説明

体液検査における細胞性成分の崩壊

本発明は、細胞性成分を含む生物学的流体を、凍結/融解処理によって加工する方法に関する。この方法は、分析的検出のための生物学的試料を製造するのに特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞性成分のほぼ定量的な崩壊を提供するための条件下で、流体成分の沈降、析出、変性、凝集及びゲル化を生じることなく、瞬間凍結/融解(snap freezing/thawing)処理によって、細胞性成分を含む生物学的流体を加工するための方法及び装置に関する。この方法は特に、分析物検出のための生物学的試料を製造するのに特に有用である。
【0002】
凍結の効果及び血液細胞の溶血反応は、種々の研究において検討されている。
【0003】
Scheiweら(Cryobiology 19, 1982, p. 461-477)は、小さいガラス細管中で−196℃まで種々の直線冷却速度で、凍結保護物質ヒドロキシエチル澱粉(HES)を用いて又はこれを用いることなく、単離及び濃縮された赤血球細胞の懸濁液の凍結を試験した。冷却速度の関数としての溶血反応のためのU形状曲線から、例えば、0.6のヘマトクリット値(Hct)に関してはHESの不在下で、細胞懸濁液が、100%の溶血率を達成するために約100℃/分の冷却速度で処理すべきことが導かれる。それぞれ0.4及び0.2の低いHctを有する赤血球細胞の懸濁液は、これらの条件下で80〜90%の溶血率を生じた。HESの存在下では、50〜60%の溶血率を達成することができる。約5000℃/分の冷却速度は、約40%の溶血率を示す。
【0004】
Rapatz及びLuyetは、ヒト赤血球の保存の観点で、凍結温度、凍結速度又は保護剤、例えば凍結保護物質の全血試料における効果を試験した(Cryobiology 4, 1968, pp. 215-222)。
【0005】
それぞれの試験は、外径1.5+/−0.5mm及び層厚0.3+/−0.5mmを有するガラス細管中で実施した。他の刊行物において、論者は、血液の急速凍結後に、いくつかの動物種における溶血反応を試験した(J. Cell. Physiol. 77, 1970, pp. 373-376)。赤血球細胞の溶血反応における近年の結果は、概要"A review on basic researches on the cryopreservation of red blood cells"(Luyet and Rapatz, Cryobiology 6, 1970, pp. 425-482)中にもまとめられている。
【0006】
しかしながら、全血試料の凍結を取り扱う刊行物では、細胞性成分を含む生物学的試料から、血液試料中に含まれるほぼすべての細胞性成分を、流体成分の沈降、析出、変性、凝集及びゲル化をほぼ生じさせることなく定量的に崩壊させるように、加工した流体をどのようにして得るかについての示唆はない。さらに、分析において加工された全血を使用することは示されていない。
【0007】
生物学的流体からの試料における分析物の測定は、流体試料からの細胞性成分を取り除くために、しばしば複雑かつ時間のかかる予備処理工程を必要とする。さもなければ、細胞性成分又は堆積物は、試料導入装置、細管、分離カラム等を閉塞させうる。例えば、全血は、成分、すなわち赤血球、白血球及び血小板を含む。血試料中の分析物の測定のために、これらの細胞性成分はしばしば、予備処理工程、例えば遠心分離、濾過又は沈降によって取り除かなければならない。
【0008】
主要な血液画分である赤血球に関する試料の予備処理は、(生物)化学的試薬を用いての溶血反応、浸透圧性ショック、すなわち、低張液又は高張液によるもの、及び/又は機械的処理を含む。しかしながら溶血は、血漿及び赤血球から生じるいわゆるゴーストから成る溶解液を生じる。これらのゴーストは、ヘモグロビンに欠くものの、依然として本来の赤血球の大きさを有する。これは、ゴーストもまた、分析前において遠心分離、濾過又は沈降によって取り除かなければならないことを意味する。
【0009】
しかしながら、これらの工程はしばしば、自動化された試験様式に取り込むのが困難である。これは、特に、標的化された分析物が、細胞質ゾル又は細胞性成分の膜の中に存在する状況、例えば赤血球中の免疫抑制物質である場合にあてはまる。
【0010】
この場合において、細胞性成分は、溶解試薬の添加前に遠心分離及び/又は濾過によって単離又は濃縮されるか、あるいは、これらは、変性試薬、例えばZnSOとアセトニトリルとの混合物を元の試料に添加することにより変性させ、引き続いて遠心分離される。
【0011】
近年では、分析物の測定のための生物学的流体を加工するために、新規方法が提案されている。この方法は、熱処理をベースとし、かつ自動化された工程に適している(WO 2008/003451)。しかしながら、この方法は、小さい温度範囲内で強く温度に依存し、したがって、複雑化された温度制御を必要とする。さらにこの方法は、凝固が生じる温度tmaxによって制限される。さらに、有機改質化剤、例えばメタノールの添加は、加熱プロセス及びしたがって工程パラメータに影響を与える。さらに、生物学的流体中に含まれるあらゆる分析物が、提案された加熱処理中において安定であるわけではない。したがって、この方法は、熱不安定性の分析物を測定しなければならない場合にはあまり好ましくない。
【0012】
したがって、本発明の課題は、
(i)前記細胞性成分のほぼ定量的な崩壊を提供し、
(ii)流体成分の沈降、析出、変性、凝集及びゲル化をほぼ生じさせるものではなく、
(iii)小さい温度範囲に限定されるものではなく、かつ、
(iv)他の流体、例えばメタノール等を、方法に影響を及ぼすことなく添加することを可能にする条件下で、細胞性成分を含む生物学的流体の新規加工方法を提供することである。
【0013】
前記課題の解決は、特許請求の範囲に記載された実施態様を提供することによって達成される。
【0014】
本発明の第1の実施態様によれば、
(i)前記細胞性成分のほぼ定量的な崩壊を提供し、かつ、
(ii)流体成分の沈降、析出、変性、凝集及びゲル化をほぼ生じさせることのない条件で、加工された生物学的流体を製造する方法を提供するものであって、この場合、この方法は、
a)細胞性成分を含む生物学的流体を提供し、
b)前記生物学的流体を凍結させ、かつ、
c)工程a)で凍結された流体を融解することを含む。
【0015】
本発明の他の態様は、ほぼ沈降、析出、変性、凝集及び生成物のゲル化を生じない、ほぼ定量的に崩壊された細胞性成分を含む加工された生物学的流体である。好ましくは、生物学的流体は希釈されておらず、すなわち他の流体を加工中又は加工前に添加するものではない。
【0016】
さらに、本発明の他の実施態様は、生物学的流体試料中の分析物を測定するための方法であり、その際、生物学的流体は、前記に示すとおり加工され、かつ分析物は、加工された生物学的流体中で測定される。
【0017】
さらに、本発明の他の実施態様は、細胞性成分を含む生物学的流体を加工するための装置であり、この場合、この装置は、
(a)少なくとも部分的に凍結/加熱可能な流体加工ユニット、
(b)流体加工ユニットの予め定められた部分を凍結するための冷却要素、
(c)流体加工ユニットの予め定められた部分を加熱するための加熱要素、
(d)場合によっては流体輸送要素、たとえばポンプ要素、
(e)(i)前記細胞性成分のほぼ定量的な崩壊を提供し、かつ、
(ii)流体成分の沈降、析出、変性、凝集及びゲル化をほぼ生じることない条件下で、流体の凍結/加熱を制御するための制御要素、
(f)場合により清浄化要素及び
(g)場合により試料分析要素
を含む。
【0018】
驚くべきことに、本発明は、生物学的試料中の細胞性成分、好ましくは高等生物からの細胞又は細胞クラスター、より好ましくは動物細胞、たとえばヒト細胞を含む哺乳類細胞及び最も好ましくは血液細胞、例えば赤血球細胞、白血球細胞及び/又は血小板を、時間及び温度に関して予定された条件下での凍結/融解によって達成することができる。本発明による方法の工程b)及びc)による凍結/融解処理は、少なくとも1回、好ましくは2回又はそれ以上、あるいは、最も好ましくは3回又はそれ以上、実施することができる。
【0019】
本発明による処理を用いて、生物学的流体中に含まれる細胞性成分は、ほぼ定量的に崩壊されて、流体成分の沈降、析出、変性、凝集及び/又はゲル化をほぼ生じさせることなく、亜細胞性粒子(subcellular paeticle)を生じる。これにより、本発明によって加工された生物学的流体は、亜細胞性粒子と同様にイオン、ガス、低分子量物質、例えば糖、及びタンパク質を含む流体成分を含む。
【0020】
本発明による「生物学的流体」は、細胞性成分及び流体成分を含む生物学的懸濁液に関し、この場合、これは体液又は細胞培養液から選択される。細胞性成分は細胞、細胞クラスター又は細胞ゴーストであり、流体成分は血漿、尿、唾液等又は細胞培養液である。
【0021】
体液のための特別な例は全血、尿、脳脊髄液、唾液、リンパ液であり、かつ細胞培養液のための特別な例は哺乳類細胞培養液である。
【0022】
本発明において使用される「細胞性成分」は、細胞、細胞クラスター又は細胞ゴースト、特に赤血球ゴーストに関する。
【0023】
本発明の内容の範囲内で、処理された生物学的流体中に含まれる「亜細胞性粒子」は、細胞フラグメント、例えば膜小胞に関し、この場合、これは、本発明による方法によって生じ、かつ修復された膜の極めて小さい球及び/又は極めて小さい粒子から成るものであって、これらは、
a)少なくとも約24時間の静置において沈降することなく、かつ、
b)少なくとも10分に亘って、約3000Gの遠心分離後であっても、白血球ゴースト(約5〜8μmのサイズ)又は損傷のない細胞とは異なって沈降することはなく、かつ、
c)約11000Gを上回る少なくとも20分に亘っての遠心分離後に沈降することを特徴とする。
【0024】
本発明の内容の範囲内で、生物学的試料中に含まれる「細胞性成分のほぼ定量的な崩壊」とは、約70%、好ましくは約80%、より好ましくは約90%及びさらに最も好ましくは約100%の細胞性成分が、亜細胞性粒子に崩壊することを意味する。
【0025】
本発明の内容の範囲内で、これに関して約100%の望ましい崩壊が、本発明による処理により、例えば、天然の抗凝固性の全血を用いて達成されうるものであり、その際、この崩壊速度は、0.1〜0.6で異なっていてもよいヘマトクリットとは無関係であることが見出された。
【0026】
本発明による加工された全血又は加工された溶血は、血漿及び崩壊された血液細胞、すなわち、崩壊された赤血球、白血球及び血小板を含む。
【0027】
加工された、すなわち、細胞崩壊された全血中の血漿は、イオン、例えばナトリウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、リン酸イオン及びカルシウムイオン、低分子量物質、例えば単糖類、ホルモン、ガス、栄養物質、例えば脂質又はビタミン、代謝物質、例えば尿素又は尿酸並びに血漿タンパク質、例えばアルブミン及びグロブリンを含む。本発明による「全血」とは、血液細胞がほぼ損傷のない血液に関し、「溶血」とは、溶血反応が生じた全血に関する。
【0028】
溶血性試料、例えば赤血球ゴーストが、前記に示すようにほぼ崩壊することができることが見出された。さらに、全血中に存在する白血球及び/又は血小板が、前記に示すようにほぼ定量的に崩壊することができることが見出された。
【0029】
したがって、亜細胞性粒子を含む加工された生物学的流体は、流動的分離系によってさらに加工することができ、かつ、これらの系を閉塞させることはない。
【0030】
得られた生物学的流体は、添加された試薬を含むものではなく、その結果、希釈されていないものとして特徴付けられる。したがって、生物学的流体は、付加的な計量供給なしに、定量的な方法で加工することができる。
【0031】
したがって、処理された生物学的流体は、in situ 分析技術において、例えば固相抽出(SPE)、この場合、これはオンライン/オフラインSPE上で希釈されていないもの、あるいは、スポッティング、サンプリング又は分取を必要とする技術、例えばミクロ流体装置上における技術において使用するのに適している。
【0032】
本発明による方法の範囲内における凍結は、瞬間凍結によって実施することができる。瞬間凍結は、
a)前記試料装置を、断熱槽中に含まれる低温流体中に含浸するか、
b)前記試料装置を、低温流体の蒸気相に含浸するか、あるいは、
c)前記試料装置を、試料装置と密着し、かつ、低温流体又は低温流体の蒸気相中に含浸されたスリーブ中に含浸することによって、試料装置中に含まれる試料の含浸を実施することができる。
【0033】
本発明において使用される「低温流体」は、水溶液を凍結するのに必要な温度範囲、好ましくは−90℃を下回る温度において流体である材料に関する。低温流体は、冷却ガス又は極低温液体(cryogenic liquid)であってもよい。極低温液体は、冷却された液体、例えばアルゴン、ヘリウム、水素、窒素、酸素、メタン、二酸化炭素、亜酸化窒素、イソペンタン、ヘキサン又はエタノール及び他の液体、例えば炭化水素液体又はこれらの混合物である。好ましい実施態様において、液体窒素を使用する。
【0034】
凍結中に、生物学的流体を、本発明による方法の−20℃〜−196℃の温度、好ましくは−120℃〜−190℃の温度で凍結させる。それぞれの冷却速度は、約1260℃/分〜約12600℃/分であり、好ましくは約2000℃/分〜約5000℃/分及び最も好ましくは約2500〜3500℃/分、例えば3150℃/分である。
【0035】
好ましくは、引き続いて凍結された流体を、少なくとも室温で、好ましくは少なくとも40℃で、最も好ましくは少なくとも50℃であって、かつ、60℃まで又はさらに75℃までの温度で融解処理を実施する。
【0036】
融解に関して、凍結試料を含む試料装置を、試料装置と密着し、かつ加熱することができるスリーブ中に挿入しながら、熱処理を実施してもよい。熱処理は、任意の適した手段で実施することができ、かつ、例えば伝導加熱、誘電加熱、例えばマイクロ波処理、例えばUS 6,605,454中に記載されているもの、対流加熱、抵抗加熱及び/又はレーザー励起による加熱であってもよい。
【0037】
それぞれの融解速度は、約500℃/分〜約11400℃/分、好ましくは約1000℃/分〜約4000℃/分及び最も好ましくは約1500〜2500℃/分である。
【0038】
凍結と融解との間の時間は最小限に維持することができ、好ましくは1〜5秒であってもよい。しかしながら、より長い時間もまた許容可能である。
【0039】
本発明による適した試料装置は、計量供給ユニットの容量装置であってもよく、かつ−200℃までの温度に耐えうる熱伝導性又は熱誘導性の材料から製造される。好ましい材料はステンレス鋼、ガラス又はプラスチックである。最も好ましくはステンレス鋼である。
【0040】
本発明の装置は、流体加工ユニットを含み、この場合、これは少なくとも部分的に凍結可能/加熱可能である。この加工ユニットは、好ましくはニードル、例えばインジェクションニードル、ピペットチップ、細管、例えばガラス細管、シリンジ又はコンジットを含む。最も好ましくは、流体処理系のインジェクションニードル又はピペットチップであり、例えばHPLCのためのオードサンプラー、例えばPAL−オートサンプラー(LEAP-Technologies)又はピペッティングロボット、例えばEvoclean(Tecan)である。
【0041】
流体加工ユニットはさらに、in situ分析のための材料を含んでいてもよく、例えば固相抽出(SPE)のためのクロマグラフ吸着媒、例えばC18−変性シリカ、OasisHLB及びその他公知技術の類似のものである。
【0042】
流体加工ユニット、特にニードル、ガラス細管又はピペットチップの内腔/内径は、0.01〜5mm、好ましくは0.1〜2mm、さらに好ましくは0.5〜1mmで異なっていてもよい。最も好ましいピペットチップ、ガラス細管又はニードルの内腔/内径は約0.3〜約0.5mmである。最も好ましいニードルの内腔/内径は約0.3mmである。
【0043】
流体加工ユニット、特にプラスチック又は金属から成る装置の壁厚は、特に約0.05〜0.5mmの範囲である。
【0044】
崩壊の完全性は、細胞カウント、特にNeubauerカウントチャンバー中で、特定の成分のための微視的検査によって及び/又は遠心分離後の沈降形成がないことによって決定することができる。これに関連して、約95%の細胞性血液成分が赤血球であることに留意すべきである。したがって、血液試料中の細胞カウントは、好ましくは、赤血球をカウントすることによって測定される。
【0045】
本発明によれば、試料中の細胞カウントは、好ましくは、本来の値の0.1%又はそれ未満及びより好ましくは0.01%又はそれ未満に減少する。例えば、1μl当たり5×10個の赤血球細胞を有する試料について本発明による処理をおこなう場合には、細胞カウントは好ましくは1μl当たり5×10細胞又はそれ未満、より好ましくは1μl当たり500細胞又はそれ未満である。最も好ましくは、試料は、検出可能な細胞不含である。特定の成分、例えば赤血球ゴーストの不在は、光学顕微鏡による観察、例えば100×倍率まで、及び/又は3000gまで、好ましくは7400gまでの10分に亘っての遠心分離によって測定されてもよい。
【0046】
瞬間凍結のために、細管コンジット(capillary conduit)(又は、前記に示す任意の他の流体加工ユニット)に先ず試料を装入する。これは、好ましくは、一定容量のガス、例えば空気によって試料を沈降することによって達成される。例えば、ガスの最初の容量を、流体加工ユニット中に吸引し、引き続いて試料及びガスの第2の容量を吸引することができる。その後に、試料を含有する流体加工ユニットは、
a)低温流体又は低温流体の蒸気相中に含浸されてもよいか、
b)低温流体又は低温流体の蒸気相によって冷却された表面と接触させてもよいか、あるいは、
c)試料装置と密着し、かつ低温流体又は低温流体の蒸気相中に含浸されたスリーブ中に挿入されてもよい。
【0047】
本発明の方法の融解処理のために、凍結試料を含む流体加工ユニットは、例えば誘電加熱、例えばUS 6,605,454中に記載されているマイクロ波処理、対流加熱、抵抗加熱及び/又はレーザー励起による加熱を含むものであってもよい、任意の適した手段によって加熱される。
【0048】
流体加工ユニットからの抽出のために、加工された流体は、空気及び/又は他の流体によって置換することができる。空気のみを使用する場合には、加工した流体の希釈は生じない。
【0049】
生物学的流体は、体液、例えば全血液、尿素、脳脊髄液、唾液、リンパ液等であるか、あるいは、細胞培養物、特に哺乳類細胞培養液からの流体又は細胞性成分を含む任意の他の生物学的流体、特に血液細胞を含む流体であってもよい。より好ましくは、生物学的流体は全血、例えば静脈血、動脈血又は毛細血管血、特に凝血防止処理された全血、例えばEDTA−、クエン酸塩−又はヘパリン処理された全血である。例えば、試料は、凝固防止剤を含む血液抜き取り装置で取り出され、かつ、以下に記載するように直接さらに加工することができる。
【0050】
試料容量は、広範囲に例えば1nl又はそれ以上、好ましくは10nl又はそれ以上及び1mlまでで可変であってもよい。したがって、方法は、好ましくは極小化された適用、例えばチップフォーマット上のミクロ流体装置、ナノLC−MS、MALDI−MS分析等に適している。
【0051】
本発明の方法は、任意の沈降及び/又は析出及び/又は遠心分離工程及び/又は化学/生物化学的試薬の添加を必要とするものではない。したがって、処理は好ましくは、細胞性成分の予備除去及び/又は溶解なしで実施する。方法は、任意の適した装置中で、例えば単回使用装置又は再利用可能な装置中で実施することができる。好ましくは、方法は自動化された手段であり、この場合、これは一体化された装置中で、流体試料を含む装置を輸送し、場合によっては混合後に、例えば他の流体と一緒に、予備的処理することなしに、特に細胞性成分の除去及び/又は溶解することなしに実施することができるものである。装置の範囲内で、この試料は、好ましくは細胞性成分の予備的除去及び/又は溶解なしで、直接処理される。処理後に、後続の工程、例えば分析物測定を実施することができる。より好ましくは、この処理は、ほぼ天然の試料、例えば、ほぼ損傷のない細胞性成分、例えば全血を含む試料を用いて実施する。
【0052】
本発明の方法は、加工前及び/又は加工後において生物学的流体に対して他の流体を添加することを含んでいてもよい。他の流体は、生物学的流体と相溶性の任意の流体であってもよく、それにより、沈澱、凝集又は凝塊を生じることはない。他の流体は、有機溶剤であってもよく、好ましくは生物学的流体の容量に対して20%(容量/容量)まで、より好ましくは10%(容量/容量)までの量であってもよい。有機溶剤は、好ましくは水混和性溶剤、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びこれらの組合せから選択される。
【0053】
好ましくは、他の流体は、本質的に細胞性成分の崩壊に影響を及ぼすものではない。より好ましくは、他の流体は水性液体、例えば水性緩衝溶液又は他の生物学的流体、好ましくは、0.5〜1.4%NaCl、より好ましくは0.7〜1.2%NaCl及び最も好ましくは約0.9%のNaClに相当するイオン濃度を有するものである。
【0054】
他の流体は、少なくとも1種の標準化及び/又は較正化合物の予め定められた量を含む、標準化及び/又は較正された流体であってもよい。標準化及び/又は較正化合物の添加は、処理された生物学的流体が、クロマトグラフィー、分光測定及び/又は分光分析方法によってさらに分析される場合において特に適している。標準化及び/又は較正化合物は、適した同位体、例えばH及び/又は13Cを含む分析物類似体であってもよく、したがって質量分光測定によって検出することができる。適した較正物質は、例えばClinCal(登録商標)マトリックスキャリブレーターから選択することができる。
【0055】
さらに方法は、脂質、タンパク質、ペプチド、核酸及び炭水化物のための標識物質/染色化合物を、加工前及び/又は加工後に生物学的流体に添加することを含んでいてもよい。
【0056】
加工された流体は、好ましくは0.5〜1.4%NaCl、より好ましくは0.7〜1.2%NaCl及び最も好ましくは、ほぼ生理学的塩濃度に相当するイオン濃度を有する。加工された流体は、添加された試薬、例えば崩壊試薬及び/又はデタージェントを不含であってもよい。一方で、加工された流体はさらに有機溶剤及び/又は前記に示すような添加した水性流体を含有していてもよい。最も好ましくは、加工した流体は、崩壊した全血である。
【0057】
さらに本発明は、前記に示すような処理がなされた生物学的流体試料中の分析物を測定するための方法に関する。分析物は、生物学的流体中で検出することができる任意の分析物であってもよく、例えば生物学的化合物、例えば核酸、ポリペプチド、ペプチド、脂質、糖、ホルモン、代謝物質等である。他方で、分析物は非生物学的化合物、例えば製薬学的化合物であってもよい。好ましい実施態様において、分析物は免疫抑制物質、例えばシクロスポリン、ラパマイシン又はタクロリムス又は関連する化合物である。
【0058】
加工された液体中の分析物測定は、任意の公知方法にしたがって実施することができる。例えば、分析物の測定は、化学的、生物化学的及び/又は生化学的方法にしたがって実施することができ、かつ、ハイブリダイズ反応、免疫学的反応、酵素反応、例えば核酸増幅、クロマトグラフィー分析、分光測定、例えば質量分光測定又はNMR分析及び/又は分光分析を含んでいてもよい。特に好ましい実施態様において、本発明は、全血試料中で免疫抑制物質を測定するための方法に関し、その際、全血は前記に示す処理によって加工され、かつ免疫抑制物質は、標準化された方法にしたがって、たとえば質量分光測定(MS)法によって加工された全血中で測定される。
【0059】
本発明による方法は、生物分析的及び臨床化学的分析手段、例えば固相抽出(SPE)、液−液抽出(LLE)等に特に適している。したがって、本発明による方法にしたがっての好ましい分析方法はSPE、特に全血からの標的分析物のin situSPE、希釈されていない細胞崩壊血を用いての標的分析物のオンライン/オフライン/インライン抽出方法、例えばSPEを、HPLC又はMSを組合せるか、あるいは組み合わせることなく、あるいは細胞崩壊血のプレート上へのスポッティング、たとえばMALDI−プレート、アレイ、マイクロチップ等、希釈されていない崩壊血の適切な容器、たとえば96穴プレート、エッペンドルフチューブ等へのサンプリング、希釈されていない細胞崩壊血の分化及び加工、たとえばMALDI−MS及び希釈されていない細胞崩壊血のミクロ流体装置へのサンプリング、例えばLab−オンチップ又はポイントオブケアテスト(POCT)である。
【0060】
他の好ましい実施態様において、分析物は臨床化学的パラメータ、たとえば先天性代謝障害、たとえばフェニルケトン尿症に関連する臨床化学的パラメータである。この実施態様において、試料は好ましくは、新生児から得ることができる毛細血管試料である。
【0061】
他の実施態様において、方法は、非ヒト動物、好ましくはマウス、モルモット及びラットからの血液試料を加工するのに適している。たとえば、試料は自動化された系により取り出すことができ、かつ直接前記に示すように加工することができる。好ましい自動化された系は、Dilab(登録商標)からのAccuSampler(登録商標)である。
【0062】
本発明の装置は、さらに液体装入口を含むものであってもよく、そこで、生物学的流体の試料は、流体加工ユニット中に導入することができる。流体は、装置の範囲内で、輸送要素、たとえばポンプ要素によって輸送することができる。
【0063】
流体加工ユニットは、少なくとも部分的に凍結可能/加熱可能である。流体加工ユニットの凍結可能及び/又は加熱可能な部分は、装置の一体化された部分であるか、あるいは、装置から取り外し可能な部分であってもよい。流体加工ユニットは、好ましくは約0.1〜0.8mmの内径を有する。
【0064】
したがって、生物学的流体は、本発明によって、取り外し可能なユニット、たとえばステンレス鋼ニードル中で、あるいは、細管コンジットの形の一体化されたユニット、たとえばステンレス鋼細管中で、直接加工することができる。
【0065】
冷却要素は、流体加工ユニットと密着し、かつ低温流体又は低温流体の蒸気相中に含浸されるスリーブであってもよい。加熱要素は、任意の適した加熱要素、たとえば誘電加熱のための要素、対流加熱のための要素、抵抗加熱のための要素及び/又はレーザー励起による加熱のための要素であってもよい。たとえば、加熱要素は、流体加工ユニットの予め定められた部分又はマイクロ波放出器周囲を包囲する加熱コイルであってもよい。制御要素は、試料加工の制御、すなわち、流体の冷却及び加熱を、たとえば冷却/加熱強度及び/又は流体加工ユニットの凍結可能/加熱可能な部分における時間を制御することによって提供する。
【0066】
装置は、場合によっては、相当する流体加工ユニット又は少なくともその一部の清浄化及び/又は清浄化効率のモニタリングに適した清浄化要素を含むものであってもよい。
【0067】
清浄化要素は、流体加工ユニット又はその一部を、予め定められた数の生物学的流体加工サイクルの後に、清浄化を実施するのに適している。好ましくは、清浄化は、流体加工ユニット又はその一部中に清浄化液を通過させることを含む。清浄化液は、加工ユニット中で生物学的、たとえばタンパク質性の残留物を除去することができる。清浄化は、流体供給ユニット又はその一部の清浄化液での吸引及び投与又はフラッシングを含んでもよく、その際、流体加工ユニット又はその一部は、好ましくは加熱される。清浄化効率は、流体加工ユニット又はその一部において、清浄化プロセス中での生物学的材料の存在をモニタリングすることによって制御されてもよい。
【0068】
WO 2008/003451において、流体加工ユニットのための適した清浄化手段は、少なくとも2工程が必要であると記載されている。最初に、流体加工ユニットは、アルカリ性のNaCl溶液を用いて、好ましくは60℃又はそれ以上でフラッシングしなければならない。これらの条件下で、残留する生物学的材料を酸化する。次の工程においてこの処理の効率を、適した試薬、たとえばOPA試薬によって、340nmで測光的に検出することができる反応生成物を生じさせる目的のためにモニタリングされる。
【0069】
好ましい実施態様において、本発明は代替的な清浄化手段を提供し、この場合、この方法は、
a)1個のみの処理工程を必要とし、
b)清浄化プロセスの同時の実施及びモニタリングを可能にし、
c)金属から成る材料の腐蝕を生じさせるものではなく、かつ、
d)60℃未満の温度で有効である。
【0070】
この清浄化手段は、本発明の方法及び装置において使用することができる。しかしながら、さらに金属及び/又はプラスチックコンジットを介して、特にコンジットを介して、生物学的試料を輸送することを含む、種々の方法及び装置においても適用可能である。
【0071】
したがって、本発明の他の態様は、ビシンコニン酸(BCA)試薬(Stoscheck, Meth. Enzymol. 182 (1990), 50-69)、好ましくはアルカリ性ビシンコニン酸(BCA)/酒石酸塩/銅試薬の、生物学的試料、たとえば全血又は血漿試料と接触する装置を清浄化するための使用である。たとえばPierce Chemicalsから入手可能なBCA試薬は、タンパク質の存在下で、銅(I)−イオンとの紫色の反応生成物を形成する。この反応は、連続的に562nmでモニタリングすることができる。驚くべきことに、BCA試薬は、生物学的試料と接触する装置、たとえば試料加工装置の内部の金属及び/又はプラスチック部分に対して付着するバイオフィルムを除去することが可能である。BCA試薬は、適した条件下で、たとえば60℃までの温度で、清浄化すべき装置の一部と接触させてもよい。
【0072】
したがって、本発明のもう一つ態様は、BCAを含有する清浄化試薬を提供することである。本発明による清浄化試薬は、好ましくはBCA、金属イオン、たとえば銅イオン、特に銅(I)イオン及び水性緩衝溶液を含み、かつアルカリpH、たとえば約10〜12のpH、特に約pH11を有する。水性緩衝溶液は、適した緩衝剤、たとえば酒石酸塩、重炭酸塩又は炭酸塩緩衝剤、またはこのような緩衝剤の組合せを含んでいてもよい。
【0073】
さらに、装置は場合によっては試料分析要素を含む。試料分析要素は、生物学的試料中で分析物検出に適した任意の要素であってもよい。好ましくは、試料分析要素は、クロマトグラフィー要素、たとえばHPLC要素、抽出要素、たとえば固相抽出(SPE)要素、分光測定要素、例えば質量分光測定又はNMR要素、分光分析要素、酵素及び/又は免疫アッセイ要素及び/又はハイブリダイゼーションアッセイ要素を含む。
【0074】
最終的に、装置は、リモートコントロールユニットからデータを転送するか、及び/又は受容することができるプロセッサーユニットを含んでいてもよい。データ転送は、オンサイン、たとえばワイヤレス転送、たとえばGSM/GPRS/3Gデータ転送を介して生じてもよい。リモートコントロールユニットは、それぞれの装置に対して流体加工を許可するために調整されていてもよく、たとえば、実施に関する支払い後に、予め定められた数の流体加工手段が受領される(すなわち、ペイ−パー"pay-per"プロセス)。
【0075】
本発明の1個又は複数個の観点に関して説明されたすべての好ましい実施態様は、すべての他の観点に関するものであることに言及すべきである。
【0076】
本発明は以下の実施例によってさらに説明される。
【0077】
実施例
例1
細胞性成分、すなわち、ヒト全血中に存在する赤血球、白血球及び血小板を崩壊するための方法
第1工程において、20μlの周囲空気を、シリンジ/インジェクションニードル(ステンレス鋼、0.3mm内径;0.2mm壁厚)によって吸引し、引き続いて、ボランティアからの凝固防止処理された全血試料10μlを吸引した(ヘマトクリット値0.42)。
【0078】
最終的に、再度20μlの空気を吸引した。その後に、シリンジ/インジェクションニードルを、液体窒素で充填された断熱容器中に含浸し、かつ、全血試料を、液体窒素の表面下に位置するように置いた。瞬間凍結方法は、約2700℃/分の冷却速度に相当する記載された条件下で5秒費やした。その後に、凍結した試料を含むシリンジ/インジェクションニードルを、2秒以内で、50℃に調整された水浴中に含浸させ、かつ、凍結試料が水表面下に位置するように置いた。融解時間は8秒であり、これは、約1900℃/分の加熱速度に相当する。
【0079】
瞬間凍結/融解プロセス前後の微視的検査及び Neubauer血球計算盤を用いての細胞カウントは、処理された血液中に存在する細胞性血液成分(赤血球5.2×10/μl;白血球6.5×10/μl;血小板2.2×10/μl)が、定量的に崩壊したことを示す。
【0080】
例2
流体処理ユニットの洗浄及び洗浄効率の同時モニタリング
例1と同様に、全血試料の瞬間凍結及び融解の方法のために50回使用したステンレス鋼細管コンジット(内径0.5mm;長さ10cm)を、以下の方法で清浄化した。いわゆるBCA試薬(0.1N NaOH中のビシンコニン酸、酒石酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、4%硫酸銅;Pierce Chemical)の溶液、この場合、この溶液は、本来タンパク質の測定に使用されるものである、を、細管コンジットを介して、200μl/分の流速でポンプ汲み上げした。さらに、細管コンジットを、50℃に加熱した水浴中に含浸した。溶離液をUSV/UIS検出器を介して通し、かつ吸収率を562nmでモニタリングした。完全な清浄化、すなわち、残留タンパク質等の除去は、シグナルが再度ベースラインに到達した後に達成され、この場合においては9分後であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)細胞性成分のほぼ定量的な崩壊を提供し、かつ、
(ii)流体成分の沈降、析出、変性、凝集及びゲル化をほぼ生じさせることのない条件下で、加工された生物学的流体を製造する方法において、
a)細胞性成分を含む生物学的流体を提供し、
b)前記生物学的流体を凍結させ、かつ、
c)工程a)の凍結流体を融解する工程を含む、前記方法。
【請求項2】
流体を凍結処理中で−20℃から−196℃の温度、好ましくは−120℃〜−190℃の温度に凍結させ、かつ、その際、凍結された流体を、室温まで、好ましくは40℃まで及びより好ましくは50℃までの温度で融解処理をおこなう、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
凍結処理を、約1260℃/分〜約12600℃/分、好ましくは約2000〜4000℃/分の冷却速度で実施し、その際、融解処理を、約1000℃/分〜約11400℃、好ましくは1500〜4000℃/分の融解速度で実施する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
生物学的流体が体液又は細胞培養液、好ましくは全血、より好ましくは、ヘマトクリット値0.1〜0.6を有する全血である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
(i)沈降及び/又は析出工程及び/又は遠心分離工程及び/又は
(ii)凍結/融解工程前の化学的溶解試薬の添加
を含まない、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
沈降化、析出化、変性化、凝集化及びゲル化生成物をほぼ含まない、ほぼ定量的に崩壊された細胞性成分を含む、未希釈の加工された生物学的流体。
【請求項7】
ほぼ崩壊された赤血球、白血球及び血小板を含む、請求項6に記載の加工された生物学的流体。
【請求項8】
生物学的流体を、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法によって加工し、かつ、分析物を、加工された生物学的流体中で測定する、生物学的流体試料中で分析物を測定する方法。
【請求項9】
分析物を、生物学的化合物、例えば核酸、ポリペプチド、ペプチド、脂質、糖、ホルモン、代謝物質等、及び製薬学的化合物から選択し、その際、分析物は、好ましくは免疫抑制物質、例えばシクロスポリン、ラパマイシン又はタクロリムスである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
全血試料中の免疫抑制物質を測定する方法において、全血を請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法によって加工し、かつ免疫抑制物質を、加工した全血中で測定する、前記方法。
【請求項11】
新生児からの全血試料中で、臨床化学的パラメータを測定する方法において、全血を、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法により加工し、かつ臨床化学的パラメータを加工された全血中で測定する、前記方法。
【請求項12】
細胞性成分を含む、生物学的流体を加工するための装置において、その際、装置が:
(a)少なくとも部分的に凍結/加熱可能な流体加工ユニット、
(b)流体加工ユニットの予め定められた部分を凍結させるための冷却要素、
(c)流体加工ユニットの予め定められた部分を加熱するための加熱要素、
(d)場合によっては、流体輸送要素、例えばポンプ要素、
(e)(i)前記細胞性成分のほぼ定量的な崩壊を提供し、かつ、
(ii)流体成分の沈降、析出、変性、凝集及びゲル化をほぼ生じることのない条件下で、流体の凍結/加熱を調整するための制御要素、
(f)場合によっては清浄化要素、及び
(g)場合によっては、試料分析要素
を含む、細胞性成分を含む生物学的流体を加工するための装置。
【請求項13】
清浄化要素が、清浄化処理後の流体加工コンジット又はこれらの一部分における、生物学的材料の存在をモニタリングするために調整されている、請求項14に記載の装置。
【請求項14】
清浄化要素が、ビシンコニン酸(BCA)試薬である清浄化液を含む、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項15】
生物学的試料と接触している装置の清浄化のための、ビシンコニン酸(BCA)試薬の使用。

【公表番号】特表2011−529173(P2011−529173A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519087(P2011−519087)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005388
【国際公開番号】WO2010/009895
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(511021952)ゼボ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】SeBo GmbH
【住所又は居所原語表記】Karpfengasse 8, D−69117 Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】