説明

位置識別子間の関係を管理するための方法及びシステム

【課題】位置と関連付けられた位置識別子間の関係を管理するための方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】位置と関連付けられた位置識別子間の関係を管理するための方法及びシステムを提供する。位置識別子間の関係を管理するための方法及びシステムが開示される。関係は発信識別子及び目標識別子を含む。固有の関係は、発信識別子及び目標識別子と関連付けられた位置コード及び位置関係により定められる。同義語サービス、翻訳サービス、及び検証サービスは、関係を関係記憶装置に格納する前に新しい又は修正された関係を分析する。グラフサービス、統計サービス、及び報告サービスは、関係記憶装置に格納された関係を分析する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、位置ベースのシステムに関し、より具体的には、位置と関連付けられた位置識別子間の関係を管理するための方法及びシステムに関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本特許出願は、同じ日に出願された同時係属特許出願、すなわち「METHOD AND SYSTEM FOR ASSESING QUALITY OF LOCATION CONTENT」という名称の特許出願番号第12/362,734号、「METHOD AND SYSTEM FOR REFRESHING LOCATION CODE DATA」という名称の特許出願番号第12/362、767号、「METHOD FOR REPRESENTING LINEAR FEATURES IN A LOCATION CONTENT MANAGEMENT SYSTEM」という名称の特許出願番号第12/362,786号、及び「METHOD AND SYSTEM FOR EXCHANGING LOCATION CONTENT DATA IN DIFFERENT DATA FORMATS」という名称の特許出願番号第12/362,807号に関連する。
【背景技術】
【0003】
ナビゲーション関連サービス及び地図関連サービスを提供する各種の技術が開発されている。例えば、車両ナビゲーションシステムは、車両が位置する場所を判断し、所望の目的地に移動するための方向を与えることができる。また、地図、指定されたスタート地点から所望の目的地に移動するための方向、及び他の地図関連サービスを提供するインターネットサイトも入手可能である。さらに、自分の位置を確認し、その周囲の地図を提供する手持ち式装置も利用可能である。
【0004】
これらの及びその他の地図関連機能及び特徴を提供するために、ナビゲーションシステムは、地理データを使用する。地理データは、地理的地域における物理的特徴を表すデータを含む、1つ又はそれ以上の地理データベースの形態とすることができる。地理データベースは、一方通行路のような表された地理的特徴、道路の位置、道路区間に沿った速度規制、道路区間に沿った住所範囲、道路の交差点における転回規制、一方通行路のような通行方向規制についての情報を含む。さらに、地理データは、レストラン、ホテル、空港、ガソリンスタンド、スタジアム、警察署などの、関心ある地点(point of interest)と関連付けられたデータを含むことができる。
【0005】
この地理データは、イリノイ州シカゴ所在のNAVTEQ North America,LLC社が発行した地理データベースのような地理データベース内に格納することができる。地図提供業者(map vendor)が取得したデータに加えて、コンテンツ供給源は、地理的区域における位置に関するデータを保有する。コンテンツ供給源は、地理データベース内に含ませるために、それらのデータを地図提供業者に与えることができる。例えば、レストランチェーンの所有者は、それらの全ての位置の最新リストを地図提供者に与えることができ、その位置ごとに、このリストは、住所、電話番号、営業時間、メニュー、ウェブページアドレス、位置に関する他の情報を含むことができる。
【0006】
地理データベースに格納される情報の量が増加するにつれて、地図提供業者が第三者のデータを地理データベースに付加することがより困難になる。結果として、複数の関係者(party)が、時として「位置コンテンツ(location content)」又は単に「コンテンツ」と呼ばれる位置に関連したデータを提供するのを可能にするために、位置コンテンツ管理システムが開発された。位置コンテンツ管理システムは、位置コンテンツと該コンテンツに関連付けられた地理的位置との間のリンクを提供する。リンクは、位置コンテンツ管理システムが位置に割り当てる位置コードである。
【0007】
位置コードは、人が移動できる任意の位置に割り当てられる。例えば、ある人が、ある地理的区域内の特定のビルの特定の階にある事務所に行きたい場合がある。この例を使うと、位置コンテンツ管理システムはまた、事務所、階、及びビルのそれぞれにも位置コードを割り当てる。位置コンテンツ管理システムはまた、その階がビルの1階にない場合、階段及び/又はエレベータに位置コードを割り当てることもできる。このように位置コードを割り当てることにより、ナビゲーションシステムは、ビル内の事務所へ行くための経路案内をユーザに提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
位置コンテンツ管理システムは、位置に関するコンテンツを複数の関係者(party)に提供する方法を提供するが、位置コンテンツ管理システムの新たな特徴及び改善の余地が引き続き存在する。1つの改善領域は、位置コンテンツ管理システムによって割り当てられた位置コード間の関係を管理することである。位置コード間の関係を管理することにより、位置コンテンツ管理システムは、位置を体系化し、リンクさせるための共通の方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
位置識別子間の関係を管理するための方法及びシステムが開示される。位置識別子関係システムは、発信識別子(originating identifier)及び目標識別子(target identifier)の、2つの位置識別子間の関係に関するデータを格納するための関係記憶装置を含む。データは、2つの位置識別子の各々についての位置コード及び関係タイプを含む。データはまた、単方向性のものであっても又は双方向性のものであってもよい関係方向を含む。
【0010】
位置識別子関係システムはまた、関係を関係記憶装置内に格納する前に新しい又は修正された関係を分析する、同義語サービス、翻訳サービス、及び検証サービスも含む。位置識別子関係システムはまた、関係記憶装置内に格納された関係を分析する、グラフサービス、統計サービス、及び報告サービスも含む。グラフサービスは、関係のネットワークの垂直表現又は水平表現を示すグラフを提供する。統計サービスは、関係データの生成、修正、及びダウンロードに関連する活動に関する統計値を収集する。報告サービスは、統計サービスにより収集された統計値に基づいて報告及び通知を作成する。
【0011】
当業者には、必要に応じて添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、これらの及び他の態様及び利点が明らかになるであろう。さらに、この概要は、一例にすぎず、本発明の範囲を特許請求されたように限定することを意図するものではない。
【0012】
現在のところ好ましい実施形態が、種々の図において同様の参照番号が同様の要素を指す、添付図面と併せて以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一例による、位置識別子関係システムのブロック図である。
【図2】一例による、関係記録のブロック図である。
【図3】一例による、同義語サービス記録のブロック図である。
【図4】一例による、翻訳サービス記録のブロック図である。
【図5】一例による、垂直型階層グラフである。
【図6】一例による、水平型階層グラフである。
【図7】一例による、報告サービスにより作成されたレーダーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、位置識別子関係システム100(ここでは、関係システム100と呼ぶ)のブロック図である。この関係システム100は、関係記憶装置(relationship store)102、同義語サービス104、翻訳サービス106、検証サービス108、グラフサービス110、統計サービス112、及び報告サービス114を含む。関係サービス100は、プロセッサ、及びプロセッサの動作命令を格納するためのメモリといった他のエンティティを含むこともできる。関係システム100は、関係システム100が、位置システム116、外部ユーザ118、第三者システム120、及び他のエンティティと通信することを可能にする通信サービスを含むこともできる。
【0015】
関係システム100は、位置、形状、又は他の特徴に基づいて2つ又はそれ以上の位置識別子を関連付ける。2つの位置識別子間の関連性を関係と呼ぶ。関係における2つの位置識別子は、発信識別子及び目標識別子と呼ばれる。
【0016】
発信識別子及び目標識別子の各々には、位置コードが割り当てられる。位置システム116が、発信識別子及び目標識別子に位置コードを割り当てる。位置システム116は、位置コードをランダムな順序で、数値順に、又はいずれかの他の方法で割り当てることができる。位置コードは、数値とすることができる。例えば、位置コードは、16ビット数、32ビット数、64ビット数等とすることができる。代替的に、位置コードは、数字、文字、及び/又は記号の組み合わせを含むことができる。
【0017】
2つの位置識別子間の関係は、発信識別子と目標識別子の間に関係タイプが確立されたときに形成される。関係タイプは、2つのデータ要素、発信タイプ及び目標タイプによって指定することができる。代替的に、関係タイプは、発信タイプ及び目標タイプの両方を含む単一のデータエンティティを用いて指定することができる。
【0018】
関係システム100は、所定の関係タイプのリストを含むことができる。関係を生成する関係システム100のユーザは、この所定のリストを用いて、均一な関係を生成することができる。一つの実施形態において、ユーザは、所定の関係タイプを使用して、望ましくない関係の生成を防ぐことが要求され得る。
【0019】
関係は、方向も含む。関係は、双方向性、つまり発信識別子と目標識別子の間の両方向とすることができる。方向は、単方向性とすることもできる。単方向性の例において、方向は、発信識別子から目標識別子、又は、目標識別子から発信識別子のいずれかである。
【0020】
関係記憶装置102は、関係を定義するデータを含む。図2は、例示的な関係の記録200のブロック図である。関係記録200は、単一の関係を定義するデータを含む。関係記憶装置102は、各々の関係についての関係記録200を含む。
【0021】
図2に示されるデータ属性は、発信識別202、目標識別204、発信タイプ206、目標タイプ208、及び関係の方向210を含む。属性202−208は、固有の関係を定義する。
【0022】
これは、関係の記録200についての全てのデータ属性の網羅的なリストではないので、図2は、他の属性212も示す。例えば、記録200はまた、図4に関して記述されたような言語コード、関係の状況(例えば、有効(active)、点検待ち(pending review)、価値低下(depreciated)、ブロック状態(blocked))、関係が生成及び/又は修正された日時、関係が有効になった日時、関係の目的(例えば、ナビゲーション)、関係生成者の身元(identity)、意味検索のために使用されるメタデータなどを含むこともできる。
【0023】
別の例として、記録200は、特別な関係と関連付けられた属性を含むことがある。特別な関係の1つの例は、包含関係である。包含関係は、一緒に機能する関係のグループ化を特定する(すなわち、属性のフィルタダウン)。例えば、ビルが取り壊され、関係PARCEL−BUILDING(区画−ビル)が、関係システム100から削除された場合、このビル内の位置について生成された他の全ての関係(例えば、BUILDING−FLOOR(ビル−階)、FLOOR−SUITE(階−部屋))も関係システム100から削除される。
【0024】
発信識別属性202は、位置システム116が発信識別子に割り当てた位置コードを含む。目標識別属性204は、位置システム116が目標識別子に割り当てた位置コードを含む。
【0025】
発信タイプ属性206は、発信識別子のタイプを識別するデータを含む。目標タイプ属性208は、目標識別子のタイプを識別するデータを含む。タイプは、区画、ビル、階、部屋、エスカレータ等の構造体に関連するいずれかの位置カテゴリーとすることができる。さらに、タイプは、湖、公園、小径、木、ベンチ等の、屋外位置に関連するいずれかの位置カテゴリーとすることができる。タイプはまた、関係を識別するのに有用であり得る、いずれかの他の位置カテゴリーとすることもできる。例えば、親、子、及び兄弟の一般的カテゴリーを用いることもできる。
【0026】
関係方向属性210は、関係の方向が双方向性か又は単方向性かを示すデータを含む。さらに、関係の方向が単方向性の場合、関係方向属性210は、方向が発信識別子から目標識別子へのものであるか、又は、目標識別子から発信識別子へのものであるかのデータ指標を含む。
【0027】
同義語サービス104は、同義語を好ましい関係タイプに分解する。図3は、同義語サービス記録300のブロック図である。記録300は、好ましいタイプ302と、同義語のリスト304とを含む。この例において、好ましいタイプは、「PARCEL(区画)」である。同義語サービス104は、LOT、PLOT、TRACT、及びSECTIONがPARCELの同義語であると認識する。この例を用いると、関係システム100のユーザがLOTを発信タイプ又は目標タイプとして入力したとき、同義語サービス104は、PARCELと関連付けられたデータを関係記憶装置102に格納する。別の例示として、ユーザがPATHを関係システム100に入力した場合、同義語サービス104は、TRAILと関連付けられたデータを格納する。このように、同義語サービス104は、冗長な関係タイプを防止又は低減する。
【0028】
翻訳サービス106は、言語コードを各々の関係タイプに割り当てる。図4は、翻訳サービス記録400のブロック図である。記録400は、関係タイプ404に割り当てられた言語コード402を含む。関係タイプ404は、複数の言語に翻訳される。この例では、言語コード1が、関係タイプ「BUILDING(ビル)」に割り当てられる。関係タイプ404は、英語、ドイツ語、フランス語、及びイタリア語に翻訳されている。当然ながら、翻訳サービス106は、図4に示されるもの及び図4に示されていないものの両方を含む、様々な言語に関係を翻訳することができる。
【0029】
検証サービス108は、関係記憶装置102内に格納する前に関係を検証するために、検証規則を使用する。検証規則は、発信及び目標識別子、並びに発信及び目標関係タイプに関する情報を用いて、特定の関係を生成できるかどうかを決定する。例えば、検証規則は、あるビルの階に関する位置コードが、BUILDING−SUITE関係に関与し得ないと規定することができる。さらに、検証サービス108は、関係に関与する位置コードが存在するかどうか、及び、対応する位置エンティティが有効な状態のものであるかどうかをチェックすることができる。検証サービス108はまた、ユーザが、関係を生成し、修正し、及び/又は削除するのに十分な権限を有しているかどうかも検証する。検証サービス108は、別の関係のエンドユーザにより与えられた関係データに影響された他の関係を自動的に変更、更新することもできる。
【0030】
関係システム100はまた、関係のネットワーク又は階層も生成する。関係グラフを用いて、論理的開窓を形成する2つ又はそれ以上の関係がモデル化される。グラフサービス110は、1つの関係の識別子の1つと別の関係の識別子の間の共通の位置コード及び関係タイプに基づいて、関係グラフを生成する。グラフサービス110は、垂直型関係グラフ及び水平型関係グラフの両方を生成する。図5に例示的な垂直型グラフを示し、図6に例示的な水平型グラフを示す。
【0031】
図5は、垂直型グラフ500を示す。グラフ500は、屋内マッピングのための所定のテンプレートとして用いられることが好ましい。この例において、関係502は、発信タイプ「PARCEL」及び目標タイプ「BUILDING」により定義され、関係504は、発信タイプ「FLOOR」及び目標タイプ「SUITE」により定義される。関係の方向は、矢印508及び510で示されるように双方向性である。
【0032】
ナビゲーションシステムは、グラフ500内のデータを用いて、関係506の目標識別子と関連付けられた位置コードにより識別される部屋に行きたいと望むエンドユーザに対してナビゲーション案内を提供することができる。この例において、ナビゲーションシステムは、地理データベース内の、又は、位置コンテンツ管理システムから取得されたデータを用いて、エンドユーザをビルまで案内する。次に、ナビゲーションシステムは、階の位置コードを用いて、ビル内の所望の階に案内する。その後は、ナビゲーションシステムは、部屋の位置コードを用いて、部屋に案内する。
【0033】
図6は、水平型600を示す。グラフ600は、グラフサービス110が、どのように関係タイプを結びつけて論理的構造を形成するかを示す。この例において、グラフサービス110は、トラバース規則602−606を定義する。第1のトラバース規則602は、タイプAはタイプBに結合され、タイプAはタイプBにトラバースできるが、タイプBはタイプAにトラバースできないというものである。第2のトラバース規則604は、タイプBはタイプCに結合され、タイプBはタイプCにトラバースでき、かつ、タイプCはタイプBにトラバースできるというものである。第3のトラバース規則606は、タイプAはタイプCに結合されず、タイプBはタイプAとタイプCの間になければならず、さもなければ階層が壊れているというものである。
【0034】
水平型グラフ600は、複合一貫(multimodal)輸送をモデル化するのに有用であり得る。例えば、ターミナルへの入口で始まり、続いてチェックイン位置、セキュリティチェックポイント、エスカレータに続き、最後にゲートで終わるという複雑なレイアウトをもつ空港は、水平型グラフを用いてモデル化することができる。入口を入った後の位置は、道路又は他のネットワークに結合されていないが、関係モデルにより論理的にモデル化することができる。この関係モデルは、異なる位置コード間で入手可能な輸送モードを示す情報を含むことができる。
【0035】
統計サービス112は、関係データの作成、修正、及びダウンロードに関連する活動に関する統計値を収集する。統計サービス112は、収集したデータを関係記憶装置102又は別のメモリ装置に格納する。統計値は、関係記憶装置102に付加された関係のカウント、特定タイプの関係、関係に対する修正、関係の階層などを含むことができる。統計値はまた、百分率、標準偏差、予測、及び関係データの他の数値的分析を含むこともできる。
【0036】
報告サービス114は、統計サービス112が収集した統計値に基づいて報告及び通知を作成する。報告及び通知は、テキストとグラフィックスの組み合わせを含むことができる。例えば、報告は、図7に示すレーダーチャート700などのレーダーチャートを含むことができる。レーダーチャート700は、基本関係タイプとしてBUILDINGとの関係を示す。レーダーチャート700は、BUILDING−GARAGE関係タイプよりも、BUILDING−FLOOR関係タイプに基づいてより多くの数の関係が生成されることを示す。報告サービス114は、ヒートチャート及びグラビティチャートなど、他のタイプのチャートを作成することができる。
【0037】
別の例として、報告サービス114は、公共イベントを企画する会社に対する通知を生成することができる。この例では、会社は、2つの位置コード間にBUILDING−CONFERENCE ROOM関係が作成されるたびに、電子メールの通知を受け取るよう登録している。同じ会社はまた、特定区域でのBUILDING−CONFERENCE ROOMについて100,000件より多い照会があったとき、HTTP POST又はGET要求、ウェブサービス要求、SMS、又は類似のものを介して通知を受け取るようにも登録することができる。
【0038】
報告サービス114は、関係システム100が、関係の作成、修正、削除、又はデータ抽出手続き中に関係データへの読み取り又は書き込みアクセスを検知したときに通知を生成する。ユーザは、a)通知配信機構(電子メール、インターネット、SMSなど)、b)イベントメタデータ(関係タイプ、位置コード、関係の方向など)、c)イベント閾値(変化量、データの要求数、地理的区域など)を指定することによって通知に登録する多数の選択肢を有する。
【0039】
関係システム100は、位置システム116と通信する。位置システム116は、位置コンテンツ管理システム又は独立型エンティティの一部とすることができる。前述のように、位置システム116は、位置コードを、発信識別子及び目標識別子に割り当てる。
【0040】
関係システム100は、外部ユーザ118とも通信する。各々の外部ユーザに対して、関係システム100は、そのユーザの参加レベルを定義するアクセス許可を割り当てる。例えば、外部ユーザは、関係を作成し、修正し、及び削除するため、関係階層を作成し、修正し、及び削除するため、関係システム100からデータを取得するため、又はこれら活動の組み合わせのために、アクセスすることができる。
【0041】
関係システム100は、第三者システム120とも通信する。第三者システム120は、関係システム100を用いるための協定を有する企業体である。例示的な第三者システムは、これらに限られるものではないが、位置コンテンツ管理システム、位置ベースの広告システム、ソーシャルネットワーキングプラットフォーム、リアルタイムナビゲーションシステム、交通及び他の位置関連監視システムを含む。第三者システム120は、関係の検証、公表、及び/又は他のタイプのサービスに参加するために、関係システム100への直接接続を確立することができる。関係システム100に直接統合されることによって、第三者システム120は、全体のプロセスに参加している一体の構成要素のように見える。
【0042】
協定により、第三者システム120が、外部ユーザ118と類似した方法で関係を作製し、関係システム100からデータを取得することが可能になる。協定により、第三者システム120が、関係システム100内の他のサービスにアクセスすることが可能になる。例えば、第三者システム120は、該第三者システム120が報告サービス114から報告を取得することを可能にする協定を有することができる。
【0043】
関係を作成するために、ユーザは、発信識別子、目標識別子、及び対応する関係タイプを関係システム100に提供する。ユーザは、ユーザインタ―フェース、ウェブサービス、又は他の入力機構を介して、この情報を関係システム100に提供することができる。これに応じて、翻訳サービスは、発信識別子、目標識別子、及び対応する関係タイプの言語を判断する。さらに、翻訳サービスは、要求された関係のタイプID402を判断する。同義語サービス104及び検証サービス108も、位置コード及び関係タイプを評価する。
【0044】
検証の後、関係システム100は、新しい関係を関係記憶装置102に格納する。グラフサービス110は、発信識別子及び目標識別子の位置コードを用いて、新しい関係が1つ又はそれ以上の関係ネットワーク又は階層に属するかどうかを判断する。統計サービス112は、作成された関係の数及びタイプに関する統計値におけるこの新しい関係の作成を含む。外部ユーザ118及び/又は第三者システム120により要求された場合、報告サービス114は、新しく作成された関係に起因するいずれかの統計的更新に関する通知及び/又は報告を提供することができる。関係を修正するために、類似したルーチンが使用される。
【0045】
関係モデルは、位置コードをトラバーサルネットワークに結びつける神経学的な組の接続のようである。位置の使用、構造、及び全体的な重要性についての結論は、関係がどのように作成され、使用され、潜在的に破壊されるかを観察することによって取得することができる。例えば、BUILDING−GARAGE関係において2つの位置コードが関連している場合があり、これは、後にBUILDING−SHELTERに変更される場合がある。
【0046】
また、ユーザは、関係モデルを用いて、位置構造のより細かい詳細を扱うことなく、複数の位置をグループ化し、抽出し、使用することができる。例えば、不動産会社が、身体障害者が利用できる全ての位置に関する情報の収集に関心をもつことがある。位置データ構造の詳細に立ち入り、データ構造を変えることなく、不動産会社は、関係システムだけと対話することにより位置コードを収集することができる。関係システムは、固有の位置コードを提供するいずれかの既存の又は新しい位置参照システムと共に働くので、関係システムは、位置を体系化し、リンクさせる共通の方法も提供する。
【0047】
上記の詳細な説明は、限定ではなく例証とみなされることが意図され、全ての同等物を含む以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義するよう意図されることが理解される。特許請求の範囲は、その旨の記述がない限り、説明された順序又は要素に限定されるものとして読むべきではない。従って、以下の特許請求の範囲及び精神内に含まれる全ての実施形態、並びにその同等物を、本発明として特許請求する。
【符号の説明】
【0048】
100:位置識別子関係システム
102:関係記憶装置
104:同義語サービス
106:翻訳サービス
108:検証サービス
110:グラフサービス
112:統計サービス
114:報告サービス
116:位置システム
118:外部ユーザ
120:第三者システム
200:関係記録
300:同義語サービス記録
500:垂直型グラフ
600:水平型グラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内ナビゲーションを提供する方法であって、
第1の位置識別子と関連付けられたデータを取得し、
第2の位置識別子と関連付けられたデータを取得し、
前記取得されたデータに基づいて前記第1の位置識別子と前記第2の位置識別子との間の関係と関連付けられたデータを格納し、
前記第1の位置識別子と前記第2の位置識別子との間の前記関係を含む関係階層を特定し、
前記階層を使用して、ビル内のナビゲーション案内を提供する、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の位置識別子及び前記第2の位置識別子と関連付けられた前記データは、位置コード及び関係タイプを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の位置識別子及び前記第2の位置識別子と関連付けられた前記データは、関係の方向をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記関係の方向は、単方向性又は双方向性の一方であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記データを格納するステップは、前記第1の位置識別子及び前記第2の位置識別子についての位置コード及び関係タイプを格納するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記関係階層を垂直型グラフとしてグラフ化するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
2つの位置識別子間の関係についてのデータを収集するためのシステムであって、
ユーザが、第1の位置識別子と関連付けられた第1の位置コード及び第1の関係タイプ、並びに、第2の位置識別子と関連付けられた第2の位置コード及び第2の関係タイプを入力することを可能にする入力機構と、
前記入力された第1及び第2の関係タイプが好ましい関係タイプの同義語であるかどうかを判断する同義語サービスと、
前記第1及び第2の関係タイプに使用される言語を判断し、前記判断に基づいて言語コードを前記関係タイプに割り当てる翻訳サービスと、
前記入力された第1及び第2の位置コード、並びに前記第1及び第2の関係タイプが有効な関係を形成するかどうかを判断する検証サービスと、
第三者システムのために前記有効な関係を格納する関係記憶装置と、
を含み、前記有効な関係は、前記第1及び第2の関係タイプの一方が前記好ましい関係タイプの同義語である場合に該好ましい関係タイプを含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記入力機構は、ユーザインタフェース及びウェブサービスの一方であることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
位置システムは、前記第1及び第2の位置コードを割り当てることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記言語コードは、前記格納された有効な関係と共に格納されることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記第三者システムは、ナビゲーションシステムであることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記第三者システムは、位置コンテンツ管理システムであることを特徴とする、請求項7に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−175546(P2010−175546A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−34055(P2010−34055)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(508351118)ナヴテック ノース アメリカ リミテッド ライアビリティ カンパニー (20)
【Fターム(参考)】