説明

作業車のモーア乗り越え構造

【課題】モーアの重量化やコストの高騰を抑制しながら、作業車の前後車輪間に対するモーアの出し入れを簡単にし、また、その出し入れを簡単にする乗り越え仕様と一般仕様との仕様変更を簡単かつ安価に行えるようにする。
【解決手段】前後の車輪8,11間にモーア21が着脱可能に連結される作業車のモーア乗り越え構造において、モーア21に対する車輪8,11の乗り上がりを補助する傾斜面60Aが形成された乗上補助部材60と、傾斜面60Aがモーア21に対する車輪8,11の乗り上がりを補助する使用位置において乗上補助部材60をモーア21に着脱可能に連結する連結手段61とを備えてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後の車輪間にモーアが着脱可能に連結される作業車のモーア乗り越え構造に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車のモーア乗り越え構造としては、モーアデッキの前後にわたるとともに、その前後両端部に、モーアに対する車輪乗り降り用の傾斜部が一体形成された長尺の歩み板を、モーアに、モーアデッキを前後方向に跨ぐように一体装備したものがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特公昭51−28524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の構成では、モーアに歩み板を一体装備することから、その歩み板に作業車の前後いずれかの車輪を歩ませることにより、その車輪を容易にモーアを乗り越えさせることができる。その結果、作業車の横側方から前輪と後輪との間にモーアを運び入れる手間を要することなく、作業車の前輪と後輪との間にモーアを簡単に位置させることができる。また、作業車の前輪と後輪との間からモーアを運び出す手間を要することなく、作業車の前輪と後輪との間から作業車の前後一側方にモーアを簡単に取り出すことができる。
【0004】
しかしながら、上記の構成では、モーアデッキを前後方向に跨ぐ長尺の歩み板をモーアに一体装備することから、モーアの全体構成が大掛かりになり、モーア全体としての重量やコストが嵩むことになる。
【0005】
また、歩み板を備えていない一般的なモーアを、歩み板を備える乗り越え仕様に仕様変更する場合には、モーアデッキに長尺の歩み板を溶接する、あるいは、モーアデッキに歩み板をボルト連結するための連結孔を穿設する、などの加工を施す必要が生じる上に、その加工後に塗装をし直す必要があることから、その仕様変更に要する手間が大掛かりになる。また逆に、その乗り越え仕様から一般的なモーアに仕様変更する必要が生じた場合には、モーアデッキを交換する、あるいは、モーアデッキに穿設した連結孔を埋めて塗装をし直す、などの作業を行う必要があることから、その仕様変更に要する手間も大掛かりになる。特に、モーアデッキを交換する場合にはコストが嵩むことになる。
【0006】
本発明の目的は、モーアの重量化やコストの高騰を抑制しながら、作業車の前後車輪間に対するモーアの出し入れを簡単にし、また、その出し入れを簡単にする乗り越え仕様と一般仕様との仕様変更を簡単かつ安価に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、
前後の車輪間にモーアが着脱可能に連結される作業車のモーア乗り越え構造であって、
前記モーアに対する前記車輪の乗り上がりを補助する傾斜面が形成された乗上補助部材と、
前記傾斜面が前記モーアに対する前記車輪の乗り上がりを補助する使用位置において前記乗上補助部材を前記モーアに着脱可能に連結する連結手段と、
を備えてあることを特徴とする。
【0008】
この特徴構成によると、作業車の前後車輪間にモーアを位置させる場合には、乗上補助部材をモーアに装着して使用位置に位置させた後、作業車の前後いずれかの車輪が乗上補助部材に向かうように作業車を走行させる。すると、その車輪が、乗上補助部材の傾斜面を登ってモーアに乗り上がる。つまり、モーアに対する乗り上がり走行を、運転者に不安感を与える虞のない乗り心地の良い安定した状態で円滑に行える。
【0009】
そして、その乗り上がり後も作業車の走行を継続させると、モーアに乗り上がった車輪がモーアを乗り越えて地面に下り降りる。これにより、作業車の横側方から前後車輪間にモーアを運び入れる手間を要することなく、作業車の前後車輪間にモーアを簡単に位置させることができる。
【0010】
また、その乗り越え後は、乗上補助部材をモーアから取り外すことにより、作業車の前後車輪間にモーアを連結した作業走行時に、乗上補助部材が、刈り取り対象の草を押し倒す、あるいは、乗上補助部材が接地して走行や操向の抵抗になる、または作業地を痛める、などの支障を来す虞を未然に回避することができる。
【0011】
一方、作業車の前後車輪間からモーアを取り出す場合も、作業車の前後車輪間にモーアを位置させる場合と同様に、乗上補助部材をモーアに装着して使用位置に位置させた後、作業車の前後いずれかの車輪が乗上補助部材に向かうように作業車を走行させると、その車輪が、乗上補助部材の傾斜面を登ってモーアに乗り上がり、その乗り上がり後も作業車の走行を継続させると、モーアに乗り上がった車輪がモーアを乗り越えて地面に下り降りる。
【0012】
つまり、作業車の前後車輪間からモーアを取り出す場合においても、モーアに対する乗り上がり走行を、運転者に不安感を与える虞のない乗り心地の良い安定した状態で円滑に行える。また、作業車の前後車輪間からモーアを運び出す手間を要することなく、モーアを、作業車の前後車輪間から作業車の前後一側方に簡単に取り出すことができる。
【0013】
しかも、それらのために要する構成としては、モーアに対する車輪の乗り上がりを補助する乗上補助部材と、乗上補助部材をモーアに着脱可能に連結する連結手段とを備えるだけであることから、例えば、前述した従来技術のように、モーアに、乗り降り用の傾斜部を前後両端部に備えた長尺の歩み板を一体装備する場合に比較して、小型・軽量で簡単かつ安価に構成することができる。
【0014】
さらに、乗上補助部材がモーアに対して着脱可能であることから、乗上補助部材をモーアに一体装備する場合に比較して、乗上補助部材を備えた乗り越え仕様と、乗上補助部材を備えない一般仕様とに、簡単かつ安価に仕様変更することができる。
【0015】
ところで、乗上補助部材をモーアに装着した状態においては、車輪が乗り上がるモーア上部の高さ位置が、乗上補助部材における傾斜面の上端部よりも高くなることがある。この場合、乗上補助部材がモーアに装着されていなければ、乗上補助部材の傾斜面を上がる車輪が、乗上補助部材からモーアの上部に乗り移る際に、その車輪によって、モーアが、乗上補助部材から離れる方向に押し出される虞がある。そして、このようなモーアの押し出しが生じた場合には、モーアが乗上補助部材から離れて、乗上補助部材からモーア上部への車輪の乗り移りが円滑に行われ難くなることがある。
【0016】
そこで、請求項1に記載の発明では、前述したように、モーアに対する乗り上がり走行を行う場合には、乗上補助部材をモーアに装着するようにしているのであり、これにより、車輪が、乗上補助部材からモーアの上部に乗り移る際に、モーアに対して、乗上補助部材から離れる方向にモーアを押し出すように作用したとしても、車輪による踏み付けによって移動が阻止されている乗上補助部材とともに、モーアの移動を阻止することができる。
【0017】
つまり、モーアと乗上補助部材との間で発生する段差にかかわらず、車輪が乗上補助部材からモーアの上部に乗り移る際には、モーアと乗上補助部材とを近接状態に確実に維持することができ、車輪の乗上補助部材からモーア上部への乗り移りを円滑に行わせることができる。
【0018】
従って、モーアの重量化やコストの高騰などを抑制しながら、また、モーアに対する乗り上がり走行を乗り心地良く円滑に行えるようにしながら、作業車の前後車輪間に対するモーアの出し入れを簡単に行えるとともに、その出し入れを簡単にする乗上補助部材を備えた乗り越え仕様と、乗上補助部材を備えない一般仕様との仕様変更を簡単かつ安価に行える多様性に優れたものに構成することができる。
【0019】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、
前記モーアにおけるモーアデッキの下縁に、前記モーアデッキの外部上方に向けて折り返される折返部を形成し、
前記乗上補助部材に、前記折返部に係脱可能に係合する係合部を備え、
前記折返部と前記係合部とから前記連結手段を構成してあることを特徴とする。
【0020】
この特徴構成によると、モーアに対する乗上補助部材の着脱を、折返部に対する係合部の係脱によって簡単に行える。
【0021】
また、折返部は、モーアデッキを形成する際のプレス加工によってモーアデッキに一体形成することができる。つまり、折返部を形成するための新たな作業工程や部品が不要になる。
【0022】
しかも、モーアデッキの前後両部に折返部を形成するようにすれば、モーアデッキの前後いずれにも乗上補助部材を装着することができ、モーアに対する乗り越え走行を、モーアに対する前後いずれの方向からでも行えるようになる。また、モーアデッキの下縁全周に折返部を形成するようにすれば、モーアに対する乗り越え走行を、モーアに対する前後いずれの方向からでも行えるようにしながら、モーアデッキの保形性を高めることができる。
【0023】
従って、生産性の向上などを図りながら、モーアに対する乗上補助部材の着脱性を向上させることができる。
【0024】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、
前後の車輪間にモーアが着脱可能に連結される作業車のモーア乗り越え構造であって、
前記モーアに対する前記車輪の乗り上がりを補助する傾斜面が形成された乗上補助部材と、
前記乗上補助部材を格納位置において前記モーアに着脱可能に連結する連結手段と、
を備えてあることを特徴とする。
【0025】
この特徴構成によると、作業車の前後車輪間にモーアを位置させる場合には、格納位置に装着された乗上補助部材を、格納位置から取り外して、その傾斜面を利用したモーアに対する前後方向からの車輪の乗り上げが可能になる適切な位置に配置した後、作業車の前後いずれかの車輪が乗上補助部材に向かうように作業車を走行させる。すると、その車輪が、乗上補助部材の傾斜面を登ってモーアに乗り上がる。つまり、モーアに対する乗り上がり走行を、運転者に不安感を与える虞のない乗り心地の良い安定した状態で円滑に行える。
【0026】
そして、その乗り上がり後も作業車の走行を継続させると、モーアに乗り上がった車輪がモーアを乗り越えて地面に下り降りる。これにより、作業車の横側方から前後車輪間にモーアを運び入れる手間を要することなく、作業車の前後車輪間にモーアを簡単に位置させることができる。
【0027】
また、その乗り越え後に、乗上補助部材をモーアに装着して格納位置に位置させることにより、乗上補助部材の置き忘れを防止することができる。
【0028】
一方、作業車の前後車輪間からモーアを取り出す場合も、作業車の前後車輪間にモーアを位置させる場合と同様に、格納位置に装着された乗上補助部材を、格納位置から取り外して、モーアに対する適切な位置に配置した後、作業車の前後いずれかの車輪が乗上補助部材に向かうように作業車を走行させると、その車輪が、乗上補助部材の傾斜面を登ってモーアに乗り上がり、その乗り上がり後も作業車の走行を継続させると、モーアに乗り上がった車輪がモーアを乗り越えて地面に下り降りる。
【0029】
つまり、作業車の前後車輪間からモーアを取り出す場合においても、モーアに対する乗り上がり走行を、運転者に不安感を与える虞のない乗り心地の良い安定した状態で円滑に行える。また、作業車の前後車輪間からモーアを運び出す手間を要することなく、モーアを、作業車の前後車輪間から作業車の前後一側方に簡単に取り出すことができる。
【0030】
しかも、それらのために要する構成としては、モーアに対する車輪の乗り上がりを補助する乗上補助部材と、乗上補助部材をモーアに着脱可能に連結する連結手段とを備えるだけであることから、例えば、前述した従来技術のように、モーアに、乗り降り用の傾斜部を前後両端部に備えた長尺の歩み板を一体装備する場合に比較して、小型・軽量で簡単かつ安価に構成することができる。
【0031】
さらに、乗上補助部材がモーアに対して着脱可能であることから、乗上補助部材をモーアに一体装備する場合に比較して、乗上補助部材を備えた乗り越え仕様と、乗上補助部材を備えない一般仕様とに、簡単かつ安価に仕様変更することができる。
【0032】
従って、モーアの重量化やコストの高騰などを抑制しながら、また、モーアに対する乗り上がり走行を乗り心地良く円滑に行えるようにしながら、作業車の前後車輪間に対するモーアの出し入れを簡単に行えるとともに、その出し入れを簡単にする乗上補助部材を備えた乗り越え仕様と、乗上補助部材を備えない一般仕様との仕様変更を簡単かつ安価に行える多様性に優れたものに構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を作業車の一例であるトラクタ1に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1にはトラクタ1の全体側面が示されている。この図に示すように、トラクタ1は、前部フレーム2、エンジン3、クラッチハウジング4、中間フレーム5、およびミッションケース6を、その順に車体前側から位置するように連結して車体フレーム7が構成されている。車体フレーム7の前半部には、左右一対の前輪8を備える前車軸ケース9がローリング可能に支持されるとともに、エンジン3などを上方から覆うエンジンボンネット10などが配備されている。車体フレーム7の後半部には、左右一対の後輪11などが配備されるとともに、ステアリングホイール12や運転座席13などを備えて搭乗運転部14が形成されている。
【0035】
エンジン3からの動力は、クラッチハウジング4の内部に備えた主クラッチ(図示せず)などを介して、ミッションケース6の前部に連結した静油圧式無段変速装置(以下、HSTと略称する)15の入力軸(図示せず)に伝達される。そして、HST15による変速後の動力が、走行用の動力としてHST15の出力軸(図示せず)から取り出され、ミッションケース6の内部に備えたギヤ式変速装置(図示せず)に伝達され、ギヤ式変速装置による変速後の動力が、ミッションケース6の内部において前輪駆動用と後輪駆動用とに分岐され、前輪駆動用の動力が、ミッションケース6や前車軸ケース9などの内部に備えた前輪伝動系(図示せず)を介して左右の前輪8に伝達され、後輪駆動用の動力が、ミッションケース6の内部に備えた後輪伝動系(図示せず)を介して左右の後輪11に伝達される。また、HST15の入力軸から取り出される無変速動力が、作業用の動力として、ミッションケース6の内部に備えた作業伝動系(図示せず)を介して、ミッションケース6の後端部に備えた第1動力取出軸16と、ミッションケース6の底部に備えた第2動力取出軸17とに伝達される。
【0036】
ミッションケース6の後部には、その内部に備えた油圧シリンダ(図示せず)の作動によって上下方向に揺動駆動される左右一対のリフトアーム18、および、これらのリフトアーム18の揺動駆動に連動して上下方向に昇降揺動する第1リンク機構19、などが備えられている。第1リンク機構19は、ロータリ耕耘装置などの作業装置(図示せず)の着脱が可能に形成された左右一対のロアーリンク20などを備えて構成されている。
【0037】
つまり、油圧シリンダの作動によって、第1リンク機構19に装着した作業装置を昇降させることができる。また、第1動力取出軸16を、伝動軸(図示せず)などを介して作業装置の入力軸に連結することにより、第1動力取出軸16に伝達された作業用の動力を作業装置に供給することができる。
【0038】
図示は省略するが、油圧シリンダは、搭乗運転部14に備えた昇降レバーの揺動操作に連動して、油圧シリンダに対する作動油の流動を制御する制御弁の作動状態が切り換えられることにより、昇降レバーの操作位置に応じた作動状態に切り換わるように構成されている。
【0039】
図1および図2に示すように、車体フレーム7には、トラクタ1における左右の前輪8と左右の後輪11との間(トラクタ1の下腹部)に配備されるモーア21などの作業装置を昇降可能に吊り下げ支持する第2リンク機構22が着脱可能に装備されている。第2リンク機構22は、車体フレーム7の前部からモーア21の前端部にわたる左右一対の第1リンク23、および、車体フレーム7の前後中間部からモーア21の後部にわたる左右一対の第2リンク24、などを備えて構成されている。左右の第2リンク24は、連係機構25を介して左右のロアーリンク20に連係されている。
【0040】
連係機構25は、車体フレーム7に相対回動可能に支持された左右向きの回動軸26、回動軸26から車体前方に向けて延設された左右一対の第1連係アーム27、回動軸26から車体上方に向けて延設された左右一対の第2連係アーム28、ミッションケース6の後部に備えた左右一対の連動アーム29、左右の第1連係アーム27を対応する第2リンク24の遊端側に連係する左右一対の第1連係ロッド30、および、左右の第2連係アーム28を対応する連動アーム29に連係する左右一対の第2連係ロッド31、などによって構成されている。左右の連動アーム29は、対応するロアーリンク20の支軸32に相対揺動可能に支持されている。左右の連動アーム29の上部には、対応するロアーリンク20の上縁に片当たり接当する接当片29Aが屈曲形成されている。
【0041】
つまり、トラクタ1の下腹部にモーア21などの作業装置を配備した場合には、油圧シリンダの作動によるモーア21などの作業装置の昇降操作が可能となるように構成されている。
【0042】
回動軸26には、車体後方に向けて延出する単一の第3連係アーム33が一体装備されている。車体フレーム7には、上昇揺動する第3連係アーム33を受け止めることで、左右の第2リンク24の下降揺動を阻止する受止具34が装備されている。受止具34は、縦軸心周りでの回動操作が可能となるように車体フレーム7に支持されている。受止具34における円筒状の下縁部には、その周方向において第3連係アーム33の受け止め高さ位置が異なるように設定された複数段の受止部(符号無し)が形成されている。この構成から、受止具34を縦軸心周りに回動操作すると、第3連係アーム33を受け止める受止部が変更され、受止具34による第3連係アーム33の受け止め高さ位置、すなわち、受止具34が左右の第2リンク24の下降揺動を阻止する高さ位置が変更されることになる。
【0043】
つまり、第3連係アーム33と受止具34によって、モーア21の下限高さ位置を設定変更することにより、モーア21による刈り高さを調節する刈り高さ調節機構35が構成されている。
【0044】
なお、連係機構25において、左右のロアーリンク20と左右の連動アーム29とを片当たり接当式に構成したことにより、受止具34によって左右の第2リンク24の下降揺動が阻止された状態であっても、油圧シリンダの作動による左右のロアーリンク20の下降揺動は許容されている。
【0045】
図1〜3に示すように、モーア21は、対応する縦向きの回転軸36Aを中心にして平面視右回りに回転駆動される3枚のブレード36を内部に備えたモーアデッキ37の上部に、刈刃駆動用の伝動機構38が配備され、伝動機構38の左右両端部を上方から覆う左右一対の伝動カバー39が着脱可能に取り付けられている。モーアデッキ37は、その前上部37Aに刈草搬送用の通路として使用される内部通路37Bを有するように、その前上部37Aがモーアデッキ37の左右にわたって上向きに膨出形成され、かつ、その右端に排出口37Cが形成されるとともに排出カバー40が取り付けられている。
【0046】
つまり、このモーア21は、3枚のブレード36で刈り取った草を、ブレード36の回転に伴って発生する搬送風により、モーアデッキ37における前上部37Aの内部通路37Bを介して、右端の排出口37Cから排出するサイドディスチャージ仕様に構成されている。
【0047】
モーアデッキ37は、その前後左右に4つの転輪41が分配配備されている。モーアデッキ37の前部左右中央にはローラ42が配備されている。そして、そのローラ42を支持する左右一対の第1ブラケット43に、第2リンク機構22の対応する第1リンク23の遊端部が着脱可能に係合連結されている。モーアデッキ37の後部には、第2リンク機構22の対応する第2リンク24の遊端部24Aが着脱可能にピン連結される左右一対の第2ブラケット44が立設されている。
【0048】
伝動機構38は、モーアデッキ37の中央に配備された伝動ケース45の後部に、トラクタ1の第2動力取出軸17からの動力が伝達される入力軸46を備えている。入力軸46に伝達された動力は、伝動ケース45の内部に備えた伝動機構(図示せず)を介して、伝動ケース45の下部に備えた出力軸47に伝達される。出力軸47には、モーアデッキ37の中央に配備した回転軸36Aとともに、駆動プーリ48が一体回転するように連結されている。そして、その駆動プーリ48の回転力が、モーアデッキ37の左右に配備した各回転軸36Aと一体回転する従動プーリ49に伝動ベルト50を介して伝達される。
【0049】
つまり、伝動機構38は、トラクタ1の第2動力取出軸17からの動力を3枚のブレード36の各回転軸36Aにベルト伝動して3枚のブレード36を回転駆動させるベルト伝動式に構成されている。
【0050】
なお、図3における符号51は、引っ張りバネ52により緊張付勢されたテンションプーリである。また、入力軸46は、伸縮可能な伝動軸53および自在継手54を介して、トラクタ1の第2動力取出軸17に連結されている。
【0051】
図1〜5に示すように、左右の伝動カバー39は、天井壁39Aと外側壁39Bと後壁39Cとを有するように屈曲形成された鋼板製である。天井壁39Aには、伝動カバー39がモーアデッキ37に取り付けられた際にモーアデッキ37の上面に接当するようになる逆L字状の脚部55が溶接されている。天井壁39Aの前部には、モーアデッキ37の前上部37Aに備えた対応するリング状の被係合金具56に係脱可能に係合する係合金具57が装備されている。係合金具57は、前後方向への揺動操作が可能な操作部57A、および、操作部57Aの揺動操作に連動して、デッドポイントを挟んだ被係合金具56に対する係合位置と係合解除位置とにわたって変位する板バネからなるフック状の係合部57B、などを備えて構成されている。後壁39Cには、モーアデッキ37に後向きに備えた対応する係合ピン58が係入される左右一対の長孔39Dが、上下方向の長さが長くなるように形成されている。各係合ピン58は、モーアデッキ37における左右の後部側に一対ずつ立設した合計4枚の受板59に固着されている。
【0052】
つまり、前述した被係合金具56、係合金具57、左右一対の長孔39D、左右一対の係合ピン58、および左右一対の受板59によって、モーアデッキ37に対する伝動カバー39の着脱を可能にする連結機構が構成されている。そして、伝動カバー39をモーアデッキ37に取り付けた状態では、伝動カバー39における後壁39Cの前面が対応する受板59の背面に接合し、伝動カバー39における各長孔39Dの下縁が対応する係合ピン59に接合し、天井壁39Aの前端がモーアデッキ37の前上部37Aに接合するように設定されている。これにより、モーアデッキ37に対して左右の伝動カバー39を安定した状態で取り付けることができるとともに、左右の伝動カバー39をモーアデッキ37に取り付けた状態では、モーアデッキ37における前上部37Aの上端面と左右の伝動カバー39における天井壁39Aの上端面とが略同じ高さに位置するようになる。
【0053】
図1〜6に示すように、このトラクタ1には、モーア21に対する前後の車輪8,11の乗り上がりを補助する傾斜面60Aを備えた左右一対の乗上補助部材60が装備されている。各乗上補助部材60は、長くて勾配の緩い傾斜面60Aを有するように側面視L字状に屈曲形成された鋼板製で、その長尺側に傾斜面60Aが形成され、その短尺側が、第1連結手段61または第2連結手段62を介して、モーア21に着脱可能に連結される。
【0054】
第1連結手段61は、モーア21に対して乗上補助部材60を、その傾斜面60Aがモーア21に対する車輪8,11の乗り上がりを補助する使用位置において着脱可能に連結するためのものであって、モーアデッキ37の下縁37Dに形成された折返部37Eと、乗上補助部材60の短尺側の端縁部(係合部)60Bとから、その端縁部60Bが折返部37Eに対して上方から係脱可能に係入する係合式に構成されている。折返部37Eは、モーアデッキ37を形成する際のプレス加工によって、モーアデッキ37の下縁37Dがモーアデッキ37の外部上方に向かうように折り返されることにより、その下縁37Dの全域にわたって一体形成されている。
【0055】
第2連結手段62は、モーア21に対して乗上補助部材60を格納位置において着脱可能に連結するためのものであって、各伝動カバー39の後壁39Cに、後方に向けて延出するように溶接された左右一対の連結ボルト63と、各連結ボルト63に螺合される蝶ナット64と、各乗上補助部材60の短尺側に上向きに凹入形成された左右一対の凹部60Cとから構成されている。
【0056】
使用位置は、各乗上補助部材60の傾斜面60Aが、モーアデッキ37の前端上部近傍から前方の地面にわたる状態、または、モーアデッキ37の後端上部近傍から後方の地面にわたる状態で、かつ、それらの傾斜面60Aを登る左右の車輪8,11が対応する伝動カバー39に向かう状態となるように、モーア21に対して各乗上補助部材60が配置される位置である。
【0057】
格納位置は、モーアデッキ37の上部において、各乗上補助部材60が対応する伝動カバー39の後端とモーアデッキ37の後端との間に位置するように、モーア21に対して各乗上補助部材60が配置される位置である。
【0058】
以上の構成から、トラクタ1における左右の前輪8と左右の後輪11との間にモーア21を位置させる場合には、各乗上補助部材60を、第2連結手段62による格納位置での連結を解除して格納位置から取り外し、後側の使用位置に位置するように第1連結手段61を介してモーア21に連結した後、トラクタ1の各前輪8が対応する乗上補助部材60に向かうようにトラクタ1を前進させると、各前輪8が対応する乗上補助部材60の傾斜面60Aを登ってモーアデッキ37の後上部に乗り上がる。
【0059】
そして、その乗り上がり後もトラクタ1を前進させると、各前輪8が、モーアデッキ37の後上部から対応する伝動カバー39に乗り上がり、対応する伝動カバー39からモーアデッキ37の前上部37Aに乗り移った後、モーアデッキ37の前上部37Aから地面に向けて下り降りる。
【0060】
これにより、左右の前輪8がモーア21を乗り越えることになり、左右の前輪8と左右の後輪11との間にモーア21が位置するようになる。
【0061】
逆に、トラクタ1における左右の前輪8と左右の後輪11との間からモーア21を取り出す場合には、各乗上補助部材60を、第2連結手段62による格納位置での連結を解除して格納位置から取り外し、後側の使用位置に位置するように第1連結手段61を介してモーア21に連結した後、トラクタ1の各後輪11が対応する乗上補助部材60に向かうようにトラクタ1を前進させると、各後輪11が対応する乗上補助部材60の傾斜面60Aを登ってモーアデッキ37の後上部に乗り上がる。
【0062】
そして、その乗り上がり後もトラクタ1を前進させると、各後輪11が、モーアデッキ37の後上部から対応する伝動カバー39に乗り上がり、対応する伝動カバー39からモーアデッキ37の前上部37Aに乗り移った後、モーアデッキ37の前上部37Aから地面に向けて下り降りる。
【0063】
これにより、左右の後輪11がモーア21を乗り越えることになり、トラクタ1の後方にモーア21が位置するようになる。
【0064】
つまり、モーア21を、トラクタ1の横側方から左右の前輪8と左右の後輪11との間に運び入れる、あるいは、左右の前輪8と左右の後輪11との間から運び出す、といった手間を要することなく、左右の前輪8と左右の後輪11との間に対して簡単に出し入れすることができる。
【0065】
また、左右の前輪8と左右の後輪11との間にモーア21を位置させる場合には、左右の乗上補助部材60を後側の使用位置に配置して、左右の乗上補助部材60と左右の前輪8との位置関係などを視認し易い前進走行で、左右の前輪8を、対応する乗上補助部材60の傾斜面60Aを登らせてモーア21を乗り越えさせることから、モーア21に対する乗り越え走行が行い易くなる。
【0066】
さらに、各乗上補助部材60が後側の使用位置に位置する状態では、各乗上補助部材60における長尺で勾配の緩い傾斜面60Aが、モーアデッキ37の後端上部近傍から後方の地面にわたるようになることから、モーア21に対する乗り上がり走行を、不安感を覚える虞のない乗り心地の良い安定した状態で円滑に行える。
【0067】
そして、モーア21に対する乗り越え走行後は、各乗上補助部材60を使用位置から取り外して格納位置に位置させることで、トラクタ1にモーア21を連結した作業走行時に、各乗上補助部材60が接地して走行や操向の抵抗になる、または、作業地を痛めるなどの支障を来す虞を未然に回避することができる。
【0068】
しかも、モーア21に対する乗り上がり走行を行う場合には、各乗上補助部材60を、第1連結手段61を介してモーア21に連結することから、左右の前輪8または左右の後輪11が、対応する乗上補助部材60の傾斜面60Aからモーアデッキ37の後上部に乗り移る際に、前輪8または後輪11によって、モーア21が各乗上補助部材60から離れる方向に押し出されるようになったとしても、その前輪8または後輪11による踏み付けで移動が阻止されている各乗上補助部材60とともに、モーア21の移動が阻止される。これにより、各乗上補助部材60からモーア21が離れることに起因して、モーア21に対する乗り上がり走行が円滑に行われ難くなる虞を未然に回避することができる。
【0069】
ちなみに、図3において一点鎖線で示すように、各乗上補助部材60を、前側の使用位置に位置するように第1連結手段61を介してモーア21に連結した場合には、トラクタ1の各後輪11または各前輪8が対応する乗上補助部材60に向かうようにトラクタ1を後進させると、各後輪11または各前輪8が対応する乗上補助部材60の傾斜面60Aを登ってモーアデッキ37の前上部37Aに乗り上がる。
【0070】
そして、その乗り上がり後もトラクタ1を後進させると、各後輪11または各前輪8が、モーアデッキ37の前上部37Aから対応する伝動カバー39に乗り移り、対応する伝動カバー39からモーアデッキ37の後上部に下り降りた後、モーアデッキ37の後上部から地面に向けて下り降りる。
【0071】
これにより、左右の後輪11または左右の前輪8がモーア21を乗り越えることになり、左右の前輪8と左右の後輪11との間、または、トラクタ1の前方にモーア21が位置するようになる。
【0072】
つまり、各乗上補助部材60を前側の使用位置に位置させた場合においても、モーア21を、トラクタ1の横側方から左右の前輪8と左右の後輪11との間に運び入れる、あるいは、左右の前輪8と左右の後輪11との間から運び出す、といった手間を要することなく、左右の前輪8と左右の後輪11との間に対して簡単に出し入れすることができる。
【0073】
図2〜4に示すように、左右の各伝動カバー39は、その天井壁39Aにおける係合部57Bの下方の位置に丸棒部材65が左右向きに溶接されている。これにより、トラクタ1の車輪8,11が、伝動カバー39からモーアデッキ37の前上部37Aに乗り移る際に、係合部57Bを踏み付けることに起因した係合部57Bの変形を防止することができ、その変形によって、係合部57Bと被係合金具56との係合が解除される虞を未然に回避することができる。
【0074】
図2〜5に示すように、左右の各伝動カバー39は、その天井壁39Aの内端側に、天井壁39Aの前後にわたる補強部材66が溶接されている。これにより、左右の各伝動カバー39の強度を高めながら、トラクタ1がモーア21を乗り越える際の左右の伝動カバー39に対する左右の車輪8,11の左右方向への位置ずれを抑制することができる。
【0075】
図2〜4に示すように、モーアデッキ37は、その前上部37Aにおける左右の伝動カバー39の前方に位置する部位に、板状の滑止部材67が配備されている。これにより、左右の前輪8を前進走行でモーア21を乗り越えさせる場合には、左右の滑止部材67を指標にすることができ、前進走行による左右の前輪8のモーア21に対する乗り越え走行をより簡単かつ確実に行うことができる。また、トラクタ1の各車輪8,11が、モーアデッキ37の前上部37Aから地上に降りる際に発生する虞のあるモーアデッキ37に対する各車輪8,11の滑りを、左右の滑止部材67によって抑制することができ、結果、その滑りに起因して、モーア21が急激に後方に押し出される虞を回避することができる。
【0076】
図2〜7に示すように、モーアデッキ37において、左右一対の第2ブラケット44は、その後縁上部44aが、下部側ほど機体前側寄りに位置するように湾曲形成されている。左右の第2リンク24は、対応する第2ブラケット44にピン連結される遊端部24Aが、機体前方側が開放された平面視略コの字状で、その左右の側壁部分24aの前部側が、前側ほど互いに離れる先広がり状に形成されている。左右の各側壁部分24aは、その前部側が後部側よりも下方に延出し、その延出する前部側の下側前縁部24bが、その上側ほど前側に位置する前傾姿勢に形成されている。そして、前述した刈り高さ調節機構35を操作して、左右の第2リンク24の下限高さ位置を、モーア21に対する取り付け用の高さ位置に設定した場合には、左右の各第2リンク24における左右の下側前縁部24bと、左右の各第2ブラケット44の後縁上部44aとが、接当可能な高さ位置に位置するように高さ設定されている。
【0077】
この構成から、トラクタ1の下腹部にモーア21を取り付ける場合には、左右の第2リンク24の下限高さ位置を、モーア21に対する取り付け用の高さ位置に設定した状態で、トラクタ1を、その左右の前輪8が左右の乗上補助部材60を介してモーア21を乗り越えるように前進させて行くと、このときに、左右の第2リンク24の遊端部24Aと左右の第2ブラケット44との間において、左右方向での許容範囲内の位置ずれが生じていれば、左右の前輪8がモーアデッキ37の前上部37Aから地上に降りる際に発生するモーア21に対する後方への押し出し力を利用して、トラクタ1の前進とともにモーア21が前進する不都合を招くことなく、左右の各第2リンク24における左右いずれかの下側前縁部24bを、対応する第2ブラケット44の後縁上部44aに対して交差状に接当させて、対応する後縁上部44aによって、左右方向の適正位置に摺接案内させることができるようになる。これにより、モーア21に対するトラクタ1の乗り越え走行に伴って、左右の各第2リンク24の遊端部24Aにおける左右の側壁部分24aの間に、対応する第2ブラケット44を確実に自動係入させることができる。
【0078】
そして、この自動係入後に、左右の各第2リンク24における遊端部24Aの後端が、対応する第2ブラケット44の後縁上部44aに接当すると、左右の各第2リンク24に備えた係止ピン68と、左右の各第2ブラケット44に穿設した係止孔44bとが対向するように設定されており、この対向状態で、支持部材69との係合により押しバネ70の付勢に抗して係止解除位置に固定されている係止ピン68を操作して、支持部材69との係合を解除すれば、左右の各第2リンク24の遊端部24Aを対応する第2ブラケット44に簡単にピン連結することができる。
【0079】
トラクタ1の下腹部からモーア21を取り除く場合には、係止ピン68を、押しバネ70の付勢に抗して支持部材69に係合させた後、油圧シリンダの作動で左右の第2リンク24を上昇揺動させるようにすれば、左右の各第2リンク24における遊端部24Aを、対応する第2ブラケット44から上方に離間して、モーア21に対するトラクタ1の左右の後輪11の乗り越えを許容する高さ位置に位置させることができる。
【0080】
〔別実施形態〕
【0081】
〔1〕本発明が適用される作業車1としては、前輪8と後輪11との間にモーア21を着脱可能に装備できるものであればトラクタに限定されるものではない。
【0082】
〔2〕モーア21としては、ブレードの回転に伴って発生する搬送風により、モーアデッキ37における前上部37Aなどの内部通路37Bを介して、後端に形成した排出口37Cから排出するリヤディスチャージ仕様に構成したものであってもよい。
【0083】
〔3〕モーア21としては、ブレードで刈り取った刈草を、モーアデッキ37の内部で流動させて細断した後に、モーアデッキ37の底部の開口から下方の地面に落下させるマルチング仕様に構成したものであってもよい。
【0084】
〔4〕モーア21としては、作業車1からの動力を、ベベルギヤや伝動軸などを介してブレード36の回転軸36Aに伝達するように構成した軸伝動式のものであってもよい。
【0085】
〔5〕モーア21としては、モーアデッキ37の内部に2枚または4枚以上のブレードを備えるように構成したものであってもよい。
【0086】
〔6〕モーア21としては、モーアデッキ37の後端上部と伝動カバー39の後端上部とにわたって傾斜する傾斜面を有するように構成したものであってもよい。また、モーアデッキ37の前端部と伝動カバー39の前端部との間に段差を有するモーア21においては、モーアデッキ37の前端上部と伝動カバー39の前端上部とにわたって傾斜する傾斜面を有するように構成してもよい。
【0087】
〔7〕モーア21としては、モーアデッキ37の下縁37Dに折返部37Eが形成されないものであってもよい。
【0088】
〔8〕第1連結手段(請求項1および2に記載の連結手段)61としては、使用位置において、乗上補助部材60をボルト・ナットによってモーア21に着脱可能に連結するように構成したものであってもよい。
【0089】
〔9〕第1連結手段(請求項1および2に記載の連結手段)61としては、第1連結手段61を、モーア21の後側に設定した使用位置においてのみ、乗上補助部材60を着脱可能に連結するように構成したものであってもよく、また、モーア21の前側に設定した使用位置においてのみ、乗上補助部材60を着脱可能に連結するように構成したものであってもよい。
【0090】
〔10〕第2連結手段(請求項3に記載の連結手段)62としては、乗上補助部材60に備えた係合部と、モーア21に備えた被係合部とから、係脱可能な係合式に構成してもよい。
【0091】
〔11〕請求項1または2に記載の発明においては、作業車側に乗上補助部材60の格納位置を設定し、その格納位置において作業車に対して乗上補助部材60を着脱可能に連結する連結手段(第2連結手段)62を備えるようにしてもよい。また、作業車側に、乗上補助部材60を出し入れ可能に収容する収容部を備えるようにしてもよい。
【0092】
〔12〕図8に示すように、乗上補助部材60としては、使用位置において、その傾斜面60Aの上端部とモーアデッキ37の上部との間に大きい段差を有するように形成したものであってもよい。この構成においても、使用位置においては、各乗上補助部材60を、第1連結手段61を介してモーア21に連結することから、左右の前輪8または左右の後輪11が、対応する乗上補助部材60の傾斜面60Aからモーアデッキ37の後上部(または前上部)に乗り移る際に、前輪8または後輪11によって、モーア21が各乗上補助部材60から離れる方向に押し出されるようになったとしても、その前輪8または後輪11による踏み付けで移動が阻止されている各乗上補助部材60とともに、モーア21の移動が阻止されることになり、結果、各乗上補助部材60からモーア21が離れることに起因して、モーア21に対する乗り上がり走行が円滑に行われ難くなる虞を未然に回避することができる。
【0093】
なお、図8に示す符号71は、使用位置において接地するように傾斜面60Aの裏面側に溶接された丸鋼製の補強部材である。
【0094】
〔13〕図9に示すように、乗上補助部材60における短尺側の端縁部(係合部)60Bを、モーアデッキ37の下縁37Dに対して下方から係合するように形成してもよい。つまり、この場合、乗上補助部材60の短尺側の端縁部60Bと、モーアデッキ37の下縁37Dとから、第1連結手段(請求項1および2に記載の連結手段)61が構成されることになる。そして、この構成においても、左右の前輪8または左右の後輪11が、対応する乗上補助部材60の傾斜面60Aからモーアデッキ37の後上部(または前上部)に乗り移る際に、前輪8または後輪11によって、モーア21が各乗上補助部材60から離れる方向に押し出されるようになったとしても、その前輪8または後輪11による踏み付けで移動が阻止されている各乗上補助部材60とともに、モーア21の移動が阻止されることから、各乗上補助部材60からモーア21が離れることに起因して、モーア21に対する乗り上がり走行が円滑に行われ難くなる虞を未然に回避することができる。
【0095】
〔14〕請求項1および2に記載の発明では、図10および図11に示すように、乗上補助部材60を、モーア21に対して、格納位置と使用位置とにわたって摺動変位可能に、かつ、使用位置において着脱可能となるように装備してもよい。
【0096】
その構成について詳述すると、図10および図11に示すように、乗上補助部材60は、断面形状がコの字状となるように屈曲形成された鋼板製で、その右側壁における格納位置側の端部に、右外方に向けて突出する係合ピン60Dが一体装備され、その左側壁における格納位置側の端部と使用位置側の端部とのそれぞれに係止孔60E,60Fが形成されている。
【0097】
モーア21においては、伝動カバー39(またはモーアデッキ37)に、平面視コの字状に形成されたガイド部材72が一体装備され、このガイド部材72の右側壁には、乗上補助部材60の係合ピン60Dを前後方向に摺動案内するとともに、使用位置での係合ピン60Dの係脱を許容するスリット72Aが形成され、ガイド部材72の左側壁における使用位置側の端部には、乗上補助部材60の係止孔60E,60Fに対して抜き差し可能な係止ピン72Bや、この係止ピン72Bを係止孔60E,60Fに対する差し込み方向に付勢するバネ72Cなどが装備されている。
【0098】
つまり、この構成では、使用位置において、乗上補助部材60の係合ピン60Dをガイド部材72のスリット72Aに係入し、ガイド部材72の係止ピン72Bを乗上補助部材60における格納位置側の係止孔60Eに係入させることにより、モーア21に対して乗上補助部材60を連結することができる〔図10および図11の(b)参照〕。
【0099】
この使用位置での連結状態において、バネ72Cの付勢に抗して、格納位置側の係止孔60Eに対する係止ピン72Bの係入を解除すると、乗上補助部材60の使用位置から格納位置への摺動変位、および、乗上補助部材60のモーア21からの取り外しが許容される。この状態において、乗上補助部材60を格納位置まで摺動変位させると、バネ72Cの付勢により、ガイド部材72の係止ピン72Bが乗上補助部材60における使用位置側の係止孔60Fに係入する。これにより、モーア21の上部に設定した格納位置において乗上補助部材60を係止保持することができる〔図11の(a)参照〕。
【0100】
この格納位置での係止保持状態において、バネ72Cの付勢に抗して、使用位置側の係止孔60Fに対する係止ピン72Bの係入を解除すると、乗上補助部材60の格納位置から使用位置への摺動変位が許容される。この状態において、乗上補助部材60を使用位置まで摺動変位させると、バネ72Cの付勢により、ガイド部材72の係止ピン72Bが乗上補助部材60における格納位置側の係止孔60Eに係入する。これにより、モーア21の上部からその前後方向の地面に向けて延出する状態となる使用位置において乗上補助部材60を係止保持することができる〔図10および図11の(b)参照〕。
【0101】
そして、乗上補助部材60に備えた係合ピン60Dと格納位置側の係止孔60E、および、ガイド部材72に備えたスリット72Aと係止ピン72Bとバネ72C、などによって、使用位置において乗上補助部材60をモーア21に対して着脱可能に連結する連結手段(第1連結手段)61が構成されている。
【0102】
また、この構成においては、乗上補助部材60を、複数枚の板体を伸縮可能に連結した伸縮式に構成して、使用位置においては、乗上補助部材60を伸長させることにより、より緩やかで登り易い長尺の傾斜面60Aを形成でき、また、格納位置においては、乗上補助部材60を収縮させることにより、乗上補助部材60をコンパクトに格納できるように構成してもよい。
【0103】
〔15〕請求項1および2に記載の発明では、図12および図13に示すように、一端部に屈曲部60G〔図12参照〕または湾曲部60H〔図13参照〕が一体形成された鋼板製の乗上補助部材60を、使用位置において、その屈曲部60Gまたは湾曲部60Hが、モーアデッキ37に左右向きに一体装備した丸鋼製の係合部材73に対して係脱されることにより、モーア21に対する着脱が可能となるように構成してもよい。
【0104】
この構成では、乗上補助部材60に備えた屈曲部60Gまたは湾曲部60H、および、モーアデッキ37に備えた係合部材73によって、使用位置において乗上補助部材60をモーア21に対して着脱可能に連結する連結手段(第1連結手段)61が構成されている。
【0105】
〔16〕請求項3に記載の発明では、図14〜16に示すように、乗上補助部材60を、モーア21に対して左右方向に摺動変位可能に、かつ、前後方向に揺動変位可能に装備するとともに、モーア21に対して、モーア21の上方に設定した格納位置にて着脱可能となるように構成してもよい。
【0106】
その構成について詳述すると、図14〜16に示すように、乗上補助部材60は、一端部に屈曲部60K〔図14および15参照〕または湾曲部60L〔図16参照〕が一体形成された鋼板製である。
【0107】
モーアデッキ37には、乗上補助部材60の屈曲部60Kまたは湾曲部60Lとの係合により、乗上補助部材60を、左右方向に摺動変位可能に、かつ、前後方向に揺動変位可能に支持する丸鋼製の支持部材74が左右向きに装備されている。支持部材74は、モーア21に乗り上がる車輪8,11に対して、乗上補助部材60を前後方向で対向させる車体内方側の対向位置と、乗上補助部材60を前後方向で対向させない車体外方側の非対向位置とにわたって、乗上補助部材60を左右方向に摺動案内する長さを有するように構成されている。
【0108】
使用位置は、乗上補助部材60が車体内方側の対向位置に位置する状態で、かつ、モーア21から前後方向の外方に向けて延出する状態となる位置に設定されている。
【0109】
乗上補助部材60の屈曲部60Kまたは湾曲部60Lと支持部材74とは、乗上補助部材60がモーア21から前後方向の外方に向けて延出する状態では、乗上補助部材60の傾斜面60Aがモーアデッキ37と支持部材74との間に位置するように係合することで、モーア21に対する乗上補助部材60の着脱を阻止し、乗上補助部材60の全体がモーア21の上方に位置する状態では、乗上補助部材60の傾斜面60Aが支持部材74の上方に位置するように係合することで、モーア21に対する乗上補助部材60の着脱を許容するように構成されている。
【0110】
つまり、この構成では、乗上補助部材60を使用位置に位置させたモーア21に対する乗り上がり走行において、乗上補助部材60がモーア21から不測に外れる虞を回避することができる。また、乗上補助部材60の交換を要する場合には、乗上補助部材60を、使用位置から格納位置に揺動変位させることで、モーア21に対して乗上補助部材60を着脱することができる。さらに、前後一方の車輪8,11がモーア21を乗り越えた後に、他方の車輪8,11が乗上補助部材60に接近し過ぎて、乗上補助部材60の使用位置から格納位置への揺動変位に支障を来す場合には、乗上補助部材60を使用位置(対向位置)から非対向位置に摺動変位させることで、乗上補助部材60を格納位置に揺動変位させることができる〔図15参照〕。
【0111】
〔17〕請求項3に記載の発明では、図17に示すように、各乗上補助部材60の使用位置を、モーア21の前方または後方において、各乗上補助部材60の傾斜面60Aが、モーアデッキ37の前端上部近傍から前方の地面にわたる状態、または、モーアデッキ37の後端上部近傍から後方の地面にわたる状態で、かつ、それらの傾斜面60Aを登る左右の車輪8,11が対応する伝動カバー39に向かう状態となるように、モーア21に対して各乗上補助部材60が近接配置される位置(第1連結手段61で連結されない位置)に設定してもよい。
【0112】
〔18〕乗上補助部材60を、モーア21(モーアデッキ37)の前後一端部に、左右向きの支点軸を介して、モーア21の上方に位置する状態となる格納位置と、モーア21から前後方向の外方に向けて延出する状態となる使用位置とにわたって揺動変位可能に、かつ、格納位置と使用位置のそれぞれにおいて、支点軸の抜き差しによるモーア21に対する乗上補助部材60の着脱が可能となるように連結してもよい。
【0113】
〔19〕図18に示すように、乗上補助部材60を、2枚の板体75,76を連結軸77を介して屈伸可能に連結して折り畳み式に構成するとともに、モーア21(モーアデッキ37)の前後一端部に、左右向きの支点軸78を介して、モーア21の上方に位置する状態となる格納位置と、モーア21から前後方向の外方に向けて延出する状態となる使用位置とにわたって揺動変位可能に連結するようにしてもよい。
【0114】
乗上補助部材60を折り畳み式に構成すると、使用位置においては、乗上補助部材60を展開させることにより、より緩やかで登り易い長尺の傾斜面60Aを形成することができ〔図18の(b)参照〕、また、乗上補助部材60を使用位置と格納位置とにわたって揺動変位させる際には、乗上補助部材60を折り畳むことにより、乗上補助部材60をコンパクトに纏めて、乗上補助部材60が作業車1の下腹部に配備した機器などに接当する虞を回避することができる〔図18の(a)参照〕。
【0115】
つまり、モーア21に対する乗り上がり走行を、より運転者に不安感を与える虞のない乗り心地の良い安定した状態で円滑に行えるようにしながら、乗上補助部材60を使用位置と格納位置とにわたって揺動変位させる際の操作性を向上させることができる。
【0116】
なお、図18においては、乗上補助部材60を2枚の板体75,76などによる折り畳み式に構成したものを例示したが、それ以外に、乗上補助部材60を3枚以上の板体などによる折り畳み式に構成して、使用位置においては、乗上補助部材60を展開させることにより、より一層緩やかで登り易い長尺の傾斜面60Aを形成できるようにし、また、乗上補助部材60を使用位置と格納位置とにわたって揺動変位させる際には、乗上補助部材60を折り畳むことにより、乗上補助部材60をよりコンパクトに纏めることができて、作業車1に対するモーア21の昇降位置にかかわらず、乗上補助部材60が作業車1の下腹部に配備した機器などに接当する虞を回避できるようにしてもよい。
【0117】
また、折り畳み式の乗上補助部材60を、支点軸78の抜き差しによるモーア21に対する着脱が可能となるように構成して、作業車1に備えた収容部などに収容するように構成してもよい。
【0118】
〔20〕乗上補助部材60の傾斜面20Aに、車輪8,11の滑りを防止する平面視横一直線状、平面視ハの字状、平面視逆ハの字状、平面視ヘの字状、あるいは、平面視逆ヘの字状、などの複数の滑止部を上向きに突出形成してもよい。また、乗上補助部材60の傾斜面20Aに、形状の異なる複数の滑止部を上向きに突出形成してもよい。さらに、乗上補助部材60の傾斜面20Aに、上向きに突出する部材を溶接して滑止部を形成するようにしてもよい。
【0119】
〔21〕図19に示すように、乗上補助部材60を、モーア21に対する車輪8,11の乗り上がりを補助するように、モーア21の上部よりも低い高さに高さ設定された段部60Mを有するとともに、その段部60Mの一端部60Nがモーアデッキ37の折返部37Eに対して係脱可能に係合するように構成してもよい。
【0120】
この構成では、乗上補助部材60における段部60Mの一端部60Nと、モーアデッキ37の折返部37Eとから、段部60Mがモーア21に対する車輪8,11の乗り上がりを補助する使用位置において乗上補助部材60をモーア21に着脱可能に連結する連結手段61が構成されている。
【0121】
そして、モーア21に対する乗り上げ走行時には、左右の車輪8,11が、対応する高さの低い段部60Mに乗り上がった後、段部60Mからモーア21に乗り上がるようになる。これにより、左右の車輪8,11が地面からモーア21に一挙に乗り上がる場合に比較して、モーア21に対する左右の車輪8,11の乗り上げを容易に行える。
【0122】
また、左右の車輪8,11が、対応する乗上補助部材60の段部60Mからモーア21に乗り上がる際に、左右の車輪8,11によって、モーア21が各乗上補助部材60から離れる方向に押し出されるようになったとしても、その左右の車輪8,11による踏み付けで移動が阻止されている各乗上補助部材60とともに、モーア21の移動が阻止されることから、各乗上補助部材60からモーア21が離れることに起因して、モーア21に対する乗り上がり走行が円滑に行われ難くなる虞を未然に回避することができる。
【0123】
なお、この構成においては、段部60Mの上面に、車輪8,11の滑りを防止する複数の滑止部を突出形成するようにしてもよい。
【0124】
〔22〕図20に示すように、乗上補助部材60を、モーア21に対して車輪8,11が乗り上がる際に車輪8,11が走行する走行面60Pと、使用位置においては、モーアデッキ37の下縁37Dに対して、モーアデッキ37の内部側から作用するようにモーアデッキ37の内部に係入される起立部60Qとを有するように形成してもよい。
【0125】
この構成では、モーア21に対する乗り上げ走行時には、左右の車輪8,11が、乗上補助部材60の走行面60Pを走行しながらモーア21に乗り上がるようになる。そして、左右の車輪8,11がモーア21に乗り上がる際に、左右の車輪8,11によって、モーア21が各乗上補助部材60から離れる方向に押し出される場合には、その左右の車輪8,11による踏み付けで移動が阻止されている各乗上補助部材60の起立部60Qにモーアデッキ37の下縁37Dが接当して、モーア21が各乗上補助部材60から離れる方向に押し出されるのを阻止する。これにより、各乗上補助部材60からモーア21が離れることに起因して、モーア21に対する乗り上がり走行が行われ難くなる虞を未然に回避することができる。
【0126】
なお、この構成においては、走行面60Pに、車輪8,11の滑りを防止する複数の滑止部を突出形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】トラクタにモーアを装着した状態を示すトラクタの全体側面図
【図2】モーアと乗上補助部材との位置関係を示す要部の一部破断側面図
【図3】モーアと乗上補助部材との位置関係を示す要部の平面図
【図4】モーアに対する乗上補助部材の着脱構造を示す要部の斜視図
【図5】乗上補助部材の作用を示す要部の縦断側面図
【図6】第2リンクと第2ブラケットとの連結構造を示す要部の側面図
【図7】第2リンクと第2ブラケットとの連結構造を示す要部の斜視図
【図8】別実施形態〔12〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図9】別実施形態〔13〕の構成を示す要部の一部破断側面図
【図10】別実施形態〔14〕の構成を示す要部の斜視図
【図11】別実施形態〔14〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図12】別実施形態〔15〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図13】別実施形態〔15〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図14】別実施形態〔16〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図15】別実施形態〔16〕の構成を示す要部の平面図
【図16】別実施形態〔16〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図17】別実施形態〔17〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図18】別実施形態〔19〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図19】別実施形態〔21〕の構成を示す要部の縦断側面図
【図20】別実施形態〔22〕の構成を示す要部の縦断側面図
【符号の説明】
【0128】
8 車輪(前輪)
11 車輪(後輪)
21 モーア
37 モーアデッキ
37D 下縁
37E 折返部
60 乗上補助部材
60A 傾斜面
60B 係合部
61 連結手段(第1連結手段)
62 連結手段(第2連結手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後の車輪間にモーアが着脱可能に連結される作業車のモーア乗り越え構造であって、
前記モーアに対する前記車輪の乗り上がりを補助する傾斜面が形成された乗上補助部材と、
前記傾斜面が前記モーアに対する前記車輪の乗り上がりを補助する使用位置において前記乗上補助部材を前記モーアに着脱可能に連結する連結手段と、
を備えてあることを特徴とする作業車のモーア乗り越え構造。
【請求項2】
前記モーアにおけるモーアデッキの下縁に、前記モーアデッキの外部上方に向けて折り返される折返部を形成し、
前記乗上補助部材に、前記折返部に係脱可能に係合する係合部を備え、
前記折返部と前記係合部とから前記連結手段を構成してあることを特徴とする請求項1に記載の作業車のモーア乗り越え構造。
【請求項3】
前後の車輪間にモーアが着脱可能に連結される作業車のモーア乗り越え構造であって、
前記モーアに対する前記車輪の乗り上がりを補助する傾斜面が形成された乗上補助部材と、
前記乗上補助部材を格納位置において前記モーアに着脱可能に連結する連結手段と、
を備えてあることを特徴とする作業車のモーア乗り越え構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−289429(P2008−289429A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139341(P2007−139341)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】