説明

作業車

【課題】旋回機構を介した他方において大電力を得ることができる作業車を提供する。
【解決手段】走行体10に相対的に旋回する旋回体11が搭載された作業車1である。
そして、この作業車1は、走行体10と旋回体11との間に形成された旋回機構2と、走行体10又は旋回体11のいずれか一方に配置された動力装置3と、走行体10又は旋回体11の動力装置3が配置されない他方に配置されたステータ41及びロータ42、動力装置3の回転が機械的に伝達され旋回機構2の回転中心軸Cに沿って配置されるロータ42の回転軸43、を有する発電機4と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行体に旋回体が搭載された作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旋回体と走行体を有するクレーンや高所作業車等の作業車では、スリップリングを介して電気を伝達したり、スイベルジョイントを介して油圧を伝達したりして、動力を伝達していた。
【0003】
しかしながら、スリップリングを使用すると装置の寸法が大きくなるため旋回中心に装備できなかったり、小型のものにすると大電力を送電することができないという問題があった。また、スイベルジョイントを使用する場合には、圧力損失が大きくなるため効率が悪いという問題があった。
【0004】
そこで、例えば特許文献1には、走行体側の動力装置の回転をそのまま機械的に旋回体側に伝達し、旋回体では回転によってクレーンの各装置を駆動する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57−74386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の作業車は、走行体に配置された動力装置の回転をそのまま機械的に旋回体へ伝達するものであるため、旋回体で利用しにくいものとなっていた。そして、利用しやすいエネルギー形態としては、電気エネルギーが好ましい。
【0007】
そこで、本発明は、旋回機構を介した他方において大電力を得ることができる作業車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の作業車は、走行体に相対的に旋回する旋回体が搭載された作業車であって、前記走行体と前記旋回体との間に形成された旋回機構と、前記走行体又は前記旋回体のいずれか一方に配置された動力装置と、前記走行体又は前記旋回体の前記動力装置が配置されない他方に配置されたステータ及びロータ、前記動力装置の回転が機械的に伝達され前記旋回機構の回転中心軸に沿って配置される前記ロータの回転軸、を有する発電機と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明の作業車は、走行体と旋回体との間に形成された旋回機構と、走行体又は旋回体のいずれか一方に配置された動力装置と、走行体又は旋回体の動力装置が配置されない他方に配置されたステータ及びロータ、動力装置の回転が機械的に伝達され旋回機構の回転中心軸に沿って配置されるロータの回転軸、を有する発電機と、を備えている。
【0010】
したがって、走行体又は旋回体のいずれか一方に配置した動力装置の回転によって、他方に配置した発電機のロータを回転させることで、旋回機構を介した他方において大電力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1のラフテレーンクレーンの全体構成を説明する説明図である。
【図2】実施例1の旋回機構及び発電機の構成を詳細に説明する断面図である。
【図3】実施例1の負荷の構成を説明するブロック図である。
【図4】実施例2のラフテレーンクレーンの全体構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0013】
(全体構成)
まず、図1を用いて実施例1の作業車としてのラフテレーンクレーン1の全体構成を説明する。本実施例のラフテレーンクレーン1は、図1に示すように、タイヤ10a,10bを有する走行体10と、走行体10の上部に旋回機構2を介して旋回自在に搭載される旋回体11と、を備えている。
【0014】
走行体10は、タイヤ10a,10bを回転駆動する動力装置3として、軽油等を燃料とするエンジン31、歯車によって回転速度を変更するトランスミッション32、トランスミッション32から回転動力を取り出すPower Take Off(PTO)33などを備えている。
【0015】
さらに、PTO33の回転を取り出した出力軸51には、両端にユニバーサルジョイントを有するプロペラシャフト52が連結され、プロペラシャフト52には末端にかさ歯車54が取り付けられた軸53が連結されて伝導機構5が構成されている。この伝導機構5によって、水平方向の出力軸51の回転を、鉛直方向の回転軸43に方向を変えながら伝達している。加えて、走行体10は、コントローラ80からの司令を受ける通信機器82を備えている。
【0016】
旋回体11には、運転や操作を行うキャビン(不図示)の他に、後述する発電機4と、負荷6としてのブーム61及びウインチ62と(図3参照)、発電機4で発電された電気を蓄える蓄電装置7と、を備えている。
【0017】
ブーム61は、図3に示すように、油圧ポンプ64から供給された圧油によって駆動される起伏シリンダ61a、伸縮シリンダ61b、旋回モータ61cを有することで、起伏自在、伸縮自在、旋回自在となる。油圧ポンプ64は、発電機4で発電された直流電流又は蓄電装置7に蓄えられた直流電流によって動作する電動のポンプ駆動モータ63で回転駆動される。
【0018】
ウインチ62は、図3に示すように、発電機4で発電された直流電流又は蓄電装置7に蓄えられた直流電流によって動作する電動のウインチモータ65によって回転駆動される。ウインチモータ65としては、ウインチ62に適した能力を有する型式のものを用いる。
【0019】
旋回体11は、図1に示すように、ブーム61等の作業機械のアクチュエータを制御するコントローラ80、及び、旋回機構2を介した通信を可能とする接触式のスリップリング81、を備えている。
【0020】
そして、実施例1の走行体10と旋回体11との間には、旋回機構2が形成され、後述するように、旋回機構2の回転中心軸Cと、発電機4のロータ42の回転軸と、は一致している。
【0021】
(旋回機構及び発電機の構成)
次に、図1,2を用いて旋回機構2及び発電機4の構成を説明する。
【0022】
旋回機構2は、アウタレース21とインナレース22がボールを介して組み合わされたベアリング機構によって構成されている。そして、旋回体11側に取り付けたピニオン(不図示)が走行体10側に固定されたインナレース22に形成された内歯車(不図示)に噛み合って回転することで、旋回体11が走行体10に相対的に旋回する。
【0023】
発電機4は、いわゆるジェネレータであり、動力装置3が配置されない旋回体11に配置されたステータ41及びロータ42と、動力装置3の回転が機械的に伝達されるロータ42の回転軸43と、を備えている。
【0024】
ステータ41は、導線を円筒形に巻き回したコイルによって形成されるもので、内部のロータ42を取り巻くように配置されて、旋回体11に固定されている。
【0025】
ロータ42は、永久磁石によって形成されるもので、中央を貫通するように設置された回転軸43の両端が軸受によって回転自在に支持されることで、ステータ41が固定された旋回体11に回転自在に設置されている。
【0026】
ロータ42の回転軸43の下端にはかさ歯車44が取り付けられ、このかさ歯車44には、伝導機構5の末端のかさ歯車54から動力装置3の回転が機械的に伝達される。つまり、回転軸43は、旋回体11から走行体10に縦方向に突出する長さに形成され、突出部分には伝導機構5の横方向のかさ歯車54と直交するように噛み合うかさ歯車44が取り付けられている。
【0027】
さらに、ロータ42の回転軸43は、中空部を有する円筒状(パイプ状)に形成され、中空部にはスリーブ管46が挿通され、スリーブ管46には旋回機構2の両側にあるコントローラ80と通信機器82間を接続する通信線としての信号線83が挿通されている。なお、信号線83は、旋回体11に配置したスリップリング81を経由してコントローラ80に接続される。
【0028】
また、図示しないが、回転軸43の中空部には、圧力媒体搬送管である油圧ホース又は空圧ホースと、温水ホースと、を含む媒体搬送管を挿通することもできる。さらに、中空部には、媒体搬送管を用いずに作動油若しくは圧縮空気又は温水などの媒体を直に流すこともできる。これらの媒体搬送管又は媒体はロータリージョイントを経由して油圧機器等に接続される。
【0029】
そして、本実施例の発電機4では、ロータ42の回転軸43は、旋回機構2の回転中心軸Cと一致している。すなわち、旋回機構2の円環状のアウタレース21及びインナレース22の中心軸に沿うように、ロータ42の回転軸43の中心軸が配置されている。
【0030】
(作用)
次に、本実施例の作業車としてのラフテレーンクレーン1の作用について説明する。
【0031】
はじめに、動力装置3で発生された回転動力が機械的に発電機4に伝達される。具体的には、エンジン31が回転し、トランスミッション32で回転が変速され、回転をPTO33によって取り出す。取り出した回転は、PTO33の出力軸51、プロペラシャフト52、かさ歯車54の軸53、の順に伝導機構5によって伝導される。
【0032】
つづいて、伝導機構5のかさ歯車54からかさ歯車44に回転が伝達され、かさ歯車44と一体の回転軸43及びロータ42も回転する。そして、ロータ42の回転によって磁界が変動することで、電磁誘導によってステータ41に直流電流が生じる。生じた直流電流は、一部は負荷6で使用され、残りは蓄電装置7へ蓄電される。
【0033】
この際、ロータ42の回転軸43は、旋回機構2の回転中心軸C上にあるため、旋回体11の旋回中でもロータ42の回転軸43の位置が変化することはなく、スリップリング81のような回転に対応する摺動機構は必要ない。
【0034】
さらに、ロータ42の回転軸43の回転速度と比べて旋回体11の旋回速度は遅く、相対速度はほとんど変化しないため、発電機4は旋回状態でも非旋回状態と略同様の電流を発電する。
【0035】
(効果)
次に、本実施例の作業車としてのラフテレーンクレーン1の効果を列挙して説明する。
【0036】
(1)このように、本実施例の作業車としてのラフテレーンクレーン1は、走行体10に相対的に旋回する旋回体11が搭載された作業車であって、走行体10と旋回体11との間に形成された旋回機構2と、走行体10に配置された動力装置3と、旋回体11に配置されたステータ41及びロータ42、動力装置3の回転が機械的に伝達され旋回機構2の回転中心軸Cに沿って配置されるロータ42の回転軸43、を有する発電機4と、を備えている。
【0037】
したがって、走行体10に配置した動力装置3の回転によって、旋回体11に配置した発電機4のロータ42を回転させることで、旋回機構2を介した旋回体11において大電力を得ることができる。
【0038】
すなわち、従来のように、スリップリングを使用して電気を送電すると装置の寸法が大きくなるため旋回中心に装備できなかったり、小型のものにすると大電力を送電することができず、スイベルジョイントを使用して圧油を供給すると圧力損失が大きくなるため効率が悪いという問題があった。
【0039】
そこで、動力装置3の回転動力を、回転動力のままで機械的に一方側から他方側へ無接点で伝達し、他方側で回転動力を用いて発電することによって、スリップリングやスイベルジョイントを用いずに、大きなエネルギーを伝達することができる。
【0040】
しかも、走行中の効率を考慮すると走行体10側に動力装置3を配置することが好ましいため、動力装置3によって旋回機構2を介した旋回体11側の作業機械を効率よく動作させる意義は大きい。
【0041】
加えて、発電機4と同じ旋回体11に蓄電装置7を配置することで、ブーム61やウインチ62などでは、発電機4で発生した電力に加えて蓄電装置7からの電力を補助的に使用できるため、エンジン31の出力を平準化することができる。
【0042】
また、旋回体11での作業を電動化することによって、静音化や省エネにつながる。さらに、容量の大きい蓄電装置7を配置すれば、アイドリング駆動や完全電動駆動が可能となり、いっそう静音化できる。
【0043】
(2)また、回転軸43は中空部を有する円筒状に形成されるとともに、中空部には通信線としての旋回機構2の両側に配置された通信機器間を接続する信号線83又は媒体若しくは媒体搬送管が通されることで、中空部を通じて走行体10と旋回体11との間で常時通信できるとともにエネルギー伝達もできる。
【0044】
つまり、送電にはスリップリング81を経由させず動力装置3の回転を機械的に伝達して発電機4を回転させる一方、通信用の信号線83はスリップリング81を経由させることで、旋回体11で大電力を得つつ、走行体10と旋回体11の間で通信が可能となる。
【0045】
さらに、中空部に油圧ホース及び空圧ホースといった圧力媒体搬送管や温水ホースなどの媒体搬送管を挿通することで、旋回機構2を介して大電力を得つつも、油圧動力や空圧動力や温水などを送ることもできる。加えて、作動油や圧縮空気や温水などを中空部に直に流して、油圧動力や空圧動力や温水などを送ることもできる。
【0046】
(3)さらに、動力装置3のPTO33の出力軸51は、軸方向がロータ42の回転軸43の軸方向と直交するように形成され、伝導機構5を介して出力軸51から回転軸43へ回転が伝達されることで、回転軸43の延長上に動力装置3が位置しないため、信号線83や各種配管などを配線・配管しやすくなる。
【0047】
(4)そして、走行体10に動力装置3を有し、旋回体11にブーム61及びウインチ62を搭載する移動式クレーンとしてのラフテレーンクレーン1であって、ブーム61は油圧駆動されるとともにウインチ62は電動駆動されることで、油圧系の構成を簡略にできる。
【0048】
言い換えると、ブーム61及びウインチ62を搭載する移動式クレーンでは、ウインチ62を電動のウインチモータ65で駆動すれば、油圧系統の構成を最適化しやすくなる。
【0049】
つまり、従来は、油圧動力の大部分はウインチ62によって消費されるため、ウインチ62の能力に合わせて油圧系統を構成していたが、ウインチ62を電動化することにより油圧系統をブーム61のアクチュエータ群の能力に合わせて構成できる。
【実施例2】
【0050】
以下、図4を用いて、前記実施例とは別の形態の作業車としてのラフテレーンクレーン1Aについて説明する。なお、前記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0051】
(全体構成)
本実施例のラフテレーンクレーン1Aは、図4に示すように、走行体10と、走行体10の上部に旋回機構2を介して旋回自在に搭載される旋回体11と、を備えている。そして、実施例2のラフテレーンクレーン1Aは、実施例1と異なり、旋回体11側に動力装置3を備えている。
【0052】
走行体10は、発電機4と、負荷6と、蓄電装置7と、スリップリング81と、を備えている。加えて、走行体10は、コントローラ80からの司令を受ける通信機器82を備えている。
【0053】
旋回体11には、キャビン(不図示)の他に、負荷6としてのブーム61及びウインチ62(図3参照)と、作業機械のアクチュエータを制御するコントローラ80と、が配置されている。
【0054】
そして、走行体10と旋回体11との間には、旋回機構2が形成され、後述するように、旋回機構2の回転中心軸Cと、発電機4のロータ42の回転軸43と、は一致している。
【0055】
また、旋回体11は、動力装置3として、エンジン31、トランスミッション32、PTO33などを備えている。さらに、PTO33の出力軸51には、プロペラシャフト52が連結され、プロペラシャフト52にはかさ歯車54が取り付けられた軸53が連結されて伝導機構5が構成されている。
【0056】
(旋回機構及び発電機の構成)
次に、旋回機構2及び発電機4の構成を説明する。
【0057】
旋回機構2は、旋回体11側に固定された円環状のアウタレース21と、走行体10側に固定された円環状のインナレース22と、を備えている。そして、アウタレース21及びインナレース22がボールを介して組み合わされて、ベアリング機構を構成している。
【0058】
発電機4は、動力装置3が配置されない走行体10に配置されたステータ41及びロータ42と、動力装置3の回転が機械的に伝達されるロータ42の回転軸43と、を備えている。
【0059】
ステータ41は、導線を円筒形に巻き回したコイルによって形成されるもので、内部のロータ42を取り巻くように配置されて、走行体10に固定されている。
【0060】
ロータ42の回転軸43の上端にはかさ歯車44が取り付けられ、このかさ歯車44には、伝導機構5の末端のかさ歯車54から動力装置3の回転が機械的に伝達される。
【0061】
さらに、ロータ42の回転軸43は、中空部を有する円筒状(パイプ状)に形成され、この中空部には旋回機構2の両側にあるコントローラ80と通信機器82間を接続する信号線83が挿通されている。
【0062】
そして、本実施例の発電機4では、ロータ42の回転軸43は、旋回機構2の回転中心軸Cと一致している。すなわち、旋回機構2の円環状のアウタレース21及びインナレース22の中心軸に沿うように、ロータ42の回転軸43の中心軸が配置されている。
【0063】
(作用・効果)
次に、本実施例の作業車としてのラフテレーンクレーン1Aの作用・効果について説明する。
【0064】
(1)このように、本実施例の作業車としてのラフテレーンクレーン1Aは、走行体10に相対的に旋回する旋回体11が搭載された作業車であって、走行体10と旋回体11との間に形成された旋回機構2と、旋回体11に配置された動力装置3と、走行体10に配置されたステータ41及びロータ42、動力装置3の回転が機械的に伝達され旋回機構2の回転中心軸Cに沿って配置されるロータ42の回転軸43、を有する発電機4と、を備えている。
【0065】
したがって、旋回体11に配置した動力装置3の回転によって、走行体10に配置した発電機4のロータ42を回転させることで、旋回機構2を介した走行体10において大電力を得ることができる。
【0066】
そして、実施例1では走行体10に動力装置3が搭載される場合について説明したが、実施例2では旋回体11に動力装置3が搭載される場合について説明した。
【0067】
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例と略同様であるため説明を省略する。
【0068】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0069】
例えば、実施例1,2では、作業車としてラフテレーンクレーン1に本発明を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、作業車としてカーゴクレーン、トラッククレーンなどの移動式クレーン、高所作業車など、旋回機構を有する作業車であれば本発明を適用できる。
【0070】
また、実施例1,2では、作業機械としてのブーム61は油圧駆動でウインチ62は電動駆動の場合について説明したが、機器構成はこの組み合せに限定されるものではなく、電動駆動(直動)される作業機械を用いることもできる。
【0071】
さらに、実施例1,2では、発電機4として直流のジェネレータを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、発電機4として交流のオルタネータを用いることもできる。
【0072】
そして、実施例1,2では、発電機4のロータ42として永久磁石を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ロータ42として電磁石を用いることもできる。
【0073】
また、実施例1,2では、発電機4によって回転エネルギーを電気エネルギーに変換する場合のみを説明したが、これに限定されるものではなく、発電機4は、蓄電装置7に蓄えられた直流電流によって動作する電動機(モータ)としても使用できる。
【0074】
さらに、実施例1,2では、動力装置3としてエンジン31を用いる場合について説明したが、これ限定されるものではなく、動力装置3としてモータを用いることもできる。
【0075】
そして、旋回機構の回転中心軸上に、ロータの回転軸を配置する構成は、移動式クレーンや高所作業車だけでなく、風力発電機におけるナセル部とタワー部との接合箇所や、多関節ロボット等の腕部への送電などにも適用できる。
【0076】
また、実施例1,2では、中空部には通信線又は媒体若しくは媒体搬送管のいずれか1つが通される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、それぞれ複数の通信線や媒体搬送管であってもよいし、通信線及び媒体、通信線及び媒体搬送管、媒体及び媒体搬送管、通信線及び媒体及び媒体搬送管、のように組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0077】
C 回転中心軸
1,1A ラフテレーンクレーン(作業車)
10 走行体
11 旋回体
2 旋回機構
3 動力装置
4 発電機
41 ステータ
42 ロータ
43 回転軸
46 スリーブ管
5 伝導機構
6 負荷
61 ブーム
62 ウインチ
63 ポンプ駆動モータ
64 油圧ポンプ
65 ウインチモータ
7 蓄電装置
80 コントローラ(通信機器)
81 スリップリング
82 通信機器
83 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体に相対的に旋回する旋回体が搭載された作業車であって、
前記走行体と前記旋回体との間に形成された旋回機構と、
前記走行体又は前記旋回体のいずれか一方に配置された動力装置と、
前記走行体又は前記旋回体の前記動力装置が配置されない他方に配置されたステータ及びロータ、前記動力装置の回転が機械的に伝達され前記旋回機構の回転中心軸に沿って配置される前記ロータの回転軸、を有する発電機と、
を備えることを特徴とする作業車。
【請求項2】
前記回転軸は中空部を有する円筒状に形成されるとともに、前記中空部には通信線又は媒体若しくは媒体搬送管が通されることを特徴とする請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記動力装置の出力軸は、軸方向が前記回転軸の軸方向と直交するように形成され、伝導機構を介して前記出力軸から前記回転軸へ回転が伝達されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記走行体に動力装置を有し、前記旋回体にブーム及びウインチを搭載する移動式クレーンであって、前記ブームは油圧駆動されるとともに前記ウインチは電動駆動されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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