説明

低炭酸飲料を入れる自立型の密閉飲料容器

本発明は、低炭酸飲料を入れるための、箱で構成された紙ベースの材料2の自立型密閉飲料容器1であって、当該飲料容器は、前記紙ベースの材料に結合された少なくとも1つの内部液体封止ポリマ層4、及び/又は、飲料を保持する内側袋部11であって、圧力手段12により生成されたガス圧によりもたらされたフレキシブルな壁部の変形に基づいて当該容器から飲料を分配するための圧縮可能な少なくとも変形可能な壁部をもつ前記内側袋部11を有し、当該飲料容器1は、少なくとも1つのフレキシブルな部分をもつ少なくとも1つの飲料供給チューブ5と、少なくとも1つの飲料出口開口部6であって、飲料出口開口部6を通って、前記飲料供給チューブ5の下側部分7が内側の当該飲料容器1の底部8に延在するとともに前記チューブの上側部分が外方9へ延在する少なくとも1つの飲料出口開口部6と、少なくとも1つのガス圧入口開口部10とを有し、当該自立型飲料容器1は、空の段階において、手で折り畳み可能であり、飲料は、当該飲料容器1に送り込まれたガス圧により前記飲料供給チューブ5を介して供給可能であり、前記チューブ5は、飲料が当該飲料容器1の飲料出口開口部6から漏れ得ないように、気密及び液密の態様で当該飲料容器1と接続される、自立型飲料容器1に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、炭酸飲料を入れるための、ボール紙で構成された紙ベースの材料の自立型の密閉飲料容器に関する。本発明は、更に、前記飲料容器を受けるためのハウジングを備えた飲料分配デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ビール等の炭酸飲料は、一般に、ビール樽、金属缶又はボトルに格納される。
【0003】
ビール樽は、空の段階において、手で容易に折り畳むことができないという欠点を有する。それ故、空のビール樽の格納容量は、いっぱいに満たされたビール樽と同じである。更に、ビール樽製品は、高い垂直範囲の製造物である。
【0004】
金属製の飲料缶は、手で折り畳み可能であるが、金属缶は、その生産物に対して大きなエネルギを必要とする。これは、金属缶が例えばドイツにおいて市場から回収される一つの理由である。
【0005】
ビール樽と同様にボトルも、空の段階において手で容易に折り畳まれ得ない。更に、ボトルの形状は、スペースをとらないストレージを可能にしない。また更に、ガラス製のボトルは、紙ベースの材料の飲料容器と比べて高重量を有する。
【0006】
紙ベースの材料の飲料容器は、一般的に既知であり、ワインのような非炭酸飲料に対して用いられる。しかしながら、紙ベースの材料の飲料容器は、ビールのような炭酸飲料のために用いられたことがない。このタイプの紙ベースの容器に対する主な欠点は、特に前記タイプの紙ベースの容器が熱にさらされる場合に、前記容器が炭酸飲料のガス圧に耐えないことである。
【0007】
それ故、炭酸飲料を提供するとともに前述の炭酸飲料容器の欠点の少なくとも1つを回避するのに適した紙ベースの材料の飲料容器を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、炭酸飲料を提供するために用いられ得る紙ベースの材料の飲料容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、低炭酸飲料を入れるための、紙ベースの材料の自立型飲料容器であって、当該飲料容器は、前記紙ベースの材料に結合された少なくとも1つの内部液体封止層、及び/又は、飲料を保持する内側袋部であって、圧力手段により生成されたガス圧によりもたらされたフレキシブルな壁部の変形に基づいて当該容器から飲料を分配するための圧縮可能な少なくとも変形可能な壁部をもつ前記内側袋部を有し、当該飲料容器は、少なくとも1つのフレキシブルな部分をもつ少なくとも1つの飲料供給チューブと、少なくとも1つの飲料出口開口部であって、前記飲料出口開口部を通って、前記チューブの下側部分が内側の当該飲料容器の底部に延在するとともに前記飲料供給チューブの上側部分が外方へ延在する前記少なくとも1つの飲料出口開口部と、少なくとも1つのガス圧入口開口部とを有し、当該自立型飲料容器は、空の段階において、手で折り畳み可能であり、飲料は、当該飲料容器に送り込まれたガス圧により前記飲料供給チューブを介して供給可能であり、前記チューブは、飲料が当該飲料容器の飲料出口開口部から漏れ得ないように、気密及び液密の態様で当該飲料容器と接続される、自立型飲料容器に関する。
【0010】
本発明による紙ベースの飲料容器は、本発明による空の紙ベースの容器のストレージのような、いずれの折り畳み過程も促進するために予め折り畳まれ、及び/又は、まとめられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】飲料を保持するための本発明による自立型密閉飲料容器である。
【図2】飲料を保持するための内側袋部を含む本発明による自立型密閉飲料容器である。
【図3】本発明による飲料含有飲料容器を受けるためのハウジングを備えた飲料分配デバイスである。
【図4】調節可能な底部をもつ籠部を備えた飲料分配デバイスである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明が詳細に述べられる前に、この発明は、斯様なデバイス及び方法が変わり得る際に、述べられたデバイスの特定の構成部分、又は、述べられた方法のプロセスステップに限定されないことが理解されるべきである。また、ここで用いられた専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけの目的であり、限定することを意図しないことも理解されるべきである。明細書及び特許請求の範囲で用いられる、単数表記は、明確に別段の定めをした場合を除き、単数及び/又は複数の参照を含むことが留意されるべきである。
【0013】
本発明で用いられた用語"低炭酸飲料"は、消費者による消費の時の前記飲料の炭酸濃度と比較して低い炭酸濃度をもつ飲料である。"低炭酸飲料"は、消費のためには受け入れられず、消費のために消費者に提供される前に追加的に炭酸化されなければならない。
【0014】
本発明による"自立型"という用語は、単独で立つ場合に、空の紙ベースの飲料容器が壊れないことを意味する。
【0015】
好ましくは、本発明による紙ベースの材料の自立型飲料容器は、手で容易に平坦に折り畳まれ得るような剛性をもつ。これは、前記平坦に折り畳まれた紙ベースの飲料容器の廃棄容量が、ボトル、缶又はビール樽と比較して著しく少なくなるという利点をもつ。
【0016】
本発明による紙ベースの飲料容器は、少なくとも200mlから約50l、好ましくは≧300ml、更に好ましくは≧500ml、より好ましくは≧1000mlの容積を有し得る。最も好ましくは、本発明による紙ベースの飲料容器は、少なくとも2lから≦25l、例えば≧3lから≦10l、又は、≧5lから≦8l(l=リットル)の容積を有する。
【0017】
紙ベースの飲料容器が低炭酸飲料のガス圧に耐え得ることが発明者らによって見出された。低炭酸飲料は消費者により受け入れられないので、本発明による紙ベースの飲料容器は、少なくとも1つの飲料供給チューブと、少なくとも1つのガス圧入口開口部とを有し、従って、飲料は、飲料容器に送り込まれたガス圧により飲料供給チューブを介して供給され得る。更に、送り込まれたガス圧により、供給された飲料の炭酸濃度は、消費者に受け入れられる程度の所望レベルに増大する。
【0018】
本発明によれば、飲料容器又は内側袋部に入れられた飲料は、>0g/l及び≦1.5g/lのCO濃度を伴う低炭酸飲料である。しかしながら、低炭酸飲料は、≧0.01g/l及び≦1.0g/l、好ましくは≧0.05g/l及び≦0.5g/l、より好ましくは≧0.1g/l及び≦0.2g/lのCO濃度を有してもよい。
【0019】
好ましくは、飲料は、低炭酸のビールである。消費者に典型的に提供されるビールは、5g/lのCO濃度を有する。
【0020】
本発明による紙ベースの飲料容器は、立方形状デザインのような角のある形状を有し得る。その利点は、角のある形状を有する本発明による紙ベースの飲料容器がスペースのとらない態様で格納され得ることである。
【0021】
0.05g/l及び0.2g/l(l=リットル)のCO濃度を伴う低炭酸飲料で満たされた本発明による密閉紙ベース容器は、低い内部圧力の結果として漏れることなく、50℃までの格納温度に耐える。
【0022】
前記低炭酸飲料のための内部の圧力は、例えば多層構造、ボール紙で補強される場合に、0.01barから0.05barの範囲にあり得る。これに対し、約5g/lのCO濃度を伴うビールで満たされた典型的な缶の内部の約50℃の圧力は、6barよりも高くなり得る。
【0023】
低炭酸飲料を入れる本発明による紙ベースの容器は、飲料供給チューブ、ガス圧入口開口部及び/又はガスチューブを有する。飲料供給チューブ、ガス圧入口開口部及び/又はガスチューブは、これらの外側端部開口部で封止され得る。使用前に、封止された端部は、例えばはさみで切断され得る。好ましくは、前記紙ベースの容器の飲料供給チューブ、ガス圧入口開口部及び/又はガスチューブは、これらの外側端部開口部で封止手段を有し、これは、開口するために除去され、切断され、貫通され、及び/又は、ねじ込まれなければならない。これは、低い垂直範囲の製造物を可能にする。更に、本発明による飲料容器は、使用時まで密閉された状態を維持され得、これは、飲料の新鮮さ及び味を保証する。
【0024】
ガス圧入口開口部及び/又はガスチューブは、ガス供給源と接続され得るアダプタを有し得る。ガス圧入口開口部は、ガス圧供給チューブが接続され得る接続要素を有し、アダプタとも呼ばれる前記接続要素は、好ましくは、ねじ込み式、スナップ式及び/又は押し込み式の締結部を有する。
【0025】
ガス圧入力開口部が、本発明による紙ベースの飲料容器の上部の中心位置に配置されることが好ましい。
【0026】
更に、飲料供給開口部を通って飲料供給チューブが延在する飲料供給開口部が、本発明による紙ベースの飲料容器の上部の中心位置又はその近くに配置されることが好ましい。
【0027】
しかしながら、飲料が重力の結果として飲料容器から供給されないことが好ましい。飲料が外部のガス圧源からのガス圧を介して容器から外へ送り出されることが好ましい。
【0028】
外部のガス圧源は、ガス圧源が紙ベースの飲料容器の内部に配置されないことを意味する。
【0029】
本発明による紙ベースの飲料容器は、飲料充填開口部を有し得る。飲料充填開口部は、瓶詰工場(bottling plant)を経て本発明による紙ベースの容器を満杯にするために用いられ得る。飲料充填開口部は、本発明による紙ベースの容器が低炭酸飲料で満たされた後に密閉及び封止される。ガス供給開口部は、充填ステップの間、ガス出口開口部として機能し得る。
【0030】
例えば、アダプタは、封止又は密閉され得るが、ガス供給源と接続される場合には、封止部は、ガス供給源から容器へのガスの流れが提供されるように、除去又は貫通される。ガス漏れを回避するために、ガス圧入口開口部、アダプタ、ガスチューブ及び/又はガス供給源のアセンブリが封止されることが好ましい。
【0031】
本発明による飲料容器は、ガス、好ましくは二酸化炭素がガス源から送り込まれ得るガスチューブを受けるガス圧入口開口部を有し、前記ガスチューブが気密及び液密の態様で飲料容器と接続されることが好ましい。
【0032】
混同を避けるため、及び、安全上の理由のために、ガスチューブの直径は、飲料供給チューブの直径とは異なることが好ましい。飲料供給チューブ及びガスチューブの端部開口部は、同様に、異なる直径を有し得る。加えて、又は、代わりに、ガスチューブは、飲料供給チューブがガス圧供給源と接続され得ないように、飲料供給チューブのアダプタのフィットとは異なるフィットでガス圧供給源と接続するためのアダプタを有し得る。
【0033】
本発明による飲料容器は、ガスチューブ及び/又はガス圧供給チューブが、ガスに対して透過性であるとともに飲料に対して非透過性である少なくとも1つの膜、及び/又は、ガスの流れに対して開口するとともに飲料の流れを止める少なくとも1つのバルブ、好ましくは一方向絞りバルブを有するように、更に改良され得る。
【0034】
特に、家庭用電気器具に対しては、衛生上の要求が厳格である。それ故、飲料供給チューブが、飲料容器の不可欠な部分であり得、使用後に簡単に処分できることが、本発明の飲料容器の改良である。
【0035】
しかしながら、飲料が、簡単に処分できないガス源のガス圧供給チューブを汚染し得ることが依然として危険である。ガス源のガス圧供給チューブの汚染を回避するため、及び、衛生上の要求に適合させるために、ガス開口部、飲料容器のガスチューブ、及び/又は、ガス圧供給チューブは、飲料の汚染を防止するために、上述したバルブ及び/又は膜を有することが好ましい。
【0036】
飲料容器が飲料を保持する内側袋部を有する場合において、飲料出口開口部が飲料と接触するように設けられ、ガス圧が飲料容器の内壁と内側袋部の外壁との間に排出され得るように第1のガス圧入口開口部が飲料に接触しないように設けられる。オプション的に、第2のガス圧入口開口部は、ガス圧が飲料に送り込まれ得るように、内側袋部内の飲料と接触するように設けられ得る。
【0037】
しかしながら、飲料供給チューブも、ガス圧入口チューブも、気密及び液密の態様で内側袋部と接続されなければならない。
【0038】
本発明によれば、使用の間、即ち、飲料が顧客に提供される時点で、紙ベースの容器が、外部のガス源のガス圧供給ラインと接続される。更に、飲料供給チューブは、タッピングデバイスを介して導かれる。それ故、飲料は、ガス圧により飲料容器又は内側袋部から外へ送り出される。飲料容器又は内側袋部の内部の飲料の容量損失は、空気が飲料容器又は内側袋部に入り込むことができないように、ガスと置き換えられる。
【0039】
例えば、タッピングデバイスのハンドルの動作は、ガスの流れがハンドルの動作に依存して開始又は停止されるように、ガス圧を作動させ得る。更に、ハンドルは、閉状態においては空気が飲料に到達しない、即ち飲料を汚染せず、飲料供給チューブが開の時にだけ飲料が供給され得るように、飲料供給チューブの閉及び/又は開を作動させる。更に、詳細に以下に述べられる飲料供給チューブは、空気の流れが紙ベースの容器又は前記紙ベースの容器の内側袋部の内部の飲料に到達することを防止するバルブを有し得る。
【0040】
この構成の利点は、飲料、例えばビールが、長期間に渡って新鮮さ及び旨みを維持し、空気により悪影響が及ぼされないことである。
【0041】
低炭酸飲料、好ましくは低炭酸ビールは、CO源のような外部のガス源により炭酸化され得る。好ましくは、COは、飲料容器に送り込まれ、及び/又は、COは、飲料供給チューブに送り込まれる。
【0042】
本発明による飲料容器は、ポリオレフィン(polyolefinic)ポリマ層及び好ましくはポリエチレン層を有するグループから選択され得るポリマ層を有する。
【0043】
本発明による飲料容器は、内部のガス圧に対して更に安定化され得る。例えば、ちぎれ防止(tear-proof)弾性ポリマ層が飲料容器壁の内側層として設けられ得る。前記ティアプルーフ弾性ポリマ層は、層が、僅かに伸縮自在であり、約50℃に加熱される場合に低炭酸飲料の容量膨張に耐える、即ち、本発明による紙ベースの容器が漏れやすくならないように選択され得る。
【0044】
更に、使用時点で容器内部の低炭酸飲料の炭酸濃度を増大させるために、紙ベースの容器は、少なくとも1つの圧力制御バルブを有し得る。圧力制御バルブは、飲料供給チューブの内側及び/又はガス供給ラインに配置され得る。しかしながら、圧力制御バルブは、飲料の炭酸濃度が損失なく又は如何なる顕著な損失なく増大され得るように設けられるべきである。更に、圧力制御バルブが飲料供給ラインに設けられる場合には、ハンドルの動作は、前記バルブの開又は閉を作動させるだろう。即ち、飲料を注ぐために前記バルブが開けられ、ハンドルが閉の位置に移動される場合に閉じられる。好ましくは、ハンドルの下降動作がバルブを開け、ハンドルの上昇動作が飲料供給チューブとも呼ばれる飲料供給ラインのバルブを閉じる。
【0045】
本発明の更なる実施形態は、本発明による紙ベースの容器を含む低炭酸飲料を受ける飲料分配デバイスに関する。
【0046】
本発明による飲料分配デバイスは、ハウジングを有し、籠部が、本発明による飲料容器を予め固定された位置で受け、固定し及び保持するために前記ハウジング内に配置され、前記飲料分配デバイスは、飲料を注ぐためのタッピングデバイスと、外部のCO源とを有し、低炭酸飲料で満たされた前記飲料容器は、前記ハウジング内に配置可能であり、前記タッピングデバイスと接続可能である。
【0047】
ハウジングが、冷却装置として機能し、及び/又は、ハウジングが、絶縁体を有することが好ましい。
【0048】
しかしながら、絶縁体は、ビールが予め冷却される場合に能動冷却への代替であってもよい。本発明による密閉飲料分配デバイスの絶縁体は、0℃の開始温度の本発明による500ml充填された紙ベースの飲料容器の飲料温度を、23℃の室温で少なくとも3時間の間>0℃から≦6℃に維持し得るように選択され得る。
【0049】
衛生上の理由のために、飲料供給チューブは、飲料がタッピングデバイスと直接接触しないように、タッピングデバイスを介して導かれる。タッピングデバイスは、飲料供給チューブの直径と比較して大きな直径、好ましくは少なくとも10%を有する開口部を有し得る。更に、タッピングデバイスは、飲料供給チューブの挿入を促進するために開けられ得る上部カバーを有し得る。代替案として、タッピングデバイスは、飲料供給チューブを受けるチャンネルを有し得る。
【0050】
タッピングデバイスは、ハンドルを有してもよい。ハンドルを下に移動することで、飲料供給チューブの開口をもたらし、上昇動作は、飲料供給チューブをきつく締め付けて、飲料の流れを止める。
【0051】
本発明による飲料分配デバイスは、熱電冷却ユニットを有し得る。熱電冷却ユニットは、好ましくは、飲料分配デバイスのハウジング内に配置される。好ましい熱電冷却ユニットは、ペルチェ要素であり得る。
【0052】
しかしながら、飲料容器内の飲料を冷却するのに必要な時間は、容器のサイズに依存してある程度時間がかかり得る。5lの容器に関して、内部の飲料を冷却するための時間は、少なくとも1時間かかり得る。
【0053】
それ故、低炭酸飲料の冷却時間を削減するために、本発明による飲料分配デバイスは、低炭酸飲料を含む飲料容器を冷却するためにハウジング内に配置される氷水又は冷水の槽を有することが好ましい。
【0054】
本発明によれば、飲料分配デバイスは、冷却液出口を有し得る。冷却液は、好ましくは水である。冷却液出口は、飲料分配デバイスの下側の壁部分に設けられ得、これは、冷却液の交換を促進する。冷却液出口は、給水栓の形式であり得る。
【0055】
本発明による密閉飲料容器は、低炭酸飲料を含む。それ故、約50℃での圧力は、比較的低く、従って、飲料容器が前記温度で格納される場合にダメージを受け得る得る危険性がない。
【0056】
しかしながら、飲料容器が飲料分配デバイスの内部に置かれてガス供給源に接続されるころには、低炭酸飲料の二酸化炭素の濃度は、使用時に増大される。籠部の利点は、容器の内部の増大した圧力による破損に対して容器を安定化し得ることである。飲料容器を安定化させるために飲料容器の外壁と籠部の内壁との間にスペースがなくなるように、籠部の容積が本発明による飲料容器に適合することが好ましい。これは、増大した圧力に耐えることができない飲料容器の危険性がなく、炭酸(CO)濃度が所望の量に増大され得るという利点をもつ。例えば、籠部は、本発明による飲料容器が全ての側部から安定化され得るように、移動可能な蓋を有し得る。
【0057】
更に、籠部は、高さを調節可能な底部を有し得る。これは、ガス供給チューブ及び/又は飲料供給チューブの長さを補正することなく、高さの異なる飲料容器の使用を可能にする。昇降可能な底部により、ハウジング内の飲料容器の高さ、即ち容量の差異が除去される。
【0058】
本発明の目的の追加の詳細、特徴、特性及び利点は、従属請求項に開示されている。図面、並びに、各図面及び例の以下の説明は、本発明による発泡デバイスの例となる好ましい実施形態により示される。
【0059】
図1は、低炭酸飲料を有する、ボール紙で構成された紙ベースの材料2の自立型密閉飲料容器1を示し、少なくとも1つの内部液体封止ポリマ層4が、紙ベースの材料に結合され、密閉飲料容器1が、飲料容器1のフレキシブルな外側部分と内部の堅い部分とをもつ飲料供給チューブ5を有する。前記飲料容器の上部には、飲料出口開口部6があり、飲料出口開口部6を通って、前記飲料供給チューブ5の下側の堅い部分7が内部の飲料容器1の底部8に延在し、前記チューブの上側のフレキシブルな部分が外部9に延在する。底部に延在する堅い内部部分をもつ飲料供給チューブの使用は、ほとんどの飲料が送り出され得るという利点を有する。しかしながら、全体的にフレキシブルな飲料チューブを用いることも可能である。飲料容器1は、少なくとも1つのガス圧入口開口部10を更に有する。空の段階における飲料容器1は、手で折り畳まれ得る。折り畳みプロセスを促進するために、紙ベースの飲料容器は、予め折り畳まれ、及び/又は、まとめられ得る。飲料は、飲料容器1に送り込まれるガス圧により、飲料供給チューブ5を介して供給され得る。チューブ5は、飲料が飲料容器1の飲料出口開口部6から漏れることがないように、気密及び液密の態様で飲料容器1と接続される。
【0060】
図2は、図1に示される箱(carton)で構成された紙ベースの材料2の自立型密閉飲料容器1を示しており、飲料容器1が飲料を保持するための内側袋部11を含む点が異なる。この内側袋部11は、圧力手段15により生成されたガス圧によりもたらされたフレキシブルな壁部の変形に基づいて容器から飲料を分配するための圧縮可能な変形可能な壁部を有する。ガス圧入口開口部10は、飲料容器1の上部の中央に配置される。これは、ガス圧入口開口部が、規定された位置を有し、容器が、予め決められた位置に調節される必要がないという利点を有する。例えば、ガス圧源ライン19のアダプタは、飲料分配デバイス12の蓋が閉められる時点でガス圧源のアダプタが飲料容器1のガス圧入口開口部10でのガス及び液体ラインをはめ込むように、規定された位置で飲料分配デバイス12の蓋(cover lid)内に設けられ得る。代替案として、ガス圧源15のアダプタは、紙ベースの飲料容器の上部の中央を通るタッピングデバイスの構成部分内に設けられ得る。飲料出口開口部6を通って飲料供給チューブ5が延在する飲料出口開口部6の位置は、ガス圧入口開口部10の近くに設けられ得る。フレキシブルな飲料供給チューブ5は、飲料出口開口部6の位置に対する規定された調節が決定的ではないように、タッピングデバイスを介して送り込まれなければならない。しかしながら、フレキシブルな飲料供給チューブ5の長さは、十分に長い必要がある。フレキシブルな飲料供給チューブ5の外端部は、堅くて、アーチ状の設計を有することが好ましい。これは、飲料供給チューブ5の端部を受けるためにそれぞれ形成される、タッピングデバイスの外端部における規定された調節を可能にする。飲料供給チューブ5のフレキシブルな部分は、飲料分配デバイス12の内部に緩く設けられ得る。
【0061】
図3は、本発明による飲料容器1を含む飲料を受けるためのハウジング13を備えた飲料分配デバイス12を示しており、飲料分配デバイス1は、飲料を分配するタッピングデバイス14と、外部のCO源15とを有する。更に、籠部16は、請求項1〜10に記載の飲料容器1を予め固定された位置に受ける、固定する及び保持するためにハウジング13内に配置される。ガス圧入口開口部10は、ガス圧入口開口部10を通ってガス、好ましくは二酸化炭素がガス源15から送り込まれ得るガス圧入口開口部10がガスチューブ19を受ける限りにおいて、ガス圧源15と接続可能である。飲料供給チューブ5は、飲料がタッピングデバイスと直接接触しないように、タッピングデバイス14を介して導かれ得る。ハウジング13は、冷却装置として機能する。例えば、ハウジングの内部において、氷槽17は、飲料の冷却を改良及び固定するために配置され得る。チラープレートは、約0℃から6℃の所望の温度に飲料を冷却するための時間が、本発明による飲料容器を囲む氷槽と比較して長すぎるという欠点をもつ。飲料分配デバイス12は、水等の冷却液の変更を促進するために、飲料分配デバイス12の下側の壁部に冷却液出口開口部(図示省略)を有する。
【0062】
図4は、籠部16が調節可能な底部18をもつという差異を伴う、図3に示された飲料分配デバイス12を示しており、従って、飲料容器1の高さの差異がハウジング13内において滑らかになり得る。
【0063】
上記で詳述した実施形態における要素及び特徴の特定の組み合わせは、単なる例示である、即ち、これ及び参照により組み込まれた特許/出願における他の技術でのこれらの技術の交換及び置換も明確に意図される。当業者が理解するように、ここで述べられたもののバリエーション、変更及び他の実行は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく生じ得る。従って、上記の説明は、単なる例示によるものであり、限定することを意図するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びそれと同等のものにおいて規定される。更に、説明及び特許請求の範囲で用いられた参照符号は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低炭酸飲料を入れるための、紙ベースの材料の自立型飲料容器であって、
当該飲料容器は、
前記紙ベースの材料に結合された少なくとも1つの内部液体封止層、及び/又は、
飲料を保持する内側袋部であって、圧力手段により生成されたガス圧によりもたらされたフレキシブルな壁部の変形に基づいて当該容器から飲料を分配するための圧縮可能な少なくとも変形可能な壁部をもつ前記内側袋部を有し、
当該飲料容器は、
少なくとも1つのフレキシブルな部分をもつ少なくとも1つの飲料供給チューブと、
少なくとも1つの飲料出口開口部であって、前記飲料出口開口部を通って、前記飲料供給チューブの下側部分が内側の当該飲料容器の底部に延在するとともに前記チューブの上側部分が外方へ延在する前記少なくとも1つの飲料出口開口部と、
少なくとも1つのガス圧入口開口部とを有し、
当該自立型飲料容器は、空の段階において、手で折り畳み可能であり、飲料は、当該飲料容器に送り込まれたガス圧により前記飲料供給チューブを介して供給可能であり、前記チューブは、飲料が当該飲料容器の飲料出口開口部から漏れ得ないように、気密及び液密の態様で当該飲料容器と接続される、自立型飲料容器。
【請求項2】
前記飲料供給チューブ、前記ガス圧入口開口部、及び/又は、ガスチューブは、これらの外側端部開口部で密閉され、及び/又は、これらの外側端部開口部に封止手段を有し、
前記封止手段は、開口するために除去され、切断され、貫通され、及び/又は、ねじ込まれるべきものである、請求項1に記載の自立型飲料容器。
【請求項3】
前記ガス圧入口開口部がガスチューブを受け、前記ガスチューブを通って、ガス、好ましくは二酸化炭素がガス源から送り込まれ得、前記ガスチューブは、気密及び液密の態様で当該自立型飲料容器と接続される、請求項1又は請求項2に記載の自立型飲料容器。
【請求項4】
前記ガス圧入口開口部は、ガス圧供給チューブが接続され得る接続要素を有し、好ましくは、前記接続要素は、ねじ込み式、スナップ式、及び/又は、押し込み式の締結部を有する、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器。
【請求項5】
前記ガスチューブ及び/又はガス圧供給チューブは、
前記ガスに対して透過性であるとともに前記飲料に対して非透過性である少なくとも1つの膜、及び/又は、
ガスの流れに対して開口し、飲料の流れを停止する少なくとも1つのバルブであって、好ましくは一方向絞りバルブである前記少なくとも1つのバルブを有する、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器。
【請求項6】
当該自立型飲料容器が飲料を保持するための内側袋部を有する場合において、前記飲料出口開口部が前記飲料と接触するように設けられ、ガス圧が当該自立型飲料容器の内壁と前記内側袋部の外壁との間に排出され得るように第1のガス圧入口開口部が前記飲料に接触しないように設けられ、オプション的に、ガス圧が前記飲料に送り込まれ得るように、第2のガス圧入口開口部が前記内側袋部内の飲料と接触するように設けられる、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器。
【請求項7】
当該自立型飲料容器又は前記内側袋部に入れられた前記飲料は、>0g/l及び≦1.5g/lのCO濃度を伴う低炭酸飲料、又は、非炭酸飲料であり、好ましくは、前記飲料は、低炭酸のビールである、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器。
【請求項8】
前記飲料は、外部CO源により炭酸化され、好ましくは、前記COは、当該自立型飲料容器に送り込まれ、及び/又は、前記COは、前記飲料供給チューブに送り込まれる、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器。
【請求項9】
前記飲料供給チューブの前記端部開口部は、前記ガスチューブの直径とは異なる直径をもつ、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器。
【請求項10】
ポリマ層は、ポリオレフィンポリマ層、好ましくはポリエチレン層を有するグループから選択される、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器。
【請求項11】
ハウジングを備えた飲料分配デバイスであって、
籠部が、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の自立型飲料容器を予め固定された位置で受け、固定し、及び、保持するために前記ハウジング内に配置され、
当該飲料分配デバイスは、
飲料を注ぐためのタッピングデバイスと、
外部のガス圧源、好ましくはCOのガス圧源とを有し、
前記自立型飲料容器は、前記ハウジング内に配置可能であり、前記ガス圧源及び前記タッピングデバイスと接続可能である、飲料分配デバイス。
【請求項12】
前記ハウジングが冷却装置として機能し、及び/又は、前記ハウジングが絶縁体を有する、請求項11に記載の飲料分配デバイス。
【請求項13】
前記飲料供給チューブは、飲料が前記タッピングデバイスと直接接触しないように、前記タッピングデバイスを介して導かれる、請求項11又は請求項12に記載の飲料分配デバイス。
【請求項14】
前記ハウジング内に配置された熱電冷却ユニットを有し、前記熱電冷却ユニットは、好ましくはペルチェ要素である、請求項11〜13のうちいずれか一項に記載の飲料分配デバイス。
【請求項15】
氷水又は冷水の槽が、前記自立型飲料容器を冷却するために前記ハウジング内に配置される、請求項11〜14のうちいずれか一項に記載の飲料分配デバイス。
【請求項16】
前記籠部は、自立型飲料容器の高さの差異が前記ハウジング内において除去され得るように、調節可能な底部を有する、請求項11〜15のうちいずれか一項に記載の飲料分配デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−527863(P2010−527863A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509936(P2010−509936)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052071
【国際公開番号】WO2008/146240
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】