作業機械のシートスタンド
【課題】作業機械の運転室内の床面上の開放空間を大きくすることができ、作業道具等を収容するのに最適な作業機械のシートスタンドの提供。
【解決手段】運転席を形成するシート11を保持する上面部材15Aと、この上面部材15Aを支持し、運転席のフロアプレート13に取り付けられる左右一対の側面部材15Bとを備えた作業機械のシートスタンド12Aにおいて、左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15Bは、前方部分に切り欠き部16を設けることによって、後方部分にフロアプレート13に立設される脚部18を形成し、この脚部18よりも前側の領域を開放空間17に形成した。
【解決手段】運転席を形成するシート11を保持する上面部材15Aと、この上面部材15Aを支持し、運転席のフロアプレート13に取り付けられる左右一対の側面部材15Bとを備えた作業機械のシートスタンド12Aにおいて、左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15Bは、前方部分に切り欠き部16を設けることによって、後方部分にフロアプレート13に立設される脚部18を形成し、この脚部18よりも前側の領域を開放空間17に形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールローダ等の作業機械のシートスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6は従来の作業機械のシートスタンドを示す斜視図である。
【0003】
図6に示すように、一般的にホイールローダ等の作業機械に備えられるシート11は、シートスタンド12を介して運転席内のフロアプレート13に取り付け固定される。このシートスタンド12は、フロアプレート13前面に立設される正面部材22及び一対の側面部材15Bと、フロアプレート13に立設されてこれら正面部材22と側面部材15Bとを連結する斜面部材23と、フロアプレート13に対向してこれら正面部材22、側面部材15B及び斜面部材23の上端に連結される上面部材15Aとから構成され、箱型形状を有して一体型に形成されている。さらに、シートスタンド12の正面部材22、側面部材15B、及び斜面部材23にはそれぞれ空調吹出しダクト20が設けられている。
【0004】
またシート11は、乗降口側、例えば左側にアームレスト21と、右側に作業機械を操作する操作部14とを備え、シートスタンド12の上面部材15Aの表面に取り付けられている。このように、シート11はシートスタンド12を介して取り付けられることによって、作業機械の動作に伴う振動等を受けてもフロアプレート13に対して位置ずれ等が生じることがないので、作業者は安定した操作を行うことができる。
【0005】
ここで、作業機械の運転室内には、上述したシート11及び操作部14に加え、図示しないハンドル、レバーやバッテリー等が搭載されており、運転室内の空間領域が狭小となっていた。そこで、フロアプレート13の下に形成された格納領域にバッテリーを搭載可能とし、運転室内の空間領域を開放化した作業機械のシートスタンドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−72396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献1に開示された作業機械のシートスタンドは、フロアプレート13の下に形成された格納領域にバッテリーを格納しているため、格納領域に対する被蓋及び作業者の床面の足置き場として下面部を備えている。そのため、運転室内の床面上の開放空間の大きさが小さくなり、作業者が床下からステップを使って作業機械に乗る際に圧迫感を感じるという問題がある。
【0008】
また、運転室内の床面上の開放空間が小さいので、大きい工具や複数の作業道具等を収容することができず、床面上の開放空間を有効に活用できないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、作業機械の運転室内の床面上の開放空間を大きくすることができ、作業道具等を収容するのに最適な作業機械のシートスタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の作業機械のシートスタンドは、運転席を形成するシートを保持する上面部材と、この上面部材を支持し、運転席のフロアプレートに取り付けられる左右一対の側面部材とを備えた作業機械のシートスタンドにおいて、前記左右一対の側面部材のうち乗降側の前記側面部材は、前方部分に切り欠き部を設けることによって、後方部分に前記フロアプレートに立設される脚部を形成し、この脚部よりも前側の領域を開放空間に形成したことを特徴としている。
【0011】
このように構成した本発明は、フロアプレートに立設される一対の側面部材のうち脚部が形成される側面部材と、この側面部材に対向する側面部材とでシート全体を支持することによって作業機械の振動等に対して強度を保つことができると共に、左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材に切欠き部を設けることによって床面上の開放空間を大きくすることができる。そのため、作業者がステップを使って作業機械に乗る際の圧迫感を軽減することができる。
【0012】
また、左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材に切欠き部を設けることにより、運転室内の床面上の開放空間を大きく形成することができるので、この開放空間に大きい工具や複数の作業道具等を収容することができ、床面上の開放空間を有効に活用できる。
【0013】
本発明に係る作業機械のシートスタンドは、前記上面部材の裏面に空調吹出しダクトを取り付けたことを特徴としている。このように構成すると、運転室内の床面上に形成された開放空間に空調吹出しダクトを設置することにより、運転室内に空調吹出しダクトをコンパクトに設置することができる。
【0014】
本発明に係る作業機械のシートスタンドは、前記脚部は前記運転席の側方に立設され、前記運転席の扉の近傍に位置するピラーに対向する位置に設けてあることを特徴としている。このように構成すると、作業者がステップを使って作業機械に乗る際にシートスタンドの脚部がピラーに遮られて死角となり、作業者に開放感を与えることができる。
【0015】
本発明に係る作業機械のシートスタンドは、前記シートは前記脚部側にアームレストを有することを特徴としている。このように構成すると、操作レバーの操縦に使用しない腕をアームレストで支持することができるので、作業機械の長時間の使用による腕の疲労を軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の作業機械のシートスタンドは、運転席を形成するシートを保持する上面部材と、この上面部材を支持し、運転席のフロアプレートに取り付けられる左右一対の側面部材とを備え、この左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材は、前方部分に切り欠き部を設けることによって、後方部分に前記フロアプレートに立設される脚部を形成し、この脚部よりも前側の領域を開放空間に形成しているので、運転室内の床面上に空間的な広がりを確保することができ、作業者がステップを使って作業機械に乗る際の従来受けていたような圧迫感を軽減することができる。また、これらシート全体を支持することによって作業機械の振動等に対して十分な強度を保つことができ、運転室内の構造上の安定性も確保することができる。
【0017】
また、左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材に切欠き部を設けることにより、作業道具等をシートスタンドとフロアプレートとの間に収容することができる。従って、床面上の開放空間を有効に活用することができ、従来に比べて利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げたホイールローダを示す側面図である。
【図2】本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態の構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示す本実施形態の要部を拡大して示す図である。
【図4】本実施形態の配置状態を示す側面図である。
【図5】図3に示す本実施形態の配置状態を乗降口から見た斜視図である。
【図6】従来の作業機械のシートスタンドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る作業機械のシートスタンドを実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げたホイールローダを示す側面図、図2は本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態の構成を示す斜視図、図3は図1に示す本実施形態の要部を拡大して示す図、図4は本実施形態の配置状態を示す側面図、図5は図3に示す本実施形態の配置状態を乗降口から見た斜視図である。
【0021】
本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態は、例えば図1に示すホイールローダに備えられている。また、図1〜図5に示す運転室内の構成は前述した図6に示す運転室内の構成と基本的に同じである。従って、図6に示す運転室内の構成と重複する部分には同一符号を付す。
【0022】
図1に示すように、本発明の一実施形態が備えられるホイールローダは、中央部に車体2と、この車体2の前方に設けられて上下に回動可能な作業装置4と、車体2の上部に作業者が乗降する運転室6と、車体2の後方に図示しないエンジン等が格納された機械室10とを有し、作業装置4は先端にバケット5を備え、さらにこのバケット5を上下に回動させる油圧シリンダ3を備えている。この運転室6には、側面、例えば左側面に乗降口である扉8と、この扉8と屋根を支持する複数のピラー9とが設けられている。また、車体2の左側面にはステップ7が取り付けられており、作業者はこのステップ7を利用して地面から運転室6内に乗り込むようになっている。
【0023】
図2、図3に示すように、ホイールローダの運転室6内に備えられた本発明に係る作業機械のシートスタンド12Aの一実施形態は、運転席を形成するシート11を保持する上面部材15Aと、この上面部材15Aを支持し、運転席のフロアプレート13に取り付けられる左右一対の側面部材15Bとを備えている。
【0024】
これら左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15B、すなわち左側の側面部材15Bは、前方部分に切り欠き部16を設けることによって、後方部分にフロアプレート13に立設される脚部18を形成し、この脚部18よりも前側の領域を開放空間17に形成すると共に、ボルト19でフロアプレート13に固定されている。また、シートスタンド12Aの上面部材15Aの裏面には床面上に形成された開放空間17への通気孔である空調吹出しダクト20が取り付けられている。
【0025】
ここで、図4、図5に示すように、シートスタンド12Aの脚部18は運転室6の扉8の近傍に位置するピラー9に対向する位置に設けてある。すなわち、シートスタンド12Aの脚部18の左側方にピラー9が位置する。そして、上述した図6と同様に、シート11は、脚部18側、すなわち左側にアームレスト21と、右側にホイールローダを操作する操作部14とを備え、シートスタンド12Aの上面部材15Aの表面に取り付けられている。なお、操作部14を形成する操作レバー等は図示を省略している。
【0026】
このように構成した本発明の一実施形態によれば、シートスタンド12Aの左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15Bに切欠き部16を設けることによって床面上の開放空間17を大きくすることができるので、作業者が運転室6内に入る際に感じる圧迫感を軽減することができる。さらに、シートスタンド12Aの脚部18をピラー9に対向する位置に設けることにより、作業者がステップ7を使ってホイールローダに乗る際に、図4に示すようにこの脚部18がピラー9に遮られて死角となるので、作業者に開放感を与えることができる。また、シートスタンド12Aの側面部材15Bと脚部18でシート11全体を支持することによってホイールローダの振動等に対して十分な強度を保つことができ、運転室6内の構造上の安定性を確保することができる。このように、作業者に開放感と安心感を与えることができ、信頼性の高いシートスタンド12Aとすることができる。
【0027】
また、シートスタンド12Aの左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15Bに切欠き部16を設けることにより、運転室6内の床面上の開放空間17を大きく形成することができるので、大きい工具や複数の作業道具等を収容することができる。そのため、床面上の開放空間17を有効に活用でき、利便性を向上することができる。
【0028】
また、本発明の一実施形態は、上面部材15Aの裏面に床面上に形成された開放空間17への通気孔である空調吹出しダクト20を取り付けることにより、運転室6内に空調吹出しダクト20をコンパクトに設置することができ、運転室6内に配置される他の機器、部材の配置設計に対する自由度を大きく確保することができる。
【0029】
また、本発明の一実施形態は、シート11が脚部18にアームレスト21を備えていることにより、操作レバーの操縦に使用しない腕をアームレスト21で支持することができるので、ホイールローダを長時間使用した場合でも腕の疲労を抑えることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 ホイールローダ(作業機械)
2 車体
4 作業装置
6 運転室
8 扉
9 ピラー
11 シート
12,12A シートスタンド
13 フロアプレート
15A 上面部材
15B 側面部材
16 切欠き部
17 開放空間
18 脚部
19 ボルト
20 空調吹出しダクト
21 アームレスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールローダ等の作業機械のシートスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6は従来の作業機械のシートスタンドを示す斜視図である。
【0003】
図6に示すように、一般的にホイールローダ等の作業機械に備えられるシート11は、シートスタンド12を介して運転席内のフロアプレート13に取り付け固定される。このシートスタンド12は、フロアプレート13前面に立設される正面部材22及び一対の側面部材15Bと、フロアプレート13に立設されてこれら正面部材22と側面部材15Bとを連結する斜面部材23と、フロアプレート13に対向してこれら正面部材22、側面部材15B及び斜面部材23の上端に連結される上面部材15Aとから構成され、箱型形状を有して一体型に形成されている。さらに、シートスタンド12の正面部材22、側面部材15B、及び斜面部材23にはそれぞれ空調吹出しダクト20が設けられている。
【0004】
またシート11は、乗降口側、例えば左側にアームレスト21と、右側に作業機械を操作する操作部14とを備え、シートスタンド12の上面部材15Aの表面に取り付けられている。このように、シート11はシートスタンド12を介して取り付けられることによって、作業機械の動作に伴う振動等を受けてもフロアプレート13に対して位置ずれ等が生じることがないので、作業者は安定した操作を行うことができる。
【0005】
ここで、作業機械の運転室内には、上述したシート11及び操作部14に加え、図示しないハンドル、レバーやバッテリー等が搭載されており、運転室内の空間領域が狭小となっていた。そこで、フロアプレート13の下に形成された格納領域にバッテリーを搭載可能とし、運転室内の空間領域を開放化した作業機械のシートスタンドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−72396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献1に開示された作業機械のシートスタンドは、フロアプレート13の下に形成された格納領域にバッテリーを格納しているため、格納領域に対する被蓋及び作業者の床面の足置き場として下面部を備えている。そのため、運転室内の床面上の開放空間の大きさが小さくなり、作業者が床下からステップを使って作業機械に乗る際に圧迫感を感じるという問題がある。
【0008】
また、運転室内の床面上の開放空間が小さいので、大きい工具や複数の作業道具等を収容することができず、床面上の開放空間を有効に活用できないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、作業機械の運転室内の床面上の開放空間を大きくすることができ、作業道具等を収容するのに最適な作業機械のシートスタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の作業機械のシートスタンドは、運転席を形成するシートを保持する上面部材と、この上面部材を支持し、運転席のフロアプレートに取り付けられる左右一対の側面部材とを備えた作業機械のシートスタンドにおいて、前記左右一対の側面部材のうち乗降側の前記側面部材は、前方部分に切り欠き部を設けることによって、後方部分に前記フロアプレートに立設される脚部を形成し、この脚部よりも前側の領域を開放空間に形成したことを特徴としている。
【0011】
このように構成した本発明は、フロアプレートに立設される一対の側面部材のうち脚部が形成される側面部材と、この側面部材に対向する側面部材とでシート全体を支持することによって作業機械の振動等に対して強度を保つことができると共に、左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材に切欠き部を設けることによって床面上の開放空間を大きくすることができる。そのため、作業者がステップを使って作業機械に乗る際の圧迫感を軽減することができる。
【0012】
また、左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材に切欠き部を設けることにより、運転室内の床面上の開放空間を大きく形成することができるので、この開放空間に大きい工具や複数の作業道具等を収容することができ、床面上の開放空間を有効に活用できる。
【0013】
本発明に係る作業機械のシートスタンドは、前記上面部材の裏面に空調吹出しダクトを取り付けたことを特徴としている。このように構成すると、運転室内の床面上に形成された開放空間に空調吹出しダクトを設置することにより、運転室内に空調吹出しダクトをコンパクトに設置することができる。
【0014】
本発明に係る作業機械のシートスタンドは、前記脚部は前記運転席の側方に立設され、前記運転席の扉の近傍に位置するピラーに対向する位置に設けてあることを特徴としている。このように構成すると、作業者がステップを使って作業機械に乗る際にシートスタンドの脚部がピラーに遮られて死角となり、作業者に開放感を与えることができる。
【0015】
本発明に係る作業機械のシートスタンドは、前記シートは前記脚部側にアームレストを有することを特徴としている。このように構成すると、操作レバーの操縦に使用しない腕をアームレストで支持することができるので、作業機械の長時間の使用による腕の疲労を軽減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の作業機械のシートスタンドは、運転席を形成するシートを保持する上面部材と、この上面部材を支持し、運転席のフロアプレートに取り付けられる左右一対の側面部材とを備え、この左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材は、前方部分に切り欠き部を設けることによって、後方部分に前記フロアプレートに立設される脚部を形成し、この脚部よりも前側の領域を開放空間に形成しているので、運転室内の床面上に空間的な広がりを確保することができ、作業者がステップを使って作業機械に乗る際の従来受けていたような圧迫感を軽減することができる。また、これらシート全体を支持することによって作業機械の振動等に対して十分な強度を保つことができ、運転室内の構造上の安定性も確保することができる。
【0017】
また、左右一対の側面部材のうち乗降側の側面部材に切欠き部を設けることにより、作業道具等をシートスタンドとフロアプレートとの間に収容することができる。従って、床面上の開放空間を有効に活用することができ、従来に比べて利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げたホイールローダを示す側面図である。
【図2】本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態の構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示す本実施形態の要部を拡大して示す図である。
【図4】本実施形態の配置状態を示す側面図である。
【図5】図3に示す本実施形態の配置状態を乗降口から見た斜視図である。
【図6】従来の作業機械のシートスタンドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る作業機械のシートスタンドを実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げたホイールローダを示す側面図、図2は本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態の構成を示す斜視図、図3は図1に示す本実施形態の要部を拡大して示す図、図4は本実施形態の配置状態を示す側面図、図5は図3に示す本実施形態の配置状態を乗降口から見た斜視図である。
【0021】
本発明に係る作業機械のシートスタンドの一実施形態は、例えば図1に示すホイールローダに備えられている。また、図1〜図5に示す運転室内の構成は前述した図6に示す運転室内の構成と基本的に同じである。従って、図6に示す運転室内の構成と重複する部分には同一符号を付す。
【0022】
図1に示すように、本発明の一実施形態が備えられるホイールローダは、中央部に車体2と、この車体2の前方に設けられて上下に回動可能な作業装置4と、車体2の上部に作業者が乗降する運転室6と、車体2の後方に図示しないエンジン等が格納された機械室10とを有し、作業装置4は先端にバケット5を備え、さらにこのバケット5を上下に回動させる油圧シリンダ3を備えている。この運転室6には、側面、例えば左側面に乗降口である扉8と、この扉8と屋根を支持する複数のピラー9とが設けられている。また、車体2の左側面にはステップ7が取り付けられており、作業者はこのステップ7を利用して地面から運転室6内に乗り込むようになっている。
【0023】
図2、図3に示すように、ホイールローダの運転室6内に備えられた本発明に係る作業機械のシートスタンド12Aの一実施形態は、運転席を形成するシート11を保持する上面部材15Aと、この上面部材15Aを支持し、運転席のフロアプレート13に取り付けられる左右一対の側面部材15Bとを備えている。
【0024】
これら左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15B、すなわち左側の側面部材15Bは、前方部分に切り欠き部16を設けることによって、後方部分にフロアプレート13に立設される脚部18を形成し、この脚部18よりも前側の領域を開放空間17に形成すると共に、ボルト19でフロアプレート13に固定されている。また、シートスタンド12Aの上面部材15Aの裏面には床面上に形成された開放空間17への通気孔である空調吹出しダクト20が取り付けられている。
【0025】
ここで、図4、図5に示すように、シートスタンド12Aの脚部18は運転室6の扉8の近傍に位置するピラー9に対向する位置に設けてある。すなわち、シートスタンド12Aの脚部18の左側方にピラー9が位置する。そして、上述した図6と同様に、シート11は、脚部18側、すなわち左側にアームレスト21と、右側にホイールローダを操作する操作部14とを備え、シートスタンド12Aの上面部材15Aの表面に取り付けられている。なお、操作部14を形成する操作レバー等は図示を省略している。
【0026】
このように構成した本発明の一実施形態によれば、シートスタンド12Aの左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15Bに切欠き部16を設けることによって床面上の開放空間17を大きくすることができるので、作業者が運転室6内に入る際に感じる圧迫感を軽減することができる。さらに、シートスタンド12Aの脚部18をピラー9に対向する位置に設けることにより、作業者がステップ7を使ってホイールローダに乗る際に、図4に示すようにこの脚部18がピラー9に遮られて死角となるので、作業者に開放感を与えることができる。また、シートスタンド12Aの側面部材15Bと脚部18でシート11全体を支持することによってホイールローダの振動等に対して十分な強度を保つことができ、運転室6内の構造上の安定性を確保することができる。このように、作業者に開放感と安心感を与えることができ、信頼性の高いシートスタンド12Aとすることができる。
【0027】
また、シートスタンド12Aの左右一対の側面部材15Bのうち乗降側の側面部材15Bに切欠き部16を設けることにより、運転室6内の床面上の開放空間17を大きく形成することができるので、大きい工具や複数の作業道具等を収容することができる。そのため、床面上の開放空間17を有効に活用でき、利便性を向上することができる。
【0028】
また、本発明の一実施形態は、上面部材15Aの裏面に床面上に形成された開放空間17への通気孔である空調吹出しダクト20を取り付けることにより、運転室6内に空調吹出しダクト20をコンパクトに設置することができ、運転室6内に配置される他の機器、部材の配置設計に対する自由度を大きく確保することができる。
【0029】
また、本発明の一実施形態は、シート11が脚部18にアームレスト21を備えていることにより、操作レバーの操縦に使用しない腕をアームレスト21で支持することができるので、ホイールローダを長時間使用した場合でも腕の疲労を抑えることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 ホイールローダ(作業機械)
2 車体
4 作業装置
6 運転室
8 扉
9 ピラー
11 シート
12,12A シートスタンド
13 フロアプレート
15A 上面部材
15B 側面部材
16 切欠き部
17 開放空間
18 脚部
19 ボルト
20 空調吹出しダクト
21 アームレスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席を形成するシートを保持する上面部材と、この上面部材を支持し、運転席のフロアプレートに取り付けられる左右一対の側面部材とを備えた作業機械のシートスタンドにおいて、
前記左右一対の側面部材のうち乗降側の前記側面部材は、前方部分に切り欠き部を設けることによって、後方部分に前記フロアプレートに立設される脚部を形成し、この脚部よりも前側の領域を開放空間に形成したことを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械のシートスタンドにおいて、前記上面部材の裏面に空調吹出しダクトを取り付けたことを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の作業機械のシートスタンドにおいて、前記脚部は前記運転席の側方に立設され、前記運転席の扉の近傍に位置するピラーに対向する位置に設けてあることを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の作業機械のシートスタンドにおいて、前記シートは前記脚部側にアームレストを有することを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【請求項1】
運転席を形成するシートを保持する上面部材と、この上面部材を支持し、運転席のフロアプレートに取り付けられる左右一対の側面部材とを備えた作業機械のシートスタンドにおいて、
前記左右一対の側面部材のうち乗降側の前記側面部材は、前方部分に切り欠き部を設けることによって、後方部分に前記フロアプレートに立設される脚部を形成し、この脚部よりも前側の領域を開放空間に形成したことを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械のシートスタンドにおいて、前記上面部材の裏面に空調吹出しダクトを取り付けたことを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の作業機械のシートスタンドにおいて、前記脚部は前記運転席の側方に立設され、前記運転席の扉の近傍に位置するピラーに対向する位置に設けてあることを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の作業機械のシートスタンドにおいて、前記シートは前記脚部側にアームレストを有することを特徴とする作業機械のシートスタンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2010−228663(P2010−228663A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80106(P2009−80106)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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