説明

低水準のゴースト像を有するガラスパネル

本発明は、
−少なくとも1方向において、接着剤中間層の厚みが、連続的に、増加および減少しているまたは減少および増加していることを特徴とする、接着剤中間層により接合された二枚のガラスシートを含む、積層ガラスパネル、
−前記積層ガラスパネルを含む、輸送用乗り物、建物または任意の構造物、
−一定でない厚みを有する接着剤中間層の、それぞれ、押出成形によるまたは熱成形による調製を含む、前記積層ガラスパネルを製造するための2つの方法、ならびに
−特に、フロントガラス、後部窓、サイド窓または自動車の屋根として、陸上、空中または海上の輸送用乗り物のための、建物、ストリートファーニチャ、インテリアデザイン、家電製品および電子部品のためのその使用、
に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスパネルの分野、特に、低水準のゴースト像を有する、自動車用ガラスパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用ガラスパネル、特に、フロントガラスまたは後部窓用のパネルでは、安全および美的な理由から光学的な欠陥が最小でなければならない。運転手の視野はできる限り明瞭でなければならず、自身の車から周囲のゴースト像が見えることは特に許容されない。フロントガラスを通して運転手が見る像の多重性は、空気/ガラス界面における多重の反射に由来する公知の現象である。これは、仮に理論的に他の追加の像が存在しても、これらの追加の像は非常に強度が低いために一般的にゴースト像と呼ばれる。追加の反射は、実際には、望ましくない像の強度が、主たる像の強度と比べて約1/100に実質的に低下することを伴う。問題の程度はガラスパネルを傾斜させることによりさらに悪化する。
【0003】
ゴースト像の理論的な水準を計算するのにコンピュータをどのように使えばいいかは公知であり、当業者によれば数分のうちに数値化される。この水準は、フロントガラスの厚みの変化、フロントガラスを構成しているシートの厚さ、局所的な曲率およびガラスパネルを通しての視角などの多くの因子に依存する。垂直方向のゴースト像(乗り物の中に座った時に互いに上下に現れる。)の水準は、水平方向のゴースト像(乗り物の中に座った時に互いに隣接して現れる。)の水準とは区別される。美的なおよび機能上の理由からますます複雑な形状を有するフロントガラスが製造され、以下に議論する。こうした複雑な形状は、垂直方向のゴースト像を発生するだけでなく、特定の配置、例えば、低曲率半径を有するサイドベンド領域(パノラマフロントガラス等)においては、水平方向のゴースト像の問題が強調されることもあり、フロントガラスに垂直な方向を視角に対して傾けることが悪化要因である。
【0004】
ゴースト像の水準は、車輪付きの乗り物、装置および車輪付きの乗り物に搭載され得るまたは使用され得る部品に適用される、統一技術規制の採用およびこれらの規制に適合して与えられる形式認可の相互理解されている条件に関する、E/ECE/324、E/ECE/TRANS/505協定の規則題43号、付則42に記載されているように、ターゲット試験手法または視準望遠鏡試験手法により測定する。
【0005】
自動車製造業者、特にフランスの製造業者は、さらに斬新な形状を有するモデルを設計する。特に、設計されたフロントガラスは非常に大きなものとなり得る、なぜならそれは時には前部座席の搭乗者の上部に広がり屋根の一部を占める程になるからである。こうしたフロントガラスはまた、ますます水平方向へ傾いている。さらに、その曲率は、車の全体としての形状に容易に溶け込むように非常に均一でなければならない。フロントガラスが車体のピラーと連続していることが特に望ましい。さらに、安全の面から、特に、横方向に視野領域を広げることが望ましい。この目的のために、車体のピラーの幅を狭くすることまたはさらに後方へ寄せるもしくはそれをなくすこと、およびフロントガラスの側端を後方へ広げることの両者が行われる傾向にある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】E/ECE/324、E/ECE/TRANS/505協定の規則題43号、付則42
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、特に、より大きな曲率を有して側面が曲げられている、パノラマフロントガラスまたは同様の形状の積層ガラスパネルの側面における水平方向のゴースト像問題を特に取り扱うが、この問題は上記したように、ガラスパネルが垂直面に対して傾けられた時に特に悪化する。この要旨においてはおよび上述のゴースト像の水準の測定のための標準的手法においては、視角は、フロントガラスの場合には水平方向であると仮定されるが、本発明の特定のゴースト像問題は、その他の視角、特に、自動車製造業者により水平方向でない方向に固定されている運転手の視角および助手席搭乗者の視角に対しても適用可能である。
【0008】
発明者らは、それゆえ、標準手法により測定されるようなならびに(例えば、パノラマフロントガラスの組立位置において)運転手および搭乗者により観察されるような両者の水平方向のゴースト像問題を解決することを試みた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、接着剤中間層により接合された二枚のガラスシートを含み、ならびに少なくとも1方向において、接着剤中間層の厚みが連続的に、増加および減少しているまたは減少および増加している事実により識別される、積層ガラスパネルに関連する本発明によりその目的を達成した。
【0010】
積層ガラスパネルを構成しているガラスシートは、フロートガラスから作成された無機物、またはポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、イオノマー樹脂等などの透明ポリマー材料から作成された有機物であり得る。
【0011】
それ自体公知の方法では、接着剤中間層はポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン(PU)等から作成される。この層は、複雑な幾何学的形状のガラスパネルを通して見られるゴースト像が弱められるように、ここでは、連続的に増加および減少しているまたは減少および増加している厚みを有する複雑な形状を有している。
【0012】
接着剤中間層の厚みは、例えば、強調された曲げまたは曲率を有する側面の端に近づくにつれておよび/またはフロントガラスの全長に沿って、例えば、左側の側面部では増加し右側の側面部では減少するなどと、短い距離の間に増加し次いで減少してもよい。
【0013】
積層ガラスパネル中の中間層の厚み変化の大きさは、本発明の文脈においては少なくとも0.1mmである。
【0014】
積層ガラスパネル中の接着剤中間層の厚みは、全方向において連続関数であるのが好ましい。それゆえ、この厚みが段階的に変わる様式は除外される。しかし、最終的な積層ガラスパネル中の中間層厚みのこの連続性は、組立工程中でのガラス/中間層の2つの界面に位置する残余空気の除去(脱ガスステップ)を促進するための、当業界で公知の積層組立て前の大きさ100μmに至るまでの表面の不規則性および/または中間層の粗さを除外してはいない。こうした不規則性およびこの粗さは、組立工程における熱可塑的な接着剤の流動により破壊される。
【0015】
ガラスパネルの少なくとも一方の端部において、接着剤中間層の厚みは、ガラスパネルの端からの距離が増加するにつれて増加するのが有利である。このことは特に、パノラマフロントガラスの側面の曲がった領域などの多少とも大きな曲率を有する側端部に関係している。この特定の実施形態では、接着剤中間層の厚みは、ガラスパネルの端においては一定であって、次いでそこからまたはそこに近い短い距離、特にはガラスパネルの端から30から350mmにおいては、増加だけしてもよい。
【0016】
さらに、本発明は、ガラスパネルの端部において、接着剤中間層の厚みがガラスパネルの端からの距離が増加するにつれて減少する可能性を除外しない。
【0017】
好ましい代替法に従えば、ガラスパネルの2つの対向する端部において、これらの2つの端部は一定の厚みを有する接着剤中間層の領域で分割されているが、接着剤中間層の厚みが、ガラスパネルの端からの距離が増加するにつれて増加する。このように、前記2つの対向する端部を繋ぐガラスパネルの区画の方向では、接着剤中間層の厚みは交互に増加し、一定であり、減少する。前記2つの対向する端部は次いで、その組立位置において、例えば、パノラマフロントガラスの2つの側面部である。
【0018】
本発明に従えば、種々の異なる厚みを有する接着剤中間層の領域は、例えば、少なくとも0.05、好ましくは、0.1、特に好ましくは、0.15mrad、および最大5、好ましくは、2mradの角度をなす。
【0019】
本発明の積層ガラスパネルの大きさは、3方向へ測定して、つまり、ガラスパネルの複雑な形状(曲率)に従って、パノラマフロントガラスのサイズであり、長さは1と2.5mの間、幅は0.4と2mの間であるのが好ましい。ガラスパネルは、本質的に、長さと幅が同程度の四角形であってもよい。
【0020】
本発明の優位性のある代替策に従えば、積層ガラスパネルは、最小で500mm以下の曲率半径、または少なくとも35°のドッキング角を有する。これらの特徴は、新規の美的な要請および新規の機能性からの要求により必要な複雑な幾何学的形状を有する多くのガラスパネル、特にパノラマフロントガラスを含む。そのような特長がある場合には、水平方向のゴースト像問題が特に深刻である。
【0021】
500mm以下の曲率半径は、例えば、側面部に存在する増大した曲率に対応する。
【0022】
ドッキング角の定義のために、フロントガラスの縦方向の中央面(多分対称的な)およびこの縦方向の中央面に含まれるガラスパネルの2つの端を結ぶコードCを考える。このコードCのいずれの点Pにおいても、Cに対して垂直な平面が定義できる。それとフロントガラスとの交差がガラスパネルの区画S(P)を与える。それぞれの区画S(P)は、その端が、ガラスパネルの2つの対向する側端に位置する、2つの点MおよびM’(1つは運転手側端にあり、もう1つは搭乗者側端にある。)に対応する曲線を形成する。区画S(P)のコードDは、それゆえ、[MM’]部分に対応する。ガラスパネルの側端からの点Mにおけるドッキング角は、コードDを有するMにおける区画S(P)に対する正接により作られる角である。
【0023】
一般的には、(単純化して言うと)フロントガラスのドッキング角は、付随するコードDの長さが最長である区画S(P)のドッキング角である。
【0024】
少なくとも35°のドッキング角は、ガラスパネルの(その幅方向を通しての)全体としての高曲率および/または側面部において高曲率で結合された側面の曲げを示している。
【0025】
本発明の積層ガラスパネルは、2つの互いに垂直な方向について凸面であり、したがって2つのバルジ深さを有し得る。自動車用ガラスパネルの当業者にとっては、「そり」とは、(自動車に対して)横方向の最高バルジ深さである。当業者にとっては、ダブルバルジとは、(自動車に対して)縦方向の最高バルジ深さである。
【0026】
本発明の積層ガラスパネルは、150と500mmの間のそりを有するのが好ましい。少なくとも150mmに等しいそのような値に対しては、水平方向のゴースト像問題は特に深刻である。
【0027】
しかしこのことは、150mmよりも小さく、少なくとも50mmmに等しいそりを有し、局所的には大きなバルジを有する積層ガラスパネルの場合にもそうである。そのようなガラスパネルは、したがって明らかに本発明の範囲内にある。
【0028】
本発明の積層ガラスパネルはまた、0と180mmの間のダブルバルジを有することが有利である。
【0029】
本発明の積層ガラスパネルは、その全体の幾何学的形状においてしばしば対称であり、特に中央対称面を有し得る。
【0030】
しかし、特定の実施形態においては、積層ガラスパネルは、非対称の幾何学的形状を有する組立環境に適応するために、非対称である。このガラスパネルの三次元的な表面(例えば、その外表面)は、この形状の曲線のためまたはその輪郭のために対称面を持たない。
【0031】
類似的に、本発明の積層ガラスパネルの接着剤中間層の厚みは、それ自体上述した中央対称面についてしばしば対称である。ガラスパネルが対称な幾何学的形状を有する場合には、中間層の厚さが対称性を持てば、最初、中央の対称面に対して互いに対称的に配置して、2つの同一の半分からそれを作成する可能性を提供することができ有利である。
【0032】
これとは逆に、積層ガラスパネルが対称な幾何学的形状を持たない場合でも、それでも中間層の厚さは、中央平面に対してこの対称性を保存していてもよい。そのようにして、運転者にとって運転席側の端においておよび同様に、搭乗者にとって搭乗者側の端において、ゴースト像それ自体が修正される。
【0033】
しかし、特定の実施形態においては、運転席側および搭乗者側のゴースト像を、運転者にとって好ましくなるように(搭乗者にとっての修正を犠牲にするリスクの上で)修正することが必要となり得る。この場合には、この代替策に従えば、積層ガラスパネル中の接着剤中間層が非対称な厚みを有する。この場合、積層ガラスパネルの幾何学的形状が対称であるならば、中間層は、左側または右側運転席の乗り物のフロントガラス組立てに対しても等しく使用し得る。片方から他方へ切り替えるためには、積層を組み立てる前に中間層をひっくり返せば十分である。
【0034】
さらに、ゴースト像問題が、積層ガラスパネルの全体厚み、したがってその構成シートのそれぞれの厚みを減少させることにより小さくなることが示されねばならない。この状況下では、本発明の積層ガラスパネルは、必ずしも等しい厚みを有しないガラスシートを含み、一方のガラスシートが他方よりも薄い(例えば、2.1mmの代わりに1.4mmの)ものを用いることが有利となる。
【0035】
本発明はまた、接着剤中間層が、その組立位置において、ガラスパネルの少なくとも2つの実質的に対向する側端部において一定でない厚みを有する、前記積層ガラスパネルを含む、輸送用乗り物、建物または任意の構造物に関する。特に、パノラマフロントガラスを有する自動車に関する。
【0036】
この輸送用乗り物、建物または任意の構造物の好ましい特徴に従えば、積層ガラスパネルは、その組立位置において、垂直な中央対称面を有し、この平面とガラスパネルの端との交差点の2つの点を結ぶコードは、水平方向に対して、少なくとも15および90以下、好ましくは50°傾いている。
【0037】
本発明の他の目的は、
−一定の厚みを有しない接着剤中間層の、押出成形による調製を含み;特に、結合してはおらず、互いに遠くに離れてさえいる2つの領域を有しており、それぞれの領域は、厚みの傾斜を有しており、複雑な厚みの傾きを有するプラスチックシートの製造のためには、押出成形が実際最適であり;接着剤中間層の全体は、1つまたは複数の分画として、モザイクのように、押出成形で作成され;ガラスパネルの組立位置において、接着剤中間層厚みの変化は、乗り物または他の組立環境に関して横方向(縦方向よりも)の断面に沿って観測されるのが有利である、積層ガラスパネルの第1の製造方法、
−一定でない厚みを有する接着剤中間層の、熱成形による調製を含み;この手法がゴースト像の優れた除去を与える、上記積層ガラスパネルの第2の製造方法、
−特に、フロントガラス、後部窓、サイド窓または自動車の屋根として、陸上、空中または海上の輸送用乗り物のための、建物、ストリートファーニチャ、(バス停留所囲い、広告板等)、インテリアデザイン(家具、パーティション、シャワーブース、水槽等)、家電製品(冷蔵庫用皿等)および電子部品(TV、コンピュータスクリーン等)のための上記積層ガラスパネルの使用、
を含む。
【0038】
本発明を以下の実施例により例示する。
【実施例】
【0039】
[実施例1]
厚み2.1mm、長さ1491mmおよび幅693mmを有するフロートガラスから作られた2枚のシートを、ポリビニルブチラールの接着剤中間層を用いて、組み立てることにより、2枚のパノラマフロントガラスを製造する。長さと幅はここでは、2次元で測定する。それらは、ガラスパネルの2つの対向する端を結び、2つの互いに直行している最長のコードを表す。
【0040】
同一の幾何学的形状を有するこれらのパノラマフロントガラスは、
−そり 310mm
−ダブルバルジ 9.2mm
−2つの対向する側端部に達する、最小曲率半径 182mm、および
−ドッキング角 69.2°
を有する。
【0041】
これらのフロントガラスは、中央対称面(乗り物に対して、組立位置で垂直および水平方向)を有する。この中央平面に属しガラスパネルの端の2つの点を結ぶコードの水平線に対する傾きは、組立位置において39.53°である。
【0042】
2つのフロントガラスは、1つはPVB層が一定の厚み(0.76mm)であり、他方は、その側端から中央対称面に向かって厚さが増加(0.76mmの値から)しており、この厚みが0.49mradの角度をなしている点で異なっている。
【0043】
ゴースト像は、既述したように、協定E/ECE/324、E/ECE/TRANS/505の規則No.43、付則42に従い、
指向性レーザーを用いて測定する。一次および二次点像は、ガラスパネルから7mの距離でスクリーン上にて測定する。結果は分で表す。
【0044】
領域A、BおよびCを、上記の規則にも従い、ガラスパネル上に結びつける。
【0045】
結果は、標準のPVBフロントガラスについて表1に、変動厚みのPVBのフロントガラスについて表2に挙げる。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
測定は、垂直線に沿って様々な高さで行う。
端部B運転手席とは、領域Bおよび領域Cの間の運転手席側の境界を意味する。
端部A運転手席とは、領域Aおよび領域Bの間の運転手席側の境界を意味する。
運転手席側とは、領域Aの運転手席側半分の中央を意味する。
本発明により、ゴースト像が減少していることが確認される。
【0049】
[実施例2]
以下を接着剤中間層として使って前記の実施例をくり返した。
【0050】
−ガラスパネルの2つの側端のそれぞれに、ガラスパネルの側端からその中心までが0.38から0.76mmの範囲の厚みを有し、以下に述べるようにして得た、30cm幅のPVBストリップ、および
−ガラスパネルの中央部に、0.76mmの一定の厚みを有するPVBシート。
【0051】
2つの変動厚みのPVBストリップを、以下のようにして局所延伸して熱成形により得る。
【0052】
操作は16℃、相対湿度35%の防塵空調室で行う。
【0053】
0.76mm厚の標準PVBシートを15℃から120℃まで加熱する。このシートを2つの保持具の間で水平方向に延伸する。
【0054】
PVBの局所延伸は、水平に対して40°の角度を有する形状を特徴とする金型(固体)を25℃に昇温して行う。このようにして金型を、PVBシートと順次接触させ、厚みが、まさに金型と接触する時にその値になるように固定する。この方法で、幅30cm、0.38と0.76mmの間の厚みを有するPVBストリップを得る。金型と接触熱形成後に測定されたPVBの温度は、70℃である。
【0055】
PVBシートの厚みの変化は、特に、PVBを約145℃の温度に加熱することを含めて、通常の条件下で組み立てられる積層で見られるものと同一である。
【0056】
端部A運転手席側−中心部で測定されたゴースト像は、7.8分である。
【0057】
このように、ここで使用した熱成形によるPVBの局所延伸手法はゴースト像現象を制限することにおいて優れていることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1方向において、接着剤中間層の厚みが、連続的に、増加および減少しているまたは減少および増加していることを特徴とする、接着剤中間層により接合された二枚のガラスシートを含む、積層ガラスパネル。
【請求項2】
すべての方向において、接着剤中間層の厚みが連続関数であることを特徴とする、請求項1に記載の積層ガラスパネル。
【請求項3】
ガラスパネルの少なくとも一方の端部において、接着剤中間層の厚みが、ガラスパネルの端からの距離が増加するに従って増加していることを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の積層ガラスパネル。
【請求項4】
ガラスパネルの対向する2つの端部において、接着剤中間層の厚みが、ガラスパネルの端からの距離が増加するに従って増加しており、該2つの端部が一定の厚みを有する接着剤中間層の領域で分離されていることを特徴とする、請求項3に記載の積層ガラスパネル。
【請求項5】
長さが、1と2.5mの間、幅が0.4と2mの間であることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の積層ガラスパネル。
【請求項6】
最小曲率半径が500mm以下であり、ドッキング角が少なくとも35°であることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の積層ガラスパネル。
【請求項7】
そりが150と500mmの間であることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の積層ガラスパネル。
【請求項8】
非対称であることを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の積層ガラスパネル。
【請求項9】
接着剤中間層が非対称の厚みを有することを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の積層ガラスパネル。
【請求項10】
接着剤中間層が、その組立位置において、ガラスパネルの少なくとも2つの実質的に対向する側端部において、一定でない厚みを有することを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の積層ガラスパネルを含む、輸送用乗り物、建物または任意の構造物。
【請求項11】
積層ガラスパネルが、その組立位置において、垂直な中央対称面を有し、この平面とガラスパネルの端と交差する2点を結ぶコードが、水平に対して、少なくとも15および90以下、好ましくは50°傾いていることを特徴とする、請求項10に記載の輸送用乗り物、建物または任意の構造物。
【請求項12】
一定でない厚さを有する接着剤中間層の、押出成形による調製を含むことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の積層ガラスパネルの製造方法。
【請求項13】
一定でない厚さを有する接着剤中間層の、熱成形による調製を含むことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の積層ガラスパネルの製造方法。
【請求項14】
特に、フロントガラス、後部窓、サイド窓または自動車の屋根として、陸上、空中または海上の輸送用乗り物のための、建物、ストリートファーニチャ、インテリアデザイン、家電製品および電子部品のための、請求項1から9の一項に記載の積層ガラスパネルの使用。

【公表番号】特表2013−516375(P2013−516375A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546485(P2012−546485)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052815
【国際公開番号】WO2011/080464
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】