作業車のブーム駆動制御装置
【課題】電動モータとエンジンを使用してブームを駆動する場合に作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができる作業車のブーム駆動制御装置を提供する。
【解決手段】ブーム駆動制御装置14は、ブーム7を駆動させる駆動モードとして、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備えている。バッテリモードは、ブーム7を電動モータ133で駆動させる駆動モードである。ハイブリッドモードは、ブーム7を電動モータ133で短時間駆動させた後にエンジン123で駆動させつつ作業用バッテリ131の充電を行う駆動モードである。PTOモードは、ブーム7をエンジン123で駆動させる駆動モードである。さらに、このブーム駆動制御装置14は、3つの駆動モードをモード切替スイッチ144により手動で切り替えるように構成されている。
【解決手段】ブーム駆動制御装置14は、ブーム7を駆動させる駆動モードとして、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備えている。バッテリモードは、ブーム7を電動モータ133で駆動させる駆動モードである。ハイブリッドモードは、ブーム7を電動モータ133で短時間駆動させた後にエンジン123で駆動させつつ作業用バッテリ131の充電を行う駆動モードである。PTOモードは、ブーム7をエンジン123で駆動させる駆動モードである。さらに、このブーム駆動制御装置14は、3つの駆動モードをモード切替スイッチ144により手動で切り替えるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業車等のブームを備えた作業車のブーム駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高所作業車等のブームを備えた作業車の中には、ブームの駆動に電動モータとエンジンの両方を使用しているものがある。この場合、電動モータとエンジンの駆動を制御してブームの駆動を制御するブーム駆動制御装置としては、以下の(1)と(2)のような2つの駆動モードを使用したものが知られている。
【0003】
(1)バッテリモードとPTOモードを使用したブーム駆動制御装置。
(2)ハイブリッドモードとPTOモードを使用したブーム駆動制御装置(特許文献1、2参照)。
【0004】
各駆動モードを説明すると、バッテリモードは、ブームを電動モータで駆動させる駆動モードである。PTOモードは、ブームをエンジンで駆動させる駆動モードである。また、ハイブリッドモードは、バッテリモードが所定時間動作した後にPTOモードに移行する駆動モードである。具体的に説明すると、ブームを最初に電動モータで所定時間駆動させた後にエンジンで駆動させて電動モータを停止させる。また、エンジンを駆動させているときには電動モータに接続しているバッテリを充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−8194号公報
【特許文献2】特開2009−19689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の(1)や(2)のブーム駆動制御装置では以下の問題がある。
【0007】
(1)のブーム駆動制御装置は、夜間等、作業現場の騒音を抑えたい状況からバッテリモードを使用したいときにバッテリの残量が少ないことからバッテリモードを使用できないと、作業車を充電施設に移動してバッテリを充電しなければならない。
【0008】
(2)のブーム駆動制御装置はハイブリッドモードを備えているため、(1)のブーム駆動制御装置のようにバッテリを充電しなくても良い。しかし、ハイブリッドモードはバッテリモードが短時間しか動作しないので、作業現場で長時間バッテリモードを使用したい要求に応えることができない。
【0009】
したがって、従来の作業車のブーム駆動制御装置は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用できず、ブームを用いた作業の作業効率が良くなかった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、電動モータとエンジンを使用してブームを駆動する場合に、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができる作業車のブーム駆動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、鋭意研究の結果、前記課題を解決するために以下のような作業車のブーム駆動制御装置を採用した。
【0012】
本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、
作業車に設けられたブームを駆動する電動モータおよびエンジンの駆動を制御して前記ブームの駆動を制御する作業車のブーム駆動制御装置において、
前記ブームを駆動させる駆動モードとして、前記ブームを前記電動モータで駆動させるバッテリモードと、前記ブームを前記電動モータで所定時間駆動させた後に前記エンジンで駆動させつつ前記電動モータを停止して前記電動モータに接続されたバッテリの充電を行うハイブリッドモードと、前記ブームを前記エンジンで駆動させるPTOモードとを備え、これらの3つの駆動モードを自動または手動で切り替えることを特徴としている。
【0013】
ここで、3つの駆動モードを自動で切り替えるときに、バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモードを使用し、バッテリの残量が第1閾値以下で、且つ、第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードを使用し、バッテリの残量が第2閾値以下の場合はPTOモードを使用するようにしても良い。
【0014】
また、3つの駆動モードを手動で切り替えるときに、バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合は3つの駆動モードのいずれも使用可能にし、バッテリの残量が第1閾値以下で、且つ、第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合にはPTOモードを使用可能にするようにしても良い。
【0015】
また、本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、3つの駆動モードを自動で切り替える自動切換モードと、3つの駆動モードを手動で切り替える手動切換モードと、自動切換モードと手動切換モードを操作者が選択する選択手段とを備えるようにしても良い。
【0016】
また、本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、作動中の駆動モードを操作者に知らせる報知手段を備えるようにしても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを自動または手動で切り替えるようにした。したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。また、バッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、作業現場の状況に応じて最適なブームの駆動モードを使用することができる。また、この結果、ブームを用いた作業の作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態の作業車の側面図である。(b)は同実施の形態の作業車の後面図である。
【図2】同実施の形態の上部操作盤の正面図である。
【図3】同実施の形態の下部操作盤の正面図である。
【図4】同実施の形態のブームの駆動システムを示すブロック図である。
【図5】同実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図6】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図8】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図10】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図12】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1の(a)は本発明の第1の実施の形態の作業車1の側面図であり、図1の(b)は作業車1の後面図である。この作業車1は、高所で作業を行うために使用される高所作業車である。
【0021】
最初に作業車1の全体的な構成を簡単に説明する。作業車1は、走行機能を有する車両の本体部分である車体2と、車体2の前方に取付けられた走行用キャビン3と、車体2の上側に旋回自在に取り付けられた旋回台4とを備えている。
【0022】
車体2の四隅には、転倒防止用のアウトリガ5が取り付けられている。旋回台4の上部にはポスト6が立設されている。ポスト6にはブーム7が取り付けられており、ブーム7の先端にはバケット8が取り付けられている。
【0023】
ブーム7は、基端ブーム7aと中間ブーム(図示せず)と先端ブーム7bとが入れ子式に接続されて構成されている。各ブームは、内部で伸縮シリンダ(図示せず)により連結されており、伸縮シリンダが伸縮することで伸縮する。
【0024】
基端ブーム7aは、図示しないが、ポスト6に水平に設置された支持軸に基端部が上下に回動自在に取り付けられている。ポスト6と基端ブーム7aとには起伏シリンダ9が架け渡されて結合している。この起伏シリンダ9は伸縮可能に形成されており、起伏シリンダ9が伸びることによりブーム7全体が起仰する。
【0025】
バケット8は、作業者が高所作業を行うために搭乗する作業台として使用されるものである。このバケット8は、先端ブーム7bの先端に水平を維持した状態で左右に回動自在に取り付けられている。
【0026】
バケット8の上端側面には図2に示すように上部操作盤101が設けられている。この上部操作盤101は、作業者がバケット8に搭乗した状態でブーム7の旋回・起伏・伸縮操作、バケット8のスイング操作等を行うものである。
【0027】
車体2の後部には、図1の(b)や図3に示すように下部操作盤102が設けられている。この下部操作盤102は、ブーム7の旋回・起伏・伸縮・格納操作、アウトリガ5の張出・格納操作、エンジン始動・停止等を行うものである。
【0028】
また、本実施の形態の作業車1では、電動モータとエンジンを使用して油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプから発生される油圧によってブーム7を駆動している。以下に具体的に説明する。
【0029】
図4は、ブーム7の駆動システム11を示すブロック図である。この駆動システム11は、エンジン駆動装置12、電動モータ駆動装置13、ブーム駆動制御装置14、油圧ポンプ15を備えている。
【0030】
エンジン駆動装置12は、エンジンを使用してブーム7を駆動するものである。このエンジン駆動装置12は、車両バッテリ121、車両バッテリ121に接続したスタータ122、スタータ122に接続したエンジン123、エンジン123に接続したオルタネータ124、オルタネータ124と車両バッテリ121に接続したバッテリチャージャ125を備えている。
【0031】
車両バッテリ121は、エンジン123を始動させる電源である。スタータ122は、エンジン123の始動を行うものである。オルタネータ124は、エンジンの回転を利用して発電を行うものである。バッテリチャージャ125はオルタネータ124によって発生した電力を充電するものであり、車両バッテリ121と後述の作業用バッテリ131に電力を供給する。このときに車両バッテリ121の残量が少ない場合には車両バッテリ121の方に優先して電力を供給する(充電する)等、車両バッテリ121と作業用バッテリ131とへの充電に優先順位をつけても良い。
【0032】
エンジン123には、図示しないがエンジン123からの動力を取り出すPTO(Power Take Off)が設けられている。このPTOには油圧ポンプ15が接続している。油圧ポンプ15はブーム駆動装置17に接続しており、ブーム駆動装置17にはブーム7が接続している。油圧ポンプ15は、PTOによって回転して油圧を発生し、この油圧を利用してブーム駆動装置17を駆動してブーム7を駆動する。
【0033】
電動モータ駆動装置13は、電動モータ133を使用してブーム7を駆動するものである。この電動モータ駆動装置13は、バッテリチャージャ125、バッテリチャージャ125に接続した作業用バッテリ131、作業用バッテリ131に接続したバッテリ充電器132および電動モータ133を備えている。
【0034】
作業用バッテリ131とバッテリ充電器132は、図1の(a)に示すように車体2の上側に設けられた機器収容部20内に収容されている。電動モータ133は、車体2の底部に設置されている。
【0035】
バッテリ充電器132はプラグ(図示せず)を備えており、このプラグを充電施設等の家庭用コンセント16に差し込んで作業用バッテリ131に電力を供給する。作業用バッテリ131は、バッテリ充電器132から供給される電力とバッテリチャージャ125から供給される電力が充電されるものである。
【0036】
電動モータ133は、作業用バッテリ131から供給された電力により駆動する。電動モータ133には油圧ポンプ18が接続している。油圧ポンプ18はブーム駆動装置17に接続している。油圧ポンプ18は電動モータ133によって回転して油圧を発生し、この油圧を利用してブーム駆動装置17を駆動してブーム7を駆動する。
【0037】
ブーム駆動制御装置14は、エンジン駆動装置12と電動モータ駆動装置13の駆動を制御してブーム7の駆動を制御するものである。このブーム駆動制御装置14は、電動モータ133に接続したモータ温度検出手段141、作業用バッテリ131に接続したバッテリ残量検出手段142、モータ温度検出手段141およびバッテリ残量検出手段142に接続した作業用コントローラ143、作業用コントローラ143に接続したモード切替スイッチ144、モード表示ランプ145、車両コントローラ146を備えている。
【0038】
車両コントローラ146は、車両バッテリ121とスタータ122との接続のオン・オフを行ってエンジン123の駆動を制御するものである。
【0039】
モータ温度検出手段141は電動モータ133の温度を検出するものであり、温度センサ等が使用される。
【0040】
バッテリ残量検出手段142は、作業用バッテリ131に充電されている電力の残量を検出するものである。本実施の形態では、電力の残量の検出に作業用バッテリ131の電圧値を使用している。なお、電力の残量を検出する方法としては、作業用バッテリ131の電圧値を使用する方法に限定されず、この方法以外の方法でも良い。
【0041】
作業用コントローラ143は、電動モータ133や車両コントローラ146の駆動を制御してブーム7の駆動を制御するものである。この作業用コントローラ143は、ブーム7を駆動させる駆動モードとして3つの駆動モード(バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモード)を備えている。
【0042】
図5は、作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。図5を用いて作業用コントローラ143の制御内容を説明する。バッテリモードは、ブーム7を電動モータ133で駆動させる駆動モードである。ハイブリッドモードは、ブーム7を電動モータ133で所定時間駆動させた後にエンジン123(PTO)で駆動させつつ電動モータ133を停止して作業用バッテリ131の充電を行う駆動モードである。PTOモードは、ブーム7をエンジン123(PTO)で駆動させる駆動モードである。なお、ハイブリッドモードでは、エンジン駆動中に作業用バッテリ131に充電を行う。また、ハイブリッドモードを停止したときには所定時間後にエンジンが停止するようになっている。
【0043】
さらに作業用コントローラ143は、3つの駆動モードをモード切替スイッチ144により手動で切り替えるように構成されている。このモード切替スイッチ144は、レバー式であり、上部操作盤101(図2参照)や下部操作盤102(図3参照)に設けられている。
【0044】
また、駆動モードの切り替えは、バッテリ残量検出手段142により検出された作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行う。作業用コントローラ143には、駆動モードを切り替えるときの指標になる電圧値である第1閾値と、第1閾値よりも小さい第2閾値が予め設定されている。第1閾値は、バッテリモードをハイブリッドモードまたはPTOモードに切り替えるときの指標になる電圧値である。第2閾値は、ハイブリッドモードをPTOモードに切り替えるときの指標になる電圧値である。
【0045】
具体的に説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも使用可能にし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用可能にしている。
【0046】
また、モード表示ランプ145は、図2と図3に示すように上部操作盤101と下部操作盤102に設けられている。このモード表示ランプ145は、作動中の駆動モードを操作者に知らせる本発明の報知手段である。本実施の形態では、モード表示ランプ145を1個で2色(緑色と赤色)点灯するものを使用している。
【0047】
図5を用いてモード表示ランプ145の具体的な表示方法を説明する。バッテリモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は、モード表示ランプ145が緑色に点灯してバッテリモードが作動する。作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はモード表示ランプ145は緑色に点滅する。この場合にはバッテリモードが作動しないので、操作者はハイブリッドモード又はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0048】
ハイブリッドモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きい場合は、モード表示ランプ145が赤色に点灯してハイブリッドモードが作動する。作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下の場合は、モード表示ランプ145が赤色に点滅する。この場合はハイブリッドモードやバッテリモードが作動しないので、操作者はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0049】
PTOモードを選択したときには、作業用バッテリ131の電圧値に関係なく、モード表示ランプ145は消灯してPTOモードが作動する。
【0050】
また、駆動モードの切り替えは、作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行う他に、モータ温度検出手段141で検出された電動モータ133の温度に基づいて行う。作業用コントローラ143には、切り替えの指標になる電動モータ133の温度(閾値)が予め設定されている。
【0051】
図5を用いて具体的に説明すると、バッテリモードまたはハイブリッドモードを選択したときに電動モータ133の温度が閾値よりも大きい場合は電動モータが作動しない。このときにはモード表示ランプ145は緑色と赤色が同時に点滅する。したがって、操作者はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0052】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図6のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0053】
(ステップSA1)
まず最初に作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモード(Bモード)が選択されているか否かを判断する。
【0054】
(ステップSA2)
作業用コントローラ143は、バッテリモードが選択されていると判断した場合は(ステップSA1でYES)、モータ温度検出手段141により電動モータ133の温度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0055】
(ステップSA3)
作業用コントローラ143は、電動モータ133の温度が閾値以下と判断した場合は(ステップSA2でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0056】
(ステップSA4)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA3でYES)、バッテリモードを作動してブーム7を電動モータ133で駆動させる。このときにモード表示ランプ145に緑色を点灯させる。
【0057】
(ステップSA5)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下と判断した場合は(ステップSA3でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0058】
(ステップSA6)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA5でYES)、モード表示ランプ145に緑色を点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、バッテリモードが作動していた場合はバッテリモードを一旦停止させてブーム7の駆動を一旦停止させる。また、バッテリモードの選択時の場合はバッテリモードが作動せず、ブーム7は駆動しない。
【0059】
なお、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合は(ステップSA5でNO)、モード表示ランプ145に赤色を点滅させる(ステップSA12)。操作者は、モード表示ランプ145が赤色に点滅していることからバッテリモードやハイブリッドモード(HBモード)を使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからPTOモードに切り替える(ステップSA13)。
【0060】
(ステップSA7)
操作者は、モード表示ランプ145が緑色に点滅していることからバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからハイブリッドモードまたはPTOモードに切り替える。
【0061】
(ステップSA8)
また、作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSA1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0062】
(ステップSA9)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSA8でYES)、モータ温度検出手段141により電動モータ133の温度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0063】
(ステップSA10)
作業用コントローラ143は、電動モータ133の温度が閾値以下と判断した場合は(ステップSA9でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値より大きいか否かを判断する。
【0064】
(ステップSA11)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA10でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145に赤色を点灯させる。これにより、開始時から所定時間はブーム7を電動モータ133で駆動し、それ以降はエンジン123で駆動する。エンジン123の駆動中はオルタネータ124によりバッテリチャージャ125を介して作業用バッテリ131に充電が行われる。
【0065】
(ステップSA12)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合は(ステップSA10でNO)、モード表示ランプ145に赤色を点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが作動していた場合はハイブリッドモードを一旦停止させてブーム7の駆動を一旦停止させる。また、ハイブリッドモードの選択時の場合はハイブリッドモードが作動せず、ブーム7は駆動しない。
【0066】
(ステップSA13)
操作者は、モード表示ランプ145が赤色に点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをハイブリッドモードからPTOモードに切り替える。
【0067】
(ステップSA14)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSA8でNO)、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯し、ブーム7をエンジン123で駆動させる。
【0068】
(ステップSA15)
また作業用コントローラ143は、バッテリモードやハイブリッドモードの選択時において電動モータ133の温度が閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA2やステップSA9でYES)、モード表示ランプ145に赤色と緑色を同時に点滅させる。このときにはバッテリモードやハイブリッドモードが作動せず、ブーム7は駆動しない。
【0069】
(ステップSA16)
操作者は、モード表示ランプ145が赤色と緑色に同時に点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをハイブリッドモードからPTOモードに切り替える。これにより、作業用コントローラ143はステップSA14の制御処理を行う。つまり、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯し、ブーム7をエンジン123で駆動させる。
【0070】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを手動で切り替えるようにした。
【0071】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。また、バッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができる。また、この結果、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。
【0072】
また、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、駆動モードの切り替えを作業用バッテリ131の残量(電圧値)に基づいて行うようにした。したがって、各駆動モードを確実に作動させることが可能になる。よって、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを確実に使用でき、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0073】
また、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業用バッテリ131の電圧値に第1閾値と第2閾値を設定した。これにより、作業用バッテリ131が完全に放電するのを防ぐことが可能になるので、作業用バッテリ131の劣化を防ぐことができる。
【0074】
さらに、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、駆動モードの切り替えを手動で行うようにした。ここで、図5に示したように、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は3つの駆動モードのいずれも使用可能にし、第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合にはPTOモードを使用可能にしている。
【0075】
つまり、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きい場合は複数の駆動モードが使用可能になるので駆動モードの選択肢が広がる。よって、作業現場の状況に応じてより最適な駆動モードを使用することが可能になり、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0076】
また、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、モード表示ランプ145を用いて作動中の駆動モードを操作者に知らせるようにした。これにより、操作者は作動中の駆動モードを容易に認識することが可能になり、作業用バッテリ131の容量も容易に認識することが可能になる。よって、作業現場の状況に応じてより最適な駆動モードを使用することが可能になり、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0077】
また、モード表示ランプ145の個数を1個に設定したことにより、操作盤(上部操作盤101、下部操作盤102)のモード表示ランプの設置スペースが抑えられ、操作盤の大型化を抑えることができる。また、操作盤の部品点数も抑えられるため、操作盤の製造コストを抑えることもできる。
【0078】
さらに、モード切替スイッチ144の個数を1個に設定したので、操作盤のモード切替スイッチ144の設置スペースが抑えられ、操作盤の大型化をさらに抑えることができる。また、操作盤の部品点数もさらに抑えられるため、操作盤の製造コストをさらに抑えることができる。
【0079】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では駆動モードを手動で切り替える場合を説明したが、本実施の形態では駆動モードを自動で切り替える場合について説明する。
【0080】
本実施の形態のブーム7の駆動システムは、図4で示した第1の実施の形態のブーム7の駆動システム11と同じ構成である。本実施の形態では第1の実施の形態の駆動システム11を流用して第1の実施の形態と異なる部分を中心にして説明する。なお、駆動モードとしては、第1の実施の形態と同様に3つの駆動モード(バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモード)があり、モード切替スイッチ144を使用して自動モード切替えを選択するようになっている。
【0081】
図7は、本実施の形態の作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。本実施の形態の作業用コントローラ143では、駆動モードの切替を第1の実施の形態と同様に作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行い、切り替えの指標になる電圧値(第1閾値と第2閾値)が予め設定されている。
【0082】
第1閾値と第2閾値を用いた制御方法について説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも開始可能とし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを開始可能とし、第2閾値以下の場合はPTOモードを開始可能としている。
【0083】
また、作業用コントローラ143は、駆動モードの自動切替の際に、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモードを使用し、第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードを使用し、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用するようにしている。つまり、作業用バッテリ131の残量が少なくなるにつれて、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードの順に移行する。
【0084】
また、モード表示ランプ145の表示方法について説明すると、バッテリモードのときには緑色に点灯し、ハイブリッドモードのときには赤色に点灯し、PTOモードのときには消灯する。
【0085】
また、作業用コントローラ143は、駆動モードの自動切替に際して、第1の実施の形態と同様に電動モータ133の温度を使用し、切り替えの指標になる電動モータ133の温度(閾値)が予め設定されている。具体的には、バッテリモードまたはハイブリッドモードのときに電動モータ133の温度が閾値よりも大きい場合はPTOモードに自動的に切り替わる。
【0086】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図8のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0087】
ステップSB1〜ステップSB5の制御処理は、第1の実施の形態の図6で説明したステップSA1〜ステップSA5の制御処理と同じである。ここでは、ステップSB5以降の制御処理について説明する。
【0088】
(ステップSB6)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSB5でYES)、ハイブリッドモードを作動し、モード表示ランプ145に赤色を点灯させる。
【0089】
(ステップSB7)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSB1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0090】
(ステップSB8)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSB7でYES)、モータ温度検出手段141により電動モータ133の温度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0091】
(ステップSB9)
作業用コントローラ143は、電動モータ133の温度が閾値以下であると判断した場合は(ステップSB8でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値より大きいか否かを判断する。
【0092】
(ステップSB10)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSB9でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145に赤色を点灯させる。
【0093】
(ステップSB11)
また、作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合(ステップSB7でNO)、電動モータ133の温度が閾値よりも大きいと判断した場合(ステップSB2やステップSB8でYES)、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合(ステップSB5やステップSB9でNO)には、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯する。
【0094】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、第1の実施の形態と同様にバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを自動で切り替えるようにした。
【0095】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。またバッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができ、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。その他の作用効果については第1の実施の形態で説明した通りである。また、駆動モードの切り替えを自動で行うようにしたので、手動の場合に比べて駆動モードの切り替え操作がなくなり、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0096】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態や第2の実施の形態ではモード表示ランプ145に表示する色を2色にした場合を説明したが、本実施の形態では単色にした場合の制御処理について説明する。
【0097】
本実施の形態のブーム7の駆動システムは、図4で示した第1の実施の形態のブーム7の駆動システム11からモータ温度検出手段141を外した構成である。本実施の形態では、第1の実施の形態の駆動システム11を流用して第1の実施の形態と異なる部分を中心にして説明する。なお、駆動モードの切り替えはモード切替スイッチ144により手動で行う。
【0098】
図9は、本実施の形態の作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。本実施の形態の作業用コントローラ143では、駆動モードの切替を第1の実施の形態と同様に作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行い、切り替えの指標になる電圧値(第1閾値と第2閾値)が予め設定されている。
【0099】
第1閾値と第2閾値を用いた制御方法について説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも使用可能にし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用可能にしている。
【0100】
また、モード表示ランプ145の表示方法について説明すると、バッテリモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は点灯してバッテリモードが作動する。また、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はゆっくり点滅する。この場合はバッテリモードが作動しないので、操作者はハイブリッドモード又はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0101】
ハイブリッドモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きい場合はモード表示ランプ145がはやく点滅してハイブリッドモードが作動する。作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下の場合は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅する。この場合はハイブリッドモードやバッテリモードが作動しないので、PTOモードに手動で切り替えることになる。
【0102】
PTOモードを選択したときには、作業用バッテリ131の電圧値に関係なく、モード表示ランプ145は消灯してPTOモードが作動する。
【0103】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図10のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0104】
(ステップSC1)
まず最初に作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されているか否かを判断する。
【0105】
(ステップSC2)
作業用コントローラ143は、バッテリモードが選択されていると判断した場合は(ステップSC1でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0106】
(ステップSC3)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSC2でYES)、バッテリモードを作動してモード表示ランプ145を点灯させる。
【0107】
(ステップSC4)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下と判断した場合は(ステップSC2でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0108】
(ステップSC5)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSC4でYES)、モード表示ランプ145をゆっくり点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、バッテリモードが作動していた場合はバッテリモードを一旦停止させ、バッテリモードの選択時の場合はバッテリモードを作動させない。
【0109】
なお、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合は(ステップSC4でNO)、モード表示ランプ145をゆっくり点滅させる(ステップSC10)。操作者は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからPTOモードに切り替える(ステップSC11)。
【0110】
(ステップSC6)
操作者は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅していることからバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからハイブリッドモードまたはPTOモードに切り替える。
【0111】
(ステップSC7)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSC1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0112】
(ステップSC8)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSC7でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値より大きいか否かを判断する。
【0113】
(ステップSC9)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSC8でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145をはやく点滅させる。
【0114】
(ステップSC10)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下と判断した場合は(ステップSC8でNO)、モード表示ランプ145をゆっくり点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが作動していた場合はハイブリッドモードを一旦停止させ、ハイブリッドモードの選択時の場合はハイブリッドモードを作動させない。
【0115】
(ステップSC11)
操作者は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをハイブリッドモードからPTOモードに切り替える。
【0116】
(ステップSC12)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSC7でNO)、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯する。
【0117】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、第1の実施の形態と同様にバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを手動で切り替えるようにした。
【0118】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。またバッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができ、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。
【0119】
さらに本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、モード表示ランプ145に単色を表示するものを使用したので、第1の実施の形態や第2の実施の形態のように2色を表示するものを使用する場合に比べてモード表示ランプ145のコストが抑えられ、これによりブーム駆動制御装置14全体のコストを抑えることができる。その他の作用効果については第1の実施の形態で説明した通りである。
【0120】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では、モード表示ランプ145に表示する色を単色にした場合に駆動モードを手動で切り替える場合を説明したが、本実施の形態では駆動モードを自動で切り替える場合について説明する。
【0121】
本実施の形態のブーム7の駆動システムは、第3の実施の形態のブーム7の駆動システムと同じ構成である。つまり、図4で示した第1の実施の形態のブーム7の駆動システム11からモータ温度検出手段141を外した構成である。本実施の形態では第1の実施の形態の駆動システム11を流用して第1の実施の形態と異なる部分を中心にして説明する。なお、駆動モードとしては、第1の実施の形態と同様に3つの駆動モード(バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモード)があり、モード切替スイッチ144を使用して自動モード切替えを選択するようになっている。
【0122】
図11は、本実施の形態の作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。本実施の形態の作業用コントローラ143では、駆動モードの切替を第1の実施の形態と同様に作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行い、切り替えの指標になる電圧値(第1閾値と第2閾値)が予め設定されている。
【0123】
第1閾値と第2閾値を用いた制御方法について説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも開始可能にし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを開始可能にし、第2閾値以下の場合はPTOモードを開始可能にしている。
【0124】
また、作業用コントローラ143は、駆動モードの自動切替の際に、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモードを使用し、第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードを使用し、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用するようにしている。つまり、作業用バッテリ131の残量が少なくなるにつれて、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードの順に移行する。
【0125】
また、モード表示ランプ145の表示方法について説明すると、バッテリモードのときには点灯し、ハイブリッドモードのときには点滅し、PTOモードのときには消灯するようにしている。
【0126】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図12のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0127】
(ステップSD1)
まず最初に作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されているか否かを判断する。
【0128】
(ステップSD2)
作業用コントローラ143は、バッテリモードが選択されている場合は(ステップSD1でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0129】
(ステップSD3)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSD2でYES)、バッテリモードを作動してモード表示ランプ145を点灯させる。
【0130】
(ステップSD4)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下と判断した場合は(ステップSD2でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0131】
(ステップSD5)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSD4でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145を点滅させる。
【0132】
(ステップSD6)
また、作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSD1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0133】
(ステップSD7)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSD6でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0134】
(ステップSD8)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSD7でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145を点滅させる。
【0135】
(ステップSD9)
また、作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合(ステップSD6でNO)、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合(ステップSD4やステップSD7でNO)には、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯する。
【0136】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、第1の実施の形態と同様に、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを自動で切り替えるようにした。
【0137】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。またバッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができ、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。
【0138】
さらに本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、モード表示ランプ145に単色を表示するものを使用したので、第1の実施の形態や第2の実施の形態のように2色を表示するものを使用する場合に比べてモード表示ランプ145のコストが抑えられ、これによりブーム駆動制御装置14全体のコストを抑えることができる。その他の作用効果については第1の実施の形態で説明した通りである。
【0139】
以上、本発明に係る実施の形態を例示したが、この実施の形態は本発明の内容を限定するものではない。また、本発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。
【0140】
例えば、上記の各実施の形態では、3つの駆動モードを自動で切り替える場合のみ、または手動で切り替える場合のみについて説明したが、自動切替と手動切替の両方を選択して行うようにしても良い。
【0141】
具体的には、作業用コントローラに、3つの駆動モードを自動で切り替える自動切換モードと、3つの駆動モードを手動で切り替える手動切換モードと、自動切換モードと手動切換モードを操作者が選択する選択手段(スイッチ、レバー、ダイヤル等)を設ける。これにより操作者は、作業現場の状況に応じて駆動モードの切り替えを自動で行うか手動で行うかを選択できるので、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0142】
また、上記の各実施の形態では、バッテリを車両バッテリ121と作業用バッテリ131とに分けて構成したが、これらをまとめて1つのバッテリとし、このバッテリの残量に基づいて駆動モードの切り替えを行っても良い。
【0143】
また、上記の各実施の形態では、モード切替スイッチ144の個数を1個に設定して3つの駆動モードを順次切り替えるようにしたが、駆動モードの数が増えてもモード切替スイッチ144の個数を1個に設定することは可能である。モード切替スイッチの形態としては、上記の各実施の形態で説明したレバー式の他にプッシュ式やダイヤル式等でも良い。また、モード表示ランプを各駆動モード毎に分けて設定しても良い。
【0144】
また、報知手段としてランプ(モード表示ランプ145)を使用したが、その他には数字表示器を用いて駆動モード毎に異なる数字を表示するようにしても良い。また、電子音報知器により連続音と持続音を鳴らして各駆動モードを知らせたり、スピーカーを使用して音声により各駆動モードを知らせたり、モニターを使用して各駆動モードを表示するようにしても良い。
【0145】
また、上記の各実施の形態では作業用バッテリ131の電圧値の第2閾値を第1閾値よりも小さく設定したが、第2閾値を第1閾値と等しく設定しても良い。また、上記の各実施の形態で説明した制御内容をブーム7の駆動制御に適用する他に、アウトリガ5の駆動制御等に適用しても良い。
【符号の説明】
【0146】
1 作業車
7 ブーム
14 ブーム駆動制御装置
123 エンジン
131 作業用バッテリ
133 電動モータ
145 モード表示ランプ(報知手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業車等のブームを備えた作業車のブーム駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高所作業車等のブームを備えた作業車の中には、ブームの駆動に電動モータとエンジンの両方を使用しているものがある。この場合、電動モータとエンジンの駆動を制御してブームの駆動を制御するブーム駆動制御装置としては、以下の(1)と(2)のような2つの駆動モードを使用したものが知られている。
【0003】
(1)バッテリモードとPTOモードを使用したブーム駆動制御装置。
(2)ハイブリッドモードとPTOモードを使用したブーム駆動制御装置(特許文献1、2参照)。
【0004】
各駆動モードを説明すると、バッテリモードは、ブームを電動モータで駆動させる駆動モードである。PTOモードは、ブームをエンジンで駆動させる駆動モードである。また、ハイブリッドモードは、バッテリモードが所定時間動作した後にPTOモードに移行する駆動モードである。具体的に説明すると、ブームを最初に電動モータで所定時間駆動させた後にエンジンで駆動させて電動モータを停止させる。また、エンジンを駆動させているときには電動モータに接続しているバッテリを充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−8194号公報
【特許文献2】特開2009−19689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の(1)や(2)のブーム駆動制御装置では以下の問題がある。
【0007】
(1)のブーム駆動制御装置は、夜間等、作業現場の騒音を抑えたい状況からバッテリモードを使用したいときにバッテリの残量が少ないことからバッテリモードを使用できないと、作業車を充電施設に移動してバッテリを充電しなければならない。
【0008】
(2)のブーム駆動制御装置はハイブリッドモードを備えているため、(1)のブーム駆動制御装置のようにバッテリを充電しなくても良い。しかし、ハイブリッドモードはバッテリモードが短時間しか動作しないので、作業現場で長時間バッテリモードを使用したい要求に応えることができない。
【0009】
したがって、従来の作業車のブーム駆動制御装置は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用できず、ブームを用いた作業の作業効率が良くなかった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、電動モータとエンジンを使用してブームを駆動する場合に、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができる作業車のブーム駆動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、鋭意研究の結果、前記課題を解決するために以下のような作業車のブーム駆動制御装置を採用した。
【0012】
本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、
作業車に設けられたブームを駆動する電動モータおよびエンジンの駆動を制御して前記ブームの駆動を制御する作業車のブーム駆動制御装置において、
前記ブームを駆動させる駆動モードとして、前記ブームを前記電動モータで駆動させるバッテリモードと、前記ブームを前記電動モータで所定時間駆動させた後に前記エンジンで駆動させつつ前記電動モータを停止して前記電動モータに接続されたバッテリの充電を行うハイブリッドモードと、前記ブームを前記エンジンで駆動させるPTOモードとを備え、これらの3つの駆動モードを自動または手動で切り替えることを特徴としている。
【0013】
ここで、3つの駆動モードを自動で切り替えるときに、バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモードを使用し、バッテリの残量が第1閾値以下で、且つ、第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードを使用し、バッテリの残量が第2閾値以下の場合はPTOモードを使用するようにしても良い。
【0014】
また、3つの駆動モードを手動で切り替えるときに、バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合は3つの駆動モードのいずれも使用可能にし、バッテリの残量が第1閾値以下で、且つ、第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合にはPTOモードを使用可能にするようにしても良い。
【0015】
また、本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、3つの駆動モードを自動で切り替える自動切換モードと、3つの駆動モードを手動で切り替える手動切換モードと、自動切換モードと手動切換モードを操作者が選択する選択手段とを備えるようにしても良い。
【0016】
また、本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、作動中の駆動モードを操作者に知らせる報知手段を備えるようにしても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを自動または手動で切り替えるようにした。したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。また、バッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本発明の作業車のブーム駆動制御装置は、作業現場の状況に応じて最適なブームの駆動モードを使用することができる。また、この結果、ブームを用いた作業の作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態の作業車の側面図である。(b)は同実施の形態の作業車の後面図である。
【図2】同実施の形態の上部操作盤の正面図である。
【図3】同実施の形態の下部操作盤の正面図である。
【図4】同実施の形態のブームの駆動システムを示すブロック図である。
【図5】同実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図6】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図8】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図10】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施の形態の作業用コントローラの制御内容を示す表である。
【図12】同実施の形態の作業用コントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1の(a)は本発明の第1の実施の形態の作業車1の側面図であり、図1の(b)は作業車1の後面図である。この作業車1は、高所で作業を行うために使用される高所作業車である。
【0021】
最初に作業車1の全体的な構成を簡単に説明する。作業車1は、走行機能を有する車両の本体部分である車体2と、車体2の前方に取付けられた走行用キャビン3と、車体2の上側に旋回自在に取り付けられた旋回台4とを備えている。
【0022】
車体2の四隅には、転倒防止用のアウトリガ5が取り付けられている。旋回台4の上部にはポスト6が立設されている。ポスト6にはブーム7が取り付けられており、ブーム7の先端にはバケット8が取り付けられている。
【0023】
ブーム7は、基端ブーム7aと中間ブーム(図示せず)と先端ブーム7bとが入れ子式に接続されて構成されている。各ブームは、内部で伸縮シリンダ(図示せず)により連結されており、伸縮シリンダが伸縮することで伸縮する。
【0024】
基端ブーム7aは、図示しないが、ポスト6に水平に設置された支持軸に基端部が上下に回動自在に取り付けられている。ポスト6と基端ブーム7aとには起伏シリンダ9が架け渡されて結合している。この起伏シリンダ9は伸縮可能に形成されており、起伏シリンダ9が伸びることによりブーム7全体が起仰する。
【0025】
バケット8は、作業者が高所作業を行うために搭乗する作業台として使用されるものである。このバケット8は、先端ブーム7bの先端に水平を維持した状態で左右に回動自在に取り付けられている。
【0026】
バケット8の上端側面には図2に示すように上部操作盤101が設けられている。この上部操作盤101は、作業者がバケット8に搭乗した状態でブーム7の旋回・起伏・伸縮操作、バケット8のスイング操作等を行うものである。
【0027】
車体2の後部には、図1の(b)や図3に示すように下部操作盤102が設けられている。この下部操作盤102は、ブーム7の旋回・起伏・伸縮・格納操作、アウトリガ5の張出・格納操作、エンジン始動・停止等を行うものである。
【0028】
また、本実施の形態の作業車1では、電動モータとエンジンを使用して油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプから発生される油圧によってブーム7を駆動している。以下に具体的に説明する。
【0029】
図4は、ブーム7の駆動システム11を示すブロック図である。この駆動システム11は、エンジン駆動装置12、電動モータ駆動装置13、ブーム駆動制御装置14、油圧ポンプ15を備えている。
【0030】
エンジン駆動装置12は、エンジンを使用してブーム7を駆動するものである。このエンジン駆動装置12は、車両バッテリ121、車両バッテリ121に接続したスタータ122、スタータ122に接続したエンジン123、エンジン123に接続したオルタネータ124、オルタネータ124と車両バッテリ121に接続したバッテリチャージャ125を備えている。
【0031】
車両バッテリ121は、エンジン123を始動させる電源である。スタータ122は、エンジン123の始動を行うものである。オルタネータ124は、エンジンの回転を利用して発電を行うものである。バッテリチャージャ125はオルタネータ124によって発生した電力を充電するものであり、車両バッテリ121と後述の作業用バッテリ131に電力を供給する。このときに車両バッテリ121の残量が少ない場合には車両バッテリ121の方に優先して電力を供給する(充電する)等、車両バッテリ121と作業用バッテリ131とへの充電に優先順位をつけても良い。
【0032】
エンジン123には、図示しないがエンジン123からの動力を取り出すPTO(Power Take Off)が設けられている。このPTOには油圧ポンプ15が接続している。油圧ポンプ15はブーム駆動装置17に接続しており、ブーム駆動装置17にはブーム7が接続している。油圧ポンプ15は、PTOによって回転して油圧を発生し、この油圧を利用してブーム駆動装置17を駆動してブーム7を駆動する。
【0033】
電動モータ駆動装置13は、電動モータ133を使用してブーム7を駆動するものである。この電動モータ駆動装置13は、バッテリチャージャ125、バッテリチャージャ125に接続した作業用バッテリ131、作業用バッテリ131に接続したバッテリ充電器132および電動モータ133を備えている。
【0034】
作業用バッテリ131とバッテリ充電器132は、図1の(a)に示すように車体2の上側に設けられた機器収容部20内に収容されている。電動モータ133は、車体2の底部に設置されている。
【0035】
バッテリ充電器132はプラグ(図示せず)を備えており、このプラグを充電施設等の家庭用コンセント16に差し込んで作業用バッテリ131に電力を供給する。作業用バッテリ131は、バッテリ充電器132から供給される電力とバッテリチャージャ125から供給される電力が充電されるものである。
【0036】
電動モータ133は、作業用バッテリ131から供給された電力により駆動する。電動モータ133には油圧ポンプ18が接続している。油圧ポンプ18はブーム駆動装置17に接続している。油圧ポンプ18は電動モータ133によって回転して油圧を発生し、この油圧を利用してブーム駆動装置17を駆動してブーム7を駆動する。
【0037】
ブーム駆動制御装置14は、エンジン駆動装置12と電動モータ駆動装置13の駆動を制御してブーム7の駆動を制御するものである。このブーム駆動制御装置14は、電動モータ133に接続したモータ温度検出手段141、作業用バッテリ131に接続したバッテリ残量検出手段142、モータ温度検出手段141およびバッテリ残量検出手段142に接続した作業用コントローラ143、作業用コントローラ143に接続したモード切替スイッチ144、モード表示ランプ145、車両コントローラ146を備えている。
【0038】
車両コントローラ146は、車両バッテリ121とスタータ122との接続のオン・オフを行ってエンジン123の駆動を制御するものである。
【0039】
モータ温度検出手段141は電動モータ133の温度を検出するものであり、温度センサ等が使用される。
【0040】
バッテリ残量検出手段142は、作業用バッテリ131に充電されている電力の残量を検出するものである。本実施の形態では、電力の残量の検出に作業用バッテリ131の電圧値を使用している。なお、電力の残量を検出する方法としては、作業用バッテリ131の電圧値を使用する方法に限定されず、この方法以外の方法でも良い。
【0041】
作業用コントローラ143は、電動モータ133や車両コントローラ146の駆動を制御してブーム7の駆動を制御するものである。この作業用コントローラ143は、ブーム7を駆動させる駆動モードとして3つの駆動モード(バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモード)を備えている。
【0042】
図5は、作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。図5を用いて作業用コントローラ143の制御内容を説明する。バッテリモードは、ブーム7を電動モータ133で駆動させる駆動モードである。ハイブリッドモードは、ブーム7を電動モータ133で所定時間駆動させた後にエンジン123(PTO)で駆動させつつ電動モータ133を停止して作業用バッテリ131の充電を行う駆動モードである。PTOモードは、ブーム7をエンジン123(PTO)で駆動させる駆動モードである。なお、ハイブリッドモードでは、エンジン駆動中に作業用バッテリ131に充電を行う。また、ハイブリッドモードを停止したときには所定時間後にエンジンが停止するようになっている。
【0043】
さらに作業用コントローラ143は、3つの駆動モードをモード切替スイッチ144により手動で切り替えるように構成されている。このモード切替スイッチ144は、レバー式であり、上部操作盤101(図2参照)や下部操作盤102(図3参照)に設けられている。
【0044】
また、駆動モードの切り替えは、バッテリ残量検出手段142により検出された作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行う。作業用コントローラ143には、駆動モードを切り替えるときの指標になる電圧値である第1閾値と、第1閾値よりも小さい第2閾値が予め設定されている。第1閾値は、バッテリモードをハイブリッドモードまたはPTOモードに切り替えるときの指標になる電圧値である。第2閾値は、ハイブリッドモードをPTOモードに切り替えるときの指標になる電圧値である。
【0045】
具体的に説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも使用可能にし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用可能にしている。
【0046】
また、モード表示ランプ145は、図2と図3に示すように上部操作盤101と下部操作盤102に設けられている。このモード表示ランプ145は、作動中の駆動モードを操作者に知らせる本発明の報知手段である。本実施の形態では、モード表示ランプ145を1個で2色(緑色と赤色)点灯するものを使用している。
【0047】
図5を用いてモード表示ランプ145の具体的な表示方法を説明する。バッテリモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は、モード表示ランプ145が緑色に点灯してバッテリモードが作動する。作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はモード表示ランプ145は緑色に点滅する。この場合にはバッテリモードが作動しないので、操作者はハイブリッドモード又はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0048】
ハイブリッドモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きい場合は、モード表示ランプ145が赤色に点灯してハイブリッドモードが作動する。作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下の場合は、モード表示ランプ145が赤色に点滅する。この場合はハイブリッドモードやバッテリモードが作動しないので、操作者はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0049】
PTOモードを選択したときには、作業用バッテリ131の電圧値に関係なく、モード表示ランプ145は消灯してPTOモードが作動する。
【0050】
また、駆動モードの切り替えは、作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行う他に、モータ温度検出手段141で検出された電動モータ133の温度に基づいて行う。作業用コントローラ143には、切り替えの指標になる電動モータ133の温度(閾値)が予め設定されている。
【0051】
図5を用いて具体的に説明すると、バッテリモードまたはハイブリッドモードを選択したときに電動モータ133の温度が閾値よりも大きい場合は電動モータが作動しない。このときにはモード表示ランプ145は緑色と赤色が同時に点滅する。したがって、操作者はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0052】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図6のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0053】
(ステップSA1)
まず最初に作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモード(Bモード)が選択されているか否かを判断する。
【0054】
(ステップSA2)
作業用コントローラ143は、バッテリモードが選択されていると判断した場合は(ステップSA1でYES)、モータ温度検出手段141により電動モータ133の温度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0055】
(ステップSA3)
作業用コントローラ143は、電動モータ133の温度が閾値以下と判断した場合は(ステップSA2でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0056】
(ステップSA4)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA3でYES)、バッテリモードを作動してブーム7を電動モータ133で駆動させる。このときにモード表示ランプ145に緑色を点灯させる。
【0057】
(ステップSA5)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下と判断した場合は(ステップSA3でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0058】
(ステップSA6)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA5でYES)、モード表示ランプ145に緑色を点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、バッテリモードが作動していた場合はバッテリモードを一旦停止させてブーム7の駆動を一旦停止させる。また、バッテリモードの選択時の場合はバッテリモードが作動せず、ブーム7は駆動しない。
【0059】
なお、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合は(ステップSA5でNO)、モード表示ランプ145に赤色を点滅させる(ステップSA12)。操作者は、モード表示ランプ145が赤色に点滅していることからバッテリモードやハイブリッドモード(HBモード)を使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからPTOモードに切り替える(ステップSA13)。
【0060】
(ステップSA7)
操作者は、モード表示ランプ145が緑色に点滅していることからバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからハイブリッドモードまたはPTOモードに切り替える。
【0061】
(ステップSA8)
また、作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSA1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0062】
(ステップSA9)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSA8でYES)、モータ温度検出手段141により電動モータ133の温度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0063】
(ステップSA10)
作業用コントローラ143は、電動モータ133の温度が閾値以下と判断した場合は(ステップSA9でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値より大きいか否かを判断する。
【0064】
(ステップSA11)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA10でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145に赤色を点灯させる。これにより、開始時から所定時間はブーム7を電動モータ133で駆動し、それ以降はエンジン123で駆動する。エンジン123の駆動中はオルタネータ124によりバッテリチャージャ125を介して作業用バッテリ131に充電が行われる。
【0065】
(ステップSA12)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合は(ステップSA10でNO)、モード表示ランプ145に赤色を点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが作動していた場合はハイブリッドモードを一旦停止させてブーム7の駆動を一旦停止させる。また、ハイブリッドモードの選択時の場合はハイブリッドモードが作動せず、ブーム7は駆動しない。
【0066】
(ステップSA13)
操作者は、モード表示ランプ145が赤色に点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをハイブリッドモードからPTOモードに切り替える。
【0067】
(ステップSA14)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSA8でNO)、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯し、ブーム7をエンジン123で駆動させる。
【0068】
(ステップSA15)
また作業用コントローラ143は、バッテリモードやハイブリッドモードの選択時において電動モータ133の温度が閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSA2やステップSA9でYES)、モード表示ランプ145に赤色と緑色を同時に点滅させる。このときにはバッテリモードやハイブリッドモードが作動せず、ブーム7は駆動しない。
【0069】
(ステップSA16)
操作者は、モード表示ランプ145が赤色と緑色に同時に点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをハイブリッドモードからPTOモードに切り替える。これにより、作業用コントローラ143はステップSA14の制御処理を行う。つまり、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯し、ブーム7をエンジン123で駆動させる。
【0070】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを手動で切り替えるようにした。
【0071】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。また、バッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができる。また、この結果、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。
【0072】
また、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、駆動モードの切り替えを作業用バッテリ131の残量(電圧値)に基づいて行うようにした。したがって、各駆動モードを確実に作動させることが可能になる。よって、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを確実に使用でき、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0073】
また、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業用バッテリ131の電圧値に第1閾値と第2閾値を設定した。これにより、作業用バッテリ131が完全に放電するのを防ぐことが可能になるので、作業用バッテリ131の劣化を防ぐことができる。
【0074】
さらに、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、駆動モードの切り替えを手動で行うようにした。ここで、図5に示したように、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は3つの駆動モードのいずれも使用可能にし、第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合にはPTOモードを使用可能にしている。
【0075】
つまり、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きい場合は複数の駆動モードが使用可能になるので駆動モードの選択肢が広がる。よって、作業現場の状況に応じてより最適な駆動モードを使用することが可能になり、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0076】
また、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、モード表示ランプ145を用いて作動中の駆動モードを操作者に知らせるようにした。これにより、操作者は作動中の駆動モードを容易に認識することが可能になり、作業用バッテリ131の容量も容易に認識することが可能になる。よって、作業現場の状況に応じてより最適な駆動モードを使用することが可能になり、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0077】
また、モード表示ランプ145の個数を1個に設定したことにより、操作盤(上部操作盤101、下部操作盤102)のモード表示ランプの設置スペースが抑えられ、操作盤の大型化を抑えることができる。また、操作盤の部品点数も抑えられるため、操作盤の製造コストを抑えることもできる。
【0078】
さらに、モード切替スイッチ144の個数を1個に設定したので、操作盤のモード切替スイッチ144の設置スペースが抑えられ、操作盤の大型化をさらに抑えることができる。また、操作盤の部品点数もさらに抑えられるため、操作盤の製造コストをさらに抑えることができる。
【0079】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では駆動モードを手動で切り替える場合を説明したが、本実施の形態では駆動モードを自動で切り替える場合について説明する。
【0080】
本実施の形態のブーム7の駆動システムは、図4で示した第1の実施の形態のブーム7の駆動システム11と同じ構成である。本実施の形態では第1の実施の形態の駆動システム11を流用して第1の実施の形態と異なる部分を中心にして説明する。なお、駆動モードとしては、第1の実施の形態と同様に3つの駆動モード(バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモード)があり、モード切替スイッチ144を使用して自動モード切替えを選択するようになっている。
【0081】
図7は、本実施の形態の作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。本実施の形態の作業用コントローラ143では、駆動モードの切替を第1の実施の形態と同様に作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行い、切り替えの指標になる電圧値(第1閾値と第2閾値)が予め設定されている。
【0082】
第1閾値と第2閾値を用いた制御方法について説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも開始可能とし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを開始可能とし、第2閾値以下の場合はPTOモードを開始可能としている。
【0083】
また、作業用コントローラ143は、駆動モードの自動切替の際に、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモードを使用し、第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードを使用し、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用するようにしている。つまり、作業用バッテリ131の残量が少なくなるにつれて、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードの順に移行する。
【0084】
また、モード表示ランプ145の表示方法について説明すると、バッテリモードのときには緑色に点灯し、ハイブリッドモードのときには赤色に点灯し、PTOモードのときには消灯する。
【0085】
また、作業用コントローラ143は、駆動モードの自動切替に際して、第1の実施の形態と同様に電動モータ133の温度を使用し、切り替えの指標になる電動モータ133の温度(閾値)が予め設定されている。具体的には、バッテリモードまたはハイブリッドモードのときに電動モータ133の温度が閾値よりも大きい場合はPTOモードに自動的に切り替わる。
【0086】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図8のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0087】
ステップSB1〜ステップSB5の制御処理は、第1の実施の形態の図6で説明したステップSA1〜ステップSA5の制御処理と同じである。ここでは、ステップSB5以降の制御処理について説明する。
【0088】
(ステップSB6)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSB5でYES)、ハイブリッドモードを作動し、モード表示ランプ145に赤色を点灯させる。
【0089】
(ステップSB7)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSB1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0090】
(ステップSB8)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSB7でYES)、モータ温度検出手段141により電動モータ133の温度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0091】
(ステップSB9)
作業用コントローラ143は、電動モータ133の温度が閾値以下であると判断した場合は(ステップSB8でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値より大きいか否かを判断する。
【0092】
(ステップSB10)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSB9でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145に赤色を点灯させる。
【0093】
(ステップSB11)
また、作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合(ステップSB7でNO)、電動モータ133の温度が閾値よりも大きいと判断した場合(ステップSB2やステップSB8でYES)、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合(ステップSB5やステップSB9でNO)には、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯する。
【0094】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、第1の実施の形態と同様にバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを自動で切り替えるようにした。
【0095】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。またバッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができ、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。その他の作用効果については第1の実施の形態で説明した通りである。また、駆動モードの切り替えを自動で行うようにしたので、手動の場合に比べて駆動モードの切り替え操作がなくなり、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0096】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態や第2の実施の形態ではモード表示ランプ145に表示する色を2色にした場合を説明したが、本実施の形態では単色にした場合の制御処理について説明する。
【0097】
本実施の形態のブーム7の駆動システムは、図4で示した第1の実施の形態のブーム7の駆動システム11からモータ温度検出手段141を外した構成である。本実施の形態では、第1の実施の形態の駆動システム11を流用して第1の実施の形態と異なる部分を中心にして説明する。なお、駆動モードの切り替えはモード切替スイッチ144により手動で行う。
【0098】
図9は、本実施の形態の作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。本実施の形態の作業用コントローラ143では、駆動モードの切替を第1の実施の形態と同様に作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行い、切り替えの指標になる電圧値(第1閾値と第2閾値)が予め設定されている。
【0099】
第1閾値と第2閾値を用いた制御方法について説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも使用可能にし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを使用可能にし、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用可能にしている。
【0100】
また、モード表示ランプ145の表示方法について説明すると、バッテリモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は点灯してバッテリモードが作動する。また、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はゆっくり点滅する。この場合はバッテリモードが作動しないので、操作者はハイブリッドモード又はPTOモードに手動で切り替えることになる。
【0101】
ハイブリッドモードを選択したときに作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きい場合はモード表示ランプ145がはやく点滅してハイブリッドモードが作動する。作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下の場合は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅する。この場合はハイブリッドモードやバッテリモードが作動しないので、PTOモードに手動で切り替えることになる。
【0102】
PTOモードを選択したときには、作業用バッテリ131の電圧値に関係なく、モード表示ランプ145は消灯してPTOモードが作動する。
【0103】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図10のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0104】
(ステップSC1)
まず最初に作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されているか否かを判断する。
【0105】
(ステップSC2)
作業用コントローラ143は、バッテリモードが選択されていると判断した場合は(ステップSC1でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0106】
(ステップSC3)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSC2でYES)、バッテリモードを作動してモード表示ランプ145を点灯させる。
【0107】
(ステップSC4)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下と判断した場合は(ステップSC2でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0108】
(ステップSC5)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSC4でYES)、モード表示ランプ145をゆっくり点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、バッテリモードが作動していた場合はバッテリモードを一旦停止させ、バッテリモードの選択時の場合はバッテリモードを作動させない。
【0109】
なお、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合は(ステップSC4でNO)、モード表示ランプ145をゆっくり点滅させる(ステップSC10)。操作者は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからPTOモードに切り替える(ステップSC11)。
【0110】
(ステップSC6)
操作者は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅していることからバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをバッテリモードからハイブリッドモードまたはPTOモードに切り替える。
【0111】
(ステップSC7)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSC1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0112】
(ステップSC8)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSC7でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値より大きいか否かを判断する。
【0113】
(ステップSC9)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSC8でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145をはやく点滅させる。
【0114】
(ステップSC10)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下と判断した場合は(ステップSC8でNO)、モード表示ランプ145をゆっくり点滅させる。このときに作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが作動していた場合はハイブリッドモードを一旦停止させ、ハイブリッドモードの選択時の場合はハイブリッドモードを作動させない。
【0115】
(ステップSC11)
操作者は、モード表示ランプ145がゆっくり点滅していることからハイブリッドモードやバッテリモードを使用できないと判断し、モード切替スイッチ144を操作して駆動モードをハイブリッドモードからPTOモードに切り替える。
【0116】
(ステップSC12)
作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSC7でNO)、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯する。
【0117】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、第1の実施の形態と同様にバッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを手動で切り替えるようにした。
【0118】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。またバッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができ、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。
【0119】
さらに本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、モード表示ランプ145に単色を表示するものを使用したので、第1の実施の形態や第2の実施の形態のように2色を表示するものを使用する場合に比べてモード表示ランプ145のコストが抑えられ、これによりブーム駆動制御装置14全体のコストを抑えることができる。その他の作用効果については第1の実施の形態で説明した通りである。
【0120】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では、モード表示ランプ145に表示する色を単色にした場合に駆動モードを手動で切り替える場合を説明したが、本実施の形態では駆動モードを自動で切り替える場合について説明する。
【0121】
本実施の形態のブーム7の駆動システムは、第3の実施の形態のブーム7の駆動システムと同じ構成である。つまり、図4で示した第1の実施の形態のブーム7の駆動システム11からモータ温度検出手段141を外した構成である。本実施の形態では第1の実施の形態の駆動システム11を流用して第1の実施の形態と異なる部分を中心にして説明する。なお、駆動モードとしては、第1の実施の形態と同様に3つの駆動モード(バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモード)があり、モード切替スイッチ144を使用して自動モード切替えを選択するようになっている。
【0122】
図11は、本実施の形態の作業用コントローラ143の制御内容を示す表である。本実施の形態の作業用コントローラ143では、駆動モードの切替を第1の実施の形態と同様に作業用バッテリ131の電圧値に基づいて行い、切り替えの指標になる電圧値(第1閾値と第2閾値)が予め設定されている。
【0123】
第1閾値と第2閾値を用いた制御方法について説明すると、作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合は、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードのいずれも開始可能にし、第1閾値以下で第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードまたはPTOモードを開始可能にし、第2閾値以下の場合はPTOモードを開始可能にしている。
【0124】
また、作業用コントローラ143は、駆動モードの自動切替の際に、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きい場合はバッテリモードを使用し、第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きい場合はハイブリッドモードを使用し、第2閾値以下の場合はPTOモードを使用するようにしている。つまり、作業用バッテリ131の残量が少なくなるにつれて、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードの順に移行する。
【0125】
また、モード表示ランプ145の表示方法について説明すると、バッテリモードのときには点灯し、ハイブリッドモードのときには点滅し、PTOモードのときには消灯するようにしている。
【0126】
次に、作業用コントローラ143の制御処理を図12のフローチャートを用いて説明する。この制御処理は、作業用コントローラ143の電源がONにされると開始する。
【0127】
(ステップSD1)
まず最初に作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されているか否かを判断する。
【0128】
(ステップSD2)
作業用コントローラ143は、バッテリモードが選択されている場合は(ステップSD1でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0129】
(ステップSD3)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSD2でYES)、バッテリモードを作動してモード表示ランプ145を点灯させる。
【0130】
(ステップSD4)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下と判断した場合は(ステップSD2でNO)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0131】
(ステップSD5)
また作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第1閾値以下で、且つ、第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSD4でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145を点滅させる。
【0132】
(ステップSD6)
また、作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からバッテリモードが選択されていないと判断した場合は(ステップSD1でNO)、ハイブリッドモードが選択されているか否かを判断する。
【0133】
(ステップSD7)
作業用コントローラ143は、ハイブリッドモードが選択されていると判断した場合は(ステップSD6でYES)、バッテリ残量検出手段142により作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0134】
(ステップSD8)
作業用コントローラ143は、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値よりも大きいと判断した場合は(ステップSD7でYES)、ハイブリッドモードを作動してモード表示ランプ145を点滅させる。
【0135】
(ステップSD9)
また、作業用コントローラ143は、モード切替スイッチ144の操作からハイブリッドモードが選択されていないと判断した場合(ステップSD6でNO)、作業用バッテリ131の電圧値が第2閾値以下であると判断した場合(ステップSD4やステップSD7でNO)には、PTOモードを作動してモード表示ランプ145を消灯する。
【0136】
以上説明したように本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、第1の実施の形態と同様に、バッテリモード、ハイブリッドモード、PTOモードを備え、これらの3つの駆動モードを自動で切り替えるようにした。
【0137】
したがって、ハイブリッドモードやPTOモードを選択すれば作業中に充電を行えるので、夜間等、騒音を抑えたい状況でバッテリモードをすぐに使用することが可能になる。またバッテリモードを選択すれば長時間バッテリモードを使用することが可能になる。よって、本実施の形態のブーム駆動制御装置14は、作業現場の状況に応じて最適な駆動モードを使用することができ、ブーム7を用いた作業の作業効率を高めることができる。
【0138】
さらに本実施の形態のブーム駆動制御装置14では、モード表示ランプ145に単色を表示するものを使用したので、第1の実施の形態や第2の実施の形態のように2色を表示するものを使用する場合に比べてモード表示ランプ145のコストが抑えられ、これによりブーム駆動制御装置14全体のコストを抑えることができる。その他の作用効果については第1の実施の形態で説明した通りである。
【0139】
以上、本発明に係る実施の形態を例示したが、この実施の形態は本発明の内容を限定するものではない。また、本発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。
【0140】
例えば、上記の各実施の形態では、3つの駆動モードを自動で切り替える場合のみ、または手動で切り替える場合のみについて説明したが、自動切替と手動切替の両方を選択して行うようにしても良い。
【0141】
具体的には、作業用コントローラに、3つの駆動モードを自動で切り替える自動切換モードと、3つの駆動モードを手動で切り替える手動切換モードと、自動切換モードと手動切換モードを操作者が選択する選択手段(スイッチ、レバー、ダイヤル等)を設ける。これにより操作者は、作業現場の状況に応じて駆動モードの切り替えを自動で行うか手動で行うかを選択できるので、ブーム7を用いた作業の作業効率をさらに高めることができる。
【0142】
また、上記の各実施の形態では、バッテリを車両バッテリ121と作業用バッテリ131とに分けて構成したが、これらをまとめて1つのバッテリとし、このバッテリの残量に基づいて駆動モードの切り替えを行っても良い。
【0143】
また、上記の各実施の形態では、モード切替スイッチ144の個数を1個に設定して3つの駆動モードを順次切り替えるようにしたが、駆動モードの数が増えてもモード切替スイッチ144の個数を1個に設定することは可能である。モード切替スイッチの形態としては、上記の各実施の形態で説明したレバー式の他にプッシュ式やダイヤル式等でも良い。また、モード表示ランプを各駆動モード毎に分けて設定しても良い。
【0144】
また、報知手段としてランプ(モード表示ランプ145)を使用したが、その他には数字表示器を用いて駆動モード毎に異なる数字を表示するようにしても良い。また、電子音報知器により連続音と持続音を鳴らして各駆動モードを知らせたり、スピーカーを使用して音声により各駆動モードを知らせたり、モニターを使用して各駆動モードを表示するようにしても良い。
【0145】
また、上記の各実施の形態では作業用バッテリ131の電圧値の第2閾値を第1閾値よりも小さく設定したが、第2閾値を第1閾値と等しく設定しても良い。また、上記の各実施の形態で説明した制御内容をブーム7の駆動制御に適用する他に、アウトリガ5の駆動制御等に適用しても良い。
【符号の説明】
【0146】
1 作業車
7 ブーム
14 ブーム駆動制御装置
123 エンジン
131 作業用バッテリ
133 電動モータ
145 モード表示ランプ(報知手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車に設けられたブームを駆動する電動モータおよびエンジンの駆動を制御して前記ブームの駆動を制御する作業車のブーム駆動制御装置において、
前記ブームを駆動させる駆動モードとして、前記ブームを前記電動モータで駆動させるバッテリモードと、前記ブームを前記電動モータで所定時間駆動させた後に前記エンジンで駆動させつつ前記電動モータを停止して前記電動モータに接続されたバッテリの充電を行うハイブリッドモードと、前記ブームを前記エンジンで駆動させるPTOモードとを備え、これらの3つの駆動モードを自動または手動で切り替えることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
前記3つの駆動モードを自動で切り替えるときに、前記バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合は前記バッテリモードを使用し、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下で、且つ、前記第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合は前記ハイブリッドモードを使用し、前記バッテリの残量が前記第2閾値以下の場合は前記PTOモードを使用することを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
前記3つの駆動モードを手動で切り替えるときに、前記バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合は前記3つの駆動モードのいずれも使用可能にし、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下で、且つ、前記第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合は前記ハイブリッドモードまたは前記PTOモードを使用可能にし、前記第2閾値以下の場合には前記PTOモードを使用可能にすることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
前記3つの駆動モードを自動で切り替える自動切換モードと、前記3つの駆動モードを手動で切り替える手動切換モードと、当該自動切換モードと当該手動切換モードを操作者が選択する選択手段とを備えることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
作動中の駆動モードを操作者に知らせる報知手段を備えることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項1】
作業車に設けられたブームを駆動する電動モータおよびエンジンの駆動を制御して前記ブームの駆動を制御する作業車のブーム駆動制御装置において、
前記ブームを駆動させる駆動モードとして、前記ブームを前記電動モータで駆動させるバッテリモードと、前記ブームを前記電動モータで所定時間駆動させた後に前記エンジンで駆動させつつ前記電動モータを停止して前記電動モータに接続されたバッテリの充電を行うハイブリッドモードと、前記ブームを前記エンジンで駆動させるPTOモードとを備え、これらの3つの駆動モードを自動または手動で切り替えることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
前記3つの駆動モードを自動で切り替えるときに、前記バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合は前記バッテリモードを使用し、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下で、且つ、前記第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合は前記ハイブリッドモードを使用し、前記バッテリの残量が前記第2閾値以下の場合は前記PTOモードを使用することを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
前記3つの駆動モードを手動で切り替えるときに、前記バッテリの残量が第1閾値よりも大きい場合は前記3つの駆動モードのいずれも使用可能にし、前記バッテリの残量が前記第1閾値以下で、且つ、前記第1閾値よりも小さい第2閾値よりも大きい場合は前記ハイブリッドモードまたは前記PTOモードを使用可能にし、前記第2閾値以下の場合には前記PTOモードを使用可能にすることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
前記3つの駆動モードを自動で切り替える自動切換モードと、前記3つの駆動モードを手動で切り替える手動切換モードと、当該自動切換モードと当該手動切換モードを操作者が選択する選択手段とを備えることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の作業車のブーム駆動制御装置において、
作動中の駆動モードを操作者に知らせる報知手段を備えることを特徴とする作業車のブーム駆動制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−18600(P2013−18600A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152635(P2011−152635)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
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