説明

作動油タンクの配管閉塞装置

【課題】流出配管の一部を取り外したときにも、作動油が汚損されない状態で作動油タンク内に貯留できるようにする。
【解決手段】配管閉塞装置20は、有蓋円筒形状のキャップ21に空気通路26を設けた連結ロッド22が連結して設けられており、キャップ21の外径は作動油タンク1の上面1cに形成され、エアブリーザ12が装着される開口部13の孔径より小さいもので、内周面は、開口端側が大径の流出配管部4Lに嵌合される大径部21Lで、奥側は小径の流出配管部4Sに嵌合される小径部21Sとなっており、それぞれにシールリング23,24が装着され、連結ロッド22は作動油タンク1の上面1cより突出する長さを有し、先端に把持部25が設けられて、蓋体プレート27は開口部13の孔径より大径の金属板体で、そのロッド挿通部27aに連結ロッド22が挿通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械等のように、油圧アクチュエータで駆動される機構を有する機械に設けた作動油タンクに、作動油を貯留した状態でこの作動油タンクからの流出配管を閉鎖する作動油タンクの配管閉塞装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧アクチュエータにより駆動される機械の一例として、例えば油圧ショベルがある。油圧ショベルは、周知のように、下部走行体の走行,上部旋回体の旋回及びフロント作業機は、油圧シリンダや油圧モータからなる油圧アクチュエータにより駆動されるものである。このために、エンジン等により駆動される油圧ポンプを備えており、この油圧ポンプからの圧油が方向切換弁を介して各油圧アクチュエータに供給される。また、油圧アクチュエータからの戻り油は作動油タンクに還流することになり、再び油圧ポンプに吸い込まれる。つまり、作動油タンクから油圧ポンプに吸い込まれた圧油が方向切換弁を介して油圧アクチュエータに供給された後、作動油タンクに還流する閉ループの油圧回路が設けられる。
【0003】
作動油タンクの構成としては、例えば特許文献1に示したものが従来から広く用いられている。この特許文献1によれば、作動油タンクは油圧ポンプへの流出配管が接続されており、また油圧アクチュエータからの戻り油を流入させる流入配管が接続されている。流出配管は作動油タンクの底面に接続され、また流入配管は上部に接続される。流入配管から流入する戻り油から異物を除去するためにフィルタが設けられ、また流出配管にストレーナが装着されており、作動油が油圧ポンプに供給される際には、異物や汚損物を含まない清浄なものとなる。作動油タンクは密閉性を有するものであり、その内部の液面が変化したときに、内部の圧力が変化しないようにするためにエアブリーザが装着されている。
【特許文献1】特開平5−187401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作動油タンクの流出配管は油圧ポンプに接続されており、油圧ポンプが駆動されると、作動油が吸い込まれる。この油圧ポンプへの吸い込み時に、抵抗を最小限にするために、流出配管には開閉弁等が設けられないのが一般的である。作動油タンクに対しては適宜メンテナンスが行われる。メンテナンスの頻度が最も高いのは流入側に設けられるフィルタや流出側に設けられるストレーナの交換である。フィルタは作動油タンクの上面に取り付けられているので、汚損したフィルタの取り出し、また新たなフィルタの装着は作動油タンクの上部側から行うことができる。一方、ストレーナは作動油タンクの底面に設けた流出配管に装着されており、このストレーナはエアブリーザの下方位置に設けられる。エアブリーザは作動油タンクの上面に設けた開口部に装着されており、エアブリーザとストレーナとは連結杆により連結することによって、エアブリーザを取り外すと、連結杆と共にストレーナを取り出すことができる。
【0005】
また、作動油タンク内の作動油が劣化したり、汚損したりすると、作動油を交換するが、この作動油の交換は、流出配管から作動油を排出し、作動油タンクの内部をクリーニングした後、新たな作動油が供給される。
【0006】
ところで、流出配管には、適宜の位置に継ぎ手部が設けられており、この継ぎ手部によって、流出配管を分岐させたり、分岐をなくしたり、経路を変えたりすることができる。従って、この継ぎ手部を取り外して、付け替えを行うことによって、配管の分岐や分岐の解消を行うことができ、この配管のレイアウトを変更することはかなりの頻度で行われる。このときには、吸い上げポンプによって作動油タンクの内部から作動油を抜き取って、適宜の容器に収容させる。このときに、作動油に異物が混入する等により汚損される可能性があり、これを再度作動油タンクに戻して使用すると、油圧ポンプを初め、油圧回路を構成する各部を損傷させるおそれがある。このために、配管のレイアウトを変更したときには、作動油タンク内の作動油を無駄に廃棄しなければならないという問題点がある。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、流出配管の一部を取り外したときにも、作動油が汚損されない状態で作動油タンク内に貯留できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明は、底面から突出するように設けた流出配管にストレーナが着脱可能に装着され、このストレーナに連結杆を連結し、この連結杆の他端に連結したエアブリーザを上面部の開口部に着脱可能に装着された作動油タンクに着脱可能に装着され、前記流出配管を閉鎖するための作動油タンクの配管閉塞装置であって、前記開口部内に挿通可能な外径を有し、前記ストレーナを脱着した前記流出配管を閉塞させる閉塞部材と、この閉塞部材に連結した連結ロッドとを備え、前記連結ロッドは、前記閉塞部材により前記流出配管が閉塞されたときに、前記作動油タンク内の最高液面位置より高い位置まで延在する長さを有するもので構成したことをその特徴とするものである。
【0009】
作動油タンクの外からの操作によって、流出配管の作動油タンクからの流出口を閉塞する。閉塞部材は流出配管内に挿入されるものであっても、また流出配管の外周面に嵌合されるものであっても良い。さらに、流出配管の開口端部のエッジ部分に閉塞部材を当接させるようにしても、この流出配管を閉塞することもできる。作動油は非圧縮性の流体であるから、流出配管内に挿入するのではなく、流出配管の外周面に嵌合されるキャップを用いるのが容易であり、また完全な閉塞を行うためにも望ましい。
【0010】
キャップを用いる場合、その内周面に流出配管の外周面に当接する弾性部材からなるシール部材を設けて、流出配管に嵌合させたときに、シール部材が弾性変形するように構成すると、密閉性を高めることができる。作動油タンクは、その流出配管の外径寸法が異なるものもある。このために、キャップは外径寸法の異なる複数の流出配管に嵌着できるようにするのが望ましい。キャップの内面に段差を設けるか、またはキャップの内面に内径の異なるリング部材を着脱可能に連結する構成とすることができる。
【0011】
キャップを伏椀状にして作動油タンク内に沈めるようにすれば、内部に空気が封じ込められる。この空気は圧縮性を有することから、キャップを流出配管に押し込むように嵌合させることができる。ただし、キャップ内の空気を圧縮させた状態で流出用配管と連結していると、キャップには、押し上げる方向の反力が作用することから、十分な安定性がえられないことがある。このために、キャップ内の空気を大気に排出する機構を設けるのが望ましい。キャップの内部に通路の一端を臨ませ、この通路の他端を大気と連通させるように構成することができる。この通路を独立のものとして構成することもできるが、連結ロッドを中空にして、その内部に空気通路を形成することもできる。
【0012】
作動油タンクは深底のものであり、連結ロッドを操作しても、閉塞部材としてのキャップを流出配管に嵌合する操作を円滑に行えない場合がある。エアブリーザを装着するための開口部と流出配管とはほぼ同心位置に設けられるのが一般的である。そこで、一端側にキャップを設けた連結ロッドに蓋体部材を挿通させて設け、この蓋体部材を作動油タンクの上面における開口部の周囲に固定できるように構成する。これによって、蓋体部材と作動油タンクの上面に設けた開口部とを位置合わせすれば、キャップを正確に流出配管に嵌合することができる。また、蓋体部材により開口部を実質的に密閉状態にすることができるので、作動油タンク内の作動油に対する汚損防止機能を発揮させることもできる。
【発明の効果】
【0013】
作動油タンクの底面に接続した流出配管のレイアウトを変更する等のために、流出配管の一部を取り外したときにも、作動油が汚損されない状態で作動油タンク内に貯留でき、作動油タンク内の作動油を流出配管の再装着後も継続的に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に配管閉塞装置が装着される作動油タンクの断面構造を示す。図中において、1は作動油タンクであって、この作動油タンク1は、例えば油圧ショベルの上部旋回体のフレームFに設置されている。作動油タンク1は配管2によって油圧ポンプ3と接続されている。ここで、図示した構成にあっては、油圧ポンプ3は2基設けられている。作動油タンク1と油圧ポンプ3との間の配管2は、作動油タンク1から所定の位置まではパイプからなる流出配管部4となっており、また油圧ポンプ3への接続側から所定の長さ分も同様、パイプからなるサクション配管部5となっている。これら流出配管部4とサクション配管部5との間は接続配管部6で連結されている。接続配管部6は、流出配管部4側から、第1の可撓管6a,パイプからなる連結管6b及び第2の可撓管6cから構成されている。
【0015】
作動油タンク1の内部は、仕切り板7が設けられており、この仕切り板7によって作動油タンク1は流入側と流出側との2つのチャンバ8a,8bに区画形成されている。そして、仕切り板7には連通孔7aが形成されており、この連通孔7aによってチャンバ8aとチャンバ8bとが連通している。そして、作動油タンク1の側壁1bの上部位置には流入配管9が接続されており、この流入配管9から戻り油が流入することになる。流入配管9は流入側のチャンバ8aに装着したフィルタ10の内部に接続されている。ここで、流入配管9に応じた数のフィルタ10が設けられており、本実施の形態においては、2本のフィルタ10が設けられて、それぞれに流入配管9が接続されている。
【0016】
流出側のチャンバ8bには、その底面1aに流出配管部4が接続されているが、この流出配管部4にはストレーナ11が嵌合して設けられている。従って、流出配管部4は底面1a表面からこのストレーナ11の嵌合代分乃至それ以上の長さ分だけ作動油タンク1内に突出している。そして、このストレーナ11の配設位置の上方にはエアブリーザ12が装着されている。このために、作動油タンク1の上面1cには円形の開口部13が形成されており、この開口部13の周囲には円環状のボルト座14が設けられている。エアブリーザ12はこの開口部13の周囲にボルト15で固定されている。さらに、エアブリーザ12の下面とストレーナ11の上面との間は連結杆16により連結されている。従って、ボルト15を取り外して、エアブリーザ12を持ち上げれば、ストレーナ11を流出配管部4から脱着して取り出すことができる。
【0017】
作動油タンク1と油圧ポンプ3との間を連結している配管2は適宜変更できるものである。つまり、配管2のレイアウトを変えることができるようになっている。接続配管部6は、この配管2のレイアウトの変更を可能にするために設けられており、流出配管部4から分離可能となっている。流出配管部4と接続配管部6とを分離したときに、作動油タンク1から作動油が流出しないようにするために、流出配管部4の作動油タンク1内への接続口を配管閉塞装置20により閉塞させるようにする。
【0018】
図2及び図3に配管閉塞装置20の構成を示す。図中において、21は流出配管部4を閉塞させるキャップ、22はキャップ21に螺挿するようにして連結した連結ロッドをそれぞれ示す。キャップ21は、有蓋円筒形状の金属部材から構成され、その外径は開口部13の孔径より小さいものである。このキャップ21の内周面は段差を有する形状となっており、開口端側は大径部21Lとなり、奥側は小径部21Sとなっている。そして、これら大径部21L及び小径部21Sには、それぞれシールリング23,24が装着されている。
【0019】
ここで、作動油タンク1の底面1aから流出配管部4が所定の長さ突出しており、キャップ21は、ストレーナ11に代えて、この流出配管部4に嵌合される。従って、キャップ21の内周面は流出配管部4の外径より大きくなっている。ここで、流出配管部4は機種によって異なるサイズとしたものがあり、例えば、接続されている油圧ポンプ3の数等に応じて流出配管部4のサイズが異なるものが用いられる。キャップ21に大径部21Lと小径部21Sとを形成したのは、図4に示した大径の流出配管部4Lと、図5に示したように、小径の流出配管部4Sとに対応可能とするためである。ここで、実際に流出配管部4Lなり4Sなりと当接するのは、キャップ21における大径部21Lや小径部21Sの内壁面ではなく、それらに装着したシールリング23,24であり、これらのシールリング23,24はこのときに圧縮されるようになる。これによって、流出配管部4とキャップ21の内面との間はシールされた状態となる。
【0020】
連結ロッド22はキャップ21の蓋体部21cに連結して設けられており、その連結位置は蓋体部21cの中心位置となっている。そして、連結ロッド22の先端部には左右に張り出すように設けた把持部25が設けられており、この配管閉塞装置20を作動油タンク1に着脱する際には、作業者はこの把持部25を手で把持することになる。しかも、連結ロッド22は中空パイプからなるものであって、内部に一端がキャップ21の内面に開口し、他端が把持部25から外部に開口する空気通路26が形成されている。
【0021】
連結ロッド22の長さは、キャップ21が流出配管4に嵌着された状態で、少なくとも作動油タンク1の最高液面より高い位置に保持できる長さとする。好ましくは、作動油タンク1の上面1cより突出する長さを持たせて、この連結ロッド22の先端に設けた把持部25を作動油タンク1の外部で把持できるようにする。ここで、作動油タンク1は様々な高さを有するものであるが、要は把持部25が作動油タンク1の上面1cから突出しておれば、作動油タンクの種類によって突出長さ異なっても格別差支えはない。
【0022】
さらに、連結ロッド22には、蓋体部材として、円板状の蓋体プレート27が挿通されている。この蓋体プレート27は作動油タンク1の上面1cに形成した開口部13の孔径より大径の金属板体からなり、連結ロッド22を挿通させるロッド挿通部27aがその中央部に形成されており、蓋体プレート27は連結ロッド22の軸線方向に移動可能となっている。そして、蓋体プレート27の外周近傍の部位にはボルト挿通孔28が形成されており、この蓋体プレート27はエアブリーザ12に代えて、ボルト15をボルト挿通孔28に挿通させて、ボルト座14に螺挿することにより作動油タンク1の上面1cに固定可能となっている。
【0023】
以上のように構成される配管閉塞装置20は、作動油タンク1からの配管2のレイアウトを変える際等において、エアブリーザ12を取り外して、このエアブリーザ12に代えて作動油タンク1に装着され、流出配管部4を閉塞させて、作動油タンク1内に貯留されている作動油が流出するのが防止される。
【0024】
例えば、配管2において、接続配管部6のうち、連結管6bの部位で分岐させるように変化させる際には、この連結管6bに代えて、分岐部を有する連結管を取り付ける。このためには、連結管6bを第1の可撓管6aから、または第1の可撓管6aを流出配管部4から取り外す。その前に、作動油タンク1からエアブリーザ12を取り外すが、このためにボルト15を脱着して、エアブリーザ12を持ち上げるように操作する。エアブリーザ12には連結杆16が連結されており、この連結杆16の他端部にはストレーナ11が連結されているので、エアブリーザ12を引き出すと、ストレーナ11が流出配管部4から脱着されて、連結杆16と共に作動油タンク1から取り出される。
【0025】
以上の状態から、前述したエアブリーザ12,連結杆16及びストレーナ11のユニットに代えて、作動油タンク1の上面1cに設けた開口部13から配管閉塞装置20を装着する。キャップ21の外径はこの開口部13の開口径より小さくなっているので、キャップ21を円滑に作動油タンク1の内部に挿入できる。この状態で、蓋体プレート27を開口部13の周囲に設けたボルト座14にボルト15で固定する。
【0026】
そして、図2に仮想線で示したように、キャップ21が流出配管部4の上部位置にある状態から、連結ロッド22を引き下ろすと、同図に実線で示したように、キャップ21が流出配管部4の作動油タンク1の底面1aからの突出部に嵌合される。ここで、蓋体プレート27をボルト座15に固定すると、そのロッド挿通部27aが連結ロッド22のガイド部材となる。作動油タンク1の上面に固定した蓋体プレート27のロッド挿通部27aを流出配管部4と同心状態としておくことによって、連結ロッド22がロッド挿通部27aにガイドされて、真っ直ぐ下降して、キャップ21は自動的に流出配管部4に対して調芯される。ここで、図4に示した流出配管部4Lのように、外径が大径のものである場合には、キャップ21に装着したシールリング23が当接し、また図5に示した小径の流出配管部4Sである場合には、シールリング24が当接する。しかも、これらシールリング23,24は圧縮された状態となるので、その間のシール性が確保される。
【0027】
キャップ21の内部は連結ロッド22に形成した空気通路26を介して大気と連通している。従って、キャップ21を流出配管部4に嵌合させる際に、キャップ21の内部の圧力は大気圧に保持され、キャップ21を押し上げる方向に圧力が作用することはない。しかも、作動油タンク1の内部の流出配管部4との連通は確実に遮断されているので、流出配管部4の他端部から接続配管部6を分離したとしても、作動油タンク1内の作動油が流出することはない。また、配管2の一部を分離したときには、流出配管部4の内部の作動油を迅速に、しかも完全に排出しなければならないが、流出配管部4の他端は大気に開放されているので、接続配管部6を分離したときに、この流出配管部4に残存する作動油は速やかに排出される。
【0028】
この状態で配管2のレイアウト変更やその他の作業が行われる。ここで、開口部13は蓋体プレート27により覆われて、ほぼ密閉された状態となっているので、作業中に塵埃その他の汚損物が作動油タンク1内に侵入するおそれはなく、作動油は清浄な状態に保たれる。従って、少なくとも作動油タンク1内に貯留されている作動油は交換する必要はない。
【0029】
配管2の交換等の作業が終了すると、蓋体プレート27をボルト座14から取り外して、配管閉塞装置20を作動油タンク1から抜き出す。そして、必要に応じて作動油を補給するようになし、その後に連結杆16によりストレーナ11を装着したエアブリーザ12を開口部13内に挿入して、このエアブリーザ12をボルト15で作動油タンク1の上面1cに固定する。これによって、作動油タンク1及び油圧ポンプ3を含む油圧回路は作動可能な状態となる。
【0030】
なお、キャップ21の内周面に段差を設けて、外径の異なる2つの流出配管部に嵌合されて、この流出配管部を密閉する構成としたが、単一種類の流出配管部に嵌合させる場合には、段差を設けず、またシールリングは1箇所設ければ良い。また、連結ロッド22はキャップ21に対して螺挿していることから、流出配管部の外径に応じたキャップを交換して装着するように構成することもできる。さらに、図6に示した配管閉塞装置120のように、大径の流出配管部4Lに嵌合可能なキャップ121を連結ロッド122に連結して設け、このキャップ121の内周面におけるシールリング123の装着部より上方位置にめねじ部130を形成するようになし、このめねじ部130に小径の流出配管部4Sに嵌合可能なアダプタリング131を螺合させるようになし、このアダプタリング131に小径のシールリング124を装着する構成としても良い。また、連結ロッド122とキャップ121とは一体に設けるか、または溶接手段等により固着している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】一般的な作動油タンクの断面図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す配管閉塞装置を装着した作動油タンクの断面図である。
【図3】図2の配管閉塞装置の要部拡大断面図である。
【図4】図3の配管閉塞装置のキャップを大径の流出配管部に嵌合させた状態を示す断面図である。
【図5】図3の配管閉塞装置のキャップを小径の流出配管部に嵌合させた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の配管閉塞装置を構成するキャップの変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 作動油タンク 1a 底面
1c 上面 2 配管
3 油圧ポンプ 4 流出配管部
5 サクション配管部 6 接続配管部
9 流入配管 10 フィルタ
11 ストレーナ 12 エアブリーザ
14 ボルト座 15 ボルト
20,120 配管閉塞装置 21,121 キャップ
20a 大径部 20b 小径部
22,122 連結ロッド 23,123,24,124 シールリング
25 把持部 26 空気通路
27 蓋片プレート 27a ロッド挿通部
131 アダプタリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面から突出するように設けた流出配管にストレーナが着脱可能に装着され、このストレーナに連結杆を連結し、この連結杆の他端に連結したエアブリーザを上面部の開口部に着脱可能に装着された作動油タンクに着脱可能に装着され、前記流出配管を閉鎖するための作動油タンクの配管閉塞装置であって、
前記開口部内に挿通可能な外径を有し、前記ストレーナを脱着した前記流出配管を閉塞させる閉塞部材と、この閉塞部材に連結した連結ロッドとを備え、
前記連結ロッドは、前記閉塞部材により前記流出配管が閉塞されたときに、前記作動油タンク内の最高液面位置より高い位置まで延在する長さを有するもので
構成したことを特徴とする作動油タンクの配管閉塞装置。
【請求項2】
前記閉塞部材は前記流出配管に嵌合されるキャップから構成され、このキャップの内面には前記流出配管の外周面に当接する弾性部材からなるシール部材を有する構成としたことを特徴とする請求項1記載の作動油タンクの配管閉塞装置。
【請求項3】
前記キャップには、異なる径の流出配管に嵌着可能な複数のシール部材を装着する構成としたことを特徴とする請求項2記載の作動油タンクの配管閉塞装置。
【請求項4】
前記連結ロッドには、前記キャップの内部空間を大気と連通させる空気通路を設ける構成としたことを特徴とする請求項2記載の作動油タンクの配管閉塞装置。
【請求項5】
前記連結ロッドを、前記作動油タンクの前記開口部に固定可能な蓋体部材に挿通させて設け、前記閉塞部材を前記作動油タンク内に挿入したときに、この閉塞部材を前記流出配管の配設位置に導くように方向付ける構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の作動油タンクの配管閉塞装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−264541(P2009−264541A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117271(P2008−117271)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】