説明

低入力電力を有する注射器

【課題】低入力電力を有する注射器を提供すること。
【解決手段】使用されていないときには、低速でエネルギーを蓄積し、そして、注射中においては、高速でエネルギーを送達する電動注射器が開示される。該注射器のモータへの迅速な電力送達のために、エネルギーは、キャパシタ等の高い応答性のエネルギー蓄積装置内に蓄積され得る。特定の実施形態において、該電動注射器を電力供給装置に接続するワイヤは、該ワイヤにかけられる電流および電圧の負荷が比較的低いために、比較的寸法が小さく、かつ安価であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療用流体を注射するための電動注射器に関し、より具体的には、その出力電力レベルに対して低い入力電力レベルを有する電動注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下に説明および/または請求される本発明の種々の側面に関連し得る、技術の種々の側面を読み手に紹介することを目的としている。本考察は、本発明の種々の側面のよりよい理解を促すための背景情報を、読み手に提供するのに有用であると考えられる。したがって、当然のことながら、これらの記述は、従来技術の承認としてではなく、この観点から読まれるものとする。
【0003】
概して、電動注射器は、調合薬または造影剤等の医療用流体を患者に注射するために使用される。典型的には、電動注射器内のモータは、そこから医療用流体を注射するために、シリンジのプランジャを前進させるために利用される。電力供給装置は、概して、モータにエネルギーを提供する。電力供給装置からの電磁放射線が、医療用画像装置等の他の医療用装置を妨害する可能性を低減するために、電力供給装置は、電動注射器から離れている場合が多い。
【0004】
残念ながら、モータへの電力供給は、電動注射器の製造者に設計上の課題を示す場合が多い。モータは、シリンジのプランジャを移動させる間、高速でエネルギーを消費する場合が多い。電力供給装置とモータとの間のワイヤは、典型的には、モータに十分な電力を供給するために、大電流および/または大電圧を搬送するために利用される。この電力を送達するに十分な容量を有するワイヤは、高価である場合が多い。この費用は、ワイヤの厚さ、および/またはそのようなワイヤを作製するために利用される高コスト材料に起因し得る。例えば、高電圧に好適なワイヤは、高価な絶縁材を含む場合が多い。さらに、電力供給装置は、電動注射器から離れている場合が多いため、2つを接続するワイヤは、非常に長い場合が多い。したがって、電動注射器に高電力を送達するためのワイヤは、設計のコストを著しく増大させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特定の例示的側面が、以下に記載される。当然のことながら、これらの側面は、本発明がとり得る特定の形態の発明の開示を読み手に提供するためだけに示され、これらの側面は、本発明の範囲を制限することを目的としていない。実際には、本発明は、以下に記載されない場合がある種々の側面を包含し得る。
【0006】
特定の側面において、本発明は、概して、不使用時においては、低速で(例えば、低電力で)エネルギーを徐々に蓄積し、次いで、操作中(例えば、注射処置中)に高速で(例えば、高電力で)エネルギーを迅速に送達する、電動注射器に関する。エネルギーは、モータへの迅速な電力送達のために、キャパシタ等の高い応答性のエネルギー蓄積装置内に蓄積され得る。特定の実施形態において、ワイヤにかけられる電流および電圧の負荷が低いため(注射器と電力供給との間の従来のワイヤの相互接続と比較して)、電動注射器を電力供給装置に接続するワイヤは、寸法が小さく、かつ安価であり得る(この場合もやはり、注射器と電力供給との間の従来のワイヤの相互接続との比較において)。
【0007】
本発明の第1の側面は、電力入力部と電力出力部とを有するエネルギー蓄積装置と、エネルギー蓄積装置の電力出力部に連結されたモータと、モータに連結され、シリンジプランジャインタフェースを有するラムとを含む、電動注射器に関する。エネルギー蓄積装置の電力出力部の通電容量は、エネルギー蓄積装置の電力入力部の通電容量よりも大きい(ある場合には、実質的に大きい)。
【0008】
本発明の第2の側面は、その中に医療用流体(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水等)を有するシリンジとの使用のための電気注射器に関する。この注射器は、直列に互いに連結された複数のスーパーキャパシタと、複数のスーパーキャパシタに並列に連結されたモータと、モータに連結されたシリンジインタフェースとを含む。
【0009】
さらに、本発明の第3の側面は、医療用流体注射器の操作方法に関する。この方法において、入力電力は、入力ワット数で電力供給装置から注射器により受容される。入力電力は、注射器により蓄積される。続いて、放出電力は、入力ワット数の少なくとも2倍である出力ワット数で、注射器によって出力される。
【0010】
本発明の種々の例示的側面に関して上述される特徴の種々の変形例が存在する。また、さらなる特徴は、これらの種々の側面にも組み込まれ得る。これらの変形例および付加的特徴は、個々に、または任意の組み合わせで存在し得る。例えば、図示される実施形態の1つ以上に関して以下に考察される種々の特徴は、単独で、または任意の組み合わせで、本発明の上述の側面のいずれかに組み込まれ得る。この場合もやはり、上述の発明の開示は、請求される対象の制限なしで、本発明の特定の側面および背景を読み手に把握させることだけを目的としている。
【0011】
以下の発明を実施するための最良の形態が、図面を通して同様の記号が同様の部分を表す添付図面を参照して読まれる場合、本発明のこれら、および他の特徴、側面、および利点は、よりよく理解される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
医療用流体を注射するための電動注射器であって、該電動注射器は、
エネルギー蓄積装置であって、
入力通電容量を有する電力入力部と、
出力通電容量を有する電力出力部であって、該出力通電容量は該入力通電容量よりも大きい、電力出力部と
を備える、エネルギー蓄積装置と、
該エネルギー蓄積装置の該電力出力部に連結されたモータと、
該モータに連結され、シリンジプランジャインタフェースを有するラムと
を備える、電動注射器。
(項目2)
上記エネルギー蓄積装置は、1つ以上のキャパシタを備える、項目1に記載の電動注射器。
(項目3)
上記1つ以上のキャパシタは、約30ファラッドよりも大きい直列容量を有する、項目2に記載の電動注射器。
(項目4)
上記1つ以上のキャパシタは、一連の直列に接続されたスーパーキャパシタを備え、該一連のスーパーキャパシタの一つの端部は、上記エネルギー蓄積装置の上記入力部に連結され、該一連のスーパーキャパシタの別の端部は、該エネルギー蓄積装置の上記出力部に連結される、項目2または3に記載の電動注射器。
(項目5)
上記エネルギー蓄積装置の上記入力部に接続される電源ケーブルと、該電源ケーブルを介して該エネルギー蓄積装置の該入力部に接続される電源とをさらに備える、項目1〜4のいずれか1項に記載の電動注射器。
(項目6)
上記電源ケーブルの長さの実質的な部分は、約2.6×10−3平方インチ未満の断面積の導電性部を有する絶縁線から本質的に成る、項目5に記載の電動注射器。
(項目7)
上記エネルギー蓄積装置は、上記電源ケーブルと保護回路との両方を介して上記電源に連結される、項目5または6に記載の電動注射器。
(項目8)
上記電源は、約500ワット未満の電力である、項目5〜7のいずれか1項に記載の
電動注射器。
(項目9)
上記エネルギー蓄積装置は、該エネルギー蓄積装置が励起状態にあるときに、約1000ワット超の電力を出力するように構成される、項目1〜8のいずれか1項に記載の電動注射器。
(項目10)
その中に医療用流体を有するシリンジをさらに含み、該シリンジは、上記ラムの上記シリンジプランジャインタフェースに連結される、項目1〜9のいずれか1項に記載の電動注射器。
(項目11)
その中に医療用流体を有するシリンジとの使用のための電気注射器であって、該注射器は、
互いに直列に連結された複数のスーパーキャパシタと、
該複数のスーパーキャパシタに並列に連結されたモータと、
該モータに連結されたシリンジインタフェースと
を備える、注射器。
(項目12)
上記複数のスーパーキャパシタは、約1000ファラッドよりも大きい複合キャパシタンスを有する、項目11に記載の注射器。
(項目13)
上記複数のスーパーキャパシタは、4つを超えるスーパーキャパシタを備える、項目11または12に記載の注射器。
(項目14)
約10アンペアよりも大きい通電容量を有する導体をさらに備え、上記モータは、上記導体を介して上記複数のスーパーキャパシタに接続される、項目11〜13のいずれか1項に記載の注射器。
(項目15)
閉状態にあるときに、約800ワット超の電力を伝送するように構成されるスイッチを有する制御装置をさらに備え、該スイッチは、上記複数のスーパーキャパシタと上記モータとの間に直列に配置される、項目11〜14のいずれか1項に記載の注射器。
(項目16)
医療用流体注射器の操作方法であって、
入力ワット数で、電力供給装置からエネルギーを受容することと、
該エネルギーを蓄積することと、
出力ワット数で、該エネルギーの少なくとも一部をモータに出力することであって、該出力ワット数は、該入力ワット数の少なくとも2倍である、ことと
を含む、方法。
(項目17)
上記電力供給装置は、遠隔の電力供給装置である、項目16に記載の方法。
(項目18)
上記蓄積することは、約1ファラッドよりも大きいキャパシタンスを有する、キャパシタの並びを充電することを含む、項目16または17に記載の方法。
(項目19)
上記出力ワット数は、約500ワットよりも大きい、項目16〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
上記出力することは、上記注射器のラムを移動させることを含む、項目16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、例示的な注射システムの概略図である。
【図2】図2は、図1の注射システムにおける電動注射器の概略図である。
【図3】図3は、図1の電動注射器の立面図である。
【図4】図4は、例示的な注射プロセスを表現するフローチャートである。
【図5】図5は、別の例示的な注射プロセスを表現するフローチャートである。
【図6】図6は、例示的な電動注射器の断面図である。
【図7】図7は、例示的なデュアルシリンジ注射器の断面図である。
【図8】図8は、電動注射器のための例示的なモータおよびラムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の1つ以上の具体的な実施形態が、以下に説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供する目的で、実際の実装のすべての特徴は、本明細書に説明されない場合がある。当然のことながら、任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトにおけるような、そのような任意の実際の実装の開発において、それぞれの実装により異なり得る、システム関連および事業関連の制約への準拠性等の開発者の具体的な目標を達成するために、多数の実装特有の決定をしなければならないことを理解されたい。さらに、当然のことながら、そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それでもなお、本開示の利益を得る当業者に対して、設計、製作、および製造の通常の取り組みとなるであろうことを理解されたい。
【0014】
本発明の種々の実施形態の要素を紹介する際、「a」、「an」、「the」、および「said」という冠詞は、要素が1つ以上あることを意味するよう意図されている。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、包含的であり、かつ記載された要素以外の付加的要素があり得ることを意味するように意図されている。さらに、「頂部」、「底部」、「上」、「下」、およびこれらの用語の変化形は、便宜上使用されるが、構成要素のいかなる特定の方向も必要としない。さらに、ここで使用されるように、「高電力」および「低電力」という用語は、絶対閾値よりも上または下であるよりもむしろ、互いと比較して高いか、または低い電力レベルを意味する。「連結した」という用語は、2つ以上の対象物が、直接接触しているか、または相互接続した(すなわち、直接的あるいは間接的に接続した)状態を意味する。「流体的に連結した」というフレーズは、2つ以上の対象物が、流体が1つの対象物から別の対象物へと流動し得る方法で連結される状態を意味する。
【0015】
図1は、電源ケーブル16により電力供給装置14に連結した電動注射器12を有する、例示的な注射システム10を図示する。有利には、特定の実施形態は、比較的低コストの電源ケーブル16を含み得る。以下にさらに説明されるように、図1の例示的な電動注射器12は、比較的低い入力電力レベルで送達されるエネルギーを蓄積し、それにより、電源ケーブル16により搬送されるピーク電力を削減する可能性がある。続いて、電動注射器12は、注射中、高い出力電力レベルで、蓄積されたエネルギーを使用する。特定の実施形態は、電動注射器に電力を搬送する、比較的小さく、安価であり、かつ/または長いケーブルを含み得る。これらの実施形態のいくつかは、電源に対する電動注射器の遠隔配置を容易にし得る。電動注射器12について詳細に述べる前に、電力供給装置14の特徴を説明する。
【0016】
図1の電力供給装置14は、電力調整器18と整流器20とを含む。電力調整器18は、電流制限器、変圧器、または電源制御装置を含み得るか、またはそう呼ばれ得て、整流器20は、交流(AC)/直流(DC)変換器と呼ばれ得るか、またはそれを含み得る。電力調整器18は、シリコン制御整流器および制御回路等のAC電力調整器、ならびに/もしくはスイッチングレギュレータ等のDC電力調整器、または電流もしくは電圧分配器を有し得る。特定の実施形態において、整流器20は、ローパスフィルタ、および半波整流器または全波整流器を有し得る。さらに、いくつかの実施形態は、高および低周波電磁信号が電動注射器12に達する可能性を減少させるために、バンドパスフィルタを含み得る。電力供給装置14は、電力網22等の電力源に連結し得る。
【0017】
図示された実施形態において、電動注射器12は、保護回路24と、エネルギー蓄積装置26と、制御装置28と、モータ30と、ラム32と、シリンジ34とを含む。保護回路24は、ヒューズ、回路遮断器、または電流分配器等、エネルギー蓄積装置26に流入する電流の大きさを制限するように適合された装置を含み得る。
【0018】
エネルギー蓄積装置26は、局所エネルギー源、局所エネルギー蓄積、オンボード電力供給装置、および/または統合電源を含み得るか、またはそう呼ばれ得る。エネルギー蓄積装置26は、エネルギーを受容、蓄積、および供給するように構成される種々の装置を含み得る。例えば、エネルギー蓄積装置26は、スーパーキャパシタ等のキャパシタを含み得る(例えば、Maxwell Technologies、San Diego、Californiaから入手可能)。ここで使用されるように、「スーパーキャパシタ」という用語は、0.4ジュール毎グラムよりも大きい重量エネルギー密度を有するキャパシタを意味する。いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積装置26は、1ファラッド、10ファラッド、30ファラッド、100ファラッド、200ファラッド、300ファラッド、350ファラッド、500ファラッド、1000ファラッド、1500ファラッド、2000ファラッド、またはそれ以上よりも大きい、またはそれに等しいキャパシタンスを示すキャパシタを含み得る。あるいは、またはさらに、エネルギー蓄積装置26は、鉛酸蓄電池、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル鉄電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、ナトリウム金属塩化物電池、またはニッケル亜鉛電池等の電池を含み得る。
【0019】
制御装置28は、注射器12のエネルギー蓄積装置26からモータ30へのエネルギーの流動を制御するように適合された、電気回路および/またはコードを含み得る。いくつかの実施形態において、制御装置28は、中央プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、特定用途向けの集積回路、マイクロコントローラ等の論理回路を含み得る。制御装置28は、論理回路からの信号に応答して、エネルギー蓄積装置26からの電流の流動を防止または調節することが可能なスイッチを備え得る。例えば、特定の実施形態は、集積ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、バイポーラ接合トランジスタ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、メカニカルリレー、ソレノイド、またはソリッドステートリレーを含み得る。制御装置28は、使用者が、注射を開始するために、それを介して制御装置28に信号を送り得るユーザーインタフェースを含み得るか、それに連結し得る。例えば、ユーザーインタフェースは、グラフィカルユーザーインタフェースを含み得る。
【0020】
図示された実施形態において、モータ30およびラム32は、電気エネルギーを望ましい形態の機械的エネルギーに変換するための種々の装置を含み得る。例えば、モータは、ステッピングモータ、ブラシDCモータ、ブラシレスDCモータ、リニアモータ、または圧電ドライブ等の種々の種類の電気モータを含み得る。ラム32は、シリンジインタフェースとトランスミッションとを含み得る。シリンジインタフェースは、プランジャ接触面、押し面、および/または圧力アプリケータを含み得るか、またはそう呼ばれ得る。トランスミッションは、ドライブ、ギアボックス、回転直線運動トランスミッション、および/またはモータ―シリンジの機械的インタフェースを含み得るか、またはそう呼ばれ得る。
【0021】
図示される実施形態のシリンジ34は、プランジャと、バレルと、バレル内に配置された医療用流体とを含み得る。シリンジ内の医療用流体は、生理食塩水、造影剤、調合薬、放射性医薬品、またはそれらの組み合わせ等であるが、それらに限定されない、任意の適切な医療用流体であり得る。本実施形態において、プランジャは、バレル内に配置され、プランジャとバレルとが共に、医療用流体を収納する。プランジャの背面は、ラム32のシリンジインタフェースと連動するように設計/構成される、表面および/または構造を含み得る。
【0022】
保護回路24は、エネルギー蓄積装置26と電力供給装置14との間に電気的に配置される(すわなち、電気の流れに関連して位置決定される)と示され、制御装置28は、エネルギー蓄積装置26とモータ30との間に電気的に配置されるように示されている。保護回路24は、電源ケーブル16とエネルギー蓄積装置26とに直列に連結し得る。エネルギー蓄積装置26は、制御装置28を介してモータ30に直列に連結され得る。また、制御装置28は、保護回路24に連結し得る。モータ30は、ラム32のトランスミッションに機械的に接続し得て、ラム32は、シリンジインタフェースを介してシリンジ34のプランジャと連動する(例えば、機械的に連結される)ように設計され得る。
【0023】
図1の電動注射器12は、導管および中空の皮下注射針を介して、患者36または他の生物に流体的に連結し得る。特定の実施形態において、画像装置38は、患者36への医療用流体の注射中および/または注射後、患者36を撮像するために利用され得る。画像装置38は、投影ラジオグラフィシステム(例えば、X線システム)、蛍光透視システム、断層撮影システム(例えば、コンピュータ軸方向断層撮影システム)、磁気共鳴画像診断(MRI)システム、および/または超音波システム等の種々の画像システムを意味し得るか、またはそれらを含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、電動注射器12と、患者36と、画像装置38とは、電力供給装置14から離間し得る。例えば、図1の注射システム10において、それらは別個の室にあり、電力供給装置14は、設備室40内に配置され、他のコンポーネントは、画像処理室42に配置される。特定の実施形態において、これらの室40、42の間に延在するために、電源ケーブル16は、1メートル、2メートル、3メートル、6メートル、10メートル、20メートル、50メートル、またはそれ以上よりも長くあり得る。画像処理室42は、いくつかの干渉源から画像装置38を隔離させるために、電磁シールド等の種々の形態のシールドを含み得る。いくつかの実施形態において、画像処理室42は、磁気に誘引される可能性、および/またはMRI機械において画像アーチファクトを引き起こす可能性のある鉄鋼材を実質的に有していない場合がある。有利なことには、電動注射器12から離れて電力供給装置14を配置することにより、注射システム10は、電力供給装置14からの画像装置38の妨害を減少させる傾向を有し得る。
【0025】
図2を参照すると、例示的なエネルギー蓄積装置26が、より詳細に図示されている。図示されたエネルギー蓄積装置26は、直列に連結したスーパーキャパシタ44の並びを含む。本実施形態は、15のスーパーキャパシタ44を含むが、他の実施形態は、任意の適切な、および/または望ましい数のスーパーキャパシタを含み得る。例えば、いくつかの実施形態は、1つを超えるスーパーキャパシタ、2つを超える、3つを超える、4つを超える、5つを超える、10を超える、20を超える、50を超える、または100をも超えるスーパーキャパシタを含む。直列に接続されたスーパーキャパシタ44は、フル充電した場合、約38ボルトの総電圧で、約40アンペアの電流を出力する。換言すれば、エネルギー蓄積装置26は、約1500ワットの電力を出力する。エネルギー蓄積装置26の他の実施形態は、他の適切なワット数の出力を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積装置26は、500ワット超、700ワット超、1000ワット超、1200ワット超、1500ワット超、1700ワット超、2000ワット超、2500ワット超、またはそれ以上を出力し得る。
【0026】
この電力を搬送するために、いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積装置26の電力出力部46は、高電流(または電圧)容量導体48に連結し得る。特定の実施形態において、導体48は、比較的短い長さの低ゲージワイヤであり得る(例えば、長さ約2フィート未満の10〜14AWGゲージワイヤ)。つまり、導体48は、約3.3×10−3平方インチ以上、約5.2×10−3平方インチ以上、約8.2×10−3平方インチ以上、または約1.3×10−2平方インチ以上の断面積の導電性部を有し得る。
【0027】
対照的に、電源ケーブル16を含む、エネルギー蓄積装置26と電力システム14とを接続するワイヤは、導体48よりもはるかに低い通電容量を有し得る。例えば、電源ケーブル16は、D−シェルピンコネクタと22ゲージワイヤ(約2.5×10−2直径を有するワイヤ)とを有する25ピンケーブルにより、具現化され得る。特定の実施形態において、電源ケーブル16は、約2.6×10−3平方インチ以下、約1.2×10−3平方インチ以下、約8.0×10−4平方インチ以下、約5.0×10−4平方インチ以下、約2.5×10−4平方インチ以下、または約1.6×10−4平方インチ以下の断面積の導電性部を有する、1つのワイヤもしくは複数のワイヤを含み得るか、またはそれから本質的に成り得る。電源ケーブル16は、エネルギー蓄積装置16の電力入力部50に連結し得る。いくつかの実施形態において、ケーブル16の5つのワイヤは、接地電圧を搬送し得て、5つのワイヤは、電力入力部50を通じて42ボルト未満のDC電圧により駆動される電流を伝導し得る。有利には、電源ケーブル16と電力供給装置14内の電子装置とは、電力供給装置14からモータ30への全距離に、1500ワットの電力を送達するように適合されたコンポーネントよりも、安価であり得る。
【0028】
図3は、例示的な電動注射器12の立面図である。図3により図示されるように、電動注射器12は、スタンドアセンブリ52と、支持アーム54と、動力ヘッド56とを含む。図示されたスタンドアセンブリ52は、4組の車輪58と、シャーシ60と、垂直支持部62と、ハンドル64と、ディスプレイ66とを含む。垂直支持部62は、シャーシ60の上に、ハンドル64と、ディスプレイ66と、支持アーム54とを持ち上げ得て、特定の実施形態において、そこを通って電源ケーブル16が送達される凹部を有し得る。ディスプレイ66は、液晶ディスプレイ、ブラウン管ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、表面放出ディスプレイ、または他の適切なディスプレイを含み得て、制御装置28に連結され得る。
【0029】
図3に示される注射器12の支持アーム54は、多軸連結部材68、70を含む。図示された連結部材68は、2つの垂直回転軸72、74により、シャーシ60に対して2自由度を有する。同様に、例示的な連結部材70は、2つの垂直回転軸76、78により、連結部材68に対して2自由度を有する。電源ケーブル16は、連結部材68、70に沿って動力ヘッド56に送達されるように示される。
【0030】
図3の動力ヘッド56は、連結部材70に対して2自由度を提供する継ぎ手を介して、連結部材70に連結する。結果として、本実施形態において、動力ヘッド56は、軸80、82周囲を回転し得る。全体として、図示された動力ヘッド56は、シャーシ60に対して6自由度を有する。他の実施形態は、より多くの、またはより少ない自由度を含み得る。
【0031】
動力ヘッド56は、ディスプレイ84と、流体制御バー86と、空気検出器88とを含む。流体制御バー86は、シリンジ34内のプランジャの手動操作を容易にし、空気検出器88は、空気がシリンジ34から出ていることが検出されると、制御装置28に信号を送る。
【0032】
本実施形態において、動力ヘッド56は、保護回路24と、エネルギー蓄積装置26と、制御装置28と、モータ30と、ラム32と、シリンジ34の一部とを収納する。他の実施形態において、これらのコンポーネントの多く、またはこれらのコンポーネントの一部は、電動注射器12上の他の部分、または注射システム10(図1)における他の部分に分布され得る。
【0033】
電動注射器12は、図4により図示される例示的な注射プロセス90に従い作動し得る。エネルギー蓄積装置26は、ブロック92により図示されるように、低電力でエネルギーを受容する。いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積装置26は、電力供給装置14から電源ケーブル16を介して、このエネルギーを受容し得る。このステップ92の間、充電電流は、エネルギー蓄積装置26の電力入力部50を通って流れ得る。充電電流は、500ワット未満、400ワット未満、300ワット未満、200ワット未満、100ワット未満、50ワット未満、10ワット未満、またはそれ以下等の低電力で送達され得る。エネルギーが電源ケーブル16により送達されると、ブロック94により図示されるように、エネルギー蓄積装置26に蓄積され得る。例えば、電荷は、キャパシタ44の板上に蓄積され得る。いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積装置26は、誘導を介して充電され得る(例えば、コードレスの実施形態において)。
【0034】
次いで、例示的な注射プロセス90において、エネルギー蓄積装置26は、ブロック96により図示されるように、高電力でモータ30にエネルギーを送達する。例えば、制御装置28は、半導体スイッチング装置のゲートを励起することにより、導体48を通る電流路を閉じ得て、キャパシタ44は、電力出力部46と導体48とを通って放電し得る。特定の実施形態において、エネルギー蓄積装置26は、700ワット超、800ワット超、1000ワット超、1200ワット超、1400ワット超、1500ワット超、1700ワット超、2000ワット超、3000ワット超、5000ワット超、またはそれ以上の速度で、エネルギーを送達し得る。
【0035】
ブロック98により図示されるように、注射プロセス90は、医療用流体の注射ステップを含む。図1〜3の電動注射器12において、エネルギー蓄積装置26からの電流は、モータ30に電力供給し、モータ30は、ラム32を駆動する。次に、ラム32は、シリンジ34のバレルを介してシリンジのプランジャを押し、患者36へとシリンジから医療用流体を押し出す。医療用流体は、造影剤、調合薬、放射性医薬品、生理食塩水、またはそれらの組み合わせ等の、任意の適切な医療用流体を含み得る。
【0036】
図5は、図1〜3の注射システム10により実行され得る、別の例示的な注射プロセス100を図示する。注射プロセス100は、ブロック102により図示されるように、電力網22から電力を受容するステップから始まり、次いで、ブロック104により図示されるように、グリッド22からの電力を整流する。一実施例として、図1の実施形態における整流器20は、グリッド22からの電力を整流し得る。次いで、本実施形態において、電力調整器18は、ブロック106により図示されるように、低レベル電力を産生するために、整流された電力を調整する。電源ケーブル16は、ブロック108により図示されるように、室40、42の間等の、離れた場所にわたって低レベル電力を伝導する。
【0037】
電動注射器12は、電源ケーブル16を介して送達されるエネルギーを蓄積および消費し得る。本実施形態において、低レベル電力は、図5のブロック110により図示されるように、エネルギー蓄積装置26の入力部50を介して伝導され得て、キャパシタ44は、図5のブロック112により図示されるように、低レベル電力を搬送する電流により充電され得る。次いで、本実施形態の制御装置28は、図5のロック114により図示されるように、流体を注射するという信号を受信し得る。例えば、使用者は、注射を開始するためにボタンを押し得て、ボタンは、制御装置28に信号を伝送し得る。この時点において、いくつかの実施形態において、制御装置28は、エネルギー蓄積装置26が、注射を開始するのに十分なエネルギーを蓄積していることを確認し得る。エネルギー蓄積装置26がある程度充電されるか、閾値よりも多く充電されるか、またはフル充電された後に、制御装置28は、図5のブロック116により図示されるように、エネルギー蓄積装置26の出力部46を介して、高レベルの電力を伝導するために、導体48を通る経路を閉じ得る。モータ30は、高レベルの電力を受容し得て、図5のブロック118により図示されるように、ラム32を介してシリンジ34のプランジャを駆動し得る。結果として、医療用流体は、図5のブロック120により図示されるように、シリンジ34から放出される(例えば、患者36に注射される)。最後に、いくつかの実施形態において、患者36は、図5のブロック122により図示されるように、例えば、図1において画像装置38に関して論じられた画像システムの1つを用いて、撮像され得る。
【0038】
図6は、ドッキングステーション300に連結されることが可能なエネルギー蓄積装置302を有する、例示的なコードレス注射器306を図示する。ここで使用されるように、「コードレス」という用語は、電力源との外部接続なしで作動する能力を意味する。注射器306は、前述の電動注射器12の特徴の1つ以上を含み得る。注射器306は、シールドシリンジアセンブリ308と、シールド310と、シリンジドライブ312と、ドッキングステーション電気インタフェース314と、ドッキングステーション機械インタフェース315とを特徴とする。ドッキングステーション電気インタフェース314は、複数のリード線332、333、334、335を含む。これらのリード線および/または他のリード線は、注射器306の充電に、ならびに/または注射器がドッキングステーション300に、および/もしくはそこを介してデータを通信することを可能にするための通信リンクとして利用され得る。いくつかの実施形態において、注射器306は、ワイヤレス通信(例えば、無線周波数)を介して、ドッキングステーション300に、および/もしくはそこを介してデータを通信することが可能であり得る(例えば、画像システムおよび/または病院情報システムに伝達されるために)。
【0039】
本実施形態において、シリンジアセンブリ308は、シリンジ316とシールド318とを含む。図示されたシリンジ316は、針320と、バレル322と、プランジャ324と、外端部328を有するプッシュロッド326とを含む。1つ以上の流体330は、シリンジ316のバレル322内に配置され得る。例えば、流体330は、放射性医薬品、造影剤、生理食塩水、調合薬、またはそれらの組み合わせを含み得る。シリンジ316は、多くの適切な設計/構成のいずれかを示し得る。例えば、いくつかの実施形態において、シリンジ316は、1段階シリンジ、各段階において異なる流体を有する2段階シリンジ、多バレルシリンジ、または2つを超える段階および/または2つを超える流体を有するシリンジであり得る。
【0040】
注射器306のシールド310、318は、電磁シールド、放射線シールド、熱シールド、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、シールド310、318は、リード線、劣化ウラン、タングステン、タングステン含浸プラスチック等の放射線シールド材料を特徴とし得る。あるいは、またはさらに、シールド310、318は、レイヤ、メッシュ、もしくは他の形態の銅、スチール、導電性プラスチック、または他の導電性材料等の電磁シールド材料を含み得る。特定の実施形態において、シールド310、318は、実質的に、または完全に非鉄であり得る。シールド310は、シリンジ316、シリンジドライブ312、および/またはエネルギー蓄積装置302を完全に被覆し得るか、これらのコンポーネント316、312、302のうちの1つ以上を実質的に被覆し得るか、またはこれらのコンポーネント316、312、302のうちの1つ以上を部分的に被覆し得る。同様に、シールド318は、シリンジ316を完全に、実質的に、または部分的に被覆し得る。注射器302のいくつかの実施形態は、シールド310および/または318を含まない場合があるが、それは、本明細書に考察される他のすべての特徴が、同様に省略されない場合があると示唆するものではない。
【0041】
注射器306のシリンジドライブ312は、圧電ドライブ、リニアモータ、形状記憶合金、ラックアンドピニオンシステム、ウォームギアアンドホイールアセンブリ、遊星ギアアセンブリ、ベルトドライブ、ギアドライブ、手動ドライブ、油圧式ドライブ、および/または空気圧ドライブを含み得る。例えば、以下に考察される図8の実施形態において、シリンジドライブ312は、電気モータとスクリュードライブとを含み得る。いくつかの実施形態において、シリンジドライブ312は、完全に、実質的に、または部分的に非鉄であり得る。
【0042】
注射器306用のドッキングステーション300は、補助電気インタフェース336と、補助機械インタフェース338と、電源ケーブル340とを含む。補助電気インタフェース336は、複数のメスコネクタ342、343、344、345を含む。電源ケーブル340は、低ワット数のDC電源等の電源から電力を受容するように適合され得る。さらに、ドッキングステーション300は、可動スタンド、回転アーム、車両(例えば、救急車)、画像装置、患者治療台、壁取り付け具、または他の好適な取り付け具に取り付けられ得る。
【0043】
操作において、コードレス注射器306は、ドッキングステーション300と係合するように補助的に設計される。具体的には、注射器306のドッキングステーション機械インタフェース315は、ドッキングステーション300の補助機械インタフェース338と係合するように設計され、注射器306のドッキングステーション電気インタフェース314は、ドッキングステーション300の補助電気インタフェース336と係合するように設計される。エネルギーは、低電力で、電源ケーブル340を通って、メスコネクタ342、343、344、345を通って、オスコネクタ332、333、334、335に流入する。低電力エネルギーは、エネルギー蓄積装置302に流入する。いくつかの実施形態において、注射器が、シリンジ充填手順に使用されている間、エネルギー蓄積装置302は、充電され得る。例えば、エネルギー蓄積装置302が充電されている間に、シリンジドライブ312は、バレル322内の針320からプランジャ324を引き離す力331を付与し得て、それにより、バレル322内に流体を引き入れることに向かう。充填中、充填速度および/または充填容積に対して、現場内または現場外のフィードフォワード制御またはフィードバック制御が行われ得る。
【0044】
エネルギー蓄積装置302が充電または励起されると、コードレス注射器306は、ドッキングステーション300から取り外され得て、電源ケーブルが処置を妨害することなく、放射性医薬品330または他の適切な医療用流体を注射するために使用され得る。注射は、コードレス注射器306が充填および充電される場所と同一の場所において実行され得るか、またはコードレス注射器306は、別の場所での使用のために、充電および充填状態で輸送され得る。注射中において、エネルギーは、エネルギー蓄積装置302からシリンジドライブ312に高速で流動し得て、プッシュロッド326の外端部328に力331を付与する。プッシュロッド326は、バレル332を通って針320に向かってプランジャ324を駆動し、それで、流体330をシリンジ316から放出させる。流体330の放出(例えば、注射)中、注射速度および/または注射容積に対して、現場内または現場外のフィードフォワード制御またはフィードバック制御が行われ得る。
【0045】
図7は、複数の(ここでは2つの)シリンジを収容することが可能な、例示的なコードレス注射器348を図示する。コードレス注射器348は、第二のシリンジ350と第二のシリンジドライブ352とを含む。第二のシリンジ350は、シールドされ得て、本明細書に記載される医療用流体の1つ以上であり得る流体354を含み得る。第二のシリンジ350は、シールド310内にあり得るが、他の実施形態において、第二のシリンジ350は、部分的に、または完全にシールド310の外部にあり得る。図7に示されるシリンジが、互いから分離し、互いと異なると図示される一方で、注射器348の他の実施形態は、多バレルシリンジアセンブリ(例えば、実質的に一体の2バレルシリンジアセンブリ)を収容することが可能である。
【0046】
操作において、注射器348のシリンジドライブ352は、第二のシリンジ350のプランジャに力354を付与し得て、流体354を第二のシリンジ350に引き入れるか、そこから押し出す。いくつかの実施形態において、シリンジドライブ312と第二のシリンジドライブ352とは、単一のシリンジドライブに部分的に、または完全に統合され得る。あるいは、シリンジドライブ312と第二のシリンジドライブ352とは、独立したシリンジドライブであり得る。注射および/または充填中、コードレス注射器348により注射または充填される流体330および/または354の流速および/または容積に対して、独立した、現場内または現場外のフィードフォワード制御またはフィードバック制御が行われ得る。
【0047】
図8は、コードレス注射器306内の例示的なシリンジドライブ312を図示する。図示されたシリンジドライブ312は、電気モータ356と、トランスミッション358と、リニアドライブ360とを含む。電気モータ356は、ステッピングモータ等のDC電気モータまたはAC電気モータであり得る。図示されたトランスミッション358は、第一のプーリー362と、第二のプーリー364と、ベルト366とを含む。本リニアドライブ360は、外ネジ付きシャフト、ウォーム、またはスクリュー368と、ブッシング370と、外側シャフト372と、シリンジインタフェース374とを有する。トランスミッション358は、0.5:1よりも大きい、1.0:1よりも大きい、1.5:1よりも大きい、2:1よりも大きい、3:1よりも大きい、4:1よりも大きい、5:1よりも大きい、8:1よりも大きい、20:1よりも大きい、またはそれ以上の、第一のプーリー362の直径に対する第二のプーリー364の直径の比率を有し得る。シリンジインタフェース374は、より幅の広い外端レセプタクル376と、シャフトスロット378とを含む。いくつかの実施形態において、モータ356と、トランスミッション358と、ドライブ360とのうちの1つ以上は、実質的に、または完全に非鉄であり得る。いくつかの実施形態において、モータ356と、トランスミッション358と、ドライブ360とのうちの1つ以上は、部分的に、実質的に、または完全にシールド310によりシールドされ得る。
【0048】
操作において、注射器306の電気モータ356は、第一のプーリー362を駆動する。第一のプーリー362が回転すると、ベルト366は、第二のプーリー364を回転させる。第二のプーリー364の回転は、スクリュー368を駆動し、それは、ブッシング370内で回転する。ブッシング370は、スクリュー368の回転が、ブッシング370に直線的な力を付与するように、ネジが付けられる。リニアスライド機構は、ブッシング370が、スクリュー368を上下に平行移動することを可能にする一方で、ブッシング370の回転を防止し得る。スクリュー368が回転すると、外側シャフト372は、ブッシング370により、スクリュー368の下方に押され得るか、またはスクリュー368の上方に押され得る。外側シャフト372は、スクリュー368に対して直線的に平行移動し得て、シリンジインタフェース374を介してシリンジ316のプランジャを移動させ得る。
【0049】
本発明が、種々の変形例および代替形態を受け得る一方で、具体的な実施形態が、図面において一実施例として示され、本明細書に具体的に説明されてきた。しかしながら、当然のことながら、本発明は、開示される特定の形態に制限されることを目的としていない。むしろ、本発明は、以下の添付の特許請求の範囲により定義されるような、本発明の精神および範囲内にある、すべての変形例、同等物、および代替物を対象とするものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に医療用流体を有するシリンジと共に使用される電気注射器であって、該注射器は、
互いに直列に結合された複数のスーパーキャパシタを含む単一のオンボードエネルギー蓄積装置と、
該複数のスーパーキャパシタに並列に結合されたモータと、
該モータに結合されたシリンジインタフェースと
を含む、注射器。
【請求項2】
前記複数のスーパーキャパシタは、約1000ファラッドよりも大きい複合キャパシタンスを有する、請求項1に記載の注射器。
【請求項3】
前記複数のスーパーキャパシタは、4つを超えるスーパーキャパシタを含む、請求項1または2に記載の注射器。
【請求項4】
約10アンペアよりも大きい通電容量を有する導体をさらに含み、前記モータは、前記導体を介して前記複数のスーパーキャパシタに接続されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の注射器。
【請求項5】
閉状態にあるときに、約800ワット超の電力を伝送するように構成されているスイッチを有する制御装置をさらに含み、該スイッチは、前記複数のスーパーキャパシタと前記モータとの間に直列に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の注射器。


【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−196530(P2012−196530A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−152683(P2012−152683)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【分割の表示】特願2009−532350(P2009−532350)の分割
【原出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(595181003)マリンクロッド インコーポレイテッド (203)
【Fターム(参考)】