説明

体液検査装置

【課題】体液検査のためにユーザーの取り扱いを容易にすること。
【解決手段】体液検査システムであって、センサを有するハウジングと、当該検査システムによって受容される試験媒体を有するテスト要素とを備え、前記検査装置は、さらにまた、試料流体が塗布される前記テスト要素の領域を照明する光源を備え、前記ハウジングには試験媒体テープが進む先端部分が設けられ、当該先端部分の少なくとも一部が当該ハウジングの外側に設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液検査装置に関し、より具体的には、限定しないが、体液を検査するのに使用される試験媒体を含有する試験媒体カセットを組み込む体液検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般流体検査
体液の収集および検査は、多くの目的に有用であり、そして、医学的な診断および医療に、かつ、他の多種多様の用途に用いるのに重要性が増しつづけている。医学的分野において、実験室の設定を除いて、本職でない技師が、定期的に、迅速に、そして、再現可能にテストを行い、迅速な結果を結果として生じるテスト情報の読み出しを伴うことは好ましい。検査は、様々な体液について行われることが可能であり、そして、特定の用途のために、血液および/または組織間液の検査に特に関連する。上述の流体は、病状を確認し、治療反応を測定し、治療の進展を評価するなどのために、その流体の様々な特性、あるいは、その流体に含有される分析物についてテストされることが可能である。
【0003】
一般テスト工程
体液の検査は、基本的に、その流体試料を得る工程と、その試料をテスト装置に移す工程と、その流体試料についてテストを行う工程と、その結果を表示する工程とを含む。これらの工程は、一般に、複数の独立した機器、あるいは、装置によって行われる。
【0004】
採血
その流体試料を収集する一つの方法は、血液試料を引き出すために、中空の針、あるいは、注射器を静脈、あるいは、動脈に挿入する工程を含む。とはいえ、上述の直接の血管の血液試料採取は、苦痛、感染、血腫および他の出血性合併症を含み、いくつかの制限を有することがある。加えて、直接の血管の血液試料採取は、日常的に繰返すのに適さず;きわめて難しく、そして、患者自身で行うことは勧められない。
【0005】
取得−切開
体液試料を収集する他の周知のテクニックは、その流体を皮膚の表面にもたらすために、皮膚に切開を形成することである。ランセット、ナイフ、あるいは、他の切断器が、皮膚に切開を形成するのに使用される。その結果として生じる血液、あるいは、組織間液標本は、次に、小さいチューブ、あるいは、他の容器に収集される、または、テストストリップと直接接触した状態に置かれる。指先は、それが大いに血管新生され、それゆえ、かなりの量の血液を生成するので、その流体源としてたびたび使用される。とはいえ、その指先には、さらに、神経終末の多数の集積があり、そして、指先を切開することは、その結果、痛いことがある。手のひら、前腕、耳たぶなどの他の代わりの試料採取部位は、試料採取に有用であり、そして、痛みが少ない。とはいえ、それらは、さらに、血液の量が少ない。これらの代わりの部位は、その結果、比較的少ない量の流体を必要とするテストシステムのためにだけに使用するのに、あるいは、工程が、切開部位からの体液の圧出を促進するように行われる場合、一般に適切である。
【0006】
皮膚を切開する様々な方法およびシステムは、技術上周知である。例示的な切開装置は、たとえば、1998年5月19日に、ラング(Lange)らに発行された米国再発行特許第35,803号と;1990年5月15日に、オブライエン(O’Brien)に発行された米国特許第4,924,879号と;1999年2月16日に、デュコン(Duchon)らに発行された米国特許第5,879,311号と;1999年1月12日に、ダグラス(Douglas)に発行された米国特許第5,857,983号と;2001年2月6日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第6,183,489号と;2001年12月25日にダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第6,332,871号と;1999年10月12日に、デュコン(Duchon)らに発行された米国特許第5,964,718号とに示されている。代表的な市販用の切開装置は、Accu-Chek Softclix(商品名)ランセットである。
【0007】
圧出
患者は、切開部から流体を絞り出す、あるいは、ポンプで吸い上げるために、切開部を包囲する領域に圧力を加えることなどによって、流体を切開部位に押し進めるように、たびたび勧められる。さらに、切開部から体液の圧出を促進するような、メカニカル装置も周知である。上述の装置は、たとえば、1999年2月16日に、デュコン(Duchon)らに発行された米国特許第5,879,311号と;1999年1月12日に、ダグラス(Douglas)に発行された米国特許第5,857,983号と;2001年2月6日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第6,183,489号と;1999年9月14日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第5,951,492号と;1999年9月14日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第5,951,493号と;1999年10月12日にデュコン(Duchon)らに発行された米国特許第5,964,718号と;2000年7月11日に、ロー(Roe)らに発行された米国特許第6,086,545号とに示されている。切開部から体液の圧出を促進する代表的な市販用製品は、Amira AtLast(商品名)血糖システムである。
【0008】
試料採取
流体の“試料採取”と下文で称される、生成された体液の収集は、様々な形を取ることが可能である。その流体標本が切開部における皮膚表面に達すると、試料採取装置は、その流体と接触して置かれる。上述の装置は、たとえば、チューブ、あるいは、テストストリップが、切開を形成するに先だって、切開部位に近接して位置されるか、または、切開が形成された直後に、切開部位に移動されるかのいずれかであるシステムを含むことができる。試料採取チューブは、吸引力によって、あるいは、毛管作用によって、その流体を収集することができる。上述の試料採取システムは、たとえば、2000年4月11日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第6,048,352号と;2000年8月8日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第6,099,484号と;2001年12月25日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第6,332,871号とに示されるシステムを含むことができる。市販用試料採取装置の例示は、Roche Compact(商品名)と、Amira AtLast(商品名)と、Glucometer Elite(商品名)と、Therasense FreeStyle(商品名)テストストリップとを含む。
【0009】
検査一般
体液試料は、技術上周知のように、様々な特性あるいは成分について分析されることができる。たとえば、上述の分析は、ヘマトクリット値、血糖、凝固、鉛、鉄などに向けられることができる。検査システムは、試料採取した流体を分析するために、オプティカル手段(たとえば、反射、吸収、蛍光性、レイマン(Raman)など)と、電気化学手段と、磁気手段とを含む。上述のテストシステムの例示は、1998年10月20日に、プリースト(Priest)らに発行された米国特許第5,824,491号と;1999年10月5日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第5,962,215号と;1998年7月7日に、ダグラス(Douglas)らに発行された米国特許第5,776,719号とにおけるテストシステムを含む。
【0010】
一般に、テストシステムは、テストされる体液と、テストシステムに存在する試薬との反応をうまく利用する。たとえば、オプティカルテストストリップは、一般に、変色、すなわち、使用される試薬システムによって形成される色素によって吸収、あるいは、反射される波長における変化に頼る。たとえば、米国特許第3,802,842号と;米国特許第4,061,468号と;米国特許第4,490,465号とを参照。
【0011】
血糖
周知の医学的テストは、血糖レベルの測定である。そのグルコースレベルは、血液の分析によって直接に、あるいは、組織間液などの他の流体の分析によって間接的に測定されることが可能である。糖尿病患者は、一般に、かれらの糖尿病の性質および重症度に応じて、かれらの血糖レベルを一日に数回測定するように指示される。測定したグルコースレベルにおける観測したパターンに基づき、患者および医師は、投与されるインスリンの適切なレベルを決定し、さらに、ダイエット、運動および他の要因のような問題を考慮に入れる。
【0012】
体液中にグルコースなどの分析物の存在についてテストする際に、オキシターゼ/ペルオキシターゼ検知化学反応を使用して生じる酸化/還元反応をうまく利用するテストシステムが、一般に使用される。テスト試薬は、適切な期間、体液の試料に曝され、そして、分析物(グルコース)が存在する場合変色する。一般に、この変化の強さは、試料における分析物の濃度に比例する。その試薬の色は、次に、周知の基準と比較され、それにより、人が、試料中に存在する分析物の量を決定することを可能にする。この決定は、たとえば、目視検査によって、あるいは、選択した波長における反射分光光度計、または、血糖メーターなどの機器によって、行われることが可能である。電気化学システムおよび他のシステムは、さらに、構成物質の特性について体液をテストするのによく知られている。
【0013】
検査手段
上述のように、糖尿病患者は、一般に、かれらの血糖レベルが、許容域内であることを確実にするように、一日中かれらの血糖レベルをモニタする必要がある。いくつかのタイプの試料採取装置は、血液などの体液を吸収および/またはテストするために、媒体を含有する検査ストリップの使用を必要とする。検査後、血液に汚染される検査手段は、バイオハザード(生物災害)と考えられ、そして、他の人が、汚染したテストストリップに曝されることを防止するために、直ちに処分される必要がある。これは、人がレストランなどに外出中であるとき、特に不都合である。そのうえ、個人のテスト要素は、異なる使用期間を有する他のテストストリップと容易に混合されることがある。使用切れになったテスト要素の使用は、誤った読みを生成することがあり、それにより、糖尿病患者に対する不適切なインスリンの投薬量などの患者への不適切な治療という結果になる。
【0014】
試験媒体カセット
複数の検査を可能にする試験媒体カセットを有する分析システムは、試料流体を試験媒体に塗布するためにピペットを使用するオートメーション化した実験室システムの環境のために先行技術(たとえば、米国特許第4,218,421号と米国特許第5,077,010号とを参照)に記述されている。これらのシステムは、それゆえ、たとえば、自己検査のための糖尿病患者のような素人によって使用されるのに適さない。独国特許第198 19 407号明細書は、家庭環境で使用されるテスト要素カセットについて記述している。図1は、テープのテスト要素が湾曲した表面全体に移動されるとき、血液塗布のために呈される打出された領域を有する電気化学テスト要素のテープを描いている。独国特許第198 19 407の図2は、反射率計分析のための試験媒体のテープを有するテストカセットを示している。試料流体、特に身体の部分に位置する体液の塗布は、示された装置では、扱いにくい。
【0015】
本発明の目的は、体液検査のためにユーザーの取り扱いを容易にすることであった。
【発明の概要】
【0016】
本発明は、体液をテストする様々な装置および方法を提供する。本発明は、複数の試験媒体を含有する体液検査装置を含む。
【0017】
本発明の一つの態様によれば、体液を分析する体液検査装置が提供されている。その検査装置は、体液を収集するように構成される試験媒体テープを含む試験媒体カセットを備えている。そのカセットは、試験媒体テープの汚染されていない部分を保管する供給部分を含む。試験媒体テープの汚染された部分を保管する保管部分は、さらに、採用されている。
【0018】
検査装置は、ユーザーによって便利に取り扱われることが可能な手持ちサイズの装置である。試験媒体テープは、検査装置の一部であり、そのために、装置全体は、試験媒体テープが使い果たされたとき、捨てられる、あるいは、試験媒体テープが、検査装置に受容される使い捨て可能なカセットに配置される。本発明の第一の実施形態の重要な態様は、体液が塗布される試験媒体テープの部分が、先端のような形状で露出されることである。このために、試験媒体テープは、検査装置に、あるいは、試験媒体カセットに属する凸形の先端部分全体にわたって誘導される。この先端部分により、体液は、きわめて都合よく試験媒体テープの露出した部分に塗布されることが可能である。
【0019】
検知領域は、カセットの露出部分における試験媒体テープに収集される体液の少なくとも一つの特性、あるいは、分析物を検知するために、供給部分と保管部分とのあいだに位置決めされる。
【0020】
検査装置は、さらにまた、身体部分に穴をあける穴開けユニットを備えることができる。穴あけユニットの切開開口は、先端部分が、そのうえ便利な穴あけに使用されることが可能なように、凸形部分に、あるいは、凸形部分に近接して配置されることが利点である。その穴あけユニットは、試験媒体テープの下に配置されることができ、そして、切開装置は、試験媒体テープを貫通することが可能か、あるいは、試験媒体テープの凹部を延通することが可能かのいずれかである。
【0021】
本発明の別の態様は、体液試料の塗布のために視覚によるユーザー誘導のための方法および装置である。この実施形態によれば、検査装置は、体液が塗布されるテスト要素の部分の照明によって表示する照明ユニットを備えている。その照明は、体液を塗布するために、ユーザーへのタイムリーな、および/または、空間的な誘導に役立つ。さらに、照明は、穴あけのために身体部分を位置決めするロケーションを表示する役割を果たす。試験媒体の照明領域は、さらに、検査装置によって必要とされる体液の量(あるいは、小滴サイズ)を表示することができる。
【0022】
本発明の別の態様は、体液試料を収集するテストカセットに関する。そのカセットは、体液のこれまでの試料で汚染されている試験媒体テープを受容する部分と、汚染されていない試験媒体テープを保管および供給する部分とを有する試験媒体テープを含む。そのカセットは、試験媒体テープの汚染されていない部分が封入される供給部分を有するハウジングを含む。そのハウジングは、さらにまた、試験媒体テープの汚染した部分が、汚染後封入される保管部分を含む。そのカセットは、さらにまた、試験媒体テープが進み、そして、試験媒体テープが体液に露出される凸形の先端部分を含む。供給リールは、試験媒体テープの汚染されていない部分が巻かれるハウジングの供給部分に配置される。保管リールは、試験媒体テープの汚染した部分が巻かれるハウジングの保管部分に配置される。
【0023】
さらにまた、本発明は、検査装置を使用する方法に関し、
a)テスト要素を試料塗布位置決めにもたらす工程と、
b)試料流体塗布が望まれるテスト要素の部分を照明する工程と、
c)照明部分に試料流体を塗布する工程と、
d)分析結果を生成するために、テスト要素の試験媒体を鑑定する工程と、
e)テスト要素、あるいは、試験媒体を試料塗布位置決めから引き出す工程と
を備えている。
【0024】
試験媒体テープを採用する実施形態の場合、多量の試験媒体が、同じテスト要素(たとえば、テープ)に位置する。テスト要素を試料塗布位置決めにもたらし、そして、この場合、それをこの位置決めから取り除く工程は、テスト要素の位置決めをシフトすることによって行われる。工程e)は、鑑定が試料塗布とは異なる位置決めで行われる場合、工程d)の前に行われることが可能であるということが、さらにまた、理解される必要がある。
【0025】
単一使用のテスト要素を受容する装置の場合、個々のテスト要素は、試料塗布位置決めにもたらされ、そして、使用後装置から出される。
【0026】
さらなる工程は、身体開口を生成する穴あけに関する上述の方法に含まれることができる。
【0027】
本発明の他の形状、実施形態、目的、特徴、利点、利益および態様は、詳細な図面およびここに含まれる説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】末端端部に先端部分を有する検査装置。
【図2】指先での先端部分への血液塗布。
【図3】斜視図での先端部分の実施形態。
【図4】試験媒体テープの移動方向を伴う平面での先端部分を通る切断部。
【図5A】供給リール構造および保管リール構造の実施の形態。
【図5B】供給リール構造および保管リール構造の実施の形態。
【図5C】供給リール構造および保管リール構造の実施の形態。
【図5D】供給リール構造および保管リール構造の実施の形態。
【図6】先端部分を有する試験媒体テープカセットと挿入したカセットを有する検査装置。
【図7】試験媒体テープカセットと挿入したカセットを有する先端部分を有する検査装置。
【図8】照明した試料塗布ゾーンを採用する実施の形態。
【図9】導光テスト要素に適用される照明の概念図。
【図10】毛管充填テスト要素に適用される照明の概念図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
選択された実施形態の説明
本発明の原理の理解を促進するために、ここでは、図面に示される実施形態を参照として行われ、そして、特定の専門用語が、同様のことを説明するのに使用されている。本発明の範囲の限定は、それによって意図されるものではなく、そして、例示された装置におけるそのような改変およびさらなる変更、そして、ここに例示されるような本発明の原理のそのようなさらなる適用は、本発明が関係する当業者には通常心に浮かぶように熟考されるものであるということは、それにもかかわらず理解されることである。本発明に関連しない特徴のいくつかが、明確性のために示されていないということは当業者には明らかであるとはいえ、本発明の一つの実施形態は、きわめて詳細に示されている。
【0030】
本発明の第一の一般概念は、試験媒体テープを組み込む体液検査装置に関する。その試験媒体テープは、センサで分析される体液試料を収集するのに使用される試験媒体を保持する。その試験媒体は、カセット内に収容され、そのために、カセットの試験媒体が、使い果たされた後、新しい試験媒体カセットが、検査装置に挿入されることが可能であることが利点である。試験媒体テープは、各テストの前か、あるいは、後に、牽引が付けられ、そのために、連続するテストは、個々の試験媒体の処分を必要とすることなく行われることが可能である。その試験媒体は、手動で、あるいは、自動的に牽引が付けられることが可能である。その試験媒体は、試料からの分析物で、検知可能な結果に導くテスト化学作用を含有する媒体である。テスト化学作用および検査のさらなる詳細に関して、“Testing General(検査一般)”の項を参照。試験媒体は、テスト流体試料を吸収するように構成されることが好ましい。これにより、検査装置が、体液試料によって汚染されることを防止する。後により詳細に説明されるように、試験媒体は、連続する試験媒体間のあいだに自由スペースが配置される輸送テープを備える試験媒体テープを採用することが好ましい。好ましい配列は、以下のような;試験媒体を有するテープ−試験媒体を有さないテープ−試験媒体を有するテープ−などの領域を有する構造を有する。そのテープは、たとえば、従来のプラスチックテープから作られることが可能である。その試験媒体は、たとえば、接着剤でつける、溶接することによって、あるいは、接着テープを使用して、テープに取り付けられる。
【0031】
本発明による体液検査装置10は、図1Aに示されている。その装置の図面は、ハウジング11と、テスト結果および用法の指示を表示するディスプレイ12とを示す。装置の前方端部には、それ全体にわって試験媒体テープ30が進む先端部分20が示されている。この先端部分は、本発明の発明力のある着想である。検査装置の前方端部の試験媒体は、体液の塗布を容易にする先端のような先端部分によって露出されている。このための先端部分は、身体の部分(たとえば、指、あるいは、腕)にアクセス可能なように、少なくとも部分的に、検査装置のハウジング11の輪郭から突出している。
【0032】
検査装置は、体液試料が位置する身体の表面(たとえば、指、あるいは、腕)に、先端部分を用いて近づけられることが可能である。試料が塗布される必要があるロケーションとして先端部分を容易にアクセス可能にして、見えるようにさせるために、先端のような形状を採用することは好ましい。容易なアクセスおよび良好な可視性は、60度以上、好ましくは、90度以上の角度だけ、試験媒体テープの移動の方向を変化する先端部分によって達成されることが可能である。
【0033】
図1Bは、図1Aに描かれるのときわめて類似する検査装置を示している。図1Aの実施形態の試験媒体テープ30が、装置の左側から右側に(あるいは、右側から左側に)進むのに対して、図1Bでは、そのテープは、上方側から下方側に(あるいは、下方側から上方側に)進む。
【0034】
本発明の第二の発明の概念によれば、体液塗布は、その体液試料が塗布される必要があるテストテープの部分30’を照明することによって、さらにまた、容易にされることが可能である。この機能性のために、半透明の試験媒体が都合がよい。その試験媒体が、とはいえ、不透明である場合、試験媒体がそれに塗布されず、試験媒体テープの半透明の部分が、採用されることができる。とはいえ、たとえば、反射率計グルコース試験媒体のような分析物検査のための大部分の試験媒体は、部分的に透明であり、その結果、後方からの照明が行われ、そして、試験媒体の層があまり厚くないとき、その試験媒体の前方に容易に見える照明領域を生成する。この分野にたけた人は、後方からの照明がユーザーによって容易に見える十分な光を透過する試験媒体を作る方法を知っている。白色光での照明によるような、より良く見える照明結果が結果として生じるように、着色光(たとえば、赤、あるいは、緑)で試験媒体テープの後方を照明することは好ましい。
【0035】
本発明の第二の発明概念は、試料流体が塗布される必要がある試験媒体、あるいは、テスト要素の部分を照明することによるユーザー誘導を含む。上記に既に説明されているように、照明は、装置が試料流体を受容する準備ができたときに行われる。さらにまた、試験媒体の前方における照明領域のサイズは、適切な分析を可能にするために、試料流体が充填される必要がある試験媒体のサイズを表示するように選択可能であることは利点である。ユーザーは、その結果、十分な試料流体を、試験媒体の正確な位置決めに塗布したかどうかを目に見えるように制御することが可能である。ユーザー誘導のための照明は、テスト要素が試料受容のために検査装置に位置決めされるときに行われる。照明について、オプティカル鑑定と同じ光学機器の構成部分が使用されることが可能である。とはいえ、試験媒体に塗布される試料流体のサイズを表示することが望まれる場合、このために独立した光源を採用すること、あるいは、照明領域のサイズを変更する手段を採用することが好ましい。後者の場合における塗布部位の表示および所望の試料容量の表示について、試験媒体の第一の表面が、照明され、そして、異なるサイズの領域(第一の領域内に位置する)は、試験媒体を鑑定するために証明される。
【0036】
試料流体によって湿らされる領域と、適切な分析が行われることが可能かどうかの認識とのあいだに特定の関連がある。試験媒体は、信頼性のある測定を可能にするために、試料容量の特定の量を必要とする。必要である液体の量は、テスト化学反応、テストアーキテクチャ(たとえば、セルの除去のための付加的な層を有する層構造)、光学機器の構成部分、あるいは、電極などのような多数の要因に左右される。これらの要因が固定され、そして、試験媒体が標準化されている実際の検査装置に関して、信頼性のある測定に必要とされる試料流体の最小の量は、定数である。これに反して、試料流体によって被覆される試験媒体の領域は、試料流体の容量に関連する。非吸収試験媒体の場合、一滴は、表面張力による領域で形成される。周知の表面状態に基づいて、その領域は、その結果、試料容量に関連されることがある。吸収試験媒体の場合、一つの領域当たりの吸収容量は、流体の特定の量によって湿らされる領域を決定する。試験媒体の湿った領域は、その結果、塗布される流体の容量に密接に関連する。
【0037】
この第二の発明力のある着想による検査装置は、適切な分析に必要とされる容量に等しいか、あるいは、それ以上の試料容量が塗布されるときに湿らされる試験媒体の領域を照明する。ユーザーは、それゆえ、塗布した流体の試料が照明領域全体を被覆しているかどうかを視覚によって制御することが可能である。これにより、
十分な流体が塗布された場合、
体液試料が試験媒体上の正確なロケーションに塗布された場合
の二重の制御を可能にする。
【0038】
さらにまた、照明によるユーザー誘導を試験媒体への流体塗布のモニタリングとを組み合せることは利点である。そのようなモニタリングは、オプティカル、あるいは、電気化学検知によって可能である。オプティカル方法において、試験媒体から反射される光が、検知され、そして、強さの変化が、試料流体塗布を検知するためにモニタされる。電気プロセスにおいて、伝導性、あるいは、容量は、試料塗布を検知するためにモニタされることが可能である。測定信号の以前に述べた変化は、以下の情報:
試料が試験媒体に塗布されたかどうか、
試料が試験媒体上の正確な位置決めに塗布されたかどうか、
塗布された飼料の容量が十分であるかどうか
の一つ以上を与えるために鑑定されることが可能である。
【0039】
先端部分における照明は、さらにまた、検査装置の使用プロセスを通してユーザーを誘導するのに役立つ。ブリンキングは、たとえば、検査装置が塗布される試料流体の準備ができていることを表示することができ、そして、恒光、あるいは、光の非活動化は、試料が連続的に塗布されていることを示すことができる。
【0040】
上述のような照明は、制御ユニットによって制御される独立した光源を採用することによって実行されることが可能である。とはいえ、この分野において知られているようなオプティカル測定の場合、測定のための光源は、そのうえ、試料採取位置決めにおける試験媒体の照明のために採用されることが利点である。
【0041】
上記の実施形態による検査装置は、さらにまた、試験媒体の照明のための光源の活動化を制御する制御ユニットを有する。その制御ユニットは、機器が試験媒体に塗布される流体試料を待ち受けているときその光源を活動化する。この意味における照明は、不断の照明を意味するだけでなく、たとえば、ブリンキングも含む。その照明は、ユーザーが検査装置を静止するまで存続することができるが、制御ユニットは、試験媒体への流体の適切な塗布が検知されるとき(上述のように)、照明を非活動化する、あるいは、照明のタイプを変化することが好ましい。とはいえ、試験媒体のオプティカル鑑定の場合、その照明は、流体試料における分析物濃度を測定するために再度活動化されることができる。
【0042】
照明によるユーザー誘導は、試料流体の塗布のための試験媒体部分が、先端に位置する実施形態において都合よく採用されることが可能である。この形状のセットアップにおいて、ユーザーは、試験媒体に試料を塗布するとき光を見ることが可能である。その形状のために、ユーザーは、塗布プロセス、特に、体液が位置する身体の部分の近くの先端部分への接近を視覚的にモニタすることが可能である。先端部分における照明のために、光は、照明領域を試料流体と接触する直前まで、接近する身体の部分によって遮断されない。
【0043】
とはいえ、試料塗布領域の照明によるユーザー誘導は、図8ないし図10に示されるように、ずっと広い領域で使用されることが可能である。
【0044】
図8は、AccuChek Active(商品名)という名前で販売されている反射率計血糖検査装置200を描いている。その装置は、個々のテスト要素250を受容するポート210を有する。適切なテスト要素は、上方側と裏面とから示されている。そのテスト要素が、測定のために配置されるとき、テスト要素250は、試験媒体251の裏面が、オプティカル検知ユニット211の上に位置決めされるように、ポート210に位置する。試験媒体は、試験媒体の上方側に塗布される試料流体270の分析物濃度に基づいて色を変化する。試験媒体の裏面は、オプティカル読出しを可能にするために、テスト要素ベース252の凹部を通って光学的にアクセスされることが可能である。先行技術のシステムにおいて、試験媒体の照明は、ユーザー誘導のためだけでなく読出しのために行われる。それゆえ、本発明は、試験媒体の領域を照明することによって、試料塗布のためのユーザー誘導の概念を請求している。利点として、これに関して、上述のような照明部位と照明領域サイズの使用によって試料流体を位置決めする試料流体サイズと誘導との表示が採用されることが可能である。さらにまた、試料が塗布されるまで存続する試料塗布ゾーンの連続的な照明を採用することは、この実施形態において好ましい。
【0045】
図9において、導光テスト要素300に関連するユーザー誘導概念のための照明が示されている。テスト要素は、導光材料(たとえば、ポリメチルメタクリル酸のような透明なプラスチック)から作られるチューブ301の形状を有する。チューブの前方側には、試料流体が、分析のために塗布される必要がある試験媒体301が位置する。チューブの後方側は、チューブに光305を誘導し、そして、試験媒体302の裏面から反射される光を受容する光学機器の構成部分(図示せず)に接続される。ユーザー誘導について、照明は、流体が塗布される必要がある試験媒体が照明されるように、導光テスト要素に光を誘導することによるのと同じ方法で行われる。本発明は、チューブ形状のテスト要素に限定されるのではなく、そのうえ、他の導光テスト要素にも塗布されることが可能であるということは理解される必要がある。上述の導光テスト要素の従来の使用とは反対に、照明は、検査装置が試料受容の準備ができたときに活動化され、そして、照明は、試料が塗布される必要があることをユーザーに表示する。
【0046】
図10は、別の状況におけるユーザー誘導のための照明を示している。テスト要素400は、材料の層402に形成される毛管溝401を有する毛管充填テスト要素である。この層401、あるいは、上、または、下に位置する材料の層は、導光特性を有する。光405が、テスト要素の後方端部に方向付けられるとき、テスト要素の前方側406が照明される。試料流体は、前方側における毛管端部407に塗布され、そして、その試料流体は、毛管溝を通って試験媒体403に移動する。その試験媒体は、たとえば、試験媒体に接触する電極によって電気科学的に鑑定されることが可能である。別の方法として、試験媒体は、テスト要素の凹部を通って光学的に読み出されることが可能である。この実施形態において、試料は、試験媒体それ自体に直接に塗布されないが、搬送毛管に塗布される。照明は、試料が塗布される必要があるテスト要素の部分を表示する。とはいえ、試料は、毛管端部の近くに位置するテスト要素の照明された端部によって表示される毛管に塗布される必要がある。
【0047】
図2は、検査装置の凸形の先端部分20における試験媒体テープ30の露出した部分への体液40の塗布を示している。その図面から、その先端部分が試料塗布を容易にする方法がわかる。
【0048】
図3は、二つの先端部分20の実施形態をより詳細に描いている。図3Aの実施形態は、露出部分21と誘導部分22とを有する。誘導部分22は、溝の底表面24上を移動する試験媒体テープを誘導する二つのレール23によって形成される溝を有する。その露出部分21には、たとえば、この領域に設置する試験媒体と体液との接触を妨げるレールのような突出要素がないことが好ましい。テープ支持表面25は、さらにまた、図3Aに描かれるような凹部26を有する。この凹部には、センサが、試験媒体テープの鑑定のために配置されることが可能である。適切なセンサは、光源と、試験媒体から反射される光を測定する検知器とを含むオプティカルセンサである。さらにまた、電極を有するセンサユニットが、露出部分21における電気化学試験媒体に接触するために凹部26に配置されることが可能である。
【0049】
試料が塗布された直後に測定が行われることが可能であり、そして、テープ搬送は、測定前に必要でないので、露出部分にセンサユニットの検知部分を位置することは好ましい。とはいえ、試料がそれに塗布された後、試験媒体が移動される別の位置における分析物濃度測定のための測定ユニットを位置することも可能である。
【0050】
図3Bには、図3Aのものと類似する先端部分20が示されている。とはいえ、誘導部分22は、周囲に近接した溝を有し、それを通って、試験媒体テープが進む。そのテープは、それゆえ、露出部分21’全体にわたって進むために、その溝の内側壁によって誘導される。その露出部分21’は、それが凹部を持たないが、検知ユニットがそこに組み入れられているという点で、図3Aの露出部分と異なる。これは、たとえば、透明なプラスチックから露出部分21’の一部、あるいは、全体を作ることによって達成されることが可能であり、光がそれを通って輝くことを可能にし、そして、露出部分21’全体にわたって位置する試験媒体から反射される光を検知器に透過する。
【0051】
図3Aおよび図3Bの先端部分20は、検査装置10の一部であり、あるいは、それらが、試験媒体テープカセットの一部であり得る。
【0052】
図4は、図3Bの先端部分20を通る切断部を示している。この透視図において、露出部分21’から左と右の二つの溝形状の誘導部分22’が見られることが可能である。先端部分は、照明溝27と検知溝28とを有して、不透明なプラスチックから作られている。照明溝27の基部端部に、光源50(たとえば、LED)が、照明溝の末端端部の上に位置する試験媒体を照明するように配置されている。その試験媒体から反射される光は、その末端端部において検知溝28に入り、そして、検知溝の基部短部において検知器60(たとえば、光起電性要素、あるいは、光ダイオード)によって受信される。照明溝および/または検知溝は、空の溝、あるいは、たとえば、レンズ、または、光透過性ファイバーのようなオプティカル要素が位置する溝でよい。
【0053】
図4は、さらにまた、先端部分の重要な効果を示している。試験媒体テープは、露出部分21’の上に位置し、そして、第一の矢印(ED)によって示される方向でこの部分に入り、そして、第二の矢印(LD)の方向でその部分から出る。先端の右手には、ベクトル図が示され、それには、これら二つの方向のベクトルのスタートポイントが、同じスポットに位置する。出る方向(LD)と入る方向(ED)とのあいだに角度があるということが分かる。60°、好ましくは、90°以上の角度αを採用することによって、取り扱いの容易さをもたらすのに特に適しているということが分かった。この定義は、試験媒体テープが露出部分に位置を占める実施形態に限定されるものではないということは理解される必要がある。この定義は、先端部分近くに、好ましくは、露出部分内に、押しつけられる試験媒体テープに与えられる方向の変化に基づいている。
【0054】
図5A、図5B、図5Cおよび図5Dは、先端部分20に対する試験媒体テープのための供給部分および保管部分の可能な構造を示している。図5Aにおいて、試験媒体保管リール110は、先端部分20の後に位置し、そして、その保管リールの後に、供給リール100が位置している。供給リールと保管リールとの位置決めは、このインライン構造を有するかぎり、逆に取り替えられることが可能である。そのインライン構造は、スリムな検査装置が望まれる場合都合がよい。
【0055】
図5Bは、供給リール100および保管リール110が並列して配置され、先端部分20がそれらの中間にある実施形態が描かれている。この構造は、試験媒体テープ30が、検査装置への試験媒体カセットの挿入のあいだに、あるいは、後に、先端部分全体にスパンされることが可能なように、先端部分20が機器の一部である場合都合がよい。
【0056】
図5Cは、供給部分の二つのリールと、保管部分110の二つのリールとを有するさらに別の方法を描いている。これらの概略図すべてにおける矢印は、試験媒体の部分の次の使用のあいだの試験媒体テープの移動の方向を表示している。図5Cの実施形態は、検査装置のスリムなデザインが望まれる場合都合がよい。図1に対する見解は、スリムなデザインがユーザーの取り扱いを容易にすることを示している。
【0057】
図5Dには、供給リールおよび保管リールが同軸上に配置されている実施形態が示されている。分かるように、この構造は、非常にスペース効率がよい。リールと先端部分20とのあいだに、先端部分に位置する試験媒体30’を鑑定するオプティカルユニット55が位置している。
【0058】
図6Aには、検査装置への挿入のための試験媒体カセット90が見られる。そのカセットは、供給リール100および保管リール110が位置するハウジング91を有する。そのカセットは、さらにまた、先端部分20を備えている。その試験媒体テープ30は、先端部分の末端端部(外側端部)全体にわたり進む。先端部分の試験媒体テープ部分は、ハウジング91の外側に位置し、それゆえ、周囲環境に露出されている。先端部分の内側端部(末端端部)において、カセットは、検査装置に属する光学機器の構成部分を受容するそのハウジング内に第一の凹部93を有する。そのカセットが、カセットを通って試験媒体テープを誘導するローラ、あるいは、ピン92を有することは利点である。描かれている実施形態において、カセットは、検査装置の駆動ホイールを受容する第二の凹部94を有する。保管リール110は、その中心に凹部と、前記駆動ホイールを受容して、係合する係合要素とを有する。その駆動ホイール凹部は、単に、任意であるということは理解される必要がある。別の方法としての保管ホイールの軸が、採用されることが可能であり、それは、カセットに属し、そして、それは、カセットの外側から駆動されることが可能である。
【0059】
保管リールの回転軸95は、描かれた実施形態のカセットに属する。とはいえ、この軸は、さらに、検査装置に属する軸を受容する凹部によって実現されることが可能である。供給リール100(あるいは、そのリールを駆動する駆動)は、試験媒体テープの引張りを制御する引張り制御を有するべきであり、それ結果、あまりにもたるんだ試験媒体テープ、あるいは、あまりにも引っ張り過ぎた試験媒体テープを回避する。
【0060】
既に述べたように、試験媒体テープは、先端部分において周囲環境に露出される。大部分の試験媒体テープは、とはいえ、湿気、日光などによって破棄される、あるいは、取り替えられる。その結果、測定は、試験媒体を保護するように行われる必要がある。第一の測定は、周囲環境からの湿気との接触が防止されるように、使用前にカセット90全体を包装することである。これは、ブリスターパッケージ(blister package)によって達成されることが可能である。カセットハウジング91は、本体が、先端領域を除いては、湿気に対して閉鎖されるように作られることが可能であるということを心に留めて、カセットの使用前に、除去されることが可能な先端領域全体に湿気に耐える被覆を採用する実施形態が、熟慮されることは可能である。
【0061】
図6Bは、検査装置10を示し、図6Aのカセット90が、それに挿入されている。その検査装置は、カセットの保管リール110に係合する駆動ホイール150を有する。その駆動ホイールは、モータ(図示せず)によって駆動される。別の方法として、駆動ホイールは、ユーザーによって手動で活動化されることが可能である。モータが採用される場合、これは、先端部分20での、試料採取位置決めへの試験媒体の移動を制御し、そして、連係する駆動ユニットによって活動化されることが可能である。既に述べたように、試験媒体が先端部分に位置するとき、試料流体で湿らされる試験媒体の鑑定を行うことは利点である。とはいえ、その位置決めから離れている試料流体で湿らされる試験媒体を、空間的に識別可能な鑑定位置決めに、たとえば、カセット内に移動することも可能である。図6Bには、カセット90が検査装置10に挿入されるとき、検査装置に属し、そして、第一の凹部93に入る光学機器の構成部分160が見られる。オプティカル測定の場合、装置の光学機器の構成部分160を先端部分20と結合する必要がある。これは、たとえば、光透過性先端のような先端部分を採用することによって、あるいは、別の不透明な先端に光ファイバーを含む(たとえば、図4を参照)ことによって、達成されることが可能である。装置の光学機器の構成部分160は、光源および検知器が、結合される光ファイバーの使用によって作られることが可能である。
【0062】
図6Bは、さらにまた、カセットが既に用いられているとき、湿気および他の影響に対して試験媒体を保護するための重要な測定を示している。図示されているように、テープ上の試験媒体の間隔は、第一の試験媒体30’が先端部分20に位置するとき、第二の試験媒体30”が、カセットハウジングの内側に位置するように選択される。さらにまた、実際のテスト要素が既に装置の保管部分内に位置するとき、連続するテスト要素が保護ハウジング内にあるように、連続する試験媒体間の間隔は、大きいことが好ましい。ましてやなおさら利点であるのは、二つの連続する試験媒体間の間隔は、第一の試験媒体が先端部分にあるあいだ、第二の試験媒体が、オーバーレイするテープによって被覆されるように大きいことである。ゆえに、第二の試験媒体をオーバーレイするテープは、それを保護する。
【0063】
図6Bは、さらにまた、先端部分と供給部分とのあいだに位置するカセットの内側の溝96を示している。この溝は、保管部分97と外側とのあいだの単なる接続である。この溝を通って、試験媒体テープは、保管リールから進行して先端部分に進む。溝96は、新しい(未使用の)試験媒体が保管される保管部分に湿気の多い空気を導入する溝への対流を制限するように機能を果たす。さらにまた、この溝は、湿気の拡散への抵抗を保管部分に入れる拡散溝としての機能を果たす。
【0064】
図7は、図6の実施形態に対する別の方法を示している。ここでは、これらの二つの概念間の相違が、説明され、そして、類似性については、図6の説明が参照される。
【0065】
図7Aは、供給リール100と保管リール110とを有する試験媒体カセット90’を描いている。そのカセットは、光学機器の構成部分を受容する第一の凹部93’を有する。この実施形態は、さらに、上記に説明されるのと類似する駆動ホイールを受容する第二の凹部94’を有する。とはいえ、図6とは反対に、図7のカセットは、先端部分を有さない。
【0066】
図7Bは、検査装置10’に挿入される図7Aのカセットを示している。図示されているように、その検査装置は、検査装置の鑑定光学機器の構成部分に結合される先端部分を有する。図7Aおよび図7Bから明らかなように、カセットは、試験媒体テープを先端部分に誘導するユーザーの取り扱い工程がなく、検査装置に挿入されることが可能である。挿入の場合、試験媒体テープの露出した部分は、既に、検査装置に属する先端部分20’の前方に位置している。図7Cから、先端部分20’が移動され、そのために、露出した部分からの試験媒体テープが、装置のハウジングの外側に移動されるということが分かる。試験媒体は、その結果、ユーザーによって、検査装置の輪郭の外側に延在する先端部分の先端にきわめて容易にアクセスされることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液検査システムであって、センサを有するハウジングと、当該検査システムによって受容される試験媒体を有するテスト要素とを備え、前記検査装置は、さらにまた、試料流体が塗布される前記テスト要素の領域を照明する光源を備え、前記ハウジングには試験媒体テープが進む先端部分が設けられ、当該先端部分の少なくとも一部が当該ハウジングの外側に設けられている体液検査システム。
【請求項2】
前記テスト要素の前記試験媒体が、前記光源によって照明され、そして、前記照明領域が、前記センサによる適切な分析を可能にするために、体液によって湿らされる前記領域に対応する請求項1記載の検査システム。
【請求項3】
前記検査装置は、前記装置が分析のための体液を必要とするとき、前記光源の活動化を制御する制御ユニットを備えている請求項1記載の検査システム。
【請求項4】
前記テスト要素が、導光特性を有し、そして、前記装置が、前記テスト要素に光を誘導し、そのために、前記試料が塗布される必要がある前記テスト要素の部分が、照明される請求項1記載の検査システム。
【請求項5】
前記試験媒体が、照明される請求項4記載の検査システム。
【請求項6】
前記試験媒体が、前記照明領域から離れて位置し、そして、前記テスト要素が、試料塗布位置決めから前記試験媒体に試料流体を誘導するために、毛管溝を有する請求項4記載の検査システム。
【請求項7】
センサをハウジング内に有する検査装置を提供する工程と、
少なくとも一つの試験媒体を有するテスト要素を提供する工程と、
前記少なくとも一つの試験媒体に体液を塗布する工程と、
テスト結果を生成するために、前記センサで前記試験媒体を鑑定する工程とを備え、
前記方法は、さらにまた、体液が塗布される必要がある前記テスト要素上の位置決めを表示するために、前記テスト要素の領域を照明する工程を含む、体液をテストする方法であって、
前記テスト要素の一部を露出部として機能させ、前記体液に露出させる工程をさらに含み、
前記露出部が、前記テスト要素の試験媒体を体液塗布に露出するための先端部分を備え、当該先端部分の少なくとも一部が前記ハウジングの外側に設けられている方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−103725(P2009−103725A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33068(P2009−33068)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【分割の表示】特願2004−554484(P2004−554484)の分割
【原出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】