説明

作業機械の管理システム及び作業機械

作業機械1のユーザ3が作業機械1を担保として銀行2から融資を受けた場合、銀行2が貸し倒れリスクを予測し、作業機械1を差押えることを容易にするために、サーバ10が機能する。サーバ10は、作業機械1から衛星通信網を介して作業機械の稼働情報を収集し、これを銀行端末20に送信する。銀行端末20は、稼働情報に基づき、貸し倒れリスクを判断し、リスクが高い場合には警報発報指示をサーバ10に送る。サーバ10は、作業機械1とユーザ3に、経営改善を促す警報を発する。銀行端末20は、判断されたリスクが非常に高い場合にはロック指示をサーバ10に送る。サーバ10は、作業機械1にロック指令を送る。作業機械1は、ロック指令に応答して、オペレータが操作しても動作しないように作業機械1をロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械や運搬車両等の作業機械の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
各地に存在する多数の建設機械や運搬車両等の作業機械の稼働状況を集中的に管理する管理システムが知られている(例えば、特許文献1)。この管理システムでは、各作業機械に種々のセンサが搭載され、それらセンサからの検出信号に基づきその作業機械の稼働データ(例えば、稼働時間、エンジン回転数、バッテリー電圧、エンジンの冷却水温、燃料の残量などのデータ)が生成される。それら作業機械の稼働データが、無線通信ネットワークを含むコンピュータネットワークを介して、サーバに収集される。サーバは、作業機械の稼働データを蓄積し、そして、稼働データのユーザ端末への提供を、上記コンピュータネットワークを介して自動的に行う。
【0003】
【特許文献1】特開2002−91547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来より、建設機械や運搬車両等の作業機械を購入するにあたって、ユーザは購入費用を銀行等から融資で調達するのが一般的である。作業機械を購入したユーザは、銀行からの借入金に対して、例えば月々所定の金額を返済しなければならない。ところが、そのような作業機械を使用する業界は、社会情勢に大きく影響されるため、社会の経済状況によっては、ユーザ側の経営自身が危ぶまれる事態に陥ることがある。従って、銀行側では、作業機械を担保にしつつ、ユーザの返済状況を管理し、ユーザが経営破綻のように返済不能な状態に陥った場合には、作業機械を確実に差押えることが望まれる。しかしながら、ユーザへの融資が貸し倒れになった場合に、債権者が担保としての作業機械を確実に差押えることができるようにする技術的解決策は、従来存在しない。
【0005】
本発明の目的は、担保としての作業機械に対して債権者が適切な処置を行うことを容易にする作業機械の管理システム及び作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面に従う、作業機械の稼働状況を管理するためのシステムは、無線通信網を介して相互通信可能な作業機械と管理装置を備える。作業機械は、作業機械内の所定のセンサからの信号を受けて稼働情報を生成する稼働情報生成手段と、無線通信網を介して管理装置と相互通信することができ、稼働情報生成手段で生成された稼働情報を管理装置へ送信し、かつ、管理装置から制御指令を受信する通信装置と、通信装置により受信された制御指令に応答して、所定の制御動作を行う制御動作手段とを有する。また、管理装置は、無線通信網を介して作業機械と相互通信することができ、作業機械から稼働情報を受信し、かつ、作業機械へ制御指令を送信する通信制御手段と、通信制御手段に受信された稼働情報を蓄積するデータベースと、データベースに蓄積された稼働情報を分析することにより、作業機械の稼働状況に問題があるか否かを判定する稼働状況判定手段と、稼働状況判定手段に応答して、制御指令を発する制御指令発生手段とを有する。
【0007】
好適な実施形態では、稼働情報には、作業機械の稼働時間を示す稼働時間情報が含まれている。そして、管理装置の稼働状況判定手段は、稼働時間情報を所定の稼働条件を用いて分析することにより、所定期間における作業機械の稼働量を表す数値を計算し、その数値が所定閾値より小さいか否かを判定することにより、稼働状況に問題があるか否かを判定する。
【0008】
好適な実施形態では、管理装置の稼働状況判定手段は、稼働時間情報から、重み付けされた複数の指標を計算し、その重み付けされた複数の指標に基づいて前記数値を計算する。
【0009】
好適な実施形態では、管理装置の制御指令発生手段は、稼働状況判定手段により稼働状況に問題があると判定された場合に、上記制御指令として警報を発する警報発報手段を有する。そして、作業機械の制御動作手段は、前記警報に応答して、その警報を表示する表示手段を有する。
【0010】
好適な実施形態では、管理装置の制御指令発生手段は、稼働状況判定手段により稼働状況に問題があると判定された場合に、前記制御指令としてロック指令を発するロック指令手段を有する。そして、作業機械の制御動作手段は、前記ロック指令に応答して、作業機械の動作を不能するか又は可能な動作を制限するような遠隔操作ロックを作業機械に設定する遠隔操作ロック手段を有する。
【0011】
好適な実施形態では、管理装置のロック指令手段は、稼働状況判定手段により稼働状況に問題があると判定された場合に、所定の権限者に作業機械をロックするか否かの判断を電子的に要求し、権限者からの判断を示す電子的なメッセージに応答して、ロック指令を発する。
【0012】
好適な実施形態では、作業機械は、所定の管理者パスワードの入力に応答して遠隔操作ロックを解除するロック制御装置を更に有する。このロック制御装置は、所定のユーザパスワードの入力に応答して、作業機械の動作を不能するか又は可能な動作を制限するような手動ロックを作業機械(1)に設定する。更に、このロック制御装置は、管理者パスワードの入力に応答して、遠隔操作ロックだけでなく手動ロックも解除する。
【0013】
好適な実施形態では、管理装置は、ロック解除指令を作業機械に送信することができ、作業機械の遠隔操作ロック手段は、ロック解除指令に応答して遠隔操作ロックを解除する。
【0014】
好適な実施形態では、作業機械は、作業機械の現在位置を検出して、その現在位置を示す位置情報を管理装置に送信する位置情報手段を更に有する。管理装置は、稼働状況判定手段に応答して、作業機械からの位置情報に基づいて、作業機械が所定の作業エリア外へ出たか否かを判定する作業エリア監視手段を更に有する。そして、管理装置の制御指令発生手段は、作業エリア監視手段により作業機械が所定の作業エリア外へ出たと判定された場合に、前記制御指令としてロック指令を発して、作業機械をロックする。
【0015】
本発明の別の側面に従う、遠隔の管理装置により稼働状況が管理されるようになった作業機械は、作業機械内の所定のセンサからの信号を受けて稼働情報を生成する稼働情報生成手段と、無線通信網を介して管理装置と相互通信することができ、稼働情報生成手段で生成された稼働情報を管理装置へ送信し、かつ、管理装置から制御指令を受信する通信装置と、通信装置により受信された制御指令に応答して、所定の制御動作を行う制御動作手段とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、管理装置は、遠隔の作業機械の稼働状況を把握し、作業機械の稼働状況に問題があるか否かを判断し、判断結果に応じた制御指示を作業機械に送信して、作業機械に所定の制御動作を行わせることができる。作業機械上に担保権をもつ債権者が管理装置を利用することにより、貸し倒れリスクがどの程度であるかを推測することができ、リスクの高さに応じて作業機械に対して適切な制御動作を行わせることができる。制御動作として、例えば警告の表示を作業機械に行わせることで、作業機械のユーザに、リスクを減らす努力をするよう促すことが出来る。さらに、制御動作として、例えば作業機械をロックすることで、作業機械を差押えることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
[図1]本発明の一実施形態に係る作業機械の管理システムの概略構成を示す模式図。
[図2]作業機械を模式的に示すブロック図。
[図3]サーバ10の機能的構成を示すブロック図。
[図4]作業機械1のロックのための構成例を説明するブロック図。
[図5]銀行端末20の機能的構成を示すブロック図。
[図6]表示装置に表示されるその稼働マップ履歴の一例を示す図。
[図7]警報指標テーブルの一例を示す図。
[図8]重み付けテーブルの一例を示す図。
[図9]使用者情報テーブルの一例を示す図。
[図10]作業機械制御テーブルの一例を示す図。
[図11]管理システムの処理の流れを示すフローチャート。
[図12]図11に示した処理の変形例を示すフローチャート。
[図13]現場で作業機械1のロックを解除するための作業機械1の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0018】
1…作業機械、2…銀行、3…ユーザ、4…販売代理店、7…通信網、10…サーバ、11…サービスメータ、20…銀行端末、30…ユーザ端末、48…警報発報処理、54…表示装置、60…稼働状況判定処理、63…作業機械拘束決定処理、65…警報発報通知処理、66…作業エリア監視処理、67…表示形態変更処理、X…稼働日数、Y…連続休止日数、Z…稼働率。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る作業機械の管理システムの概略構成を示す模式図である。
【0021】
本実施形態の管理システムは、ユーザ3が使用する作業機械1の稼働状況の自動的な管理を、ユーザに融資をした銀行(管理者)2が行うことを可能に、それにより、ユーザ3の事業状況を銀行2が推測することを可能にするためのものである。ユーザ3は、作業機械1を販売代理店4から購入するに際し、作業機械1を担保として銀行2から融資を受け、この銀行2に対して例えば月々所定額の返済義務が課せられている。この管理システムによれば、銀行2は作業機械1の稼働情報を管理することにより、作業機械1を用いるユーザ3の事業が繁盛しているかどうかをチェックでき、その結果、ユーザ3の返済能力が著しく低下したと判断される場合に、ユーザ3に対して経営改善を要求する警報を送信したり、必要あれば、作業機械1の差押えを容易にするために、作業機械1を遠隔操作で強制的にロックする(つまり、作動不能にする又は可能な動作を制限する)ことができる。
【0022】
図1に示すように、この管理システムは、作業機械1、作業機械メーカ側のネットワーク管制局5に設けられたサーバ10、銀行2側に設けられた銀行端末20、ユーザ側に設けられたユーザ端末30、およびこれらを結ぶ通信網7を有する。ここで、通信網7は、作業機械1と衛星地球局6とを通信衛星8を介して結ぶ衛星通信回線、衛星地球局6とネットワーク管制局5のサーバ10を結ぶ専用の地上通信回線、サーバ10と銀行端末20とユーザ端末30とを結ぶイントラネットあるいはインターネット等のコンピュータネットワークなどから構成される。また、上記コンピュータネットワークには、作業機械1を販売する販売代理店4の端末等も接続されている。サーバ10と銀行端末20は、協同して、作業機械1の稼働状況を監視し且つその機能を制御する作用をし、これらを、この明細書では、管理装置と総称することがある。衛星通信回線は、作業機械1がどの場所にいても作業機械1と管理装置との間の通信を可能にする目的で使用される。同じ目的を達成できるなら、衛星通信回線に代えて、他の移動体通信網又は無線通信網を用いてもよい。
【0023】
作業機械1、銀行端末20及びユーザ端末3は、それぞれ1台しか図示してないが、実際には多数存在する。多数の作業機械1には、油圧ショベル、ホイルローダ、ブルドーザ、モータグレーダ、およびクレーン等の建設機械、ダンプトラック等の運搬車両、各種破砕機や発電機等の産業機械が含まれ得る。サーバ10は1台でもよいが、複数台あってもよい。1台又は複数のサーバ10による集中処理又は分散処理により、多数の作業機械1の監視及び多数の銀行端末20及びユーザ端末30への情報提供が行われる。
【0024】
銀行端末20及びユーザ端末20には、OS(Operating Systems)上において各種のアプリケーションソフトウェアが実行され得る汎用のパーソナルコンピュータが使用され得る。アプリケーションソフトウェアには、サーバ10が提供するWWW文書を表示するウェブブラウザや、電子メールの送受信を行う電子メーラ等がある。
【0025】
図2は、作業機械の稼働状態管理に関連する部分の構成を示す。
【0026】
図2に示すように、作業機械1は、車体内ネットワーク18を備える。車体内ネットワーク18は、作業機械1の各部の状態を監視し且つ各部の動作を電子的に制御する電子コントローラ12、電子コントローラ12に接続される通信コントローラ13、通信コントローラ13に接続されるGPS(Global Positioning System)センサ14、およびコントローラ13に接続される衛星通信端末15などを含む。GPSセンサ14は、GPS衛星9(図1)からの電波を受信するためのGPSアンテナ16を有し、作業機械1の現在位置を計測して、これを通信コントローラ13に通知する。衛星通信端末15は、通信衛星8(図1)と通信するための衛星通信アンテナ17を有し、通信コントローラ13とサーバ10との間での衛星通信網を介した通信を可能にする。
【0027】
電子コントローラ12は、作業機械1の種々の構成要素(例えば、エンジン、バッテリ、燃料タンク、ラジエータ、など)に取り付けられた種々のセンサと接続される。それらセンサには、例えば、サービスメータ(稼働時間を計測し積算するセンサ)11、エンジン回転数センサ、バッテリー電圧センサ、燃料量センサ、冷却水温センサなどがある。電子コントローラ12は、これらのセンサにより検知された稼働時間、エンジン回転数、バッテリー電圧、燃料量、冷却水温など(要するに、作業機械1の種々の状態や動作)を示す情報(以下、稼働情報と総称する)を生成して、その稼働情報を通信コントローラ13に送る。また、電子コントローラ12は、上記センサからの検知信号に応答して、或いは、通信コントローラ13から与えられる制御指令に応答して、作業機械1の種々の構成要素の状態や動作を電子的に制御する。電子コントローラ12に通信コントローラ13から与えられる制御指令の一つに、ロック指令がある。電子コントローラ12は、通信コントローラ13から上記ロック指令を受けると、作業機械1をロックして、オペレータが操作しても作業機械1が起動しないようにする(又は、可能な動作を制限する)。
【0028】
通信コントローラ13は、電子コントローラ12から上記稼働情報を受ける。また、通信コントローラ13は、GPSセンサ14から現在位置を示す位置情報を受ける。通信コントローラ13は、上記稼働情報及び上記位置情報を、例えば一日に一回の頻度で例えば現場作業が終了した時間帯に、或いは、必要に応じて随時に、衛星通信端末15及び衛星通信回線を通じてサーバ10に送信する。サーバ10は、受信された稼働情報及び位置情報を記憶する。サーバ10は、記憶された稼働情報を自動的に調べることにより、ユーザ3への融資が貸し倒れになるリスクがどの程度であるかを判断する。上述したように稼働情報には作業機械1内で検出された種々の状態又は動作の情報が含まれているが、この実施形態では、そのうち特に、サービスメータ11からの稼働時間が、上記リスクの判断材料としてサーバ10に利用される。他の状態又は動作の情報は、ユーザ作業機械1のメンテナンスのスケジューリングなどのために、サーバ10に利用されたり、サーバ10からユーザ端末30に送信されたりする。上記稼働時間にも基づく上記リスク判断の結果、貸し倒れのリスクが高いと判断された場合、サーバ10は、必要に応じて、上述したロック指令を衛星通信回線を通じて作業機械1に送信することで、作業機械1をロックすることができる。
【0029】
通信コントローラ13は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置13Aを備え、そこに作業機械1のユーザ名、前記稼働時間、作業エリア、及び、作業機械1の稼働履歴などが記憶される。ここで、作業エリアとは、ユーザ3が銀行2から融資を受ける際の契約時に、ユーザ3および銀行2の合意により設定された特定の地域範囲である。作業エリアは、その地域範囲外へ作業機械1を出すことを銀行2がユーザ3に許可してないことを意味する。作業エリアは、作業機械1内の通信コントローラ13だけでなく、サーバ10及び銀行端末30においても、作業機械1と関連付けられて記憶される。サーバ10は、作業機械1から受信した位置情報に基づいて、作業エリアの外に作業機械1が存在するか否かを判断する。その結果、作業エリアの外に作業機械1が存在すると判断された場合には、サーバ10は、必要に応じて、上述したロック指令を衛星通信回線を通じて作業機械1に送信することで、作業機械1をロックすることができる。
【0030】
通信コントローラ13には更にモニタ13Bが接続されてもよい。モニタ13Bは、例えば、位置情報に基づくカーナビゲーションのための地図表示などに利用され得る。
【0031】
図3は、サーバ10の機能的構成を示す。
【0032】
サーバ10は、既に説明したように、通信網7のコンピュータネットワークに接続され、遠隔の様々な場所に存在する作業機械1から稼働情報及び位置情報を受信して記憶し、それを分析する。図3に示すように、サーバ10は、コンピュータネットワークとの通信を制御する通信制御部41と、通信制御部41を通じて受送信される情報を処理する演算処理部42と、磁気記憶装置等から構成される記憶部43とを備えている。
【0033】
記憶部43は、演算処理部42で実行される各種のコンピュータプログラムが格納されたプログラム格納部43A、および作業機械1からの稼働情報や位置情報やその他の情報が蓄積されるデータベース43Bを備えている。
【0034】
演算処理部42は、上記各種のコンピュータプログラムを実行することにより、稼働情報受信処理46、稼働情報転送処理47、警報発報処理48、警報解除処理49、作業機械拘束処理50などの処理を行う。以下に、これらの処理46〜50について説明する。
【0035】
稼働情報受信処理46は、作業機械1から稼働情報及び位置情報を受信し、それをデータベース43Bに蓄積する機能である。
【0036】
稼働情報転送処理47は、データベース43Bから稼働情報を読み出し、稼働情報をコンピュータネットワークを通じて銀行端末20に転送する機能である。ここで、銀行端末20に転送される稼働情報は、上述した種々の状態情報の全てを含む必要はなく、貸し倒れリスクの判断材料である稼働時間を少なくとも含んでいればよい。
【0037】
警報発報処理48は、銀行端末20からの指示に基づき、作業機械1およびユーザ端末30に警報を送信する機能である。この警報は衛星通信網を通じて作業機械1に送られ、作業機械1はその警報をモニタ13Bに表示する。また、この警報は例えば電子メールの形でユーザ端末30に送られる。
【0038】
警報解除処理49は、上記警報が解除されたことを示す通報を作業機械1およびユーザ端末30に警報を送信する機能である。この解除通報に応答して、作業機械1は、モニタ13Bの上記警報の表示を消す。また、この解除通報は、例えば電子メールの形でユーザ端末30に送信される。
【0039】
作業機械拘束処理50は、銀行端末20からの指示に基づき、作業機械1に対してロック指令を出力する機能である。ロック指令は衛星通信網を通じて作業機械1の衛星通信端末15に受信され、作業機械1内の通信コントローラ13を通じて電子コントローラ12に送られる。電子コントローラ12は、ロック指令に応答して、作業機械1をロックして、オペレータが作業機械1を起動しようとしてもできないようにする。
【0040】
作業機械1をロックする方法は幾通りもあり得る。一つのロック方法を図4に例示する。図4に示される方法は、エンジンキースイッチのスタート信号をカットする方法である。すなわち、図4に示すように、作業機械1の運転席のキースイッチ71にオペレータがキーを差し込んでスタート位置までキーを廻すと、キースイッチ71がスタート信号をエンジンスタータ73に与えるので、エンジンが始動するようになっている。キースイッチ71とエンジンスタータ73との間のスタート信号用の線路に、これを開閉するためのリレー72が設けられている。リレー72は、通常はオン状態になっており、電子コントローラ12によって操作される。電子コントローラ12は、上述したロック指令を受けると、リレー72をオフ状態にする。以後、オペレータがキースイッチ71にキーを入れて廻しても、スタート信号がカットされるので、エンジンスタータ73は動かない。
【0041】
他のロック方法として、バッテリーおよび電装部品間のバッテリーリレーをオープンにする方法、油圧式作業機を制御する制御バルブのパイロット信号をカットする方法、エンジン用燃料噴射バルブの入出力指令信号をカットする方法、燃料噴射装置の制御信号を最低値に保持し、アイドリングのみを可能にする方法等がある。いずれの方法でも、作業機械1は完全に止められるか、又はその可能な動きが制限される。
【0042】
図5は、銀行端末20の機能的構成を示す。
【0043】
銀行端末20は、既に説明したように、OS(Operating Systems)上において各種のアプリケーションプログラム(例えば、ウェブブラウザ、電子メーラなど)が実行される例えばパーソナルコンピュータである。銀行端末20は、コンピュータネットワークに接続されて、サーバ10と通信可能である。図5に示すように、銀行端末20は、通信制御部51、演算処理部52、記憶部53の他、表示装置54、キーボード55、マウス56等を備えている。
【0044】
記憶部53は、磁気記憶装置等から構成され、そこには、プログラム格納部53Aおよびデータベース53Bが格納される。プログラム格納部53Aには、上述した各種のアプリケーションプログラムが記憶される。データベース53Bには、サーバ10から受信した稼働情報(とりわけ、作業機械1の稼働量を端的に示す稼働時間のデータ)、警報指標テーブル、重み付けテーブル、使用者情報、作業機械制御テーブルおよび注意者テーブル等が記憶されている。
【0045】
データベース53B内の稼働情報(とりわけ、稼働時間のデータ)は、必要に応じて稼働マップ履歴という形式で表示装置54に表示され得るようになっている。図6は、その稼働マップ履歴の一例を示す。図6に示すように、稼働マップ履歴においては、作業機械1で生成された稼働情報(とりわけ、稼働時間のデータ)に基づいて、毎日における、日付、24時間中で作業機械1が稼働した時間帯(稼働マップ)、一日合計の稼働時間、及び一日の稼働率などが表示される。
【0046】
データベース53B内の警報指標テーブルは、作業機械1の稼働情報に基づいて計算された、警報を発するか否かの判断材料としての複数の指標が記録されている。図7は、警報指標テーブルの一例を示す。図7に示すように、警報指標テーブルには、所定期間、例えば直近30日間、における作業機械1の稼働状況を示す種々の指標、例えば、直近30日間における合計の稼働日数(X日)、最長の連続休止日数(Y日)、および合計の稼働率(Z%)などが、記録されている。また、これらの指標X、Y、Zは毎日計算され、警報指標テーブルに追記的に登録される。稼働日数および休止日数の演算にあたっては、1日の稼働時間が所定時間(例えば1時間)に達しない場合には、その日を休止日(未稼働日)として扱うようにしてよい。また、期間については、直近30日ではなく、暦に従う1ヶ月を単位としてX日、Y日、Z%を計算してもよい。
【0047】
データベース53B内の重み付けテーブルは、上述した指標X、Y、Zに適用される重み付け係数Wx、Wy、Wzを定義している。図8は、重み付けテーブルの一例を示す。図8の例では、指標Xに対する重み付け係数Wxが「5」、指標Yに対する重み付け係数Wyが「3」、指標Zに対する重み付け係数Wzが「2」である。これらの重み付け係数Wx、Wy、Wzは、稼働情報に基づいて作業機械1やユーザ3側に対して警報を発報するか否かを判定するにあたり、指標X、Y、Zの重み付けを行うために使用される。判定に用いられる計算式の一例を以下に示す。
【0048】
{Wx・X/30+Wy・Ym/Y+Wz・Z/100}/(Wx+Wy+Wz)
=N
ここに、Ymは、予め定められた最長許容連続休止日数である。
【0049】
上記式から、直近30日間における作業機械1の稼働量を表す評価値N〔%〕が求められ、この評価値Nに基づいて警報を発するか否かが判断される。例えば、評価値Nが所定の評価閾値Nthを下回る場合、これは作業機械1は所望の稼働条件を満たしていないことを意味し、警報を発するべきと判定されることになる。上記重み付け係数Wx、Wy、Wz、評価閾値Nth、および最長許容連続休止日数Ym等は、銀行2およびユーザ3の合意によって予め決められてよい。
【0050】
警報を発する条件として、評価値Nが上記閾値Nthを下回ることの代わりに又はこれと併用して、稼働日数(X日)が所定日数を下回ったこと、連続休止日数(Y日)が所定日数を上回ったこと、稼働率(Z%)が所定値を下回ったこと、或いはその他の実態に即した条件を採用することができる。
【0051】
データベース53B内の使用者情報テーブルには、ユーザ3への融資貸し倒れリスクを判断するために利用可能な情報が記録されている。図9は、使用者情報テーブルの一例を示す。図9に示すように、使用者情報テーブルには、ユーザ3毎に、年間警報発報回数、作業機械名称、支払残高等が記録されている(図示の例では1ユーザについて1台の作業機械名称しか示されてないが、複数台の作業機械を所有するユーザについては、それら複数台の作業機械の名称が記録される)。年間警報発報回数が高いほど、作業機械の稼働時間が少ないから、業務が繁盛しておらず、よって貸し倒れリスクが高いと推測することができる。図9は、使用者情報テーブルの内容を表示装置54に表示させた状態を例示している。使用者情報テーブル内のユーザ3毎の上述した情報は、年間警報発報回数の多い順、つまり、貸し倒れリスクの高い順にソーティングされて表示される。さらに、年間警報発報回数が所定値、例えば10回、以上である(つまり、貸し倒れリスクが特に高い)ユーザ3の情報は、リスクのより低い他のユーザ3とは別な彩色で表示される。さらには、現時点で警報が発されているユーザ3に対しては、それを示す識別マーク57が表示される。
【0052】
データベース53B内の作業機械制御テーブルには、銀行2が作業機械1に対して行なったロックや警報表示などの制御に関する情報が登録されている。図10は、作業機械制御テーブルの一例を示す。図10に示すように、作業機械制御テーブルには、作業機械1毎に、ユーザ名称、担保の設定(つまり、その作業機械1が融資の担保として設定されているか、換言すれば、ロックの対象にされ得るか否か)、ロック状態(つまり、現時点でロックされているか否か)、及び警報表示状態(つまり、現時点で警報が表示されているか否か)などの情報が記録される。ここで、担保の設定については、ユーザ3が銀行2から融資を受ける際に契約事項として取り決めされる。作業機械制御テーブルによれば、銀行2は、各ユーザ3が複数台の作業機械1を所有する場合、それら複数台の作業機械1を群として管理することができる。作業機械制御テーブルによれば、銀行2は、貸し倒れリスクが非常に高い或るユーザ3の担保を差押えたい場合、そのユーザ3の所有する複数台の作業機械1の中のどれを差押える(ロックする)ことができるかを判断することができる。例えば、図10に示されたユーザ「AAAA」の担保を差押えたい場合、銀行2は、図10に示された作業機械制御テーブルに基づいて、ユーザ「AAAA」に所有され、担保として設定され且つまだロックされていない例えば「ホイールローダ#2」と「油圧ショベル#5」をロックの対象として選定することができる。
【0053】
データベース53B内の注意者テーブルには、特に図示しないが、年間警報発報回数が所定回数、例えば10回、以上となったユーザ3の情報が使用者情報テーブルから抜き出されて登録される。この注意者テーブルに登録されたユーザ3の情報は必要に応じて、注意者リストとして表示装置54に表示されるようになっている。
【0054】
図5に示した銀行端末20のブロック図を再び参照する。銀行端末20の演算処理部52は、コンピュータプログラムを実行することにより、稼働条件設定処理58、稼働情報受信処理59、稼働状況判定処理60、警報発報決定処理61、警報解除指示処理62、作業機械拘束決定処理63の他、警報の発報が決定した時点で起動する発報回数更新処理64、警報発報通知処理65、作業エリア監視処理66、表示形態変更処理67、注意者リスト更新処理68を行う。
発報回数が後進されたことに伴って起動する表示形態変更処理67、注意者リスト更新手
を備えている。以下に、各処理58〜68について説明する。
【0055】
稼働条件設定処理58は、前述の作業エリア、重み付け係数Wx、Wy、Wz、評価閾値Nth、および最長許容連続休止日数Ym等を、キーボード55などを使用して設定する機能である。
【0056】
稼働情報受信処理59は、サーバ10から作業機械1の稼働情報を、例えば1日に1回、受信して、受信した稼働情報を記憶部53に格納する機能である。
【0057】
稼働状況判定処理60は、作業機械1の稼働状態が所望の稼働条件を満足しているか否かを判断する機能である。すなわち、稼働状況判定処理60では、記憶部53に記憶された作業機械1の稼働情報と重み付け係数Wx、Wy、Wzを用いて、上述した計算式により、作業機械1の評価値Nが算出され、算出された評価値Nを評価閾値Nthとが比較される。その結果、N<Nthであれば、作業機械1の稼働状態は所望の稼働条件を満足していない(ユーザ3の業務状態が危うい可能性があることを意味する)と判断される。
【0058】
警報発報決定処理61は、稼働状況判定処理60によるN<Nthという判断結果に応答して、作業機械1およびユーザ端末30に警報を発報することを要求する警報発報指示をサーバ10に送る機能である。
【0059】
警報解除指示処理62は、稼働状況判定処理60による判断結果が一旦N<Nthとなった後に再びN<Nthでなくなった時点で、それまで発報されていた警報の解除を要求する警報解除指示をサーバ10に送る機能である。
【0060】
作業機械拘束決定処理63は、作業機械1をロックすることを要求するロック指示をサーバ10に送る機能である。
【0061】
発報回数更新処理64は、警報発報決定処理61によりユーザ3への警報の発報が指示された際に、上述した使用者情報テーブルに記録されている年間警報発報回数を更新する機能である。
【0062】
警報発報通知処理65は、警報発報決定処理61によりユーザ3への警報の発報が指示された際に、銀行2の所定の権限者に警報を発報したことの報告を電子メールで通知するとともに、この電子メールにより作業機械1をロックするか否かの決定を仰ぎ、そして、権限者からの返信メールを受信する機能である。
【0063】
作業エリア監視処理66は、警報が発せられた作業機械1の位置情報をサーバ10から受けて、その位置情報と予め設定されている作業機械1の作業エリアと比較することで、作業機械1がその作業エリア内に存在するか外で出たか監視する機能である。
【0064】
表示形態変更処理67は、使用者情報テーブルが図9に示すように表示装置54に表示されているときに、現時点で警報が発報されているユーザ3の欄に識別マーク57を付し、また、警報解除指示処理62により警報解除指示が出された場合には、その識別マーク57の表示を消す機能である。
【0065】
注意者リスト更新処理68は、年間警報発報回数が10回以上になったユーザ3の情報を使用者情報テーブルから抽出して、これを注意者テーブルに登録する機能である。
【0066】
図11は、上述した構成をもつ管理システムの処理の流れを示す。以下、図11を参照して、管理システムの処理の流れを説明する。
【0067】
以下の説明では、作業機械1で行われるステップにはMS、サーバ10で行われるステップにはSS、銀行端末20で行われるステップにはBSの付いた参照番号を付す。以下の説明では、各作業機1の作業エリアや重み付け係数Wx、Wy、Wzなどの各種の設定は、ユーザ3との合意の下で既に完了しているものとする。
【0068】
MS1:作業機械1が稼働している場合、作業機械1の電子コントローラ12は稼働情報を生成し通信コントローラ13に送る。
【0069】
MS2:作業機械1の通信コントローラ13が、例えば1日に1回の頻度で、電子コントローラ12からの稼働情報とGPSセンサ14からの位置情報を通信網7を介してサーバ10に送信する。
【0070】
SS1:サーバ10では、稼働情報受信処理46が作業機械1からの稼働情報を受信し、これを記憶部43に記憶する。
【0071】
SS2:サーバ10の稼働情報転送処理47が、例えば1日に1回の頻度で、記憶部43から稼働情報を読み出してこれをコンピュータネットワークを介して銀行端末20に転送する。
【0072】
BS1:銀行端末20では、稼働情報受信処理59がサーバ10からの稼働情報を受信し、記憶部53に記憶する。
【0073】
BS2:稼働状況判定処理60が、作業機械1毎に、稼働情報から評価値Nを演算する。
【0074】
BS3:稼働状況判定処理60が、評価値Nを予め設定されてある評価閾値Nthと比較する。
【0075】
BS4:上記比較の結果がN<Nthである場合には、その作業機械1を所有するユーザ3の事業が危ぶまれる可能性を意味する。比較の結果に応答して、警報発報決定処理61が、その作業機械1とユーザ3に関する警報発報指示をサーバ10に送る。
【0076】
BS5:上記比較の結果がN≧Nthであって、既にその作業機械1に対して警報が発報されている場合には、警報解除指示処理62が、その作業機械1とユーザ3に関する警報解除指示をサーバ10に送る。
【0077】
SS5,SS6:サーバ10では、警報発報処理48が、銀行端末20からの警報発報指示に応答して、作業機械1に警報を送り、また、ユーザ端末30にも電子メールにより警報を送る。
【0078】
SS3,SS4:サーバ10では、警報解除処理49が、銀行端末20からの警報解除指示に応答して、作業機械1に対して警報解除指令を送り、また、ユーザ端末30に電子メールで警報を解除した旨を通知する。
【0079】
MS3〜MS6:作業機械1では、通信コントローラ13が、サーバ10からの警報に応答して、その警報をモニタ13Bに表示する。また、通信コントローラ13が、サーバ10からの警報解除指令に応答して、モニタ13Bに表示されている警報を消す。
【0080】
BS6:銀行端末20において、ステップBS4で警報発報指示が出された場合、警報発報通知処理65が、銀行2内の所定の権限者A,B,Cに電子メールで、ユーザ3の或る作業機械1について警報発報指示が出たことを通知するとともに、そのユーザ3の所有するいずれかの作業機械1をロックさせるか否かの判断を仰ぐ。この際、電子メールの送信形態は、各権限者A,B,Cに対してパラレルに配信してもよいし、権限者A〜Cの役職等を勘案して下位の権限者から上位の権限者にシリアルに配信するようにしてもよい。権限者A,B,Cは、銀行端末20に記憶されている前述した使用者情報テーブル(図9)、作業機械制御テーブル(図10)及び注意者テーブルなどを、自分の使用する端末から参照して、ロックを行うことの是非の判断に利用することができる。
【0081】
BS7:銀行端末20において、作業機械拘束決定処理63が、権限者A,B,Cからの返信メールを受信し、返信メールの内容から、どの作業機械1をロックするか又はロックしないかを決定する。作業機械拘束決定処理63がどの作業機械1もロックしないと決定した場合、制御はステップBS1に戻る。
【0082】
BS8:他方、作業機械拘束決定処理63が或る作業機械1をロックすると決定した場合には、作業機械拘束決定処理63はサーバ10に対して、その作業機械1に対するロック指示を出す。
【0083】
SS7,SS8:サーバ10では、作業機械拘束処理50が、銀行端末20からのロック指示に応答して、作業機械1に対してロック指令を出力する。
【0084】
MS7,MS8:作業機械1では、電子コントローラ12がサーバ10からのロック指令に応答して、既に説明したような方法で作業機械1をロックする。
【0085】
BS9:銀行端末20では、ステップBS4での警報発報指示の出力に応答して、発報回数更新処理64が使用者情報テーブル内の該当するユーザ3の年間警報発報回数を更新する。
【0086】
BS10〜BS14:銀行端末20では、表示形態変更処理67が、使用者情報テーブルの内容を表示するとき、現時点で警報が発されているユーザ3の欄に識別マーク57を表示し、また、年間警報発報回数が10回以上であるユーザ3の欄は他のユーザ3の欄とは別の彩色で表示する。また、注意者リスト更新処理68が、年間警報発報回数が10回以上であるユーザ3を注意者リストに登録する。また、上述したステップBS5で警報解除指示が発されたことに応答して、表示形態変更処理67が、使用者情報テーブルの内容の表示から、該当する識別マーク57を消す。その後、制御はステップBS7に進む。
【0087】
BS15:銀行端末20では、前述したステップBS4で警報発報指示が出されたことに応答して、作業エリア監視処理66が、該当する作業機械1の位置情報をサーバ10から取得し、その位置情報に基づいて、その作業機械1が予め設定された作業エリア内に存在するか否かを監視する。
【0088】
BS16:監視の結果、その作業機械1が作業エリア内に存在すると判断された場合、制御は上述したステップBS7に進む。他方、その作業機械1が作業エリア外に存在すると判断された場合には、その判断結果に応答して、作業機械拘束決定処理63が、その作業機械1をロックすることを要求するロック指示をサーバ10に送る。
【0089】
以上のような管理システムによれば、銀行2は、各ユーザ3が使用する作業機械1の稼働情報に基づいて、各ユーザ3への融資の貸し倒れのリスクを推測することができ、また、作業機械1を差押える必要があるかどうかを判断することができる。そして、貸し倒れのリスクの高いユーザ3に対しては、警報を送ることができ、さらに、そのユーザ3の作業機械1を差押える必要がある場合には、そのユーザ3の作業機械1を強制的にロックして差押えの実行を容易にすることができる。
【0090】
図12は、上述した図11の処理の変形例を示す。
【0091】
図12に示す変形例では、作業機械1の評価値Nの演算が、銀行端末20ではなく、作業機械1内で行われる。すなわち、作業機械1では、通信コントローラ13が、ステップMS1Aで、サービスメータ11から出力され作業機械1内で蓄積されている所定期間(例えば直近30日間)の稼働時間に基づいて評価値Nを算出し、MS2Aで、その評価値Nを、他のセンサで検出された各種状態や動作の情報と共に稼働情報としてサーバ10に送信する。この評価値Nが、サーバ10から銀行端末20へ送られて、図11で説明したと同様の方法で警報発報やロック実行の判断に活用される。なお、更なる変形例として、評価値Nの計算だけでなく、評価値Nと評価閾値Nthの比較も作業機械1で行ってもよい。また別の変形例として、評価値Nの計算や、評価値Nと評価閾値Nthを、サーバ10又は販売代理店4内の端末で行ってもよい。更に別の変形例として、評価値Nに基づく警報発報の判断を銀行端末20ではなく、サーバ10、販売代理店4の端末、あるいは作業機械1内で行うようにしてもよい。この場合、銀行2は、警報が発されたか否かの報告だけを受け取れば済む。
【0092】
図12に示す変形例では、また、銀行端末20は、1日1回のような定期的なタイミングだけでなく、銀行2からの要求に応答して何時でもサーバ10に対して稼働情報を要求することができるようになっている。すなわち、ステップBS1A〜BS3Aに示すように、銀行端末20のキーボード55等から入力される要求に応答して、銀行端末20は、稼働情報送信指示をサーバ10に送信する。この指示に応答して、サーバ10は、作業機械1に対して最新の稼働情報を送信するように要求し(SS1A,SS2A)、作業機械1はその要求に応答して最新の稼働情報(位置情報も含む)を生成しサーバ10へ送信する(MS1A,MS2A)。以後の手順は、図11に示したものと同様である。銀行2は、所望する時に作業機械1の最新の稼働情報及び位置情報を取得できるため、例えば、或る作業機械1にロックをかけようとするときに、その作業機械1の最終的な稼働状態や現在位置を確認したり、例えば本日の稼働状況が支払返済に大きく左右するような場合にそれを確認したりするなど、作業機械1の状態をより精度良く把握できるメリットがある。
【0093】
ところで、一旦作業機械1にかけられたロックは、ユーザ2によっては解除できず、他方、作業機械1を差押えた者によって現場で解除できることが望まれる。図13は、現場で作業機械1のロックを解除するための作業機械1の構成例を示す。
【0094】
図13に示すように、作業機械1の運転席などに、ロックを手動で設定するためのロック設定装置80が設けられる。このロック設定装置80は、液晶パネルのような表示部81と、人がロック設定及び解除用の秘密コード(パスワード)を入力するためのテンキー入力部82とを有する一種のコントロールパネルのようなものである。図2に示した表示装置13Bがテンキー入力部を備えるようなものであるならば、この表示装置13Bをロック設定装置80として流用してもよい。
【0095】
ロック設定装置80は、ユーザ3(又はオペレータ)が手動で作業機械1をロックし且つそのロックを解除する目的と、上述したような銀行端末20からのロック指示による遠隔操作で設定されたロックを解除する目的に利用される。ロック設定装置80は、ユーザ3又はオペレータが手動で作業機械1をロックし且つこれを解除する場合に使用するユーザパスワードを記憶したユーザパスワード記憶部84と、銀行2側のみが知る管理者パスワードを記憶した管理者パスワード記憶部85とを有する。ロック設定装置80は、また、ロック設定記憶部83を有し、そこには、作業機械1に現在どのような種類のロック(つまり、手動で設定されたロックか、銀行端末20からのロック指示による遠隔操作で設定されたロックか)が設定されているかを示すロック設定情報が記憶されている。ロック設定装置80を用いて手動で作業機械1がロックされた場合、ロック設定装置80は、手動ロックを示すロック設定情報をロック設定記憶部83に書く。遠隔操作で作業機械1がロックされた場合、ロック設定装置80は、通信コントローラ13からのロック指令に応答して、遠隔操作ロックを示すロック設定情報をロック設定記憶部83に書く。
【0096】
ロック設定装置80は、さらに、比較部82と、ロック制御部86とを有する。比較部82は、テンキー入力部82からロック設定の要求とパスワードが入力されると、ユーザパスワード記憶部84内のユーザパスワードを読み出して、入力されたパスワードと比較する。比較されたパスワード間の一致が得られたならば、比較部82はロック指示をロック制御部86に出力する。ロック制御部86は、上記ロック指示に応答して、ロック指令を電子コントローラ12に出力する。電子コントローラ12は、ロック指令に応答して、手動によるロックを設定する。既に説明したように、ロックの方法には複数通りの方法がある。例えば、図4に例示したように、電子コントローラ12がリレー72をOFFにすることでキースイッチ71のスタート信号をカットするという方法で、手動によるロックが設定される。このとき、ロック設定記憶部83には手動ロックを示すロック設定情報が書き込まれる。
【0097】
また、比較部82は、テンキー入力部82からロック解除の要求とパスワードが入力されると、ロック設定記憶部83内のロック設定情報が示すロック設定の種類に応じて、ユーザパスワード記憶部84内のユーザパスワード又は管理者パスワード記憶部85内の管理者パスワードを読み出して、入力されたパスワードと比較する。すなわち、ロック設定情報が示すロック設定の種類が遠隔操作ロックである場合には、管理者パスワードが上記入力パスワードと比較される。他方、ロック設定情報が示すロック設定の種類が手動ロックである場合には、ユーザパスワード及び管理者パスワードがそれぞれ上記入力パスワードと比較される。比較されたパスワード間の一致が得られたならば、比較部82はロック解除指示をロック制御部86に出力する。ロック制御部86は、ロック解除指示に応答して、ロック解除指令を電子コントローラ12に出力する。電子コントローラ12は、上記ロック解除指令に応答して、ロックを解除する。既に説明したように、ロックの方法には複数通りの方法があるから、ロック解除の方法も、それぞれのロック方法に対応したものとなる。例えば図4に例示されたリレー72をOFFにすることでキースイッチ71のスタート信号をカットするというロック方法が採用された場合、電子コントローラ12は、図13に示すように、リレー72をONにすることで、そのロックを解除する。
【0098】
このように、銀行端末20からの指示に基づき遠隔操作によるロックが設定された場合、そのロックの解除は、管理者パスワードで行うことができるが、ユーザパスワードでは行えない。他方、ユーザ3又はオペレータが手動でロックを設定した場合には、そのロックの解除は、ユーザパスワードにより行えるだけでなく、管理者パスワードによっても行える。
【0099】
さらに、上述したように作業機械1に直接パスワードを入力してロックを解除する方法に代えて、又は併用して、管理装置(サーバ10又は銀行端末20)から通信網7を通じてロック解除指令を作業機械1に送信して、ロックを解除するという方法も採用可能である。すなわち、図13に示すように、管理装置10又は20からのロック解除指令が、作業機械1の衛星通信端末15に受信され、通信コントローラ13を通じて電子コントローラ12に渡される。電子コントローラ12は、そのロック解除指令に応答して、ロックを解除する。
【0100】
また、さらに、ロック設定装置80は、上記ロック設定情報が上記遠隔操作によるロックが設定されていることを示している間は、例えばキースイッチ71の操作により作業機械1の電源がONされた時に、表示部81に、担保確保のためにロックされていることを示すメッセージ又はマークを表示する。ユーザ3がロックされた作業機械1を第三者に転売しようとするような場合、その第三者はその取引が不正なものであることを知ることができる。
【0101】
以上説明した実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)作業機械1の管理システムによれば、ユーザ3が使用する作業機械1の稼働情報が定期的に生成されてサーバ10を介して銀行端末20で受信される。銀行2は、作業機械1の稼働管理を行うことができる。作業機械1の稼働状況が思わしくなく、ユーザ3の経営が疑われる状況になると、銀行端末20からサーバ10を介してユーザ3に警報を発して、ユーザ3に対して自助努力を促すことができる。
【0102】
(2)銀行端末20で稼働情報を評価する処理では、稼働日数(X日)、連続休止日数(Y日)、稼働率(Z%)などの複数の指標を、重み付け係数Wx、Wy、Wzによって重み付けし、重み付けられた指標を用いて評価値Nを計算し、この評価値Nに基づいて警報の必要性などが判断される。重み付け係数Wx、Wy、Wzを、ユーザ3や作業機械1や作業現場の実情(例えば、仕事は十分にあるが現場の自然環境のために稼働日数が限られる、など)に応じて調整することで、評価結果の信憑性を向上させることができる。
【0103】
(3)各指標は、稼働情報の中でもとりわけサービスメータ11で通算される稼働時間つまり稼動量に基づいて計算されるため、仕事が無いという貸し倒れリスクを悪化させる事態が確実に指標に反映される。よって、ユーザ3の経営状態の判断が容易である。
【0104】
(4)銀行端末20は、権限者が作業機械1をロックするか否を決定するための判断材料として、使用者情報テーブルや作業機械制御テーブルや注意者テーブルなど稼動情報に基づいて計算された稼動量の情報を、権限者に電子的に提示する。そして、銀行端末20は、権限者からの判断結果を電子的に受信して、作業機械1に対するロック指示を発する。そのため、銀行2側での権限者の意志決定が速やかに行い得るとともに、作業機械1の差押えを迅速に実行できる。
【0105】
(5)銀行端末20は、貸し倒れリスクが高いと判断されたユーザ3の作業機械1を、遠隔操作でロックすることができる。それにより、銀行2による差押えが容易になる。
【0106】
(6)銀行端末20は、警報を発された作業機械1つまり稼働量の少ない作業機械1について、その作業機械1の現在位置を監視し、その作業機械1が許可された作業エリアの外へ移動した場合には、自動的にその作業機械1をロックする。従って、ユーザ3が秘密裏に作業機械1を移動させて差押えを逃れることが困難になるから、銀行2による差押えが一層容易になる。
(7)銀行端末20は、警報発報回数の多いユーザ3つまり貸し倒れリスクが高いユーザ3を注意者テーブルに自動的にリストアップして表示する。そのようなりユーザ3から再び融資の申し込みがあった場合、銀行20は、融資審査で注意者テーブルを参照することができるから、融資審査がより適切になる。
(8)作業機械1が銀行端末2からの指示で一旦ロックされると、ユーザ3には秘密の管理者パスワードを作業機械1に入力しないかぎりそのロックは解除されない。よって、ユーザ3は銀行2によるロックを勝手に解除することができない。これにより、銀行2による作業機械2の差押えが一層容易になる。
(9)作業機械1がユーザ3によりロックされた場合でも、管理者パスワードによりそのロックを解除することができる。これにより、銀行2による作業機械2の差押えが一層容易になる。
【0107】
上記実施形態は本発明の説明のための例示にすぎず、本発明の範囲をこれのみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態以外の他の種々の形態で実施することができる。例えば、以下に示すような変形例も本発明に含まれる。
【0108】
警報やロックを行うか否かの判断材料として、サービスメータによる稼働時間に代えて又は併用して、作業機械1で検出されたその他の状態や動作の情報を使用することもできる。例えば、作業機械1の諸構成要素に故障が発生したときに電子コントローラ12で生成されるエラーコードのような故障情報を、稼働情報に取り込んで上記判断材料として使用することができる。管理装置10又は20は、作業機械1から送信される故障情報を監視し、例えば特定のエラーコードが頻発する場合には、警報又はロック指令を発することができる。これにより、ユーザ3による作業機械1の扱いが不適切であるために返済が完了する以前に作業機械1の使用不能になるという問題が防止できる。
【0109】
さらには、作業機械1内のエンジンや油圧システムやその他の動力機構の負荷量を検出し、この負荷量を稼働情報に取り込んで上記判断材料として使用してもよい。例えば、管理装置10又は20は、作業機械1から送信される負荷量の情報から、作業機1の負荷量が異常に高い(例えば、常に高負荷で稼働している)と判断される場合も、警報又はロック指令を発することができる。これにより、ユーザ3が作業機械1を酷使して返済が完了する以前に作業機械1が使用不能になるという問題が防止できる。
【0110】
作業機械1が作業エリアから外れたか否かの判断は、サーバ10または銀行端末20で行うことができるが、これに代えてまたは併用して、作業機械1内の通信コントローラ13が記憶装置13Aに記憶されている作業エリアとGPSセンサ14で検出された現在位置とを比較することで行ってもよい。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械(1)の稼働状況を管理するためのシステムであって、
無線通信網を介して相互通信可能な作業機械(1)と管理装置(10、20)を備え、
前記作業機械(1)は、
前記作業機械(1)内の所定のセンサからの信号を受けて稼働情報を生成する稼働情報生成手段(12)と、
前記無線通信網を介して前記管理装置(10、20)と相互通信することができ、前記稼働情報生成手段(12)で生成された前記稼働情報を前記管理装置(10、20)へ送信し、かつ、前記管理装置(10、20)から制御指令を受信する通信装置(13,15)と、
前記通信装置(13,15)により受信された制御指令に応答して、所定の制御動作を行う制御動作手段(12又は13)と
を有し、
前記管理装置(10、20)は、
前記無線通信網を介して前記作業機械(1)と相互通信することができ、前記作業機械(1)から前記稼働情報を受信し、かつ、前記作業機械(1)へ前記制御指令を送信する通信制御手段(41)と、
前記通信制御手段(41)に受信された前記稼働情報を蓄積するデータベース(43B、53B)と、
前記データベース(43B、53B)に蓄積された前記稼働情報を分析することにより、前記作業機械(1)の稼働状況に問題があるか否かを判定する稼働状況判定手段(60)と、
稼働状況判定手段(60)に応答して、前記制御指令を発する制御指令発生手段(61、48、62、49、50、63)と
を有する作業機械の管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の管理システムにおいて、
前記稼働情報には、前記作業機械(1)の稼働時間を示す稼働時間情報が含まれており、
前記稼働状況判定手段(60)は、前記稼働時間情報を所定の稼働条件を用いて分析することにより、所定期間における前記作業機械(1)の稼働量を表す数値を計算し、前記数値が所定閾値より小さいか否かを判定することにより、前記稼働状況に問題があるか否かを判定する管理システム。
【請求項3】
請求項2記載の管理システムにおいて、
前記稼働状況判定手段(60)は、前記稼働時間情報から重み付けされた複数の指標(X,Y,Z)を計算し、前記重み付けされた複数の指標(X,Y,Z)に基づいて、前記数値を計算する管理システム。
【請求項4】
請求項1記載の管理システムにおいて、
前記制御指令発生手段(61、48、62、49、50、63)は、前記稼働状況判定手段(60)により前記稼働状況に問題があると判定された場合に、前記制御指令として警報を発する警報発報手段(61、48)を有し、
前記制御動作手段(12又は13)は、前記警報に応答して、前記警報を表示する表示手段(13、13B)を有する管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の管理システムにおいて、
前記制御指令発生手段(61、48、62、49、50、63)は、前記稼働状況判定手段(60)により前記稼働状況に問題があると判定された場合に、前記制御指令としてロック指令を発するロック指令手段(63、50)を有し、
前記制御動作手段(12又は13)は、前記ロック指令に応答して、前記作業機械(1)の動作を不能するか又は可能な動作を制限するような遠隔操作ロックを前記作業機械(1)に設定する遠隔操作ロック手段(12、72)を有する管理システム。
【請求項6】
請求項5記載の管理システムにおいて、
前記ロック指令手段(63、50)は、前記稼働状況判定手段(60)により前記稼働状況に問題があると判定された場合に、所定の権限者(A,B,C)に前記作業機械(1)をロックするか否かの判断を電子的に要求し、前記権限者(A,B,C)からの前記判断を示す電子的なメッセージに応答して、前記ロック指令を発する管理システム。
【請求項7】
請求項5記載の管理システムにおいて、
前記作業機械(1)が、所定の管理者パスワードの入力に応答して前記遠隔操作ロックを解除するロック制御装置(80)を更に有する管理システム。
【請求項8】
請求項6記載の管理システムにおいて、
ロック制御装置(80)が、所定のユーザパスワードの入力に応答して、前記作業機械(1)の動作を不能するか又は可能な動作を制限するような手動ロックを前記作業機械(1)に設定し、更に、前記管理者パスワードの入力に応答して、前記遠隔操作ロックだけでなく前記手動ロックも解除する管理システム。
【請求項9】
請求項5記載の管理システムにおいて、
前記管理装置(10、20)は、ロック解除指令を前記作業機械(1)に送信することができ、
前記作業機械(1)の遠隔操作ロック手段(12、72)は、前記ロック解除指令に応答して前記遠隔操作ロックを解除する管理システム。
【請求項10】
請求項1記載の管理システムにおいて、
前記作業機械(1)は、前記作業機械(1)の現在位置を検出して、前記現在位置を示す位置情報を前記管理装置(10、20)に送信する位置情報手段(14、12、15)を更に有し、
前記管理装置(10、20)は、前記稼働状況判定手段(60)に応答して、前記作業機械(1)からの前記位置情報に基づいて、前記作業機械(1)が所定の作業エリア外へ出たか否かを判定する作業エリア監視手段(66)を更に有し、
前記制御指令発生手段(61、48、62、49、50、63)は、前記作業エリア監視手段(66)にも応答して、前記制御指令を発する管理システム。
【請求項11】
請求項10記載の管理システムにおいて、
前記制御指令発生手段(61、48、62、49、50、63)は、前記作業エリア監視手段(66)により前記作業機械(1)が所定の作業エリア外へ出たと判定された場合に、前記制御指令としてロック指令を発するロック指令手段(63、50)を有し、
前記制御動作手段(12又は13)は、前記ロック指令に応答して、前記作業機械(1)の動作を不能するか又は可能な動作を制限するような遠隔操作ロックを前記作業機械(1)に設定する遠隔操作ロック手段(12、72)を有する管理システム。
【請求項12】
遠隔の管理装置(10、20)により稼働状況が管理されるようになった作業機械(1)であって、
前記作業機械(1)内の所定のセンサからの信号を受けて稼働情報を生成する稼働情報生成手段(12)と、
無線通信網を介して前記管理装置(10、20)と相互通信することができ、前記稼働情報生成手段(12)で生成された前記稼働情報を前記管理装置(10、20)へ送信し、かつ、前記管理装置(10、20)から制御指令を受信する通信装置(13,15)と、
前記通信装置(13,15)により受信された制御指令に応答して、所定の制御動作を行う制御動作手段(12又は13)と
を備えた作業機械。
【請求項13】
請求項12記載の作業機械において、
前記制御指令はロック指令を含むことができ、
前記制御動作手段(12又は13)は、前記ロック指令に応答して、前記作業機械(1)の動作を不能するか又は可能な動作を制限するような遠隔操作ロックを前記作業機械(1)に設定する遠隔操作ロック手段(12、72)を有する作業機械。
【請求項14】
請求項13記載の作業機械において、
所定の管理者パスワードの入力に応答して前記遠隔操作ロックを解除するロック制御装置(80)を更に有する作業機械。
【請求項15】
請求項14記載の作業機械において、
ロック制御装置(80)が、所定のユーザパスワードの入力に応答して、前記作業機械(1)の動作を不能するか又は可能な動作を制限するような手動ロックを前記作業機械(1)に設定し、更に、前記管理者パスワードの入力に応答して、前記遠隔操作ロックだけでなく前記手動ロックも解除する作業機械。
【請求項16】
請求項13記載の作業機械において、
前記制御指令はロック解除指令を含むことができ、
前記作業機械(1)の遠隔操作ロック手段(12、72)は、前記ロック解除指令に応答して前記遠隔操作ロックを解除する作業機械。

【国際公開番号】WO2005/043433
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515128(P2005−515128)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015845
【国際出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】