説明

体外血液処理装置のためのフィルタをチェックするための装置及び方法

本発明は、体外血液処理装置のためのフィルタを、特に、体外血液処理装置のための透析流体を濾過するためのフィルタ(13,14)をチェックするための装置及び方法に係る。本発明に係るフィルタの監視は、フィルタの半透膜を通る横方向の流れとフィルタの前記半透膜に沿った縦方向の流れとの間の電解質の流れ、特に、透析流体もしくは透過水の流れ方向の変更もしくはこれとは反対の変更の前後の流れの電位の測定に基づいている。この電解質の流れの変更により基準値Pから高い値Pもしくは低い値Pに導電率が変化する。この導電率は、所定の時間間隔T、Tの後に基準値P再度調節される。正常ではないフィルタの状態が、電解質の流れの流れ方向の変更の後の導電率の変化に基づいて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体外血液処理装置のためのフィルタを、特に、体外血液処理装置のための透析流体を濾過するためのフィルタをチェックするための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体外血液処置のための種々の方法が、知られている。血液透析(HD)では、患者の血液が、透析装置を有する体外血液回路中で浄化される。この透析装置は、半透膜によって互いに離間されている血液チャンバと透析流体チャンバとを有している。
【0003】
血液透析(HD)の場合では、透析流体が、前記血液流体チャンバを通って流れ、特定の物質が、透析流体と血液との間での拡散によって、膜を通って移送されるのに対して、血液濾過(HF)の場合では、透析流体は、透析装置の前記透析流体チャンバを通って流れない。血液濾過(HF)の場合では、特定の物質が、対流によって、前記フィルタの膜から効率的に取り除かれる。血液透析濾過(HDF)は、これら2つの方法の組み合わせである。
【0004】
前記体外血液回路に、透析装置、即ちフィルタの膜を介して、患者から取り出された流体の一部を、前記透析装置の上流もしくは下流で供給される無菌の補充流体(補充液(substituate))に取り替えることが、一般に知られている。透析流体が真水と濃縮物とからオンラインで用意され、且つ補充液が前記透析流体からオンラインで用意される体外血液処理のための装置が、知られている。前記補充液は、前記血液処理装置の透析流体システムから、前記透析装置の血液チャンバの上流もしくは下流の補充液ラインを介して、体外血液回路に供給される。
【0005】
有毒な物質(発熱物質)の、生じ得る透析流体への混入を防ぐために、透析流体が、透析流体が血液回路に供給される前に濾過される。この目的のために、既知の血液処理装置は、特別な発熱物質用のフィルタを有しており、このフィルタは、発熱物質のない血液透析液(透過水)を維持するために、バクテリア及びエンドトキシンの分解生成物を有効に保持する。
【0006】
上記既知の血液処理装置は、流体システム中に配置されている直列に接続された1つもしくは複数の発熱物質用のフィルタを一般に有している。このような発熱物質用のフィルタは、透析装置に類似した構造を有している。中空繊維束を有する発熱物質用のフィルタが、知られている。このような発熱物質用のフィルタは、毛管フィルタと称される。前記中空繊維束は、個々の繊維の開口部が前記束の両端面に自由に位置されるように、円筒形状のハウジング中に配置されている。前記中空繊維中の毛管は、フィルタの第1の側を形成しており、前記中空繊維間の中間の空間が、フィルタの第2の側を形成している。濾過は、繊維の方向に対して横方向の圧力差による、拡散によって行われる。
【0007】
発熱物質用のフィルタに、圧縮された空気による初期圧力テストを受けさせることが、可能である。この場合、フィルタは、バルブによって下流方向が閉じられており、加圧空気が、上流に与えられ、圧力がモニターされる。圧力が一定の時間に渡って変化されないままであると、フィルタが損なわれていないと想定される。圧力が減少した場合、圧縮された空気が通って逃げ得る漏れが前記繊維にあると判断され得る。
【0008】
前記既知の発熱物質用のフィルタは、一定の使用時間の後に、交換されなければならない。この場合の欠点は、実際には、発熱物質用のフィルタの交換間隔が、フィルタの実際の状態に関係なく予め厳格に設定されなければならないことである。従って、実際には、前記フィルタは、基本的に、交換されるのが早すぎるか遅すぎる。
【0009】
特許文献1は、フィルタを通過して流れる透析流体の質をモニターするために、一体的な導電率センサを備えた発熱物質用のフィルタを有する血液処理装置を開示している。しかしながら、この血液処理装置の単体では、フィルタの状態に関する情報が与えられ得ない。
【0010】
特許文献2は、発熱物質用のフィルタの石灰化を果たすための装置を有する血液処理装置を開示している。この装置は、フィルタの上流及び下流すために配置されているセンサを有している。これらセンサは、前記フィルタの半透膜を連続的に通過して流れる透析流体の導電率を測定する。
【0011】
特許文献3は、体外血液処理のための装置で使用済みフィルタの交換が正しく実施されたかをチェックするための装置を開示している。このフィルタの交換が正しく実施されたかのチェックは、プレッシャーホールドテスト(pressure-hold test)によって行われる。このテストでは、気体に対するフィルタの膜の透過率により、使用済みフィルタが新しいフィルタに交換されたと判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US2008/0203023A1
【特許文献2】WO2008/0089913A2
【特許文献3】DE19832451C1
【発明の概要】
【0013】
本発明の基礎となる課題は、体外血液処理装置のためのフィルタを、特に、透析流体を濾過するためのフィルタをチェックし、フィルタが正しく機能しているかを確実に確認するための装置を提供することである。本発明の更なる課題は、このような装置を備えた血液処理装置を使用可能にすることであり、フィルタをチェックするための方法を特定することである。
【0014】
本発明に従えば、このような課題の解決は、請求項1、10、12の特徴によって果たされる。本発明の有効な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0015】
フィルタをチェックするための、本発明に係る装置と本発明に係る方法とは、フィルタの半透膜を通過する横方向の流れと前記フィルタの半透膜に沿った縦方向の流れとの間での、電解質の流体、特に透過水(超純水)もしくは透析流体の流れの変更の前後における、流れの電位の測定に基づく。しかしながら、代わって、フィルタの半透膜に沿った縦方向の流れとフィルタの半透膜を通過する横方向の流れとの間での、変更の前後における、電解質の流体の流れの電位を測定することが可能である。原則として、横方向から縦方向への変更と、縦方向から横方向への変更との両方の間の導電率を測定することが可能である。
【0016】
導電率の測定による流れの電位の測定によって、フィルタの、特に発熱物質用のフィルタの完全な状態を非侵襲的にチェックすることが、可能となる。フィルタが使用された結果として、フィルタのエンドトキシンの保持率が、フィルタの微細孔の透過率の変化によって変化する。このことは、流れの電位の大きさの変化をもたらす。この流れの電位の大きさは、電解質濃度と、電解質の種類と、流量と、表面の極性と、フィルタの微細孔の幾何学形状とに依存する。
【0017】
電解質の流体の流れ方向の変更の後に、横方向及び縦方向の、即ち基準値から高い値、もしくは低い値へと進むフィルタの後に、導電率に変化が見られる。導電率は、所定の時間の間隔の後に、再び基準値に戻る。フィルタが正常に機能していない状態は、電解質の流体の流れ方向の変更の後の、導電率の変化に基づいて確認される。
【0018】
測定を実施するために、本発明に係る装置は、横方向から縦方向の流れと、縦方向から横方向の流れとの流れ方向の変更を発生させるための手段を有する。このような手段は、当業者に周知の流体ラインと遮断要素とを有し得、これらによって、電解質の流体が、膜に沿って、もしくは膜を通って流れる。更に、本発明に係る装置は、電解質の流体の流れ方向の変更の後の導電率の変化をモニターするためのコンピュータ評価ユニットを有している。このユニットは、フィルタの異常な機能状態が、電解質の流体の流れ方向の変更の後の導電率の変化に基づいて確認されるように、構成されている。
【0019】
導電率を測定するための手段は、フィルタの第1の側の下流に配置されている導電率センサを有し得るか、フィルタの第2の側の下流に配置されている導電率センサを有し得る。ここでは、フィルタの第1の側が、流体供給部が接続されている中空繊維の内部を構成しており、前記第2の側は、前記中空繊維の微細孔を通って濾過された流体が集まるための、透析装置のハウジングと前記中空繊維との間の領域を構成している。また、しかしながら、2つのセンサが設けられることが可能であり、これらセンサのうちの一方は、前記第1の側に配置されており、他方は、前記第2の側に配置されている。前記第1の側と前記第2の側との両方に導電率を測定するための2つのセンサを設ける代わりに、両測定のための電解質の流体が当業者に周知の流体ラインと遮断要素との配列を介して単一のセンサに供給される場合、単一の導電率センサを設けることも可能である。
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、横方向から縦方向への流れ方向の変更の後に、縦方向のフィルタの後の、電解質の流体の導電率の基準値から最大値への増加の値を確認すること、即ち、検出される導電率の増加の大きさを検出することを、提供する。導電率の増加の程度は、電解質の基準となる導電率と、膜の極性とに依存する。導電率の増加の値は、所定の閾値と比較され、前記値が前記所定の閾値より小さい場合に、フィルタの異常な機能状態が確認される。
【0021】
他の実施形態は、縦方向から横方向への流れの変化の後に、横方向のフィルタの後の、電解質の流体の導電率の変化をモニターすることを提供する。この場合、基準値から最低値への所定の値での導電率の減少が、検出され得る。導電率の減少の程度は、電解質の基準となる導電率と、膜の極性とに依存する。導電率の減少の値は、所定の閾値と比較され、前記値が前記所定の閾値より小さい場合に、フィルタの異常な機能状態が確認される。基本的に、2つの実施形態を互いに組み合わせることも可能であり、確認された測定値は、当業者に周知の方法によって、統計的に評価される。
【0022】
更なる他の実施形態は、基準値からの導電率の変化の値の確認の代わりに、導電率の変化時間での積分の決定を提供する。横方向から縦方向への流れの変化による導電率の増加の積分は、負担の保持(charge-retention)のために、縦方向から横方向への流れの変化による導電率の減少の積分と同じであることが、明らかである。
【0023】
22.導電率の変化の程度、もしくは時間での積分は、フィルタの半透膜の微細孔が使用時間の増加によって詰まる場合に減少することが、示されている。かくして、フィルタの最長の許容耐用年数は、所定の閾値によって、規定され得る。導電率の変化の値、もしくは時間での積分が所定の閾値より小さい場合、フィルタは取り替えられなければならない。前記所定の閾値は、前記コンピュータ評価ユニットのメモリーに保存され得る。前記閾値は、比較測定値によって、経験的に決定され得る。新しいフィルタが使用される時に所定の閾値を決定することが可能であり、この閾値は、新しいフィルタによって測定される導電率の増加の値の所定のパーセンテージ比率である。
【0024】
本発明に係る方法と、本発明に係る装置とによって、フィルタが交換されなければならない時を確認することが可能であるだけでなく、体外血液処理中で、前記流体ラインをショートするようにのみ機能し濾過効果を有していないダミーのフィルタが使用されているかどうかを確認することも可能である。ダミーのフィルタは、導電率の変化が検出されない場合に使用されていると、判断される。
【0025】
更に、フィルタの半透膜の完全な状態を、本発明に係る装置と本発明に係る手段とによって、チェックすることが可能である。流れ方向の変更の後に導電率の相当の増加が検出されない場合、前記半透膜に裂け目、即ち欠陥があると、断定され得る。複数のフィルタが透析流体を濾過するための体外血液処理装置にある場合、すべてのフィルタが、本発明に係る装置と本発明に係る方法とによって、正常な機能状態に関してチェックされ得る。また、2つのフィルタによって生じる導電率の変化を互いに比較して、他方のフィルタの状態と比較された一方のフィルタの状態に関する情報を提供することも、可能である。
【0026】
本発明の実施形態の複数の例は、図面を参照して以下に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、透析流体を濾過するためのフィルタをチェックするための装置を有する体外血液処理のための装置の主要な構成要素を、非常に単純化された概略図で示す図である。
【図2】図2は、横方向から縦方向へと、縦方向から横方向へとの流れ方向の変更の後に、フィルタの下流での透析流体の導電率の変化を示す図である。
【図3】図3は、透析流体を濾過するための毛管のフィルタの構造を示す図である。
【図4】図4は、発熱物質用のフィルタの複数の脱脂サイクルによる導電率の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、透析流体を濾過するための血液処理装置中にあるフィルタをチェックするための装置を有する、体外血液処理装置、特に血液透析濾過装置の主要な構成要素の単純化された概略図を示している。
【0029】
この血液透析濾過装置は、透析装置1を有しており、この透析装置1は、血液が貫通するように流れる半透膜2によって、第1のチャンバ3と第2のチャンバ4とに分けられている。前記第1のチャンバ3は、体外血液回路5A中に組み込まれており、前記第2のチャンバ4は、血液透析濾過装置の流体システム5B中に組み込まれている。
【0030】
前記体外血液回路5Aは、血液用の前記チャンバ3の入口3aに通じている動脈血液ライン6と、透析装置1の血液用の前記チャンバの出口3bから延びている静脈血液ライン7とを有している。実施形態のこの例では、気泡を除去するために、動脈ドリップチャンバ8が、動脈血液ライン6中に組み込まれており、静脈ドリップチャンバ9が、静脈血液ライン7中に組み込まれている。血液が、動脈血液ライン6に配置されている血液ポンプ10によって、体外血液回路中を搬送される。
【0031】
前記流体システム5Bは、透析流体用の前記チャンバ4の入口4aに通じている透析流体供給ライン11と、透析装置1の透析流体用の前記チャンバ4の出口4bから延びている透析流体排出ライン12とを有している。新しい透析流体が、透析流体供給ライン11を介して、透析流体源(図示されていない)から透析流体用のチャンバ4中に流れ、使用された透析流体は、透析流体用のチャンバから、透析流体排出ライン12を介して、排水管(図示されていない)へと搬送される。透析流体は、透析流体ポンプ(図示されていない)によって、流体システム5B中を流れる。
【0032】
血液処理の間、無菌の補充流体(補充液)が、前記流体システム5B中の透析流体から得られ、体外血液回路5Aに供給され得る。流体システム5B中に配置されている2つの滅菌フィルタ13、14(発熱物質用のフィルタ)が、無菌の透析流体を得るために使用される。これら両滅菌フィルタは、毛管のフィルタであり、これらフィルタの半透膜は、中空繊維束によって形成されている。
【0033】
図3は、前記2つの滅菌フィルタ(発熱物質用のフィルタ)13、14のうちの一方の構造を、非常に簡略化した概略図で示している。中空繊維束Aは、円筒形状のハウジングB中に、個々の繊維の開口部がハウジングの両端面に自由に位置するように配置されている。このフィルタの第1のチャンバ(第1の側)の2つの接続部a、bが、前記ハウジングの前記両端面の毛管の開口部のところに配置されており、また、前記フィルタの第2のチャンバ(第2の側)の2つの出口c、dが、前記ハウジングの壁の上端部と下端部とに配置されている。圧力差が、前記第1の側と第2の側との間に生じると、交換が、中空繊維束Aの複数の微細孔Cを通って行われる。中空繊維束Aの毛管の微細孔を通る横方向の流れ方向と、毛管に沿った縦方向の流れ方向とが、矢印によって図3に示されている。
【0034】
前記2つの滅菌フィルタ13、14は、流体システム5Bに直列で組み込まれている。前記透析流体供給ライン11の第1の部分11aが、第1の滅菌フィルタ13の第1のチャンバ13Aの入口aへと延びている。この透析流体供給ライン11の第2の部分11bが、第1の滅菌フィルタ13の第2のチャンバ13Bの2つの出口c、dから延びて、第2の滅菌フィルタ14の第1のチャンバ14Aの第1の入口aに通じている。透析流体供給ライン11の第3の部分11cが、第2の滅菌フィルタ14の第1のチャンバ14Aの第2の入口bから延びて、透析装置1の前記透析流体チャンバ4の入口4aに通じている。
【0035】
無菌の透析流体は、第2の滅菌フィルタ14の第2のチャンバ14Bから除去される。第2の滅菌フィルタ14の第2のチャンバ14Bの2つの出口c、dから、補充液ライン15が延びて、体外血液回路5Aに通じている。この補充液ライン15は、透析装置1の上流もしくは下流に補充流体を供給するために、動脈ドリップチャンバ8と静脈ドリップチャンバ9とのどちらかに接続され得る。補充液は、補充液用のポンプ31によって搬送される。
【0036】
前記流体システム5Bは、透析流体が前記両フィルタの半透膜を通って流れるか、透析流体が前記膜に沿って流れるように、両滅菌フィルタ13、14を動作させるように、設定されている。前記膜を通る流れ方向は、横方向の流れとして示されており、前記膜に沿った流れ方向は、縦方向の流れとして示されている。
【0037】
前記第1の滅菌フィルタを貫流で動作させ得るように、洗浄ライン16が、この滅菌フィルタ13の第1のチャンバ13Aの第2の入口bから延びており、この洗浄ライン16は、透析流体戻りライン12に通じている。また、この洗浄ライン16中には、電磁的に、もしくは空圧によって動作される遮断要素17が、位置されている。更なる遮断要素18、19が、透析装置1の第2の滅菌フィルタ14と透析流体チャンバ4との間の透析流体供給ライン11中と、透析流体戻りライン12中の透析装置の下流とに設けられている。
【0038】
この血液処理装置の制御は、種々の制御ラインによって血液処理装置の個々の構成要素に接続されている中央制御ユニット20によって行われる。図2は、補充液用のポンプ31及び遮断要素17、18、19用の制御ライン31’、17’、18’、19’のみを示している。
【0039】
この体外血液処理装置は、両滅菌フィルタ13、14のチェックのための装置を有している。滅菌フィルタ13、14をチェックするためのこの装置は、血液処理装置もしくは別個の装置の構成要素であり得る。この実施形態の例では、この装置は、血液処理装置の構成要素である。従って、この装置は、血液処理装置中に既に存在する構成部材を使用し得る。
【0040】
前記滅菌フィルタをモニターするための装置は、コンピュータ評価ユニット21を有している。このコンピュータ評価ユニット21は、データライン22によって前記中央制御ユニット20に接続されている。しかしながら、このコンピュータ評価ユニット21は、制御ユニット20の構成要素であっても良い。更に、この装置は、複数の導電率センサ25、26、27、28を有している。これらのうち第1の導電率センサ25は、洗浄ライン16に、遮断要素17の上流の所で配置されており、第2の導電率センサ26は、第1及び第2の滅菌フィルタ13、14間の透析流体供給ライン11の前記第2の部分11bに配置されており、第3の導電率センサ27は、第2の滅菌フィルタ14と透析装置1の透析流体チャンバ4との間の透析流体供給ライン11の前記第3の部分11cに配置されており、第4の導電率センサ28は、前記補充液ライン15に、補充液ポンプ31の上流の所で配置されている。これら導電率センサ25、26、27、28は、データライン25’、26’、27’、28’によって、前記コンピュータ評価ユニット21に接続されている。更に、この装置は、データライン30によって前記コンピュータ評価ユニット21に接続されている信号ユニット29を有している。
【0041】
前記滅菌フィルタをモニターするための装置の機能のモードは、以下に詳細に説明される。
【0042】
チェックされる滅菌フィルタ中の流れ方向は、滅菌フィルタをチェックするために、切り替えられる。即ち、横方向の流れから縦方向の流れに、もしくは縦方向の流れから横方向の流れに、切り替えることが可能である。これら流れ方向は、好ましくは、テストの間に定期的に切り替えられる。
【0043】
第1の滅菌フィルタ13をチェックするために、流れ方向の切り替えが、以下のように行われる。横方向の流れのために、制御ユニット20が、洗浄ライン16の遮断要素17を閉じている。第1の滅菌フィルタ13の下流の透析流体の導電率は、透析流体供給ライン11の第2の部分11bの導電率センサ26によって測定される。縦方向の流れを発生させるために、制御ユニット20が、洗浄ライン16の遮断要素17を開き、透析流体の導電率が、洗浄ライン16の導電率センサ25によって測定される。
【0044】
第2の滅菌フィルタ14をチェックするために、流れ方向の切り替えが、以下のように行われる。制御ユニット20は、縦方向の流れを発生させるために補充液用のポンプ31を停止させ、遮断要素18が、透析流体供給ライン11の第3の部分11cで開かれる。かくして、透析流体は、第2の滅菌フィルタ14の第1のチャンバ14Aを通って流れ、透析流体(補充液)の導電率は、透析流体供給ライン11の第3の部分11cに配置されている導電率センサ27によって、滅菌フィルタ14の下流で測定される。横方向の流れを発生させるために、制御ユニット20は、遮断要素18を閉じ、補充液用のポンプを動作させる。この結果、透析流体の導電率が、補充液ライン15の導電率センサ28によって測定される。
【0045】
図2は、それぞれ2つの導電率センサ25、26、並びに導電率センサ27、28とのそれぞれによって測定された、時間tの関数としての導電率の値を示している。流れ方向は、横方向の流れIと縦方向の流れIIとに、定期的に切り替えられている。図2は、2つのフィルタ13、14のうちの一方での流れ方向の定期的な繰り替えによる導電率の変化を単に示している。実際には、2つのフィルタの状態に応じて、異なる導電率の値が生じる。
【0046】
縦方向の流れIIから横方向の流れIへの切り替えの後に、導電率は、所定の時間間隔Tの間に基準値Pから最小値Pに低くなってから、再び基準値Pへと高くなる。そして、横方向の流れIから縦方向の流れIIへの切り替えによって、導電率は、所定の時間間隔Tの間に基準値Pから最大値Pへと高くなり、再び基準値Pへと低くなる。この導電率の増加と導電率の減少とは、電解質の流体(透析流体)中の電荷キャリアが短時間に解放されるということに基づき、かくして検出され得る。導電率のシフトは、基準の導電率が約7μS/cmの透過水(permeate)の場合、約1−5μS/cm(μS/cm1−5)である。
【0047】
本発明に係る装置は、極面を有するすべてのフィルタのチェックを可能にする。これは、例えば、ポリスルホンフィルタ(polysulphone filter)の場合である。この実施形態では、透析流体である電解質の流体が膜の微細孔を通過する(横方向の流れの)場合、陰イオン(Co ions)が、ポリスルホンフィルタの中空繊維の極面で増加され、毛管の表面の方向に透析流体の陽イオンを吸引する。このプロセスは、毛管の微細孔のところでのみではなく、ポリスルホンフィルタの全面でも行われる。従って、前記微細孔の内壁は、透析流体の陽イオンによって占められている。陽イオンは、このような部分にとって、陰イオンの誘引効果を相殺する反転電界(counter-field)を生じさせ、この結果、このような領域(field)は、中性化される。かくして、飽和状態が生じ、この後に、透析流体の更なる陽イオンが毛管の面に取着することはない。電荷キャリアが停止されるので、流体の導電率は、フィルタの下流で低くなる。そして、飽和状態の結果として、導電率が再度最初の値(基準値)まで高くなる。最後に、新しい透析流体の導電率は、電荷キャリアを取り除かないで、測定される。
【0048】
電解質の流体が前記フィルタの膜に沿って流れるときに、前記毛管の微細孔が、洗浄される。この結果、電解質の流体の、例えば透析流体の陽イオンが、流れていた方向に直交して毛管を移動する。かくして、前記微細孔中の陰イオンは、前記流体の流れの方向に、前記毛管の内側の壁に向かって移動され、前記取着している陽イオンを、前記微細孔から前記毛管中に搬送する。かくして、透析流体は、一時的な導電率が前記フィルタの下流で縦の方向も増加するのに従って検出され得る「電荷キャリアボーラス」を受ける。この電荷キャリアボーラスが前記導電率センサを通過すると、基準となる導電率を有する透析流体が、前記導電率センサを再び通って流れる。
【0049】
前記導電率の増加もしくは減少の量は、前記毛管の微細孔の大きさと、電解質の流体の導電率とに明らかに依存する。前記微細孔の大きさは、多くの電荷キャリアが貫流の流体に関連してどれほど保持され得るかを決定する。前記微細孔が非常に大きい場合、保持される電荷キャリアの数は、大きな直径の微細孔のを通る大きな貫流に対して、重要ではない。しかしながら、実際は、使用される滅菌フィルタの毛管の微細孔は、導電率の増加もしくは減少が十分な精度で測定され得るような大きさである。
【0050】
前記フィルタ中の流れ方向の変更の後の導電率の増加は、フィルタの使用年月の経過と共に減少することが、明らかである。従って、チェックが、前記フィルタが交換される必要があるかどうかを明らかにするために行われる。
【0051】
実施形態の第1の例では、血液処理装置の2つのフィルタ13、14のうちの一方もしくは両方をチェックするための装置のコンピュータ評価ユニット21は、基準値Pから所定の時間間隔Tの間の最小値Pへと減少する導電率の値を測定する。そして、コンピュータ評価ユニット21は、この値を所定の閾値と比較する。導電率の低下の値が前記所定の閾値より小さい場合、コンピュータ評価ユニットは、フィルタを交換する必要があると判断する。そして、コンピュータ評価ユニットは、信号ユニット29によって受信される信号を発信する。前記フィルタの交換するための催促が、信号ユニット29によって発信される。この信号ユニット29は、視覚アラーム、及び/もしくは光学アラーム、及び/もしくは触知可能アラームを発信し得る。
【0052】
フィルタの使用年月を評価するための前記所定の閾値は、参照側定値によって、新しいフィルタに対してチェックされ得る。本発明の実施形態のこの例では、モニター装置が、古いフィルタを新しいフィルタに交換した後に、閾値を決定するための参照値の測定を行う。この閾値は、新しいフィルタに対して測定される導電率の増加の値の特定のパーセンテージ比率である。この参照値は、コンピュータ評価ユニット21のメモリーに保存される。次の処理で、測定された導電率の値が、保存された閾値と比較される。また、使用されたフィルタに対する測定値に基づいて経験的に、使用されたフィルタが最大の耐用年数にちょうど達したことが推定され得る閾値を決定することが可能である。
【0053】
本発明の他の実施形態は、縦方向から横方向への流れの変更の後での導電率の急激な減少(negative jump)を測定するのではなく、横方向から縦方向への変更の後での導電率の基準値Pから最大値Pへの急激な増加の測定を果たすことを提案している。この実施形態の例では、導電率の増加値が、所定の閾値と比較される。しかしながら、両側定を組み合わせることも可能であり、これらの測定値は、導電率の減少の前に、閾値に従って算出され得る。
【0054】
更なる他の実施形態では、コンピュータ評価ユニット21によって算出されるのは、導電率の増加もしくは減少の値ではなく、導電率の急激な変化(jump)の積分である。導電率の増加の積分は、基準値に関連して、時間間隔T、Tの曲線の下の領域に対応する。この実施形態の例では、コンピュータ評価ユニット21は、導電率の増加の積分を、第1の実施形態の例のようにして算出されて前記コンピュータ評価ユニット21のメモリーに保存されている所定の閾値と比較する。
【0055】
コンピュータ評価ユニット21が導電率の急激な変化を検出しない場合には、フィルタに欠陥があると判断される。フィルタの毛管に裂け目がある場合には、貫流が、保持されているイオンが導電率に影響を与えない程度の大きさであることが、判っている。フィルタに生じ得た欠陥は、信号ユニット29によって再び報知される。
【0056】
導電率の測定によって、コンピュータ評価ユニット21は、透析流体を濾過するためのフィルタか、ダミーのフィルタのみが使用されているか、また、透析流体ラインの接続部間の流体接続を形成するように機能するだけであるかを、チェックすることが可能である。コンピュータ評価ユニット21が導電率の急激な変化を検出しない場合、信号ユニット29が、ダミーのフィルタが取り付けられている可能性があることを、報知する。
【0057】
本発明の実施形態の更に他の例では、測定が、第1及び第2の滅菌フィルタ13、14に対してそれぞれ実施される。一方のフィルタの導電率の急激な変化の値もしくは導電率の急激な変化の積分が、コンピュータ評価ユニットによって、他方のフィルタの導電率の急激な変化の値もしくは積分と比較される。2つのフィルタの導電率の急激な変化の差が、所定の閾値を超えた場合、前記2つのフィルタのうちの一方に異なる程度の磨耗もしくは欠陥があると、判断される。この測定結果は、信号ユニットによって再度報知され得る。
【0058】
血液透析濾過装置のフィルタをチェックするとき、いずれの場合も流体システムを通って流れる透析液を、電解質の流体として使用することが推奨される。この測定は、透析処理の前に実施されることが、有効である。しかしながら、基本的に、透析の間の測定は、体外血液回路が測定の間に動脈もしくは静脈クランプによって脈管の血液回路から分離されている場合に、可能である。また、前記測定は、実際の透析処理の前の、マシン中の洗浄プロセスの間に行われ得る。透析処理の前の測定は、透析流体(洗浄流体)の基準の導電率が患者に関わらず変えられ得るという利点を有している。代表的な基準の導電率は、導電率の特に急激な変化をもたらすので、種々のフィルタに対して有効である。透析処理の間、基準の導電率は、脈管の血液回路が体外血液回路から分離される時に、所定の制限の範囲内で変えられ得る。しかしながら、患者に健康被害を与える可能性のある溶液が、流体システムから再度除去されなければならず、流体システムは、再び洗浄されなければならず、流体は廃棄されなければならない。
【0059】
透析マシンが次亜鉛素酸塩(hypochloride)によって殺菌及び脱脂されるときに、発熱物質陽のフィルタの表面の電気化学的性質が、これらが導電率の変化の影響を強化するように変化されることが、判っている。
【0060】
図4は、マシンの殺菌のための次亜鉛素酸塩による洗浄が、PVP―ポリサルフォン(PVP-polysulphane)膜の電気的な極性の特性(electrical-polar properties)に与える影響を示している。次亜鉛素酸塩は、PVP(ポリビニール ピロリドン)を膜の外に洗い流す。かくして、膜は、極性を有するようになり、この結果、導電率のシフトの効果は、高められる。しかし、実際には、次亜鉛素酸塩によるマシンの洗浄は、年間に1ないし2度のように非常に少ない回数で行なわれる。この次亜鉛素酸塩によるマシンの殺菌の結果として生じる導電率のシフトは、閾値を選定するときには、正しく考慮され得る。
【0061】
他方、例えば、くえん酸塩溶液での温度制御殺菌による血液処理装置の殺菌は、導電率のシフトの大きさには影響しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタの一次側と2次側とに分離した半透膜を有するフィルタをチェックするための装置において、この装置は、
フィルタの前記半透膜を通る電解質の流体の横方向の流れとフィルタの前記半透膜に沿った電解質の流体の縦方向の流れとの間の流れ方向の変更、もしくはフィルタの前記半透膜に沿った電解質の流体の縦方向の流れとフィルタの前記半透膜を通る電解質の流体の横方向の流れとの間の変更を生じさせるための手段(25〜28)と、
前記フィルタの上流で前記横方向に流れる電解質の流体並びに/もしくは前記フィルタの下流で前記縦方向に流れる電解質の流体の導電率を測定するための手段(20;16,17,18,19)と、
基準値からの前記電解質の流体の流れ方向の変更の後の前記導電率の変化をモニターし、この電解質の流体の流れ方向の変更の後の前記導電率の変化に基づいてフィルタの正常でない機能状態が判るように設定されたコンピュータ評価ユニット(21)とを具備することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記コンピュータ評価ユニット(21)は、前記フィルタの半透膜を通る横方向の流れとフィルタの前記半透膜に沿った縦方向の流れとの間の流れ方向の変更の後に、基準値からの導電率の変化値を測定し、予め選定された閾値と比較し、前記変化値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るように設定されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記コンピュータ評価ユニット(21)は、前記フィルタの半透膜に沿った縦方向の流れとフィルタの前記半透膜を通る横方向の流れとの間の前記電解質の流体の流れ方向の変更の後に、基準値からの導電率の変化値を測定し、予め選定された閾値と比較し、前記変化値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るように設定されていることを特徴とする請求項1又は2の装置。
【請求項4】
前記コンピュータ評価ユニット(21)は、前記フィルタの半透膜を通る横方向の流れとフィルタの前記半透膜に沿った縦方向の流れとの間の電解質の流体の流れ方向の変更の後に、導電率の変化の積分を算出し、予め選定された閾値と比較し、積分値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るように設定されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項5】
前記コンピュータ評価ユニット(21)は、前記フィルタの半透膜に沿った電解質の流体の縦方向の流れとフィルタの前記半透膜を通る横方向の電解質の流体の
横方向の流れとの間の変更の後に、導電率の変化の積分を算出し、予め選定された閾値と比較し、積分値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るように設定されていることを特徴とする請求項1又は2の装置。
【請求項6】
前記コンピュータ評価ユニット(21)は、前記基準値からの導電率の変化が測定されない場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るように設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1の装置。
【請求項7】
前記電解質の流体は、透析流体もしくは透過水であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1の装置。
【請求項8】
前記フィルタは、中空繊維束(A)を有する毛管フィルタであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1の装置。
【請求項9】
前記フィルタは、体外血液処理装置のための透析流体を濾過するためのフィルタであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1の装置。
【請求項10】
半透膜(2)により第1のチャンバ(3)と第2のチャンバ(4)とに分けられた透析装置(1)の前記第1のチャンバ(3)を有する体外血液回路(5A)と、並びに透析装置の前記第2のチャンバ(4)を有する透析流体システム(5B)とを有し、補充液ライン(15)が前記透析流体システム(5B)から前記体外血液回路(5A)に導かれており、透析流体を濾過するための少なくとも1つのフィルタが前記透析流体システム(5B)に設けられており、
請求項1乃至9のいずれか1の装置が、前記透析流体システム(5B)に設けられた前記少なくとも1つのフィルタをチェックするように設けられている体外血液処理のための装置。
【請求項11】
前記コンピュータ評価ユニット(21)と共働し、このコンピュータ評価ユニットにより前記フィルタの正常でない機能状態が判ったときに、信号を発信する信号発信ユニット(29)を更に具備することを特徴とする、請求項10の体外血液処理のための装置。
【請求項12】
フィルタの第1の側と第2の側とに分離した半透膜を有するフィルタをチェックするための方法であって、
フィルタの前記半透膜を通る電解質の流体の横方向の流れとフィルタの前記半透膜に沿った電解質の流体の縦方向の流れとの間の流れ方向の変更、もしくはフィルタの前記半透膜に沿った電解質の流体の縦方向の流れとフィルタの前記半透膜を通る電解質の流体の横方向の流れとの間の変更を生じさせる工程と、
前記フィルタの上流で前記横方向に流れる電解質の流体並びに/もしくは前記フィルタの下流で前記縦方向に流れる電解質の流体の導電率を測定する工程と、
基準値からの前記電解質の流体の流れ方向の変更の後の前記導電率の変化をモニターする工程と、
この電解質の流体の流れ方向の変更の後の前記導電率の変化に基づいてフィルタの正常でない機能状態であることを算出する工程とを具備する方法。
【請求項13】
前記フィルタの半透膜を通る横方向の流れとフィルタの前記半透膜に沿った縦方向の流れとの間の流れ方向の変更の後に、基準値からの導電率の変化値を測定し、予め選定された閾値と比較し、前記変化値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態を判るようにすることを特徴とする請求項12の方法。
【請求項14】
前記フィルタの半透膜に沿った縦方向の流れとフィルタの前記半透膜を通る横方向の流れとの間の前記電解質の流体の流れ方向の変更の後に、基準値からの導電率の変化値を測定し、予め選定された閾値と比較し、前記変化値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るようにすることを特徴とする請求項12又は13の方法。
【請求項15】
前記フィルタの半透膜を通る横方向の流れとフィルタの前記半透膜に沿った縦方向の流れとの間の電解質の流体の流れ方向の変更の後に、導電率の変化の積分を算出し、予め選定された閾値と比較し、積分値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るようにすることを特徴とする請求項12又は13の方法。
【請求項16】
前記フィルタの半透膜に沿った電解質の流体の縦方向の流れとフィルタの前記半透膜を通る横方向の電解質の流体の横方向の流れとの間の変更の後に、導電率の変化の積分を算出し、予め選定された閾値と比較し、積分値が前記予め選定された閾値よりも小さい場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るようにすることを特徴とする請求項12又は13の方法。
【請求項17】
前記基準値からの導電率の変化が測定されない場合には、前記フィルタの正常でない機能状態が判るようにすることを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1の方法。
【請求項18】
前記電解質の流体は、透析流体もしくは透過水であることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1の方法。
【請求項19】
前記フィルタは、中空繊維束
を有する毛管フィルタであることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1の方法。
【請求項20】
前記フィルタは、体外血液処理装置のための透析流体を濾過するための発熱物質用のフィルタであることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−507151(P2013−507151A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532481(P2012−532481)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006013
【国際公開番号】WO2011/042137
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(501276371)フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (31)
【Fターム(参考)】