説明

低引火点燃料の貯蔵システム

【課題】低引火点燃料を貯蔵する際に、爆発の危険性を確実に回避するとともに、不活性ガスの消費量を低減する。
【解決手段】廃溶剤(低引火点燃料)を貯蔵するタンク2と、廃溶剤をローリ車11から受け入れ、タンク2内に投入する受入管路3と、タンク2内の廃溶剤を抜き出し、燃料の一部としてセメントキルンバーナ25に供給する燃料供給管路4と、窒素ガスをタンク2に供給する窒素供給管路5と、窒素供給管路5上に配置され、タンク2の内圧が第1の設定値TP1以上になったときに、窒素供給管路5を閉鎖し、タンク2の内圧が第1の設定値TP1より小さく大気圧より大きい第2の設定値TP2以下になったときに、窒素供給管路5を開放する供給制御弁33とを備えた廃溶剤の貯蔵システム1。窒素を用いてタンクの内圧を大気圧より大きい一定値以上に保つため、リークによる酸素の混入を防止し、廃溶剤の揮発を抑制し、窒素消費量を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃溶剤等の低引火点燃料を貯蔵する低引火点燃料の貯蔵システムに関し、特に、低引火点燃料を貯蔵するタンクの爆発を防止するために、タンクに不活性ガスを供給する貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃プラスチック等の各種廃棄物を、セメント製造工程における燃料の代替として用い、廃棄物の処理に資するとともに、セメント製造における高価な化石燃料の原単位を低減する試みがなされている。また、近年では、アセトン、ガソリン、アルコール類、灯油、軽油等を含有する廃溶剤についても、燃料の代替として使用する試みがなされており、燃料コストの更なる低減や、廃棄物処理のより一層の推進を実現する方法として期待されている。
【0003】
廃溶剤を燃料として使用する場合には、搬入された廃溶剤を一時的に貯蔵する必要があるが、廃溶剤等の低引火点液体は、揮発性・引火性が高く、大規模な爆発事故を招く虞があるため、その取り扱いに際しては、防爆対策を確実に行うなど十分な注意が要求される。例えば、特許文献1には、低引火点液体を使用する設備内の酸素濃度を監視し、一定の濃度以上になったときに、不活性ガスとしての窒素ガスを上記設備内に供給する防爆方法が提案されており、この方法では、設備内の空気を窒素ガスに置換することにより酸素濃度を低下させ、それによって、爆発の危険性を回避している。
【0004】
【特許文献1】特開平5−245452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の防爆方法によれば、設備内の酸素濃度を安全な濃度に保つことができるため、防爆対策としては有効であるが、例えば、リーク等により設備内に酸素が流入すると、その都度、酸素濃度を低下させるべく大量の不活性ガスを供給する必要があるため、不活性ガスの消費量が増大し、維持コストが嵩むという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、低引火点燃料を貯蔵するに際して、爆発の危険性を確実に回避することができるとともに、不活性ガスの消費量を低減することが可能な低引火点燃料の貯蔵システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、低引火点燃料の貯蔵システムであって、低引火点燃料を貯蔵するタンクと、低引火点燃料を受け入れ、該タンク内に投入する受入管路と、前記タンクに貯蔵された低引火点燃料を抜き出す抜出管路と、不活性ガスを前記タンクに供給する不活性ガス供給管路と、該不活性ガス供給管路上に配置され、前記タンクの内圧が第1の設定値以上になったときに、該不活性ガス供給管路を閉鎖し、前記タンクの内圧が該第1の設定値より小さく大気圧より大きい第2の設定値以下になったときに、該不活性ガス供給管路を開放する供給制御弁とを備えたことを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、タンク内の酸素濃度に応じて不活性ガスの供給量を調整するのではなく、不活性ガスを用いてタンクの内圧を大気圧より大きい一定値以上に保つため、リークによる酸素の混入を防止するとともに、低引火点燃料の揮発を抑制することができ、不活性ガスの消費量を低減することが可能になる。加えて、供給制御弁によって、第1及び第2の2つの設定値を用いて不活性ガス供給管路を開閉するため、低引火点燃料の受け入れ時や抜き出し時のようにタンクの内圧が変動し易い場合でも、不活性ガス供給管路の開閉が頻繁に切り替えられるのを防止することができるため、不活性ガスが無駄に消費されるのを抑制しながら、タンクの内圧を所定の圧力値以上に保つことができ、従って、タンク内への大気の侵入等を防止して爆発の危険性を確実に回避しつつ、不活性ガスの消費量を低減することが可能になる。
【0009】
上記低引火点燃料の貯蔵システムにおいて、前記タンク内のガスを大気に開放する大気開放管路と、該大気開放管路内を流れるガスを脱臭する脱臭手段と、該大気開放管路上に配置され、前記タンクの内圧が該タンクの耐圧より小さく前記第1の設定値より大きい第3の設定値以上になったときに、該大気開放管路を開放する大気開放弁とを備えることができる。この構成によれば、脱臭手段の使用頻度を低下させることができるため、脱臭手段の寿命を長期化して、交換作業の手間や維持管理コストの低減を図ることが可能になる。
【0010】
上記低引火点燃料の貯蔵システムにおいて、前記タンク内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測手段を備え、該酸素濃度計測手段で計測される濃度値が所定値以上になったときに、警報の発出、前記タンクへの低引火点燃料の受け入れの停止、及び前記タンクからの低引火点燃料の抜き出しの停止から選択される一以上を行うことができる。この構成によれば、設備管理者等に注意を喚起したり、事故の発生前に設備運転を停止することができるため、より一層の安全性を確保することが可能になる。
【0011】
上記低引火点燃料の貯蔵システムにおいて、前記低引火点燃料の受け入れ時に、前記タンク内のガスの一部を、低引火点燃料を搬入する搬入手段に帰還させる帰還管路を備えることができる。この構成によれば、タンクの内圧が急激に上昇するのを回避することができ、より安全性を高めることが可能になる。
【0012】
上記低引火点燃料の貯蔵システムにおいて、前記搬入手段をタンクローリ車とすることができる。
【0013】
上記低引火点燃料の貯蔵システムにおいて、前記抜出管路をセメント焼成設備に連結し、前記タンクに貯蔵された低引火点燃料をセメント焼成用燃料として供給することができ、低引火点燃料をセメント製造における化石燃料の代替として用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、低引火点燃料を貯蔵するに際して、爆発の危険性を確実に回避することができるとともに、不活性ガスの消費量を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明にかかる低引火点燃料の貯蔵システムの一実施の形態を示し、この貯蔵システム1は、大別して、アセトン、ガソリン等を含む廃溶剤等の低引火点燃料を貯蔵するタンク2と、廃溶剤をタンクローリ車(以下、「ローリ車」という)11から受け入れる受入管路3と、タンク2内の廃溶剤をセメントキルンバーナ25に供給する燃料供給管路4と、不活性ガスとしての窒素をタンク2に供給する窒素供給管路5と、タンク2内のガスを大気中に放出する大気開放管路6と、タンク2内のガスをローリ車11に帰還させるガス帰還管路7とから構成される。
【0017】
タンク2は、例えば、20kPaの耐圧を有する密閉容器であり、低引火点燃料を一時的に貯蔵するために備えられる。ここで、低引火点燃料とは、引火点70℃未満の物質を含有するものであり、引火点が21℃未満の消防法で規定する第1石油類に分類される可燃性液体を含有するものを含むものとする。また、低引火点燃料には、液体状の廃溶剤等に限らず、エマルジョン、スラリー等の状態のものも含まれるものとする。以後、低引火点燃料として廃溶剤を貯蔵するものとして説明する。
【0018】
タンク2の上部には、タンク2内のガスの酸素濃度を計測する酸素濃度計8と、酸素濃度計8の濃度値が所定値(例えば、5%)以上となったときに警報を発生する警報器(不図示)とが接続される。また、タンク2の下部には、タンク2内の廃溶剤が析出、固化等により取り扱いが困難となるのを避けるため、廃溶剤を循環撹拌する循環管路9及び撹拌ポンプ10が接続される。
【0019】
受入管路3は、ローリ車11を通じて外部から持ち込まれた廃溶剤をタンク2に投入するための管路であり、該受入管路3上には、ローリ車11から廃溶剤をタンク2に供給する受入ポンプ12と、廃溶剤に含まれる異物を除去するストレーナ13とが配置される。
【0020】
燃料供給管路4は、タンク2の底部から抜き出した廃溶剤を燃料の一部としてセメントキルンバーナ25に供給するための管路であり、該燃料供給管路4上には、燃料供給管路4を開閉する弁14と、タンク2からの廃溶剤をセメントキルンバーナ25に吹き込む吹込ポンプ15と、燃料供給管路4内を流れる廃溶剤の流量を計測する流量計16と、流量計16の流量値に応じて吹込ポンプ15の回転数を制御する回転数制御部17と、吹込ポンプ15とセメントキルンバーナ25との間の流路18を開閉する弁19と、流路18の内圧を計測する圧力計20とが配置される。また、燃料供給管路4には、吹込ポンプ15から吐出される廃溶剤の一部をタンク2に帰還させる燃料帰還管路26と、燃料供給管路4内を清掃するための蒸気を供給する蒸気供給管路27とが連設される。
【0021】
窒素供給管路5は、窒素発生装置28で生成した窒素ガスをタンク2に供給するための管路であり、該窒素供給管路5上には、窒素発生装置28で生成した窒素ガスを一時的に貯蔵する窒素タンク29と、窒素タンク29の内圧を計測する圧力計30と、窒素発生装置28と窒素タンク29との間を開閉する弁31と、タンク2の上部のガス圧を計測する圧力計32と、窒素供給管路5を開閉する供給制御弁33とが配置される。
【0022】
供給制御弁33は、タンク2の内圧を正圧に保ち、タンク2内への酸素の侵入や廃溶剤の揮発を抑制するために備えられる。該供給制御弁33は、タンク2内の内圧が第1の設定値TP1(例えば、18kPa)以上のときに、窒素供給管路5を閉鎖し、第1の設定値TP1(18kPa)より小さく、大気圧より大きい第2の設定値TP2(例えば、13kPa)以下となったときに、窒素供給管路5を開放するように構成される。
【0023】
大気開放管路6は、タンク2内のガスの一部を大気中に放出するための管路であり、該大気開放管路6上には、大気開放管路6内を流れるガスから臭気成分を除去する脱臭機34と、大気開放管路6を開閉する呼吸弁(ブリーザー弁)35とが配置される。呼吸弁35は、タンク2の内圧がタンク2の耐圧より大きくなるのを防止するために備えられ、タンク2の内圧が第3の設定値TP3(例えば、18kPa)以上となったときに、大気開放管路6を開放するように構成される。尚、第3の設定値TP3(18kPa)は、タンク2の耐圧より小さく、供給制御弁33の第1の設定値TP1(18kPa)以上の値に設定される。
【0024】
ガス帰還管路7は、廃溶剤の受け入れ時に、タンク2内のガスの一部をローリ車11に帰還させるための管路であり、該ガス帰還管路7上には、ガス帰還管路7の内圧を計測する圧力計36と、ガス帰還管路7を開閉する弁37とが配置される。尚、図1においては、ガス帰還管路7が大気開放管路6に連設されているが、タンク2の上部に直接ガス帰還管路7を接続してもよい。
【0025】
次に、上記構成を有する貯蔵システム1の動作について、図1を参照しながら説明する。
【0026】
ローリ車11により廃溶剤が持ち込まれると、ローリ車11に受入管路3及びガス帰還管路7を接続するとともに、受入ポンプ12を駆動し、タンク2への廃溶剤の投入を開始する。このとき、タンク2の内圧が第2の設定値TP2(13kPa)以下であれば、供給制御弁33が開駆動して窒素供給管路5を開放し、タンク2に窒素ガスを供給してタンク2内を加圧する。
【0027】
これと併行して、弁37が開駆動し、ガス帰還管路7を通じてタンク2内のガスの一部をローリ車11に帰還させ、タンク2の内圧が急激に上昇するのを回避する。但し、ローリ車11の内圧がローリ車11の耐圧近くまで上昇したときには、弁37が閉駆動してガス帰還管路7を閉鎖し、ローリ車11の破損等を回避する。尚、タンク2内のガスを帰還させる際、タンク2には窒素供給管路5を通じて窒素ガスが供給されているため、ローリ車11への帰還ガスの主成分は窒素となる。このため、ローリ車11内の酸素濃度が上昇するのを回避することができ、安全性を確保することが可能になる。
【0028】
その後、廃溶剤の貯蔵量が増大するのに伴ってタンク2の内圧が上昇し、第1の設定値TP1(18kPa)以上になると、供給制御弁33が閉駆動して窒素供給管路5を閉鎖し、窒素ガスの供給を停止する。尚、供給制御弁33は、一旦閉駆動すると、タンク2の内圧が第2の設定値TP2(13kPa)以下となるまで、その状態を維持する。
【0029】
そして、タンク2の内圧がさらに上昇し、第3の設定値TP3(18kPa)以上になると、呼吸弁35が開駆動して大気開放管路6を開放し、タンク2内のガスを排出させてタンク2を減圧する。タンク2から排出されたガスは、脱臭機34により脱臭された後に、大気中に放出される。
【0030】
以後は、タンク2の内圧が第3の設定値TP3(18kPa)以上になるか否かに応じて、呼吸弁35の開閉が切り替えられ、それによって、タンク2の内圧が所定の圧力値以上に維持される。これにより、大気がタンク2に流入してタンク2内の酸素濃度が上昇するのを防止するとともに、廃溶剤が揮発するのを抑制し、タンク2の防爆対策を図ることができる。
【0031】
尚、廃溶剤の受け入れ中等に、酸素濃度計8の濃度値が所定値(5%)以上になったときには、警報を発し、設備管理者等に対して注意を喚起する。また、このとき、より安全性を高めるため、警報の発出のみならず、受入ポンプ12の運転を停止し、タンク2への廃溶剤の受け入れを中断してもよい。
【0032】
一方、タンク2に貯蔵した廃溶剤をセメントキルンバーナ25に供給する場合には、先ず、弁14を開駆動して燃料供給管路4を開放するとともに、吹込ポンプ15を駆動し、タンク2の下部から廃溶剤を抜き出して、セメントキルンバーナ25への供給を開始する。
【0033】
その後、タンク2内の廃溶剤の貯蔵量が減少するのに伴ってタンク2の内圧が低下し、第2の設定値TP2(13kPa)以下になると、供給制御弁33が開駆動して窒素供給管路5を開放し、窒素ガスをタンク2に供給してタンク2内を加圧する。それ以後は、タンク2の内圧が第1の設定値TP1(18kPa)以上になるまで、窒素ガスの供給を継続し、それによって、タンク2の内圧を設定値TP2(13kPa)以上に保ち、大気の流入や廃溶剤の揮発を防止する。
【0034】
尚、廃溶剤の供給時においても、酸素濃度計8の濃度値が所定値(5%)以上になったときには、警報を発し、設備管理者等に対して注意を喚起する。また、このときも、より安全性を高めるため、警報の発出のみならず、吹込ポンプ15の運転を停止し、タンク2からの廃溶剤の抜き出しを中断してもよい。
【0035】
以上のように、本実施の形態によれば、タンク2内の酸素濃度に応じて窒素ガスの供給量を調整するのではなく、窒素ガスを用いてタンク2の内圧を一定値以上に保つため、窒素ガスの消費量を低減することが可能になる。
【0036】
加えて、タンク2内の内圧が第1の設定値TP1(18kPa)以上のときに、窒素供給管路5を閉鎖し、第1の設定値TP1(18kPa)より小さく、大気圧より大きい第2の設定値TP2(13kPa)以下となったときに、窒素供給管路5を開放する供給制御弁33を備えるため、窒素供給管路5が閉鎖された後は、タンク2の内圧が第2の設定値TP2(13kPa)以下となるまで、その状態が維持され、逆に、窒素供給管路5が開放された場合でも、タンク2の内圧が第1の設定値TP1(18kPa)以上となるまでは、その状態が維持される。これにより、廃溶剤の受け入れ時や供給時のようにタンク2の内圧が変動し易い場合でも、窒素供給管路5の開閉が頻繁に切り替えられるのを防止することができ、窒素ガスが無駄に消費されるのを抑制しながら、タンク2の内圧を所定の圧力値以上に保つことができる。従って、爆発の危険性を確実に回避しながら、窒素ガスの消費量を低減することが可能になる。
【0037】
また、タンク2の内圧が第1の設定値TP1(18kPa)以上の第3の設定値TP3(18kPa)以上になったときに、大気開放管路6を開放する呼吸弁35を備えるため、大気開放管路6は、廃溶剤の受け入れ時等のようにタンク2の内圧が大幅に上昇し易い場合にのみ、開放される。通常、脱臭機34は、使用頻度が高くなるほど、脱臭機能が低下するが、本実施の形態によれば、大気開放管路6の開放頻度が低くなるため、脱臭機34の使用頻度を低下させることができる。これにより、脱臭機34の寿命を長期化することができ、交換作業の手間や維持管理コストの低減を図ることが可能になる。
【0038】
尚、上記実施の形態においては、燃料供給管路4をセメントキルンバーナ25に連結し、廃溶剤をセメント焼成用燃料として用いる場合を例示したが、本発明は、廃溶剤をセメント焼成用燃料として用いる場合に限らず、廃溶剤をタンクに一時的に貯蔵し、その後、燃料の一部として供給するシステムであれば、広く適用することが可能である。
【0039】
また、上記実施の形態においては、タンク2の耐圧が20kPaであるものとして説明したが、タンク2の耐圧は20kPaに限定されず、種々の値をとることができ、タンク2の耐圧に応じて、第1乃至第3の設定値TP1〜TP3の値を適宜変更することができる。さらに、警報を発する際等の基準となる酸素濃度についても、5%に限定されることなく、貯蔵システム1の設置場所、低引火点燃料の性状、危険度に応じて適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明にかかる低引火点燃料の貯蔵システムの一実施の形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 低引火点燃料の貯蔵システム
2 タンク
3 受入管路
4 燃料供給管路
5 窒素供給管路
6 大気開放管路
7 ガス帰還管路
8 酸素濃度計
9 循環管路
10 撹拌ポンプ
11 ローリ車
12 受入ポンプ
13 ストレーナ
14 弁
15 吹込ポンプ
16 流量計
17 回転数制御部
18 流路
19 弁
20 圧力計
25 セメントキルンバーナ
26 燃料帰還管路
27 蒸気供給管路
28 窒素発生装置
29 窒素タンク
30 圧力計
31 弁
32 圧力計
33 供給制御弁
34 脱臭機
35 呼吸弁
36 圧力計
37 弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低引火点燃料を貯蔵するタンクと、
低引火点燃料を受け入れ、該タンク内に投入する受入管路と、
前記タンクに貯蔵された低引火点燃料を抜き出す抜出管路と、
不活性ガスを前記タンクに供給する不活性ガス供給管路と、
該不活性ガス供給管路上に配置され、前記タンクの内圧が第1の設定値以上になったときに、該不活性ガス供給管路を閉鎖し、前記タンクの内圧が該第1の設定値より小さく大気圧より大きい第2の設定値以下になったときに、該不活性ガス供給管路を開放する供給制御弁とを備えたことを特徴とする低引火点燃料の貯蔵システム。
【請求項2】
前記タンク内のガスを大気に開放する大気開放管路と、
該大気開放管路内を流れるガスを脱臭する脱臭手段と、
該大気開放管路上に配置され、前記タンクの内圧が該タンクの耐圧より小さく前記第1の設定値より大きい第3の設定値以上になったときに、該大気開放管路を開放する大気開放弁とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の低引火点燃料の貯蔵システム。
【請求項3】
前記タンク内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測手段を備え、
該酸素濃度計測手段で計測される濃度値が所定値以上になったときに、警報の発出、前記タンクへの低引火点燃料の受け入れの停止、及び前記タンクからの低引火点燃料の抜き出しの停止から選択される一以上を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の低引火点燃料の貯蔵システム。
【請求項4】
前記低引火点燃料の受け入れ時に、前記タンク内のガスの一部を、低引火点燃料を搬入する搬入手段に帰還させる帰還管路を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の低引火点燃料の貯蔵システム。
【請求項5】
前記搬入手段がタンクローリ車であることを特徴とする請求項4に記載の低引火点燃料の貯蔵システム。
【請求項6】
前記抜出管路がセメント焼成設備に連結され、前記タンクに貯蔵された低引火点燃料がセメント焼成用燃料として供給されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の低引火点燃料の貯蔵システム。

【図1】
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【公開番号】特開2009−120204(P2009−120204A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292826(P2007−292826)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】