説明

低摩擦の直結駆動コンベヤベルト

熱可塑性の継目なしベルト(100)は、ほぼ切れ目のない滑らかな外側表面と、所定のベルトのピッチで複数の歯(106)を持つ内側表面とを有する。歯は滑車(102)と係合するようにされ、滑車(102)は、円周にベルトのピッチより大きい滑車のピッチで離間配置された綱車(104)を具える。ベルトは幾分伸張するから、滑車がベルトの荷重の範囲内で歯と係合すれば、継目なしベルトを駆動し得る。ベルトと駆動滑車との摩擦を最小化する手段(132、136、138)を設ける。さらに、位置制限器(200)は、従動歯が駆動綱車と最適に係合状態を続けるのを保証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2005年1月19日付米国特許出願第60/593,493号の利益を請求するものである。
本発明はコンベヤ用継目なしベルト、特に、滑車で駆動される歯付きの継目なしベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
衛生的状態や清潔さが絶対要件である状況では、低張力の直結駆動コンベヤベルトを使用するのが普通である。例えば、人が消費する食肉製品などの食糧を加工するプラントでは、物品の輸送に低張力の直結駆動ベルトコンベヤが使用される。衛生的処理が絶対要件であるから、この種のコンベヤに使用する継目なしベルトは衛生的に洗浄できる材料で作られるのが通例である。
【0003】
例えば米国特許第5,911,307号に開示されたような、一方の側面に滑らかな連続表面を、他の側面に駆動滑車の溝または綱車と係合するようにされた歯を持つ熱可塑性ベルトが使用されているのは周知の通りである。しかしこの種の熱可塑性ベルトの特徴は、定式的に摩擦滑車で駆動される平坦で伸張するベルトでもあり、駆動滑車で駆動される歯付きベルトでもあることである。これらの特徴は、駆動滑車がベルトにトルクを伝達する2つの基本的方法を反映している。平ベルトでは、トルクは駆動滑車表面とベルトの相接表面との摩擦を介してベルトに伝達される。この種の駆動の効力は、ベルトの張力(初期の予張力と製品荷重により生じる張力の両方)と、ベルト表面の物質と滑車表面の物質の摩擦の係数との関数である。摩擦駆動の平ベルトは汚れやすく、これが摩擦係数に影響を及ぼす。さらに、細長いベルトは一般的に自然にかつ荷重を受けて伸長し、この伸びがその張力に影響を及ぼす。熱可塑性ベルトは具体的に言えばその長さの3%以上伸長する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした理由のため、食糧を取り扱うような施設では直結駆動ベルトが好ましい。理想的な歯付きベルトでは、トルクは滑車の歯または凹部の面の、ベルトの歯または凹部の面への接触を介してベルトに伝達される。ところが熱可塑性歯付きベルトを直結駆動ベルトとして滑車と共用すると、主にベルトの弾性により問題を招来する。
【0005】
熱可塑性ベルトは荷重を受けて伸びるから、ベルトが滑車に巻き付くときベルトの歯は必ずしも滑車の凹部すなわち綱車と係合するとは限らない。従来からの解決策は、ベルトの歯のピッチはベルトの最大伸張時にないときは駆動滑車のピッチより短くすべきだと判定している。同時に、滑車のピッチはわずかな増減はあるが最大伸張時のベルトのピッチと等しくすべきである。さらに、ベルトの歯の位置が確実に滑車の綱車に進入するように、滑車の各綱車の幅を少なくとも、ベルト巻付け支間でベルトを最大許容量引き伸ばして生じた間隔だけ、ベルトの歯の幅より広くしなければならない。
【0006】
まだ問題は残る。ベルトの歯がベルトの伸びの全領域で確実に滑車の綱車と係合状態を継続することと、現場での荷重についてである。ベルトと滑車との必要なピッチの差により、1つのベルトの歯だけが1つの滑車の綱車により所定のモーメントで駆動される。この係合した歯は常に滑車から退出しようとする歯である。所定のモーメントで滑車の綱車と係合するベルトの全後続歯について、ベルトの歯の面と滑車の綱車の面との間に隙間が残り、この隙間の大きさは各連続する歯に関して累進的に大きくなる。各隙間はベルトの張力が最小のときに最大になりベルトの張力が最大のとき最小になるから、これらの隙間の大きさはベルトの張力の関数となる。ベルトの張力が所定の最大値を超えると、進入する歯はもはや滑車の綱車に正しく着座せず、有効な駆動性は失われる。換言すれば、ベルトが滑って歯が再係合する間は滑車は回転し得る。
【0007】
退出歯が駆動滑車から離れると、ベルトの次の歯とその関係滑車の綱車の面との間に多少の隙間が残る。このため、ベルトのモーメントとベルト−滑車間の摩擦とが減じられ、ベルトは、次の綱車が新たな「退出歯」と再係合するまで暫時有効に停止する。この少時の間トルクは滑車からベルトに伝達されず、ベルトの速さは一時的に遅くなる。
【0008】
この動きは装置に幾分かの振動と雑音とを生じさせる。滑車の歯のピッチが短い及び/または滑車の回転速さが速いと、振動の頻度は高くなる。短い歯のピッチでも大量の制振体を備えたベルトを使用すれば、大きな製品荷重がベルトの伸びの所定の最大値に近づいても振動は殆ど検知できないだろう。多くの使用例、具体的には荷重が軽く及び/またはベルトの速さが遅い使用例を除けば、結果としての振動と雑音とは許容不可だろう。
【0009】
しかし、直結駆動の応用を奏功させるのはベルトと滑車間の何らかの滑りである。滑車の綱車からのベルトの歯のこの一次的離脱は、平均的ベルトの速さを平均的滑車の速さより遅くさせる。実際、平均的ベルトの速さは、ベルトになお有効な伸張率(最大の伸び−現行の伸び)により滑車の速さより遅い。この必要な滑りのために、平ベルト駆動の特徴は直結駆動の恩恵例えば摩擦と妥協する。ベルトと滑車との摩擦は滑りを遅らせるから、後続の歯は滑車の綱車を全体として捉え損なうかもしれない。
【0010】
別の問題はベルトが事実上無張力の状態のときに起る。水平配置コンベヤのような使用例では、ベルトの短い支間の重さが退出点のところで歯を各滑車の綱車から引き抜きがちである。滑車のベルト巻付け部の重要な領域は、退出点と1つの滑車の綱車のピッチの凸面側との間の短い間隔である。ベルトの歯がこの円弧と係合状態を保てば適正な駆動が達成されるが、そうでなければベルトの歯は「弾け」て、駆動力学は制御されなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上述した問題を、継目なし熱可塑性ベルトと少なくとも1つの駆動滑車とを備えた直結駆動コンベヤを提供することで解決する。ベルトまたは滑車の一方は歯を具え、他方はベルトが退出点まで滑車に巻き付くときに歯を収容するようにされた凹部を具えている。退出点近傍にはベルトに当接して位置制限器を配置する。1実施形態では、継目なし熱可塑性ベルトが歯を有し、駆動滑車が凹部を有する。
【0012】
位置制限器は、退出点に隣接しても退出点の手前でも退出点の後方でも設置し得る。位置制限器はローラーとするのが好ましいが、ベルトに当接するアーム、スクレーパバー、またはシューでも可能である。その上、位置制限器は駆動滑車より幅細にできる。
【0013】
本発明の別の態様では、ベルトと駆動滑車との摩擦を最小化する手段を設けている。摩擦最小化手段は、ベルトや駆動滑車または両方の減摩被膜とすることができる。さらに、摩擦最小化手段をベルトと駆動滑車との間の最小限の接触表面としてもよい。
【0014】
本発明の別の態様では、コンベヤに駆動滑車から離間配置された遊び車を配置する。遊び車は、無張力時のベルトのピッチに等しいかそれに満たない程度のピッチを有する歯または凹部を場合によって具えた滑車が好ましい。遊び車は、歯または凹部に従動表面を持ち、各従動表面の壁部が異なる角度をなす部分となる滑車である。さらに遊び車はベルトに当接する静止円盤とすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
周知の熱可塑性直結駆動ベルトに伴う幾つかの問題は、図1及び2の直結駆動コンベア50により示してある。図1に、2つの滑車102、103間に模式的に架設された継目なしベルト100を示した。滑車102、103は従来のものだが、いくつかの異なる形状や大きさが可能である。各滑車102、103はその周囲に離間配置したいくつかの横方向の溝すなわち綱車104を具えている。各綱車104は駆動面105と、反対側の非駆動面107とを持つ。ベルト100は、ベルトの内側表面108に互いに等間隔に配置された複数の歯106を有し、各歯は駆動表面109を具えている。歯106は、ベルトが滑車に巻き付くときに各滑車の綱車104と係合する。少なくとも一方の滑車例えば滑車102を駆動滑車とし、他方103を遊び車または従車とし得る。この構成では、ベルト100が矢印111の方向に進行するとき、ベルトの上側の支間が荷物を運搬する。ベルト100の外側表面は適当に滑らかで切れ目がなく、一般的にはPebax樹脂やポリエステルあるいはポリウレタンなどの熱可塑性材料からつくる。
【0016】
ベルト100のピッチ112を、隣り合う歯106の中心線間の距離と定義する。ベルトのピッチ112は、ベルトの中立曲げ軸に相当するベルトのピッチ線114に沿って計測する。ベルト100が滑車102に沿って曲がると、中立曲げ軸は、ベルト材が圧縮状態にある一方の側面とベルト材が張力状態にある他方の側面とにおける仮想の面となる。
【0017】
同様に、滑車のピッチ116は隣り合う綱車104の中心線間の、滑車のピッチ円118に沿って計測される弧長である。滑車のピッチ円118はこの場合、ベルト100が滑車に巻き付くときのベルトのピッチ線114に相当する。換言すれば滑車のピッチ円118は、ベルトが滑車に巻き付くときのベルトのピッチ線114と同じ半径を持つ。
【0018】
上述したように、退出歯120はその駆動表面109が、退出歯を収容する綱車104の駆動表面105と接触すると駆動歯となる。後続歯122はその対応綱車104に納まるが、歯の駆動表面109と綱車の駆動表面105との間に隙間124ができる。同様に、隣り合う綱車間の滑車の表面123は、隣り合う歯106の間のベルト100の表面128と係合する。この構造から発生する問題は上述した。滑車の表面126とベルトの表面128との摩擦は、ベルトと滑車との関係運動を損なう力の成分を付加し、歯は滑車の適正な綱車と係合しないかもしれない。摩擦はベルトが張力状態に置かれると強化される。滑車上のベルトの滑りに対する現場での普通の習慣的対応は張力を増すことである。しかしこれは直結駆動を無効にするだけである。一方、ベルトを無張力状態にしてコンベヤを水平にすれば、短いベルト支間の重さが従動歯を過早にその滑車の綱車から引き抜きがちになり、直結駆動力学に逆作用する。
【0019】
本発明の1態様は図3a―3cに示してあり、直結駆動コンベヤ129が図1及び2に示した先行技術装置の全構造に本発明の特徴を加上している。したがって、図1及び2の先行技術のコンベヤの構成要素と同じ本発明のコンベヤ構成要素には同じ附番が付してある。本発明の1態様では、滑車とベルトとはこれらの間に最小限の摩擦しか生じないように設計されている。隣り合う歯の間の、オプションとして歯106も含むベルトの表面130は、減摩材132例えばTeflonとして周知のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で被覆可能である。加えて、または別法として、滑車の隣り合う綱車間の表面134も減摩材料で被覆できる。その上滑車は、ベルトの歯の表面以外ベルトと接触するのは最小限の表面であるのが好ましい。例えば、図3bに示したように、隣り合う綱車間の表面136などの支持構造体を滑車の周囲から凹ませることができる。頚部138を細くしてもベルトとの表面接触を少なくすることができる(図3c参照)。
【0020】
本発明の別の態様は主として、駆動滑車を退出する支間が駆動綱車から従動歯を引き抜きがちな使用例と関連する。最も一般的な状況は、ベルトが水平走行するうちに、駆動滑車を退出するベルトの戻り支間の重さが懸垂彎曲を形成するようになり、その結果過早に、すなわち図2に示した最適退出点170の手前で、駆動綱車から従動歯を引き外しがちな場合だろう。上死点140を滑車の回転点と定義すれば、ただし綱車104は滑車の中心142から伸びる線上に集中するとすれば、最適な退出点170は好ましくは、滑車の駆動綱車が上死点から回転方向に180°を幾分か超えた線上にあるときである。図3a及びbに示したように位置制限器200を、退出点170、すなわちベルトの退出歯120が対応する滑車の綱車を最適に離れる点、近傍に配置する。図3bに示した1つの好ましい位置は、位置制限器200を滑車に隣接してベルトの歯の退出点170に配置する。図3aに示した1つの別の位置は、位置制限器200'を退出点170を通過してすぐのところに配置する。この場合、位置制限器はベルトを十分に撓ませて歯が過早に綱車を退出しないようにする。仮想線で示したその他の位置は、退出点170のすぐ手前の200"と、次の後続歯122のところの200"'とにある。好ましくは制限器200は、ベルトが歯の高さの25%を超えて滑車から浮き離れずに退出点170に至るように配置する。
【0021】
位置制限器200は図示したようにベルト幅のローラーとすることができるが、複数のローラー例えばベルトの各縁部に一つずつある一対も可能である。別法として位置制限器はベルトに当接する1以上のアームまたは先細のもの、それもなるべくなら減摩用摩耗パッド付きのものとすることができる。さらに、位置制限器は、2つの機能すなわち;退出歯を滑車の綱車の中に保持すること、ベルトの滑車退出時にベルトを洗浄することとを実行する、ベルトに当接するスクレーパバーでもよい。位置制限器200はベルトを跨ぐ必要はない。ただ制限器は、従動歯が適時に各綱車から離脱するまでベルトを1以上の滑車に当てておくように配置しなければならない。
本発明の直結駆動熱可塑性ベルトコンベヤの別の実施形態を図4に示した。装置は、継目なしベルト208を具えた中心の駆動滑車202と2つの遊び車204、206とを有する。本発明によれば、2つの位置制限器210、212を駆動滑車202と共用する。一方の位置制限器210は、ベルトの歯が滑車の綱車と係合状態に入る進入点214近傍に配置する。他方の制限器212は退出点216近傍に配置する。なるべくならベルトの巻付けを最小化して、常時3つの歯のみ巻き付けるようにする。
【0022】
このような中心駆動装置は、装置の「平ベルト駆動」成分に関連する、例えばベルトと滑車との摩擦から生じる問題を解決する。上述したように、摩擦はベルトの進入歯を滑車の歯より前に進ませ「飛ばし」をさせる。このことは、例えば、ベルト−滑車の摩擦力が滑車の駆動表面に当る歯の駆動表面の駆動力より高速の成分を発生させるときに起る。巻付け分の最小化もまたベルト−滑車の摩擦の機会を減らしやすい。
【0023】
滑車のいずれもが駆動滑車でない場合、遊び車の速さが問題を起すことは分かっている。駆動滑車は概してベルトの速さより早い速さで進行する。適正な歯の係合のために、駆動滑車と同じ形状を遊び車にも用いれば、遊び車は駆動滑車と同じ速さで進行しなければならないだろう。しかしベルトが遊び車を駆動する限り、遊び車はベルトより速くは進行し得ない。このため遊び車は駆動滑車とは異なるピッチ(異なる形状)にしなければならない。好ましくは、遊び車のピッチを無張力状態のベルトのピッチ以下にする。その結果、ベルトのピッチが伸張して変化すると、遊び車はベルトより遅く進まざるを得ない。駆動滑車の場合と同様に、綱車の幅を歯の幅より大きくして、ベルト巻付けの全支間でベルトの最大張力時に生じるベルトの付加長を見込んだ十分な隙間があるようにしなければならない。
【0024】
遊び車はその低い抗力性のため主に平ベルトにより駆動される。これにより伸張したベルトの進入歯は遊び車の綱車と理想的には係合しない。この問題を克服するには、先に説明したように摩擦係数を最小化しなければならない。加えて、ベルトの最大伸張時にベルトの歯の先端が滑車の綱車の駆動表面とどこかで接触するように歯の接触面の角度を設計しなければならない。これはベルトの歯をゆっくりと滑車の綱車に係合させて遊び滑車を減速させ適正な係合を行わせる。図5に、遊び滑車300をベルト302で駆動する例が示してある。滑車300の綱車304はベルト302の歯306で駆動される。各歯306を確実に対応する綱車304と適正係合させるために、綱車の側部は異なる角度をなす2つの壁面を持つ。下方の壁部308は上方の壁部310より急な角度を成している。好ましくは、上方壁部をベルトの歯306の角度より広角にする。先行歯はすでに遊び車と係合しているため、収容されるべき付加された間隔は1つの歯のピッチの支間だけに生じるから、これはうまく機能する。
【0025】
図6に、遊び車320は静止した円盤322またはアームを構成し、静止円盤322またはアームにベルトが単純に当接摺動する別のオプションを示してある。好ましくは、ベルトに当接する円盤322部分を上述した減摩被膜で被覆する。この構造はベルトと遊び車との摩擦を幾分か増やすが、ベルトと遊び車との間に歯付きの駆動装置がないからこれは重大なことではない。これらの円盤を収容するためにベルトの歯付き側に各歯を通り抜ける縦方向の溝324を所定の増分で設ければ、ベルトは静止円盤に沿って滑らかに移動できる。これらの円盤の使用は遊び滑車の形状の複雑さを排除すると共に、有効な軌走装置としても機能する。さらに、もし滑りのよい滑車が回転すれば、ベルトはこれらの円盤から「立上る」だろうが、静止することによりベルトにその動きはない。
【0026】
周知のように、ベルトには時々滑らかな表面から上方に伸びる桟が取り付けられ、ベルト上の物体を保持または分離する助けをしている。本発明は、こうした使用法において桟を位置制限器として有益に用いることを思料する。図7は1つのそうした応用例を図示している。継目なし熱可塑性ベルト400は一方の側面に歯402を、他の側面に桟404を有する。ベルトの歯402は駆動滑車408の凹部すなわち綱車406により順次駆動される。位置制限器410は、内側に彎曲する表面414を有したシュー412を構成する。彎曲表面の少なくとも一部を最適退出点416近傍に配置して、シューを桟に当接させる。桟はベルトを滑車に圧迫して従動歯402を退出点まで係合状態に保持する。
【0027】
本発明をいくつかの特定の実施形態に関して具体的に記述したが、諒解されるようにこれは説明のためであり制限するものではない。添付クレームの範囲は先行技術が許容するように広義に解釈すべきである。例えば、ベルトの歯と滑車の綱車との代わりに、ベルトは孔または凹部を持ち、滑車はベルトの孔または凹部と係合するスプロケット風の歯またはピンを有してもよい。本発明の原理は同等に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】2つの滑車間に架設された、先行技術のベルトの側斜視図である。
【図2】図1の1部分の拡大正面図である。
【図3A】本発明のコンベヤを示した、図2と同様の図である。
【図3B】本発明のコンベヤの別の態様を示した、図3と同様の図である。
【図3C】図3Aの駆動滑車の端面図である。
【図3D】図3Aのベルトの1部分の拡大断面図である。
【図4】本発明の中心駆動ベルト装置の図である。
【図5】本発明の別の綱車構成を示した、ベルトと滑車との側断片図である。
【図6】本発明の遊び車の1実施形態の断片斜視図である。
【図7】本発明のコンベヤの別の態様を示した、図3と同様の図である。
【符号の説明】
【0029】
102 滑車
104 綱車
105 綱車の駆動面
106 ベルトの歯
109 歯の駆動面
111 矢印
112 歯のピッチ
116 滑車のピッチ
118 滑車のピッチ円
120 退出歯
122 後続歯
129 直結駆動コンベヤ
130 ベルト表面
132 減摩材
140 上死点
170 最適退出点
200' 位置制限器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
継目なしの熱可塑性ベルト(100、208、400)と、
少なくとも1つの駆動滑車(102、202、408)において、ベルトと滑車のうちの一方が歯(106、306、402)を有し、ベルトと滑車のうちの他方が、ベルトが退出点(170、216、416)まで滑車に巻き付くときに歯を収容するようにされた凹部(104、406)を有する、少なくとも1つの駆動滑車(102、202、408)と、
退出点近傍でベルトに当接配置される位置制限器(200、210、212、410)と、を具備することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項2】
請求項1に記載の直結駆動コンベヤにおいて、継目なし熱可塑性ベルト(100、208、400)が歯(106、306、402)を有し、駆動滑車(102、202、408)が凹部(104、406)を有することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の直結駆動コンベヤにおいて、退出点(170、216、416)に隣接して位置制限器(200、212、410)を置いたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の直結駆動コンベヤにおいて、位置制限器(200"、200"'、410)を退出点(170、416)の手前に置いたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項5】
請求項1または2に記載の直結駆動コンベヤにおいて、位置制限器(200'、410)を退出点(170、416)の後方に置いたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の直結駆動コンベヤにおいて、位置制限器(200、210、212)をローラーとしたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の直結駆動コンベヤにおいて、位置制限器(200、210、212)をベルト(100、208)に当接するアームとしたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の直結駆動コンベヤにおいて、位置制限器(200、210、212)をスクレーパバーとしたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の直結駆動コンベヤにおいて、位置制限器(410)をシュー(412)としたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の直結駆動コンベヤにおいて、位置制限器(200、210、212、410)は駆動滑車(102、202、408)より幅広ではないことを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の直結駆動コンベヤにおいて、さらにベルト(100、208)と駆動滑車(102、202)との摩擦を最小化する手段(132、136、138)を具備することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項12】
請求項11に記載の直結駆動コンベヤにおいて、摩擦最小化手段は、ベルト(100、208)と駆動滑車(102、202)のうちの一方に減摩用被膜(132)を構成することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項13】
請求項11に記載の直結駆動コンベヤにおいて、摩擦最小化手段は、ベルト(100、208)と駆動滑車(102、202)との間に最小限の接触表面(136、138)を構成することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項14】
継目なしの熱可塑性ベルト(100、208、400)と、
少なくとも1つの駆動滑車(102、202、408)において、ベルトと滑車のうちの一方が歯(106、306、402)を有し、ベルトと滑車のうちの他方が、ベルトが退出点(170、216、416)まで滑車に巻き付くときに歯を収容するようにされた凹部(104、406)を有する、少なくとも1つの駆動滑車(102、202、408)と、
ベルトと駆動滑車との摩擦を最小化する手段(132、136、138)と、を具備することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項15】
請求項14に記載の直結駆動コンベヤにおいて、摩擦最小化手段はベルトと駆動滑車とのうちの一方に減摩用被膜(132)を構成することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項16】
請求項14に記載の直結駆動コンベヤにおいて、摩擦最小化手段はベルトと駆動滑車との間に最小限の接触表面(136、138)を構成することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項17】
請求項1または14に記載の直結駆動コンベヤにおいて、駆動滑車(102、202、408)から離間配置された遊び車(103、204、206、300)をさらに具備することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項18】
請求項17に記載の直結駆動コンベヤにおいて、遊び車は歯または凹部を具えた滑車(103、204、206、300)であり、その歯間または凹部間のピッチは無張力状態のベルトのピッチ以下であることを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項19】
請求項17に記載の直結駆動コンベヤにおいて、遊び車(300)は、歯または凹部(304)に従動表面(308、310)を持つ滑車であり、各従動表面の壁部(308、310)が異なる角度をなす部分を有することを特徴とする直結駆動コンベヤ。
【請求項20】
請求項17に記載の直結駆動コンベヤにおいて、遊び車をベルトに当接する静止円盤としたことを特徴とする直結駆動コンベヤ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2008−526656(P2008−526656A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552283(P2007−552283)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/002013
【国際公開番号】WO2006/078890
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(507244057)サーモドライヴ エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】