説明

体動検出装置

【課題】装着状態において歩数が使用者以外の第三者によって視認されることのない小型の歩数計を提供する。
【解決手段】歩数計100Aは、本体部110とベース部120部とが回動自在に連結されてなるものであって、体動を検出するための体動検出センサと、本体部110の露出表面に設けられ、体動検出センサによって検出された歩数を表示するための表示部116と、ベース部110に対する本体部110の相対的な位置変化を検出するための位置変化検出手段としてのマイクロスイッチ166aとを備え、マイクロスイッチ166aのオン/オフ動作に連動して表示部116における歩数の表示および非表示の別が切り換えられるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着衣等に装着されることによって身体の体動を検出する体動検出装置に関し、より特定的には、身体の体動を検出することによって歩数をカウントすることが可能な歩数計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着衣等に装着することによって身体の体動を検出し、これにより歩数を計測する歩数計が知られている。この歩数計においては、身体の体動を検出する体動検出手段としての体動検出センサが利用される。体動検出センサとしては、圧電素子を利用したものや振り子を利用したもの等が知られている。
【0003】
通常、歩数計においては、計測した歩数を表示するための表示部が設けられる。また、近年の歩数計にあっては、単に歩数を表示するのみでなく、この歩数から算出される各種の情報、たとえば歩行距離や消費カロリー量等が表示部において表示されるものも少なくない。さらには、上述の如く歩数やこの歩数から算出される他の情報以外の情報、たとえば時刻情報等を表示部において表示する歩数計もみられる。
【0004】
実開昭63−130862号公報(特許文献1)には、本体部の背面に着衣(特にベルト等)に装着するための引っ掛け部が設けられ、本体部の前面の露出表面に表示部が設けられた歩数計が開示されている。当該歩数計においては、引っ掛け部に対して本体部が回動するようにヒンジ機構が設けられており、表示部が設けられた前面が上方を向くように本体部を回動させることにより、歩数計を着衣から取り外すことなく表示部が容易に視認できるように構成されている。
【0005】
しかしながら、上述した歩数や歩数から算出される他の情報(以下、これらを含めて体動情報という。)は個人的な情報であり、他人(使用者以外の第三者)に見られることを嫌う使用者も多い。そのため、外出時等において歩数計を使用することを躊躇する場合も少なくない。そこで、歩数計を着衣に装着した状態において表示部が他人によって視認されないようにするために、表示部を蓋体等によって覆う構成を採用した歩数計が考案されている。このような歩数計が開示された文献としては、たとえば特開昭62−88082号公報(特許文献2)や特開2003−57068号公報(特許文献3)等がある。このような構成を採用すれば、蓋体で表示部を覆っている限りにおいては各種情報が他人によって視認される心配がなく、安心して歩数計を使用することができる。
【特許文献1】実開昭63−130862号公報
【特許文献2】特開昭62−88082号公報
【特許文献3】特開2003−57068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように表示部を覆う蓋体を本体部に設けた場合には、蓋体の分だけ本体部の厚みが増し、装置が大型化してしまう問題が生じる。歩数計は着衣に装着されて使用される装置であるため、装置の大型化は大きなデメリットとなってしまう。
【0007】
また、表示部において表示される情報のうち時刻情報に代表されるような歩数とは関連しない情報は、他人に視認されても支障はない。さらには、非装着状態において時刻情報のみを使用者が視認したい場合もある。しかしながら、上述のように表示部を覆う蓋体を本体部に設けた場合には、使用者が歩数とは関連しない時刻のみを確認するに際しても蓋体を操作して表示部を露出させる必要があり、使い勝手が非常に悪くなってしまうという問題も有している。
【0008】
そこで、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、装着状態において体動情報が使用者以外の第三者によって視認されることのない小型の体動検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に基づく体動検出装置は、本体部と装着部とが回動自在に連結されてなるものであって、体動を検出するための体動検出手段と、上記本体部の露出表面に設けられ、上記体動検出手段によって検出された体動情報を表示するための表示手段と、上記装着部に対する上記本体部の相対的な位置変化を検出するための位置変化検出手段と、上記位置変化検出手段によって検知された情報に基づいて上記表示手段による上記体動情報の表示および非表示の別を切り換える切換手段とを備える。
【0010】
このように構成することにより、位置変化検出手段によって検知された情報に基づいて本体部に設けられた表示手段における体動情報の表示の有無を切り換えることが可能になる。したがって、使用者が表示手段を視認しない場合においては体動情報が表示されないようにし、使用者が表示手段を視認しようとして本体部を装着部に対して回動させた状態においてのみ体動情報が表示されるように構成することが可能になるため、装着状態において体動情報が使用者以外の第三者によって視認されることのない体動検出装置とすることができる。また、表示手段を覆うような蓋体を別途設ける必要もなく、体動検出装置を小型にかつ薄型に構成することが可能になる。
【0011】
上記本発明に基づく体動検出装置にあっては、上記位置変化検出手段が、上記装着部に対する上記本体部の回動角度を検出することにより上記装着部に対する上記本体部の相対的な位置変化を検出する手段であってもよく、また上記装着部に対して上記本体部が予め定められた特定の角度以上に回動したか否かを検出することにより上記装着部に対する上記本体部の相対的な位置変化を検出する手段であってもよい。このように構成すれば、確実に装着部に対する本体部の回動による位置変化を検出することができるようになる。
【0012】
また、上記本発明に基づく体動検出装置にあっては、上記表示手段が上記体動情報以外の情報である非体動情報を表示することが可能であってもよく、その場合には、上記表示手段が上記装着部に対する上記本体部の相対的な位置変化の有無に関わらず上記非体動情報を常時表示するように構成されていることが好ましい。このように構成すれば、非体動情報を常に表示部において表示させておくことが可能になるため、使い勝手のよい体動検出装置とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装着状態において体動情報が使用者以外の第三者によって視認されなることのない小型の体動検出装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、体動検出装置として、使用者の腰部に装着されることが企図された歩数計を例示して説明を行なう。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における歩数計を使用者が装着した状態を示す模式図である。本実施の形態における歩数計100Aは、着衣に装着されることが企図されたものであり、具体的には、図1に示すように使用者200の腰部201に巻き回したベルト210に取付けたり、あるいはズボンやスカート等の衣服に取付けたりすることが企図された歩数計である。歩数計100Aは、装着した状態において使用者200の腰部201から必要以上に前方に向かって突出し使用者の邪魔とならないように、その外形が扁平な形状にすなわち薄型に構成されている。なお、当該装着状態において歩数計100Aに設けられた体動検出手段としての体動検出センサ150(図6参照)は、その検出軸方向が鉛直方向にほぼ合致するように配設されている。ここで、体動検出センサ150の検出軸方向とは、体動検出センサ150によって最大感度で体動が検出可能な方向を意味している。
【0016】
図2ないし図5は、本実施の形態における歩数計の外観構造を示す図である。ここで、図2は、本実施の形態における歩数計を前方右斜め上方から見た場合の斜視図であり、図3は、後方右斜め上方から見た場合の斜視図である。また、図4は、本実施の形態における歩数計を右側方から見た場合の側面図であり、図5は、上方から見た場合の平面図である。図2ないし図5に示すように、本実施の形態における歩数計100Aは、本体部110と、装着部としてのベース部120およびクリップ部130とを主に備えている。
【0017】
本体部110は、正面視円形状の扁平な形状の外形を有しており、その前面に表示部116が、その周面に各種ボタン117a〜117cがそれぞれ設けられている。表示部116は、体動検出センサ150によって検出された体動情報を表示するための表示手段であり、好適には液晶表示パネル(LCD)によって構成される。各種操作ボタン117a〜117cは、電源を投入するための電源ボタンやカウンターをリセットするためのリセットボタン、各種設定を行なうための設定ボタン等に代表されるものであり、使用者の操作を受けつけることによって各種処理動作等を実行するための操作部117(図6参照)を構成する。
【0018】
本体部110の内部には、上述の体動検出センサ150やこの体動検出センサ150から出力される信号に基づいて各種処理動作を行なう処理回路等が設けられた回路基板、これら処理回路に電源を供給するための電池164(図6参照)等が収容されている。また、本体部110の背面には、ベース部120を収容するための凹部が設けられている。
【0019】
ベース部120は、中央部に開口を有する略円板状の部材にて構成されており、後方に向かって突出する一対の連結部121をその背面の所定位置に有している。連結部121は、後述するクリップ部130に設けられた連結部131と連結される部位であり、その所定位置に回動軸124を有している。また、ベース部120の上部には、上方に向かって突出する舌状部122が設けられている。本体部110とベース部120とは、この舌状部122に設けられた回動軸123によって回動自在に連結されている。これにより、本体部110は、ベース部120が本体部110の背面に設けられた凹部内に収容された非回動状態と、ベース部120から遠ざかる方向に向けて回動した回動状態とをとることになる。なお、非回動状態においては、ベース部120の前面と本体部110の前面とが略平行に配置された状態にあり、本体部110の前面に設けられた表示部116は、使用者から見て前方に向かって露出して位置することになる。
【0020】
クリップ部130は、中央部に開口を有する略円板状の部材にて構成されており、前方に向かって突出する一対の連結部131をその前面の所定位置に有している。連結部131の所定位置には、上述のベース部120の連結部121に設けられた回動軸124を受け入れる穴134が設けられており、この穴134に回動軸124が差し込まれることにより、ベース部120とクリップ部130とが回動可能に連結されている。なお、ベース部120とクリップ部130との間には、これらベース部120とクリップ部130とを近づける方向に付勢する図示しないコイルバネが設けられており、このコイルバネの付勢力によってベルト等の着衣がベース部120とクリップ部130とによって挟み込まれて保持されることになる。
【0021】
本実施の形態における歩数計100Aは、ベース部120に対する本体部110の位置変化を検出するための位置変化検出部166(図6参照)を有している。具体的には、図4および図5に示すように、ベース部120の前面に設けられたマイクロスイッチ166aが位置変化検出手段として利用される。マイクロスイッチ166aは、本体部110が非回動状態にある場合において本体部110の背面によって図中矢印A方向に向けて押し込まれるように構成されている。
【0022】
図6は、本実施の形態における歩数計の機能ブロックを示すブロック図である。図6に示すように、本実施の形態における歩数計100Aは、上述の体動検出センサ150、表示部116、操作部117、電池164および位置変化検出部166の他に、アンプ部160、フィルタ部161、CPU(Central Processing Unit)162、メモリ部163および定電圧回路165を有している。
【0023】
アンプ部160は、体動検出センサ150から出力される電気信号を増幅するための回路からなる。フィルタ部161は、アンプ部160から出力された増幅後の電気信号に含まれるノイズを除去するための回路からなる。CPU162は、フィルタ部161から出力された電気信号を用いて各種演算を行なうことによって歩数を計数する演算回路162aと、位置変化検出部166から出力された電気信号を用いて表示部116において体動情報を表示すべきかそれとも非表示とすべきかを判断し、その判断結果に基づいて表示部116における体動情報の表示/非表示を切り換える切換手段としての切換回路162bとを含む。また、CPU162は、表示部116に測定結果等の各種情報を表示する指令を出したり、操作部117から入力された指令を実行する。メモリ部163には、各種演算処理を行なうためのプログラムが格納されている。電池164は、CPU162に電力を供給するための電源である。定電圧回路165は、電池164から供給される電源電圧を安定化させるための回路である。
【0024】
図7および図8は、本実施の形態における歩数計においてベース部から本体部を遠ざける方向に向けて回動させた状態を示す図であり、図7は当該状態における側面図、図8は斜視図である。以下においては、これらの図を参照して、本実施の形態における歩数計100Aにおける表示部116の表示動作について詳説する。
【0025】
上述のように、本実施の形態における歩数計100Aは、ベース部120に対して本体部110が回動した際に生じる本体部110の位置変化を検出するマイクロスイッチ166aを有している。図7に示すように、マイクロスイッチ166aは、非押し下げ状態において所定の距離だけ前方(図中矢印B方向)に向かって突出しており、この状態においてマイクロスイッチ166aはオフ状態にある。一方、上述したように、マイクロスイッチ166aは、押し下げ状態においてベース部120の内部に押し込まれ、この状態においてマイクロスイッチ166aはオン状態にある(図4および図5参照)。
【0026】
図7に示すように、マイクロスイッチ166aが非押し下げ状態にある場合には、本体部110のベース部120に対する回動によって本体部110の前面は上方に向かって面することになり、この本体部110の前面に設けられた表示部116は上方に向かって露出することになる。したがって、使用者による表示部116の視認が可能となり、表示部116において体動情報が表示されていれば使用者が歩数計100Aを着衣から取り外すことなく体動情報を視認できることになる。
【0027】
マイクロスイッチ166aから出力される信号は、図6に示すCPU162に入力され、この信号に基づいてCPU162に設けられた切換回路162bにおいて表示部116における体動情報の表示の有無が決定される。そして、CPU162は、表示部116に対する体動情報の表示の有無に関する指令信号を生成し、これを表示部116に対して出力することによって表示部116における体動情報の表示の有無が切り換えられる。
【0028】
ここで、体動情報とは、体動検出センサ150によって検出された体動に基づいてカウントされる歩数と、この歩数に基づく関数として算出される情報とを含むものであり、歩数に基づいて算出される情報としては歩行距離や消費カロリー量等が含まれる。ここで、図8に示すように、体動情報である歩数は表示部116においてたとえば符号116aで示すように数値で表示されたり、あるいは符号116bで示すようにグラフで表示される。また、体動情報以外の情報である時刻情報は符号116cで示すようにたとえば数値等によって表示される。なお、時刻情報等に代表される体動情報以外の情報は、マイクロスイッチ166aによって検出される本体部110のベース部120に対する位置変化とは無関係に常時表示されることとしてもよいし、体動情報と同じく上記本体部110の位置変化に応じてその表示の有無が切り換えられてもよい。
【0029】
本実施の形態における歩数計100Aにおいては、図7に示すように、ベース部120に対する本体部110の回動量の大小により、非表示状態と表示状態とに表示部116が切り換えられる。すなわち、マイクロスイッチ166aの非押し下げ状態における突出量を予め調節しておくことにより、表示部116における体動情報の非表示状態が維持される非表示範囲と、表示部116における体動情報の表示状態が維持される表示範囲とが決定される。すなわち、本実施の形態の如く位置変化検出手段としてマイクロスイッチ166aを利用すれば、ベース部120に対して本体部110が予め定められた特定の角度以上に回動したか否かによって表示部116における体動情報の表示/非表示が切り換えられることになり、その閾値となる角度はマイクロスイッチ166aの非押し下げ状態における突出量やマイクロスイッチ166aの設置位置を変更することによって適宜調節可能である。
【0030】
以上のように構成することにより、マイクロスイッチ166aによって本体部110のベース部120に対する相対的な位置変化を検出することが可能になり、この位置変化情報に基づいて本体部110に設けられた表示部116における体動情報の表示の有無を切り換えることが可能になる。したがって、使用者が表示部116を視認しない場合においては体動情報が表示されないようにし、使用者が表示部116を視認しようとして本体部110をベース部120に対して回動させた状態においてのみ体動情報が表示されるように構成することが可能になるため、装着状態において体動情報が使用者以外の第三者によって視認されることのない歩数計とすることができる。
【0031】
また、従来必要であった表示部116を覆う蓋体を別途本体部110に設ける必要もなくなるため、歩数計100Aを小型にかつ薄型に構成することが可能になる。さらには、従来必要であった表示部116を覆う蓋体が不要になるため、時刻情報に代表されるような歩数とは関連しない情報については蓋体を開ける動作を必要とせずに常に視認可能である。したがって、使い勝手が非常のよい歩数計とすることができる。
【0032】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における歩数計においてベース部から本体部を遠ざける方向に向けて回動させた状態を示す側面図である。なお、上述の実施の形態1における歩数計100Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さないものとする。
【0033】
図9に示すように、本実施の形態における歩数計100Bは、上述の実施の形態1における歩数計100Aと同様に、本体部110がベース部120に対して回動自在に取付けられている。本実施の形態における歩数計100Bにおいては、上述の実施の形態1における歩数計100Aにおいて位置変化検出手段として利用されていたマイクロスイッチ166aに代えて、磁石166b1および磁気センサ166b2からなる磁気スイッチが利用されている。図9に示すように、磁石166b1は、ベース部120の下端位置に設けられており、磁気センサ166b2は、本体部110の上記ベース部120に設けられた磁石166b1に対応する下端位置に設けられている。
【0034】
このように構成した場合には、ベース部120に対して本体部110が回動した際に生じる本体部110の位置変化が、磁石166b1および磁気センサ166b2からなる磁気スイッチによって検出されることになる。すなわち、磁石166b1から出力される磁束が磁気センサ166b2によって所定値以上の大きさで検出される範囲においては、表示部116における体動情報の表示が不要である非表示範囲に本体部110あることが検出され、磁石166b1から出力される磁束が磁気センサ166b2によって所定値未満の大きさで検出される範囲においては、表示部116における体動情報の表示が必要である表示範囲に本体部110があることが検出される。したがって、磁気センサ166b2によって本体部110のベース部120に対する相対的な位置変化を検出することが可能になり、この位置変化情報に基づいて本体部110に設けられた表示部116における体動情報の表示の有無を切り換えることが可能になる。
【0035】
上述の実施の形態1および2においては、位置変化検出手段として、マイクロスイッチや磁気スイッチを利用した場合を例示して説明を行なったが、この他にも種々のスイッチを利用することができる。
【0036】
たとえば、上述の実施の形態1および2における位置変化検出手段と同様に、ベース部に対して本体部が予め定められた特定の角度以上に回動したか否かを検出することによってベース部に対する本体部の相対的な位置変化を検出するものとしては、たとえば光電スイッチの利用が考えられる。光電スイッチとして透過型のものを利用する場合には、本体部のベース部に対面する部分に凹部を設け、ベース部の本体部に対面する部分に当該凹部に非回動状態において挿入される凸部設け、上記凹部を横切って光ビームが照射されるように光電スイッチの投光部および受光部を本体部に設けることにより、これら投光部および受光部からなる光電スイッチによって本体部の回動の有無を検出することが可能になる。
【0037】
また、位置検出手段として上記のものの他に、ベース部に対する本体部の回動角度を検出することによってベース部に対する本体部の相対的な位置変化を検出するものの利用も考えられる。このような手段としては、たとえば加速度センサを用いた回転角センサやデジタルメジャー等の利用が可能である。これら回転角センサやデジタルメジャーは、ベース部と本体部とを連結するヒンジ機構に組み込まれ、本体部のベース部に対する回動角度を検出し、この回動角度の大小に基づいて表示部における体動情報の表示および非表示の別を切り換える。
【0038】
また、上述の実施の形態1および2においては、ベース部に対する本体部の回動角度が所定の大きさ以上となった場合に表示部における体動情報の表示および非表示の別を切り換えるように構成した場合を例示して説明を行なったが、本体部が非回動状態にない場合のすべて、すなわち僅かでも本体部が回動した状態において表示部における体動情報の表示を行なうように構成してもよい。その場合には、歩行動作に伴う振動によって本体部が回動しないようにするために、ベース部に対して本体部をロック/アンロックすることが可能なロック機構を設けることが好ましい。
【0039】
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1における歩数計を使用者が装着した状態を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1における歩数計の外観構造を示す前方右斜め上方から見た場合の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1における歩数計の外観構造を示す後方右斜め上方から見た場合の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1における歩数計の外観構造を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における歩数計の外観構造を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における歩数計の機能ブロックを示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態1における歩数計においてベース部から本体部を遠ざける方向に向けて回動させた状態を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における歩数計においてベース部から本体部を遠ざける方向に向けて回動させた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2における歩数計においてベース部から本体部を遠ざける方向に向けて回動させた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0041】
100A〜100B 歩数計、110 本体部、116 表示部、116a,116b 歩数表示、116c 時刻表示、117 操作部、117a〜117c 操作ボタン、120 ベース部、121 連結部、122 舌状部、123,124 回動軸、130 クリップ部、131 連結部、134 穴、150 体動検出センサ、160 アンプ部、161 フィルタ部、162a 演算回路、162b 切換回路、163 メモリ部、164 電池、165 定電圧回路、166 位置変化検出部、166a マイクロスイッチ、166b1 磁石、166b2 磁気センサ、200 使用者、201 腰部、210 ベルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と装着部とが回動自在に連結されてなる体動検出装置であって、
体動を検出するための体動検出手段と、
前記本体部の露出表面に設けられ、前記体動検出手段によって検出された体動情報を表示するための表示手段と、
前記装着部に対する前記本体部の相対的な位置変化を検出するための位置変化検出手段と、
前記位置変化検出手段によって検知された情報に基づいて前記表示手段による前記体動情報の表示および非表示の別を切り換える切換手段とを備えた、体動検出装置。
【請求項2】
前記位置変化検出手段は、前記装着部に対する前記本体部の回動角度を検出することにより前記装着部に対する前記本体部の相対的な位置変化を検出する手段である、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項3】
前記位置変化検出手段は、前記装着部に対して前記本体部が予め定められた特定の角度以上に回動したか否かを検出することにより前記装着部に対する前記本体部の相対的な位置変化を検出する手段である、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記体動情報以外の情報である非体動情報を表示することが可能であり、前記装着部に対する前記本体部の相対的な位置変化の有無に関わらず前記非体動情報を常時表示する、請求項1から3のいずれかに記載の体動検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−307218(P2007−307218A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140291(P2006−140291)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】