説明

体組成測定装置

【課題】身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重とを測定して、更にその他の身体的条件を併せて測定する。
【解決手段】体内の脂肪量に係わる身体組成組織に関する情報を出力する体組成測定装置1において、被験者を撮影する画像取得装置4が設けられ、画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の部位の長さに係わる情報を得て、被験者の身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重と被験者の部位の長さに係わる情報とから体内の脂肪量を算出して出力することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体組成測定装置に関するものであり、特に、身体インピーダンスを用いて人体の体脂肪などを測定する体組成測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人の健康因子として体重がパラメータとして挙げられていたが、近年においては、体脂肪率も健康因子の一つとして重要視されてきている。このことに対応して、体脂肪量を測定するための種々な方法および装置が開発され提案されている。例えば、身体の2部位間(例えば、末端部間)のインピーダンス、身長、体重等の身体的条件から体内の脂肪量その他の身体組成組織に関する情報を算出する体組成計が知られている。
【0003】
体脂肪量の測定の原理は例えば下記の文献に記載されている。
【非特許文献1】日本臨牀 53巻、1995年特別号、平成7年6月22日発行、第179-182頁
【非特許文献2】計測技術 2004、7、p.14-20
【0004】
また、身体組成の電気導電性の違いを利用するインピーダンス法を用いた体組成計が下記特許文献に提案されている。
【特許文献1】特公平5-49050号公報(特許第1848283号)
【0005】
更に、本件出願人は、身体の2部位間(例えば、末端部間)のインピーダンス、身長、体重等の身体的条件から体内の脂肪量その他の身体組成組織に関する情報を推定又は算出することに関して、下記特許出願を含む多数の特許出願を既に行っており、また、本出願人は測定条件に影響されずに手軽に測定できる体組成計を製作、販売している。
【特許文献2】特開2000-350710号公報
【特許文献3】特開2001-104273号公報
【特許文献4】特開2005-237473号公報
【特許文献5】特開2006-198044号公報
【特許文献6】特開2006-198334号公報
【0006】
上記した非特許文献及び特許文献の内容はここに引用して本明細書の一部とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の体組成計は、体重計と身体インピーダンス測定装置との組合せを基本構成としているものの、最も簡単な例でも、身長を別途入力して、必要な補正をした上で、体脂肪量又は体脂肪率を計算して、表示するように構成されている。なお、得られる体脂肪量又は体脂肪率の数値の信頼性を向上するためには、性別・年齢・身長・腕長・脚長・体型・服装(風袋量)などのデータを別途入力して、より精密な補正を行おうと提案されてもいる。
【0008】
しかしながら、身長・腕長・脚長などのデータは、過去の測定値を被験者自身が記憶しているもの入力することになり、データとして必ずしも直近のものでない。また、これらデータは成人にとっては変動はほとんどないと見做してもいいが、小児においては身長の変化が大きいため、正確でない場合がある。また、性別・年齢・身長・腕長・脚長・体型・服装(風袋量)などのデータを別途マニュアル入力すること自体、被験者自身又は担当の測定係にとって煩瑣であり、誤入力は誤測定の原因にもなる。
【0009】
そのため、下記の特許文献に提案されているように、体組成計に身長計を組み合わせて、身長計からの身長測定値を自動入力することも提案されている。また、体重測定時に、あらかじめ着衣重量を入力して風袋引きする技術もある。
【特許文献7】特開平7-100122号公報
【特許文献8】特願2000-41966号公報
【0010】
しかし、これら技術は、別の問題を生じる。体組成計に従来の身長計を備えると装置全体のシステムが大きくなり、さらに高価な機器になる。着衣重量は、通常の生活において一定でなく、それぞれの重量を把握することは難しく、また入力も煩雑である。
【0011】
そこで、体重計と身体インピーダンス測定装置との組合せた体組成計の体重計部分に被験者が乗るだけで、体脂肪量又は体脂肪率などを求めることができる体組成測定装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるならば、身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重とを測定して、更にその他の身体的条件を併せて、少なくとも体内の脂肪量に関する情報を出力する体組成測定装置において、被験者を撮影する画像取得装置が設けられ、前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の部位の長さに係わる情報を得て、被験者の身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重と被験者の部位の長さとを含む情報とから体内の脂肪量を算出して出力することを特徴とする体組成測定装置が提供される。
【0013】
更に本発明によるならば、当該体組成測定装置は、水平な下部と垂直部とを有しており、被験者の体重を測定するための荷重測定部が前記水平な下部に設けられ、被験者のほぼ全身を撮影するために前記画像取得装置が前記垂直部に設けられている。
【0014】
本発明の1つ実施例によるならば、前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の身長を求めて、被験者の身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重と被験者の身長とを含む情報から体内の脂肪量を算出して出力する。
【0015】
本発明の別つの実施例によるならば、当該体組成測定装置は、左手用の手電極部と右手用の手電極部と有し、更に、前記荷重測定部の上面には、相互に電気的に絶縁されている左足用の足電極部7及び右足用の足電極部8が設けられ、被験者の身体の4部位間のインピーダンスを測定可能に構成されており、前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の少なくとも脚長及び腕長を求めて、被験者の身体の4部位間のインピーダンスと体重と被験者の脚長及び腕長とを含む情報から体内の脂肪量を算出して出力する。
【0016】
本発明の更に別つの実施例によるならば、当該体組成測定装置は、左手用の手電極部と右手用の手電極部と有し、更に、前記荷重測定部の上面には、相互に電気的に絶縁されている左足用の足電極部7及び右足用の足電極部8が設けられ、被験者の身体の4部位間のインピーダンスを測定可能に構成されており、前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の左手及び右手に握られている前記左手用の手電極部と前記右手用の手電極部の位置をも検出し、被験者の少なくとも握り軸高及び肩峰高を求めて、被験者の身体の4部位間のインピーダンスと体重と被験者の握り軸高及び肩峰高とを含む情報から体内の脂肪量を算出して出力する。
【0017】
本発明によるならば、前記画像取得装置は、可視光カメラ及び赤外線カメラの何れか一方又は両方を具備している。
【0018】
また、本発明によるならば、被験者の腹厚を測定するための距離センサを更に有しており、被験者の腹厚をも考慮して体内の脂肪量を算出して出力する。
【実施例】
【0019】
実施例1
図1は、本発明に係わる実施例としての体組成測定装置の外観図であり、図2は、体組成測定装置のブロック図と、人体をインピーダンスで表すと共に体組成測定装置の各電極と接続されている状態を示すものである。
【0020】
図1に示すように、体組成測定装置1は、外観上は、概略L型の形状を成し、そのL型の水平な下部に相当する部分に、荷重測定部(体重測定部)2を有し、L型の垂直部の頂部に、入力及び表示装置3を有し、入力及び表示装置3の下の位置に、画像取得装置4が設けられている。更に、入力及び表示装置3の左側及び右側に、左手用の手電極部5及び右手用の手電極部6が取り外し自在にそれぞれ掛けられている。
【0021】
手電極部5及び6は、ケーブル5C及び6Cを介して、入力及び表示装置3の背面に接続されている。更に、左手用の手電極部5は、相互に電気的に絶縁されている左手通電用電極5A及び左手測定用電極5B(図1では入力及び表示装置3の陰になっている)を有し、同様に、右手用の手電極部6は、相互に電気的に絶縁されている右手通電用電極6A及び右手測定用電極6B(図1では右手用の手電極部6自体の陰になっている)を有している。それら左手用の手電極部5及び右手用の手電極部6は、被験者の左手及び右手でそれぞれ素手で握り締められるものであり、握り締められることにより、左手通電用電極5A及び左手測定用電極5Bは被験者の左手の皮膚に安定した接触抵抗で電気的に接続され、右手通電用電極6A及び右手測定用電極6Bは被験者の右手の皮膚に安定した接触抵抗で電気的に接続される。
【0022】
荷重測定部2の上面には、相互に電気的に絶縁されている左足用の足電極部7及び右足用の足電極部8が形成されている。そして、左足用の足電極部7は、相互に電気的に絶縁されている左足通電用電極7Aと左足測定用電極7Bとを有しおり、同様に、右足用の足電極部8は、相互に電気的に絶縁されている右足通電用電極8Aと右足測定用電極8Bとを有している。荷重測定部2の上面に被験者が素足で乗り、直立姿勢を取ることにより、左足通電用電極7A及び左足測定用電極7Bとは被験者の左足裏の皮膚に安定した接触抵抗で電気的に接続され、右足通電用電極8A及び右足測定用電極8Bは被験者の右足裏の皮膚に安定した接触抵抗で電気的に接続される。
【0023】
図2に示すように、体組成測定装置1は、荷重測定部2と入力及び表示装置3と画像取得装置4とが接続された演算及び制御装置10を具備している。この演算及び制御装置10は、例えば、マイクロコンピュータにより構成することができる。マイクロコンピュータは、CPU、各種記憶装置、入出力インターフェイスなどを有しているが、マイクロコンピュータ自体は当業者に周知であるので、詳細な説明を省略する。演算及び制御装置10には、電力供給部12と、部位インピーダンス測定部14とが更に接続されている。更に、図2において点線で示すように必要に応じて印刷部(プリンタ)24を演算及び制御装置10に付属させて、入力及び表示装置3に表示される各種測定結果、アドバイス情報等をプリントアウトできるようにしてもよい。
【0024】
電力供給部12は、荷重測定部2と入力及び表示装置3と画像取得装置4と演算及び制御装置10とを含む、本装置内の電気エネルギー供給を必要とする各部に電力を供給する。
【0025】
荷重測定部2は、公知の体重計と同様に、重量検出部、増幅部及びAD変換部を備え、身体目方特定情報(体重)に基因する電圧を測定して、測定値を演算及び制御装置10に出力する。
【0026】
入力及び表示装置3は、入力部3Aと表示部3Bとが一体となったタッチパネル式の液晶表示器から成り、必要に応じて身長を含む身体特定情報(身長、身長と性別、身長と年齢、又は身長と性別と年齢)を入力又は訂正し、また、各種測定結果、アドバイス情報等を表示する。
【0027】
画像取得装置4は、荷重測定部2に乗って直立姿勢を取っている被験者の全身を撮影する二次元撮像カメラであり、被験者の全身の静止画像を演算及び制御装置10に出力する。
【0028】
部位インピーダンス測定部14は、演算及び制御装置10によってそれぞれ制御される高周波電流源16と通電用電極切替回路18とを有しており、通電用電極切替回路18には、左手通電用電極5Aと右手通電用電極6Aと左足通電用電極7Aと右足通電用電極8Aとが接続されている。高周波電流源16は、演算及び制御装置10によって指示された周波数の高周波電流を発生し、通電用電極切替回路18は、高周波電流源16から受けた測定用電流を、左手通電用電極5Aと右手通電用電極6Aと左足通電用電極7Aと右足通電用電極8Aとの内の演算及び制御装置10によって指定された2つの通電用電極間に選択的に印加する。高周波電流源16は、出力電流検出回路17を内臓しており、高周波電流源16が供給している高周波電流を電流値を検出して、電流測定値を演算及び制御装置10に出力する。
【0029】
部位インピーダンス測定部14は更に、電圧差検出回路20と、A/D変換装置21と、演算及び制御装置10によって制御される測定用電極切替回路22とを有しており、測定用電極切替回路22には、左手測定用電極5Bと右手測定用電極6Bと左足測定用電極7Bと右足測定用電極8Bとが接続されている。測定用電極切替回路22は、左手測定用電極5Bと右手測定用電極6Bと左足測定用電極7Bと右足測定用電極8Bとの内の、演算及び制御装置10によって指定された2つの測定用電極を電圧差検出回路20に選択的に接続し、電圧差検出回路20は、その選択された2つの測定用電極間の電圧、すなわち選択した身体部位間の生体インピーダンス(各種の部位インピーダンス)に基因する電圧を測定して、A/D変換装置21がそのアナログ測定値をデジタル測定値に変換して測定値を演算及び制御装置10に出力する。
【0030】
被験者の胴体部のインピーダンスの測定方法を概略的に説明する。基本的には、いわゆる四端子法に基づくものであり、ここで、被験者の左右の腕のインピーダンスは同一であるとみなして、そのインピーダンスをZ(腕)とし、被験者の左右の脚のインピーダンスは同一であるとみなして、そのインピーダンスをZ(脚)とし、被験者の胴体部のインピーダンスをZ(胴)とする。
【0031】
最も簡単は方法(以下、第1の方法と称する)は、高周波電流印加電極として左手通電用電極5Aと右手通電用電極6Aとを選択し、電位差測定電極として左手測定用電極5Bと右手測定用電極6Bとを選択して、演算及び制御装置10によって指示された周波数の高周波電流を高周波電流源16に発生させ、2つの測定用電極間の電圧を電圧差検出回路20に検出させ、高周波電流源16が供給している高周波電流を電流値を出力電流検出回路17に検出させる。高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から2Z(腕)従ってZ(腕)を求めることができる。同様にして、高周波電流印加電極として左足通電用電極7Aと右足通電用電極8Aとを選択し、電位差測定電極として左足測定用電極7Bと右足測定用電極8Bとを選択することにより、高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から2Z(脚)従ってZ(脚)を求めることができる。
【0032】
更に、高周波電流印加電極として左手通電用電極5Aと左足通電用電極7Aとを選択し、電位差測定電極として右手測定用電極6Bと右足測定用電極8Bを選択して、演算及び制御装置10によって指示された周波数の高周波電流を高周波電流源16に発生させ、2つの測定用電極間の電圧を電圧差検出回路20に検出させ、高周波電流源16が供給している高周波電流を電流値を出力電流検出回路17に検出させる。この場合、電流路は{左腕‐胴体‐左脚}となる一方、右腕と右脚とには電流は流れないとみなされる。それ故、右手測定用電極6Bと右足測定用電極8Bとの間で測定される電圧は、胴体部分での電圧降下を表していると考えることができる。従って、高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から、被験者の胴体部のインピーダンスZ(胴)を求めることができる。
【0033】
更に同様にして、(2){右腕‐胴体‐右脚}からなる電流路に電流を流す一方、左手と左足との間で電圧を測定して、高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から、被験者の胴体部のインピーダンスZ(胴)を求め、(3){右腕‐胴体‐左脚}からなる電流路に電流を流す一方、左手と右足との間で電圧を測定して、高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から、被験者の胴体部のインピーダンスZ(胴)を求め、(4){左腕‐胴体‐右脚}からなる電流路に電流を流す一方、右手と左足との間で電圧を測定して、高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から、被験者の胴体部のインピーダンスZ(胴)を求めて、そのようにして求めた4つの胴体部のインピーダンスZの平均値を利用することもできる。
【0034】
しかし、実際には、電位差測定のために電流が流れるのは避けられないので、第2の方法として以下の方法もある。
【0035】
第1の方法と同様にして、高周波電流印加電極として左手通電用電極5Aと右手通電用電極6Aとを選択し、電位差測定電極として左手測定用電極5Bと右手測定用電極6Bとを選択して、演算及び制御装置10によって指示された周波数の高周波電流を高周波電流源16に発生させ、2つの測定用電極間の電圧を電圧差検出回路20に検出させ、高周波電流源16が供給している高周波電流を電流値を出力電流検出回路17に検出させる。高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から2Z(腕)従ってZ(腕)を求めることができる。同様にして、高周波電流印加電極として左足通電用電極7Aと右足通電用電極8Aとを選択し、電位差測定電極として左足測定用電極7Bと右足測定用電極8Bとを選択することにより、高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から2Z(脚)従ってZ(脚)を求めることができる。
【0036】
更に、高周波電流印加電極として左手通電用電極5Aと左足通電用電極7Aとを選択し、電位差測定電極として左手測定用電極5Bと左足測定用電極7Bとを選択することにより、高周波電流の周波数と電流値及び検出電位差から{Z(脚)+Z(胴)+Z(脚)}を求めることができ、Z(脚)とZ(脚)とは既に求められているので、Z(胴)を求めることができる。
【0037】
なお、図2の身体模擬図からわかるように、電流路としては、上記した電流路{右腕‐左腕}、{右脚‐左脚}、{左腕‐胴体‐左脚}以外にも{右腕‐胴体‐右脚}、{右腕‐胴体‐左脚}、{左腕‐胴体‐右脚}の合計6つの電流路がある。そこで、第3の方法として、{右脚‐左脚}、{左腕‐胴体‐左脚}、{右腕‐胴体‐右脚}、{右腕‐胴体‐左脚}、{左腕‐胴体‐右脚}の合計5つの電流路のインピーダンスを測定して、連立方程式を解くことにより、被験者の左右の腕のインピーダンス、胴体のインピーダンス、左右の脚のインピーダンスの5つのインピーダンスをそれぞれ求めることもできる。
図3は画像取得装置4による被験者の画像取得方法の一例である。なお、図3において、体組成測定装置1はL型に概略的に図示しており、形状は図1とは必ずしも一致していない。
【0038】
まず、被験者100は、荷重測定部2の所定の位置に立って直立姿勢をとる。画像取得装置4が、荷重測定部2に乗って直立姿勢をとっている被験者の全身を撮影する。このとき、図3の右半分に概略的に示すように、被験者100が荷重測定部2の所定の位置に立つことにより、被験者の体中心と画像取得装置(二次元撮像カメラ)4との距離Dは予め判っており、それ故、画像取得装置4から距離Dの位置での、図3の左半分に概略的に示すような画像取得装置4から得られる画像高Hも予め判っている。画像高Hが、画像の垂直方向の画素数に対応する。画像取得装置4から得られる画像中の被験者100の全身像も併せて、図3の左半分に概略的に示す。
【0039】
なお、ここで、画像取得装置4が撮像した画像の範囲に、被験者100の手の先まで入っていれば、脚の先(足)が入っていなくともいい。なぜならば、荷重測定部2から画像取得装置4までの高さは予め判っており、画像取得装置4が、被験者100の手の先まで撮像できるならば、画像取得装置4が撮像した画像の下端から荷重測定部2まで距離も予め判っているので、その欠けている画像部分の高さは、計算により補償可能である。従って、「被験者のほぼ全身」とは、計算により補償可能である場合には、脚の先(足)まで含まなくてもいいとの意味である。
【0040】
このような取得画像から、画像認識技術により背景と異なる画像部分を抽出することにより、被験者像を弁別することができ、被験者像の垂直方向の最大画素数から、身長を得ることができる。取得画像から身長を求める画像処理は、画像取得装置4から取得画像のデータを受け取る演算及び制御装置10が行う。
【0041】
従って、演算及び制御装置10は、画像取得装置4から受ける取得画像のデータと、荷重測定部2から受ける体重測定値と、部位インピーダンス測定部14から受ける身体部位間の生体インピーダンスに基因する電圧測定値とを、内臓の記憶部26の例えばRAMに一旦記憶する。そして、演算及び制御装置10は、内臓の記憶部26のRAMに一旦記憶した取得画像から身長を求める上記した画像処理を実行して、求めた身長の値を、内臓の記憶部26のRAMに一旦記憶する。更に、演算及び制御装置10は、求めた身長の値と、体重測定値と、内臓の記憶部26のRAMに一旦記憶した生体インピーダンスに基因する電圧測定値とに基づいて体脂肪などの体組成を求める演算処理を実行する。
【0042】
そのために、本実施例1の演算及び制御装置10の内臓の記憶部26の例えばEEPROMには、以下の各種データを少なくとも予め記憶している。
【0043】
i) 身長と各種の部位長(例えば、上肢(腕)長、下肢(脚)長、体幹(胴)長)との対応関係を示す部位長推定基礎データ。より具体的には、部位長推定基礎データは、身長が高くなるに従って長くなるが必ずしも身長とは一定した比例関係にはない各種の部位長と身長との関係に基づいて表されるデータ(相関式又は相関テーブルの形式)である。
【0044】
ii) 各種の部位長及び各種の部位インピーダンスと身体の各部位の脂肪率(上肢脂肪率、下肢脂肪率、体幹脂肪率)又は全身の脂肪率の対応関係を示す脂肪率推定基礎データ。なお、脂肪率の求め方は、様々な式が提案されており、任意のものを選択でき、従って、脂肪率の求め方に応じて脂肪率推定基礎データも異なると理解されたい。
例えば、上肢長をLh、下肢長をLf、体幹長をLtr、上肢インピーダンスをZh、下肢インピーダンスをZf、体幹インピーダンスをZtr、全身の脂肪率を%FAT、a1,b1,c1,d1を定数として、
%FAT=a1×Lh2/Zh+b1×Lf2/Zf+c1×Ltr2/Ztr+d1・・・・・・・・・式(1)
で表される。
【0045】
上記の式(1)には、体重の因子が含まれていないが、一般に知られているように、体重の増加と共に脂肪率が増加する傾向にあるので、身長と体重とに応じた定数a1,b1,c1,d1のそれぞれの相関テーブルを予め用意しておき、被験者の身長と体重に応じて定数a1,b1,c1,d1の実際の値を選択して、上記の式(1)から全身の脂肪率%FATを求める。この場合、脂肪率推定基礎データは、身長と体重とに応じた定数a1,b1,c1,d1のそれぞれの相関テーブルとなる。
【0046】
次に、図4のフローチャートを参照して、本測定装置1の動作の一例を説明する。
【0047】
まず、測定装置1の電源スイッチをオンすると、ステップS1で測定装置1の全ての電気装置が初期設定され、ステップS2で画像取得装置4による被験者の画像取得を行う。そのように取得した画像の確認をステップS3で行う。ここで、画像の確認とは、被験者の身長を測定できるに十分な品質(例えば、鮮明度)で画像が得られていることの確認である。画像の確認の結果、画像が十分な品質でない場合には、ステップS2の画像取得に戻る。一方、画像に十分な品質がある場合には、ステップS4の画像認識(画像解析)に進む。本実施例では、画像認識は、身長のみを測定する。身長は、上述したように被験者の立つ位置をあらかじめ決定しておくことで、取得することができる。求めた被験者の身長の値は、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶される。
【0048】
次いで、画像認識(画像解析)の結果求められた被験者の身長を読み出し(ステップS6)、入力及び表示装置3に表示する(ステップS7)。
【0049】
被験者は、入力及び表示装置3に表示された身長を確認する(ステップS8)。間違っていた場合には、被験者は、入力及び表示装置3のタッチパネルを操作して、表示された身長を修正し(ステップS16)、修正された身長が入力及び表示装置3に表示される(ステップS7)。
【0050】
表示された身長が間違いないと被験者が判断する場合には、被験者は、入力及び表示装置3のタッチパネルの確認ボタンに触れて、「表示された身長が間違いない」ことを入力すると、動作は次の体重測定(ステップS8)に進む。なお、被験者が入力及び表示装置3のタッチパネルを何ら操作せず所定の時間が経過した場合には、「表示された身長が間違いない」とみなして、動作は次の体重測定(ステップS9)に進む。
【0051】
体重測定(ステップS9)では、荷重測定部からの体重測定値を読み出し、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶する。
【0052】
その後、インピーダンス測定(ステップS10)を、電極5Aから8Bまでを使用して測定可能な上記した第1の方法、第2の方法又は第3の方法更に又は当業者に知られている任意の方法により行い、求めたインピーダンスの値を演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶する。
【0053】
更に、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶したインピーダンスの値、身長測定値、体重測定値に基づいて、更には、演算及び制御装置10の内臓の記憶部26の例えばEEPROMに用意されている部位長推定基礎データ、脂肪率推定基礎データ並びに全身の脂肪率%FATを求める式を利用して、全身の脂肪率%FATを求めるための演算処理を行い(ステップS12)、求めた全身の脂肪率%FATを表示し(ステップS13)、所定時間経過後、電源オフとする。
【0054】
実施例2
図5を参照して、本発明に実施例2を説明する。図5は本発明に実施例2による画像取得装置4による被験者の画像取得方法の一例である。なお、図5においても、体組成測定装置1はL型に概略的に図示しており、形状は図1とは必ずしも一致していない。
【0055】
まず、被験者100は、荷重測定部2の所定の位置に立って直立姿勢をとる。実施例1と同様に、画像取得装置4が、荷重測定部2に乗って直立姿勢をとっている被験者の全身を撮影する。このとき、図5の右半分に概略的に示すように、被験者100が荷重測定部2の所定の位置に立つことにより、被験者の体中心と画像取得装置(二次元撮像カメラ)4との距離Dは予め判っており、それ故、画像取得装置4から距離Dの位置での、図3の左半分に概略的に示すような画像取得装置4から得られる画像高Hも予め判っている。画像高Hが、画像の垂直方向の画素数に対応する。画像取得装置4から得られる画像中の被験者100の全身像も併せて、図5の左半分に概略的に示す。
【0056】
このような取得画像から、画像認識技術により背景と異なる画像部分を抽出することにより、被験者像を弁別することができ、被験者像の垂直方向の最大画素数から、身長を得ることができる。取得画像から身長を求める画像処理は、画像取得装置4から取得画像のデータを受け取る演算及び制御装置10が行う。
【0057】
本実施例2では更に、被験者像を解析して胴長と脚長とを測定する。図5の左半分に概略的に示す被験者像から判るように、頭部は頚部を介して胴部に続いているので、被験者全身像の最頂部から見ると、画像の幅が一旦狭くなった後に急に広く変化するところの、画像の幅が一旦狭くなっている部分が頚部と判別でき、その高さH(頚部)を測定することができる。更に頚部から下方を見ると、画像の幅が急に広くなったあとは暫く同じ画像の幅が続き、その後、画像の幅が狭くなる。画像の幅が狭くなった位置が、腕の終わりであり、その高さH(手の先)を測定することができる。高さH(頚部)から高さH(手の先)を引くことにより、腕長を求めることができる。又、脚部は胴部に対して二股に繋がっているので、被験者全身像の最下部から見ると、二本に分かれている被験者像の部分の判別して、二本に分かれている被験者像の高さを測定することにより脚長を求めることができる。そして、頚部の高さH(頚部)から脚長を引くことにより胴長を求めることができる。
【0058】
一方、演算及び制御装置10は、実施例1と同様に構成され、本実施例2では、演算及び制御装置10の内臓の記憶部26の例えばEEPROMには、実施例1と同様に、身長と各種の部位長(例えば、上肢(腕)長、下肢(脚)長、体幹(胴)長)との対応関係を示す部位長推定基礎データと、各種の部位長及び各種の部位インピーダンスと身体の各部位の脂肪率(上肢脂肪率、下肢脂肪率、体幹脂肪率)又は全身の脂肪率の対応関係を示す脂肪率推定基礎データが、記憶されている。なお、実施例2では、胴長、腕長、及び脚長を測定しているので、身長と各種の部位長との対応関係を示す部位長推定基礎データは、基本的に不要であるが、身長測定値が大きく間違っていた場合に備えられている。
【0059】
次に、図4のフローチャートを参照して、本測定装置1の動作の一例を説明する。
【0060】
まず、測定装置1の電源スイッチをオンすると、ステップS1で測定装置1の全ての電気装置が初期設定され、ステップS2で画像取得装置4による被験者の画像取得を行う。そのように取得した画像の確認をステップS3で行う。ここで、画像の確認とは、被験者の身長を測定できるに十分な品質(例えば、鮮明度)で画像が得られていることの確認である。画像の確認の結果、画像が十分な品質でない場合には、ステップS2の画像取得に戻る。一方、画像に十分な品質がある場合には、ステップS4の画像認識(画像解析)に進む。本実施例では、画像認識は、身長、胴長、腕長、脚長を測定する。求めた被験者の身長、腕長、胴長、脚長の値は、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶される。
【0061】
次いで、画像認識(画像解析)の結果求められた被験者の身長、胴長、脚長を読み出し(ステップS6)、入力及び表示装置3に表示する(ステップS7)。
【0062】
被験者は、入力及び表示装置3に表示された身長、胴長、脚長を確認する(ステップS8)。間違っていた場合には、被験者は、入力及び表示装置3のタッチパネルを操作して、表示された身長を修正し(ステップS16)、修正された身長が入力及び表示装置3に表示される(ステップS7)。この場合、修正された身長に基づいて身長と各種の部位長との対応関係を示す部位長推定基礎データを参照して胴長、腕長、及び脚長を求めて、身長と共に演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶される。
【0063】
表示された身長が間違いないと被験者が判断する場合には、被験者は、入力及び表示装置3のタッチパネルの確認ボタンに触れて、「表示された身長が間違いない」ことを入力すると、動作は次の体重測定(ステップS8)に進む。なお、被験者が入力及び表示装置3のタッチパネルを何ら操作せず所定の時間が経過した場合には、「表示された身長が間違いない」とみなして、動作は次の体重測定(ステップS9)に進む。
【0064】
体重測定(ステップS9)では、荷重測定部からの体重測定値を読み出し、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶する。
【0065】
その後、インピーダンス測定(ステップS10)を、電極5Aから8Bまでを使用して測定可能な上記した第1の方法、第2の方法又は第3の方法更に又は当業者に知られている任意の方法により行い、求めたインピーダンスの値を演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶する。
【0066】
更に、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶したインピーダンスの値、身長測定値、胴長測定値、腕長測定値、脚長測定値、体重測定値に基づいて、更には、演算及び制御装置10の内臓の記憶部26の例えばEEPROMに用意されている脂肪率推定基礎データ並びに全身の脂肪率%FATを求める式を利用して、全身の脂肪率%FATを求めるための演算処理を行い(ステップS12)、求めた全身の脂肪率%FATを表示し(ステップS13)、所定時間経過後、電源オフとする。
【0067】
身長はあくまでも電流経路長の代用であり、腕長・脚長を取得することで本来の電流経路長を測定することができ、より正確な体組成測定を行うことができる。
【0068】
実施例3
この実施例3は、上述した実施例2の変形例である。図5に「胴幅」が示されている。画像処理により、この胴幅を求めるのは、様々なパラメータを考慮する必要があるが、極端な肥満体でければ、脚長より少し低い位置での右脚の右端から左脚の左端までの長さを、胴幅と看做すことも可能である。
【0069】
この実施例3の場合、画像認識により、身長、胴長、腕長、脚長に加えて胴幅を測定する。求めた被験者の身長、腕長、胴長、脚長、胴幅の値は、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶させる。
【0070】
更に、本実施例3では、演算及び制御装置10の内臓の記憶部26の例えばEEPROMには、胴幅までも考慮した各種の部位長及び各種の部位インピーダンスと身体の各部位の脂肪率(上肢脂肪率、下肢脂肪率、体幹脂肪率)又は全身の脂肪率の対応関係を示す脂肪率推定基礎データが、記憶されている。
そのほかの処理は、実施例1及び実施例2と基本的に同じであるので、説明は省略する。
【0071】
実施例4
図6は、本発明による体組成測定装置の画像取得装置による被験者の画像取得方法の更に別の一例を図解する図である。なお、図6においても、体組成測定装置1はL型に概略的に図示しており、形状は図1とは必ずしも一致していない。
【0072】
図6に示す本発明による体組成測定装置1Aが、図1に示す本発明による体組成測定装置1と異なる点は、被験者100が荷重測定部2の所定の位置に立って直立姿勢をとっている状態において、腹部のほぼ正面に位置する体組成測定装置のL型の垂直部正面に、距離センサ9が設けられている。成人男子を想定した場合、平均身長170cmであるので、腹部の中央の高さを100cmから110cmと想定して、足電極部の表面から例えば105cmの高さに距離センサ9を設ける。
【0073】
この距離センサ9は、例えば超音波距離計であり、現在10cm程度の至近距離まで測定可能である。この距離センサ9により、被験者100の胴体表面までの距離を測定し、他方、被験者100が荷重測定部2の所定の位置に立って直立姿勢をとっている状態での被験者の体中心と画像取得装置4との距離Dは予め判っているので、その差から腹厚を求めることができる。
【0074】
実施例4の場合、画像認識により、実施例2の身長、胴長、腕長、脚長に加えて腹厚を測定する。求めた被験者の身長、腕長、胴長、脚長、腹厚の値は、演算及び制御装置10の内臓記憶部26のRAMに一時記憶させる。
【0075】
更に、本実施例4では、演算及び制御装置10の内臓の記憶部26の例えばEEPROMには、胴幅までも考慮した各種の部位長及び各種の部位インピーダンスと身体の各部位の脂肪率(上肢脂肪率、下肢脂肪率、体幹脂肪率)又は全身の脂肪率の対応関係を示す脂肪率推定基礎データが、記憶されている。そのほかの処理は、実施例1及び実施例2と基本的に同じであるので、説明は省略する。
【0076】
実施例5
この実施例では、手の位置は、手に持った電極を目印として検出する。.
図6において、被験者100は、両手に手電極部5及び6をそれぞれ握った状態である。手電極部5及び6の前端面に発光体(赤色発光ダイオードなど)を設けるとか、特定の色の面にしておくことにより、検出された画像中にほぼ水平に位置する2つの特定の色の点を検出して、手電極部5及び6の高さ、すなわち、手の握り軸高を測定することできる。
【0077】
更に、肩までの高さ(肩峰高)も測定可能であるので、手の握り軸高を脚長とみなし、肩峰高と握り軸高との差を胴長と看做すこともできる。
【0078】
その他は、実施例2と同様であるので、説明は省略する。また、服厚までも参酌することも可能である。
【0079】
この実施例の場合、{手足間電流経路=肩峰高×2+握り軸高}により、本来の電流経路長を測定することができ、より正確な体組成測定を行うことができる。
【0080】
実施例6
この実施例6では、画像取得装置4として、赤外線カメラを使用する。その他は、実施例1から実施例5と同一である。従って、赤外線カメラを使用する理由を説明して、その他の構成並びに動作の説明は省略する。
【0081】
上記した実施例1から5は、画像取得装置として、可視光を検出するカメラを使用している。その場合、画像取得装置が被験者の体のシルエットを明瞭に認識できるように、同時に体重を正確に測定できるように、肌に密着した薄い服(例えば肌着)を着用した状態で体組成測定装置上に載ることが好ましい。しかし、オープンスペースでの集団検診などでは、他の人の目に晒される結果となり、被験者にとって好ましいものではなく、少なくとも検査着を着用した状態で体脂肪率を測定したい。
【0082】
そこで、画像取得装置として、赤外線カメラを使用する。赤外線は、比較的薄い検査着を透過して、赤外線カメラで感知可能である。赤外線カメラは、熱源の強さに応じて官能するので、体の輪郭を正確に捉え難い面もある。しかし、現在の画像処理技術を利用すれば、体の輪郭をほぼ正確に把握することができるので、画像取得装置として赤外線カメラを使用することに問題はない。
【0083】
この場合、可視光の画像センサと赤外線画像センサとを組み合わせて使用することも可能である。これは、脚長及び腕長が明瞭に認識できる普通服を着用した状態での測定を可能にするために、服の重さの推定に利用できる。すなわち、可視光の画像センサで取得した被験者のシルエットと赤外線画像センサで取得した被験者のシルエットとを比較して、赤外線画像センサで取得した被験者のシルエットの鮮明度から、服の重さを推定して、体重計で測定した体重から、推定した服の重さを差し引くことができる。これは、服の重さは、服の生地の厚さに或る程度比例し、服の生地が厚いほど赤外線の透過量が減少すると考えられるからである。
【0084】
その他の変形例
なお、上記した実施例では、画像取得装置は、体組成計本体に組み込んでいるが、体組成計本体と別体とすることも可能である。また、被験者の立ち位置を決定させるために、荷重測定部に立つ位置の目印を予め設置することもできる。更に、4点式の荷重測定を用いて、被験者の位置を決めてもよい。
【0085】
上述したように、本発明による体組成測定装置は、少なくとも一つの、被験者の画像取得装置を備えたことを特徴とする。かかる構成により、取得された被験者の画像から、身長・腕長・脚長・体型などを判別し、体組成計へのパラメータ入力および風袋入力などを自動的に行う。従って、被験者の負担を軽減して、体組成を測定して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係わる実施例としての体組成測定装置の外観図である。
【図2】体組成測定装置のブロック図と、人体をインピーダンスで表すと共に体組成測定装置の各電極と接続されている状態を示すものである。
【図3】本発明による体組成測定装置の画像取得装置による被験者の画像取得方法の一例を図解する図である。
【図4】本発明による体組成測定装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【図5】本発明による体組成測定装置の画像取得装置による被験者の画像取得方法の別の一例を図解する図である。
【図6】本発明による体組成測定装置の画像取得装置による被験者の画像取得方法の更に別の一例を図解する図である。
【符号の説明】
【0087】
1 体組成測定装置
2 荷重測定部
3 入力及び表示装置
4 画像取得装置
5、 6 電極部
7、 8 足電極部
9 距離センサ
10 演算及び制御装置
14 部位インピーダンス測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重とを測定して、更にその他の身体的条件を併せて、少なくとも体内の脂肪量に関する情報を出力する体組成測定装置において、被験者を撮影する画像取得装置が設けられ、前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の部位の長さに係わる情報を得て、被験者の身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重と被験者の部位の長さとを含む情報とから体内の脂肪量を算出して出力することを特徴とする体組成測定装置。
【請求項2】
当該体組成測定装置は、水平な下部と垂直部とを有しており、被験者の体重を測定するための荷重測定部が前記水平な下部に設けられ、被験者のほぼ全身を撮影するために前記画像取得装置が前記垂直部に設けられていることを特徴する請求項1に記載の体組成測定装置。
【請求項3】
前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の身長を求めて、被験者の身体の少なくとも2部位間のインピーダンスと体重と被験者の身長とを含む情報から体内の脂肪量を算出して出力することを特徴する請求項1又は2に記載の体組成測定装置。
【請求項4】
当該体組成測定装置は、左手用の手電極部と右手用の手電極部と有し、更に、前記荷重測定部の上面には、相互に電気的に絶縁されている左足用の足電極部7及び右足用の足電極部8が設けられ、被験者の身体の4部位間のインピーダンスを測定可能に構成されており、前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の少なくとも脚長及び腕長を求めて、被験者の身体の4部位間のインピーダンスと体重と被験者の脚長及び腕長とを含む情報から体内の脂肪量を算出して出力することを特徴する請求項1又は2に記載の体組成測定装置。
【請求項5】
当該体組成測定装置は、左手用の手電極部と右手用の手電極部と有し、更に、前記荷重測定部の上面には、相互に電気的に絶縁されている左足用の足電極部7及び右足用の足電極部8が設けられ、被験者の身体の4部位間のインピーダンスを測定可能に構成されており、前記画像取得装置が撮影した画像情報を処理して、被験者の左手及び右手に握られている前記左手用の手電極部と前記右手用の手電極部の位置をも検出し、被験者の少なくとも握り軸高及び肩峰高を求めて、被験者の身体の4部位間のインピーダンスと体重と被験者の握り軸高及び肩峰高とを含む情報から体内の脂肪量を算出して出力することを特徴する請求項1又は2に記載の体組成測定装置。
【請求項6】
前記画像取得装置は、可視光カメラ及び赤外線カメラの何れか一方又は両方を具備していることを特徴する請求項1から5の何れか一項に記載の体組成測定装置。
【請求項7】
被験者の腹厚を測定するための距離センサを更に有しており、被験者の腹厚をも考慮して体内の脂肪量を算出して出力することを特徴する請求項1から6の何れか一項に記載の体組成測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−11906(P2010−11906A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172156(P2008−172156)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】