説明

作業機械の表示装置

【課題】 作業能率の向上を図ることを可能にしながら、作業者に知らせるべき報知情報を適切な状態で表示することが可能となる作業機械の表示装置を提供する。
【解決手段】 作業機械の運転において作業者に知らせるべき報知情報を表示する報知情報表示手段Cを備えた作業機械の表示装置であって、前記報知情報表示手段Cが、主表示部C1と、その主表示部C1に並設される補助表示部C3とを備えて構成され、主表示部C1が、報知情報として、作業速度を表示するように構成され、補助表示部C3が、画像表示式に構成され、且つ、報知情報として、主表示部C1にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の運転において作業者に知らせるべき報知情報を表示する報知情報表示手段を備えた作業機械の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記構成の作業機械の表示装置の従来例としては、作業機械の一例であるコンバインに適用したものとして次のように構成されたものがあった。すなわち、前記報知情報表示手段が、前記報知情報としてのエンジン回転速度を表示するエンジン回転速度表示部、前記報知情報としての燃料タンク内の燃料残量を表示する燃料残量表示部、前記報知情報としてのエンジン負荷を表示するエンジン負荷表示部、及び、それ以外の複数の報知情報を並べて補助的に表示する画像表示部の夫々を備える構成のものがあった(例えば、特許文献1参照。)(以下、第1の従来例という)。尚、前記画像表示部に表示する複数の報知情報としては、脱穀部に備えられた揺動選別板上の選別処理物量、貯留部としての穀粒タンクに貯留される穀粒の貯留量、及び、エンジンの冷却水の温度等の複数の情報がある。
【0003】
又、上記構成の作業機械の表示装置の別の従来例として、次のように構成されたものがあった。
すなわち、円形の操向ハンドルの中央部分に液晶表示装置にて構成される画像表示部が設けられ、その画像表示部に作業速度を表示するように構成されたものがあった。そして、その画像表示部は、作業速度を表示している作業速度表示箇所に近接する位置に、刈取作業状態においてはエンジンの負荷を表示し、非作業状態においてはエンジンの回転速度を表示する構成であり、さらに、作業速度表示箇所の右側の端部にはエンジンの燃料残量を表示し、作業速度表示箇所の左側の端部側には穀粒タンクに貯留される穀粒の貯留量を表示する等、画像表示部に複数の報知情報を並べて表示する構成となっていた(例えば、特許文献2参照。)(以下、第2の従来例という)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−191872号公報
【特許文献2】特開2005−80549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記第1の従来例においては、報知情報として、上記したようなエンジン回転速度、燃料残量、エンジン負荷、画像表示部における選別処理物量、穀粒貯留量、エンジンの冷却水の温度等の各情報が表示され、作業者はそれらの報知情報については確認することができる。しかし、第1の従来例においては、例えば刈取作業時等のように作業を行うときの車体の走行速度である作業速度について表示されない構成となっており、作業者は、現在の作業速度がどの程度の速度であるのかという点での目安がなく、作業速度を増速させて作業能率の向上を図ることが行い難いものとなる不利があった。
【0006】
これに対して、第2の従来例の構成によれば、作業者は画像表示部に表示されている作業速度を目視することで、現在の作業速度がどの程度の速度であるかを確認することが可能であるが、上記したように作業速度の情報は前記画像表示部にて他の複数の報知情報と並べて表示される構成であるから、報知情報表示手段を構成する画像表示部の全表示領域に対して作業速度を表示する表示領域が狭いものになり、作業者が目視で確認する場合に、その表示が見難いものとなって作業速度の表示内容を確認し難いものとなる不利がある。
【0007】
そこで、作業速度の表示内容を確認し易いものとするために、作業速度を表示する表示領域を大きくさせようとすると、液晶表示装置等からなる前記画像表示部の全体が大型化して大幅なコスト高を招く不利がある。
【0008】
本発明の目的は、全体として安価な構成でありながら、作業速度を判り易く表示して作業能率の向上を図ることが可能となる作業機械の表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る作業機械の表示装置は、作業機械の運転において作業者に知らせるべき報知情報を表示する報知情報表示手段を備えたものであって、その第1特徴構成は、前記報知情報表示手段が、主表示部と、その主表示部に並設される補助表示部とを備えて構成され、前記主表示部が、前記報知情報として、作業速度を表示するように構成され、前記補助表示部が、画像表示式に構成され、且つ、前記報知情報として、前記主表示部にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示するように構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、前記主表示部に作業速度を表示する構成であるから、この主表示部において、例えば指示針を移動させながら作業速度を表示させるような安価な構成であっても表示領域を大型化させた状態で作業速度を表示することが可能となる。すなわち、前記作業速度は作業能率を向上するために必要とされる報知情報であるが、このような作業速度を、表示領域を大型化させて見易い状態で表示しながらも、全体として安価に構成することが可能なものとなる。
【0011】
又、主表示部に並設されて画像表示式に構成された補助表示部に、主表示部にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示する構成としたから、表示状態を切り換えることにより複数種の報知情報を順次表示する等の煩わしい手間のない状態で、作業者に知らせるべき報知情報を適切に表示することができる。
【0012】
その結果、作業速度以外の複数種の報知情報を主表示部に並設された補助表示部にて並べて表示することにより、作業者が見易い状態で適切に表示することができるようにしながら、作業中において作業者が確認したい情報である作業速度を主表示部にて判り易い状態で表示することが可能となり、作業者は、その作業速度の情報を確認しながら作業速度を増速させて作業能率の向上を図るといった措置をとることが容易に行い易いものになる。
【0013】
しかも、上記構成であれば、例えば、補助表示部に大型の表示領域にて作業速度を表示するために補助表示部を大型に構成する場合のようにコスト高を招く不利がなく、装置全体を安価な構成としながら作業速度を判り易く表示することが可能となるのである。
【0014】
従って、全体として安価な構成でありながら、作業速度を判り易く表示して作業能率の向上を図ることが可能となる作業機械の表示装置を提供できるに至った。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記補助表示部が、前記複数種の報知情報を並べて表示する複数情報表示状態と、前記複数種の報知情報のうちの前記複数情報表示状態にて表示する報知情報の数よりも少ない数の報知情報を表示する少数情報表示状態とに切り換え自在に構成され、且つ、前記少数情報表示状態において、表示する報知情報を前記複数情報表示状態にて表示する複数種の報知情報のうちから変更自在に構成されている点にある。
【0016】
第2特徴構成によれば、前記補助表示部が複数情報表示状態に切り換えられると、前記複数種の報知情報を並べて表示するので、表示状態を切り換えることにより複数種の報知情報を順次表示する等の煩わしい手間のない状態で、作業者に知らせるべき報知情報を適切に表示することができる。
【0017】
一方、前記補助表示部が少数情報表示状態に切り換えられると、複数種の報知情報のうちの複数情報表示状態にて表示する報知情報の数よりも少ない数の報知情報を表示することになる。このように少ない数の報知情報を表示することにより、表示される報知情報の表示の大きさを複数情報表示状態の場合に比べて大きくすることが可能であり、作業者が報知情報を目視で確認するときに見易い状態で表示することができる。
【0018】
このように、補助表示部の表示状態を作業者の選択により切り換えて使用することができ使い勝手が向上するものとなる。
【0019】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記補助表示部が、前記主表示部の下方側に並設される状態で備えられ、前記主表示部の左右両側に並設される状態で一対の副表示部が備えられ、それら一対の副表示部が、前記報知情報として、前記主表示部にて表示される報知情報及び前記補助表示部にて表示される前記複数種の報知情報以外の報知情報を表示するように構成されている点にある。
【0020】
第3特徴構成によれば、前記主表示部の下方側に前記補助表示部が並設され、前記主表示部の左右両側に一対の副表示部が並設されて、主表示部にて表示される報知情報及び補助表示部にて表示される複数種の報知情報以外の報知情報を一対の副表示部にて表示することで、作業者に知らせるべき報知情報としての各種の報知情報を、主表示部、その主表示部に並設される補助表示部、及び、一対の副表示部の夫々において、作業者が見易い状態で適切に表示することが可能となる。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、前記一対の副表示部が、前記報知情報として、エンジン回転速度と燃料残量とを表示するように構成されている点にある。
【0022】
第4特徴構成によれば、主表示部の左右両側に並設される一対の副表示部にエンジン回転速度と燃料残量とを表示するようにしたので、補助表示部に表示する報知情報の個数を少なくして補助表示部を小型化して低コスト化を図ることが可能な状態で、エンジン回転速度と燃料残量とを判り易い状態で表示することができる。
【0023】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記主表示部が、前記報知情報として、前記作業速度に加えてエンジン負荷を表示するように構成されている点にある。
【0024】
作業機械において、エンジン負荷は、作業者に知らせるべき報知情報のうちで作業速度と同様に重要な報知情報であるが、第5特徴構成によれば、主表示部が作業速度に加えてエンジン負荷を表示する構成とすることで、エンジン負荷と作業速度との対応関係を確認し易いものとなる。例えば、作業速度が低めの速度になっているときに、エンジン負荷が小さめの負荷であり作業速度を増速することが可能であるのか、又は、エンジン負荷が大きめの負荷であり増速することができない状態になっているのかといったことを容易に判断することが可能となり、使い勝手が向上するものとなる。
【0025】
本発明の第6特徴構成は、第1特徴構成〜第5特徴構成のいずれかに加えて、前記主表示部が、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部を作業速度に応じて移動させる形態で、前記報知情報としての作業速度を表示する作業速度用表示部を備えて構成されている点にある。
【0026】
第6特徴構成によれば、前記作業速度用表示部が、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部が作業速度に応じて移動するので、作業者は、作業速度表示用指示部の移動状態を目視することによって作業速度を感覚的に判別し易いものになる。
【0027】
説明を加えると、作業速度を数値で表す表示形態であれば、作業者が作業速度の大きさを感覚的に判り難いものとなるが、上記構成であれば、このような不利がなく、作業速度表示用指示部が最低速度表示位置と最高速度表示位置との間のうちのどの位置にあるのか、言い換えると、現在の作業速度が最低速度と最高速度との間の速度調整可能範囲の中でどの程度の割合の速度であるのかを感覚的に判り易いものとなる。
【0028】
本発明の第7特徴構成は、第6特徴構成に加えて、前記主表示部が、前記作業速度用表示部に加えて、最低負荷表示位置と最高負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させる形態で、前記報知情報としてのエンジン負荷を表示するエンジン負荷用表示部を備えて構成されている点にある。
【0029】
第7特徴構成によれば、エンジン負荷用表示部は、最低負荷表示位置と最高負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動するので、作業者は、負荷表示用指示部の移動状態を目視することによってエンジン負荷を感覚的に判別し易いものになる。
【0030】
説明を加えると、エンジン負荷を数値で表す表示形態であれば、作業者がエンジン負荷の大きさを感覚的に判り難いものとなるが、上記構成であれば、このような不利がなく、エンジン負荷表示用指示部が最低負荷表示位置と最高負荷表示位置との間のうちのどの位置にあるのか、言い換えると、現在のエンジン負荷が最低負荷と最高負荷との間の負荷変更可能範囲の中でどの程度の割合のエンジン負荷であるのかを感覚的に判り易いものとなる。
【0031】
本発明の第8特徴構成は、第7特徴構成に加えて、前記作業速度用表示部が、前記速度表示用設定経路を上向き突出の円弧状として、前記作業速度表示用指示部としての指示針を前記速度表示用設定経路に沿って移動させるように構成され、前記エンジン負荷用表示部が、前記負荷表示用設定経路を前記速度表示用設定経路の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部を前記負荷表示用指示部として前記負荷表示用設定経路に沿って並設して、前記最低負荷表示位置から前記最高負荷表示位置に向けて並ぶ複数の点灯部のうちで負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とする点灯部の位置を前記負荷表示用設定経路に沿って移動させるように構成されている点にある。
【0032】
第8特徴構成によれば、前記作業速度用表示部は、作業速度表示用指示部としての指示針を上向き突出の円弧状の速度表示用設定経路に沿って移動させることによって、作業速度を表示することになる。つまり、指示針を作業速度に応じて最低速度表示位置から最高速度表示位置に亘る作業速度表示用設定経路に沿って移動させることにより作業速度を表示するのであり、作業者は指示針の位置から作業速度を読み取ることができる。
【0033】
このように構成することで、円弧状に形成された作業速度表示用設定経路に沿って指示針を移動させて作業速度を表示するので、例えば直線状の経路等に比べて、限られた表示スペースを有効に利用して作業速度表示用設定経路の経路長を極力長くすることができ、作業速度が単位量変化するときの指示針の単位移動量を極力大きくすることで分解能を高くした状態で作業速度を表示することができる。
【0034】
そして、前記エンジン負荷用表示部が、前記負荷表示用設定経路を前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、複数の点灯部を負荷表示用設定経路に沿って並設するものであるから、前記作業速度表示用設定経路の外方側のスペースを有効利用してエンジン負荷用表示部を配置することができる。
【0035】
又、前記エンジン負荷用表示部は、最低負荷表示位置から最高負荷表示位置に向けて並ぶ複数の点灯部のうちで負荷が増大するほど最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とする点灯部の位置を負荷表示用設定経路に沿って移動させることでエンジン負荷を表示することになる。
【0036】
説明を加えると、エンジン負荷が最低負荷から順次増大すると、先ず、最低負荷表示位置にある点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わり、その後、最低負荷表示位置にある点灯部よりも最高負荷表示位置側に隣接する点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わり、次に、その点灯部よりも最高負荷表示位置側に隣接する点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わる。このようにエンジン負荷が増大するに連れて、消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部が最高負荷表示位置側に順次移動していく。そして、作業者は、その消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部の位置によりエンジン負荷を読み取ることができるのである。
【0037】
このような構成であれば、消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部の位置の変化は、エンジン負荷がある程度変動してから次の点灯部に移動することになる。つまり、エンジン負荷が少し変化しただけではエンジン負荷用表示部の表示状態が変化しないことになり、エンジン負荷の細かな変動に対してエンジン負荷用表示部の表示状態が頻繁に変動しないので、表示が見易いものになる。
【0038】
従って、作業速度をできるだけ高い分解能で精度よく読み取ることが可能な状態で表示することができ、エンジン負荷及び作業速度が近い箇所で表示されるから、作業者はそれらの情報を読み取るときに、大きく視線を動かさなくてもよいので能率よく読み取ることが可能となる。
【0039】
本発明の第9特徴構成は、第8特徴構成に加えて、前記エンジン負荷表示部は、作業機械に異常が発生している異常状態においては、エンジン負荷を表示するエンジン負荷表示状態から前記複数の点灯部の全てのものが点滅表示する異常表示状態に切り換わるように構成されている点にある。
【0040】
第9特徴構成によれば、作業機械が正常に動作しているときには、エンジン負荷用表示部は前記エンジン負荷表示状態となっており、適切にエンジン負荷を表示することができる。そして、作業機械に異常が発生している異常状態においては、前記エンジン負荷表示状態から複数の点灯部の全てのものが点滅表示する異常表示状態に切り換わるので、主表示部に備えられた複数の点灯部の全てのものが点滅することで、作業者は異常が発生したことを容易に判別することができる。
【0041】
つまり、エンジン負荷表示部の構成を利用して、作業機械が異常状態になっていることを、作業者が判り易い状態で適切に表示することができる。
【0042】
本発明の第10特徴構成は、第1特徴構成〜第9特徴構成に加えて、作業機械が、刈取穀稈の扱処理並びに穀粒選別処理を行う脱穀部と、その脱穀部から供給される穀粒を貯留する貯留部とを備えたコンバインにて構成され、前記補助表示部は、作業機械が正常に作動している通常状態においては、前記複数種の報知情報として、前記脱穀部に備えられた揺動選別板上の選別処理物量、前記貯留部における穀粒貯留量、及び、エンジンの冷却水の温度の夫々を前記補助表示部に並べて表示し、作業機械に異常が発生している異常状態においては、前記複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を前記補助表示部に表示するように構成されている点にある。
【0043】
第10特徴構成によれば、前記補助表示部は、作業機械が正常に作動している通常状態においては、脱穀部に備えられた揺動選別板上の選別処理物量、貯留部における穀粒貯留量、及び、エンジンの冷却水の温度の夫々を並べて表示する。これらの複数の報知情報は、作業機械としてのコンバインが刈取作業を実行しているときに作業者が適宜確認すべき報知情報であるが、通常状態においては補助表示部にそれらを並べて表示するので、作業者は、表示状態を切り換える等の煩わしさのない状態で、コンバインの各部の実作動状態を容易に確認することができる。
【0044】
又、作業機械に異常が発生している異常状態においては、複数種の報知情報に代えて、異常に対応するためのメッセージ情報を補助表示部に表示するので、作業者は、異常が発生したときに、補助表示部に表示されるメッセージ情報を確認することで、迅速に且つ的確にその後の対応を取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明に係る作業機械の表示装置の実施形態を作業機械としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置30を備えた機体Vの前部に、刈取昇降シリンダ5によって横軸心X周りに上下揺動操作自在な状態で刈取部1が設けられ、機体Vには、運転部31、刈取穀稈の扱処理並びに穀粒選別処理を行う脱穀部2、脱穀部2から供給される穀粒を貯留する貯留部としてのグレンタンク3、及び、グレンタンク3から穀粒を排出するための排出用のアンローダ32等が装備されて構成されている。前記グレンタンク3にはその内部に貯留されている穀粒(もみ)の量を検出するモミセンサS6が設けられている。
【0046】
刈取部1は、先端部に付設された分草具33、穀稈の引き起こし装置34、引き起こした穀稈の株元を切断する刈り刃35、先端側で刈取穀稈を受け取って脱穀部2のフィードチェーン52に受け渡す縦搬送装置36等を備えている。又、刈取部1の地面に対する高さを検出するための超音波センサS1と、穀稈が触れるとオン作動して刈取り作業中であることを検出する株元センサS2とが設けられている。そして、超音波センサS1の情報に基づいて、刈取部1の対地高さが目標設定高さに維持されるように刈取昇降シリンダ5の作動を制御する刈高制御が実行される。
【0047】
前記アンローダ32は、先端部に下向き姿勢の排出口32aを備え、基端側が横軸心Z周りに上下揺動自在な状態で支持部32bに支持され、その支持部32bが縦軸心Y周りに旋回操作自在な状態で機体Vに支持されている。そして、前記アンローダ32を上下揺動駆動するためのアンローダ用油圧シリンダ62、旋回駆動用のアンローダ旋回用モータM3、その支持部32bの旋回位置を検出するためのポテンショメータ式のアンローダ位置センサS3が設けられている。そして、上記アンローダ位置センサS3以外にも上昇方向や左右方向への旋回操作の限界位置を検出するリミットスイッチ(図示しない)等も備えられ、それらの情報に基づいてアンローダ32の作動を制御するアンローダ制御が実行されるように構成されている。
【0048】
脱穀部2は、図2に示すように、扱胴51を収納する扱室A、刈取部1から供給される穀稈を搬送するフィードチェーン52、トウミ53及び揺動選別板54等からなる選別装置B、穀粒回収用の一番口55、及び、穀粒と藁屑との混合物(二番物)を回収するための二番口56等を備えている。そして、扱室Aで扱処理された処理物は、扱室Aの下部に設けられた受網57から選別装置Bに漏下し、それ以外の処理物は受網57の後端部より選別装置Bに落下する。尚、上記一番口55にて回収された穀粒は、図示しないスクリュー式の搬送装置によってグレンタンク3に搬送され、二番口56にて回収された二番物は、スクリュー式の二番搬送装置63によって、上記揺動選別板54の始端側に戻されるように構成されている。又、脱穀部2の後方側には、図1に示すように、脱穀部2から排出される排藁を切断する排ワラカッタ部64が設けられ、その排ワラカッタ部64の詰まりを検出するための排ワラ詰まり検出スイッチS15が設けられている。
【0049】
選別装置Bの揺動選別板54は、トウミ53の上方に位置するグレンパン58、そのグレンパン58の後方に位置するチャフシーブ59、そのチャフシーブ59の下方に位置するグレンシーブ61等を備えている。チャフシーブ59は、処理物移送方向に並置された複数個の帯板状部材からなり、その隣接する帯板状部材の間隔(チャフ開度)がチャフ開度調節モータM4によって変更されるように構成されている。尚、S8は、揺動選別板54上の選別処理物量を検出するシーブセンサである。トウミ53は、選別風を送風するためのものであり、後方側のファンケースカバー53aをトウミ風力調節モータM5にて開閉操作することにより、揺動選別板54上の処理物に及ぼす風力(トウミ風力)が変更されるように構成されている。
【0050】
そして、選別装置Bでの選別処理が適正に行われるように、扱室Aからの漏下処理物量に応じて、チャフ開度調節モータM4及びトウミ風力調節モータM5の作動を制御する脱穀制御が実行される。
【0051】
次に、動力伝達系を図3に示す。機体Vに搭載されたエンジンEの出力は、脱穀クラッチ37を介して脱穀部2に伝達されるとともに、走行クラッチ38及び無段変速装置39を介してクローラ走行装置30のミッション部40に伝達される。ミッション部40に伝達された出力は、ミッション部40内に設けられた副変速装置42を介してクローラ走行装置30に伝達される一方、刈取変速装置43及び刈取クラッチ41を介して刈取部1に伝達される。そして、副変速装置42にて変速された後の動力にて駆動されるクローラ走行装置30の入力軸の回転速度に基づいて作業速度を検出する車速センサS4、エンジンEの回転速度を検出するエンジン回転速度センサS5、エンジンEの冷却水の水温を検出する水温センサS7等が設けられている。
【0052】
前記車速センサS4は、詳述はしないが、電磁ピックアップコイルの作用によりクローラ走行装置30の入力軸に備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号をギアの回転速度に対応した信号として出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0053】
前記エンジン回転速度センサS5についても、車速センサS4と同様に、電磁ピックアップコイルの作用によりエンジンEの出力軸と一体的に回転するように備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号を出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0054】
前記無段変速装置39は、後述するように変速モータM6により無段変速操作可能であり、しかも、変速モータM6の操作に優先して運転部31に設けられた手動操作式の主変速レバー7にて手動で変速操作可能に構成されている。又、前記副変速装置42は、副変速用油圧シリンダ65の操作により、路上走行用の高速状態、刈取作業用の低速状態、クローラ走行装置30への動力伝達を断つ中立状態の3つの変速状態に切り換え自在に構成されている。そして、副変速装置42がどの変速位置にあるかを検出する副変速センサS10が設けられている。
【0055】
前記刈取変速装置43は、刈取変速用油圧シリンダ66の操作により高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成され、コンバインの作業速度に対する刈取部1の刈取作業速度の相対速度を作物の種類の違いや植立穀稈の倒伏状態の違い等に応じて高低2段階に切り換えることができる。そして、刈取変速装置43がどの変速状態にあるかを検出する刈取変速センサS11が設けられている。
【0056】
前記副変速装置42は、取り付け構成については図示しないが、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の副変速切換スイッチ9及び運転部31における主変速レバー7とは別の箇所に設けられた副変速中立スイッチ10による指令に基づいて変速状態が切り換わる構成であり(図9参照)、副変速中立スイッチ10を切操作している状態で副変速切換スイッチ9を切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在であり、副変速中立スイッチ10を入操作することで中立状態に切り換える構成となっている。
【0057】
又、刈取変速装置43は、副変速切換スイッチ9と同様に、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の刈取変速切換スイッチ11を切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成されている(図9参照)。
【0058】
後記するように無負荷時のエンジン回転速度(基準回転速度)からのエンジン回転速度低下量によってエンジン負荷が求められるが、そのエンジン負荷の情報に基づいて、エンジンEの能力を極力有効に利用できるようにするために、車速センサS4にて検出される作業速度が人為操作式の上限速度設定器にて設定される設定上限速度を超えない条件で、エンジン負荷が適正範囲に維持されるように、変速モータM6の作動を制御する車速制御が実行される。
【0059】
操縦部31には、刈取部1を昇降操作する刈取昇降指令具と機体Vを左右に旋回操作する旋回操作指令具とに兼用構成された十字操作式の刈高操向レバー8が設けられている。つまり、この刈高操向レバー8を後方側に揺動操作すると刈取部1が上昇し、前方側に揺動操作すると刈取部1が下降する。又、刈高操向レバー8を左側に揺動操作すると機体が左旋回し、右側に揺動操作すると機体が右旋回するように構成されている。
【0060】
そして、このコンバインには、運転部31における運転座席の前方側に、コンバインの運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を表示する報知情報表示手段としての表示ユニットCが設けられている。
この表示ユニットCは、主表示部C1と、その主表示部C1に並設される補助表示部C3とを備えて構成され、前記主表示部C1が、前記報知情報として、作業速度を表示するように構成され、前記補助表示部C3が、画像表示式に構成され、且つ、前記報知情報として、前記主表示部C1にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示するように構成されている。
【0061】
又、補助表示部C3が、主表示部C1の下方側に並設される状態で備えられ、主表示部C1の左右両側に並設される状態で一対の副表示部C2、C2が備えられ、それら一対の副表示部C2、C2が、前記報知情報として、主表示部C1にて表示される報知情報及び補助表示部C3にて表示される複数種の報知情報以外の報知情報を表示するように構成されている。
【0062】
そして、前記主表示部C1が、報知情報として、作業速度に加えてエンジン負荷を表示するように構成されている。すなわち、前記主表示部C1が、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る速度表示用設定経路Q1に沿って作業速度表示用指示部を作業速度に応じて移動させる作業速度用表示部としての作業速度計12と、最低負荷表示位置と最高負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路Q2に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させるエンジン負荷用表示部としてのエンジン負荷表示計13とを備えて構成されている。
【0063】
説明を加えると、図4に示すように、表示ユニットCの左右方向の中央部に位置する主表示部C1には、前記車速センサS4にて検出される作業速度を表示する作業速度用表示部としての作業速度計12が設けられている。この作業速度計12は、速度表示用設定経路Q1を上向き突出の円弧状として、作業速度表示用指示部としての指示針12aを速度表示用設定経路Q1に沿って移動させるように構成されている。
【0064】
すなわち、指示針12aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が上向き突出の円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面パネルの内奥側には、図示はしないが、車速センサS4にて検出される作業速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針12aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面パネルに表示した目盛12bと対応させて指示針12aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在の作業速度を読み取ることができる構成となっている。
【0065】
又、作業速度が零速のときは指示針12aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、作業速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針12aが時計方向に回動移動する構成であり、前記指示針12aは、零速位置においては水平方向よりも少し左下方側に傾いた姿勢となり、最大速度位置においては水平方向よりも少し右下方側に傾いた姿勢となるように回動位置が設定されており、180度を越える広い範囲にわたって回動可能な構成となっており、分解能を高めて精度よく表示することができる構成となっている。尚、この実施形態では最大速度位置にあるときの作業速度は4m/secに設定されている。
【0066】
前記主表示部C1には、前記作業速度計12の円弧状の外周部に沿うようにエンジン負荷を表示するエンジン負荷用表示部としてのエンジン負荷表示計13が設けられている。
【0067】
このエンジン負荷表示計13は、負荷表示用設定経路Q2を速度表示用設定経路Q1の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部としてのセグメント表示部13aを前記負荷表示用指示部として前記負荷表示用設定経路Q2に沿って並設して、前記最低負荷表示位置から前記最高負荷表示位置に向けて並ぶ複数のセグメント表示部13aのうちで負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側のセグメント表示部13aを消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とするセグメント表示部13aの位置を前記負荷表示用設定経路Q2に沿って移動させるように構成されている。
【0068】
すなわち、エンジン負荷表示計13は、複数(具体的には13個)のセグメント表示部13aを一列に並べる状態で備えており、複数のセグメント表示部13aは、夫々に発光ダイオ−ド(LED)が各別に内装されており、各別に点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な構成となっている。
【0069】
説明を加えると、エンジン負荷表示計13は、図5、図6に示すように、作業速度計12の円弧状の外周部に沿うように円弧状に屈曲する状態で一体的に形成されたケーシング70が設けられ、このケーシング70には、13個のセグメント表示部13aを形成するための13個の光透過用開口部が円弧状に一列に並ぶ状態で区画形成されている。そして、ケーシング70にて区画形成された光透過用開口部の夫々に、その内奥側箇所に位置させて発光ダイオード71が各別に設けられ、表面側箇所に位置させて発光ダイオード71が発光した光を拡散する拡散板72が設けられる構成となっている。そして、このエンジン負荷表示計13は、後述するように、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示する構成となっている。
【0070】
又、13個のセグメント表示部13aのうち反時計方向側端部に位置する1番目のものから時計方向に向けて8番目に位置するものまでは表示色が緑色(G)となり、9番目から11番目までのものは表示色が黄色(Y)となり、12番目と13番目のものは表示色が赤色(R)となるように夫々異なる色の発光ダイオード71を用いて構成されている。
【0071】
前記主表示部C1の左右両側に位置する副表示部C2のうち主表示部C1の左側に位置する副表示部C2には、前記エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度を表示する指示針式のエンジン回転速度計14が設けられ、主表示部C1の右側に位置する副表示部C2には、エンジンEに供給するための燃料を貯留している燃料タンク内の燃料残量を示す指示針式の燃料計15が設けられている。従って、一対の副表示部C2が、報知情報として、エンジン回転速度及び燃料残量を表示するように構成されている。
前記燃料タンクは図示は省略しているが、この燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサS9が設けられている(図9参照)。
【0072】
前記エンジン回転速度計14は、作業速度計12と同様に、指示部の一例である指示針14aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面パネルの内奥側には、図示はしないが、エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針14aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面パネルに表示した目盛14bと対応させて指示針14aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在のエンジン回転速度を読み取ることができる構成となっている。
【0073】
エンジン回転速度が零速のときは指示針14aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、エンジン回転速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針14aが時計方向に回動する構成となっており、この実施形態では最大回転速度は3000rpmに設定されている。
【0074】
前記燃料計15は、作業速度計12と同様に、指示部の一例である指示針15aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面パネルの内奥側には、図示はしないが、燃料残量センサS9にて検出される燃料残量が残り少ないほど大きい回動角となるように指示針15aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面パネルに表示した目盛15bと対応させて指示針15aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在の燃料残量を読み取ることができる構成となっている。
【0075】
燃料残量が満量であるときは指示針15aは最も反時計方向に回動した位置にあり、燃料残量が減少するとその減少量に応じて指示針15aが時計方向に回動する構成となっており、指示針15aは最も時計方向に回動した位置になると、燃料残量が零又は略零であることを示すことになる。
【0076】
前記作業速度計12に対してその下方側に並ぶ状態で、作業者に報知すべき複数の報知情報のうちの燃料残量、エンジン回転速度、エンジン負荷の各情報を除く他の報知情報を表示する補助表示部C3が設けられている。この補助表示部C3は、画像情報を表示可能なドットマトリクス形式の液晶表示器にて構成され、画像表示により報知情報を表示するように構成されている。
【0077】
そして、この補助表示部C3は、複数種の報知情報を並べて表示する複数情報表示状態と、複数種の報知情報のうちの複数情報表示状態にて表示する報知情報の数よりも少ない数の報知情報を表示する少数情報表示状態とに切り換え自在に構成され、且つ、少数情報表示状態において、表示する報知情報を複数情報表示状態にて表示する複数種の報知情報のうちから変更自在に構成されている。尚、補助表示部C3の表示状態の切り換えは、後述するようなモード切換スイッチ80の操作により行われる。
【0078】
具体的な表示形態について説明すると、前記複数情報表示状態においては、図10(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の貯留量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の温度(図では「水温」と表記している)の各情報を表示する。又、補助表示部C3には、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示する構成となっている。
【0079】
前記少数情報表示状態においては、図12に示すように、穀粒貯留量、選別処理物量、エンジン冷却水の水温のうちの1つの情報を複数情報表示状態のときよりも拡大させた状態で表示する。表示する情報の切り換えは、後述する表示切換スイッチ81の操作により行われる。
【0080】
又、前記補助表示部C3は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、上記したような各種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を表示するように構成されている。
【0081】
そして、前記エンジン回転速度計14に対してその下方側に並ぶ状態で、副変速装置42の現在の変速状態を表示する副変速表示部C4が設けられている。
この副変速表示部C4は、高速状態を示す高速表示部分16、低速状態を示す低速表示部分17、中立状態を示す中立表示部分18の夫々を横方向に並べて備えており、それらの3つの各表示部分16、17、18には、LEDランプ等からなる照明ランプ73が内装されており、3つの各表示部分のうちの現在の変速状態に対応する表示部分の照明ランプ73を点灯させ、それ以外の表示部分の照明ランプ73を消灯することで、副変速装置42の現在の変速状態を表示するように構成されている。
【0082】
具体的には、図7に示すように、副変速表示部C4の表示面は、光を透過しない遮光性のパネル19にて覆われる構成となっており、高速表示部分16は、その表示面部分のパネル19の一部が、照明ランプ73が点灯すると「H」の文字が明るく表示されるようなH字状の透光性部材20にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「H」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0083】
低速表示部分17も同様に、その表示面部分のパネル19の一部が、照明ランプ73が点灯すると「L」の文字が明るく表示されるようなL字状の透光性部材21にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「L」の文字が陰影表示となるように構成されている。又、中立表示部分18は、その表示面部分のパネル19の一部が照明ランプ73が点灯すると「N」の文字が明るく表示されるようなN字状の透光性部材22にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「N」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0084】
このように横方向に並べて備えられる高速表示部分16、低速表示部分17、中立表示部分18は、夫々、照明ランプ73が点灯すると文字情報が明るく表示される表示状態となり、照明ランプ73を消灯すると陰影表示となるように切り換わる構成となっており、しかも、それらのうちのいずれかのものが表示状態となり、それ以外のものは陰影表示となるように表示状態が制御されることで、作業者は、明るく表示される表示部分は勿論、陰影表示される表示部分もその存在は判るので、変速操作される変速段数がいくつ存在し、現在はそのうちのどの変速状態にあるかが判り易い状態で表示できるものになる。
【0085】
前記燃料計15に対してその下方側に並ぶ状態で、刈取変速装置43の現在の変速状態を表示する刈取変速表示部C5が設けられている。
この刈取変速表示部C5は、副変速表示部C4と同様に、高速状態を示す高速表示部分23及び低速状態を示す低速表示部分24の夫々が、照明ランプ73を内装する状態で備えられており、現在の変速状態に対応する表示部分の照明ランプ73を点灯させ、それ以外の表示部分の照明ランプ73を消灯することで、刈取変速装置43の現在の変速状態を表示するように構成されている。
【0086】
具体的には、図8に示すように、刈取変速表示部C5は、表示面が遮光性のパネル25にて覆われる構成となっており、高速表示部分23は、そのパネル25の一部が照明ランプ73が点灯すると「H」の文字が明るく表示されるようなH字状の透光性部材26にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「H」の文字が陰影表示となるように構成されている。低速表示部分24も同様に、パネル25の一部が照明ランプ73が点灯すると「L」の文字が明るく表示されるようなL字状の透光性部材27にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「L」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0087】
又、表示ユニットCの横側方には、補助表示部C3における表示状態の切り換えを指令するモード切換スイッチ80と、表示内容の切り換えを指令する表示切換スイッチ81とが設けられ、この両スイッチ80,81は、押し操作されているときだけオン状態になり、押し操作されないときはオフ状態となる押ボタン式のスイッチに構成されている。
【0088】
図9に示すように、マイクロコンピュータを利用して構成された制御部28が設けられ、この制御部28に、超音波センサS1、株元センサS2、アンローダ位置センサS3、車速センサS4、エンジン回転速度センサS5、シーブセンサS8の各検出情報が入力され、モミセンサS6、水温センサS7、燃料残量センサS9、副変速センサS10、刈取変速センサS11の各検出情報も制御部28に入力されている。又、副変速切換スイッチ9、副変速中立スイッチ10、刈取変速切換スイッチ11、モード切換スイッチ80、表示切換スイッチ81の情報も制御部28に入力されている。
【0089】
一方、前記制御部28からは、刈取昇降シリンダ5、アンローダ用油圧シリンダ62、アンローダ旋回用モータM3、チャフ開度調節モータM4、トウミ風力調節モータM5、車速変速用の変速モータM6、副変速用油圧シリンダ65、刈取変速用油圧シリンダ66、表示ユニットCに対する各駆動信号が出力されている。そして、制御部28が、上記各センサの情報に基づいて、上記各シリンダや各モータを駆動して、刈高制御、アンローダ制御、脱穀制御、車速制御等の各種制御を実行するように構成されている。
【0090】
そして、前記制御部28は表示ユニットCにおける表示状態を制御する表示制御を実施する構成となっている。以下、制御部28による表示制御の具体内容について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0091】
前記制御部28は、車速センサS4の検出情報に基づいて現在の作業速度に対応するように作業速度計12を作動させ、エンジン回転速度センサS5の検出情報に基づいてエンジンEの回転速度に対応するようにエンジン回転速度計14を作動させ、燃料残量センサS9の検出情報に基づいて燃料タンクの燃料残量に対応するように燃料計15を作動させる(ステップ1)。
【0092】
作業速度の表示について説明を加えると、制御部28は、作業速度計12の指示針12aの回動角が車速センサS4にて検出される現在の作業速度に対応する回動角になるように、作業速度計12の回動駆動部の作動を制御するのである。
【0093】
エンジン回転速度計14についても同様にして、エンジン回転速度計14の指示針14aの回動角が、エンジン回転速度センサS5にて検出される現在のエンジン回転速度に対応する回動角になるようにエンジン回転速度計14の回動駆動部の作動を制御する。又、燃料計についても同様に、燃料計15の指示針15aの回動角が、燃料残量センサS9にて検出される現在の燃料残量に対応する回動角になるように燃料計15の回動駆動部の作動を制御する。
【0094】
次に、副変速切換スイッチ9及び副変速中立スイッチ10の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように副変速用油圧シリンダ65の作動を制御して副変速装置42を変速操作することになるが、そのとき副変速センサS10の検出情報に基づいて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて副変速表示部C4にて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを表示する(ステップ2)。つまり、副変速表示部C4の高速表示部分16、低速表示部分17、中立表示部分18のいずれか対応するものについて照明ランプ73を点灯して明るく表示し、それ以外のものは照明ランプ73を消灯して暗くする。
【0095】
又、制御部28は、刈取変速切換スイッチ11の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように刈取変速用油圧シリンダ66の作動を制御して刈取変速装置43を変速操作することになるが、刈取変速センサS11の検出情報に基づいて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて刈取変速表示部C5にて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを表示する(ステップ2)。具体的には、刈取変速表示部C5の高速表示部分19及び低速表示部分20のいずれか対応するものの照明ランプ73を点灯し、それ以外のものの照明ランプ73を消灯する。
【0096】
そして、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、例えば図5に示すように、エンジン負荷表示計13における複数のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側から点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くすることによりエンジン負荷を表示し、コンバインに異常が発生している異常状態においては、複数のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示する(ステップ3、4)。
【0097】
エンジン負荷を検出する構成について説明を加えると、このコンバインにおいては、エンジンEに負荷が掛かっていない無負荷状態になっているときに、作業者がアクセル操作を行うことによって、エンジン回転速度が予め設定されている基準回転速度になるようにエンジンEのアクセル操作位置が調整され、エンジン回転速度が基準回転速度になると、そのアクセル操作位置にて位置固定して、その後の作業を行う構成となっている。
【0098】
そして、エンジンEに負荷が掛かると、エンジン負荷の大きさに応じてエンジン回転速度がこの基準回転速度から低下することになるので、予め実験データ等により基準回転速度からのエンジン回転速度低下量とエンジン負荷の大きさとが対応付けた状態でマップデータとして設定されている。そこで、制御部28は、エンジン回転速度センサS5により検出されるエンジン回転速度と前記基準回転速度との差、つまり、エンジン回転速度低下量を演算にて求めて、そのエンジン回転速度低下量と前記マップデータとに基づいてエンジン負荷を求める構成となっている。
【0099】
このようにして求めたエンジン負荷を表示するときは、制御部28は、13個のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側、すなわち、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示するのである。エンジン負荷が適正負荷であるときには緑色のセグメント表示部13aが点灯することになり、エンジン負荷が大きくなり設定値を越えて注意負荷状態になると、8個の緑色のセグメント表示部13aに加えて黄色のセグメント表示部13aが点灯する。さらに、エンジン負荷が大きくなり上限値を超えて過大負荷になると、8個の緑色のセグメント表示部13a、3個の黄色のセグメント表示部13aに加えて赤色のセグメント表示部13aが点灯することになる。
【0100】
さらに、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、補助表示部C3にて、上記したような各種の報知情報を表示する表示処理を実行する(ステップ5)。
【0101】
この表示処理では、モード切換スイッチ80が押し操作される毎に前記複数情報表示状態と前記少数情報表示状態とに交互に切り換わることになる。
具体的には、前記複数情報表示状態では、複数種の報知情報として、図10(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の水温の各情報が表示される。又、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示される。又、前記少数情報表示状態に切り換わっている状態では、表示切換スイッチ81が押し操作される毎に、図12に示すような、選別処理物量、穀粒貯留量、冷却水の温度のうちのいずれかの情報が拡大表示された状態で、予め設定された順序で表示内容が順次切り換わることになる。
【0102】
そして、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、エンジン負荷表示計13における13個のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示する(ステップ6)。ここでいう異常状態とは、コンバインのいずれかの箇所において、刈取作業を継続して実行することが困難となるような異常が発生しているような場合であり、例えば、排ワラ詰り検出スイッチS15がオンして排ワラカッタ部64において排ワラが詰まっている排ワラ詰り異常等がある。前記異常には、この排ワラ詰り以外にも、刈取部1における刈取穀稈の詰まり異常やエンジンがオーバーヒートしている異常等がある。
【0103】
又、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、上記したような貯留穀粒量、選別処理物量、水温等の複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を補助表示部C3に表示する(ステップ7)。上記したような排ワラが詰まっている異常が発生したときには、図10(ロ)に示すように、そのときに発生した異常に対応するためのメッセージ情報、例えば、「排ワラカッタにワラが詰まっています。ワラを取り除いて下さい。」というようなメッセージ情報を表示する。
【0104】
従って、コンバインが正常に作動している通常状態において、複数情報表示状態が選択されていると、表示ユニットCは、刈取作業を継続して実行するときに作業者が必要となる報知情報を全て同時に表示することができ、作業の途中で表示内容を切り換えるといった煩わしい手間が不要となる。しかも、異常が発生したときには、エンジン負荷表示計13における13個のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示するようにしたので、作業者は、刈取作業状況を確認するために機体前方側を見ながら刈取作業を行っている場合であっても、異常が発生したことを認識し易いものとなるのである。しかも、その発生した異常に対応するメッセージ情報を表示するようにしたので、迅速に且つ的確にその後の対応を取ることができる。
【0105】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態について説明する。
【0106】
(1)上記実施形態では、前記エンジン負荷用表示部が、複数の点灯部のうちで反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示する点灯部の個数を順次多くする形態、言い換えると、負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とする点灯部の位置を前記負荷表示用設定経路に沿って移動させる場合に、この点灯状態とする点灯部よりも前記最低負荷表示位置側に位置する点灯部を全て点灯状態に維持する構成を示したが、この構成に代えて、前記点灯状態とする点灯部よりも前記最低負荷表示位置側に位置する点灯部を全て消灯状態に切り換える構成としてもよい。すなわち、複数の点灯部のうちの1つの点灯部だけが点灯状態となる形態でエンジン負荷を表示するものでもよい。
【0107】
(2)上記実施形態では、作業速度用表示部が指示針が移動する形式の表示構成とし、エンジン負荷用表示部が点灯状態と消灯状態に切り換わる複数の点灯部としてのセグメント表示部を並べて構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、作業速度用表示部とエンジン負荷用表示部とを夫々、指示針が移動する形式の表示構成としてもよい。又、作業速度用表示部とエンジン負荷用表示部とを夫々、点灯状態と消灯状態とに切り換わる複数の点灯部を並べて構成されるものとしてもよい。又、作業速度用表示部を点灯状態と消灯状態に切り換わる複数の点灯部を並べて構成されるものとして、エンジン負荷用表示部を指示針が移動する形式の表示構成としてもよい。
【0108】
又、点灯状態と消灯状態に切り換わる複数の点灯部を並べる構成として、上記実施形態のようにセグメント表示部に構成するものではなく、表示面に例えば丸形の表示ランプを間隔をあけて複数並べる構成として、その表示ランプを点灯状態と消灯状態とに切り換える形態等、各種の形態で実施してもよい。
【0109】
(3)上記実施形態では、エンジン負荷を検出する構成として、無負荷時のエンジン回転速度(基準回転速度)からのエンジン回転速度低下量によって、エンジンの負荷を検出する構成を例示したが、このような構成に限らず、エンジン負荷を検出する構成としては種々の構成が適用可能である。例えば、エンジンの回転速度を予め定めた目標値になるように燃料供給量を自動調整するように制御する構成として、そのときの燃料供給量からエンジン負荷を求める構成としたり、エンジンの出力軸に掛かる軸トルクを検出してその軸トルクから負荷を求める等、種々の構成を用いることができる。
【0110】
(4)上記実施形態では、前記主表示部の左右両側に一対の副表示部が設けられ、それらの副表示部に、報知情報として、エンジン回転速度と燃料残量とを表示するように構成されるものを例示したが、報知情報として、エンジン回転速度及び燃料残量以外の報知情報を表示するものでもよく、副表示部を主表示部の左右両側に設けることなく、主表示部から離間させて設けてもよい。又、このような副表示部を備えない構成としてもよい。
【0111】
(5)上記実施形態では、前記エンジン負荷用表示部が、コンバインに異常が発生している異常状態においては、複数の点灯部の全てのものが点滅表示する構成としたが、このような異常用の点滅表示を行わない構成としてもよい。
【0112】
(6)上記実施形態では、前記主表示部が、前記報知情報として、作業速度に加えてエンジン負荷を表示するように構成したが、エンジン負荷を表示しない構成としてもよい。
【0113】
(7)上記実施形態では、前記補助表示部が、作業機械に異常が発生している異常状態においては、前記複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を表示する構成としたが、このようなメッセージ情報を表示しない構成としてもよい。
【0114】
(8)上記実施形態では、前記補助表示部が、複数種の報知情報として、揺動選別板上の選別処理物量(シーブ)、グレンタンクにおける穀粒貯留量(モミ)、及び、エンジンの冷却水の温度(水温)の情報等を並べて表示するようにしたが、複数種の報知情報としては、例示したこれらの報知情報に限るものではなく、これらの報知情報並びに作業速度以外の他の各種の報知情報を表示するようにしてもよい。
【0115】
(9)上記実施形態では、前記補助表示部が、前記少数情報表示状態として、前記複数の報知情報のうちのいずれか1つを拡大させた状態で表示する構成を示したが、このような構成に代えて、図13に示すように、エンジンの冷却水の温度(水温)と穀粒貯留量(モミ)とを並べて表示する状態、揺動選別板上の選別処理物量(シーブ)と穀粒貯留量(モミ)とを並べて表示する状態等、前記複数の報知情報のうちの2つの報知情報を表示する状態にて、表示切換スイッチを操作する毎に予め設定される順序で切り換わる構成としてもよい。
【0116】
(10)上記実施形態では、前記補助表示部が、液晶表示器にて構成するものを例示したが、補助表示部は、液晶表示器に限らず、例えばCRT表示装置等の画像表示装置を用いて構成してもよい。
【0117】
(11)上記実施形態では、本発明を作業機械としての刈取収穫用のコンバインに適用したが、本発明はコンバイン以外のトラクタや建設機械などの作業機械に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】全体側面図
【図2】脱穀部の構成図
【図3】動力伝達系を示す図
【図4】表示ユニットの正面図
【図5】エンジン負荷表示計の構成を示す図
【図6】エンジン負荷表示計の構成を示す図
【図7】副変速表示部の構成を示す図
【図8】刈取変速表示部の構成を示す図
【図9】制御ブロック図
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】複数情報表示状態における補助表示部の表示状態を示す図
【図12】少数情報表示状態における補助表示部の表示状態を示す図
【図13】別実施形態の少数情報表示状態における補助表示部の表示状態を示す図
【符号の説明】
【0119】
2 脱穀部
3 貯留部
12 作業速度用表示部
13 エンジン負荷用表示部
13a 点灯部
54 揺動選別板
C 報知情報表示手段
C1 主表示部
C2 副表示部
C3 補助表示部
E エンジン
Q1 速度表示用設定経路
Q2 負荷表示用設定経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の運転において作業者に知らせるべき報知情報を表示する報知情報表示手段を備えた作業機械の表示装置であって、
前記報知情報表示手段が、主表示部と、その主表示部に並設される補助表示部とを備えて構成され、
前記主表示部が、前記報知情報として、作業速度を表示するように構成され、
前記補助表示部が、画像表示式に構成され、且つ、前記報知情報として、前記主表示部にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示するように構成されている作業機械の表示装置。
【請求項2】
前記補助表示部が、
前記複数種の報知情報を並べて表示する複数情報表示状態と、前記複数種の報知情報のうちの前記複数情報表示状態にて表示する報知情報の数よりも少ない数の報知情報を表示する少数情報表示状態とに切り換え自在に構成され、且つ、
前記少数情報表示状態において、表示する報知情報を前記複数情報表示状態にて表示する複数種の報知情報のうちから変更自在に構成されている請求項1記載の作業機械の表示装置。
【請求項3】
前記補助表示部が、前記主表示部の下方側に並設される状態で備えられ、
前記主表示部の左右両側に並設される状態で一対の副表示部が備えられ、それら一対の副表示部が、前記報知情報として、前記主表示部にて表示される報知情報及び前記補助表示部にて表示される前記複数種の報知情報以外の報知情報を表示するように構成されている請求項1又は2記載の作業機械の表示装置。
【請求項4】
前記一対の副表示部が、前記報知情報として、エンジン回転速度と燃料残量とを表示するように構成されている請求項3記載の作業機械の表示装置。
【請求項5】
前記主表示部が、前記報知情報として、前記作業速度に加えてエンジン負荷を表示するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業機械の表示装置。
【請求項6】
前記主表示部が、
最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部を作業速度に応じて移動させる形態で、前記報知情報としての作業速度を表示する作業速度用表示部を備えて構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の作業機械の表示装置。
【請求項7】
前記主表示部が、前記作業速度用表示部に加えて、
最低負荷表示位置と最高負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させる形態で、前記報知情報としてのエンジン負荷を表示するエンジン負荷用表示部を備えて構成されている請求項6記載の作業機械の表示装置。
【請求項8】
前記作業速度用表示部が、
前記速度表示用設定経路を上向き突出の円弧状として、前記作業速度表示用指示部としての指示針を前記速度表示用設定経路に沿って移動させるように構成され、
前記エンジン負荷用表示部が、
前記負荷表示用設定経路を前記速度表示用設定経路の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部を前記負荷表示用指示部として前記負荷表示用設定経路に沿って並設して、前記最低負荷表示位置から前記最高負荷表示位置に向けて並ぶ複数の点灯部のうちで負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とする点灯部の位置を前記負荷表示用設定経路に沿って移動させるように構成されている請求項7記載の作業機械の表示装置。
【請求項9】
前記エンジン負荷用表示部は、作業機械に異常が発生している異常状態においては、エンジン負荷を表示するエンジン負荷表示状態から前記複数の点灯部の全てのものが点滅表示する異常表示状態に切り換わるように構成されている請求項8記載の作業機械の表示装置。
【請求項10】
作業機械が、刈取穀稈の扱処理並びに穀粒選別処理を行う脱穀部と、その脱穀部から供給される穀粒を貯留する貯留部とを備えたコンバインにて構成され、
前記補助表示部が、
作業機械が正常に作動している通常状態においては、前記複数種の報知情報として、前記脱穀部に備えられた揺動選別板上の選別処理物量、前記貯留部における穀粒貯留量、及び、エンジンの冷却水の温度の夫々を並べて表示し、
作業機械に異常が発生している異常状態においては、前記複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を表示するように構成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の作業機械の表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−37511(P2007−37511A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228098(P2005−228098)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】