理学検査株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(591248577)東京理学検査株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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