説明

作業機械の表示装置

【課題】多機能化しても使用する記憶部の容量を抑制可能な作業機械の表示装置を提供すること。
【解決手段】表示部7と、表示部7に表示される画面の背景との境界となる輪郭部51を有する画像データ50が記憶された記憶部32と、表示部7に表示される互いに色の異なる複数の背景上に画像データ50を表示する処理を実行する処理部31とを備え、輪郭部51の色は、前記複数の背景のいずれに画像データ50を表示してもユーザが輪郭部51の内部の画像52を視認可能なように、前記複数の背景の色の少なくとも1つと異なっているものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械の運転室内に設置され、オペレータに種々の情報を表示する作業機械の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等に代表される作業機械の運転室には、機械の作動状況をオペレータに認識させるために、種々の計器が搭載されている。この種の計器としては、例えば、エンジンの回転数計、燃料計、冷却水温計、作動油温度計、作業機械の稼働時間を示すアワメータ等がある。そして、これらの情報を表示するために、各計器に代えて液晶ディスプレイ等の表示装置が利用されることがある。この種の表示装置では、さらに、多関節型の作業装置に装着されるアタッチメントの種類等の認識が行われることもある。また、近年においては、オペレータが機械の操作を行うに当って死角となる位置(とりわけ車両の後方位置)に監視カメラを設置して、当該監視カメラからの映像が表示されるものもある。
【0003】
これらの情報は運転室内に複数の表示装置を設置して表示することも可能であるが、オペレータの前方視野の確保や不要な視点移動の抑制等の観点からは1つの表示装置で表示することが好ましい。また、この場合、各情報を1つの表示装置に同時に表示することも考えられるが、各情報の視認性や優先度等を考慮すると、オペレータの操作に基づいて各情報を切り替えて表示する方法を採用することが好ましい。
【0004】
このように1つの表示装置で各情報を切り替えて表示する場合に利用される技術としては、表示装置に優先的に表示される情報を作業機械の作動状況に応じて自動的に選択することで、オペレータによる表示切り替え操作の低減を図ったものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−81096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のように1つの表示装置で集中的に複数の情報を表示させると、各情報を表示するために利用する図形、記号及び文字等を示す画像データの量も増加するので、表示装置の記憶部に記憶しておくべきデータ量が増加する。特に、上記のように複数の情報を表示する場合には、視認性を向上させるために互いに色の異なる複数の背景を画面上で利用することが多くなるが、この場合には同じ意味をもつ画像データであっても視認性を保持するために背景に応じて色違いのものを用意せざるを得ないときがある。さらに、同一の表示装置又は作業機械を複数の国で利用可能なように複数の言語(例えば、数十の言語)に対応させる場合があるが、この場合には対応言語の数に応じた文字情報を記憶しておく必要があり、記憶部に記憶しておくべきデータ量はさらに増加してしまう。
【0007】
しかし、作業機械の表示装置における制御処理を行うコンピュータとしては、過酷な使用環境でも動作可能で特定の制御処理に特化したマイクロコントローラ(マイコン)が用いられている。マイコンで用いられる記憶部(メモリ)は、いわゆるパソコン等の汎用的なコンピュータに用いられるものと異なり容量あたりの値段が非常に高い。そのため、上記のようなデータ量増加の実情に合わせて安易に容量の大きい記憶部を利用すると作業機械の製造コストが増大してしまう。そこで、使用する画像データを圧縮したり、文字表示の代わりに図形表示を多用したりする等して、可能な限りデータ量を抑制する工夫が採られているが、これらの工夫だけではデータ量の抑制にも限界がある。
【0008】
本発明の目的は多機能化しても使用する記憶部の容量を抑制可能な作業機械の表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、上記目的を達成するために、表示部と、前記表示部に表示される画面の背景との境界となる輪郭部を有する画像データが記憶された記憶部と、前記表示部に表示される互いに色の異なる複数の背景上に前記画像データを表示する処理を実行する処理部とを備え、前記輪郭部の色は、前記複数の背景のいずれに前記画像データを表示してもユーザが前記輪郭部の内部の画像を視認可能なように、前記複数の背景の色の少なくとも1つと異なっているものとする。
【0010】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記輪郭部の色は、さらに、前記複数の背景のいずれかに前記画像データを表示したときにユーザが前記輪郭部を視認困難なように、前記複数の背景の色のいずれかと同一又は類似であるものとする。
【0011】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記輪郭部の内部の画像の色は、前記複数の背景の色のいずれかと同一又は類似であるものとする。
【0012】
(4)上記(1)において、好ましくは、前記画像データは、図形、記号若しくは文字又はこれらの結合を表すものとする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示画面の背景色に合わせて異なる色の画像データを作成する場合と比較して、記憶部の容量を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧ショベルの外観図。
【図2】図1に示した油圧ショベルの運転室内の概略図。
【図3】本発明の実施の形態に係る作業機械の表示装置の概略構成図。
【図4】本発明の実施の形態に係る記憶部32に記憶された画像データのうち、複数の背景上に表示されるものの一例の図。
【図5】本発明の実施の形態における表示部7の基本画面を示す図。
【図6】メイン表示部41に表示されるメインメニュー60を示す図。
【図7】メインメニュー60において作業モード63を選択した場合にメイン表示部41に表示される作業モード選択画面を示す図。
【図8】作業モード選択画面70においてブレーカ72を選択した場合にメイン表示部41に表示される画面を示す図。
【図9】メインメニュー60において設定メニュー64を選択した場合にメイン表示部41に表示される設定メニューを示す図。
【図10】設定メニュー90においてアタッチメント調整92を選択した場合にメイン表示部41に表示される画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る油圧ショベルの外観図である。この図に示す油圧ショベルは、ブーム3a、アーム3b及びバケット(アタッチメント)3cを有する多関節型の作業装置3と、上部旋回体2と、クローラ式の下部走行体1を備えている。ブーム3aは、上部旋回体2に回動可能に支持されており、油圧シリンダ(ブームシリンダ)3dにより駆動される。アーム3bは、ブーム3aに回動可能に支持されており、油圧シリンダ(アームシリンダ)3eにより駆動される。バケット3cは、アーム3bに回動可能に支持されており、油圧シリンダ(バケットシリンダ)3fにより駆動される。上部旋回体2にはオペレータが搭乗して機械の操作を行うための運転室4が設置されている。運転室4内には、運転席5と、作業機械に係る種々の情報を表示する表示装置9と、下部走行体1の走行、上部旋回体2の旋回及び作業装置3の動作を操作するための各種操作装置13(操作レバー等(図2参照))が設置されている。
【0017】
図2は図1に示した油圧ショベルの運転室4内の概略図であり、図3は本発明の実施の形態に係る作業機械の表示装置の概略構成図である。なお、先の図と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する(後の図についても同様とする)。これらの図に示すように、表示装置9は、表示部7と、操作部8と、処理部31と、記憶部32と、通信部33を備えている。このうち、処理部31、記憶部32及び通信部33は、1つの集積回路に組み込まれており、マイクロコントローラ(マイコン)を構成している。
【0018】
表示部7はドットマトリクス型のモニタである。本実施の形態の表示部7は、カラー液晶ディスプレイであり、図2に示すように運転室4内の前方右側に位置するピラー6に設置されている。
【0019】
操作部8は、表示装置9を操作するためのもので、運転室4内に設置されている。本実施の形態に係る操作部8は、図2に示すように、移動決定ボタン10と、戻るボタン11と、メニューボタン12から構成されている。移動決定ボタン10は、いわゆるディスクジョグタイプのセレクタであり、左右に回転可能な円盤状のダイヤルで形成されている。移動決定ボタン10を左右に回転させると、表示部7上の画面でハイライト表示される項目(又はカーソル等)を移動させることができ、選択決定ボタン10を押すとそのハイライト表示されている項目について決定等の操作ができる。戻るボタン11を押すと、現在表示されている画面から1つ前に表示されていた画面に戻ることができる。メニューボタン12を押すと、表示部7のメイン表示部41(図5参照)にメインメニュー(図6参照)を表示させることができる。
【0020】
処理部31は、作業機械に係る情報を表示部7に表示する際に必要な制御及び処理を実行する部分であり、例えばCPUから構成されている。本実施の形態の処理部31は、記憶部32に記憶された画像データを表示部7に表示される背景上に表示する処理を実行する機能を有する。
【0021】
記憶部32は、作業機械に係る情報を表示部7に表示するために必要なデータが記憶されている部分であり、例えばRAM又はROM等から構成されている。記憶部32には、表示部7に表示される画像データとして、図形、記号若しくは文字又はこれらの結合を示すものが記憶されている。なお、表示装置に用いられる文字は決まっているので、記憶部32の容量の節減の観点からは文字を画像データ(すなわち、ビットマップフォント)で記憶しておくことが好ましい。
【0022】
図4は、本発明の実施の形態に係る記憶部32に記憶された画像データのうち、複数の背景上に表示されるものの一例の図である。
【0023】
この図に示す画像データ50a,50bは、表示部7に同時又は個別に表示される互いに色の異なる複数の背景上に表示されるものであり、表示部7に表示される画面の背景との境界となる輪郭部51a,51bと、輪郭部51a,51bの内部に位置する本体部52a,52bから構成されている。本体部52a,52bは、図形、記号若しくは文字又はこれらの結合で構成されており、それ単独で所定の観念を生じさせる部分である。輪郭部51a,51bの色は、互いに色の異なる複数の背景のいずれに画像データ50a,50bを表示してもユーザ(オペレータを含む)が本体部52a,52bを視認可能なように、当該複数の背景の色の少なくとも1つと色相、彩度及び明度の少なくとも1つが異なっている。なお、背景及び本体部52a,52bがともに無彩色のときは、本体部52a,52bが視認可能な程度に互いの明度が異なっていれば良い。
【0024】
このように輪郭部51a,51bを設けると、いずれの背景に表示しても本体部52a,52bの視認性が確保できるので、同一の画像データ50a,50bを複数の背景に流用することができる。その際、本体部52a,52bの色が、上記の互いに色の異なる複数の背景の色のいずれかと同一又は類似である場合には、本体部52a,52bの視認性向上の効果は特に顕著となる。
【0025】
なお、輪郭部51a,51bの色は、上記条件に加えてさらに、前記複数の背景のいずれかに画像データ50a,50bを表示したときにユーザが輪郭部51a,51bを視認困難なように、前記複数の背景の色のいずれかと同一又は類似であることが好ましい。このように輪郭部51a,51bの色を設定すると、当該同一又は類似の背景上に表示したときに、輪郭部51a,51bを目立たなくさせることができ、本体部52a,52bの視認性を向上させることができる。
【0026】
ところで、図4に示した画像データ50a,50bにおける本体部52a,52bは油圧ショベルのアタッチメントの図形を表している。より具体的には、画像データ50aはバケットを示しており、画像データ50bはブレーカを示している。画像データ50a,50bは、黒色背景と灰色背景の上に表示されるもので(詳細は後述)、本体部52a,52bの色は黒色背景と同一の黒色に設定されており、輪郭部51a,51bは灰色背景と類似する白色に設定されている。なお、図4では白色の輪郭部51a,51bが目立ち易いように背景を灰色としているが、この灰色部分は各画像データ50a,50bには含まれない。
【0027】
ここで図3に戻り、通信部33は、作業機械の各部に設置されたECU等の各種制御装置や、各種センサ及びオペレータの死角を監視する監視カメラ等と通信線34を介して接続されており、これら各種機器からデータが入出力される部分である。各種機器から入力されたデータは表示部7に適宜表示される。また、オペレータによって操作部8を介して入力された指示は、各種制御装置に必要に応じて出力され、作業機械の制御に利用される。
【0028】
図5は本発明の実施の形態における表示部7の基本画面を示す図である。この図に示すように、本実施の形態に係る基本画面は、複数の領域に分割されており、メイン表示部41と、作業モード表示部42と、アワメータ表示部43と、日時表示部44と、警告灯表示部45が設けられている。
【0029】
メイン表示部41は、表示する画面を適宜切り替えることで複数の情報が表示可能な部分であり、基本画面において冷却水温及び燃料量表示部41a並びにバックモニタ表示部41bとして利用され、メニューボタン12が押されるとこれらに代わってメインメニュー(図6参照)が表示される部分として利用される。冷却水温及び燃料表示部41aは冷却水温度と燃料残量が表示される部分である。本実施の形態では、アナログメータを模した形式でもって、画面左側に冷却水温度計が表示されており、画面右側に燃料残量計が表示されている。バックモニタ表示部41bは、上部旋回体2の後方に設置された監視カメラ(図示せず)の映像がカラー表示される部分である。
【0030】
作業モード表示部42は、アーム3bの先端にどのようなアタッチメントを取り付けて作業しているかを示す作業モードが表示される部分である。本実施の形態における作業モード表示部42では、作業モードを示すために各アタッチメントの画像が表示されるようになっており、その背景の色は灰色に設定されている。図5の作業モード表示部42には処理部31によってバケットの画像データ50aが表示されており、アーム3bにバケット3cを取り付けた掘削モードが選択されていることが分かる。この画面では、白色の輪郭部51aを有する画像データ50aが灰色背景の上に表示されており、輪郭部51aの色が目立たないようになっている。
【0031】
アワメータ表示部43は作業機械の積算稼働時間が表示される部分である。日時表示部44は日付及び時刻が表示される部分である。警告灯表示部45は各種警告灯のアイコンが表示される部分であり、図5の例ではシートベルト警告灯のアイコンが表示されている。なお、図5に示した各表示部の他にも、例えば、エアコンの設定温度及び設定風量等が表示されるエアコン表示部や、ラジオの設定周波数及び設定音量等が表示されるラジオ表示部等を設けても良い。
【0032】
ここでメイン表示部41に表示される他の画面について説明する。図6はメイン表示部41に表示されるメインメニュー60を示す図である。メニューボタン12を押すとメイン表示部41にメインメニュー60が表示される。本実施の形態におけるメインメニュー60は、ユーザの視認性を確保するために、黒色背景と、当該黒色背景の上に表示される白色文字によって構成されている。さらに、複数のメニュー61,62,63,64が画面縦方向に配置されており、選択されているメニュー(図6の例では「エアコン61」)がハイライト表示される。ハイライト表示時における背景の色は灰色である。移動決定ボタン10を回転させるとその回転方向に応じてハイライト表示が上下に移動する。ハイライト表示を作業モード63に移動させて移動決定ボタン10を押すと、メイン表示部41に作業モード選択画面が表示される。
【0033】
図7はメインメニュー60において作業モード63を選択した場合にメイン表示部41に表示される作業モード選択画面70を示す図である。この図に示す作業モード選択画面70は、メインメニュー60と同様に、黒色背景と白色文字によって主に構成されている。掘削モードを示すメニュー71には、処理部31によって「掘削」という文字とともに画像データ50aが表示されており、ブレーカモードを示すメニュー72には、処理部31によって「ブレーカ」という文字とともに画像データ50bが表示されている。画像データ50aは、図5の作業モード表示部42に表示されていたものと同じものである。画像データ50aにおける本体部52aの色は背景と同じ黒色であるが、白色の輪郭部51aを有しているので、ユーザは本体部52aが示すバケットの形状を視認することができる。一方、図7ではメニュー72はハイライト表示されており、ブレーカを示す画像データ50bは灰色背景の上に表示されている。アタッチメント交換後に作業モード選択画面70で当該交換後のアタッチメントが表示されているメニューを選択すると、当該アタッチメントに応じて油圧回路の切り替えや流量切り替えが行われるので、アタッチメント交換作業を簡単に完了することができる。この画面70で選択した作業モードに係る画像データ50a又は50bは、作業モード表示部42に表示される。これによりユーザは現在選択されている作業モードを基本画面上で確認することができる。なお、図7の作業モード選択画面70には、掘削とブレーカのみが表示されているが、その他にも、アタッチメントとして小割機、破砕機又はバイブロ等を使用する作業モードが選択可能である。
【0034】
図8は作業モード選択画面70においてブレーカ72を選択した場合にメイン表示部41に表示される画面80を示す図である。この画面80は、選択した作業モードにおいて設定されている数値等を表示する画面であり、メインメニュー60と同様に黒色背景と白色文字によって主に構成されている。画面80には、ブレーカを示す画像データ50bが処理部31によって表示されている。画像データ50bは、作業モード選択画面70に表示されていたものと同じものである。画像データ50bにおける本体部52bの色は背景と同じ黒色であるが、白色の輪郭部51bを有しているので、ユーザは本体部52bが示すブレーカの形状を視認することができる。
【0035】
図9はメインメニュー60において設定メニュー64を選択した場合にメイン表示部41に表示される設定メニュー90を示す図である。この図に示す設定メニュー90は、メインメニュー60と同様に、黒色背景と白色文字によって構成されている。設定メニュー90では、複数のメニュー91,92,93,94が画面縦方向に配置されており、選択されているメニュー(図9の例では「アタッチメント調整92」)がハイライト表示される。日付と時刻メニュー91では、日時表示部44に表示される日付と時刻を設定することができる。アタッチメント調整メニュー92では、選択されている作業モードで利用される各種設定値を調整することができる。明るさ調整メニュー93では、表示部7の明るさを調整することができる。Language/言語メニュー94では、表示部7で利用する言語を変更することができる。
【0036】
図10は設定メニュー90においてアタッチメント調整92を選択した場合にメイン表示部41に表示される画面100を示す図である。この図に示した画面100は、作業モードがブレーカのときのポンプ流量の調整画面であり、メインメニュー60等と同様に黒色背景と白色文字によって主に構成されている。画面100には、ブレーカを示す画像データ50bが処理部31によって表示されている。画像データ50bは、作業モード選択画面70及び画面80に表示されていたものと同じものである。画像データ50bにおける本体部52bの色は背景と同じ黒色であるが、白色の輪郭部51bを有しているので、ユーザは本体部52bが示すブレーカの形状を視認することができる。移動決定ボタン10を回転させるとその回転方向及び回転量に応じて画面上のバーが移動してポンプ流量が増減する。所望のポンプ流量に調整して移動決定ボタン10を押すと、そのポンプ流量が作業モードの設定値として設定される。
【0037】
以上のように、本実施の形態では、黒色の本体部52a,52bを有する画像データ50a,50bに白色の輪郭部51a,51bを設けることで、本体部52a,52bと背景色が異なる作業モード表示部42だけでなく本体部52a,52bと背景色が同一の画面70,80,100においてもこれら画像データ50a,50bを視認可能としている。このように画像データ50a,50bに輪郭部51a,51bを設けると、互いに色の異なる複数の背景上に同一の画像データ50a,50bを表示しても視認性を損なうことがないので、背景色に合わせて異なる色の画像データを作成する場合と比較して記憶部32の容量を節減することができる。これにより記憶部32に画像データ以外のデータを追加する余裕ができるので、ハードウェア構成を保持しながらソフトウェア的機能の向上を図ることができ、表示装置の機能面でのさらなる充実を図ることができる。
【0038】
なお、上記においては、アタッチメントを示す画像データを利用する場合について説明したが、その他の図形、記号、文字等を示す画像についても本発明が適用可能であることは言うまでもない。また、上記では、作業機械として油圧ショベルの表示装置について説明してきたが、表示装置が搭載される作業機械は油圧ショベルに限られない。
【符号の説明】
【0039】
7…表示部、8…操作部、9…表示装置、31…処理部、32…記憶部、50a,50b…画像データ、51a,51b…輪郭部、52a,52b…本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に表示される画面の背景との境界となる輪郭部を有する画像データが記憶された記憶部と、
前記表示部に表示される互いに色の異なる複数の背景上に前記画像データを表示する処理を実行する処理部とを備え、
前記輪郭部の色は、前記複数の背景のいずれに前記画像データを表示してもユーザが前記輪郭部の内部の画像を視認可能なように、前記複数の背景の色の少なくとも1つと異なっていることを特徴とする作業機械の表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の表示装置において、
前記輪郭部の色は、さらに、前記複数の背景のいずれかに前記画像データを表示したときにユーザが前記輪郭部を視認困難なように、前記複数の背景の色のいずれかと同一又は類似であることを特徴とする作業機械の表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械の表示装置において、
前記輪郭部の内部の画像の色は、前記複数の背景の色のいずれかと同一又は類似であることを特徴とする作業機械の表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の作業機械の表示装置において、
前記画像データは、図形、記号若しくは文字又はこれらの結合を表すことを特徴とする作業機械の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−231489(P2011−231489A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101211(P2010−101211)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】