説明

作物の優先収穫管理装置

【課題】各圃場の作物水分値情報及び穀粒胴割れ発生率情報に基づき、収穫作業の優先作業順位を設定し、収穫乾燥作業を効率的に実行できる作物の優先収穫管理装置を提供する。
【解決手段】複数の圃場に設置される気象検出装置1と、気象検出装置1からの検出気象情報を受信するデータ管理手段10と、データ管理手段10からの作物品質整理情報を受信する収穫作業機用データ管理手段14を備える。気象検出装置1で検出した複数の圃場の検出気象情報に基づきデータ管理手段10では作物水分情報及び穀粒胴割れ発生率情報に基づき収穫作業の優先順位を設定して収穫作業機用データ管理手段14に送り、収穫作業機用データ管理手段14では作物水分情報及び穀粒胴割れ発生率情報に基づき収穫作業機の適正な作業速度を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物の優先収穫管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作物の情報管理システムにおいて、作物収穫機に、これによって計測された品質の計測情報を機外に出力可能な情報出力手段とが備えられ、情報出力手段から出力される複数の収穫場所の各々に対応する品質の計測情報を収集する計測情報収集手段と、収集された情報に基づいて、複数の収穫場所に対応する作物の地域毎の品質マップを出力する品質マップ作成手段と、各生産者毎の作物の生産管理用情報を求めて出力する生産管理情報作成手段を備えたものは、公知である。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−53674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の圃場に設置されている気象検出装置と、気象検出装置の検出気象情報が送信されるデータ管理手段と、データ管理手段の品質整理情報が送られる収穫作業機用データ管理手段を備え作物の優先収穫管理装置において、気象検出装置で検出した複数圃場の検出気象情報に基づきデータ管理手段において作物の登熟期情報、水分値情報及び穀粒胴割れ発生率情報に基づき圃場の収穫作業優先順位を設定し、収穫作業機、穀粒乾燥機で収穫乾燥作業を効率的に実行しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、複数の圃場に設置されている気象検出装置(1,…)と、該気象検出装置(1,…)から送信される検出気象データを受信するデータ管理手段(10)と、該データ管理手段(10)から送信される穀粒品質整理情報を受信する収穫作業機用データ管理手段(14)を備え、前記データ管理手段(10)では、気象検出装置(1,…)で検出した複数の圃場の検出気象データに基づいて、作物の登熟期情報、水分値情報及び穀粒胴割れ発生率情報を判定して該複数の圃場の優先収穫順位を設定し、前記収穫作業機用データ管理手段(14)ではデータ管理手段(10)の前記判定情報に基づいて収穫作業機の適正な作業速度を設定する構成としたことを特徴とする作物の優先収穫管理装置とする。
【0006】
請求項2の発明は、前記気象検出装置(1,…)には、温度計(2)、湿度計(3)、雨量計(4)、日照計(5)、作物の栽培状態を撮像できる撮像手段(6)及び地区識別手段(7)を備え、前記データ管理手段(10)には、作物の登熟期を判定する成育状態判定手段(10a)、穀粒の胴割れ発生率を判定する胴割れ発生率判定手段(10b)、穀粒水分値の高低を判定する籾水分判定手段(10c)、これらの判定情報から複数の地区圃場の収穫優先順位を決定する収穫優先順位判定手段(10d)を備え、前記収穫作業機用データ管理手段(14)には前記データ管理手段(10)の判定情報に基づき収穫作業機の推奨作業速度を設定する機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の作物の優先収穫管理装置とする。
【0007】
請求項3の発明は、前記データ管理手段(10)から送信される判定情報を受信する乾燥機用データ管理手段(16)を備え、該乾燥機用データ管理手段(16)には、前記データ管理手段(10)の判定情報から穀粒の乾燥制御時間を設定する乾燥時間制御手段(16c)と、乾燥温度制御内容を設定する乾燥温度制御手段(16d)を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作物の優先収穫管理装置とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によると、気象検出装置(1,…)から送信される複数の圃場の検出気象データに基づき、データ管理手段(10)では作物の登熟期情報、水分値情報及び穀粒胴割れ発生率情報を判定し、収穫圃場の優先収穫順位を設定し、収穫作業機用データ管理手段(14)ではデータ管理手段(10)の前記判定情報に基づき収穫作業機の適正な作業速度を設定することができる。これによって、収穫作業機では作物水分値及び穀粒胴割れの難易度により集約した収穫作業順位に基づき成育状態の近い作物を順序良く且つ近い圃場から順次能率的に収穫することができる。また、胴割れ発生率が低い状態では収穫時期を先送りして水稲の籾を立毛状態で放置することで乾燥させることができ、籾の乾燥に要する燃料と時間を節約しコストの低減を図りながら高品質の籾の収穫することができる。
【0009】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、データ管理手段(10)では気象検出装置(1,…)から送信される多くの検出気象情報から作物の成育状態、穀粒の胴割れ発生率、穀粒水分状態を正確に判定し、これらの判定情報から複数の圃場の収穫優先順位を適正に決定することができる。また、収穫作業機用データ管理手段(14)では前記判定情報に基づき収穫作業機の推奨作業速度を適正に設定し、収穫ロスを低減しながら高品質の穀粒を収穫することができる。
【0010】
請求項3記載の発明によると、上記請求項1及び請求項2記載の発明の効果に加えて、乾燥機用データ管理手段(16)ではデータ管理手段(10)からの判定情報に基づき穀粒の乾燥制御時間及び乾燥温度制御内容を適正に設定し、乾燥条件の近い穀粒をまとめて能率的に乾燥しながら穀粒の品質内容に適した乾燥作業を実行し、高品質の穀粒に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】制御ブロック図。
【図2】フローチャート。
【図3】フローチャート。
【図4】湿度計の側面図。
【図5】コンバインの平面図。
【図6】コンバインの側面図。
【図7】コンバインの正面図。
【図8】コンバインの背面図。
【図9】コンバインの脱穀部の切断側面図。
【図10】コンバインの刈取搬送部の正面図。
【図11】コンバインの刈取搬送部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の実施例について説明する。
次に、図1に基づき制御ブロック構成について説明する。
複数の圃場地区に気象検出装置1を設置している。気象検出装置1には、温度計2、湿度計3、雨量計4、日照計5、水稲の栽培状態を撮像するカメラ6、検出地区を識別する地区識別手段7を設けている。これらの検出データを制御装置8に取り込み、例えば1日分の検出データをまとめて通信装置9a,9bを経由してデータ管理手段10に送信する構成としている。
【0013】
なお、気象検出装置1には圃場の排水状態を判定する圃場水位計(図示省略)を設けてもよい。
データ管理手段10では、送信された気象データ及び作物の画像情報に基づき種々の作物成育状態の判定を行なう。成育状態判定手段10aにより水稲の成育状態、籾の登熟期が判定され、胴割れ発生率判定手段10bにより籾の胴割れ発生率が判定され、籾水分判定手段10cにより籾水分値の高低が判定される。
【0014】
次いで、これらの成育状態、籾の登熟期の判定情報、籾の胴割れ発生率の判定情報、籾の水分値の判定情報に基づき、収穫優先順位判定手段10dにより、複数の地区圃場の収穫優先順位が決定される。次いで、マッピング手段10eにより複数の地区圃場の収穫優先順位の記載された地図が作成出力され、これらの検出データ、判定情報は記憶手段10fに記憶される。これらの判定情報は出力手段12から通信手段9c,9d,9eを経由しコンバインのデータ管理手段14及び穀粒乾燥機のデータ管理手段16に送信される。
【0015】
また、コンバインのデータ管理手段14における作物水分値、胴割れ率表示手段14aにより、送信された作物成育情報、登熟期情報、籾の胴割れ発生率情報、籾の水分値情報がコンバインの表示画面に表示される。また、推奨調整制御モニタリング手段14bにより、コンバイン各部の好ましい作動状態が表示画面に表示される。また、2番還元量制御手段14cにより、収穫穀稈に対する脱穀部の2番還元量の大小が設定される。また、作業速度制御手段14dにより、コンバインの走行速度、各作業部の作動速度が設定される。排出オーガ速度制御手段14eにより、排出オーガの穀粒排出速度が設定される。そして、これらの制御設定内容は記憶装置14fに記憶される。
【0016】
しかして、コンバインの自動制御入切スイッチを入りにし、刈取・脱穀クラッチを入りにし、走行変速レバーを作業走行位置に操作すると、データ管理手段14の前記設定制御内容に基づきコンバインの各作業部の作動速度が自動的に設定され、コンバインの走行、刈取搬送部、脱穀部及び排出オーガの作動が開始され収穫作業がなされる。
【0017】
前記構成によると、コンバインにより籾の水分値、胴割れの難易度により集約した状態で、且つ、近い圃場から順次収穫作業をすることができ、作業能率を高めることができる。
【0018】
また、胴割れ発生率の高い圃場ではエンジンの回転数を下げ作業速度を遅く調整するので、収穫穀粒や藁の品質を高めることができる。
次に、乾燥機のデータ管理手段16の制御内容について説明する。
【0019】
乾燥機のデータ管理手段16における作物水分、胴割れ率表示手段16aにより、送られた前記判定情報に基づき穀粒の水分値、籾の胴割れ率が乾燥機の運転操作画面に表示される。また、推奨調整制御モニタリング手段16bにより、籾の乾燥推奨調整制御内容が作成され、運転操作画面に表示される。乾燥時間制御手段16cにより、籾の乾燥制御時間即ち乾燥作業時間と乾燥休止時間との関連等が設定され表示画面に表示される。乾燥温度制御手段16dにより、乾燥温度制御内容即ち初期乾燥における通風乾燥の有無及び初期乾燥温度、中間乾燥温度、仕上げ乾燥温度が設定され、表示画面に表示される。また、これらの制御設定内容は記憶装置16eに記憶される。
【0020】
乾燥時間制御手段16cにおける乾燥時間制御手段16c及び乾燥温度制御手段16dにより、乾燥時間や乾燥温度を設定するにあたり、胴割れ発生率が高いと診断された籾については、循環穀粒に対して乾燥温度を低く設定し、テンパリング時間を長くして乾燥速度を遅くし、胴割れが発生しにくいように設定する。
【0021】
前記構成によると、籾の成育状態、穀粒水分値、胴割れ率の大小の品質判定情報により乾燥制御内容が調整され、良好な穀粒品質で乾燥を仕上げることができる。
また、乾燥機の乾燥作業では乾燥条件の近い籾をまとめて能率的に乾燥作業をしながら高品質の穀粒に仕上げることができる。
【0022】
次に、図2に基づき制御装置8における気象検出装置1の気象データ及び検出画像の処理について説明する。
圃場画像のデータ処理が開始されると(ステップS1)、カメラ6により例えば1日1回の割合で水稲の成育画像が検出され、検出画像に基づき色彩処理がなされる(ステップS2)。次いで、例えば、検出画像の中に白い点(水稲の花)と粒状形状の集合体(籾殻の形状)が確認できるか否かを判定し(ステップS3)、Noであると、翌日の水稲の画像検出と検出画像に基づく色彩処理がなされ(ステップS4)、ステップS2に移行する。また、Yesであると、その検出日付けを水稲の出穂日と判定し(ステップS5)、出穂期以降の積算気温計算工程に移行する(ステップS7)。次いで、気温データを一日毎の取り込み(ステップS6)、出穂日以降の積算気温計算を実行する(ステップS7)。
【0023】
次いで、ステップS8の登熟期判断工程に移行し、積算気温計算により算出した積算気温がその品種の籾の登熟期に相当する積算気温を超えたか否かを判断し、登熟期の到来の有無を判定する(ステップS8)。Noであると、翌日の積算気温結果により再度登熟したか否かを判定する(ステップS9)。Yesであると、その日を登熟期の開始日と判定し(ステップS10)、登熟期データを圃場データとして出力し(ステップS20)、ステップS16及びステップS18に移行する。
【0024】
ステップS16に移行すると、登熟期以降の雨量計3及び日照計5の検出データを取り込み(ステップS11,12)、登熟期以降の「降雨」と「晴天」の回数を計算する。また、ステップS18では湿度計3の湿度データを取り込み(ステップS17)、登熟期以降の「湿度90%」と「湿度50%」の変動回数を計算する(ステップS18)。胴割れ発生率(あるいは胴割れ発生危険率)を計算し(ステップS19)、当該圃場の胴割れ発生率データとして出力する(ステップS20)。
【0025】
また、ステップS7からステップS13に移行し、積算気温と相関する基本的な籾水分から籾水分値を算出する(ステップS13)。また、日照計5及び雨量計4のデータを基にして(ステップS11,12)、日照及び降雨により一時的に変化する籾水分変動の外的要因分を計算し(ステップS14)、これらの水分値情報から籾水分値を算出し(ステップS15)、その籾水分値を圃場の水分値として出力する(ステップS20)。
【0026】
なお、登熟期の到来を判定するにあたり、前記ステップS16〜19の登熟期計算に合わせて、カメラ6による穂の色彩情報を加味して判定するようにしてもよい。
次に、図3に基づきデータ管理手段10における作業優先順位判定手段10dの制御内容について説明する。
【0027】
気象検出装置1から圃場地区A,B,Cの検出データがデータ管理手段10に送られると(ステップS31,32,33)、作業優先順位判定手段10dでは検出データに基づき各圃場地区A,B,C毎の籾水分データ及び胴割れ発生率データが集積され(ステップS34)、胴割れ発生率の高い順に順位付けされ(ステップS35)、籾水分値の低い順に順位付けされる(ステップS36)。次いで、これら二つの順位を加算し、加算値が小さいものから順次優先する作業順位付けがなされる(ステップS37)。次いで、各圃場地区A,B,Cを表示した地図に各地区地点の作業優先順位、籾水分値、胴割れ発生率を表示した地図が作成され(ステップS38)、作業優先順位表示地図が出力される(ステップS39)。
【0028】
また、図4に示すように、湿度計3の検出部3aに適度な吸湿性のあるスポンジ(あるいは布)3bで被覆すると、籾の籾殻部分の吸湿性と同化し、籾殻内の玄米部分に近い状況を作り出し、適正な水分情報を得ることができる。
【0029】
次に、図5乃至図9に基づきコンバインの脱穀部21の制御構成について説明する。
コンバインは走行車台21の下方には左右クローラ走行装置22,22を配設し、走行車台21上には、右側前部に座席付きの操縦部23を、操縦部23の後方下部にはエンジンを備えた原動部24を、原動部24の後方には穀粒収納用のグレンタンク25を配設している。走行車台21の左側部に脱穀部26を搭載し、走行車台21の前側部には刈取搬送部27を昇降自在に設け、機体後部に排稾処理装置28を配設した周知のものである。
【0030】
脱穀部26の上部には、図9に示すように、扱胴26aの内装している扱室26bを設け、その左右一側に二番処理胴26cを内装している二番処理室26d、排塵処理胴26eを内装している排塵処理室26fを設けている。脱穀部26下部には唐箕26gから選別風の流れる選別風路26hを設け、選別風路26hには揺動選別棚26iを揺動自在に設けている。揺動選別棚26iの上部には始端側から終端側にかけてグレンシーブ26j、チャフシーブ26kを設けている。そして、この唐箕26gの風量を唐箕調節手段26mで強弱に調節可能に構成し、チャフシーブ26kのシーブ板の間隔を、シーブ開度調節手段を介して調節モータで調節可能に構成している。
【0031】
また、コンバインのグレンタンク25の外装カバー29内に湿度計3aを設置し(図5に示す)、外気空気の湿度を検出するようにしている。なお、湿度計3aを脱穀部26とグレンタンク25の間に配設してもよい。コンバインには車速センサを設けている。
【0032】
そして、湿度計3aの検出湿度が例えば60%を超えると、唐箕26gの設定風量を一段階増加調節し、また、湿度計3aの検出湿度が例えば80%を超えると、唐箕26gの設定風量から二段階増加調節し、チャフシーブ26kのシーブ間隔を1段階開調節するようにしている。
【0033】
前記構成によると、外気空気の湿度の増減に合わせて唐箕26gの風量やチャフシーブ26kのシーブ間隔を開閉調節することができ、籾と藁屑類を良好に分離し選別精度を高めることができる。
【0034】
また、車速センサが最高作業速度の80%を超えることを検出すると、唐箕26gの設定風量を一段階増加調節し、また、車速センサが最高作業速度の90%を超えることを検出すると、唐箕26gの設定風量から二段階増加調節し、チャフシーブ26kのシーブ間隔を1段階開調節するようにしてもよい。
【0035】
前記構成によると、揺動選別棚26iの被選別物の増減に応じて唐箕26gの風量やチャフシーブ26kのシーブ間隔を開閉調節することができ、籾と藁屑類を良好に分離し選別精度を高めることができる。
【0036】
また、コンバインの刈取搬送部27の左右分草杆27a,27aの入口部には、図5、図6に示すように、穀稈通路の内側に向けて左右穀稈有無センサ30,30をそれぞれ設け、左右両側部の刈取穀稈の有無を検出するようにし、刈取穀稈有りの検出をしているときにのみ、前記脱穀部26の制御を実行するようにしている。しかして、刈取搬送部27で全幅の穀稈刈取作業時にのみ車速に合わせて唐箕26gや揺動選別棚26iを増減調節し被選別物量に合わせて適正な選別制御をすることができる。
【0037】
次に、図10に基づきコンバインの刈取搬送部27の穀稈引起し装置27bの他の実施例について説明する。
刈取搬送部27の前側部には穀稈引起し装置27b,…を複数並列して設け、この穀稈引起し装置27b,…を前下がり傾斜状に構成し、引起しケース27c,…に無端状の引起しチェーン(図示省略)が上下回動するように配設し、引起しチェーンの上方への移動行程で引起しラグ27d,…が突出し、刈取穀稈を引き起こすように構成している。そして、引起しケース27cにおける引起しラグ27d,…の基端部から少し離れた部位に引起し方向に沿うようにケース上側面の上方部位に、細い棒状の穂先ガイド杆31,…を設け、この穂先ガイド杆31,…の上方に平面視で穂先ガイド杆31,…よりも幅広の例えば横断面V型(あるいは逆V型)の穂先案内板32を長手方向に沿わせて取り付けている。
【0038】
前記構成によると、引起しラグ27d,…により引き起こされる穀稈の穂先部は、穂先ガイド杆31,…の上方に設けられている幅広の穂先案内板32に支持されて引き起こされ、穂先部の穂先ガイド杆31,…や穂先案内板32,32への絡みつきを防止し、円滑に引き起こすことができる。
【0039】
また、図11に示すように、左右両側の引起しケース27c,27cには、ケース上側面から上方へ突出するように左右補助分草杆33,33を設け、左右両側の引起しケース27c,27cの下部から左右分草杆34,34を前方へ延出して設け、この分草杆34,34の後上り傾斜状の終端側を補助分草杆33,33の下部始端側の案内面に臨ませている。そして、この補助分草杆33,33の上下方向に沿った内側面部を板体(あるいは網体)33a,33aで塞ぎ、穀稈の穂先部の絡みつきを防止している。
【符号の説明】
【0040】
1 気象検出装置
2 温度計
3 湿度計
4 雨量計
5 日照計
6 撮像手段
7 地区識別手段
9a 通信装置
9b 通信手段
9c 通信装置
9d 通信手段
10 データ管理手段
10a 成育状態判定手段
10b 胴割れ発生率判定手段
10c 籾水分判定手段
10d 収穫優先順位判定手段
14 収穫作業機用データ管理手段
16 乾燥機用データ管理手段
16c 乾燥時間制御手段
16d 乾燥温度制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圃場に設置されている気象検出装置(1,…)と、該気象検出装置(1,…)から送信される検出気象データを受信するデータ管理手段(10)と、該データ管理手段(10)から送信される穀粒品質整理情報を受信する収穫作業機用データ管理手段(14)を備え、前記データ管理手段(10)では、気象検出装置(1,…)で検出した複数の圃場の検出気象データに基づいて、作物の登熟期情報、水分値情報及び穀粒胴割れ発生率情報を判定して該複数の圃場の優先収穫順位を設定し、前記収穫作業機用データ管理手段(14)ではデータ管理手段(10)の前記判定情報に基づいて収穫作業機の適正な作業速度を設定する構成としたことを特徴とする作物の優先収穫管理装置。
【請求項2】
前記気象検出装置(1,…)には、温度計(2)、湿度計(3)、雨量計(4)、日照計(5)、作物の栽培状態を撮像できる撮像手段(6)及び地区識別手段(7)を備え、前記データ管理手段(10)には、作物の登熟期を判定する成育状態判定手段(10a)、穀粒の胴割れ発生率を判定する胴割れ発生率判定手段(10b)、穀粒水分値の高低を判定する籾水分判定手段(10c)、これらの判定情報から複数の地区圃場の収穫優先順位を決定する収穫優先順位判定手段(10d)を備え、前記収穫作業機用データ管理手段(14)には前記データ管理手段(10)の判定情報に基づき収穫作業機の推奨作業速度を設定する機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の作物の優先収穫管理装置。
【請求項3】
前記データ管理手段(10)から送信される判定情報を受信する乾燥機用データ管理手段(16)を備え、該乾燥機用データ管理手段(16)には、前記データ管理手段(10)の判定情報から穀粒の乾燥制御時間を設定する乾燥時間制御手段(16c)と、乾燥温度制御内容を設定する乾燥温度制御手段(16d)を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作物の優先収穫管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−175920(P2012−175920A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40318(P2011−40318)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】