説明

体組成計、測定結果出力方法および測定結果出力プログラム

【課題】部位毎の体組成の付き方に偏りがあるかどうかをユーザに提示することのできる体組成計、測定結果出力方法および出力結果出力プログラムを提供すること。
【解決手段】体組成計は、複数の電極を用いてユーザの全身の体組成値および部位別の体組成値を算出し(ステップS12)、全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比を表わす部位別比率を算出する(ステップS18)。そして、算出された部位別比率に関する比率情報(部位別比率、および/または、部位別比率の評価指標)を、出力する処理を行なう(ステップS24)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体組成計、測定結果出力方法および測定結果出力プログラムに関し、特に、生体電気インピーダンス法によって全身の体組成および部位別の体組成を算出することのできる体組成計、測定結果出力方法および測定結果出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の体組成計としては、次のようなものがある。
たとえば、特許文献1には、下肢脂肪量に対する体幹部脂肪量の比率と年齢との相関からプロポーション年齢を決定すること、下肢筋肉量に対する上半身の重量の比率と年齢との相関から体力年齢を決定すること、また、決定されたこれらのデータに基づいて、ユーザの体格体力を判定することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、体格指数と体組成指標とから体型を判定することが記載されている。
特許文献3には、筋肉量/身長から筋肉量のレベルを判定し、体格年齢レベルを算出することが記載されている。
【0004】
特許文献4には、部位ごとの筋肉率と脂肪率の比の変動度合いを表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4101589号公報
【特許文献2】特開2005−110962公報
【特許文献3】特開2004−344518公報
【特許文献4】特開2005−261488公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来の体組成計では、体組成を算出および表示するだけでなく、体組成から様々な指標を算出および表示することが開示されている。
【0007】
しかし、特許文献2,3のような体組成計では、データベースの被験者群と比較して、身体の平均的な体型や体格年齢レベルが算出および表示されている。したがって、ユーザは、表示された情報により、自分のポジションを理解することができる。
【0008】
これに対し、特許文献1や特許文献4では、指標の算出に、ユーザ自身の2つの異なる部位における体組成値の比率や、ユーザ自身の2つの異なる種類の体組成値の比率を用いることが記載されている。
【0009】
しかし、これらの指標では、ユーザ自身の脂肪や筋肉といった体組成の、部位毎の付き方に偏りがあるかどうかはわからないという欠点がある。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、部位毎の体組成の付き方に偏りがあるかどうかをユーザに提示することのできる体組成計、測定結果出力方法および出力結果出力プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のある局面に従う体組成計は、ユーザの身体の表面に接触させるための複数の電極と、電極を用いてユーザの全身の体組成値および部位別の体組成値を算出するための第1の算出手段と、全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比を表わす部位別比率を算出するための第2の算出手段と、算出された部位別比率に関する比率情報の出力処理を行なうための出力処理手段と、出力処理に応じて、比率情報を出力するための出力手段とを備える。
【0012】
好ましくは、出力処理手段は、比率情報と関連付けて、全身の体組成値に関する全身情報をさらに出力する。
【0013】
好ましくは、全身情報は、全身の体組成値、および、ユーザの性別を含む身体属性における全身の体組成値の評価指標のうち、少なくともいずれか一方を含む。
【0014】
好ましくは、比率情報は、部位別比率、および、部位別比率に関する評価指標のうち、少なくともいずれか一方を含む。
【0015】
好ましくは、測定者の身体属性ごとに、部位別比率の高さを表わす各高低レベルと、部位別比率との関係を特定するための特定情報を予め記憶するための記憶手段と、特定情報と、ユーザの身体属性と、算出された部位別比率とに基づいて、算出された部位別比率に対応する高低レベルを算出するための評価手段とをさらに備え、出力処理手段は、評価指標として、算出された高低レベルを出力する。
【0016】
好ましくは、特定情報は、全ての年齢属性を対象とした高低レベルを記憶した第1のテーブルと、年齢属性ごとの高低レベルを記憶した第2のテーブルとのうち少なくともいずれか一方を含む。
【0017】
好ましくは、部位は、腕部、体幹部および脚部を含み、出力手段は、表示手段であり、出力処理手段は、表示手段に、人体を模式的に表わした人体マークを表示し、かつ、腕部、体幹部および脚部のうち、高低レベルが平均よりも高い部分または低い部分に対応する、人体マークにおける位置を、他の位置と識別可能に表示する制御を行なう。
【0018】
好ましくは、記憶手段は、さらに、年齢属性ごとの部位別比率の分布を表わす分布テーブルを予め記憶し、評価手段は、分布テーブルと、算出された部位別比率とに基づいて、算出された部位別比率がどの年齢属性に相当するかを示す年齢指標を算出し、出力処理手段は、評価指標として、さらに、算出された年齢指標を出力する。
【0019】
あるいは、年齢属性ごとの部位別比率の分布を表わす分布テーブルを予め記憶するための記憶手段と、分布テーブルと、算出された部位別比率とに基づいて、算出された部位別比率がどの年齢属性に相当するかを示す年齢指標を算出するための評価手段とをさらに備え、出力処理手段は、評価指標として、算出された年齢指標を出力することが好ましい。
【0020】
好ましくは、算出された部位別比率の情報をサーバに送信するための通信手段をさらに備え、通信手段は、さらに、サーバより、ユーザの体組成の付き方のバランスと近い人物についての情報を受信し、出力処理手段は、受信した情報をさらに出力する。
【0021】
この発明の他の局面に従う測定結果出力方法は、記憶部と出力部とを備えた情報処理装置において実行される、体組成の測定結果を出力するための方法であって、記憶部に記憶された全身の体組成値に対する、記憶部に記憶された部位別の体組成値の比を表わす、部位別比率を算出するステップと、算出された部位別比率に関する比率情報を出力部に出力するステップとを備える。
【0022】
この発明のさらに他の局面に従う測定結果出力プログラムは、体組成の測定結果を出力するためのプログラムであって、全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比を表わす部位別比率を算出するステップと、算出された部位別比率に関する比率情報を出力するステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比が算出され、算出された値に関する比率情報が出力される。したがって、ユーザは、部位ごとの体組成の付き方に偏りがあるかどうかを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態における体組成計の外観の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における体組成計の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における体組成計の操作部に含まれる複数のボタンの具体例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における体組成計のメモリの構造例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における測定結果記憶領域のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態において、部位別比率の評価に用いられるテーブル(部位評価テーブル)のデータ構造例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態において、年齢指標の算出に用いられる分布テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における体組成計の制御部が実行する体組成測定処理を示すフローチャートである。
【図9】バランス年齢の算出方法の一例を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態において、体脂肪率の測定結果として表示される画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態において、体脂肪率の測定結果として表示される画面の他の例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態において、体脂肪率の測定結果として表示される画面のさらに他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0026】
<外観および構成について>
(外観例)
図1は、本発明の実施の形態における体組成計100の外観の一例を示す図である。
【0027】
図1を参照して、体組成計100は、ユーザが両手で把持可能な上肢ユニット1と、ユーザの両足を載置可能な下肢ユニット2と、上肢ユニット1および下肢ユニット2を電気的に接続するためのケーブル3とを備える。
【0028】
上肢ユニット1は、本体部10aと本体部10aの左右にそれぞれ設けられたグリップ10b,10cとを含む。本体部10aには、測定結果や各種情報を表示するための表示部15、および、ユーザにより操作されて、ユーザからの指示や各種情報の入力を受付けるための操作部16が設けられる。グリップ10b,10cには、複数の電極E11,E12,E13,E14が設けられる。グリップ10b,10cは、ユーザが両手で把持可能に構成されている。
【0029】
左手用のグリップ10bには、電極E11,E13が、右手用のグリップ10cには、電極E12,E14が設けられている。左手用のグリップ10bには、左手の親指側に電流印加用の電極11が設けられ、左手の小指側に電圧測定用の電極13が設けられる。同様に、右手用のグリッ10cには、右手の親指側に電流印加用の電極12が設けられ、右手の小指側に電圧測定用の電極14が設けられる。
【0030】
なお、ここでは、上肢ユニット1がハンドル状に構成されたグリップ10b,10cを含むものとして説明するが、このような形態に限定されるものではない。ユーザが上肢ユニット1を両手で把持可能であって、かつ、両手で把持される部分に電極E11〜E14が配置されていればよい。つまり、ユーザの左手に電極E11,E13が、右手に電極E12,E14がそれぞれ接触されればよい。
【0031】
下肢ユニット2の上面(ユーザが両足を載置するための面)には、複数の電極E21,E22,E23,E24が設けられる。これらの電極のうち、下肢ユニット2の前方側(測定姿勢においてユーザのつま先側)にそれぞれ設けられた電極E21,E22は電流印加用電極であり、下肢ユニット2の後方側(測定姿勢においてユーザの踵側)にそれぞれ設けられた電極E23,E24は電圧検知用電極である。また、下肢ユニット2は、上肢ユニット1を収納するための収納部20を含む。
【0032】
以下の説明において、電極E11〜E14を総称して「手用電極E10」、電極E21〜E24を総称して「足用電極E20」という。
【0033】
(ハードウェア構成)
図2は、本発明の実施の形態における体組成計100の構成例を示すブロック図である。
【0034】
上肢ユニット1は、上記した手用電極E10、表示部15および操作部16に加え、手用電極E10および足用電極E20の双方により、ユーザの手足間に電流を印加して少なくとも手足間(全身)の電位差を検出するための検出部11と、体組成計100全体の制御をするための制御部12と、日時を計測するためのタイマ13と、各種データおよびプログラムを記憶するためのメモリ14と、制御部12に電源を供給するための電源部17と、パーソナルコンピュータなどの外部端末(図示せず)との間でデータやプログラムの送受信を行なうための通信部18とをさらに含む。
【0035】
下肢ユニット2は、上記した足用電極E20に加え、ユーザの体重を測定するための荷重センサ22をさらに含むことが望ましい。
【0036】
メモリ14は、たとえば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリにより構成される。メモリ14の構造例については、後に詳述する。
【0037】
表示部15は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)により構成される。
操作部16は、たとえば、複数のボタンを含む。
【0038】
図3は、操作部16に含まれる複数のボタンの具体例を示す図である。図3を参照して、操作部16は、電源のON/OFFを指示するための電源ボタン16A、過去の測定情報の表示を指示するためのメモリボタン16B、測定開始を指示するための測定ボタン16C、表示部15に表示中の情報の、他の情報への切替えを指示するための表示切替ボタン16D、表示部15に表示されたカーソル(図示せず)を左右に移動させるための左右ボタン16F,16Gを含む。なお、複数のユーザが体組成計100を使用できるように、操作部16に、複数たとえば4つの個人番号ボタン16H,16I,16J,16Kが含まれてもよい。本実施の形態では、このような個人番号ボタン16H,16I,16J,16Kが操作部16に含まれているものとして説明する。
【0039】
検出部11は、制御部12により制御されて電極の切替を行なう。検出部11は、さらに、手用電極E10および足用電極E20のいずれか一方により、ユーザの両手間または両足間に電流を印加して両手間または両足間の電位差を検出することが好ましい。検出された電位差の情報は、制御部12に出力される。検出部11は、たとえば、手用電極E10および足用電極E20の全てと接続され、制御部12からの指示に応じて電極を切替えるための切替スイッチ(図示せず)と、切替スイッチにより選択されている少なくとも1対の電流用電極に定電流を流すための定電流発生部(図示せず)とを有し、電流用電極を介して定電流がユーザに印加された状態において、切替スイッチにより選択されている少なくとも1対の電圧用電極の電位差を検出する。
【0040】
制御部12は、たとえばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
(機能構成)
図2には、制御部12の機能構成についても示されている。制御部12は、その機能として、体組成算出部121と、比率算出部122と、評価処理部123と、表示制御部124とを含む。
【0041】
体組成算出部121は、ユーザの全身および部位別の体組成を算出する。なお、「体組成」とは、身体を組成する成分(身体を構成する組織)の割合もしくは量を表わす。本実施の形態においては、特に、体組成は、全身および部位別の両方について測定可能な指標、すなわち、体脂肪率、筋肉率、除脂肪量、体脂肪量、筋肉量のうちの少なくともいずれかを含む。
【0042】
以下、体組成算出部121は、体組成として体脂肪率および筋肉率を算出するものとして説明する。
【0043】
体組成算出部121は、まず、検出部11により検出された手足間、両手間および両足間の電位差それぞれに基づき、全身インピーダンス、両手間インピーダンスおよび両足間インピーダンスを計測する。そして、計測されたこれらのインピーダンスに基づき、ユーザの全身および部位別の体組成を算出する。
【0044】
各インピーダンスは、具体的には次のようにして計測される。全身インピーダンスを計測する場合、体組成算出部121は、電極E11,E12から電極E21,E22に電流を流し、被験者の全身に電流が印加された状態において、電極E13,E14と電極E23,E24との間の電位差を検出する制御を行なう。このようにして検出された全身電位差に基づき、全身インピーダンスが算出(計測)される。なお、全身インピーダンスを計測する場合、電極E11と電極E12、電極E21と電極E22、電極E13と電極E14、および、電極E23と電極E24は、それぞれ短絡させることが好ましい。両手間インピーダンスを計測する場合、体組成算出部121は、電極E11と電極E12との間に電流を流し、被験者の両手間に電流が印加された状態において、電極E13と電極E14との間の電位差を検出する制御を行なう。両足間インピーダンスを計測する場合、体組成算出部121は、電極E21と電極E22との間に電流を流し、被験者の両足間に電流が印加された状態において、電極E23と電極E24との間の電位差を検出する制御を行なう。
【0045】
本実施の形態において、体組成算出部121は、全身インピーダンス、両手間インピーダンスおよび両足間インピーダンスに基づき、全身および部位(たとえば、腕部、体幹部、脚部)ごとの体脂肪率と、全身および部位ごとの筋肉率とを算出する。
【0046】
全身の体脂肪率(%FAT)の計算式は、たとえば、次式(1),(2)で表わされる。
【0047】
%FAT=(W−FFM)/W・100 …(1)
FFM =a・H/Zw+b・W+c・Ag+d …(2)
(ただし、FFM:除脂肪量、W:体重、H:身長、Zw:全身インピーダンス、Ag:年齢、a〜d:定数)
定数a〜dは、たとえばDEXA(Dual Energy X-ray Absorptiometry)などで測定されたリファレンスとの相関により予め定められるものとする。また、これらの定数a〜dは、性別ごとに異なってもよい。
【0048】
部位ごとの体脂肪率は、たとえば、計測された両手間インピーダンスおよび両足間インピーダンスとユーザの身体情報とから、予めDEXAなどで測定されたリファレンスとの相関に基づき計算される。
【0049】
また、全身および部位ごとの筋肉率についても、体脂肪率の場合と同様に、公知の手法により算出することができる。
【0050】
比率算出部122は、体組成算出部121による算出結果に基づいて、全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比率すなわち、部位別比率を算出する。体脂肪率についての部位別比率は、部位別の体脂肪率を全身の体脂肪率で除算することにより得られる。筋肉率についての部位別比率は、部位別の筋肉率を全身の筋肉率で除算することにより得られる。
【0051】
評価処理部123は、ユーザの身体属性と、全身の体組成値とに基づいて、ユーザの全身の体組成の評価指標(以下「全身評価指標」という)を算出する。本実施の形態において、「身体属性」とは、少なくとも性別を含み、性別の他、年齢指標を含んでもよい。また、「年齢指標」とは、年齢および年齢指標のうちのいずれか一方を表わす。
【0052】
全身評価指標としては、たとえば、ユーザの全身の体組成値が、ユーザの身体属性における標準値と比較して、低い(少ない)か、高い(多い)か、標準かなど、複数のレベルが用いられる。本実施の形態では、後述の全身評価テーブル1401(図4)を用いてこのような高低レベルの算出(判定)が行なわれる。なお、このようなレベルによる評価判定は従来から行なわれている手法により実現できる。したがって、全身評価指標(高低レベル)の算出についての詳細な説明は行なわない。
【0053】
評価処理部123は、さらに、ユーザの身体属性と、部位別比率とに基づいて、部位別比率に関する評価(以下「部位評価指標」という)を算出する。
【0054】
本実施の形態では、評価処理部123は、上記全身評価指標と同様に、部位評価指標として、複数のレベルによる判定を行なう。つまり、ユーザの部位別比率が、ユーザの身体属性における標準値と比較して、低い(少ない)か、高い(多い)か、標準かなどの判定を行なう。評価処理部123は、後述する部位評価テーブル1402(図4)を用いて、部位別比率の高低レベルを算出する。
【0055】
評価処理部123は、さらに、部位評価指標として、ユーザの部位別比率が、どの年齢属性の標準値に相当するかを示す年齢指標を算出する。部位別比率は、全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比率であり、脂肪や筋肉の付き方のバランスを表わしていることから、本実施の形態において、年齢指標を「バランス年齢」という。バランス年齢の算出には、後述する分布テーブル1403(図4)が用いられる。
【0056】
部位別比率についての高低レベルやバランス年齢についての具体的な算出方法については、後に詳述する。
【0057】
なお、高低レベルおよびバランス年齢のうちいずれか一方のみが算出されてもよい。
表示制御部124は、比率算出部122により算出された部位別比率、および、評価処理部123により算出された部位別比率についての部位評価指標(高低レベル,バランス年齢)を表示部15に表示する制御を行なう。なお、部位別比率と部位評価指標とのうちいずれか一方のみが表示されてもよい。
【0058】
表示制御部124は、さらに、体組成算出部121により算出された全身の体組成値、および、評価処理部123により算出された全身評価指標(高低レベル)を表示部15に表示してもよい。この場合も、全身の体組成値と全身評価指標とのうちいずれか一方のみが表示されてもよい。
【0059】
本実施の形態では、表示により部位別比率に関する情報などが出力されることとして説明するが、このような例に限定されない。たとえば、プリンタ(図示せず)による印刷処理によりこのような情報が出力されてもよい。あるいは、このような情報が、着脱可能な記録媒体(図示せず)に出力(記録)されてもよいし、通信部18を介して外部端末(図示せず)に出力(送信)されてもよい。
【0060】
なお、上記各機能ブロックの動作は、メモリ14中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、少なくとも1つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
【0061】
(メモリの構造例)
次に、メモリ14の構造例について詳細に説明する。
【0062】
図4は、メモリ14の構造例を示す図である。図4を参照して、メモリ14には、テーブル記憶領域140、個人番号1に対応するユーザに関する情報を記憶するための領域141、個人番号2に対応するユーザに関する情報を記憶するための領域142、個人番号3に対応するユーザに関する情報を記憶するための領域143、および、個人番号4に対応するユーザに関する情報を記憶するための領域144が含まれる。
【0063】
領域141は、個人番号1に対応するユーザの身体情報を記憶するための身体情報記憶領域41、および、個人番号1に対応するユーザの測定結果を記憶するための測定結果記憶領域42を含む。他の個人番号に対応する領域142〜144についても、領域141と同様の記憶領域を含んでいるものとする。
【0064】
「身体情報」とは、体組成算出のために必要な情報であり、たとえば、年齢、性別、身長および体重を含む。なお、本実施の形態における体組成計100は、荷重センサ22を備えるため、身体情報記憶領域41には、身体情報のうち、ユーザからの入力に基づく、年齢データ、性別データおよび身長データが記憶される。
【0065】
測定結果記憶領域42のデータ構造の一例を図5に示す。後に詳述する体組成測定処理が実行されると、ユーザが指定する個人番号に対応した測定結果記憶領域42に、測定結果がレコードR単位で記憶される。レコードR(R1,R2,…,Rn)には、体組成測定の際(たとえば電位差検出の際)の日時データDT、身体情報としての体重値データW、全身の体脂肪率データFw、腕部の体脂肪率データFa、体幹部の体脂肪率データFt、脚部の体脂肪率データFf、全身の筋肉率データMw、腕部の筋肉率データMa、体幹部の筋肉率データMt、および、脚部の筋肉率データMfが含まれる。なお、これらのデータは、測定毎に対応付けされて各領域に格納されればよく、レコードRを用いた格納形式に限定されるものではない。
【0066】
上述のように、本実施の形態では、個人番号ごとに各記憶領域を予め設けておくこととした。しかしながら、ユーザの身体情報、測定結果および基準値の情報が、個人番号と関連付けられて記憶されればよく、個人番号ごとの記憶領域を設けない構成であってもよい。
【0067】
テーブル記憶領域140は、全身評価テーブル1401と、部位評価テーブル1402と、分布テーブル1403とを含む。
【0068】
全身評価テーブル1401は、上記した全身評価指標の算出(判定)に用いられる。全身評価テーブル1401は、各体組成について、性別ごとに、たとえば、多い、やや多い、普通、少ないの4つのレベルと対応付けて、体組成値の範囲が定められている。
【0069】
部位評価テーブル1402は、身体属性ごとに、部位別比率の高低レベルと、部位別比率との関係を規定しており、上記した部位評価指標の一つである高低レベルの算出(判定)に用いられる。部位評価テーブル1402は、全ての年齢属性を対象とした高低レベルを記憶したものであってもよいし、年齢属性ごとの高低レベルを記憶したものであってもよい。つまり、高低レベルの規定に用いる身体属性は、性別のみであってもよいし、性別および年齢属性(年代)であってもよい。本実施の形態では、後者であるものとする。なお、両種のテーブルが記憶されていて、全ての年齢属性を対象とした高低レベルと、ユーザの年齢属性に応じた高低レベルとの両方が算出されてもよい。
【0070】
図6は、部位評価テーブル1402のデータ構造例を示す図である。図6を参照して、部位評価テーブル1402は、体組成を示す項目61と、部位を示す項目62と、身体属性を示す項目63と、高低レベルの項目64とを含む。
【0071】
項目61の列には、体組成の種類を示す情報として、体脂肪率および筋肉率が格納される。
【0072】
項目62の列には、全身の体組成値による除算対象の部位を特定するための情報として、腕部(両腕/全身)、体幹部(体幹/全身)および脚部(両脚/全身)が格納される。これらの情報は、体組成の種類ごとに対応付けられる。
【0073】
項目63の列には、身体属性を特定するための情報として、男性20代、女性20代、男性30代、女性30代、…などが格納される。これらの情報は、全身の体組成値による除算対象の部位ごとに格納される。
【0074】
項目64の行には、たとえば4つのレベルすなわち、低い、標準、やや高いおよび高いが格納される。項目64の列には、レベルごとに、対応する体組成値の範囲を示すデータが格納される。対応する体組成値の範囲を示すデータは、身体属性ごとに格納される。
【0075】
なお、各レベルに対応する身体属性ごとの体組成値の範囲は、予め行なった臨床実験の結果などに基づいて定められているものとする。
【0076】
分布テーブル1403は、年代(年齢属性)ごとの部位別比率の分布を示すデータを格納している。たとえば、体脂肪率の“体幹部/全身”の比は、年代ごとに、図7に示すような分布をとる。
【0077】
図7は、縦軸に度数分布、横軸に「体脂肪率の体幹部/全身の比」をとった、年代別の度数分布を示すグラフである。なお、図7のグラフは、男性を対象とした度数分布であるとする。
【0078】
一般に、加齢とともに、全身の体脂肪率に比べて体幹部の体脂肪率が高くなっていく傾向にある。したがって、図7に示されるように、体脂肪率の体幹部/全身の比は、加齢とともに大きくなる。
【0079】
他の部位の比率すなわち、腕部/全身の比、および、脚部/全身の比についても、年代ごとの度数分布の情報が格納されている。年代ごとの度数分布は、予め行なった臨床実験の結果などに基づいているものとする。
【0080】
なお、本実施の形態では、上記のようなテーブル1401〜1403を用いて、各種の評価処理を行なうこととしたが、限定的ではなく、たとえば、所定の計算式を用いて、各種の評価処理が行なわれてもよい。
【0081】
<動作について>
図8は、本発明の実施の形態における体組成計100の制御部12が実行する体組成測定処理を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ14に格納されており、制御部12がこのプログラムを読み出して実行することにより、体組成測定処理の機能が実現される。
【0082】
図8を参照して、はじめに、制御部12は、ユーザにより個人番号が指定されたか否かを判断する(ステップS2)。すなわち、ユーザによりボタン16H〜16Kのうちいずれか1つが押下されたか否かが判断される。制御部12は、個人番号が指定されるまで待機する(ステップS2でNO)。個人番号が指定されたと判断した場合(ステップS2でYES)、ステップS4に進む。
【0083】
ステップS4において、制御部12は、測定ボタン16Cが押下されたか否かを判断する。測定ボタン16Cが押下されるまで待機する(ステップS4でNO)。測定ボタン16Cが押下されると(ステップS4でYES)、ステップS6に進む。
【0084】
ステップS6において、体組成算出部121は、ユーザにより指定された個人番号に対応する身体情報(身長、年齢、性別)を読み出す。たとえば、ステップS2において、個人番号1に対応する個人番号スイッチ16Hが押下されたと仮定する。その場合、ステップS6において、身体情報記憶領域41より、身長データ、年齢データおよび性別データが読み出される。読み出された身体情報は、内部メモリに一時記録される。
【0085】
次に、体組成算出部121は、荷重センサ22からの信号に基づいて、体重を計測する(ステップS8)。計測された体重値は、内部メモリに一時記録される。
【0086】
続いて、体組成算出部121は、インピーダンス計測処理を実行する(ステップS10)。具体的には、検出部11を制御して、全身インピーダンス、両手間インピーダンスおよび両足間インピーダンスを計測する。計測された各インピーダンスの値は、内部メモリに一時記録される。
【0087】
体組成算出部121は、内部メモリに一時記録した各データと、上述したような所定の計算式等とに基づいて、ユーザの体組成を算出する(ステップS12)。具体的には、ユーザの全身,腕部,体幹部,脚部それぞれの体脂肪率、および、全身,腕部,体幹部,脚部それぞれの筋肉率が算出される。そして、制御部12は、測定結果すなわち、ステップS12で算出された今回の体組成の値を測定結果記憶領域42に記憶させる(ステップS14)。
【0088】
続いて、評価処理部123は、全身の各体組成について、一般評価を算出する(ステップS16)。つまり、全身評価テーブル1401を用いて、全身の体脂肪率の高低レベル、および、全身の筋肉率の高低レベルを判定する。
【0089】
さらに、各体組成ごとに、“部位/全身”の比率すなわち、部位別比率(全身の体組成値に対する部位別体組成値の比率)を算出する(ステップS18)。具体的には、腕部/全身の比率、体幹部/全身の比率、および、脚部/全身の比率が、体脂肪率および筋肉率それぞれについて算出される。
【0090】
また、評価処理部123は、部位ごとの高低レベルを算出する(ステップS20)。具体的には、ステップS18で算出された6種の部位別比率ごとの高低レベルが算出される。より具体的には、部位評価テーブル1402を検索し、格納された4つのレベルのうち、ユーザの各部位別比率に対応するレベルを抽出する。本実施の形態では、腕部/全身の比率の高低レベル、体幹部/全身の比率の高低レベル、および、脚部/全身の比率の高低レベルが、体脂肪率および筋肉率それぞれについて抽出される。
【0091】
さらに、評価処理部123は、体脂肪率および筋肉率それぞれの部位別比率についてのバランス年齢を算出する(ステップS22)。具体的には、分布テーブル1403に格納された年代ごとの分布情報に基づいて、ユーザのバランス年齢を算出する。本実施の形態におけるバランス年齢の算出方法の一例を、図9に示す。
【0092】
図9を参照して、たとえば、ユーザが20歳代とする。ユーザ(測定者)の体脂肪率についての値(たとえば体幹部/全身)が、30際代の平均を超えている(40歳代の平均未満)とする。その場合、評価処理部123は、ユーザの体幹部の体脂肪率は、30歳代に相当すると判定し、体幹部の体脂肪率のバランス年齢を30歳代として判定する。なお、このような方法に限定されず、たとえば、ユーザ(測定者)の体脂肪率の部位別比率が20歳代の平均より30歳代の平均に近い場合に、バランス年齢は30歳代と判定してもよい。
【0093】
このような方法により、体脂肪率について、各部位のバランス年齢が算出されると、評価処理部123は、体脂肪率について、部位ごとの年代の平均値を算出する。算出された平均値が、体脂肪率についてのユーザの部位別比率の「平均バランス年齢」として決定される。
【0094】
筋肉率についての各バランス年齢、および、平均バランス年齢の算出方法は、体脂肪率の場合と同様であるので、説明は繰返さない。
【0095】
なお、このように、バランス年齢の算出に、各年代の平均値(標準値)のみを用いる場合、部位評価テーブル1402内のデータが利用されてもよい。つまり、部位評価テーブル1402において、項目64のレベルが「標準」である部位別比率のたとえば平均値を、各年代の平均値とすることができる。この場合、メモリ14に分布テーブル1403が格納されていなくてもよくなる。
【0096】
表示制御部124は、ステップS12、S16、S18、S20、S22の算出結果に応じて、測定結果表示処理を行なう(ステップS24)。測定結果表示処理の詳細については後述する。
【0097】
以上で、本実施の形態における体組成測定処理は終了する。
(測定結果表示処理について)
本実施の形態では、たとえば、まず、体脂肪率についての測定結果が表示され、その後、ユーザにより表示切替ボタン16Dが押下された場合に、筋肉率についての測定結果が表示されるものとする。あるいは、はじめに表示する体組成の種類をユーザが選択できてもよい。その場合、はじめに表示する体組成の種類が体脂肪率と筋肉率とのいずれであるかを識別するための情報が、メモリ14に記憶されているものとする。
【0098】
図10は、本発明の実施の形態において、体脂肪率の測定結果として表示される画面の一例を示す図である。
【0099】
ステップS24において、表示部15には、図10に示すような画面SC10が表示される。画面SC10には、全身の体脂肪率81、全身の体脂肪率の高低レベル82、ユーザのバランス年齢83が表示される。全身の体脂肪率81は、ステップS12で算出された値を示す。全身の体脂肪率の高低レベル82は、ステップS16で算出されたレベルを示す。バランス年齢83は、ステップS22で算出された平均バランス年齢を示す。
【0100】
画面SC10には、さらに、部位ごとに、体脂肪率の部位別比率、および、高低レベルの算出結果が表示される。具体的には、腕部の部位別比率84、腕部の高低レベル85、体幹部の部位別比率86、体幹部の高低レベル87、脚部の部位別比率88、脚部の高低レベル89が表示される。腕部の部位別比率84、体幹部の部位別比率86および脚部の部位別比率88は、ステップS18で算出された値を示す。腕部の高低レベル85、体幹部の高低レベル87および脚部の高低レベル89は、ステップS20で算出された部位ごとの高低レベルを示す。
【0101】
このように、部位ごとに、体脂肪率の部位別比率、および、高低レベルの算出結果が表示されるため、ユーザは、自分自身の、全身の体脂肪率に対する各部位の体脂肪率の占める割合が、ユーザの身体属性の他人と比較して高いのか低いのかを認識することができる。その結果、ユーザは、どの部位の体脂肪率を減らす努力をするべきかを具体的に把握することができる。
【0102】
また、このような部位ごとの高低レベルとともに、全身の体脂肪率についての情報(体脂肪率,高低レベル)が関連付けられて表示される。したがって、ユーザの全身の体脂肪率が、ユーザの身体属性における平均的な値であったとしても、部位ごとの脂肪の付き方の偏り具合が分かるので、的を絞った運動を行なうことができる。また、ユーザの全身の体脂肪率が、ユーザの身体属性における標準値よりも高かったとしても、部位ごとの脂肪の付き方に偏りがなければ(バランスがよければ)、全身運動をしなければならないことが分かる。
【0103】
なお、本実施の形態では、部位ごとの比率の高低レベルを文字で表示した。しかしながら、従来行なわれているような、複数段階(たとえば12段階)のバーにより、部位ごとの比率の高低レベルが表示されてもよい。
【0104】
画面SC10には、さらに、人体を模式的に示した人体マーク90が表示される。人体マーク90は、腕部91、体幹部92、および脚部93を含んでいる。なお、腕部、体幹部および脚部が特定できれば、表示されるマーク(図形)は、人体マーク90のような形状に限定されない。
【0105】
表示制御部124は、人体マーク90の腕部91、体幹部92、および脚部93のうち、部位別比率の高低レベルが平均よりも高い部位(位置)を点滅表示させる。これにより、ユーザの身体属性においてどの部位の体脂肪率の比率が高めであるかを、ユーザ(測定者)は直感的に把握することができる。
【0106】
なお、本実施の形態では、部位別比率の高低レベルが平均よりも高い部位を点滅することとしたが、当該部位が、他の部位(高低レベルが平均以下の部位)と識別可能に表示できれば、このような表示形態に限定されない。
【0107】
画面SC10のような画面を表示している際に、たとえばユーザが表示切替ボタン16Dを押下すると、表示制御部124は、図11に示す画面SC20のように、部位ごとのバランス年齢を表示してもよい。
【0108】
図11を参照して、画面SC20には、画面SC10にて表示されていた部位ごとの高低レベル85,87,89に代えて、部位ごとのバランス年齢(年代)85A,87A,89Aが表示されている。なお、この場合も、部位ごとのバランス年齢は文字で表示したが、年代単位の複数段階のバーにより表示されてもよい。
【0109】
また、画面SC20では、画面SC10における全身の体脂肪率の高低レベル82、および、平均バランス年齢83は表示されていないが、画面SC20においても、これらの情報が表示されていてもよい。
【0110】
また、本実施の形態では、画面SC10,SC20のいずれにおいても、部位別比率に関する情報として、部位ごとの比率と、部位別評価指標(高低レベル,バランス年齢)との両方が表示されることとしたが、いずれか一方のみが表示されてもよい。
【0111】
図12の画面SC30には、部位別比率に関する情報として、部位ごとの高低レベル85,87,89のみが表示された例が示されている。
【0112】
表示制御部124は、さらに、ユーザからの表示切替の指示に応じて、筋肉率についての測定結果を表示する。筋肉率についても、体脂肪率の場合と同様の表示が行われる。したがって、ここでの詳細な説明は繰返さない。なお、筋肉率の場合、人体マーク90にて点滅させる部位は、部位別比率の高低レベルが平均よりも低い部位であってもよい。
【0113】
あるいは、本実施の形態では、体組成の種類に応じて、点滅表示の対象となる高低レベルは予め定められているものとしたが、点滅表示の対象となる高低レベルをユーザが選択(指定)できてもよい。その場合、たとえば、体組成の種類ごとに、点滅表示の対象となる高低レベルの情報が、メモリ14に格納されていればよい。
【0114】
もしくは、ユーザに複数の目標(たとえば、ダイエット、筋肉増強など)を提示し、それらの中から1つの目標が選択されると、その目標に応じて、点滅対象のレベルを変えてもよい。たとえば、目標がダイエットであれば、体脂肪率が平均より高い部位を点滅表示し、目標が筋肉増強であれば、体脂肪率が平均より低い部位を点滅表示するようにしてもよい。目標の提示および選択は、本体組成測定処理とは独立して行なわれてよい。また、目標の選択がされなければ、ユーザの身体属性(性別、年齢属性)に応じて、点滅対象のレベルを変えてもよい。
【0115】
上述のように、本発明の実施の形態によると、全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比率に関する情報が表示(出力)される。したがって、ユーザは、部位ごとの脂肪や筋肉の偏り具合を把握することができる。したがって、ユーザは、自身の目標(たとえば、ダイエット、筋力増強)などに応じて、適切な運動等を行なうことができる。
【0116】
また、本実施の形態では、ユーザの年齢属性での高低レベルや年齢指標が算出されるため、より的確に、自分自身の脂肪や筋肉の付き方のバランスが、自分の年代の標準値と比べて低いか高いかなどを容易に把握することができる。
【0117】
なお、本実施の形態では、体脂肪率と筋肉率との両方の測定結果を表示することとした。しかし、ユーザの目標や身体属性に応じて、表示する体組成の種類を定めてもよい。または、ユーザの目標や身体属性に応じて、表示順序を決定してもよい。たとえば、女性であれば、体脂肪率の表示を優先し、年配(たとえば50代以上)であれば、筋肉率の表示を優先してよい。また、筋肉増強を目的とするユーザには、部位ごとの体脂肪率/筋肉率の表示を優先してもよい。なお、部位ごとの体脂肪率/筋肉率は、部位ごとに、体脂肪率の部位別比率を筋肉率の部位別比率で除算することにより得られる。
【0118】
また、本実施の形態では、体脂肪率および筋肉率についての例を示したが、体脂肪量や筋肉量により、より直接的に脂肪や筋肉の偏り具合を判定および表示してもよい。
【0119】
<変形例1>
上記実施の形態では、部位別比率に関する情報が表示されることで、ユーザは、どの部位を重点的に鍛えなければならないかなどを認識することができた。
【0120】
これに加え、ユーザからの指示があれば、さらに、ユーザの部位ごとの脂肪あるいは筋肉のバランスが、どの人物(有名人)のものに近いかといった情報をさらに提示してもよい。
【0121】
その場合、通信部18は、図8のステップS18で算出された部位別比率の情報を送信し、かつ、サーバより、ユーザの体組成の付き方のバランスと近い人物についての情報を受信する。サーバは、腕部、体幹部および脚部の比率の組合わせと対応付けて、1以上の人物データを予め保持しているものとする。
【0122】
表示制御部124は、受信した人物の情報を表示部15に表示する。
このような処理は、たとえば、図8のステップS24の後に行なわれてよい。
【0123】
<変形例2>
上記実施の形態では、体組成計100において、図8に示した体組成測定処理の全てが実行されるものとした。しかしながら、図8に示した処理のうち、測定結果の出力(表示)に関する処理(たとえば、ステップS16〜S24までの処理)は、他の図示しないコンピュータにおいて実行されてもよい。したがって、本発明の実施の形態の体組成計100が行なう、測定結果出力方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0124】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0125】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0126】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
【0127】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0128】
1 上肢ユニット、2 下肢ユニット、3 ケーブル、10a 本体部、10b,10c グリップ、11 検出部、12 制御部、13 タイマ、14 メモリ、15 表示部、16 操作部、16A 電源ボタン、16B メモリボタン、16C 測定ボタン、16D 表示切替ボタン、16F 左ボタン、16G 右ボタン、16H,16I,16J,16K 個人番号ボタン、17 電源部、18 通信部、20 収納部、22 荷重センサ、41 身体情報記憶領域、42 測定結果記憶領域、43 基準値記憶領域、44 体脂肪率用テーブル、45 筋肉率用テーブル、100 体組成計、121 体組成算出部、122 比率算出部、123 評価処理部、124 表示制御部、E10 手用電極、E20 足用電極、E11,E12,E13,E14,E21,E22,E23,E24 電極、1401 全身評価テーブル、1402 部位評価テーブル、1403 分布テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体の表面に接触させるための複数の電極と、
前記電極を用いて前記ユーザの全身の体組成値および部位別の体組成値を算出するための第1の算出手段と、
前記全身の体組成値に対する前記部位別の体組成値の比を表わす部位別比率を算出するための第2の算出手段と、
算出された前記部位別比率に関する比率情報の出力処理を行なうための出力処理手段と、
前記出力処理に応じて、前記比率情報を出力するための出力手段とを備える、体組成計。
【請求項2】
前記出力処理手段は、前記比率情報と関連付けて、前記全身の体組成値に関する全身情報をさらに出力する、請求項1に記載の体組成計。
【請求項3】
前記全身情報は、前記全身の体組成値、および、前記ユーザの性別を含む身体属性における前記全身の体組成値の評価指標のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項2に記載の体組成計。
【請求項4】
前記比率情報は、前記部位別比率、および、前記部位別比率に関する評価指標のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の体組成計。
【請求項5】
測定者の身体属性ごとに、部位別比率の高さを表わす各高低レベルと、部位別比率との関係を特定するための特定情報を予め記憶するための記憶手段と、
前記特定情報と、前記ユーザの身体属性と、前記算出された部位別比率とに基づいて、前記算出された部位別比率に対応する前記高低レベルを算出するための評価手段とをさらに備え、
前記出力処理手段は、前記評価指標として、算出された前記高低レベルを出力する、請求項4に記載の体組成計。
【請求項6】
前記特定情報は、全ての年齢属性を対象とした前記高低レベルを記憶した第1のテーブルと、年齢属性ごとの前記高低レベルを記憶した第2のテーブルとのうち少なくともいずれか一方を含む、請求項5に記載の体組成計。
【請求項7】
前記部位は、腕部、体幹部および脚部を含み、
前記出力手段は、表示手段であり、
前記出力処理手段は、前記表示手段に、人体を模式的に表わした人体マークを表示し、かつ、前記腕部、前記体幹部および前記脚部のうち、前記高低レベルが平均よりも高い部分または低い部分に対応する、前記人体マークにおける位置を、他の位置と識別可能に表示する制御を行なう、請求項5または6に記載の体組成計。
【請求項8】
前記記憶手段は、さらに、年齢属性ごとの部位別比率の分布を表わす分布テーブルを予め記憶し、
前記評価手段は、前記分布テーブルと、前記算出された部位別比率とに基づいて、前記算出された部位別比率がどの年齢属性に相当するかを示す年齢指標を算出し、
前記出力処理手段は、前記評価指標として、さらに、算出された前記年齢指標を出力する、請求項5〜7のいずれかに記載の体組成計。
【請求項9】
年齢属性ごとの部位別比率の分布を表わす分布テーブルを予め記憶するための記憶手段と、
前記分布テーブルと、前記算出された部位別比率とに基づいて、前記算出された部位別比率がどの年齢属性に相当するかを示す年齢指標を算出するための評価手段とをさらに備え、
前記出力処理手段は、前記評価指標として、算出された前記年齢指標を出力する、請求項4に記載の体組成計。
【請求項10】
前記算出された部位別比率の情報をサーバに送信するための通信手段をさらに備え、
前記通信手段は、さらに、前記サーバより、前記ユーザの体組成の付き方のバランスと近い人物についての情報を受信し、
前記出力処理手段は、受信した前記情報をさらに出力する、請求項1〜9のいずれかに記載の体組成計。
【請求項11】
記憶部と出力部とを備えた情報処理装置において実行される、体組成の測定結果を出力するための方法であって、
前記記憶部に記憶された全身の体組成値に対する、前記記憶部に記憶された部位別の体組成値の比を表わす、部位別比率を算出するステップと、
算出された前記部位別比率に関する比率情報を前記出力部に出力するステップとを備える、測定結果出力方法。
【請求項12】
体組成の測定結果を出力するためのプログラムであって、
全身の体組成値に対する部位別の体組成値の比を表わす部位別比率を算出するステップと、
算出された前記部位別比率に関する比率情報を出力するステップとをコンピュータに実行させる、測定結果出力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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