低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置
【課題】水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することができる低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置を提供する。
【解決手段】ガラスバルブ101とガラスバルブ101内部の少なくとも一方の端部に電極103を有する低圧放電ランプ100において、電極103は有底筒状であり、かつガラスバルブ101の端部に封着されているリード線104とその底面において接合されており、かつガラスバルブ101とリード線104との封着は、ピンチシール法により行われている。
【解決手段】ガラスバルブ101とガラスバルブ101内部の少なくとも一方の端部に電極103を有する低圧放電ランプ100において、電極103は有底筒状であり、かつガラスバルブ101の端部に封着されているリード線104とその底面において接合されており、かつガラスバルブ101とリード線104との封着は、ピンチシール法により行われている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、従来の低圧放電ランプの一つである冷陰極蛍光ランプの管軸を含む正面断面図である。図19は、同じく従来の冷陰極蛍光ランプの管軸を含む底面断面図である。また、図20は、図18のA−A´断面図である。図18および図19に示すように、冷陰極蛍光ランプ1は、ガラスバルブ2、電極3、リード線4および排気細管(排気管残部)5により構成されている。電極3は、1枚の板状のものを二つに折り曲げたV字状を有し、ガラスバルブ2内においてその内面側がガラスバルブ2の端部に向くように配置されており、リード線4がそれぞれの側端3aに接合されている。2本のリード線4は、ガラスバルブ2の端部2aにおいてピンチシール法により封着されており、電極3とは反対側の端部がガラスバルブ2の両端から排気細管5を挟むようにして外方向に突出している。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特公平8−17089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の冷陰極蛍光ランプの場合、図20に示すように、通常、ガラスバルブ2の横断面(長手方向に対して垂直に切った断面)の内周が円形であり、一方、電極3をガラスバルブ2の長手方向から見ると、その形状が四角形状になるため、ガラスバルブ2の内面と電極3の外側の側面との間の間隙が必然的に大きくなる。その結果、ランプ点灯中に放電がその間隙から入り込んで電極材料が過剰にスパッタして電極が消耗したり、また、そのスパッタ物質によって水銀が短期間で大量に消耗されたり、さらには、その隙間から入り込んだ放電がリード線4を攻撃し、リード線4が消耗したりして、ランプの寿命が短くなるおそれがある。そこで、仮に電極を前記電極3に代えて、ガラスバルブ2の内周形状に沿った形状、すなわち筒状の電極を適用した場合について検討した。まず、リード線4との接合方法としては、リード線4を筒状の電極の外側の側面に接合した。その結果、ガラスバルブ2の内面と電極の外側の側面との間には少なくともリード線4の線径分の間隙を空けることが必要となり、結局、ランプ点灯中に放電がその間隙から入り込んでしまうのを防げないことがわかった。
【0005】
なお、電極が消耗すると、例えば電極に穴が開いて放熱性が低下してガラスバルブ2に悪影響を及ぼす。リード線4が消耗すると、例えばリード線4がそのまま折損してしまう。
【0006】
よって、本発明に係る低圧放電ランプは、水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために本発明に係る低圧放電ランプは、ガラスバルブと前記ガラスバルブ内部の少なくとも一方の端部に電極を有する低圧放電ランプにおいて、前記電極は有底筒状であり、かつその外側の底面において前記ガラスバルブの端部に封着されているリード線が接合されており、前記ガラスバルブと前記リード線との封着は、ピンチシール法により行われていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に排気管残部があり、前記排気管残部における前記ガラスバルブ内に位置する端面と前記電極の底面との間隔が0.5[mm]以上であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線は、少なくとも1つの折り曲げ部を有して前記電極と線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線は、コの字状に折れ曲がっており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部と前記電極の外側の底面とが線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記電極の底面に凸部を設け、少なくとも前記凸部の側面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記電極の底面に凸部を設け、前記凸部は溝部を有し、少なくとも前記溝部の内面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブは、アルカリ金属の含有率が3[mol%]〜20[mol%]の範囲内であることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの外径が4[mm]以上であることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの内径(D1)[mm]と前記筒状電極の外径(D2)[mm]とが関係式D1−0.4≦D2<D1を満たすように規制されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブは、その光取出し部における管軸に対して垂直な面を含む断面が略扁平形状であることが好ましい。
【0017】
本発明に係るバックライトユニットは、前記低圧放電ランプを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る液晶表示装置は、前記バックライトユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る低圧放電ランプは、水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することができる。
【0020】
また、本発明に係るバックライトユニットは、その内部の低圧放電ランプの水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命のバックライトユニットを提供することができる。
【0021】
また、本発明に係る液晶表示装置は、その内部の低圧放電ランプの水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命の液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む正面断面図を図1に、その底面断面図を図2にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100(以下、単に「ランプ100」という)は、ガラスバルブ101と排気管残部102と電極103とリード線104とで構成される冷陰極蛍光ランプである。
【0023】
ガラスバルブ101は、例えば、ソーダガラスからなり、外径は6[mm]、内径は5[mm]、全長は720[mm]であり、管軸に対して垂直に切った断面形状(内周面および内周面の形状)が略円形状である。なお、ガラスバルブ101の外径は4[mm]以上であることが好ましい。ガラスバルブ101の外径が4[mm]以上である場合、ピンチシール法により、ガラスバルブ101とリード線104を封着し易いからである。
【0024】
なお、ガラスバルブ101の材料としては、ソーダガラスに限らず、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ホウ珪酸ガラス等を用いてもよい。ソーダガラス、鉛ガラス、鉛フリーガラスを用いた場合には、暗黒始動性が改善できる。すなわち、上記したようなガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、それらアルカリ金属酸化物により暗黒始動性を改善することができる。例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラスバルブ101の内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラスバルブ101の内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与しているものと思われる。
【0025】
特に、後述する本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ等の内部外部電極蛍光ランプや外部電極をガラスバルブ101の端部外周面に覆うように形成した外部電極蛍光ランプでは、ガラスバルブ101の材料におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、3[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。
【0026】
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1[秒]を超える確率が低くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1[秒]以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラスバルブが黒(茶褐色)化や白色化して輝度の低下を招いたり、ガラスバルブの強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
【0027】
また、自然環境保護を考慮した場合、鉛フリーガラスを用いるのが好ましい。ただし、鉛フリーガラスと言っても、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合があるので、0.1[wt%]以下というレベルで鉛が含有されているガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
【0028】
これらのガラスの熱膨張係数を調節することにより、冷陰極蛍光ランプのリード線等の封着部材との封着強度を高めることができる。例えば、封着部材がタングステン(W)製の場合には、36×10−7[K−1]〜45×10−7[K−1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0029】
また、封着部材がコバール(Kovar)製、モリブデン(Mo)製の場合には45×10−7[K−1]〜56×10−7[K−1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を7[mol%]〜14[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0030】
また、封着部材がジュメット製の場合には94×10−7[K−1]近傍とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を20[mol%]〜30[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0031】
また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0032】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0033】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率10[mol%]より多くドープした場合、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、封着部材がタングステン(W)製である場合に、封着部材の熱膨張係数(約44×10−7[K−1])とガラスの熱膨張係数に差異が生じ、封着が困難となるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上10[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。ただし、封着部材がコバール(Koval)製やモリブデン(Mo)製の場合には、封着部材の熱膨張係数(約51×10−7[K−1])がタングステン製の場合よりも大きくなるため、酸化亜鉛を組成比率14[mol%]以下までドープすることができる。
【0034】
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0035】
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、外部電極蛍光ランプ(EEFL)や長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0036】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
【0037】
【数1】
【0038】
また、ガラスバルブ101の形状は、その管軸に対して垂直に切った断面が略円形状のものに限らず、略扁平形状のものであってもよい。ここでいう「略扁平形状」とは、楕円形状や例えば競争路形状(トラック形状)等の角丸形状のような形状を意味する。例えば、ガラスバルブ101における電極103の内方側の端面に挟まれた部分101a(以下、単に「光取出し部101a」という)における管軸に対して垂直に切った断面を略扁平形状にすることにより、断面が略扁平形状の部分は、その断面の短外径と同程度の管外径を有する断面が略円形状の低圧放電ランプよりも外周表面積を増大させて最冷点温度の過度な上昇を抑えることができる。また、このような低圧放電ランプにおける断面の短内径は、長内径と同程度の管内径を有する断面が略円形状の低圧放電ランプよりも短いので、陽光柱プラズマ空間の中心から管内壁までの距離は実質的に短く保つことが可能となる。このため、ランプ電流を従来のものより大きくしても発光効率を低下しにくくすることができる。
【0039】
また、光取出し部101aに限らず、ガラスバルブ101の全長にわたって、管軸に対して垂直に切った断面が略扁平形状であってもよい。この場合、電極103の外周断面形状もガラスバルブ101の内面形状に沿うように略扁平形状にすることが好ましい。ガラスバルブ101の内面と電極103の外側面と間隙を小さくし、その間隙から放電が入り込むのを防ぐためである。
【0040】
ガラスバルブ101の内面には蛍光体層105が形成されている。蛍光体層105は、例えば、赤色蛍光体(Y2O3:Eu3+)、緑色蛍光体(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+)からなる希土類蛍光体で形成されている。なお、蛍光体層105の構成は上記の構成に限定されない。例えば、赤色蛍光体(YVO4:Eu3+)、緑色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+)、青色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+)等のように313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体が含まれていてもよい。上記のように313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体の総重量の50[wt%]以上含む場合には、313[nm]の紫外線がランプ100の外部に漏れ出るのをほとんど防止することができ、ランプ100をバックライトユニット300(図6参照)に搭載した場合、光学シート類302(図6参照)に用いる樹脂等が紫外線により劣化することを防止することができる。特に、光学シート類302の拡散板308(図6参照)としてポリカーボネート(PC)樹脂を用いた場合には、アクリル樹脂を用いた場合よりも313[nm]の紫外線により劣化、変色する等の影響を受けやすい。よって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、PC樹脂の拡散板308を用いたバックライトユニットの場合でもバックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0041】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0042】
また、ガラスバルブ101の内面と蛍光体層105との間に例えば酸化イットリウム(Y2O3)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
【0043】
また、ガラスバルブ101の内部には、例えば、約4[mg]の水銀、および、希ガスとして約2.7[kPa](20[℃])のネオン・アルゴン混合ガス(Ne95[%]+Ar5[%])が封入されている。
【0044】
なお、水銀および希ガスの構成は上記構成に限定されない。希ガスは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等を少なくとも一種類含み、二種類または三種類等を混合して用いてもよい。例えば、アルゴン(Ar100[%])を用いてもよいし、ネオン・クリプトン混合ガス(Ne95[%]+Kr5[%])を用いてもよい。希ガスとしてネオン・クリプトン混合ガスを用いると、ランプ100の始動性が向上し、ランプ100を低い電圧で点灯させることができる。
【0045】
ガラスバルブ101の端部には、ランプ100の製造プロセスにおいて、排気管がリード線104と共に取着される。この排気管は、リード線104を封着した後に、ガラスバルブ101内を排気したり、希ガス等を封入したりするときに使用され、ガラスバルブ101の内部への希ガス等の封入が完了すると、排気管のうちガラスバルブ101の外部に位置する部分で、例えばチップオフ封止され、排気管残部102となる。排気管残部102において、チップオフ部102aとは反対側の端部はガラスバルブ101内に位置している。
【0046】
なお、図1および図2には、ランプ100の製造プロセスにおいて排気管をガラスバルブ101の両端に取り付けたときの完成ランプを示すが、図3に示す完成ランプのように、排気管をガラスバルブ101の一端のみに取り付けてもよい。排気管をガラスバルブ101の一端のみに取り付けた場合には、完成後のランプ100の第1封止側と第2封止側を容易に判別することが可能となり、バックライトユニット300(図6参照)に第1封止側と第2封止側を交互に組み込むことで、バックライトユニット300全体として輝度の均一化を図ることができる。
【0047】
ランプ100は、一般照明用の蛍光ランプに比べて細径であるため、長尺化するに伴いガラスバルブ101の内面に膜厚が均一な蛍光体層105を形成するのが難しくなる。一般的に、蛍光体層105の厚みは、ガラスバルブ101の長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっている。このようなランプ100を複数本バックライトユニット300に並べて任意の方向で組み込んだ場合、バックライトユニット300全体として輝度むらが起こるおそれがある。これを防止するためには、バックライトユニット300に組み込むランプ100の管軸方向の向きを一本ずつ交互に逆向きにする必要がある。あるいは、ランプ100一本を使用する場合にもランプ100の方向に応じた光学系の補正が必要である。よって、排気管残部102の有無でランプ100の第1封止側と第2封止側を判別することにより、バックライトユニットに組み込んだ際、バックライトユニット全体としての輝度むらの補正を容易に行うことができる。なお、排気管残部102がガラスバルブ101の両端にある場合にも、各々の排気管残部102の形状、寸法、取り付け位置を異ならせることにより、第1封止側と第2封止側を判別することが可能である。
【0048】
また、これとは逆に、各々の排気管残部102の形状、寸法および取り付け位置を同一にすることにより、ランプ100の両端部の形状が略同一となり、それをバックライトユニットに組み込む際、ランプ100の管軸方向の向きに依らずに挿入が可能となるため、ランプ100の挿入工程の容易化を図ることができる。特に、これは、蛍光体層105の厚みがランプ100の長手方向で均一に形成することが可能な場合等に有効である。
【0049】
電極103は、有底筒状で例えばニッケル(Ni)からなり、全長sが12.5[mm]で、外径が4.7[mm](内径が4.2[mm])である。
【0050】
ここで、ガラスバルブ101の内径をD1[mm]と電極103の外径をD2[mm]としたとき、D1−0.4≦D2<D1なる関係式を満たすことが好ましい。これにより、ランプ点灯中のランプ電流が5[mA]以上の大電流である場合でも、点灯中の放電が電極103の外側の側面に飛びにくくなり、電極材料の過剰のスパッタを抑制し、または、それに伴う水銀の消耗速度を抑えるとともに、電極103の外側の側面を通過してリード線104に達した放電がリード線104を攻撃してリード線104が消耗するのを抑制することで、低圧放電ランプ100の長寿命化を図ることができる。
【0051】
また、ガラスバルブ101の内面と電極103の外側の側面との間の距離をd[mm]としたとき、0<d≦0.2なる関係式を満たすことが好ましい。この場合においても、点灯中の放電が電極103の外側の側面に飛びにくくなり、電極材料の過剰のスパッタを抑制し、また、それに伴う水銀の消耗速度を抑えることができ、電極103の外側の側面を通過してリード線104に達した放電がリード線104を攻撃してリード線104が消耗するのを抑制することで、低圧放電ランプ100の長寿命化を図ることができる。さらに、この場合には電極103の外側面とガラスバルブ101の内面との間隙に偏りが生じないため、間隙の広い部分に放電が集中してその部分のガラスバルブ101の表面温度が上昇し、熱に弱いバックライトユニットの光学シート類等の変形を防止することができる。
【0052】
なお、電極103の材料には、ニッケル(Ni)に限らず、例えば、電極材料のスパッタによる水銀消耗の抑制を考慮すると、スパッタの少ない、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、或いは、モリブデン(Mo)を適用することが好ましい。
【0053】
なお、排気管残部102の端部のうちガラスバルブ100内に位置する端面と電極103の外側の底面との間隔は0.5[mm]以上あることが好ましい。当該間隔が0.5[mm]より狭い場合には、ランプ100の製造プロセスにおいて排気管からの給排気が行いにくい。さらに、酸化防止のガス、例えば窒素(N2)等を流しつつ、ガラスバルブ101のピンチ成形を行う際、排気管の端面と電極103の外側の底面とが近いと排気管から酸化防止のガスが入りにくい上、酸化防止ガスがその狭い間隙から噴出することになり、ガラスバルブ101の端部に不要な膨らみが発生し、ガラスバルブ101の端部の形状が不安定となるため、品質にばらつきが生じてしまう。
【0054】
リード線104は、2本一組で一対をなし、例えばFe、Ni、Crの合金からなり、その線径が0.3[mm]、全長が50[mm]である。一組をなす2本のリード線104は、並置された状態でそれぞれその一方の端面が電極103の外側の底面に例えばレーザー溶接によって接合されている。この場合、リード線104は電極103とほぼ点状の接合となる。リード線104が電極103の外側の底面と接合されていることにより、リード線104が電極103の外側の側面に接合される場合に比して、ガラスバルブ101の内面と電極103の外側の側面との間隙をより小さくすることができ、放電がその間隙へ入り込むのを抑制できるため、電極材料が過剰にスパッタするのを抑制でき、また、それによって水銀が短期間で大量に消耗されるのを抑制でき、さらには、電極103の外側の側面を通過してリード線104に達した放電がリード線104を攻撃してリード線104が消耗するのを抑制することで、ランプを長寿命化することができる。
【0055】
なお、リード線104は、上記の材料に限定されず、例えばFeおよびNiの合金等を用いることができる。また、リード線104は、一種類の金属のみからなる場合に限定されず、例えばFeおよびNiの合金線とジュメット線のように、異なる材料を溶接した継線等であってもよい。
【0056】
なお、図4に示すように、電極103の外側の底面におけるリード線104との接合予定位置にあらかじめ穴を設けておき、その穴にリード線104を挿入した後に電極103とリード線104とをレーザー溶接等により接合することで、電極103とリード線104との接合の安定性を高めることができる。
【0057】
以上に説明したとおり、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100の構成によれば長寿命化を図ることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの2本のリード線の線軸を含む断面図を図5に示す。図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200(以下、単に「ランプ200」という)は、その一端の外面に外部電極201を有し、他端の内部に内部電極103を有する内部外部電極蛍光ランプである。
【0059】
ランプ200は、その一端の外面に外部電極201を有し、それに伴う構成を除いては本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と実質的に同じ構成を有している。よって、外部電極201とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については省略する。
【0060】
外部電極201は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ101の端部全体の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0061】
また、外部電極201は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ101に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ101の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ101の端部に被せてもよい。
【0062】
また、図5には図示していないが、ガラスバルブ101の内面であって、外部電極201が形成された領域に例えば酸化イットリウム(Y2O3)の保護膜を設けてもよい。保護膜を設けることにより、ガラスバルブ101のその部分に水銀イオンが衝撃することによって起こるガラス削れやピンホールを防止することができる。
【0063】
なお、保護膜は、酸化イットリウムに代えて、例えばシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)等の金属酸化物を用いてもよい。特に、保護膜が酸化イットリウムやシリカで形成されている場合には、保護膜に水銀が付着し難く、水銀消費が少ない。
【0064】
もっとも、保護膜は、本発明において必須の構成要素ではなく、全く形成されていなくてもよいし、その一方で、ガラスバルブ101の内面の全体に亘って形成されていてもよい。
【0065】
なお、図5に示す例では、排気管残部102が内部電極103側のみにあるが、外部電極201側のみにあってもよいし、その両側に設けてもよい。
【0066】
以上説明したとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200は、上記構成により、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と同様に水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することができる。
【0067】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニットの分解斜視図を図6(a)に示す。図6に示すように、バックライトユニット300は、直下方式で、ランプ100と、光を取り出す液晶パネル側の面だけが開口しており、複数の蛍光ランプ100を収納する筐体301と、筐体301の開口を覆う光学シート類302とを備えている。バックライトユニット300は、液晶パネル(図示せず)の背面に配置され、液晶表示装置500(図8参照)における光源装置として用いられる。
【0068】
筐体301は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面303が形成されている。なお、筐体301の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成しても良い。また、内面の反射面303として金属蒸着膜以外に、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン(TiO2)等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体301に貼付して構成してもよい。
【0069】
また、筐体301の内部には、ランプ100、接続端子304およびカバー311が配置されている。
【0070】
接続端子304は、筐体301の長手方向に離間して配置された2つの端子で対をなし、その対が筐体301の短手方向に所定間隔を空けて配置されている。ランプ100は対をなす2つの端子間に組み込まれる。カバー311は、筐体301の短手方向に並ぶ端子の絶縁性を確保するためのものである。
【0071】
図6(b)は、ランプ100のリード線104と接続端子304との接合の様子を示した要部拡大断面図である。図6(b)に示すように、各接続端子304は、給電線305とキャップ306とで構成されている。
【0072】
給電線305は、ランプ100を点灯回路(図示せず)と電気的に接続するためのもので、ランプ100のリード線104と例えば半田307等によって接続されている。
【0073】
キャップ306は、例えば、ゴム等の絶縁性材料で形成されており、リード線104と給電線305との接続部分を外部に対して絶縁するためのもので、ランプ100の端部とリード線104と給電線305の接続部分を覆うようにして設けられている。
【0074】
なお、ランプ100は、図6(a)に示すように、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100(冷陰極蛍光ランプ)であるが、これに限らず、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200(内部外部電極蛍光ランプ)も適用することができる。
【0075】
光学シート類302は、例えば図6(a)に示すように、拡散板308、拡散シート309およびレンズシート310により構成されている。拡散板308は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体301の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート309は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート310は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類302は、それぞれ拡散板308に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0076】
本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニット300は、上記した構成により、ランプ100の水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命のバックライトユニットを提供することができる。
【0077】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るバックライトユニットの一部切欠斜視図を図7に示す。図7に示すように、バックライトユニット400は、エッジライト方式で、反射板401、ランプ100、接続端子(図示せず)、導光板402、拡散シート403およびプリズムシート404から構成されている。
【0078】
反射板401は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板402の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部401aと、ランプ100の配置されている側を除く側面を覆う側面部401bと、ランプ100の周囲を覆う曲面状のランプ側面部401cとで構成されており、ランプから照射される光を導光板402から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板401は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
【0079】
接続端子は、第3の実施形態に係るバックライトユニット300に用いられる接続端子304と実質的に同じ構成を有している。なお、図7において、図示の便宜上により、ランプ100の端部については省略している。
【0080】
導光板402は、反射板により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、バックライトユニット400の底面に設けられた反射板401の上に積重されている。なお、材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)を適用することができる。
【0081】
拡散シート403は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板402の上に積重されている。
【0082】
プリズムシート404は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート403の上に積重されている。なお、プリズムシート404の上にさらに拡散板が積重されていてもよい。
【0083】
なお、本実施形態の場合には、ランプ100の周方向における一部分(バックライトユニット400に挿入した場合における導光板402側)を除き、ガラスバルブ101の外面に反射シートを設けたアパーチャ型のランプであってもよい。また、ランプ100に代えて、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200も適用可能である。
【0084】
上記の構成により、本発明の第4の実施形態に係るバックライトユニット400は、ランプ100の水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命のバックライトユニットを提供することができる。
【0085】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の概要を図8に示す。図8に示すように液晶表示装置500は、図8に示すように、例えば32吋液晶テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット501と本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニット300と点灯回路502とを備える。
【0086】
液晶画面ユニット501は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0087】
点灯回路502は、バックライトユニット300内部のランプ100を点灯させる。そして、ランプ100は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜20[mA]で動作される。
【0088】
なお、図8では、液晶表示装置500の光源装置として本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニット300に第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプも適用することができる。
【0089】
本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置500は、上記した構成により、ランプ100の水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命の液晶表示装置を提供することができる。
【0090】
<変形例>
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
【0091】
1.変形例1
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプとは、リード線の形状およびリード線と電極との接合状態が異なる。具体的には、リード線は、L字状に折り曲げられており、その折り曲げられた部分のほぼ全体と電極の外側の底面と接合されている点が異なる。すなわち、リード線は、電極とほぼ線状にまたは面状に接合されている。
【0092】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1の管軸を含む要部拡大正面断面図を図9(a)に、そのB−B´断面図を図9(b)にそれぞれ示す。変形例1は、ランプ107の管軸方向に伸びる1本のリード線106の端部が電極103の外側の底面と平行な方向にL字状に折り曲げられており、その折り曲げた部分106aのほぼ全体と電極103の外側の底面とが接合されている。この構成により、リード線106と電極103の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線106と電極103との接合の安定性を高めることができる。
【0093】
2.変形例2
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2は、変形例1とは、リード線の形状およびガラスバルブとの封着状態が異なる。リード線は、コの字状に折り曲げられており、リード線はその折り曲げ部に挟まれた中間部を除く両部分がガラスバルブに封着されている点が異なる。
【0094】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大正面断面図を図10(a)に、そのC−C´断面図を図10(b)にそれぞれ示す。この場合、1本のリード線108はコの字状に折り曲げられており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部108aほぼ全体と電極103の外側の底面とが接合されている。つまり、リード線108は、中間部108aにおいて電極103とほぼ線状にまたは面状に接合されている。この構成により、リード線108と電極103の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線108と電極103との接合の安定性を高めることができる。また、リード線108は、中間部108aを除くその両部分がガラスバルブ101に封着され、支えられている。そのために、ガラスバルブ101に支持されている電極103の軸ずれ、すなわちガラスバルブ101の管軸に対する電極103の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。
【0095】
3.変形例3
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3は、変形例2とは、リード線の形状が異なる。具体的には、リード線のコの字状に曲げられたリード線の2つの折り曲げ部に挟まれた中間部が、電極の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状に折り曲げられている点が異なる。
【0096】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3の管軸を含む要部拡大断面図を図11(a)に、そのD−D´断面図を図11(b)にそれぞれ示す。この場合、1本のリード線110は、まずコの字状に折り曲げられており、さらに、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部110aは、電極103の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状になるように2回折り曲げられている。すなわち、中間部110aは、略Z字状に折り曲げられている。この構成により、リード線110と電極103の外側の底面との接触面積をさらに大きくし、リード線110と電極103の底面との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ101の管軸に対する電極103の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、図11(a)および(b)に示すリード線110は、その折り曲げ部に挟まれた部分110aを電極の外側の底面と平行を保ちつつ2回折り曲げたものであるが、折り曲げ回数や折り曲げた後の形状はこれに限定されるものではない。例えば、中間部110aが電極103の外側の底面に対して平行な円形状の軌道を描くものであってもよいし、星型や渦巻き型等であってもよい。
【0097】
4.変形例4
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプとは、電極の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極は、その外側の底面から突出した凸部を有し、リード線は、その凸部の側面においてほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
【0098】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4の管軸を含む要部拡大断面図を図12(a)に、そのE−E´断面図を図12(b)にそれぞれ示す。変形例4は、電極103の外側の底面から突出した円柱状の凸部103aを有し、それぞれ2本のリード線104が凸部103aの側面に接合されている。この場合、リード線104と電極103の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線104と電極103との接合の安定性を高めることができる。なお、図12においては、リード線104が凸部の側面だけでなく、電極の底面にも接合しているように見えるが、リード線104のガラスバルブ101内部に位置する一端面が電極の底面と接合されていてもよい。この場合、凸部の側面とのみ接合している場合に比べて、さらにリード線104と電極103との接合の安定性を高めることができる。また、凸部103aの側面にリード線104の線径と同程度の幅の溝を形成し、その溝にリード線104を嵌め込んで接合することにより、リード線104と電極103との接合の位置ずれを防止することができる。
【0099】
5.変形例5
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5は、変形例4とは、リード線の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極の凸部の側面にリード線が巻き付けられている点が異なる。
【0100】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5の管軸を含む要部拡大正面断面図を図13(a)に、そのF−F´断面図を図13(b)にそれぞれ示す。変形例5は、電極103の外側の底面から突出した円柱状の凸部103aを有し、リード線113がその凸部103aの側面に巻き付けられるようにして電極103とリード線113とがほぼ線状にまたは面状に接合されている。この場合、リード線113と電極103との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ101の管軸に対する電極103の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、凸部103aへのリード線113の巻き付け回数、方向等については図13(a)および図13(b)に示すものに限定されない。
【0101】
6.変形例6
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6は、変形例2とは、電極の形状および電極とリード線の接合状態が異なる。具体的には、電極の外側の底面には、その先端面に溝部を有する凸部が形成されており、リード線がその溝部に挿入されて、ほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
【0102】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6の管軸を含む要部拡大正面断面図を図14(a)に、そのG−G´断面図を図14(b)にそれぞれ示す。変形例6は、電極103の外側の底面から突出した直方体状であって、その先端面に溝部103bが形成された凸部を有している。変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103bに挿入され、例えば溶接等により、電極103とリード線108とが接合されている。溝部103bの溝の幅は、リード線の線径とほぼ同程度で、例えば0.4[mm]である。
【0103】
なお、溝部103bにリード線108の中間部108aを挿入した後、凸部を外側からかしめることで、リード線108と電極103を簡易的に接合することができる。さらに、かしめた後に溶接することで、リード線108と電極103との接合強度をさらに高めることができる。
【0104】
また、凸部103aの形状は、直方体状以外にも、円柱状、円錐状、四面体状、六面体状等であってもよい。特に、直方体や立方体の場合、その側面に平行な溝部を設け、リード線108を挿入した後にかしめを行う場合、かしめを行う治具がずれにくく安定しやすい。
【0105】
7.変形例7
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例7は、変形例6とは、電極の凸部の溝部の位置が異なる。具体的には、溝部が、凸部の先端面ではなく、側面に設けられている点が異なる。
【0106】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例7の管軸を含む要部拡大正面断面図を図15(a)に、その要部拡大底面断面図を図15(b)に、そのH−H´断面図を図15(c)にそれぞれ示す。変形例6では、変形例5における凸部103aの先端面に形成された溝部103bに代えて、凸部103aの側面に溝部103cが形成されている。リード線108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103cに挿入され、例えば溶接等により、電極103とリード線108とが接合されている。
【0107】
この場合、ガラスバルブ101の管軸方向における電極103とリード線108との接合強度を高めることができる。
【0108】
8.変形例8
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例8は、変形例6とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
【0109】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例8の管軸を含む要部拡大正面断面図を図16(a)に、その要部拡大底面断面図を図16(b)に、そのI−I´断面図を図16(c)にそれぞれ示す。
【0110】
変形例8は、変形例6と実質的に同一の凸部103aを有している。さらに、変形例5と同様に凸部103aの先端面に溝部103dが形成されているが、溝部103dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
【0111】
リード線108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103dに挿入され、凹凸形状の溝部103dの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
【0112】
この場合、電極103とリード線108との接合強度をさらに高めることができる。
【0113】
9.変形例9
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例9は、変形例7とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
【0114】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例9の管軸を含む要部拡大正面断面図を図17(a)に、その要部拡大底面断面図を図17(b)に、そのJ−J´断面図を図17(c)にそれぞれ示す。
【0115】
変形例8は、変形例7と実質的に同一の凸部103aを有している。さらに、変形例5と同様に凸部103aの側面に溝部103dが形成されているが、溝部103dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
【0116】
リード線108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103dに挿入され、凹凸形状の溝部103eの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
【0117】
この場合、ガラスバルブ101の管軸方向における電極103とリード線108との接合強度をさらに高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む正面断面図
【図2】同じく低圧放電ランプの底面断面図
【図3】同じく低圧放電ランプにおいて排気管残部が一方のみにある場合のランプの管軸を含む正面断面図
【図4】(a)同じく低圧放電ランプの変形例の要部拡大正面断面図、(b)図4(a)のA−A´断面図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む正面断面図
【図6】(a)本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニットの分解斜視図、(b)同じくバックライトユニットにおいてランプと接続部材の接続の状態を示した要部拡大断面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係るバックライトユニットの一部切欠斜視図
【図8】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の概略図
【図9】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1の要部拡大正面断面図、(b)同じくB−B´断面図
【図10】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2の要部拡大正面断面図、(b)同じくC−C´断面図
【図11】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3の要部拡大正面断面図、(b)同じくD−D´断面図
【図12】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4の要部拡大正面断面図、(b)同じくE−E´断面図
【図13】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5の要部拡大断面図、(b)同じくF−F´断面図
【図14】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6の要部拡大正面断面図、(b)同じくG−G´断面図
【図15】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例7の要部拡大正面断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例7の要部拡大底面断面図、(c)同じくH−H´断面図
【図16】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例8の要部拡大正面断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例8の要部拡大底面断面図、(c)同じくI−I´断面図
【図17】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例9の要部拡大正面断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例9の要部拡大底面断面図、(c)同じくJ−J´断面図
【図18】従来の冷陰極蛍光ランプの管軸を含む正面断面図
【図19】同じく冷陰極蛍光ランプの管軸を含む底面断面図
【図20】図18のA−A´断面図
【符号の説明】
【0120】
2,101 ガラスバルブ
3,103 電極
4,104,106,108,110,113 リード線
100,107,109,111,112,114,115,116,117,118,200 低圧放電ランプ
102 排気管残部
103a 凸部
300,400 バックライトユニット
500 液晶表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、従来の低圧放電ランプの一つである冷陰極蛍光ランプの管軸を含む正面断面図である。図19は、同じく従来の冷陰極蛍光ランプの管軸を含む底面断面図である。また、図20は、図18のA−A´断面図である。図18および図19に示すように、冷陰極蛍光ランプ1は、ガラスバルブ2、電極3、リード線4および排気細管(排気管残部)5により構成されている。電極3は、1枚の板状のものを二つに折り曲げたV字状を有し、ガラスバルブ2内においてその内面側がガラスバルブ2の端部に向くように配置されており、リード線4がそれぞれの側端3aに接合されている。2本のリード線4は、ガラスバルブ2の端部2aにおいてピンチシール法により封着されており、電極3とは反対側の端部がガラスバルブ2の両端から排気細管5を挟むようにして外方向に突出している。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特公平8−17089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の冷陰極蛍光ランプの場合、図20に示すように、通常、ガラスバルブ2の横断面(長手方向に対して垂直に切った断面)の内周が円形であり、一方、電極3をガラスバルブ2の長手方向から見ると、その形状が四角形状になるため、ガラスバルブ2の内面と電極3の外側の側面との間の間隙が必然的に大きくなる。その結果、ランプ点灯中に放電がその間隙から入り込んで電極材料が過剰にスパッタして電極が消耗したり、また、そのスパッタ物質によって水銀が短期間で大量に消耗されたり、さらには、その隙間から入り込んだ放電がリード線4を攻撃し、リード線4が消耗したりして、ランプの寿命が短くなるおそれがある。そこで、仮に電極を前記電極3に代えて、ガラスバルブ2の内周形状に沿った形状、すなわち筒状の電極を適用した場合について検討した。まず、リード線4との接合方法としては、リード線4を筒状の電極の外側の側面に接合した。その結果、ガラスバルブ2の内面と電極の外側の側面との間には少なくともリード線4の線径分の間隙を空けることが必要となり、結局、ランプ点灯中に放電がその間隙から入り込んでしまうのを防げないことがわかった。
【0005】
なお、電極が消耗すると、例えば電極に穴が開いて放熱性が低下してガラスバルブ2に悪影響を及ぼす。リード線4が消耗すると、例えばリード線4がそのまま折損してしまう。
【0006】
よって、本発明に係る低圧放電ランプは、水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために本発明に係る低圧放電ランプは、ガラスバルブと前記ガラスバルブ内部の少なくとも一方の端部に電極を有する低圧放電ランプにおいて、前記電極は有底筒状であり、かつその外側の底面において前記ガラスバルブの端部に封着されているリード線が接合されており、前記ガラスバルブと前記リード線との封着は、ピンチシール法により行われていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に排気管残部があり、前記排気管残部における前記ガラスバルブ内に位置する端面と前記電極の底面との間隔が0.5[mm]以上であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線は、少なくとも1つの折り曲げ部を有して前記電極と線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記リード線は、コの字状に折れ曲がっており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部と前記電極の外側の底面とが線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記電極の底面に凸部を設け、少なくとも前記凸部の側面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記電極の底面に凸部を設け、前記凸部は溝部を有し、少なくとも前記溝部の内面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブは、アルカリ金属の含有率が3[mol%]〜20[mol%]の範囲内であることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの外径が4[mm]以上であることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブの内径(D1)[mm]と前記筒状電極の外径(D2)[mm]とが関係式D1−0.4≦D2<D1を満たすように規制されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、前記ガラスバルブは、その光取出し部における管軸に対して垂直な面を含む断面が略扁平形状であることが好ましい。
【0017】
本発明に係るバックライトユニットは、前記低圧放電ランプを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る液晶表示装置は、前記バックライトユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る低圧放電ランプは、水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することができる。
【0020】
また、本発明に係るバックライトユニットは、その内部の低圧放電ランプの水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命のバックライトユニットを提供することができる。
【0021】
また、本発明に係る液晶表示装置は、その内部の低圧放電ランプの水銀、電極およびリード線の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命の液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む正面断面図を図1に、その底面断面図を図2にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100(以下、単に「ランプ100」という)は、ガラスバルブ101と排気管残部102と電極103とリード線104とで構成される冷陰極蛍光ランプである。
【0023】
ガラスバルブ101は、例えば、ソーダガラスからなり、外径は6[mm]、内径は5[mm]、全長は720[mm]であり、管軸に対して垂直に切った断面形状(内周面および内周面の形状)が略円形状である。なお、ガラスバルブ101の外径は4[mm]以上であることが好ましい。ガラスバルブ101の外径が4[mm]以上である場合、ピンチシール法により、ガラスバルブ101とリード線104を封着し易いからである。
【0024】
なお、ガラスバルブ101の材料としては、ソーダガラスに限らず、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ホウ珪酸ガラス等を用いてもよい。ソーダガラス、鉛ガラス、鉛フリーガラスを用いた場合には、暗黒始動性が改善できる。すなわち、上記したようなガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、それらアルカリ金属酸化物により暗黒始動性を改善することができる。例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラスバルブ101の内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラスバルブ101の内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与しているものと思われる。
【0025】
特に、後述する本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ等の内部外部電極蛍光ランプや外部電極をガラスバルブ101の端部外周面に覆うように形成した外部電極蛍光ランプでは、ガラスバルブ101の材料におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、3[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。
【0026】
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1[秒]を超える確率が低くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1[秒]以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラスバルブが黒(茶褐色)化や白色化して輝度の低下を招いたり、ガラスバルブの強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
【0027】
また、自然環境保護を考慮した場合、鉛フリーガラスを用いるのが好ましい。ただし、鉛フリーガラスと言っても、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合があるので、0.1[wt%]以下というレベルで鉛が含有されているガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
【0028】
これらのガラスの熱膨張係数を調節することにより、冷陰極蛍光ランプのリード線等の封着部材との封着強度を高めることができる。例えば、封着部材がタングステン(W)製の場合には、36×10−7[K−1]〜45×10−7[K−1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0029】
また、封着部材がコバール(Kovar)製、モリブデン(Mo)製の場合には45×10−7[K−1]〜56×10−7[K−1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を7[mol%]〜14[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0030】
また、封着部材がジュメット製の場合には94×10−7[K−1]近傍とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を20[mol%]〜30[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0031】
また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0032】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0033】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率10[mol%]より多くドープした場合、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、封着部材がタングステン(W)製である場合に、封着部材の熱膨張係数(約44×10−7[K−1])とガラスの熱膨張係数に差異が生じ、封着が困難となるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上10[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。ただし、封着部材がコバール(Koval)製やモリブデン(Mo)製の場合には、封着部材の熱膨張係数(約51×10−7[K−1])がタングステン製の場合よりも大きくなるため、酸化亜鉛を組成比率14[mol%]以下までドープすることができる。
【0034】
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0035】
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、外部電極蛍光ランプ(EEFL)や長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0036】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
【0037】
【数1】
【0038】
また、ガラスバルブ101の形状は、その管軸に対して垂直に切った断面が略円形状のものに限らず、略扁平形状のものであってもよい。ここでいう「略扁平形状」とは、楕円形状や例えば競争路形状(トラック形状)等の角丸形状のような形状を意味する。例えば、ガラスバルブ101における電極103の内方側の端面に挟まれた部分101a(以下、単に「光取出し部101a」という)における管軸に対して垂直に切った断面を略扁平形状にすることにより、断面が略扁平形状の部分は、その断面の短外径と同程度の管外径を有する断面が略円形状の低圧放電ランプよりも外周表面積を増大させて最冷点温度の過度な上昇を抑えることができる。また、このような低圧放電ランプにおける断面の短内径は、長内径と同程度の管内径を有する断面が略円形状の低圧放電ランプよりも短いので、陽光柱プラズマ空間の中心から管内壁までの距離は実質的に短く保つことが可能となる。このため、ランプ電流を従来のものより大きくしても発光効率を低下しにくくすることができる。
【0039】
また、光取出し部101aに限らず、ガラスバルブ101の全長にわたって、管軸に対して垂直に切った断面が略扁平形状であってもよい。この場合、電極103の外周断面形状もガラスバルブ101の内面形状に沿うように略扁平形状にすることが好ましい。ガラスバルブ101の内面と電極103の外側面と間隙を小さくし、その間隙から放電が入り込むのを防ぐためである。
【0040】
ガラスバルブ101の内面には蛍光体層105が形成されている。蛍光体層105は、例えば、赤色蛍光体(Y2O3:Eu3+)、緑色蛍光体(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+)からなる希土類蛍光体で形成されている。なお、蛍光体層105の構成は上記の構成に限定されない。例えば、赤色蛍光体(YVO4:Eu3+)、緑色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+)、青色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+)等のように313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体が含まれていてもよい。上記のように313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体の総重量の50[wt%]以上含む場合には、313[nm]の紫外線がランプ100の外部に漏れ出るのをほとんど防止することができ、ランプ100をバックライトユニット300(図6参照)に搭載した場合、光学シート類302(図6参照)に用いる樹脂等が紫外線により劣化することを防止することができる。特に、光学シート類302の拡散板308(図6参照)としてポリカーボネート(PC)樹脂を用いた場合には、アクリル樹脂を用いた場合よりも313[nm]の紫外線により劣化、変色する等の影響を受けやすい。よって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、PC樹脂の拡散板308を用いたバックライトユニットの場合でもバックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0041】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0042】
また、ガラスバルブ101の内面と蛍光体層105との間に例えば酸化イットリウム(Y2O3)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
【0043】
また、ガラスバルブ101の内部には、例えば、約4[mg]の水銀、および、希ガスとして約2.7[kPa](20[℃])のネオン・アルゴン混合ガス(Ne95[%]+Ar5[%])が封入されている。
【0044】
なお、水銀および希ガスの構成は上記構成に限定されない。希ガスは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等を少なくとも一種類含み、二種類または三種類等を混合して用いてもよい。例えば、アルゴン(Ar100[%])を用いてもよいし、ネオン・クリプトン混合ガス(Ne95[%]+Kr5[%])を用いてもよい。希ガスとしてネオン・クリプトン混合ガスを用いると、ランプ100の始動性が向上し、ランプ100を低い電圧で点灯させることができる。
【0045】
ガラスバルブ101の端部には、ランプ100の製造プロセスにおいて、排気管がリード線104と共に取着される。この排気管は、リード線104を封着した後に、ガラスバルブ101内を排気したり、希ガス等を封入したりするときに使用され、ガラスバルブ101の内部への希ガス等の封入が完了すると、排気管のうちガラスバルブ101の外部に位置する部分で、例えばチップオフ封止され、排気管残部102となる。排気管残部102において、チップオフ部102aとは反対側の端部はガラスバルブ101内に位置している。
【0046】
なお、図1および図2には、ランプ100の製造プロセスにおいて排気管をガラスバルブ101の両端に取り付けたときの完成ランプを示すが、図3に示す完成ランプのように、排気管をガラスバルブ101の一端のみに取り付けてもよい。排気管をガラスバルブ101の一端のみに取り付けた場合には、完成後のランプ100の第1封止側と第2封止側を容易に判別することが可能となり、バックライトユニット300(図6参照)に第1封止側と第2封止側を交互に組み込むことで、バックライトユニット300全体として輝度の均一化を図ることができる。
【0047】
ランプ100は、一般照明用の蛍光ランプに比べて細径であるため、長尺化するに伴いガラスバルブ101の内面に膜厚が均一な蛍光体層105を形成するのが難しくなる。一般的に、蛍光体層105の厚みは、ガラスバルブ101の長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっている。このようなランプ100を複数本バックライトユニット300に並べて任意の方向で組み込んだ場合、バックライトユニット300全体として輝度むらが起こるおそれがある。これを防止するためには、バックライトユニット300に組み込むランプ100の管軸方向の向きを一本ずつ交互に逆向きにする必要がある。あるいは、ランプ100一本を使用する場合にもランプ100の方向に応じた光学系の補正が必要である。よって、排気管残部102の有無でランプ100の第1封止側と第2封止側を判別することにより、バックライトユニットに組み込んだ際、バックライトユニット全体としての輝度むらの補正を容易に行うことができる。なお、排気管残部102がガラスバルブ101の両端にある場合にも、各々の排気管残部102の形状、寸法、取り付け位置を異ならせることにより、第1封止側と第2封止側を判別することが可能である。
【0048】
また、これとは逆に、各々の排気管残部102の形状、寸法および取り付け位置を同一にすることにより、ランプ100の両端部の形状が略同一となり、それをバックライトユニットに組み込む際、ランプ100の管軸方向の向きに依らずに挿入が可能となるため、ランプ100の挿入工程の容易化を図ることができる。特に、これは、蛍光体層105の厚みがランプ100の長手方向で均一に形成することが可能な場合等に有効である。
【0049】
電極103は、有底筒状で例えばニッケル(Ni)からなり、全長sが12.5[mm]で、外径が4.7[mm](内径が4.2[mm])である。
【0050】
ここで、ガラスバルブ101の内径をD1[mm]と電極103の外径をD2[mm]としたとき、D1−0.4≦D2<D1なる関係式を満たすことが好ましい。これにより、ランプ点灯中のランプ電流が5[mA]以上の大電流である場合でも、点灯中の放電が電極103の外側の側面に飛びにくくなり、電極材料の過剰のスパッタを抑制し、または、それに伴う水銀の消耗速度を抑えるとともに、電極103の外側の側面を通過してリード線104に達した放電がリード線104を攻撃してリード線104が消耗するのを抑制することで、低圧放電ランプ100の長寿命化を図ることができる。
【0051】
また、ガラスバルブ101の内面と電極103の外側の側面との間の距離をd[mm]としたとき、0<d≦0.2なる関係式を満たすことが好ましい。この場合においても、点灯中の放電が電極103の外側の側面に飛びにくくなり、電極材料の過剰のスパッタを抑制し、また、それに伴う水銀の消耗速度を抑えることができ、電極103の外側の側面を通過してリード線104に達した放電がリード線104を攻撃してリード線104が消耗するのを抑制することで、低圧放電ランプ100の長寿命化を図ることができる。さらに、この場合には電極103の外側面とガラスバルブ101の内面との間隙に偏りが生じないため、間隙の広い部分に放電が集中してその部分のガラスバルブ101の表面温度が上昇し、熱に弱いバックライトユニットの光学シート類等の変形を防止することができる。
【0052】
なお、電極103の材料には、ニッケル(Ni)に限らず、例えば、電極材料のスパッタによる水銀消耗の抑制を考慮すると、スパッタの少ない、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、或いは、モリブデン(Mo)を適用することが好ましい。
【0053】
なお、排気管残部102の端部のうちガラスバルブ100内に位置する端面と電極103の外側の底面との間隔は0.5[mm]以上あることが好ましい。当該間隔が0.5[mm]より狭い場合には、ランプ100の製造プロセスにおいて排気管からの給排気が行いにくい。さらに、酸化防止のガス、例えば窒素(N2)等を流しつつ、ガラスバルブ101のピンチ成形を行う際、排気管の端面と電極103の外側の底面とが近いと排気管から酸化防止のガスが入りにくい上、酸化防止ガスがその狭い間隙から噴出することになり、ガラスバルブ101の端部に不要な膨らみが発生し、ガラスバルブ101の端部の形状が不安定となるため、品質にばらつきが生じてしまう。
【0054】
リード線104は、2本一組で一対をなし、例えばFe、Ni、Crの合金からなり、その線径が0.3[mm]、全長が50[mm]である。一組をなす2本のリード線104は、並置された状態でそれぞれその一方の端面が電極103の外側の底面に例えばレーザー溶接によって接合されている。この場合、リード線104は電極103とほぼ点状の接合となる。リード線104が電極103の外側の底面と接合されていることにより、リード線104が電極103の外側の側面に接合される場合に比して、ガラスバルブ101の内面と電極103の外側の側面との間隙をより小さくすることができ、放電がその間隙へ入り込むのを抑制できるため、電極材料が過剰にスパッタするのを抑制でき、また、それによって水銀が短期間で大量に消耗されるのを抑制でき、さらには、電極103の外側の側面を通過してリード線104に達した放電がリード線104を攻撃してリード線104が消耗するのを抑制することで、ランプを長寿命化することができる。
【0055】
なお、リード線104は、上記の材料に限定されず、例えばFeおよびNiの合金等を用いることができる。また、リード線104は、一種類の金属のみからなる場合に限定されず、例えばFeおよびNiの合金線とジュメット線のように、異なる材料を溶接した継線等であってもよい。
【0056】
なお、図4に示すように、電極103の外側の底面におけるリード線104との接合予定位置にあらかじめ穴を設けておき、その穴にリード線104を挿入した後に電極103とリード線104とをレーザー溶接等により接合することで、電極103とリード線104との接合の安定性を高めることができる。
【0057】
以上に説明したとおり、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100の構成によれば長寿命化を図ることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの2本のリード線の線軸を含む断面図を図5に示す。図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200(以下、単に「ランプ200」という)は、その一端の外面に外部電極201を有し、他端の内部に内部電極103を有する内部外部電極蛍光ランプである。
【0059】
ランプ200は、その一端の外面に外部電極201を有し、それに伴う構成を除いては本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と実質的に同じ構成を有している。よって、外部電極201とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については省略する。
【0060】
外部電極201は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ101の端部全体の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0061】
また、外部電極201は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ101に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ101の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ101の端部に被せてもよい。
【0062】
また、図5には図示していないが、ガラスバルブ101の内面であって、外部電極201が形成された領域に例えば酸化イットリウム(Y2O3)の保護膜を設けてもよい。保護膜を設けることにより、ガラスバルブ101のその部分に水銀イオンが衝撃することによって起こるガラス削れやピンホールを防止することができる。
【0063】
なお、保護膜は、酸化イットリウムに代えて、例えばシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)等の金属酸化物を用いてもよい。特に、保護膜が酸化イットリウムやシリカで形成されている場合には、保護膜に水銀が付着し難く、水銀消費が少ない。
【0064】
もっとも、保護膜は、本発明において必須の構成要素ではなく、全く形成されていなくてもよいし、その一方で、ガラスバルブ101の内面の全体に亘って形成されていてもよい。
【0065】
なお、図5に示す例では、排気管残部102が内部電極103側のみにあるが、外部電極201側のみにあってもよいし、その両側に設けてもよい。
【0066】
以上説明したとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200は、上記構成により、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100と同様に水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することができる。
【0067】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニットの分解斜視図を図6(a)に示す。図6に示すように、バックライトユニット300は、直下方式で、ランプ100と、光を取り出す液晶パネル側の面だけが開口しており、複数の蛍光ランプ100を収納する筐体301と、筐体301の開口を覆う光学シート類302とを備えている。バックライトユニット300は、液晶パネル(図示せず)の背面に配置され、液晶表示装置500(図8参照)における光源装置として用いられる。
【0068】
筐体301は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面303が形成されている。なお、筐体301の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成しても良い。また、内面の反射面303として金属蒸着膜以外に、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン(TiO2)等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体301に貼付して構成してもよい。
【0069】
また、筐体301の内部には、ランプ100、接続端子304およびカバー311が配置されている。
【0070】
接続端子304は、筐体301の長手方向に離間して配置された2つの端子で対をなし、その対が筐体301の短手方向に所定間隔を空けて配置されている。ランプ100は対をなす2つの端子間に組み込まれる。カバー311は、筐体301の短手方向に並ぶ端子の絶縁性を確保するためのものである。
【0071】
図6(b)は、ランプ100のリード線104と接続端子304との接合の様子を示した要部拡大断面図である。図6(b)に示すように、各接続端子304は、給電線305とキャップ306とで構成されている。
【0072】
給電線305は、ランプ100を点灯回路(図示せず)と電気的に接続するためのもので、ランプ100のリード線104と例えば半田307等によって接続されている。
【0073】
キャップ306は、例えば、ゴム等の絶縁性材料で形成されており、リード線104と給電線305との接続部分を外部に対して絶縁するためのもので、ランプ100の端部とリード線104と給電線305の接続部分を覆うようにして設けられている。
【0074】
なお、ランプ100は、図6(a)に示すように、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100(冷陰極蛍光ランプ)であるが、これに限らず、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200(内部外部電極蛍光ランプ)も適用することができる。
【0075】
光学シート類302は、例えば図6(a)に示すように、拡散板308、拡散シート309およびレンズシート310により構成されている。拡散板308は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体301の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート309は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート310は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類302は、それぞれ拡散板308に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0076】
本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニット300は、上記した構成により、ランプ100の水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命のバックライトユニットを提供することができる。
【0077】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るバックライトユニットの一部切欠斜視図を図7に示す。図7に示すように、バックライトユニット400は、エッジライト方式で、反射板401、ランプ100、接続端子(図示せず)、導光板402、拡散シート403およびプリズムシート404から構成されている。
【0078】
反射板401は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板402の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部401aと、ランプ100の配置されている側を除く側面を覆う側面部401bと、ランプ100の周囲を覆う曲面状のランプ側面部401cとで構成されており、ランプから照射される光を導光板402から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板401は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
【0079】
接続端子は、第3の実施形態に係るバックライトユニット300に用いられる接続端子304と実質的に同じ構成を有している。なお、図7において、図示の便宜上により、ランプ100の端部については省略している。
【0080】
導光板402は、反射板により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、バックライトユニット400の底面に設けられた反射板401の上に積重されている。なお、材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)を適用することができる。
【0081】
拡散シート403は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板402の上に積重されている。
【0082】
プリズムシート404は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート403の上に積重されている。なお、プリズムシート404の上にさらに拡散板が積重されていてもよい。
【0083】
なお、本実施形態の場合には、ランプ100の周方向における一部分(バックライトユニット400に挿入した場合における導光板402側)を除き、ガラスバルブ101の外面に反射シートを設けたアパーチャ型のランプであってもよい。また、ランプ100に代えて、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200も適用可能である。
【0084】
上記の構成により、本発明の第4の実施形態に係るバックライトユニット400は、ランプ100の水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命のバックライトユニットを提供することができる。
【0085】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の概要を図8に示す。図8に示すように液晶表示装置500は、図8に示すように、例えば32吋液晶テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット501と本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニット300と点灯回路502とを備える。
【0086】
液晶画面ユニット501は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0087】
点灯回路502は、バックライトユニット300内部のランプ100を点灯させる。そして、ランプ100は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜20[mA]で動作される。
【0088】
なお、図8では、液晶表示装置500の光源装置として本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニット300に第1の実施形態に係る低圧放電ランプ100を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプも適用することができる。
【0089】
本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置500は、上記した構成により、ランプ100の水銀、電極103およびリード線104の消耗を抑制し、長寿命化することで、より長寿命の液晶表示装置を提供することができる。
【0090】
<変形例>
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
【0091】
1.変形例1
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプとは、リード線の形状およびリード線と電極との接合状態が異なる。具体的には、リード線は、L字状に折り曲げられており、その折り曲げられた部分のほぼ全体と電極の外側の底面と接合されている点が異なる。すなわち、リード線は、電極とほぼ線状にまたは面状に接合されている。
【0092】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1の管軸を含む要部拡大正面断面図を図9(a)に、そのB−B´断面図を図9(b)にそれぞれ示す。変形例1は、ランプ107の管軸方向に伸びる1本のリード線106の端部が電極103の外側の底面と平行な方向にL字状に折り曲げられており、その折り曲げた部分106aのほぼ全体と電極103の外側の底面とが接合されている。この構成により、リード線106と電極103の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線106と電極103との接合の安定性を高めることができる。
【0093】
2.変形例2
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2は、変形例1とは、リード線の形状およびガラスバルブとの封着状態が異なる。リード線は、コの字状に折り曲げられており、リード線はその折り曲げ部に挟まれた中間部を除く両部分がガラスバルブに封着されている点が異なる。
【0094】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大正面断面図を図10(a)に、そのC−C´断面図を図10(b)にそれぞれ示す。この場合、1本のリード線108はコの字状に折り曲げられており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部108aほぼ全体と電極103の外側の底面とが接合されている。つまり、リード線108は、中間部108aにおいて電極103とほぼ線状にまたは面状に接合されている。この構成により、リード線108と電極103の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線108と電極103との接合の安定性を高めることができる。また、リード線108は、中間部108aを除くその両部分がガラスバルブ101に封着され、支えられている。そのために、ガラスバルブ101に支持されている電極103の軸ずれ、すなわちガラスバルブ101の管軸に対する電極103の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。
【0095】
3.変形例3
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3は、変形例2とは、リード線の形状が異なる。具体的には、リード線のコの字状に曲げられたリード線の2つの折り曲げ部に挟まれた中間部が、電極の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状に折り曲げられている点が異なる。
【0096】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3の管軸を含む要部拡大断面図を図11(a)に、そのD−D´断面図を図11(b)にそれぞれ示す。この場合、1本のリード線110は、まずコの字状に折り曲げられており、さらに、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部110aは、電極103の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状になるように2回折り曲げられている。すなわち、中間部110aは、略Z字状に折り曲げられている。この構成により、リード線110と電極103の外側の底面との接触面積をさらに大きくし、リード線110と電極103の底面との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ101の管軸に対する電極103の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、図11(a)および(b)に示すリード線110は、その折り曲げ部に挟まれた部分110aを電極の外側の底面と平行を保ちつつ2回折り曲げたものであるが、折り曲げ回数や折り曲げた後の形状はこれに限定されるものではない。例えば、中間部110aが電極103の外側の底面に対して平行な円形状の軌道を描くものであってもよいし、星型や渦巻き型等であってもよい。
【0097】
4.変形例4
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4は、本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプとは、電極の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極は、その外側の底面から突出した凸部を有し、リード線は、その凸部の側面においてほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
【0098】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4の管軸を含む要部拡大断面図を図12(a)に、そのE−E´断面図を図12(b)にそれぞれ示す。変形例4は、電極103の外側の底面から突出した円柱状の凸部103aを有し、それぞれ2本のリード線104が凸部103aの側面に接合されている。この場合、リード線104と電極103の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線104と電極103との接合の安定性を高めることができる。なお、図12においては、リード線104が凸部の側面だけでなく、電極の底面にも接合しているように見えるが、リード線104のガラスバルブ101内部に位置する一端面が電極の底面と接合されていてもよい。この場合、凸部の側面とのみ接合している場合に比べて、さらにリード線104と電極103との接合の安定性を高めることができる。また、凸部103aの側面にリード線104の線径と同程度の幅の溝を形成し、その溝にリード線104を嵌め込んで接合することにより、リード線104と電極103との接合の位置ずれを防止することができる。
【0099】
5.変形例5
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5は、変形例4とは、リード線の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極の凸部の側面にリード線が巻き付けられている点が異なる。
【0100】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5の管軸を含む要部拡大正面断面図を図13(a)に、そのF−F´断面図を図13(b)にそれぞれ示す。変形例5は、電極103の外側の底面から突出した円柱状の凸部103aを有し、リード線113がその凸部103aの側面に巻き付けられるようにして電極103とリード線113とがほぼ線状にまたは面状に接合されている。この場合、リード線113と電極103との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ101の管軸に対する電極103の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、凸部103aへのリード線113の巻き付け回数、方向等については図13(a)および図13(b)に示すものに限定されない。
【0101】
6.変形例6
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6は、変形例2とは、電極の形状および電極とリード線の接合状態が異なる。具体的には、電極の外側の底面には、その先端面に溝部を有する凸部が形成されており、リード線がその溝部に挿入されて、ほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
【0102】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6の管軸を含む要部拡大正面断面図を図14(a)に、そのG−G´断面図を図14(b)にそれぞれ示す。変形例6は、電極103の外側の底面から突出した直方体状であって、その先端面に溝部103bが形成された凸部を有している。変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103bに挿入され、例えば溶接等により、電極103とリード線108とが接合されている。溝部103bの溝の幅は、リード線の線径とほぼ同程度で、例えば0.4[mm]である。
【0103】
なお、溝部103bにリード線108の中間部108aを挿入した後、凸部を外側からかしめることで、リード線108と電極103を簡易的に接合することができる。さらに、かしめた後に溶接することで、リード線108と電極103との接合強度をさらに高めることができる。
【0104】
また、凸部103aの形状は、直方体状以外にも、円柱状、円錐状、四面体状、六面体状等であってもよい。特に、直方体や立方体の場合、その側面に平行な溝部を設け、リード線108を挿入した後にかしめを行う場合、かしめを行う治具がずれにくく安定しやすい。
【0105】
7.変形例7
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例7は、変形例6とは、電極の凸部の溝部の位置が異なる。具体的には、溝部が、凸部の先端面ではなく、側面に設けられている点が異なる。
【0106】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例7の管軸を含む要部拡大正面断面図を図15(a)に、その要部拡大底面断面図を図15(b)に、そのH−H´断面図を図15(c)にそれぞれ示す。変形例6では、変形例5における凸部103aの先端面に形成された溝部103bに代えて、凸部103aの側面に溝部103cが形成されている。リード線108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103cに挿入され、例えば溶接等により、電極103とリード線108とが接合されている。
【0107】
この場合、ガラスバルブ101の管軸方向における電極103とリード線108との接合強度を高めることができる。
【0108】
8.変形例8
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例8は、変形例6とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
【0109】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例8の管軸を含む要部拡大正面断面図を図16(a)に、その要部拡大底面断面図を図16(b)に、そのI−I´断面図を図16(c)にそれぞれ示す。
【0110】
変形例8は、変形例6と実質的に同一の凸部103aを有している。さらに、変形例5と同様に凸部103aの先端面に溝部103dが形成されているが、溝部103dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
【0111】
リード線108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103dに挿入され、凹凸形状の溝部103dの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
【0112】
この場合、電極103とリード線108との接合強度をさらに高めることができる。
【0113】
9.変形例9
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例9は、変形例7とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
【0114】
本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例9の管軸を含む要部拡大正面断面図を図17(a)に、その要部拡大底面断面図を図17(b)に、そのJ−J´断面図を図17(c)にそれぞれ示す。
【0115】
変形例8は、変形例7と実質的に同一の凸部103aを有している。さらに、変形例5と同様に凸部103aの側面に溝部103dが形成されているが、溝部103dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
【0116】
リード線108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部108aは、溝部103dに挿入され、凹凸形状の溝部103eの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
【0117】
この場合、ガラスバルブ101の管軸方向における電極103とリード線108との接合強度をさらに高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む正面断面図
【図2】同じく低圧放電ランプの底面断面図
【図3】同じく低圧放電ランプにおいて排気管残部が一方のみにある場合のランプの管軸を含む正面断面図
【図4】(a)同じく低圧放電ランプの変形例の要部拡大正面断面図、(b)図4(a)のA−A´断面図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む正面断面図
【図6】(a)本発明の第3の実施形態に係るバックライトユニットの分解斜視図、(b)同じくバックライトユニットにおいてランプと接続部材の接続の状態を示した要部拡大断面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係るバックライトユニットの一部切欠斜視図
【図8】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の概略図
【図9】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例1の要部拡大正面断面図、(b)同じくB−B´断面図
【図10】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例2の要部拡大正面断面図、(b)同じくC−C´断面図
【図11】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例3の要部拡大正面断面図、(b)同じくD−D´断面図
【図12】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例4の要部拡大正面断面図、(b)同じくE−E´断面図
【図13】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例5の要部拡大断面図、(b)同じくF−F´断面図
【図14】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例6の要部拡大正面断面図、(b)同じくG−G´断面図
【図15】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例7の要部拡大正面断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例7の要部拡大底面断面図、(c)同じくH−H´断面図
【図16】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例8の要部拡大正面断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例8の要部拡大底面断面図、(c)同じくI−I´断面図
【図17】(a)本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプの変形例9の要部拡大正面断面図、(b)同じく低圧放電ランプの変形例9の要部拡大底面断面図、(c)同じくJ−J´断面図
【図18】従来の冷陰極蛍光ランプの管軸を含む正面断面図
【図19】同じく冷陰極蛍光ランプの管軸を含む底面断面図
【図20】図18のA−A´断面図
【符号の説明】
【0120】
2,101 ガラスバルブ
3,103 電極
4,104,106,108,110,113 リード線
100,107,109,111,112,114,115,116,117,118,200 低圧放電ランプ
102 排気管残部
103a 凸部
300,400 バックライトユニット
500 液晶表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバルブと前記ガラスバルブ内部の少なくとも一方の端部に電極を有する低圧放電ランプにおいて、前記電極は有底筒状であり、かつその外側の底面において前記ガラスバルブの端部に封着されているリード線が接合されており、前記ガラスバルブと前記リード線との封着は、ピンチシール法により行われていることを特徴とする低圧放電ランプ。
【請求項2】
前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に排気管残部があり、前記排気管残部における前記ガラスバルブ内に位置する端面と前記電極の底面との間隔が0.5[mm]以上であることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項3】
前記リード線は、少なくとも1つの折り曲げ部を有して前記電極と線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の低圧放電ランプ。
【請求項4】
前記リード線は、コの字状に折れ曲がっており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部と前記電極の外側の底面とが線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の低圧放電ランプ。
【請求項5】
前記電極の底面に凸部を設け、少なくとも前記凸部の側面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項6】
前記電極の底面に凸部を設け、前記凸部は溝部を有し、少なくとも前記溝部の内面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項7】
前記ガラスバルブは、アルカリ金属の含有率が3[mol%]〜20[mol%]の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項8】
前記ガラスバルブの外径が4[mm]以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項9】
前記ガラスバルブの内径(D1)[mm]と前記電極の外径(D2)[mm]とが関係式D1−0.4≦D2<D1を満たすように規制されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項10】
前記ガラスバルブは、その管軸に対して垂直に切った断面が略扁平形状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の低圧放電ランプを備えることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のバックライトユニットを備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
ガラスバルブと前記ガラスバルブ内部の少なくとも一方の端部に電極を有する低圧放電ランプにおいて、前記電極は有底筒状であり、かつその外側の底面において前記ガラスバルブの端部に封着されているリード線が接合されており、前記ガラスバルブと前記リード線との封着は、ピンチシール法により行われていることを特徴とする低圧放電ランプ。
【請求項2】
前記ガラスバルブの少なくとも一方の端部に排気管残部があり、前記排気管残部における前記ガラスバルブ内に位置する端面と前記電極の底面との間隔が0.5[mm]以上であることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項3】
前記リード線は、少なくとも1つの折り曲げ部を有して前記電極と線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の低圧放電ランプ。
【請求項4】
前記リード線は、コの字状に折れ曲がっており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部と前記電極の外側の底面とが線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の低圧放電ランプ。
【請求項5】
前記電極の底面に凸部を設け、少なくとも前記凸部の側面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項6】
前記電極の底面に凸部を設け、前記凸部は溝部を有し、少なくとも前記溝部の内面と前記リード線とが線状にまたは面状に接合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項7】
前記ガラスバルブは、アルカリ金属の含有率が3[mol%]〜20[mol%]の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項8】
前記ガラスバルブの外径が4[mm]以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項9】
前記ガラスバルブの内径(D1)[mm]と前記電極の外径(D2)[mm]とが関係式D1−0.4≦D2<D1を満たすように規制されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項10】
前記ガラスバルブは、その管軸に対して垂直に切った断面が略扁平形状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の低圧放電ランプ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の低圧放電ランプを備えることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のバックライトユニットを備えることを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−108493(P2008−108493A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288600(P2006−288600)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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