説明

作業機

【課題】変速レバーなどの変速走行具の操作により作業機が作動しないようにすることができる作業機を用いて、しかも作業機を用いる場合の作業性がよく、同時に車体の走行性に優れた走行操作が可能な作業機を提供すること。
【解決手段】エンジン動力を走行停止から前進高速域まで変速制御する変速装置41と、該変速装置41の前記変速操作をする変速レバー30を有する走行部と、該走行部に連結した作業部4とを備え、変速レバー30による前進操作に連動して作業部4を作動させる作業作動開始手段122と、作業部4を変速レバー30の前進操作に連動して作動させる状態と変速レバー30の前進操作に連動させない状態に切替できる農作業連動手段124とを備えた作業機であり、前進操作と作業部4の作動・非作動との連動による操作性が従来より向上し、作業部4の非作動状態で前進走行することができ、例えば畦越えやトラックへの積み込み等の非作業状態に対応できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタや苗植機や収穫機等の農用作業機及び土木建設機械等のその他各種の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変速装置を変速操作する変速レバーの操作だけで植付装置などの作業機が昇降作動する構成を備えた作業機による作業性と車体の走行性を共に操作性良く行うことができる苗植機が知られている。前記苗植機において変速レバーが増速側に操作されたときに安定した植付装置の下降が行える構成を備えた発明が特開平7−327424号公報に開示されている。
【特許文献1】特開平7−327424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、畦越え又は機体のトラックへの積み込みなどを行う時に作業機を前進させることが必要になる場合がある。しかし上記特開平7−327424号公報記載の作業機は、変速レバー又は変速ペタルなどの変速走行具の操作により植付装置などの作業機が作動してしまう不具合がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、変速レバーなどの変速走行具の操作により作業機が作動しないようにすることができる作業機を用いて、しかも作業機を用いる場合の作業性がよく、同時に車体の走行性に優れた走行操作が可能な作業機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、走行停止から前進高速域まで変速制御する変速装置41と、該変速装置41の前記変速操作をする変速操作具30を有する走行部と、該走行部に連結した作業部4とを備えた作業機において、変速操作具30の前進操作に連動して作業部4を作動させる作業作動開始手段122と、作業部4を変速操作具30による前進操作に連動して作動させる状態と変速操作具30の前進操作に連動させない状態に切替できる作業連動手段124と、を備えた作業機である。
【0006】
請求項2記載の発明は、走行停止から前進高速域まで変速制御する変速装置41と、該変速装置41の前記変速操作をする変速操作具30を有する走行部と、該走行部に連結した作業部4とを備えた作業機において、前進低速域を除いて、変速操作具30による前進操作に連動して作業部4を作動させる作業作動開始手段を備えた作業機である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、変速操作具30による前進操作に連動して作業部4を作動させる作業作動開始手段122と、作業部4を変速操作具30による前進操作に連動して作動させる状態と変速操作具30による前進操作に連動させない状態に切替できる作業連動手段124とを有するので、前進操作と作業部4の作動・非作動との連動による操作性が従来より向上し、作業部4の非作動状態で前進走行することができ、例えば畦越えやトラックへの積み込み等の非作業状態に対応できる。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、前進低速域では作業開始手段により作業部4が作動しないので、畦越えやトラックへの積み込み時等に低速で前進させるときには作業部4を非作業状態にでき、操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に表された実施の形態について説明する。
本発明による走行車体を備えた作業機の一例である施肥移植機の全体側面図及び平面図を図1及び図2に示す、図3には走行駆動系の平面図、図4にはミッションケースの展開断面図、図5にはベルト式変速装置の平面断面図をそれぞれ示す。
【0010】
施肥移植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して5条植の苗植付部4が昇降可能に設けられ、さらに、走行車体2の後部上側に肥料タンク220L,220R、肥料繰出部221,…等からなる施肥装置5の本体部が設けられている。また、走行車体2の前部左右両端部には、左右各2段づつ予備苗粋6,…が設けられている。
【0011】
走行車体2は、走行部として駆動輪である各左右一対の前輪7,7及び後輪8,8を備えた四輪駆動車両であって、図3に示すように機体の前部に配設されたミッションケース10の左右側面部から前輪アクスルケース11,11が側方に延設され、その先端部に変向可能に設けた前輪ファイナルケース12,12に前輪7,7が回転自在に支承され、また、ミッションケース10の背面部に左右一対のメインフレーム13,13の前端部が固着され、該メインフレーム13,13の後端部から左右側方に延びるリヤフレーム14の先端部に固定して設けた後輪ファイナルケース15,15に後輪8,8が回転自在に支承されている。リヤフレーム14には、昇降リンク装置3を支持する左右一対のリンク支持フレーム16,16が上向きに突設されている。
【0012】
メインフレーム13,13の前後中央部の上方にエンジン20が搭載されており、該エンジンの上側を覆うエンジンカバー21の上に座席22が設置されている。座席22の前方は各種操作機構が内蔵されたボンネット23で、その上方に操向輪である前輪7,7を操向するための操向ハンドル24が設けられている。エンジンカバー21及びボンネット23の周囲は、人が移動したり作業を行ったりするためのステップ25になっている。変速レバー30、副変速レバー31、植付昇降レバー32、クラッチ・ブレーキペダル33、クラッチ・ブレーキレバー34、デフロックペダル35、チョークつまみ36及び昇降制御の感度調節レバー37、アクセルペタル38などの操作具が座席22の回りに設けられている。
【0013】
次に、この走行車体2の動力伝達機構について説明する。
エンジン20の左側面部にエンジン出力軸40が突出し、そのエンジン出力軸40の回転動力がベルト式変速装置41と主クラッチ42d機能付きのベルト伝動装置42とを介してミッションケース10の左側面部に突出するミッション入力軸43に伝達される。また、エンジン出力軸40の延長線上でベルト式変速装置41よりも外側に油圧ポンプ45が設けられ、エンジン出力軸40の回転動力でこの油圧ポンプ45が直接駆動される。このようにベルト式変速装置41やベルト伝動装置42よりも伝動上手側から回転動力を取ることにより、伝動ベルト53などのスリップや脈動による影響を受けず油圧ポンプ45の回転を安定させることができる。
【0014】
ベルト式変速装置41は、エンジン出力軸40に一体回転するように嵌合する駆動プーリ50と中継軸51に回転自在に嵌合する従動プーリ52とに伝動ベルト53を掛け、該ベルト53にテンションプーリ54で張力を付与している。駆動プーリ50及び従動プーリ52は割りプーリになっており、両プーリ50,52の有効径を互いに大小逆側に変更することにより伝動比を変更し、駆動プーリ50の有効径が一定以下になると伝動停止になる。詳しくは、下記のように構成されている。
【0015】
割りプーリである駆動プーリ50と従動プーリ52の各一方の構成部材50a、52aは各々軸40、51に固定され、他方の構成部材50b、52bは各々軸40、51に対して軸方向に摺動自在になっている。可動構成部材50b、52bは各々軸受63、63を介して相互回転自在な変速操作カム64・64によって位置規制されている。この変速操作カム64、64の外面側には円周上の位置によって突出量が異なる円環状の突条64a、64aが形成されており、その各突条64a、64aが固定カム55、65に設けた各ローラ55a、65aにそれぞれ当接している。
【0016】
片方の駆動変速操作カム64のアーム64bには、前進と後進とを切替え操作できる操作レバーである変速レバー30の操作に連動する変速操作ロッド68が連結されている。また、2つの駆動変速操作カム64、64は、両者のアーム64b、64b同士を連結ロッド57で連結している。これにより変速操作ロッド68を前後に移動させると、各変速操作カム64、64が回動してローラ55a、65aへの突条64a、64aの接点が変わり、変速操作カム64、64とそれに位置規制されている可動構成部材50b、52bが伝動ベルト53の張力に応じて軸方向へ移動することにより、駆動プーリ50及び従動プーリ52の有効径が互いに大小逆側に変化する。駆動プーリ50の有効径が大きく、従動プーリ52の有効径が小さいほど低速伝動となる。
【0017】
ベルト伝動装置42は、前記ベルト式変速装置41の従動プーリ52に一体の駆動プーリ42aとミッション入力軸43に取り付けた従動プーリ42bとに伝動ベルト42cを掛け、この伝動ベルト42cにテンションプーリ42dで張力を付加するようにしたもので、テンションプーリ42dを伝動ベルト42cから離すと、エンジン20の回転動力がミッションケース10へ伝動されないテンションプーリ(主クラッチ)42dが「切」の状態になるようになっている。
【0018】
図4はミッションケースの内部構造を示す図である。主クラッチ42d機能付きのベルト伝動装置42を介してミッション入力軸43に入力された回転動力は、副変速レバー31の操作位置に応じて「路上走行速(移動速)」「植付速(作業速)」「超低速」「中立」の各シフト位置を有する副変速装置70を介して副変速軸71に伝達される。そして、副変速軸71の回転動力の一部は、走行用動力として前後進切替装置72を介して四輪ブレーキ軸73に伝達される。前後進切替装置72は、副変速軸71から四輪ブレーキ軸73へ逆転方向に動力を伝達する「前進」と、同方向に動力を伝達する「後進」と、動力を伝達しない「中立」とに切替えるようになっている。副変速装置70はギヤミッションの副変速部、前後進切替装置72はギヤミッションの前後進変速部である。副変速レバー31の操作により、副変速装置70と前後進切替装置72とがシフトチェンジされる。
【0019】
ここで、副変速装置70の構成を説明すると、ミッション入力軸43に形成されたスプライン部43aに駆動小ギヤ70−1・駆動中ギヤ70−2・駆動大ギヤ70−3をミッション入力軸43と一体的に回転すると共に、副変速レバー31の操作により移動するシフタ70aにて左右移動自在に設けている。そして、副変速軸71には、その駆動小ギヤ70−1・駆動中ギヤ70−2・駆動大ギヤ70−3にそれぞれ噛合う従動大ギヤ70−4・従動中ギヤ70−5・従動小ギヤ70−6を固定して設けている。従って、副変速レバー31を操作してシフタ70aにて駆動小ギヤ70−1・駆動中ギヤ70−2・駆動大ギヤ70−3を左右方向に移動させて、駆動小ギヤ70−1と従動大ギヤ70−4とを噛合わせた時には走行速が最も遅い「超低速」となり、駆動中ギヤ70−2と従動中ギヤ70−5とを噛合わせた時には「植付速」となり、駆動大ギヤ70−3と従動小ギヤ70−6とを噛合わせた時には走行速が最も速い「路上走行速」となる。
【0020】
次に、前後進切替装置72の構成を説明すると、ミッション入力軸43上にボールベアリングを介して後進カウンタギヤ72−1を遊転自在に設けている。そして、副変速軸71に形成されたスプライン部71aに前後進切替えギヤ72−2を副変速軸71と一体的に回転すると共に、変速レバー30または副変速レバー31の操作により左右移動するシフタ31aにて左右方向に移動自在に設けている。また、四輪ブレーキ軸73には、前進ギヤ72−3と後進ギヤ72−4とを固定して設けている。
【0021】
従って、副変速レバー31を操作してシフタ31aにて前後進切替えギヤ72−2を左右方向に移動させて、前後進切替えギヤ72−2と前進ギヤ72−3とを噛合わせた時には四輪ブレーキ軸73は正転し機体は前進する。そして、前後進切替えギヤ72−2と後進カウンタギヤ72−1の歯部72−1aとを噛合わせた時には、後進カウンタギヤ72−1の歯部72−1bが後進ギヤ72−4と常時噛合っているので、四輪ブレーキ軸73は逆転し、機体は後進する。一方、変速レバー30又は副変速レバー31を操作してシフタ31aにて前後進切替えギヤ72−2を左右方向に移動させて、前後進切替えギヤ72−2が前進ギヤ72−3と後進カウンタギヤ72−1との何れにも噛合わない位置にしたときには、四輪ブレーキ軸73には動力が伝達されないので、機体が前進も後進もしない「中立」位置となる。
なお、後記のデフ装置76に動力を伝達するギヤ73−1が四輪ブレーキ軸73に固定されている。
【0022】
このように「路上走行速」「植付速」「超低速」のシフト位置を有する副変速装置70を前後進切替装置72よりも、動力伝動上手側に設けたので、簡潔な構成で「路上走行速」「植付速」「超低速」に亘って幅広い後進速度域が設定でき、前後進の変速範囲が広くなり、作業性が向上する。また、速度変速と前後進との切替えを分けたので、両者共に直線的な単純な変速操作となり、作業者はその変速操作位置が明確に判るようになり、操作性が良好となる。
【0023】
さて、四輪ブレーキ軸73には四輪ブレーキ装置75が設けられており、四輪ブレーキ装置75は操作アーム75a(図11)で操作される。そして、四輪ブレーキ軸73の回転動力は、デフ装置76によって左右のフロントアクスル77,77に分配して伝達され、さらに該フロントアクスル77,77によって前輪ファイナルケース12,12に伝動されて前輪7,7を駆動する。また、左右のフロントアクスル77,77には後輪クラッチ・ブレーキ装置78,78がそれぞれ設けられ、該装置78,78を経てミッションケース10の背面部から取り出される後輪駆動用動力が後輪伝動軸79,79を介して後輪ファイナルケース15,15に伝達されて後輪8,8を駆動する。
なお、操向ハンドル24の操作に連動して、自動的に旋回内側の後輪クラッチ・ブレーキ装置78のクラッチが切れてブレーキがきくように作動する構成となっている。
【0024】
副変速軸71の回転動力の残りは、作業装置駆動用の回転動力(PTO)として、一対の株間副変速ギヤ81,82を経由してPTO出力軸83に伝達される。上記株間副変速ギヤ81,82はミッションケース10の右側面の内側に配置されており、その外側に着脱自在に取り付けられたカバー84を外してギヤ比の異なる株間副変速ギヤに交換することが可能である。PTO出力軸83の後端にはPTO伝動軸85が接続され、該軸を介してPTOが植付クラッチケース86へ伝達される。
【0025】
植付クラッチケース86に伝達されたPTOは施肥動力と植付動力とに分岐し、施肥動力は安全クラッチ機能を備えた施肥クラッチを経由して植付クラッチケース86から取り出され、植付動力は株間調節装置及び植付クラッチを経由して植付クラッチケース86から取り出される。植付クラッチケース86から取り出された植付動力は、該ケースの出力部に設けた植付安全クラッチ87を経てから、植付伝動軸88を介して苗植付部4へを伝達される。
【0026】
変速レバー30の操作機構を図6〜図11に示す。図6は変速レバー及び植付昇降レバー32の操作機構の正面図、図7は変速レバー30の操作機構の作用説明用斜視図、図8は変速レバー30のレバーガイド95の平面図、図9は変速レバー30の操作機構の主要部の拡大側面図、図10は電動モータ312の作動フロー図、図11は主クラッチ42d及び四輪ブレーキ装置75の操作を説明する作用説明用の側面図をそれぞれ示す。
【0027】
変速レバー30は操向ハンドル24の左下方に設けられていて、軸90を支点にして左右に回動可能かつ軸91を支点にして前後に回動可能になっている。変速レバー30を左右に操作すると、前後進切替アーム92を介して前後進切替ロッド93が上下動させられ、前後進切替装置72のシフタ31a(図4)に伝えられるようになっている。
【0028】
これにより、変速レバー30を左右に操作すると、前後進切替装置72が「前進」から「後進」に切り替わる。また、変速レバー30を前後に操作すると、連結ロッド94から伝動アシスト機構Aを介してベルト式変速装置41の変速操作ロッド68が前後移動させられ、ベルト式変速装置41が変速操作される。この変速レバー30の操作範囲はレバーガイド95によって規制されている。
【0029】
ここで、伝動アシスト機構Aについて、主に図7により詳しく、その構成を説明する。 機体に設けた回動支持軸300に前感知スイッチ301と後感知スイッチ302とを所定の間隔をあけて設けたセンサ取付け体303を回動自在に設け、このセンサ取付け体303に前記変速レバー30の連結ロッド94を連結している。そして、センサ取付け体303の上端には連続した円弧状の凹凸部304が設けられており、この凹凸部304に機体に回動自在に支持されて引張バネ305にて付勢されたアーム306の先端に回動自在に枢支されたローラ(ベアリング)307が係合している。従って、凹凸部304の各凹部にローラ307が係合する位置で、変速レバー30は位置決めされて、止まるような構成となっており、操縦者が変速レバー30を前後方向に操作する時に、有段変速をしているような感覚を持たせる構成となっている。
【0030】
一方、回動支持軸300に前感知スイッチ301と後感知スイッチ302との間隔に入るカム部308(図9)をその上端部に設けたカム体309と該カム体309と一体回動する扇状ギヤ310と変速操作アーム311とを一体回動するように設け、該変速操作アーム311にベルト式変速装置41を変速する変速操作ロッド68を連結している。また、扇状ギヤ310のギヤ部には、電動モータ312の駆動ギヤ313に噛合する大径従動ギヤ314と一体回動する小径ギヤ315が噛合しており、電動モータ312の駆動ギヤ313が正逆回転することにより扇状ギヤ310が正逆回動して変速操作アーム311を揺動させる。従って、電動モータ312の駆動にて変速操作アーム311を揺動させて、変速操作ロッド68を押し引きしてベルト式変速装置41が変速操作される構成となっている。
【0031】
ここで、前後感知スイッチ301、302とカム部308との関係によって、変速レバー30を前後方向に操作すると電動モータ312が作動してベルト式変速装置41が変速操作される構成を更に詳述する。
いま、変速レバー30が中立位置Nにあり、電動モータ312が作動していない状態では、カム部308は前後感知スイッチ301、302の間にあり、前後感知スイッチ301、302はONになっていない。そして、操縦者が変速レバー30を前進域Fの前側に向けて操作すると、カム部308に後感知スイッチ302の検出部が乗り上がって後感知スイッチ302がONになる。すると、電動モータ312は正転して後感知スイッチ302がONにならない位置まで扇状ギヤ310が回動する為に、変速操作アーム311が揺動してベルト式変速装置41を中立から増速側に変速操作する(変速レバー30が前進域F側にあるときは、前後進切替装置72が「前進」側になっている)。
【0032】
従って、操縦者が変速レバー30を前進域Fの最高速度まで前側に向けて操作するにつれて電動モータ312も正転を続けてベルト式変速装置41を最高速度まで増速側に変速し、前進最高速度になる。逆に、操縦者が変速レバー30を前進域Fの最高速度(最も前側の位置)から後方に向けて操作すると、カム部308に前感知スイッチ301の検出部が乗り上がって前感知スイッチ301がONになる。すると、電動モータ312は逆転して前感知スイッチ301がONにならない位置まで扇状ギヤ310が回動するために、変速操作アーム311が揺動してベルト式変速装置41を前進減速側に変速操作する。従って、操縦者が変速レバー30を前進域Fの最高速度(最も前側の位置)から中立位置Nまで後側に向けて操作するにつれて電動モータ312も逆転を続けてベルト式変速装置41を中立まで減速側に変速する。
【0033】
そして、操縦者が中立位置Nで変速レバー30を前進域F側から後進域R側に左右方向に操作すると、前後進切替装置72が「前進」から「後進」に切り替わり、後進域Rの後進増速側(後側)に操作すると、カム部308に前感知スイッチ301の検出部が乗り上がって前感知スイッチ301がONになる。すると、電動モータ312は逆転して前感知スイッチ301がONにならない位置まで扇状ギヤ310が回動する為に、変速操作アーム311が揺動してベルト式変速装置41を中立から増速側に変速操作する。従って、操縦者が変速レバー30を後進域Rの最高速度まで後側に向けて操作するにつれて電動モータ312も逆転を続けてベルト式変速装置41を最高速度まで増速側に変速し、後進最高速度になる。
【0034】
逆に、操縦者が変速レバー30を後進域Rの最高速度(最も後側の位置)から前方に向けて操作すると、カム部308に後感知スイッチ302の検出部が乗り上がって後感知スイッチ302がONになる。すると、電動モータ312は正転して後感知スイッチ302がONにならない位置まで扇状ギヤ310が回動する為に、変速操作アーム311が揺動してベルト式変速装置41を後進減速側に変速操作する。従って、操縦者が変速レバー30を後進域Rの最高速度(最も後側の位置)から中立位置Nまで前側に向けて操作するにつれて電動モータ312も正転を続けてベルト式変速装置41を中立まで減速側に変速する。
【0035】
一方、扇状ギヤ310を回動させる小径ギヤ315には、先端にベアリング316を回転自在に装着したアーム317が一体回転するように設けられており、変速レバー30を中立位置Nにした時、電動モータ312による小径ギヤ315の回転によりこのアーム317のベアリング316が後述の主クラッチ42dの入り切り及び四輪ブレーキ装置75を作動させる回動軸102に一体に設けた作動アーム318のカム部319を押して、回動軸102を回動させて引っ張りスプリング105aの付勢力に抗してテンションアーム105(図11)を上動させ、ベルト伝動装置42のテンションプーリ42dを伝動ベルト42cから離れさせて主クラッチ42dを切ると同時に、四輪ブレーキ作動ロッド106を引いて四輪ブレーキ装置75のブレーキをかける。
【0036】
この時、テンションアーム105に一体形成された突起部105tと四輪ブレーキ装置75の操作アーム75aとがスプリング105wを介在して四輪ブレーキ作動ロッド106にて連結されているので、四輪ブレーキ装置75は徐々に制動が効いて、急激なブレーキはかからないから機体が急激に停止することが防止でき作業上安全である。そして、変速レバー30が中立位置N以外の位置では、ベアリング316は作動アーム318のカム部319を押さない位置にあり、主クラッチ42dは入りで四輪ブレーキ装置75は作動していない状態である。なお、ベアリング316を回転自在に装着したアーム317及び作動アーム318のカム部319により、連繋機構B(図7)が構成されている。
【0037】
また、作動アーム318と機体との間には、緩衝装置である油圧式ダンパ320が設けられており、変速レバー30を操作することによりアーム317のベアリング316が作動アーム318のカム部319から離れて機体を前進又は後進させる際に、引っ張りスプリング105aの付勢力にてテンションプーリ42dが伝動ベルト42cに急激なテンションをかけて機体が急発進することを防止している。
【0038】
更に、作動アーム318にカム部319を取付ける構成は、作動アーム318に縦長の取付け孔318a、318aを設け、カム部319には取付け孔318a、318aと直交する方向の長孔319a、319aを設けて、ボルト321、321を取付け孔318aと長孔319aを貫通させて両者を固定している。従って、カム部319の取付け位置は、変速レバー30を中立位置Nにした時、適切にアーム317のベアリング316が接当して主クラッチ42dが切ると同時に四輪ブレーキ装置75のブレーキがかかるように調節することができる。また、長年使用してカム部319が摩耗した場合にも、この調節により、変速レバー30を中立位置Nにした時、適切にアーム317のベアリング316が接当して主クラッチ42dが切ると同時に四輪ブレーキ装置75のブレーキがかかるようにすることができる。なお、カム部319には位置ずれを防止する係止用のボルト322が設けられている。
【0039】
一方、図9に示すように前後感知スイッチ301、302は、各々装着板323、323に固定されており、その各装着板323、323には上部にボルト324の径と略同じくらいの取付け孔323aと下部にボルト324の径よりもかなり大きな取付け孔323bが設けてあり、各装着板323、323はこの取付け孔323a、323bにボルト324を挿通してセンサ取付け体303に固定されている。そして、各装着板323、323には位置調節の為の螺子孔325、325が各々設けられており、センサ取付け体303に一体に設けられた起立壁体326、326に固定したナット327、327を螺着挿通した調節螺子328、328の先端部が各装着板323、323の螺子孔325、325にそれぞれ螺着挿通して設けている。
【0040】
従って、各装着板323、323の上下のボルト324、324を少し緩めて、調節螺子328、328を回すと上のボルト324を回動中心として各装着板323、323は下のボルト324が挿通している大きな取付け孔323bの遊び分だけ回動調節できる。即ち、この各装着板323、323の回動調節により、カム体309のカム部308に接触する前後感知スイッチ301、302の接触子301a、302aの位置を微調節することができ、前後感知スイッチ301、302をカム部308に対して適正な位置にした後に、上下のボルト324、324を締め付ければ、前後感知スイッチ301、302をカム部308に対して適正な位置に簡単に取付けることができて、操作系の精度が安定し適切な車速の増減速操作が行える。
【0041】
また、センサ取付け体303には、回動支持軸300と平行にピン体329が固定して設けられており、このピン体329の先端部はカム体309に設けたピン体329の外径よりも少し大きな孔330(ピン体329と孔330との遊びで、前後感知スイッチ301、302の接触子301a、302aがカム部308に乗り上げる)に貫通した状態となっている。このようにセンサ取付け体303のピン体329をカム体309の孔330に貫通させておくことにより、変速レバー30をあまりにも速く操作して、変速レバー30の操作によるセンサ取付け体303の回動速度が電動モータ312による扇状ギヤ310の回動速度よりも速くなった場合に、ピン体329が孔330の端に当って変速レバー30の速い操作を規制する。
【0042】
よって、変速レバー30の操作が常に電動モータ312による扇状ギヤ310の回動速度内におさまり、操作フィーリングが良い。なお、このピン体329及び孔330が規制機構Dを構成している。
【0043】
また、センサ取付け体303とカム体309には、対向してアーム部331、332が各々一体に形成されており、各アーム部331、332には孔331a、332aが設けられ、片方の孔331aにはナット333が溶接固定されている。これは、作業中に電動モータ312が故障した場合に、電動モータ312の駆動ギヤ313と大径従動ギヤ314との噛合を外し(例えば、電動モータ312の駆動ギヤ313と反対側に回動支点を設けておいて、電動モータ312を回動して固定できる構成とすれば、簡単に駆動ギヤ313と大径従動ギヤ314との噛合を外すことができる)、ボルト334を各アーム部331、332の孔331a、332aを貫通してアーム部331のナット333に螺合させてセンサ取付け体303とカム体309とを締め付けて固定すれば、変速レバー30の操作にて直接変速操作アーム311を揺動させて、変速操作ロッド68を押し引き操作してベルト式変速装置41を変速操作することができ、しかも、扇状ギヤ310のギヤ部と小径ギヤ315は噛合したままであるから、変速レバー30を中立位置Nにすれば、アーム317のベアリング316が作動アーム318のカム部319を押して主クラッチ42dを切ると同時に、四輪ブレーキ作動ロッド106を引いて四輪ブレーキ装置75のブレーキをかけることができる。このように、作業中に電動モータ312が故障しても、変速レバー30の操作にて変速操作が行えるので、作業を引き続き行える。従って、作業能率が向上する。尚、作業終了後に、故障した電動モータ312を修理するか新しいものに取りかえれば良い。
【0044】
レバーガイド95は図8に示す形状をしており、変速レバー30の前後位置が中立位置Nにあるときベルト式変速装置41が伝動停止状態になり、これより前方及び後方に操作するとその操作量に応じて上記のように速度が速くなる。また、前後進切替装置72は、変速レバー30が左右中央位置で「PTO」、右側位置で「前進」、左側位置で「後進」となる。「PTO」及び「前進」では変速レバー30を中立位置Nよりも前側の前進域Fにのみ操作することができ、「後進」では変速レバー30をNよりも後側の後進域Rにのみ操作することができる。
【0045】
したがって、変速レバー30をNよりも前方に操作すると常に前進速になり、Nよりも後方に操作すると常に後進速になる。変速レバー30の操作方向と機体の進行方向が一致するので感覚的に分かりやすい。前進速から後進速にあるいはその逆に切り替える際、その過程で必ずベルト式変速装置41が伝動停止状態となるので、主クラッチ42dを「切」にすることなく変速レバー30の操作だけで前後進の切替を行える。また、前進域Fのレバーストロークに比べて後進域Rのレバーストロークを小さくして後進の最大速度を規制しているので、安全である。なお、前後進切替装置72が「PTO」で変速レバー30を前進域Fに操作した場合は、走行部は駆動されず作業装置だけが駆動される。
【0046】
図12及び図13にクラッチ・ブレーキペダル33及びクラッチ・ブレーキレバー34の操作機構を示す。
クラッチ・ブレーキペダル33は座席22の右側足下部に設けられ、支持軸100を支点にして前後に回動自在となっている。また、クラッチ・ブレーキペダル33には、これと一体にクラッチ・ブレーキレバー34が上向きに取り付けられている。
【0047】
クラッチ・ブレーキペダル33と一体回動するアーム101が設けられ、このアーム101とミッションケース10の前方に左右方向に設けた回動軸102の右端部に取り付けたアーム103とがロッド104を介して連結されている。回動軸102の左端部には前記ベルト伝動装置42のテンションプーリ42dを支持するテンションアーム105が取り付けられている。テンションアーム105には、テンションプーリ42dが伝動ベルト42cに張力を付加する方向にテンションアーム105を付勢する引っ張りスプリング105aが取り付けられている。また、このテンションアーム105に一体形成された突起部105tの上端部に設けた穴105u(図11)に四輪ブレーキ作動ロッド106を挿通し、四輪ブレーキ作動ロッド106にはその先端部と突起部105tの背面部とにナット105v、105v(図11)を螺着し、先端部のナット105vと突起部105tとの間にスプリング105wを設けている。従って、テンションアーム105に一体形成された突起部105tと四輪ブレーキ装置75の操作アーム75aとがスプリング105wを介在して四輪ブレーキ作動ロッド106にて連結されている。
【0048】
これにより、クラッチ・ブレーキペダル33を前方に踏み込み操作もしくはクラッチ・ブレーキレバー34を前方に回動操作すると、ベルト伝動装置42のテンションプーリ42dが伝動ベルト42cから離れて主クラッチ42d「切」となるとともに、四輪ブレーキ装置75がブレーキ作動する。
【0049】
そして、テンションアーム105のテンションプーリ42dを回動自在に枢支する支軸105bには、後方に向けて延びた杆体105cの基部が溶接固定されている。
【0050】
一方、機体にはブレーキ解除アーム105dが支持軸105eに回動自在に枢支されており、そして、このブレーキ解除アーム105dは連結板105fにて四輪ブレーキ装置75の操作アーム75aに連係されており、ブレーキ解除アーム105dの先端は直角に折れ曲がった形状にしてあり、この折れ曲がった部分は平面視で杆体105cと重なる位置になっている。この杆体105c及びブレーキ解除アーム105dが機械式連繋機構Cを構成している。尚、連結板105fには長孔105gが設けられており、連係ピン75bをこの長孔105gに挿通して操作アーム75aの先端部に連結している。また、連係ピン75bは、前記四輪ブレーキ作動ロッド106の連結孔にも挿通されており、四輪ブレーキ作動ロッド106を操作アーム75aの先端部に連結している。
【0051】
上記杆体105cとブレーキ解除アーム105dの作動を説明すると、クラッチ・ブレーキペダル33を前方に踏み込み操作もしくはクラッチ・ブレーキレバー34を前方に回動操作すると(または、変速レバー30を中立位置Nに操作して、電動モータ312による小径ギヤ315の回転によりアーム317のベアリング316が作動アーム318のカム部319を押した時)、テンションプーリ42dが伝動ベルト42cから離れて主クラッチ42d「切」となるとともに、四輪ブレーキ作動ロッド106が引かれて操作アーム75aが前方に回動して四輪ブレーキ装置75がブレーキ作動する。この時、操作アーム75aの前方回動により、連結板105fが引かれてブレーキ解除アーム105dが仮想線の状態のように上動する。そして、テンションアーム105に設けた杆体105cは、ブレーキ解除アーム105d先端の折れ曲がった部分よりも上方に位置する。
【0052】
次に、クラッチ・ブレーキペダル33の前方踏み込み操作を止めるかもしくはクラッチ・ブレーキレバー34を後方に回動操作すると(または、変速レバー30を中立位置Nから前進域Fもしくは後進域Rで前後操作すると)、引っ張りスプリング105aの付勢力によりテンションプーリ42dが下動し、伝動ベルト42cにテンションをかけて主クラッチ42d「入」となるとともに、四輪ブレーキ作動ロッド106が戻されて操作アーム75aが後方に回動して四輪ブレーキ装置75のブレーキが解除される。しかしテンションプーリ42dの下動により伝動ベルト42cには直ちにテンションがかかり主クラッチ42d「入」となるが、四輪ブレーキ装置75はブレーキの構造上(ディスクブレーキの場合はブレーキ板の圧着をバネで外すのに多少時間がかかる。ドラムブレーキの場合はブレーキシューの圧着をバネで外すのに多少時間がかかる。
【0053】
いずれにしろ、バネにて部材を圧接させたブレーキ作動を切るものであるので、多少の時間が必要となる。)直ちには作動がきれず徐々にブレーキが解除される場合がある。そこで、この実施例では、テンションプーリ42dが下動する時に、テンションプーリ42dと一体の杆体105cが下方に位置するブレーキ解除アーム105d先端の折れ曲がった部分に接当して、強制的にブレーキ解除アーム105dを上動した仮想線の状態から下動した実線の状態に回動させる。すると、ブレーキ解除アーム105dの下動にて連結板105fが引かれて操作アーム75aが強制的に後方回動し、四輪ブレーキ装置75は即座にブレーキが解除される。
【0054】
従って、主クラッチ42dが「入」となる時には、四輪ブレーキ装置75のブレーキが強制的に即座に解除されるので、ブレーキが利いたまま発進してブレーキの寿命を短くしてしまうようなことが防止でき、適正な作業が行える。
【0055】
また、クラッチ・ブレーキペダル33には、先端部が鍵状に形成されたロックアーム110が回動自在に設けられ、これがトルクスプリング111によって一定方向に付勢されている。これにより、クラッチ・ブレーキペダル33又はクラッチ・ブレーキレバー34を一定以上操作すると、ロックアーム110の鍵状部がロックピン112に係合し、クラッチ・ブレーキペダル33及びクラッチ・ブレーキレバー34がその操作位置のままに保持され、機体が停止状態に維持される。
【0056】
クラッチ・ブレーキレバー34の前側に設けられたロック解除レバー113をクラッチ・ブレーキレバー34側に引き寄せ操作すると、ロックアーム110がロックピン112から外れ、引っ張りスプリング105aの付勢力によりクラッチ・ブレーキペダル33及びクラッチ・ブレーキレバー34が通常位置に戻り、主クラッチ42d「入」となるとともに、四輪ブレーキ装置75のブレーキ作動が解除される。
【0057】
このように、ミッションケース10の右側に設けたクラッチ・ブレーキペダル33及びクラッチ・ブレーキレバー34の操作力は、ミッションケース10の前側に配置した回動軸112を経由して、ミッションケース10の左側に設けたベルト伝動装置42のテンションプーリ42dを作動させることにより、操作機構を簡略な構成とし、ステップ25の下側の限られた空間内に無理なく配置することができる。
【0058】
植付昇降レバー32の操作機構を図6及び図14に示す。植付昇降レバー32は操向ハンドル24の右下方に設けられていて、軸130を支点にして前後に回動可能になっている。植付昇降レバー32の回動は中継筒軸131を経由して、植付クラッチケース86及び後述する油圧バルブ176の各操作部へ伝達される。中継筒軸131に一体に取り付けられた操作位置決め用の植付昇降カム132にはローラ支持アーム133に回転自在に支持されたカムローラ134が当接している。ローラ支持アーム133は、スプリング135によってカムローラ134が植付昇降カム132に当接する側に付勢されている。これにより、植付昇降レバー32は、苗植付部を上昇させる「上げ」、苗植付部を昇降させない「中立」、苗植付部を下降させる「下げ」、苗植付部に植付をさせる「植付」の各操作位置で安定して保持される。
これらの植付昇降レバー32の位置は植付昇降レバーセンサ125により検出できる。
【0059】
図6及び図15に示すように、ローラ支持アーム133とステアリングポスト137との間にリフト部材138が回動自在に設けられている。操向ハンドル24が一定角度以上操作されると、ステアリング軸139に取り付けられた山形カム140がピン141を押すことによりリフト部材138が回動する。すると、リフト部材の丸棒部138aがローラ支持アーム133を押し上げて、カムローラ134による植付昇降カム132の規制がなくなるので、スプリング142の張力により植付昇降レバー32が「上げ」まで回動する。したがって、操向ハンドル24を一定角度以上操作すると、苗植付部4が自動的に上昇する。
【0060】
また、図6及び図16に示すように、リフト部材138と前記前後進切替アーム92との間にバックリフトアーム143が設けられている。変速レバー30が「後進」に操作されると、前後進切替アーム92がバックリフトアーム143のローラ143aを押し上げることにより、バックリフトアーム143を介してリフト部材138を回動させ、上記と同様に植付昇降レバー32が「上げ」まで回動する。したがって、変速レバー30を「後進」に操作すると、苗植付部4が自動的に上昇する。バックリフトアーム143が元に戻ろうとする復元力は変速レバー30の左右回動支点(軸90)の方向に作用し、変速レバー30が「後進」に操作された状態では上記復元力が前後進切替アーム92の外端面で受けられるので、変速レバー30を「前後進中立(PTO)」に戻す方向に力がかからず変速レバー30が「後進」の操作位置で安定する。
【0061】
バックリフトアーム143は回動支点軸144に摺動自在に支持されており、バックリフト解除レバー145を操作して前後にスライドさせられるようになっている。バックリフトアーム143を後方にスライドさせた状態では、バックリフトアーム143が前後進切替アーム92及びリフト部材138に対し前後位置がずれた状態となり、変速レバー30を「後進」に操作しても苗植付部4が上昇しない。
【0062】
昇降リンク装置3は、前記リンク支持フレーム16,16に側面視で互いに平行な上リンク170及び左右一対の下リンク171,171が回動自在に支持され、これら各リンクの後端部に連結枠172が枢結されている。連結枠172には苗植付部4から前方に突出するローリング軸173が挿入され、苗植付部4がローリング自在に連結されている。下リンク171,171と一体回動するスイングアーム174が設けられ、メインフレーム13,13に基部側が支持された油圧シリンダ175のピストンロッドが上記スイングアーム174に連結されている。油圧シリンダ175を伸縮させると、各リンクが上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。油圧シリンダ175を制御する油圧バルブ176は、機体右側部のステップ25下側に設けられている。
【0063】
苗植付部4は、伝動機構が内蔵された苗植付部フレーム180に、苗を載せて左右往復動すると共に各条ごとに苗送りベルト181a,…が苗を下方へ搬送して所定の苗取出口181b,…に一株づつ供給する苗載台181、前記苗敢出口181b,…に供給される苗を取り出して表土面に植え付ける5組の苗植付装置183,…、植付作業時に次行程における機体進路の左右中心を表土面に線引きする左右の線引きマーカ184,184、整地用のセンターフロート185及びサイドフロート186,186等が組み付けられている。
【0064】
変速レバー30の左右方向への操作で前後進切替装置72により車両の前後進の切り替えを行い、また変速レバー30の前後方向への操作で伝動アシスト機構Aと変速操作ロッド68を介してのベルト式変速装置41の増減速の変速操作を行う。
【0065】
このとき、図17に示すように、変速レバー30の前方向への操作の任意の位置で苗植付部4の「入」、「切」を自動的に行えるように植付モータ121を作動させる構成とする。この苗植付部4の「入」はレバーガイド95の前進3段の変速位置の第1段と第2段の間にレバー30が中立位置から操作されてくると作動開始し、第3段までの間に該レバー30があると作動するバネ式の植付作動スイッチ122がオンすると植付モータ121が作動して苗植付部4を「入」にする構成である。
【0066】
前進3段の変速位置の第1段の低速段で植付作動スイッチ122がオフであることにより、このような構成で、畦越時又はトラック荷台への荷物の積み込みなどの時には植付作動スイッチ122がオフである前記低速段に位置に変速レバー30をシフトさせることで、苗植付部4を作動させないで容易に走行できる。
【0067】
また、上記構成は、ノークラッチ式の変速装置41で前後進及び増減速できる1本の変速レバー30で苗植付部4の「入」、「切」もできるので、移植機の操作性が優れたものとなる。
【0068】
また、変速レバー30の前方向への操作があっても苗植付部4の植付クラッチ123(図17)を作動させたくない場合には前記植付作動スイッチ122とは別個に設けられた植付連動スイッチ124を「手動」又は「切」位置に合わせることで可能となる。
【0069】
また、前記植付作動スイッチ122、植付連動スイッチ124とは独立して植付昇降レバー32の作動を検出できるセンサを設けているので、植付連動スイッチ124が「自動」又は「手動」位置であれば該レバー32を手動操作して苗植付部4の電磁油圧バルブ176を作動させる昇降と植付クラッチ123の「入」、「切」を行うことができる。
【0070】
上記変速レバー30の前方向への操作での植付作動スイッチ122と植付連動スイッチ124の作動と植付モータ121の作動の関係及び植付昇降レバーセンサ124の作動と電磁油圧バルブ176の作動との関係を図18と図19のフローチャートに示す。
【0071】
図18のフローで植付昇降レバーセンサ125が作動してなく、植付連動スイッチ124の自動が選択されているときは植付作動スイッチ122がオンであると、苗植付部4が圃場に下降するまでのタイミングを考慮してタイマーで所定時間経過後に植付モータ121が作動して植付クラッチ123をオンとして苗の植え付けが始まる。
【0072】
また、図19のフローでは植付連動スイッチ124の自動が選択されているときに、植付作動スイッチ122がオンであると、電磁油圧バルブ176が苗植付部4を下降させ、また植付作動スイッチ122がオフであると、電磁油圧バルブ176が苗植付部4を上昇させる。また、植付連動スイッチ124が「手動」又は「切」であると、電磁油圧バルブ176は植付昇降レバーセンサ125の検出値に応じた出力をする。
【0073】
図20にはスロットルレバー126とアクセルペタル38を有し、副変速装置70に「路上走行速(移動速)」、「超低速」及び「植付速(作業速又は標準速)」があるので、エンジン20のアクセル状態を制御する構成図を示す。
【0074】
副変速レバー31を移動速(路上走行の高速段)にすると、副変速レバー31に連動してスロットルレバー126がスロットルアーム127をアイドリングに戻す構成である。従ってその後アクセルペタル38を踏み込むとエンジン20はアクセルペタル38の踏み込み量に応じた回転数で回転する。
【0075】
通常移植機などの農作業機は圃場で苗の植え付けを規則正しく行うために一定速度で走行させることが重要であるが、そのためにスロットルレバー126の操作位置を固定しておき、エンジン出力を一定にすることが行われている。しかし上記農作業機が路上走行をする場合にはスロットルレバー126を固定にしておくと、路上で変速走行ができなくなる。そこで図20に示す構成により、副変速レバー31を移動速にした場合には副変速レバー31に連動してスロットルレバー126がアイドリング位置に戻り、その結果スロットルアーム127がアイドリング状態に戻る構成にすることで、その後アクセルペタル38を踏み込むとエンジン20はアクセルペタル38の踏み込み量に応じた回転数で回転して操縦者の意思に従った走行速度で路上を走行できる。
【0076】
図21に示すように、変速レバー30の操作で電動モータ312を作動させ、そのアシストによりベルト式変速装置41を増減速させる構成を採用する本実施例において、ベルト式変速装置41の増速に伴いスロットルアーム127を連動させている。スロットルアーム127とその作動用ワイヤ128を変速操作アーム311を介してベルト式変速装置41のテンションプーリ54に連動させ、ベルト式変速装置41の変速制御に伴いスロットルアーム127を作動させることができる。こうして、変速レバー30の1本で車両の増減速をベルト式変速装置41とスロットルアーム127で同時に行えるので、減速時には特に便利である。また、モータアシストでベルト式変速装置41を変速でき、変速レバー30に余分な操作力を必要としない利点もある。
【0077】
図22に示すようにベルト式変速装置41の変速用の電動モータ312を用いてベルト式変速装置41の変速と同時にエンジン20のスロットル弁の開度調整を行うことができる。
【0078】
この場合には、電動モータ312の回転軸に固着したギア313に扇形状の変速操作アーム311のギアを噛合させ、該扇形状アーム311の回転軸に偏芯ギア351を設け、該偏芯ギア351と噛合する偏芯ギア352の回転軸にベルコンアーム353を設け、該ベルコンアーム353で、変速操作ロッド68を前後させてベルト式変速装置41の変速操作カム58を作動させてベルト式変速装置41の変速制御を行う。またベルコンアーム353にはエンジン20のスロットル弁を作動させるスロットルアーム127に接続したワイヤ128を接続している。
【0079】
図23は図22に示す構成により得られる車両の走行速度と変速レバー30の位置との関係を示すグラフである。変速レバー30の作動初期には変速量が小さく走行速度はゆっくりで、中−高速になると素早く速くなる。このように急発進と急減速(停止)時のショックを低減して、苗植付作業時における苗植付精度向上を図ることができる。
【0080】
また、図24に示す制御装置の構成により、車両の停止状態から最初の1段への変速時のみ、超低速に自動で変速させることができる。すなわち、変速レバー30の一段目のみは副変速レバー31の超低速に連動させるように、副変速レバーセンサ354による副変速レバー31の変速位置(移動速、超低速、植付速(標準速))の検出値に応じて副変速用電磁ソレノイド356を作動制御し、あとは変速レバー30(変速レバーセンサ355により変速位置検出)と副変速レバー31は独立に変速制御される構成にソフト的に設定することができる。そのためのフローチャートを図25に示す。
こうして、急発進を防止して変速ショックを無くした操作性の良い発進が可能となる。
【0081】
図4に示す後輪クラッチ・ブレーキ装置78の一部拡大図を図26に示すが、ブレーキ用のプレート155をシフタ154によりミッションケース壁面157に押え付けているが、該プレート155とミッションケース壁面157の間に回転可能なシフタ156を設けておく構成を採用することで、ブレーキ装置78のオン、オフを農作業の状況に応じて切り替えることができる。図27には図26のシフタ154を詳細は示していないが外部からの操作で90度回転させた状態を示す。
【0082】
圃場条件によってブレーキ装置78を作動させたくない場合にはシフタ154を図27に示すように図26に示す場合から90度回転させるとプレート155とミッションケース壁面157の間に空間部を介してシフタ154が配置されることになり、後輪クラッチ・ブレーキ装置78が作動しない。
【0083】
図28にはハンドル24操作で左右ブレーキのプレート155(図26,図27)作動用のシフタ156(L),156(R)が作動する機構を示す。ハンドル24が左又は右方向に旋回操作されると、ピットマンアーム158に設けられた一対の溝158(L)又は158(R)内を摺動するバネ付きロッド159(L)又は159(R)が作動して、該バネ付きロッド159(L)又は159(R)に固着したアーム160(L)又は160(R)を作動させる。アーム160(L)又は160(R)のバネ付きロッド159(L)又は159(R)に固着した側とは反対側の端部には、それぞれアーム160(L)又は160(R)に固着した156(L)又は156(R)を備えているので、ハンドル24の操作で左右いずれかの156(L)又は156(R)が作動して、旋回内側の車輪側のブレーキが作動する。
【0084】
例えば、旋回内側の旋回クラッチを切り、次にブレーキが作動する移植機などの旋回方法において、上記構成でまず、前記クラッチを切るだけの旋回状態にすることができる。たとえば、圃場が硬いときにはブレーキをかけると圃場の土を持ち上げることがあるが、上記構成でこのような不具合を防ぐことができるので、圃場条件に適応して性能を発揮できる車両が得られる。
【0085】
ベルト式変速装置41に代えて図29に示すようにHST(油圧式無段変速装置)162を用いる場合に、HST162のトラニオン軸163に固定したアーム164の回動角とスロットルアーム127の回動角をHSTモータ165により作動させる構成において、HSTモータ165の回転軸ギア166と噛合する扇形状アーム167の回転軸上の偏芯ギヤ169を設け、このギア169に噛合する偏芯ギア168を前記アーム164に固定する。なお、該アーム164はスロットルアーム127とはワイヤ128を介して連動する。
【0086】
こうして、トラニオン軸163の回動角とスロットルアーム127の回動角を図29に示すように互いに噛合する偏芯ギヤ168,169によって低速域はゆっくり、中−高速域は素速く変速させるように構成しても良い。図29(a)にはHST162のケース壁面に設けたHSTトラニオンアーム164の回動角(HST162の斜板の傾斜角度に対応)とスロットルアーム127の回動角(スロットル弁の開度に対応)をHSTモータ165の駆動力で偏芯ギヤ169を回動させる構成を示し、図29(b)にはHST162のトラニオンアーム164の回動角と増速側のHSTモータ165の作動時間との関係を示す。
【0087】
従来はHST162のトラニオンアーム164の回動角は一定速度による増減速だったため、特に路上走行速において急減速や急加速した場合、ショックが大きかった。また、作業速においても、急加減速した場合、植付が乱れることが多かった。しかし本実施例ではHST162の変速とエンジン回転を共に偏芯ギア168,169で操作することで、車両の発進←→低速領域はゆっくり増減速し、中速←→高速間は素速く増減速させるようにしたので、移動速における安全性向上、植付精度が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、トラクタや苗植機や収穫機等の農用作業機及び土木建設機械等のその他各種の作業機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例の移植機の側面図である。
【図2】図1の移植機の平面図である。
【図3】図1の移植機の走行駆動系の平面図である。
【図4】図1の移植機のミッションケースの展開断面図である。
【図5】図1の移植機のベルト式変速装置の平面断面図である。
【図6】図1の移植機の変速レバー及び植付昇降レバーの操作機構の正面図である。
【図7】図1の移植機の変速レバーの操作機構の作用説明用斜視図である。
【図8】図1の移植機の変速レバーのレバーガイドの平面図である。
【図9】図1の移植機の変速レバーの操作機構の主要部の拡大側面図である。
【図10】図1の移植機の電動モータの作動フロー図である。
【図11】図1の移植機の主クラッチ42d及び四輪ブレーキ装置の操作を説明する作用説明用の側面図である。
【図12】図1の移植機のクラッチ・ブレーキペダルのクラッチ・ブレーキペダル及びクラッチ・ブレーキレバーの操作機構の平面図である。
【図13】図1の移植機のクラッチ・ブレーキペダルのクラッチ・ブレーキペダル及びクラッチ・ブレーキレバーの操作機構の側面図である。
【図14】図1の移植機の植付昇降レバーの操作機構の側面図である。
【図15】図1の移植機の図6のS1−S1断面図である。
【図16】図1の移植機の図6のS2−S2断面図である。
【図17】図1の移植機の一部制御ブロック図である。
【図18】図17の苗植付部の作動制御フロー図である。
【図19】図17の苗植付部の作動制御フロー図である。
【図20】図1の移植機のエンジンのアクセル状態を制御する構成図である。
【図21】図1の移植機の変速装置とエンジンのアクセル状態の連動制御の構成図である。
【図22】図1の移植機の変速装置とエンジンのアクセル状態の連動制御の構成図である。
【図23】図21の制御構成による車両の走行速度と変速レバーの位置との関係図である。
【図24】図1の移植機の一部制御ブロック図である。
【図25】図24の苗植付部の作動制御フロー図である。
【図26】図1の移植機の後輪クラッチ・ブレーキ装置の一部拡大図である。
【図27】図1の移植機の後輪クラッチ・ブレーキ装置の一部拡大図である。
【図28】図26の左右ブレーキのプレート作動用のシフタの作動機構図である。
【図29】本発明の他の実施例のHSTを用いる場合の変速操作の作用説明用斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1 施肥移植機 2 走行車体
3 昇降リンク装置 4 苗植付部
5 施肥装置 6 予備苗粋
7 前輪 8 後輪
10ミッションケース 11 前輪アクスルケース
12 前輪ファイナルケース 13 メインフレーム
14 リヤフーム 15 後輪ファイナルケース
16 リンク支持フレーム 20 エンジン
21 エンジンカバー 22 座席
23 ボンネット 24 操向ハンドル
25 ステップ 30 変速レバー
31 副変速レバー 31a シフタ
32 植付昇降レバー 33 クラッチ・ブレーキペダル
34 クラッチ・ブレーキレバー 35 デフロックペダル
36 チョークつまみ 37 感度調節レバー
38 アクセルペタル 40 エンジン出力軸
41 ベルト式変速装置 42 ベルト伝動装置
42a 駆動プーリ 42b 従動プーリ
42c 伝動ベルト 42d 主クラッチ機能(テンションプーリ)
43 ミッション入力軸 43a スプライン部
45 油圧ポンプ 50 駆動プーリ
50b、52b 可動構成部材 51 中継軸
52 従動プーリ 50a、50b 駆動プーリの構成部材
52a、52b 従動プーリの構成部材
53 伝動ベルト
54 テンションプーリ 55、65 固定カム
55a、65a ローラ 57 連結ロッド
58 変速操作カム 63 軸受
64 変速操作カム
64a 円環状の突条 64b アーム
68 変速操作ロッド
70 副変速装置 70−1 駆動小ギヤ
70−2 駆動中ギヤ 70−3 駆動大ギヤ
70−4 従動大ギヤ 70−5 従動中ギヤ
70−6 従動小ギヤ 70a シフタ
71 副変速軸 71a スプライン部
72 前後進切替装置 72−1 後進カウンタギヤ
72−1a 後進カウンタギヤ72−1の歯部
72−1b 後進カウンタギヤ72−1の歯部
72−2 前後進切替えギヤ 72−3 前進ギヤ
72−4 後進ギヤ 73 四輪ブレーキ軸
73−1 ギヤ 75 四輪ブレーキ装置
75a 操作アーム 75b 連係ピン
76 デフ装置 77 フロントアクスル
78 後輪クラッチ・ブレーキ装置
79 後輪伝動軸 81,82 株間副変速ギヤ
83 PTO出力軸 84 カバー
85 PTO伝動軸
86 植付クラッチケース 87 植付安全クラッチ
88 植付伝動軸 90、91 軸
92 前後進切替アーム 93 前後進切替ロッド
94 連結ロッド 95 レバーガイド
100支持軸 101 アーム
102 回動軸 103 アーム
104 ロッド 105 テンションアーム
105a 引っ張りスプリング 105b 支軸
105c 杆体 105d ブレーキ解除アーム
105e 支持軸 105f 連結板
105g 長孔 105t 突起部
105u 穴 105w スプリング
105v ナット 106 四輪ブレーキ作動ロッド
110 ロックアーム 111 トルクスプリング
112 ロックピン 113 ロック解除レバー
121 植付モータ 122 植付作動スイッチ
123 植付クラッチ 124 植付連動スイッチ
125 植付昇降レバーセンサ 126 スロットルレバー
127 スロットルアーム 128 作動用ワイヤ
130 軸 131 中継筒軸
132 植付昇降カム 133 ローラ支持アーム
134 カムローラ 135 スプリング
137 ステアリングポスト 138 リフト部材
138a リフト部材の丸棒部 139 ステアリング軸
140 山形カム 141 ピン
142 スプリング 143 バックリフトアーム
143a ローラ 144 回動支点軸
145 バックリフト解除レバー
154 シフタ 155 プレート
156 シフタ 157 ミッションケース壁面
158 ピットマンアーム 158(L)、158(R) 溝
159(L)、159(R) バネ付きロッド
160(L),160(R) アーム
162 HST 163 トラニオン軸
164 アーム 165 HSTモータ
166 回転軸ギヤ 167 扇形状アーム
168,169 偏芯ギヤ 170 上リンク
171 下リンク 172 連結枠
173 ローリング軸 174 スイングアーム
175 油圧シリンダ 176 油圧バルブ
180 苗植付部フレーム 181 苗載台
181a 苗送りベルト 181b 苗取出口
183 苗植付装置 184 線引きマーカ
185 センターフロート 186 サイドフロート
220L,220R 肥料タンク 221 肥料繰出部
300 回動支持軸 301 前感知スイッチ
301a、302a 接触子 302 後感知スイッチ
303 センサ取付け体 304 円弧状の凹凸部
305 引張バネ 306 アーム
307 ローラ(ベアリング) 308 カム部
309 カム体 310 扇状ギヤ
311 変速操作アーム 312 電動モータ
313 駆動ギヤ 314 大径従動ギヤ
315 小径ギヤ 316 ベアリング
317 アーム 318 作動アーム
318a 取付け孔 319 カム部
319a 長孔 320 油圧式ダンパ
321 ボルト 322 係止用のボルト
323 装着板 323a、323b 取付け孔
324 ボルト 325 螺子孔
326 起立壁体 327 ナット
328 調節螺子 329 ピン体
330 孔 331、332 アーム部
331a、332a 孔 333 ナット
334 ボルト 351、352 偏芯ギア
353 ベルコンアーム 354 副変速レバーセンサ
355 変速レバーセンサ 356 副変速用電磁ソレノイド
A 伝動アシスト機構 B 連繋機構
C 機械式連繋機構 D 規制機構
N 中立位置 F 前進域
R 後進域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行停止から前進高速域まで変速制御する変速装置41と、該変速装置41の前記変速操作をする変速操作具30を有する走行部と、該走行部に連結した作業部4とを備えた作業機において、
変速操作具30の前進操作に連動して作業部4を作動させる作業作動開始手段122と、
作業部4を変速操作具30による前進操作に連動して作動させる状態と変速操作具30の前進操作に連動させない状態に切替できる作業連動手段124と、
を備えたことを特徴とする作業機。
【請求項2】
走行停止から前進高速域まで変速制御する変速装置41と、該変速装置41の前記変速操作をする変速操作具30を有する走行部と、該走行部に連結した作業部4とを備えた作業機において、
前進低速域を除いて、変速操作具30による前進操作に連動して作業部4を作動させる作業作動開始手段を備えたことを特徴とする作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−14638(P2006−14638A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194623(P2004−194623)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】