説明

作業支援システム、作業管理システム、および作業管理方法

【課題】コンベアで搬送される物品を容易に抽出できる作業管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】作業管理システムは、コンベア60の上流側の所定の位置を検出対象領域として複数のタグリーダを配置し、検出対象領域をスキャンすることにより物品に添付されているICタグ情報を読取り、管理サーバに物品の位置情報および時間情報を送付するタグスキャン装置20と、コンベアを撮影するカメラ42と、カメラ42の動画映像情報を表示するモニタ41を有し、管理サーバ10に動画映像情報を送付する動画映像装置40とを備え、管理サーバ10は、物品の位置情報と時間情報と、動画映像情報とを基に、指定された物品のコンベア60上の物品を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアで搬送される物品を容易に抽出できる作業支援システム、作業管理システム、および作業管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様の生産が行われている生産工程で、不良品や特定の製品(以下、対象物という。)を作業者が抽出するために、作業指示書に従って、対象物の抽出作業が実施されている。しかしながら、コンベアで搬送される対象物を認識することは難しく、抽出漏れや、抽出誤りが発生していた。
【0003】
そのため、生産ライン上で製品不良が発生したときに、製品に取り付けられたICタグの不良情報を読取り、その製品が載せられたパレットを自動的に生産ラインから払い出すことが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
生産ラインではないが、手荷物の管理における利便性を向上するために、コンベア上に流れる手荷物について、ICタグリーダで読み込まれた手荷物の識別番号と物品形状を案内表示器に表示する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−208207号公報
【特許文献2】特開2003−146438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、コンベアで搬送される物品はパレット上に置かれ、パレットは一列に搬送されている。このため、ICタグリーダによりICタグの不良情報を読み込むことができる。しかしながら、コンベア上に非整列に置かれた複数の物品が搬送された場合には、抽出すべき物品を特定することができず、生産ラインから払い出すことができない問題がある。
【0006】
また、特許文献2では、同様に、コンベアで搬送される物品は、ほぼ整列された状態で載せられているため、コンベア上の手荷物の位置が判定できる。しかしながら、例えば、コンベア上に同一形状の複数の物品が並列に置かれると、物品を特定することができない問題がある。
【0007】
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、コンベアで搬送される物品を容易に抽出できる作業支援システム、作業管理システム、および作業管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、物品を搬送するコンベアの上流側の所定の位置を検出対象領域として配置され、コンベアで搬送される物品に添付された無線ICタグを検出する、個々に位置管理された複数のICタグ検出器(例えば、タグリーダ26)と、コンベア上における無線ICタグの位置を監視する処理装置(例えば、管理サーバ10)とを備え、ICタグ検出器が無線ICタグを検出すると、当該検出にかかる無線ICタグの検出位置と検出時刻とタグ情報とが特定され、これら特定された情報に基づいて作業を支援する作業支援システムにおいて、コンベアの所定の位置を撮影する動画像撮影装置(例えば、カメラ42)と、動画像撮影装置が撮影した動画像に画像処理を行い、所定の物品に視覚的なマーキング処理を行う画像処理装置(例えば、制御部44)と、動画像撮影装置が撮影し、画像処理装置がマーキング処理した動画像を表示する表示装置(例えば、モニタ41)とをさらに備え、処理装置は、ICタグ検出器が無線ICタグを検出することにより特定される、検出位置と検出時刻に加えて、コンベアの搬送速度に基づいて、検出した無線ICタグのコンベアにおける搬送方向の位置を算出し、算出した搬送方向の位置と、検出位置から得られるコンベアの幅方向の位置とから無線ICタグの位置を監視し、検出した無線ICタグのタグ情報が、所定のタグ情報であるか否かを判定し、所定のタグ情報であるときは、画像処理装置に、当該所定のタグ情報を有する無線ICタグのコンベアの幅方向の位置および搬送方向の位置を通知し、画像処理装置に当該通知された位置に対応する物品にマーキングをさせることを特徴とする。
【0009】
また、前記目的を達成するため、コンベアで搬送される物品の抽出作業を管理する管理サーバ(例えば、管理サーバ10)を有する作業管理システムは、物品を搬送するコンベアの上流側の所定の位置を検出対象領域として複数のタグリーダを配置し、前記検出対象領域をスキャンすることにより物品に添付されているICタグ情報を読取り、管理サーバに物品の位置情報および時間情報を送付するタグスキャン装置(例えば、タグスキャン装置20,30)と、コンベアを撮影する撮影部および撮影部の動画映像情報を表示する表示部を有し、管理サーバに動画映像情報を送付する動画映像装置(例えば、動画映像装置40,50)とを備え、管理サーバは、物品の位置情報および時間情報と、動画映像情報とを基に、指定された物品のコンベア上の物品を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンベアで搬送される物品を容易に抽出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、作業管理システムを示す説明図である。図1において本発明の概要を説明する。作業管理システムは、管理サーバ10と、探索エリア用のタグスキャン装置20と、チェックエリア用のタグスキャン装置30と、探索エリア用の動画映像装置40と、チェックエリア用の動画映像装置50とを有している。管理サーバ10、タグスキャン装置20,30、および動画映像装置40,50は、ネットワーク65を介して接続されている。
【0012】
タグスキャン装置20は、コンベア60を搬送される製品70に付されたICタグ71の情報を、コンベア60の下部に設置された複数のタグリーダ26(図3参照)を用いて探索エリアをスキャンして読取る。動画映像装置40は、カメラ42を用いて、コンベア60で搬送される製品70を撮影する。管理サーバ10は、タグスキャン装置20からのスキャン情報(位置情報、タグ情報、時間情報)と、動画映像装置40からの動画映像情報とを基に、コンベア60の搬送速度を考慮して抽出する製品を特定し、動画映像装置40へ製品(特定物)のマーキング情報(図16参照)を送信する。動画映像装置40は、マーキング情報を受信すると、モニタ41に、作業指示として抽出する特定物を強調して表示する。
【0013】
作業者は、モニタ41に表示された特定物を確認し抽出する。タグスキャン装置30および動画映像装置50は、チェック用の装置であり、作業者によって特定物の抽出が完了したか否かが、モニタ51により、確認することができる。
【0014】
タグスキャン装置30は、コンベア60を搬送される製品70に付されたICタグ71の情報を、コンベア60の下部に設置された複数のタグリーダ36(図3参照)を用いてチェックエリアをスキャンして読取る。動画映像装置50は、カメラ52を用いて、コンベア60で搬送される製品70を撮影する。管理サーバ10は、タグスキャン装置30からのスキャン情報(位置情報、タグ情報、時間情報)と、動画映像情報とを基に、コンベア60の搬送速度を考慮して抽出する製品を特定し、動画映像装置50のモニタ51に、作業指示として特定物を強調して表示する。作業者が特定物の抽出ができている場合は、特定物は表示されず、作業者により抽出が完了していることが確認できる。
【0015】
なお、タグリーダ26,36は、コンベア60の搬送面の下部に設置しているが、製品70の搬送に障害がなければ、コンベア60の搬送面と所定の間隔を設けて上面に設置してもよい。この場合、カメラ42,52の撮影エリアと重ならないようにするのがよい。
【0016】
図2は、作業指示画面を示す説明図である。図2(a)は、モニタ41の表示画面例を示し、図2(b)には、コンベア60上の製品70の搬送状態を示す。モニタ41の表示画面例では、カメラ42で撮影された実映像の上に特定物を強調色で強調されている。特定物の位置は、コンベア60上の不良品の位置に対応している。作業者は、モニタ41上に表示される特定物を確認することにより容易に特定物を抽出することができる。
【0017】
以下、作業管理システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、作業管理システムの構成を示すブロック図である。管理サーバ10は、通信部13、制御部14、記憶部15、操作部16、およびモニタ17を有している。タグスキャン装置20は、通信部23、制御部24、記憶部25、および複数のタグリーダ26を有している。同様に、タグスキャン装置30は、通信部33、制御部34、記憶部35、および複数のタグリーダ36を有している。動画映像装置40は、通信部43、制御部44、記憶部45、カメラ42、およびモニタ41を有している。同様に、動画映像装置50は、通信部53、制御部54、記憶部55、カメラ52、およびモニタ51を有している。通信部13,23,33,43,53は、ネットワーク65を介して、データのやり取りを行うためのインタフェースである。制御部14,24,34,44,54は、記憶部15,25,35,45,55に格納されたプログラムを実行することで、各構成要素(例えば、通信部13,23,33,43,53)を統括的に制御し、様々な演算処理を行う。記憶部15,25,35,45,55は、プログラムやデータを永続的に記憶するために用いられるものであり、ハードディスクなどで構成される。モニタ17,41,51は、管理者、作業者などに対して、メッセージなどを表示するために用いられるものであり、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどで構成される。操作部16は、データや命令などを入力するために用いられるものであり、キーボードやマウスなどで構成される。タグリーダ26,36は、ICタグ71(図1参照)を読取るためのリーダである。なお、ICタグ71(図1参照)は、RFID(Radio frequency identification)などの非接触の無線用ICタグである。ICタグ71に記憶されているICタグ情報については、図6にて説明する。
【0018】
タグスキャン装置20は、管理サーバ10から、抽出製品登録情報(抽出すべきタグID)を受信すると、検索エリア(図1参照)に配置された複数のタグリーダ26により、検索エリアをスキャンし、読取ったスキャン情報を管理サーバ10に送信する。スキャン情報にはタグID、位置情報、時間情報が含まれる。抽出製品登録情報、スキャン情報については、図10〜図12にて説明する。
【0019】
同様に、タグスキャン装置30は、管理サーバ10から、抽出すべきタグIDを受信すると、検索エリア(図1参照)に配置された複数のタグリーダ36により、検索エリアをスキャンし、読取ったスキャン情報を管理サーバ10に送信する。スキャン情報にはタグID、位置情報、時間情報が含まれる。
【0020】
図4は、タグスキャン装置のタグリーダ配置構成を示す説明図である。図4に示すように(適宜図1、図3参照)、タグスキャン装置20,30のタグリーダ26,36は、コンベア60の下部に複数設置され、探索エリアまたはチェックエリアを通過するICタグ71の識別情報を読取る。図4においては、製品の流れ(X座標方向)に対し、検索エリアを10等分し、X座標と直交するY座標に対して、コンベア60の幅を10等分している。各区画(X座標.Y座標)に関連付けて、複数のタグリーダ26,36が配置されている。これにより、ICタグ71の位置情報は、例えば、(X座標.Y座標)=(4.3)として得ることができる。
【0021】
図3に戻り、動画映像装置40は、管理サーバ10から撮影開始情報を受信すると、カメラ42からのコンベア60の動画映像情報を、モニタ41に映すとともに、管理サーバ10に送信する。また、抽出製品情報を受信すると、動画映像情報の抽出製品にマーキング処理を施し、モニタ41に映す。
【0022】
同様に、動画映像装置50は、管理サーバ10から撮影開始情報を受信すると、カメラ52からのコンベア60の動画映像情報を、モニタ51に映すとともに、管理サーバ10に送信する。また、抽出製品情報を受信すると、動画映像情報の抽出製品にマーキング処理を施し、モニタ51に映す。
【0023】
管理サーバ10は、操作部16から作業指示されると、抽出製品登録情報を、タグスキャン装置20に送信するとともに、撮影開始情報を動画映像装置40に送信する。そして、タグスキャン装置20からスキャン情報を受信するとともに、動画映像装置40から動画映像情報を受信する。管理サーバ10は、スキャン情報と動画映像情報を基に、抽出製品を特定すると、動画映像装置40に抽出製品情報を送信する。管理サーバ10の機能は図5にてさらに詳しく説明する。
【0024】
図5は、管理サーバの機能を示す構成図である。管理サーバ10の制御部14(図3参照)は、スキャン情報処理部87と、スキャン情報解析部88と、スキャン情報蓄積部89と、動画映像処理部81と、動画映像解析部82と、動画映像蓄積部83と、判定部86と、抽出製品監視処理部85と、編集部84と、および抽出製品情報格納部90を備える。記憶部15(図3参照)には、設備管理DB91と、品質管理DB92と、抽出製品登録情報DB93とを備える。
【0025】
スキャン情報処理部87は、通信部13を介して、タグスキャン装置20(図3参照)からスキャン情報を受信すると、スキャン情報解析部88とスキャン情報蓄積部89に送信する。スキャン情報解析部88は、スキャン情報から抽出製品の位置情報を確定する。
【0026】
一方、動画映像処理部81は、通信部13を介して、動画映像装置40(図3参照)から動画像情報を受信すると、動画映像解析部82と動画映像蓄積部83に送信する。動画映像解析部82は、動画像情報から、対象物を輪郭処理などにより抽出し、対象物の位置情報を確定する。判定部86は、抽出製品情報格納部90から読み出した抽出製品登録情報と、スキャン情報解析部88から取得した抽出製品の位置情報と、動画映像解析部82から取得した製品の位置情報とから、抽出製品か否かを判定する。抽出製品であると判定されると、抽出製品監視処理部85は、コンベア速度(図7参照)などを考慮して抽出製品の所定時間後の位置情報を算出し、編集部84へ送付する。また、抽出製品監視処理部85は、処理結果に不具合などあれば(例えば、推定位置に該当する製品が存在しないならば)、不具合情報を動画映像蓄積部83およびスキャン情報蓄積部89に送信するとともに、再度、動画映像解析部82およびスキャン情報解析部88に問合せる。編集部84は、所定時間後の位置情報に基づいてマーキング情報を作成し、通信部13を介して、動画映像装置40に、マーキング情報を送信する。なお、さらに詳細な説明は、図16にて行う。なお、抽出製品情報格納部90は、操作部16(図3参照)からの抽出条件に基づいて、判定部86に入力される抽出製品登録情報の一時的な記憶格納部である。
【0027】
図6は、ICタグに記憶されるICタグ情報を示す説明図である。ICタグ71には、タグID、ロット番号(ロットNo.)、製品コード、製造工場、ライン番号(ラインNo.)、製造日、保障期限、保管期限が記憶されている。図6によれば、例えば、タグIDがaaaの場合、ロットNo.が20070203−3AAA、製品コードがAAAAであり、NK工場の3番ラインで製造されていることがわかる。また、タグIDのaaaとbbbとは同じ情報が記録されていることから、同一製品、同一ロット、同一製造ラインで製造されたこともわかる。
【0028】
図7は、設備管理DBに記憶される設備使用情報テーブルを示す説明図である。設備管理DB91には、搬出ライン番号(搬出ラインNo.)、開始予定時間、終了予定時間、開始実績時間、終了実績時間、ロット番号(ロットNo.)、コンベア速度、担当者が記憶されている。図7によれば、例えば、搬出ラインの15番は、9時50から開始され、ロットNo.が20070203−3AAAの製品が、コンベア速度0.5m/sで搬送されていることがわかる。
【0029】
図8は、品質管理DBに記憶される品質管理情報テーブルを示す説明図である。品質管理DB92は、ロット番号(ロットNo.)、製品コード、製造工場、ライン番号(ラインNo.)、搬送ライン番号(搬送ラインNo.)、製造日、保障期限、保管期限、タグID、検査予定数量、検査場数量、検査実績数量、品質情報、担当者が記憶されている。特に、検査結果に重要となる品質情報は、良品の場合フラグ値は0であり、不良品の場合フラグ値は1である。図8によれば、例えば、タグIDがaaaの場合は不良品とされていることがわかる。
【0030】
図9は、抽出製品登録情報DBに記憶される抽出管理情報テーブルを示す説明図である。抽出製品登録情報DB93は、品質情報が不良品の製品で、抽出状況を管理するデータベースであり、ロット番号(ロットNo.)、製品コード、製造工場、ライン番号(ラインNo.)、搬送ライン番号(搬送ラインNo.)、製造日、保障期限、保管期限、タグID、品質情報、抽出情報、担当者が記憶されている。特に、抽出結果に重要となる抽出情報は、未抽出の場合フラグ値は0であり、抽出完了(抽出完)の場合フラグ値は1である。
【0031】
図10は、抽出製品のタグIDを示す説明図である。図10には(適宜図3、図5参照)、管理サーバ10からタグスキャン装置20またはタグスキャン装置30に送信される抽出製品登録情報の一例として、タグIDを示している。他の抽出製品登録情報には、図9に示すように、ロット番号(ロットNo.)、製品コード、製造工場、ライン番号(ラインNo.)、製造日、保障期限、保管期限があり、図6のICタグ情報に含まれるものであればよい。抽出製品のタグID情報は、抽出製品情報格納部90(図5参照)に格納されており、判定部86において判定する情報として利用される。
【0032】
図11は、タグリーダのスキャン情報を示す説明図である。タグスキャン装置20の制御部24(図3参照)は、タグリーダ26からのスキャン情報を記憶部25に格納する。スキャン情報には、X座標、Y座標、タグID、スキャン時の時間(時刻)が記憶されている。図11によれば、例えば、探索エリア内にタグIDがaaaとbbbの製品があることがわかる。タグスキャン装置30においてもスキャン情報は同様である。
【0033】
図12は、抽出製品に該当するタグリーダのスキャン情報を示す説明図である。タグスキャン装置20の制御部24(図3参照)は、図11に示したスキャン情報から抽出製品に該当するスキャン情報を、管理サーバ10へ送信する。送信するスキャン情報には、X座標、Y座標、タグID、スキャン時の時間(時刻)が含まれる。図12によれば、図10に示す管理サーバ10から送信されたタグIDがaaaであるので、タグIDがaaaのスキャン情報であることがわかる。タグスキャン装置30においても送信するスキャン情報は同様である。
【0034】
図13は、動画映像情報を示す説明図である。動画映像装置40,50から管理サーバ10に送信される動画映像情報は、X座標、Y座標、色相、明度、彩度、撮影の時間(時刻)である。図13によれば、色には、色相(色合いの違い)、明度(明るさの違い)、彩度(鮮やかさの違い)の3つの属性があり、全ての色はこの組み合わせで表現でき、しかも256の分解能で表現されている。
【0035】
図14は、抽出製品情報を示す説明図である。管理サーバ10から動画映像装置40,50へ送信される抽出製品情報は、所定時間後の位置を示すマーキング情報である。抽出製品情報には、X座標、Y座標、色相、明度、彩度が含まれる。マーキング情報については、図16にて詳細を説明する。
【0036】
次に、処理について、適宜図1〜図5を参照して説明する。
図15は、作業管理システムの処理の全体を示すフローチャートである。図15において、処理の全体概要を説明する。管理サーバ10は、管理サーバの操作部16を介して抽出開始情報が登録されると(ステップS1)、管理サーバ10は、作業管理システムを起動する。管理サーバ10は、品質管理DB92から、品質情報のフラグ値が1(不良品)を抽出し、抽出製品登録情報DB93へ抽出すべき抽出登録情報を登録する。管理サーバ10は、抽出製品登録情報DB93のうちの所定の抽出製品情報を抽出製品情報格納部90に格納し、抽出製品登録情報を、タグスキャン装置20に送信する(ステップS2)。ここでは、抽出製品登録情報として、タグID(図10参照)として説明する。
【0037】
タグスキャン装置20は、抽出製品登録情報を受信すると(ステップS3)、検索エリアを所定時間毎にスキャンする(ステップS4)。例えば、1/60秒間隔でスキャンする。タグスキャン装置20は、スキャン情報(図11参照)を記憶部25に記憶し、制御部24は、抽出製品登録情報であるタグIDに一致するか否かを判定する(ステップS5)。タグスキャン装置20は、タグIDに一致した場合(ステップS5,Yes)、該当するスキャン情報(図12参照)を管理サーバ10に送信する(ステップS6)。タグIDに一致しない場合(ステップS5,No)、ステップS4へ戻る。
【0038】
一方、ステップS1において、管理サーバ10は、動画映像装置40に撮影開始信号を送信すると、動画映像装置40は、撮影を開始する(ステップS11)。動画映像装置40は、カメラ42からの実写の動画像情報をモニタ41に送信し映す(ステップS12、ステップS14)。また、動画映像装置40は、実写の動画像情報(図13参照)を管理サーバ10に送信する。
【0039】
管理サーバ10は、動画映像装置40から実写の動画像情報を管理サーバ10に受信すると、動画映像データを基に輪郭処理などにより製品を特定する(ステップS13)。一方、管理サーバ10は、タグスキャン装置20からスキャン情報を受信すると(ステップS7)、抽出製品の時刻毎の位置情報を特定する。そして、スキャン情報と、実写の動画像情報を基に、実写の動画像上の抽出製品を特定する(ステップS8)。管理サーバ10は、抽出製品情報(図14参照)を、動画映像装置40に送信する(ステップS9)。
【0040】
動画映像装置40は、抽出製品情報を受信すると(ステップS15)、実写の動画像情報に、抽出製品情報を基に特定した抽出製品にマーキング処理をし(ステップS16)、図2(a)に示すようにモニタ41に映す(ステップS17)。
【0041】
なお、タグスキャン装置30と、管理サーバ10と、動画映像装置50との関係は、タグスキャン装置20と、管理サーバ10と、動画映像装置40との関係と同様であるので、説明を省略する。
【0042】
作業指示の処理について、適宜図5を参照して詳細に説明する。
図16は、管理サーバの処理を示すフローチャートである。図15と同一処理については、同一符号を付している。
【0043】
ステップS6において、タグスキャン装置20は、スキャン情報として、抽出製品の位置情報、その位置情報を取得した時間を管理サーバ10へ送信すると、管理サーバ10の通信部13は、スキャン情報を受信する(ステップS20)。スキャン情報処理部87は、通信部13を介して、動画映像装置40からスキャン情報を受信すると、スキャン情報解析部88とスキャン情報蓄積部89に送信する(ステップS21)。すると、スキャン情報解析部88は、スキャン情報から抽出製品の位置情報を確定する(ステップS22)。動画映像蓄積部83は、スキャン情報を蓄積する(ステップS23)。
【0044】
ステップS12において、動画映像装置40は、カメラ42で撮影した実写の動画像情報をモニタ41に送信し、モニタ41は、その実写の動画像を映す(ステップS14)。また、動画映像装置40は、実写の動画像情報を管理サーバ10に送信すると、管理サーバ10の通信部13は、実写の動画像情報を受信する(ステップS30)。動画映像処理部81は、通信部13を介して、動画映像装置40から実写の動画像情報を受信すると、動画映像解析部82と動画映像蓄積部83に送信する(ステップS31)。すると、動画映像解析部82は、実写の動画像情報から、対象物を輪郭処理などにより抽出し、対象物の位置情報を確定する(ステップS32)。動画映像蓄積部83は、実写の動画像情報を蓄積する(ステップS33)。ステップS22およびステップS32でのそれぞれの位置情報が確定した時点で、抽出製品情報格納部90は、抽出製品登録情報を判定部86に送信する(ステップS23)。
【0045】
判定部86は、抽出製品情報格納部90からの抽出製品登録情報と、スキャン情報解析部88からの抽出製品の位置情報と、動画映像解析部82からの対象物の位置情報とから、抽出製品か否かを判定する(ステップS24)。抽出製品と判定されると(ステップS24,Yes)、抽出製品監視処理部85は、抽出製品のα秒(所定時間)後の現在位置を推定し(ステップS25)、編集部84へ送付する。編集部84は、α秒後の位置情報に基づいてマーキング情報を作成し、通信部13を介して、動画映像装置40に、マーキング情報を送信する(ステップS26)。なお、ステップS24において、抽出製品と判定されないと(ステップS24,No)、一連の処理を終了する。
【0046】
動画映像装置40は、受信したα秒後の位置情報であるマーキング情報を基に、マーキング処理し(ステップS16)、実写の動画像にマーキングした動画像をモニタ41に映す(ステップS17)。
【0047】
図17は、作業管理システムに抽出装置を設置した例を示す説明図である。図17は、図1に示す作業管理システムにおいて、タグスキャン装置20と、タグスキャン装置30との間のコンベア60上の製品を抽出するための抽出装置100を設置した場合である。管理サーバ10は、抽出装置100の抽出範囲内に到達する所定時間後の抽出製品の位置情報を抽出装置100へ送信すると、抽出装置100は、該当する製品を抽出することができる。
【0048】
本実施形態によれば、作業管理システムは、コンベアで搬送される物品の抽出作業を管理する管理サーバ10、コンベアの搬送面の下部に複数のタグリーダを有し、タグリーダをスキャンすることにより物品に添付されているICタグ情報を読取り、管理サーバに物品の位置情報および時間情報を送付するタグスキャン装置20,30と、コンベアを撮影するカメラ42,52と、カメラ42,52の動画映像情報を表示するモニタ41,51を有し、管理サーバ10に動画映像情報を送付する動画映像装置40,50とを備え、管理サーバ10は、物品の位置情報と時間情報と、動画映像情報とを基に、指定された物品のコンベア上の物品を特定するので、コンベアで搬送される物品を容易に抽出するための作業指示をすることができる。
【0049】
管理サーバ10は、コンベアの搬送速度を考慮し、指定された物品の所定時間後の物品の位置情報であるマーキング情報を、動画映像装置40,50に送信する。動画映像装置40,50は、管理サーバ10からマーキング情報を受信すると、前記撮影部で撮影された実写の動画像情報に、マーキング情報を付加して前記モニタ41,51に表示するので、作業者は、容易に抽出するための物品を確認することができる。なお、マーキング情報を付加するとは、マーキング情報を基にマーキング処理をしてもよいし、マーキング情報そのものを表示してもよい。
【0050】
また、本実施形態では、タグスキャン装置20と、タグスキャン装置30との間に抽出装置100を設けているので、マーキング情報を基に指定された物品の抽出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】作業管理システムを示す説明図である。
【図2】作業指示画面を示す説明図である。
【図3】作業管理システムの構成を示すブロック図である。
【図4】タグスキャン装置のタグリーダ配置構成を示す説明図である。
【図5】管理サーバの機能を示す構成図である。
【図6】ICタグに記憶されるICタグ情報を示す説明図である。
【図7】設備管理DBに記憶される設備使用情報テーブルを示す説明図である。
【図8】品質管理DBに記憶される品質管理情報テーブルを示す説明図である。
【図9】抽出製品登録情報DBに記憶される抽出管理情報テーブルを示す説明図である。
【図10】抽出製品のタグIDを示す説明図である。
【図11】タグリーダのスキャン情報を示す説明図である。
【図12】抽出製品に該当するタグリーダのスキャン情報を示す説明図である。
【図13】動画映像情報を示す説明図である。
【図14】抽出製品情報を示す説明図である。
【図15】作業管理システムの処理の全体を示すフローチャートである。
【図16】管理サーバの処理を示すフローチャートである。
【図17】作業管理システムに抽出装置を設置した例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
10 管理サーバ
20 タグスキャン装置(探索エリア用)
26 タグリーダ
30 タグスキャン装置(チェックエリア用)
40 動画映像装置(探索エリア用)
41,51 モニタ
42,52 カメラ
50 動画映像装置(チェックエリア用)
60 コンベア
65 ネットワーク
70 製品
71 ICタグ
91 設備管理DB
92 品質管理DB
93 抽出製品登録情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送するコンベアの上流側の所定の位置を検出対象領域として配置され、前記コンベアで搬送される物品に添付された無線ICタグを検出する、個々に位置管理された複数のICタグ検出器と、前記コンベア上における無線ICタグの位置を監視する処理装置とを備え、前記ICタグ検出器が前記無線ICタグを検出すると、当該検出にかかる無線ICタグの検出位置と検出時刻とタグ情報とが特定され、これら特定された情報に基づいて作業を支援する作業支援システムにおいて、
前記コンベアの所定の位置を撮影する動画像撮影装置と、
前記動画像撮影装置が撮影した動画像に画像処理を行い、所定の物品に視覚的なマーキング処理を行う画像処理装置と、
前記動画像撮影装置が撮影し、前記画像処理装置がマーキング処理した動画像を表示する表示装置とをさらに備え、
前記処理装置は、
前記ICタグ検出器が無線ICタグを検出することにより特定される、前記検出位置と前記検出時刻に加えて、前記コンベアの搬送速度に基づいて、検出した無線ICタグの前記コンベアにおける搬送方向の位置を算出し、
前記算出した搬送方向の位置と、前記検出位置から得られる前記コンベアの幅方向の位置とから前記無線ICタグの位置を監視し、
前記検出した無線ICタグのタグ情報が、所定のタグ情報であるか否かを判定し、
所定のタグ情報であるときは、前記画像処理装置に、当該所定のタグ情報を有する無線ICタグの前記コンベアの幅方向の位置および搬送方向の位置を通知し、前記画像処理装置に当該通知された位置に対応する物品にマーキングをさせる
ことを特徴とする作業支援システム。
【請求項2】
コンベアで搬送される物品の抽出作業を管理する管理サーバを有する作業管理システムであって、
物品を搬送するコンベアの上流側の所定の位置を検出対象領域として複数のタグリーダを配置し、前記検出対象領域をスキャンすることにより前記物品に添付されているICタグ情報を読取り、前記管理サーバに前記物品の位置情報および時間情報を送付するタグスキャン装置と、
前記コンベアを撮影する撮影部および前記撮影部の動画映像情報を表示する表示部を有し、前記管理サーバに動画映像情報を送付する動画映像装置とを備え、
前記管理サーバは、前記物品の位置情報および時間情報と、前記動画映像情報とを基に、指定された物品の前記コンベア上の物品を特定する
ことを特徴とする作業管理システム。
【請求項3】
前記タグスキャン装置は、前記コンベアの搬送方向に複数のタグリーダを設け、かつ、前記コンベアの搬送方向と略直交方向に複数のタグリーダを設けた
ことを特徴とする請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記コンベアの搬送速度を考慮し、指定された物品の所定時間後の該物品の位置情報であるマーキング情報を、前記動画映像装置に送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記動画映像装置は、前記管理サーバから前記マーキング情報を受信すると、前記撮影部で撮影された実写の動画像情報に、前記マーキング情報を付加して前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の作業管理システム。
【請求項6】
前記マーキング情報を基に指定された物品の抽出を行う抽出装置をさらに備える
ことを特徴とする請求項4に記載の作業管理システム。
【請求項7】
コンベアで搬送される物品の抽出作業を管理する管理サーバを有する作業管理システムであって、
物品を搬送するコンベアの所定の位置を検出対象領域として複数のタグリーダを配置し、前記検出対象領域をスキャンすることにより前記物品に添付されているICタグ情報を読取り、前記管理サーバに前記物品の位置情報および時間情報を送付する複数のタグスキャン装置と、
前記コンベアを撮影する撮影部および前記撮影部の動画映像を表示する表示部を有し、前記管理サーバに動画映像情報を送付する複数の動画映像装置とを備え、
前記管理サーバは、前記物品の位置情報および時間情報と、前記動画映像情報とを基に指定された物品の前記コンベア上の物品を特定する
ことを特徴とする作業管理システム。
【請求項8】
コンベアで搬送される物品の抽出作業を管理する管理サーバを有する作業管理システムの作業管理方法であって、
前記作業管理システムは、物品を搬送するコンベアの上流側の所定の位置を検出対象領域として複数のタグリーダを配置するタグスキャン装置と、前記コンベアを撮影する撮影部および前記撮影部の動画映像情報を表示する表示部を有する動画映像装置とを備え、
前記タグスキャン装置は、前記検出対象領域をスキャンすることにより前記物品に添付されているICタグ情報を読取り、前記管理サーバに前記物品の位置情報および時間情報を送付し、
前記動画映像装置は、前記管理サーバに前記撮影部で撮影した動画映像情報を送付し
前記管理サーバは、前記物品の位置情報および時間情報と、前記動画映像情報とを基に、指定された物品の前記コンベア上の物品を特定する
ことを特徴とする作業管理方法。
【請求項9】
前記タグスキャン装置は、前記コンベアの搬送方向に複数のタグリーダを設け、かつ、前記コンベアの搬送方向と略直交方向に複数のタグリーダを備え、
前記タグスキャン装置は、前記検出対象領域をスキャンする
ことを特徴とする請求項8に記載の作業管理方法。
【請求項10】
前記管理サーバは、前記コンベアの搬送速度を考慮し、指定された物品の所定時間後の該物品の位置情報であるマーキング情報を、前記動画映像装置に送信する
ことを特徴とする請求項8に記載の作業管理方法。
【請求項11】
前記動画映像装置は、前記管理サーバから前記マーキング情報を受信すると、前記撮影部で撮影された実写の動画像情報に、前記マーキング情報を付加して前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の作業管理方法。
【請求項12】
前記作業管理システムは、さらに抽出装置を備え、
前記抽出装置は、前記マーキング情報を基に指定された物品の抽出を行う
ことを特徴とする請求項10に記載の作業管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2008−280102(P2008−280102A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123573(P2007−123573)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】