説明

低圧水銀蒸気放電ランプ及びコンパクトな蛍光ランプ

【課題】低圧水銀蒸気放電ランプは、水銀及び希ガスを充填した放電空間(13)を気密的に囲んでいる光発光放電容器(10)を有する。放電容器は放電空間内の放電を維持する放電手段を有する。放電容器は、少なくとも赤色発光材料及び緑色発光材料の混合物を有する発光層(17)を備えている。赤色発光材料は(Y,Gd):Euを有する。緑色発光材料は(Ba,Ca,Sr)SiO:Eu及び/又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euを有する。緑色発光材料の粒子は酸化アルミニウムのコーティングにより囲まれている。好適には、緑色及び赤色発光材料の粒子の少なくとも50%は約2μmに等しい又はそれより大きい平均直径を有する。緑色及び赤色発光材料の混合物は、改善されたルーメン当量を有する低圧水銀蒸気放電ランプを与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光層を備えた光発光放電容器を有する低圧水銀蒸気放電ランプに関する。
【0002】
本発明はまた、コンパクトな蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0003】
水銀蒸気放電ランプにおいては、水銀は、紫外(UV)光の(効率的な)生成のための一次成分を有する。蛍光材料を有する蛍光層は、UVを、他の波長、例えば、日焼け目的(日焼け用ランプ)のためのUV−B及びUV−A、又は一般照明目的のための可視光に変換するように、放電容器の内壁に存在することが可能である。それ故、そのような放電ランプは、蛍光ランプとも呼ばれている。一般の照明目的のための蛍光ランプは、通常、3つの発光材料、例えば、青色発光のエルビウム付活アルミン酸バリウムマグネシウムBaMgAl1017:Eu2+(また、BAMとも呼ばれる)、緑色発光のセリウム−テルビウム共活性化エルビウム付活燐酸ランタンLaPo:Ce,Tb(また、LAPとも呼ばれる)及び赤色発光エルビウム付活酸化イットリウムY:Eu(また、YOXとも呼ばれる)の組み合わせを有する。
【0004】
低電圧水銀蒸気放電ランプの放電容器は、通常、環状であり、細長く且つコンパクトな実施形態を有する。一般に、コンパクトな蛍光ランプの環状放電容器は、比較的小さい直径を有する比較的短いまっすぐな部分の集合を有し、それらのまっすぐな部分は、ブリッジ部分により又は曲がった部分を介して共に接続されている。通常、放電空間内で放電を維持する手段は放電空間内に備えられている電極である。代替として、低圧水銀蒸気放電ランプは、所謂、無電極の低圧水銀蒸気放電ランプを有する。
【0005】
冒頭の段落で述べている低圧水銀蒸気放電ランプについては、国際公開第A00/67295号パンフレットに記載されている。従来の放電ランプは、金属酸化物層を備えた環状部分を有する放電容器と、放電空間に対向する表面における蛍光層と、を有する。放電容器の環状部分は、好適には、撥アルカリ金属層として機能する更なる金属酸化物層を有する。実施形態においては、その金属酸化物は、約20nm乃至40nmの範囲内の結晶サイズを有する、Alon−Cとしても知られているナノ結晶性酸化アルミニウムの粒子を有する。他の実施形態においては、その金属酸化物層は、約100nm乃至1000nmの範囲内の粒子サイズを有する大きい粒子を有し、放電層及び発光層のそれぞれにおいて生成される光のためのリフレクタとしての役割を果たす。酸化アルミニウムに代えてまた、他の酸化物、例えば、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウムとアルカリ土類金属との混合物が用いられることが可能である。従来の低圧水銀蒸気放電ランプの水銀消費は比較的少ない。
【0006】
従来の低圧水銀蒸気放電ランプを使用する短所は、発光効率は、ここ数年、高くなってきていない一方、高強度放電(HID)ランプ及び発光ダイオード(LED)の発光効率は高くなってきている。このような進展は、一方のHIDランプとLEDランプと、他方の蛍光ランプとの間のギャップを小さくすることに繋がっている。
【特許文献1】国際公開第A00/67295号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の短所の全部を又は一部をなくすことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にしたがって、この目的のために、冒頭の段落で述べている種類の低圧水銀蒸気放電ランプは:
− 気密的に、希ガス及び水銀が充填された放電空間を囲む光発光放電容器;
− 放電空間における放電を維持する放電手段を有する放電容器;
− 発光層を備えた放電容器であって、発光層が少なくとも赤色及び緑色発光材料の混合物を有する、放電容器;
− (Y,Gd):Euを有する赤色発光材料;
− (Ba,Ca,Sr)SiO:Eu及び/又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)si:Euを有する緑色発光材料;
− 酸化アルミニウムのコーティングにより囲まれた緑色発光材料の粒子;
を有する。
【0009】
驚いたことに、(Y,Gd):Euを有する赤色発光材料と、酸化アルミニウムがコーティングされた(Ba,Ca,Sr)SiO:Eu及び/又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)si:Euを有する緑色発光材料との混合物は、従来の低圧水銀蒸気放電ランプで用いられる従来の発光材料と比べて、改善された発光効率を有する低圧水銀蒸気放電ランプをもたらす。
【0010】
発光材料(蛍光体)のルーメン当量(LEと表される)は、蛍光体発光P(λ)(W)が光束(ルーメン)の生成においてどれ位の効率を有するかについての指標である。そのルーメン当量は次式で定義され、
【0011】
【数1】

ここで、y(λ)は3つの刺激値又は視認性関数値である。低圧水銀蒸気ランプにおける通常用いられる発光材料についての代表的な値は次のようである。
70lm/W(BaMgAl1017:Eu(青色蛍光体について))
495lm/W(LaPo:Ce,Tb(緑色蛍光体について))
285lm/W(Y:Eu(赤色蛍光体について))
2700乃至6500Kの範囲内の相関色温度についての発光材料の従来の混合物において、主成分は緑色及び赤色である。一般に、青色成分の体積分率は約1%乃至約25%の範囲内で変化し、緑色成分の体積分率は約20%乃至約50%の範囲内で変化し、赤色成分の体積分率は約20%乃至約70%の範囲内で変化する。高い相関色温度を有する混合物においては、緑色の発光成分の寄与が最も大きい。その系の発光効率に対する成分のうちの一の全体的な寄与は、用いられる発光材料の量子効率が、一般に、略0.9であるかそれ以上であることを前提として、ルーメン当量により乗算される体積分率により決定される。従来の低圧水銀蒸気放電ランプにおける共鳴放射の自己吸収は比較的小さく、0%乃至約30%の範囲内であるため、蛍光体の成分の平均吸収率は80%以上のオーダーであるので、反射光の吸収の影響は比較的重要ではない。
【0012】
緑色発光材料(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euは比較的大きいルーメン当量を有する(LaPo:Ce,Tb(LAP)、CeMgAl1119:tb(CAT)又はGdMgB10:Ce,Tb(CBT)に比べて大きい)。oxonitridosilicateを用いる短所は、合成することが比較的困難なことであり、それは比較的高いコストをもたらすことである。(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euについての代替は、一般式(Ba,Sr,Ca)SiO:Euを有するEuがドープされたBa−Sr−Caオルソ珪酸塩である。後者の発光材料は、oxonitridosilicateのための低コストの代替材料である。EuがドープされたBa−Sr−Caオルソ珪酸塩は、比較的安価な原材料から比較的容易に調製されることが可能である。しかしながら、高湿度環境下での及び、特に、水銀放電ランプ内における安定性は比較的悪い。本発明者が知っている限りでは、EuがドープされたBa−Sr−Caオルソ珪酸塩は、かつて、低圧水銀蒸気放電ランプにおいて用いられたことがない。
【0013】
緑色発光材料(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euの粒子において酸化アルミニウムの保護コーティングを施すことにより、発光材料の安定性はかなり改善される。(Y,Gd):Euを有する赤色発光材料の粒子において保護コーティングを施すことは必要ないと判断される。
【0014】
(Y,Gd):Euを有する赤色発光材料並びに(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu及び/又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euを有する酸化アルミニウムがコーティングされた緑色発光材料は、従来の低圧水銀蒸気放電ランプにおいて用いられている従来の発光材料に比較して、改善された発光効率を有する低圧水銀蒸気放電ランプをもたらす。
【0015】
本発明に従った低圧水銀蒸気放電ランプの好適な実施形態は、緑色発光材料の粒子及び赤色発光材料の粒子は略2μmに等しいかそれより大きい平均直径を有する。赤色発光材料の吸収度は、粒子サイズが増加する場合、増加する。しかしながら、その粒子サイズは、用いられる懸濁液の安定性に伴う問題により蛍光ランプの管がコーティングされないようにする程、大き過ぎてはならない。
【0016】
本発明に従った低圧水銀蒸気放電ランプの他の好適な実施形態は、緑色発光材料及び赤色発光材料の粒子の少なくとも50%が、約5μmに等しいかそれより大きい平均直径を有することを特徴とする。例えば、約5μmの粒子サイズを有する(Y,Gd):Euを有する赤色発光材料は、254nmにおいて約0.85乃至約0.92の範囲内の吸収率を有する。その吸収率は、粒子サイズが大きくなる場合、高くなる。しかしながら、その粒子サイズは、用いられる懸濁液の安定性に伴う問題が蛍光ランプ管をコーティングしないようにする程、大き過ぎてはならない。
【0017】
緑色の発光材料の粒子における保護コーティングの有効性を改善することができる。このために、本発明に従った低圧水銀蒸気放電ランプの好適な実施形態は、緑色発光材料の粒子が、酸化アルミニウムのコーティングにより囲まれるシリカのコーティングを備えていることを特徴とする。
【0018】
一般的な照明目的の蛍光ランプは、通常、3つの発光材料、即ち、青色発光材料、緑色発光材料及び赤色発光材料の混合物を有する。このために、本発明に従った低圧水銀蒸気放電ランプの好適な実施形態は、発光層が青色発光材料を有することを特徴とする。好適には、青色発光材料は、BaMgAl1017:Eu又は(Sr,Ca,Mg)(POCl:Euを有する。
【0019】
好適には、放電空間内で放電を維持する手段は、放電空間内に備えられている電極を有する。
【0020】
本発明はまた、コンパクトな蛍光ランプであって、ランプハウジングが低圧水銀蒸気放電ランプの放電容器に取り付けられ、そのランプハウジングはランプキャップを備えている、コンパクトな蛍光ランプに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1Aは、放電容器10において生成される放射線に対して透過性である管状部11と、第1及び第2端部12a、12bとを有するガラス放電容器10を有する低圧水銀蒸気放電ランプを模式的に示している。管状部分11は、所謂、T5蛍光ランプについて1.6cmの外径と、所謂、T8蛍光ランプについての2.5cmの外径及び約120cmの長さとを有する。放電容器10は、気密的に、希ガス、この実施例においては、アルゴン及び水銀を数mgの充填を有する放電空間13を囲んでいる。端部12a、12bの各々は、放電空間13内に備えられている電極20b(第1端部12aにおける電極は図1Aには示されていない)を支持する。電極20bは、この低圧水銀蒸気放電ランプの実施形態の放電手段の構成要素である。電極20bの電流供給導体30a、30a′、30b、30b′は、放電容器10の外部に端部12a、12bを通して延びている。電流供給導体30a、30a′、30b、30b′は、ランプベース32a、32bに固定された接触ピン31a、31a′、31b、31b′に接続されている。電極リング21aが各々の電極20bの周りに備えられている(第2端部12bの電極リングは図1Aには示されていない)。
【0022】
ガラスカプセル22が電極リング21aに締め付けられ、そのガラスカプセルにより、カプセルの水銀が放電ランプの製造中に加えられる。このために、ガラスカプセル22に締め付けて動かないようにされている金属ワイヤ23は、高周波電磁界内で誘導加熱され、その誘導加熱の間に、そのガラスカプセルは切り開かれ、カプセル22から加えられるようになっている水銀が放電空間13に開放される。
【0023】
図1A及び図1Bの実施例においては、保護層15(図1Bをまた、参照されたい)が、放電空間の方を向いている管状部11の表面14に備えられている。保護層15は、例えば、約30μg/cmのコーティング重量を有するナノ結晶性酸化アルミニウム(Al)又は酸化イットリウム(Y)を有する。より大きいコーティング重量が、約100nm乃至約1μmの範囲内の粒子サイズを有する酸化アルミニウム層に対して必要である。それらの材料についての典型的なコーティング重量は、約0.2乃至1.5mg/cmの範囲内である。更に、保護層15は、赤色発光材料としての(Y,Gd):Eu、緑色発光材料としての(Ba,Ca,Sr)SiO:Eu及び/又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Eu、そして青色発光材料としてのBaMgAl1017:Eu又は(Sr,Ca,Mg)(POCl:Euを有する1.0mg/cmより大きいコーティング重量を有する発光層17を備えている。緑色発光材料の粒子Gは、酸化アルミニウムのコーティング21により囲まれている。好適には、緑色発光材料の粒子Gは、酸化アルミニウムの一層コーティングを備えている。好適には、緑色発光材料の粒子Gは、シリカ及び酸化アルミニウムの二層コーティングを備え、シリカのコーティングは酸化アルミニウムのコーティングを囲んでいる。
【0024】
好適には、緑色発光材料の粒子G及び赤色発光材料の粒子Rは、約2μmに等しい又はそれより大きい平均粒径を有する。他方、赤色発光材料の吸収は、粒子サイズが増加する場合に、大きくなる。他方、蛍光ランプ管をコーティングするように用いられる懸濁液の安定性に伴う問題を回避するように、その粒子サイズは大き過ぎてはならない。好適には、緑色発光材料の粒子G及び赤色発光材料の粒子Rの少なくとも50%は、約5μmに等しい又はそれより大きい平均直径を有する。例えば、約5μmの粒子サイズを有する(Y,Gd)):Euを有する赤色発光材料は、254nmにおいて約0.75乃至約0.85の範囲内の吸収を有する。
【0025】
緑色発光材料(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euについては、次の化学量論組成を選択することが可能であり、
(Sr1−a−b−c−d−eCaBaMgZn)Si:Eu
ここで、
0.002≦a≦0.2
0.0≦b≦0.25
0.0≦c≦0.25
0.0≦d≦0.25
0.0≦e≦0.25
1.5≦x≦2.5
1.5≦y≦2.5 及び
1.5≦z≦2.5
である。
【0026】
そのような緑色発光材料の好ましい例は、標準的な蛍光体LaPo:Ce,Tbについて495lm/Wと比較して、約527lm/Wのルーメン当量を有するoxonitridosilicateのSrSi:Euである。緑色発光材料の他の好ましい例は、約524lm/Wのルーメン当量を有するSrSi2.242.112.26:Eu0.020の化学量論組成を有するoxonitridosilicateである。
【0027】
例えば、EuがドープされたBaMgAl1017又は(Y,Gd):EuとEu2+がドープされたoxonitridosilicateの組み合わせは、標準的な発光材料に比べて、大きいルーメンと当量及び大きい効率を有する蛍光体混合物をもたらす。量子効率が同等であり、吸収率が80%以下の場合、その成分のルーメン当量と蛍光体の体積分率の積は全混合物のルーメン当量を決定する。EuがドープされたSrSiのルーメン当量は、標準のLaPo:Ce,Tbのルーメン当量に比べて約5乃至6%大きく、緑色成分の体積割合は20乃至50%であり、発光効率の増加は1乃至3%であることが予測できる。
【0028】
本発明に従った低圧水銀蒸気放電ランプの製造中に、(Ba,Ca,Sr)SiO:Eu及び/又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euを有する緑色発光材料のコーティングされた粒子Gは、2700K乃至6500Kの範囲内の、極端な場合には最高14000Kまでの一般的照明のための一般的色温度を生成するように、赤色発光材料(Y,Gd):Euの粒子R及び青色発光材料BaMgAl1017:Euの粒子Bと適切な比率で混合される。蛍光体のコーティングは、水又は溶剤ベースの懸濁液を用いて、ガラス管、例えば、T8又はT5において堆積される。一般的な溶剤は、粘度及び膜厚のそれぞれを調整するように、ニトロセルロースをバインダとして用いるブチルアセテートである。水において、ポリアクリル酸が安定剤として用いられ、例えば、ポリエーテル又は高分子量を有する多価酸がバインダとして用いられる。その懸濁液は、続いて、管の中に入れられ、エアフローにより乾燥される。バインダは、空気又は酸素中で短時間の加熱ステップにより除去される。放電容器の製造中の蛍光層の焼結は、約500℃乃至約600℃の範囲内の温度で行われる。
【0029】
本発明に従った放電ランプの代替の実施形態は、所謂、無電極放電ランプを有し、その無電極放電ランプにおいて、放電を維持する手段が、放電容器により囲まれた放電空間の外側に位置付けられている。一般に、前記手段は、例えば、約3MHzの周波数を有する高周波数電圧を有する電気導体の巻線を備えたコイルにより構成され、その周波数は、動作中に前記コイルに供給される。一般に、前記コイルは軟磁性材料のコアを取り巻いている。
【0030】
本発明に従った放電ランプの代替の実施形態は、所謂、コンパクトな蛍光ランプを有する。そのようなコンパクトな蛍光ランプは、低圧水銀蒸気放電ランプの放電容器に取り付けられたランプハウジングを有し、そのランプハウジングはランプキャップを備えている。
【0031】
上記の実施形態は、本発明を限定するものではなく、例示としてのものであり、当業者は、同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態をデザインすることができることに留意する必要がある。用語“を有する”及びその用語の派生用語は、請求項に記載した要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素の単数表現は、そのような要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアの手段により、そして適切にプログラムされたコンピュータにより実施することが可能である。複数の手段を列挙している装置請求項においては、それらの手段の幾つかは、同一のハードウェアにより実施されることが可能である。互いに異なる従属請求項に特定の手段が記載されているという事実のみにより、それらの手段の組み合わせが有利に用いられることができないことを示されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1A】縦断面で本発明に従った低圧水銀蒸気放電ランプの実施形態を示す図である。
【図1B】図1Aの線IIにおいて取られた、図1の放電ランプの詳細を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水銀及び希ガスを充填した放電空間を気密的に囲んでいる光発光放電容器;
を有する低圧水銀蒸気放電ランプであって:
前記放電容器は前記放電空間内の放電を維持する放電手段を有し;
前記放電容器は発光層を備え、該発光層は少なくとも赤色発光材料及び緑色発光材料の混合物を有し;
前記赤色発光材料は(Y,Gd):Euを有し;
前記緑色発光材料は、(Ba,Ca,Sr)SiO:Eu及び/又は(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)Si:Euを有し;
緑色発光材料の粒子は酸化アルミニウムのコーティングにより囲まれている;
低圧水銀蒸気放電ランプ。
【請求項2】
請求項1に記載の低圧水銀蒸気放電ランプであって、前記緑色発光材料及び前記赤色発光材料の前記粒子は約2μmに等しい又はそれより大きい平均直径を有する、低圧水銀蒸気放電ランプ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の低圧水銀蒸気放電ランプであって、前記緑色発光材料及び前記赤色発光材料の前記粒子の少なくとも50%は約2μmに等しい又はそれより大きい平均直径を有する、低圧水銀蒸気放電ランプ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の低圧水銀蒸気放電ランプであって、前記緑色発光材料の前記粒子は、酸化アルミニウムのコーティングにより囲まれたシリカのコーティングを備えている、低圧水銀蒸気放電ランプ。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の低圧水銀蒸気放電ランプであって、前記発光層は青色発光層を更に有する、低圧水銀蒸気放電ランプ。
【請求項6】
請求項5に記載の低圧水銀蒸気放電ランプであって、前記青色発光層の材料は、BaMgAl1017:Eu又は(Sr,Ca,Mg)(POCl:Euを有する、低圧水銀蒸気放電ランプ。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の低圧水銀蒸気放電ランプであって、前記放電空間内の前記放電を維持する前記放電手段は前記放電空間内に備えられている電極を有する、低圧水銀蒸気放電ランプ。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の低圧水銀蒸気放電ランプを有するコンパクトな蛍光ランプであって、前記低圧水銀蒸気放電ランプの前記放電容器にランプハウジングが取り付けられ、前記ランプハウジングはランプキャップを備えている、コンパクトな蛍光ランプ。

【図1A】
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【図1B】
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【公表番号】特表2009−516329(P2009−516329A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539564(P2008−539564)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054116
【国際公開番号】WO2007/054875
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】