説明

作物分離収穫機

【課題】
収穫した作物を能率的に自動で親作物と子作物に分離できると共に、精度の高い選別作業を行うことができる作物分離収穫機を提供する。
【解決手段】
機体の操縦を行う操縦部Cと、圃場を走行する走行装置Bと、圃場から作物Tを掘り取り搬送する掘取搬送装置Dと、掘取搬送装置Dで搬送中の作物Tを分離する第1分離装置Eと、操縦部Cの後側に配置した第1分離装置Eで分離されなかった作物Tを分離する第2分離装置Gと、第1分離装置Eで分離された作物Tを受けて選別搬送する選別搬送装置Fを設けた作物分離収穫機において、選別搬送装置Fの上部に配置した泥土等の夾雑物の落下空間S1を有する上部選別部材90と下部に配置した落下空間S2を有する下部選別部材91とを夫々の落下空間S1,S2を前後方向にずらした状態で設け、選別搬送装置Fを揺動する揺動装置105を設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圃場に植生している里芋等の農作物を掘り起こすと共に、掘り起こした作物を分離して収穫する作物分離収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、作物分離収穫機としては、特許文献1に示されるように、圃場の泥土や茎葉と共に掘り起こした里芋を親芋と子芋とに分離し、泥土を落とす隙間と茎葉を排出する茎葉排出装置を備えたロータリバケットで泥土と茎葉を取り除きながら選別部に親芋と子芋を移動させるものがある。
【0003】
また、特許文献2に示されるように、里芋を打撃装置で殴打して親芋と子芋とに分離し、揺動するシュータから子芋を回収部材へ落下させるものがある。
【特許文献1】特開平9−191734号公報
【特許文献2】特開平11−168933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示される作物分離収穫機は、親芋と子芋とを選別部に移動させるロータリバケットに泥土を落とす隙間を設けているため、隙間から小粒の子芋が落下してしまい、収穫作業終了後に手作業で子芋を拾い集めなければならないという欠点がある。
【0005】
そして、分離後の親芋や子芋に付着している泥土を剥離させる手段を設けていないため、作業者は親芋や子芋に泥土が付着した状態で選別作業を行わねばならず、選別作業能率に問題があると共に、誤選別を行ってしまうという欠点がある。
【0006】
また、特許文献2に示される作物分離収穫機は、分離した子芋を揺動するシュータを通じて子芋を回収部材に排出するため、回収部材には子芋と共に泥土も回収されてしまうので、回収部材から子芋を取り出す際に泥土を避けて取り出さねばならないという欠点がある。
【0007】
さらに、子芋は選別されることなく回収部材に排出されるため、作業者は収穫作業後に別途選別作業を行わねばならず、作業時間を余分に費やしてしまうという欠点がある。
また、子芋を分離された親芋はそのまま載置部に残るため、作業者は次の里芋を載置する際に親芋を取り除く必要があり、作業能率に問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために次の技術的手段を講じた。
請求項1記載の発明は、機体の操縦を行う操縦部(C)と、圃場を走行する走行装置(B)と、圃場から作物(T)を掘り取り機体後方へと搬送する掘取搬送装置(D)と、該掘取搬送装置(D)で搬送中の作物(T)を分離する第1分離装置(E)と、操縦部(C)の後側に配置した第1分離装置(E)で分離されなかった作物(T)を分離する第2分離装置(G)と、第1分離装置(E)で分離された作物(T)を引き継ぎ機体後方へ選別搬送する選別搬送装置(F)を設けた作物分離収穫機において、該選別搬送装置(F)の上部に配置した泥土等の夾雑物の落下空間(S1)を有する上部選別部材(90)と下部に配置した泥土等の夾雑物の落下空間(S2)を有する下部選別部材(91)とを夫々の落下空間(S1,S2)を機体前後方向にずらした状態で設けると共に、選別搬送装置(F)を揺動する揺動装置(105)を設けたことを特徴とする作物分離収穫機とした。
【0009】
従って、上部選別部材(90)と下部選別部材(91)との落下空間(S1,S2)から作物(T)に付着した泥土や夾雑物を下方に落とすことができる。
また、選別搬送装置(F)に揺動装置(105)を設けたことによって、選別搬送装置(F)を揺動させて作物(T)に付着した泥土や夾雑物を落とすことができる。
【0010】
そして、上部選別部材(90)の落下空間(S1)と下部選別部材(91)の落下空間(S2)の位相を機体前後方向にずらしたことによって、選別搬送装置(F)に揺動されて移動する作物(T)が上部選別部材(90)と下部選別部材(91)とに接触する回数を増やすことができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記掘取搬送装置(D)と選別搬送装置(F)との間に作物(T)を案内する引継部材(67)を設け、該引継部材(67)に作物(T)に付着した泥土や雑草等の夾雑物を落とす空間部(67b)を形成したことを特徴とする請求項1記載の作物分離収穫機とした。
【0012】
従って、引継部材(67)に作物(T)に付着している泥土や雑草等の夾雑物を下方へ落下させる空間部(67b)を形成したことによって、作物(T)に付着した泥土や夾雑物を下方に落とすことができる。
【0013】
また、掘取搬送装置(D)と選別搬送装置(F)との間に引継部材(67)を設けたことによって、掘取搬送装置(D)から選別搬送装置(F)へ作物(T)を落下させることなく引き継がせることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記上部選別部材(90)を複数の上部棒状体(90a・・・)で構成すると共に下部選別部材(91)を複数の下部棒状体(90b・・・)で構成し、該上部棒状体(90a・・・)と下位棒状体(90b・・・)とに夫々着脱自在な被覆部材(103)を設けたことを特徴とする請求項1及び2記載の作物分離収穫機とした。
【0015】
従って、複数の上部棒状体(90a・・・)と下部棒状体(91a・・・)とに被覆部材(103)を取り付けたり、あるいは取り外したりすることによって、作物(T)の品種や生育具合に応じて上部選別部材(90)を構成する上部棒状体(90a・・・)と下部選別部材(91)を構成する下部棒状体(91a・・・)との間隔を変更して、落下空間(S1,S2)の間隔を変更することができる。
【0016】
また、被覆部材(103)を取り付けることによって、作物(T)は被覆部材(103)と接触するため、上部棒状体(90a・・・)と下部棒状体(91a・・・)との消耗が防止できると共に、上部棒状体(90a・・・)と下部棒状体(91a・・・)とに泥土や夾雑物が付着することを防止できる。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記第2分離装置(G)を構成する分離する作物(T)の載置台(112)を操縦部(C)の近くに設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の作物分離収穫機とした。
【0018】
従って、作物(T)の収穫量が多く、選別作業者が第1分離装置(E)で分離しきれなかった全ての作物(T)を第2分離装置(G)の載置台(112)に設置する時間が無いときなど、操縦者が第2分離装置(G)で作物(T)の分離選別作業を行う際、操縦者は操縦部(C)から離れることなく掘取搬送装置(D)から作物(T)を回収して第2分離装置(G)を構成する載置台(112)に設置し、作物(T)の分離作業を行うことができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記第2分離装置(G)の下部に分離した作物(T)を選別搬送装置(F)へ移送する案内部材(110)を設けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の作物分離収穫機とした。
【0020】
従って、第2分離装置(G)の下方に案内部材(110)を設けたことによって、第2分離装置(F)によって分離された作物(T)を自動的に選別搬送装置(F)へと移動させることができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、前記選別搬送装置(F)の上方に作物(T)を分離する第3分離装置(I)を設けたことを特徴とする請求項1乃至5記載の作物分離収穫機とした。
従って、前記選別搬送装置(F)の上方に第3分離装置(I)を設けたことによって、第2分離装置(G)が分離作業中であったり、故障等で使用できない場合であったりしても、作業者は第3分離装置(I)で作物(T)を分離することができる。
【0022】
また、第3分離装置(I)を選別搬送装置(F)の上方に設けたことによって、分離した作物(T)をそのまま選別搬送装置(F)に落下させることができる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の発明によれば、落下空間(S1,S2)から作物(T)を下方に落とすことなく泥土や夾雑物を落とすことができるので、収穫作業後に圃場に落下した作物(T)を拾い集める作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0024】
また、選別搬送装置(F)の揺動によって作物(T)を上部選別部材(90)と下部選別部材(91)とにより多く接触させることができるので、作物(T)に付着した泥土や夾雑物が効率的に落とされて、付着した泥土や夾雑物による誤選別が防止されて選別精度が向上する。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、引継部材(67)に空間部(67b)を形成したことによって、作物(T)に付着した泥土や雑草等の夾雑物を下方に落下させることができるので、選別搬送装置(F)に入り込む泥土や夾雑物が減少され、泥土や夾雑物による作物(T)の誤選別が防止されて作業能率が向上する。
【0026】
また、引継部材(67)によって掘取搬送装置(D)から選別搬送装置(F)へ作物(T)を落下させることなく引き継がせることができるので、落下の衝撃で作物(T)が傷付いてしまうことが防止され、作物(T)の品質が向上する。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、請求項1及び2記載の発明の効果に加えて、被覆部材(103)の着脱して複数の上部棒状体(90a・・・)と下部棒状体(91a・・・)との間隔を変更することによって、落下空間(S1,S2)の間隔を変更することができるので、作物(T)が落下空間(S1,S2)から落下して傷付くことが防止され、作物(T)の品質が向上すると共に、作物(T)を品種や生育状況に応じて効率よく選別搬送することができるので、作業能率や選別精度が向上する。
【0028】
また、作物(T)が直接上部棒状体(90a・・・)と下部棒状体(91a・・・)とに接触しないことによって、作物(T)が上部棒状体(90a・・・)や下部棒状体(91a・・・)に衝突して傷付くことが防止されるので、作物(T)の品質が向上すると共に、上部棒状体(90a・・・)と下部棒状体(91a・・・)とを強度の高い金属等の硬質材で構成することができるので、選別搬送装置(F)の耐久性を向上させることができる。
【0029】
加えて、作物(T)から剥離した泥土や夾雑物は被覆部材(103)に付着するため、上部棒状体(90a・・・)と下部棒状体(91a・・・)との掃除等メンテナンスが簡単になり、作業者の労力が軽減されると共に、被覆部材(103)を取り外してから掃除できるので、メンテナンス性が向上する。
【0030】
なお、被覆部材(103)は軟質材で構成すると、作物(T)をより傷付けにくくなり、着脱も容易になる。
請求項4記載の発明の効果は、請求項1乃至3に記載の発明の効果に加え、操縦者は最小限の動きで作物(T)を第2分離装置(G)の載置台(112)に設置することができるので、選別作業や分離作業の能率が向上すると共に、問題があればすぐに操縦部(C)を操作して対応することができるので、作業の安全性が向上する。
【0031】
請求項5記載の発明の効果は、請求項1乃至4に記載の発明の効果に加え、第2分離装置(F)によって分離された作物(T)を自動的に選別搬送装置(F)へと移動させることができるので、作業者が分離された作物(T)を選別搬送装置(F)へと移動させる作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0032】
加えて、作業者は作物(T)を第2分離装置(G)の載置台(112)に設置した直後から機体の操縦や選別作業に移行することができるようになるので、作業能率や作業の安全性が向上する。
【0033】
請求項6記載の発明の効果は、請求項1乃至5に記載の発明の効果に加えて、選別搬送装置(F)の上方に作物(T)を分離する第3分離装置(I)を設けたことによって、第2分離装置(G)が使えないときでも作物(T)の分離作業を行うことができるので、分離されない作物(T)の発生が防止される。
【0034】
また、第3分離装置(I)で分離した作物(T)がそのまま選別搬送装置(F)に落下することによって、作業者が分離された作物(T)を選別搬送装置(F)へと移動させる作業が省略されるので、作業能率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の実施の形態について、一実施例として里芋Tを親芋Tpと子芋Tcとに分離して収穫作業を行う里芋分離収穫機を説明する。
図1〜図19に示すように、里芋分離収穫機は、走行装置Bや第1分離装置Eや第2分離装置G等に駆動力を供給する動力部Aと、機体を走行させる走行装置Bと、機体の走行や旋回を操作する操縦部Cと、圃場に植生する里芋Tを掘り起こして機体後側へと搬送する掘取搬送装置Dと、掘取搬送装置Dで搬送中の里芋Tを挟持して親芋Tpと子芋Tcとに分離する第1分離装置Eと、掘取搬送装置Dから親芋Tpと子芋Tcを受けて機体後側へと選別搬送する選別搬送装置Fと、第1分離装置Eで分離し切れなかった里芋を分離する第2分離装置Gと、選別搬送装置Fから排出される親芋Tpや子芋Tcを収容するコンテナや袋体等の収容部材104を載置する載置部Hとから構成される。
【0036】
以下に、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、動力部Aについて説明する。
図1乃至図9及び図17乃至図19で示すように、メインフレーム1の後側上部で且つ機体左右一側に第1エンジン2を配置し、該第1エンジン2の上部に燃料タンク3aを取り付けると共に、第1エンジン2の前側に第1油圧ポンプ4を配置する。そして、該第1エンジン2の出力軸に第1伝動駆動プーリ5と高速駆動プーリ5Hと高速駆動プーリ5Hよりも大径な低速駆動プーリ5Lとを軸着し、第1油圧ポンプ4の回転軸に第1伝動従動プーリ6を軸着すると共に、該第1伝動駆動プーリ5と第1伝動従動プーリ6との間に第1伝動ベルト7を無端状に巻き掛ける。また、前記第1油圧ポンプ4と第1油圧バルブ8とを送油ケーブル等を介して連結する。
【0037】
さらに、メインフレーム1の前側上部で且つ機体左右他側に第2エンジン9と燃料タンク3bを配置し、該第2エンジン9の後側に第2油圧ポンプ10を配置する。そして、該第2エンジン9の出力軸に第2伝動駆動プーリ11を軸着し、第2油圧ポンプ10の回転軸に第2伝動従動プーリ12を軸着すると共に、該第2伝動駆動プーリ11と第2伝動従動プーリ12との間に第2伝動ベルト13を無端状に巻き掛ける。また、前記第2油圧ポンプ10と第2油圧バルブ14とを送油ケーブル等を介して連結することによって、動力部Aが構成される。
【0038】
上記構成によれば、メインフレーム1の後側上部で且つ機体左右一側に重量物である第1エンジン2や第1油圧ポンプ4を設けると共に、メインフレーム1の前側で且つ機体左右他側に重量物である第2エンジン9や第2油圧ポンプ10を設けたことによって、機体の前後及び左右のバランスを取ることができるので、機体の走行姿勢や作業姿勢が安定し、作業能率が向上すると共に作業者の安全性が向上する。
【0039】
また、第1エンジン2が第1油圧ポンプ4と後述する走行装置Bと第2分離装置Gと掘取搬送コンベア50の昇降シリンダ68とに駆動力を供給すると共に、第2エンジン9が第2油圧ポンプ10と後述する掘取搬送コンベア50と第1分離装置Eと選別搬送台96とに駆動力を供給することによって、各部材が必要とする駆動力を十分に供給することができるので、作業能率が向上する。
【0040】
そして、走行装置Bが第1エンジン2から駆動力を受け、掘取搬送コンベア50と選別搬送台96とが第2エンジン9から駆動力を受けることによって、第1エンジン2の出力を調節すると掘取搬送コンベア50の掘取搬送速度や選別搬送台96の選別搬送速度を変えることなく機体の走行速度を変更することができるので、様々な作業条件に対応できると共に、走行速度だけを変化させるための変速装置を省略することができるので、機体構成を簡潔にすることができる。
【0041】
さらに、第1エンジン2が駆動力を供給する後述するミッションケース15と走行装置Bと選別コンベア50の昇降シリンダ68と第2分離装置Gとが第1エンジン2の近傍に夫々配置されていると共に、第2エンジン9が駆動力を供給する後述する第1分離装置Eと選別コンベア50と選別コンベア50の揺動装置60と選別搬送装置Fとが第2エンジン9の近傍に夫々配置されていることによって、機体構成を簡潔にすることができるので、機体のコンパクト化を図ることやメンテナンス性を向上させられる。
【0042】
次に、走行装置Bについて説明する。
図1及び図19に示すように、前記第1エンジン2の下部にミッションケース15を配置し、該ミッションケース15の回転軸に高速従動プーリ16Hと高速従動プーリ16Hよりも大径な低速従動プーリ16Lを軸着する。そして、該高速従動プーリ16Hと高速駆動プーリ5Hとの間に高速走行ベルト17Hを無端状に巻き掛けると共に、低速従動プーリ16Lと低速駆動プーリ16Hとの間に低速走行ベルト17Lを無端状に巻き掛ける。また、左右駆動スプロケット19,19と、該左右駆動スプロケット19,19よりも下方に左右従動スプロケット20,20と、該左右駆動スプロケット19,19と左右従動スプロケット20,20との間に無端状に巻き掛けた左右伝動チェーン21,21とを内装した左右伝動ケース22,22を、前記ミッションケース15のドライブシャフト18の左右両側端部に取り付ける。さらに、該左右伝動スプロケット20,20に軸着した左右伝動軸23,23に左右走行クローラ24L,24Rを取り付けることによって、走行装置Bが構成される。
【0043】
なお、走行装置Bは、左右伝動軸23,23に車輪を設けると共に、機体前側に補助輪もしくは駆動輪を設ける構成としてもよい。
上記構成によれば、左右伝動ケース22,22に、左右従動スプロケット20,20を左右駆動スプロケット19,19よりも下方に内装しているため、ドライブシャフト18の装着位置が左右クローラ24L,24Rの上側となるので、ドライブシャフト18が里芋の植生している畝に接触して破損したり機体の走行が停止したりすることを防止できるので、作業能率や作業の安全性が向上する。
【0044】
次に、操縦部Cについて説明する。
図1,図2,図13乃至図15及び図19に示すように、前記メインフレーム1の前側上部で且つ第1エンジン2を設けた側にメイン操縦パネル25を取り付け、該操縦パネル25に走行装置Bの高速走行ベルト17Hと低速走行ベルト17Lとのいずれか一方、或いは両方の張圧状態・非張圧状態を切り替えて機体の走行速度を変更する、或いは機体の走行と停止を切り替える左右テンションクラッチ26L,26Rを操作する走行クラッチレバー27と、機体を旋回動作させる左右旋回レバー28L,28Rと、掘取搬送コンベア50と第1分離装置Eとの動作を入切する作業部動作スイッチ29と、第2分離装置Gを動作させる第2分離装置動作スイッチ30とを取り付ける。
【0045】
そして、前記第1エンジン2の後側に補助操縦パネル31を取り付け、該補助操縦パネル31に機体の走行速度の変更や走行と停止を切り替える補助走行クラッチレバー32と、機体を旋回動作させる左右補助旋回レバー33L,33Rと、ミッションケース15に内装される変速機構(図示せず)を切り替えて走行速度の上限を変更する副変速レバー34と、緊急時に機体全体の駆動力供給を停止させるデッドマンクラッチレバー35を取り付ける。
【0046】
また、該補助操作パネル31の下方に調節操作パネル36を取り付け、該調節操作パネル36に第1分離装置Eの回転速度を調節する第1分離装置速度調節ダイヤル37と、掘取搬送コンベア50の搬送速度を調節する搬送速度調節ダイヤル38と、後述する掘取搬送コンベア50を揺動させる揺動装置60の回転速度を調節する掘取搬送揺動調節ダイヤル39と、後述する選別搬送台96の揺動を調節する選別搬送揺動調節ダイヤル40とを取り付けることによって、操縦部Cが構成される。
【0047】
上記構成によれば、メイン操縦パネル25と補助操縦パネル31とを取り付けたことによって、作業者だけでなく補助作業者も作業に応じた走行速度や分離作業を行うことができるので、作業能率が向上する。
【0048】
また、機体後部の補助操縦パネル31にデッドマンクラッチレバー35を設けたことによって、補助作業者も機体の動作を止めることができるので、機体が異常な動作をしたり、機体と壁等の間に人が挟まれかけたりしたときでもすぐに機体が停止するので、作業の安全性が向上する。
【0049】
そして、補助操縦パネル31の下方に調節操縦パネル36を取り付けたことによって、補助作業者からでも分離速度や搬送速度、揺動量等を調節することができるので、作業能率が向上する。
【0050】
次に、掘取搬送装置Dについて説明する。
図1〜図6に示すように、前記メインフレーム1上で且つ第1エンジン2と第2エンジン9よりも機体内側に左右支持フレーム41,41を一定以上の間隔を開けて取り付け、該左右搬送支持フレーム41,41の機体内側上部に左右サイドカバー42,42の後端部を取り付ける。そして、該左右搬送支持フレーム41,41の左右間に左右駆動スプロケット43,43を軸着した駆動シャフト44を左右サイドカバー42,42を貫通させて回転自在に装着し、該駆動シャフト44の左右一側端に搬送モータ45を取り付けると共に、該搬送モータ45と第2油圧バルブ14とを送油ケーブル等で連結する。また、前記左右サイドカバー42,42の前部に左右従動スプロケット46,46を回転自在に装着し、該左右従動スプロケット46,46間にカラー47を取り付け、前記左右駆動スプロケット43,43と左右従動スプロケット46,46との間に左右搬送チェーン48,48を無端状に巻き掛けると共に、該左右搬送チェーン48,48の左右間に複数の棒体から構成されるバーコンベア49を取り付ける。そして、該バーコンベア49に複数の門型の凸体49a・・・を等間隔に取り付けることによって、駆動シャフト44を回動支点として回動自在な機体後方に里芋を選別搬送装置Fまで搬送する掘取搬送コンベア50が構成される。
【0051】
さらに、前記左右サイドカバー42,42の前端部に左右支持プレート51,51を取り付けると共に、該左右支持プレート51,51の内側に前後方向に長い穴を設けた左右接続プレート52,52をボルトとナット等の固定部材で前後位置調節自在に取り付ける。そして、該左右接続プレート52,52の左右間に圃場から里芋Tを掘り起こす掘取犂53を取り付けると共に、該掘取犂53の先端部に屈曲部54を形成する。また、該掘取犂53と掘取搬送コンベア50の搬送始端部との間に、掘取犂53の後部に基部を有する後端部を下方に屈曲させた複数の泥落し爪55a・・・を等間隔に取り付け、該複数の泥落し爪55a・・・間で且つ泥落し爪55aよりも下方位置に後端部を下方に屈曲させた複数の補助泥落し爪55b・・・を取り付ける。
【0052】
そして、前記左右サイドカバー42,42の左右間で且つ後述する第1分離装置Eの後方に揺動回転軸56を回転自在に取り付け、該揺動回転軸56の左右一側端部に駆動用モータ121を取り付けると共に、該駆動用モータ121と第2油圧バルブ14とを送油ケーブル等で連結する。さらに、該揺動回転軸56の左右端近傍に三角形の左右揺動プレート57,57を軸着し、該左右揺動プレート57,57の各頂点に夫々左右揺動ローラ58,58を取り付けて、バーコンベア49を揺動する揺動装置60が構成される。
【0053】
なお、本実施例では左右揺動ローラ57,57の形状を三角形としているが、左右揺動プレート57,57の形状はY字型や三叉型でも、星型や歯車型等バーコンベア49との接点が多くなる形状でもよく、また図13で示すような左右揺動カム59,59として、左右揺動ローラ58,58を省略してもよい。
【0054】
また、前記左右サイドカバー42,42の前部外側に穴を設けた左右ボス61,61を取り付け、該左右ボス61,61に複数の穴を設けた左右ゲージ輪アーム62,62を差し込むと共に、左右ボス61,61の穴と左右ゲージ輪アーム62,62の複数の穴のいずれかを合わせてボルトとナット等の固定部材で前後位置調節自在に連結する。そして、該左右ゲージ輪アーム62,62の先端部に左右ゲージ輪63,63を回転自在に取り付ける。
【0055】
なお、左右ボス61,61を取り付けず、テレスコピック式の左右ゲージ輪アーム62,62を直接左右サイドカバー42,42の前部前側に取り付けてもよい。
さらに、図2及び図16で示すように、前記メイン操縦パネル25と第1エンジン2との間で且つ掘取搬送コンベア50の搬送終端部側方に座席フレーム64を取り付け、該座席フレーム64の上端部に操縦座席65を回動自在に取り付ける。
【0056】
また、前記左右サイドカバー42,42の後端部で且つ掘取搬送コンベア50の搬送経路下方に支点軸66を取り付け、該支点軸66に掘取搬送コンベア50から後述する選別搬送台100に里芋Tを引き継ぐシュータ67を回動自在に取り付ける。そして、該シュータ67の掘取搬送コンベア50側で且つバーコンベア49に取り付けた門型の凸体49a・・・と接触する部分に、図5及び図6で示すように茎葉落下スリット67aを形成すると共に、該茎葉落下スリット67aよりも搬送方向後側に泥土落下スリット67bを形成する。さらに、該シュータ67の後端部とメインフレーム1との間に、シュータ67を下方へ引っ張るスプリング87を設ける。
【0057】
なお、該シュータ67全体、あるいはシュータ67のうち茎葉落下スリット67aを形成する部分をゴムや合成樹脂等を素材とする軟質部材で構成すると、里芋Tが引継時に傷付くことを防止できて里芋Tの商品価値を向上させることができると共に、バーコンベア49に設ける凸体49a・・・が接触した際引っ掛かることが防止されるので、茎葉落下スリット67aに引っ掛かった茎葉等を落とすことができ、里芋Tの茎葉や雑草が選別搬送装置Fに混入することが防止されて、選別搬送装置Fの掃除等メンテナンス作業が簡単になり、作業者の労力が軽減される。また、シュータ67のうち茎葉落下スリット67aを形成する部分をムや合成樹脂等を素材とする軟質部材でコーティングする構成としてもよい。このとき、軟質部材のコーティングは厚めに施すと効果的である。
【0058】
また、メインフレーム1に掘取搬送コンベア50を昇降させる昇降シリンダ68の機部を取り付け、該昇降シリンダ68の端部を左右サイドカバー42,42の左右間で且つ掘取搬送コンベア50の下方に設けた支持フレーム69に取り付けると共に、昇降シリンダ68と第1油圧バルブ8とを送油ケーブル等で繋ぐことによって、掘取搬送装置Dが構成される。
【0059】
なお、本実施例の昇降シリンダ68は油圧シリンダであるが、エアシリンダや電動シリンダ等の伸縮部材に置き換えても同様の効果を発揮することができる。
上記構成によれば、先端部に掘取犂53で里芋Tを地中から掘り起こすことによって、掘取搬送コンベア50を圃場面に接触させることなく里芋Tを掘り起こすことができるので、掘取搬送コンベア50を駆動させる搬送モータ45や駆動シャフト44に過負荷がかかり破損することが防止されるので、機体の耐久性が向上する。
【0060】
また、掘取犂53の先端部に屈曲部54を形成したことによって、里芋Tを掘り起こす際に共に掘り起こされる泥土を機体左右方向に誘導することができるので、掘り起こした泥土が掘取犂53や掘取搬送コンベア50に接触して機体の直進を妨げる事が防止され、作業能率が向上すると共に、泥土が里芋Tの掘り起こしを妨げることが防止され、作業能率が向上する。
【0061】
そして、掘取犂53と掘取搬送コンベア50の搬送始端部との間に複数の泥落し爪55a・・・と複数の補助泥落し爪55b・・・とを取り付けたことによって、掘取犂53で掘り起こされた里芋Tを掘取搬送コンベア50に引き継ぐ際に、泥落し爪55a・・・と補助泥落し爪55b・・・との間から里芋Tに付着した泥土を落とすことができるので、里芋Tの商品価値が向上すると共に、後述する第1分離装置Eや第2分離装置Gでの親芋Tpと子芋Tcとの分離を泥土が邪魔することが防止され、分離作業能率が向上する。
【0062】
また、泥落し爪55a・・・と補助泥落し爪55b・・・の後端部を下方に屈曲させたことによって、里芋Tが掘取搬送コンベア50に落下する距離が短くなると共に、里芋Tを屈曲部で滑り降ろすことができるので、里芋Tが落下の衝撃で傷付くことが防止されて里芋Tの商品価値が向上すると共に、里芋Tが選別コンベア50に円滑に引き継がれるため作業能率が向上する。
【0063】
さらに、補助泥落し爪55b・・・を泥落し爪55a・・・よりも下方に取り付けたことによって、里芋Tに振動を与えて付着した泥土を落とすことができるので、里芋Tの商品価値が向上すると共に、後述する第1分離装置Eや第2分離装置Gでの親芋Tpと子芋Tcとの分離を泥土が邪魔することが防止され、分離作業能率が向上する。
【0064】
また、掘取犂53を取り付ける左右接続プレート52,52の取付位置が機体前後方向に変更自在であることによって、里芋Tの品種や圃場状態等の作業条件に最適な位置に掘取犂53の掘り起こし位置を変更することができるので、作業能率が向上する。
【0065】
そして、左右ゲージ輪63,63を回転自在に取り付けた左右ゲージ輪アーム62,62の取付位置が機体前後方向に変更自在であることによって、機体の前後幅をコンパクトにすることができるので、倉庫等への機体の収納や軽トラック等の輸送手段への機体の積込が容易になる。
【0066】
また、里芋Tの品種や圃場状態等の作業条件に最適な位置に左右ゲージ輪63,63の接地位置を変更することができるので、掘取搬送コンベア50の搬送姿勢等が安定し、作業能率が向上する。
【0067】
さらに、従来は左右従動スプロケット46,46の左右間が空間部であったことにより、バーコンベア49に取り付けた複数の凸体49a・・・が里芋Tと共に掘り起こされた泥土を集めて左右従動スプロケット46,46の左右間で塊にしてしまい、掘取搬送コンベア50の回転を妨げたり停止させたりするという欠点があったが、左右従動スプロケット46,46の左右間にカラー47を取り付けたことによって、泥土が塊になる前にカラー47が泥土を圃場面に押し付け、或いは後方に送り出すため、掘取搬送コンベア50が停止することが防止できるので、作業能率が向上する。
【0068】
また、選別コンベア50をバーコンベア49で構成していることによって、里芋Tに付着している泥土を棒体の間から落下させることができるので、里芋Tの商品価値が向上すると共に、後述する第1分離装置Eや第2分離装置Gでの親芋Tpと子芋Tcとの分離を泥土が邪魔することが防止され、分離作業能率が向上する。
【0069】
そして、バーコンベア49に複数の門型の凸体49a・・・が等間隔に取り付けられていることによって、里芋Tや分離された親芋Tp、子芋Tcが搬送中に転がり落ちても凸体49aが里芋Tや親芋Tp、子芋Tcを受け止めるため、里芋Tや親芋Tp、子芋Tcが圃場に落下することが防止できるので、里芋Tや親芋Tp、子芋Tcが落下の衝撃で傷付くことが防止されて商品価値が向上すると共に、圃場に落下した里芋Tや親芋Tp、子芋Tcを拾い集める作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0070】
さらに、後述する第1分離装置Eの後方に選別コンベア50を揺動させる揺動装置60を取り付けたことによって、第1分離装置Eによって分離された親芋Tpと子芋Tcとを振動させて付着した泥土を落とすことができるので、親芋Tpと子芋Tcの商品価値が向上すると共に、選別搬送台96での選別作業の能率が向上する。なお、親芋Tpを商品としない品種の場合は、子芋Tcのみ商品価値が向上する。
【0071】
また、本実施例の構成では、里芋Tを分離する第1分離装置Eの分離作用部αは揺動しないため、分離作業姿勢が安定させることができるので、分離作業能率が向上する。
そして、掘取搬送コンベア50の終端部にシュータ67を取り付けたことによって、掘取搬送コンベア50から後述する選別搬送台100に親芋Tpと子芋Tc、第1分離装置Eで完全に分離されていない里芋Tを落下させること無く引き継ぐことができるので、里芋Tと親芋Tpと子芋Tcとが傷付くことが防止され、商品価値が向上する。
【0072】
また、シュータ67に茎葉落下スリット67aと泥土落下スリット67bとを形成したことによって、茎葉や雑草や泥土をシュータ67上から下方に落下させることができるので、茎葉や雑草が後述する選別搬送装置Fに混入することが防止されて選別搬送装置Fの掃除等メンテナンス作業が簡単になるため、作業者の労力が軽減されると共に、選別搬送装置Fに入り込む泥土が減るため、泥土による親芋Tp・子芋Tcと泥土を誤選別してしまうことが防止できるので、作業能率や選別精度が向上する。
【0073】
さらに、シュータ67を回動自在に設けると共に、シュータ67をスプリング87によって下方に引っ張ることによって、シュータ67の傾斜姿勢は掘取搬送コンベア50の作業姿勢の変化に追従して変化するため、シュータ67と選別搬送台100との落差を変えることなく作業条件に合わせて掘取搬送コンベア50の作業姿勢を変えることができるので、里芋Tや親芋Tp、子芋Tcが落下の衝撃で傷付くことが防止されて商品価値が向上すると共に、掘取搬送装置Dから選別搬送装置Fへの里芋Tや親芋Tp、子芋Tcの搬送が停滞することなく行われるので、作業能率が向上する。
【0074】
そして、掘取搬送コンベア50の終端部側方近傍に操縦座席65を配置したことによって、操縦作業者は作業座席65に着座したまま掘取搬送コンベア50や後述する選別搬送台96や第2分離装置G側を向くことができるので、掘取搬送コンベア50の終端部で親芋Tpを取り除いたり、補助作業者と共に選別搬送台96で親芋Tpと子芋Tcの選別作業を行ったり、完全に親芋Tpと子芋Tcが分離されていない里芋Tを第2分離装置Gに設置して分離作業を行ったりすることができるので、作業能率が向上する。
【0075】
なお、本実施例の作物分離収穫機の作業時の走行速度は極めて低速であるため、操縦作業者は常時操縦作業を行っていなくても安全に移動することができるので、上述の選別作業等を行っても安全性に問題はない。
【0076】
次に、第1分離装置Eについて説明する。
図1〜図4で示すように、前記左右サイドカバー42,42の左右外側に左右支持フレーム69,69を取り付け、該左右支持フレーム69,69の左右間に連結フレーム70を取り付ける。そして、該連結フレーム70の上部に左右上部移動ローラ71L,71L、71R,71Rを回転移動自在に配置すると共に、連結フレーム70の下部に左右下部移動ローラ72L,72L、72R,72Rを回転移動自在に配置する。また、該左右上部移動ローラ71L,71L、71R,71Rと左右下部移動ローラ72L,72L、72R,72Rとの後部に平面視で門型の左右後部支持プレート73L,73Rを取り付けると共に、左右上部移動ローラ71L,71L、71R,71Rと左右下部移動ローラ72L,72L、72R,72Rとの前部に左右前部支持プレート74,74を取り付ける。さらに、該左右後部支持プレート73L,73Rに左右ストッパー75L,75Rを機体前後方向に位相をずらして取り付けると共に、左右前部支持プレート74,74を連結スプリング76で連結して、調節装置120を構成する。
【0077】
なお、左右ストッパー75L,75Rはどちらが機体前側に配置されてもよく、また連結スプリング76はシリンダ等に置き換えても構わない。
そして、該左右前部支持プレート74,74の上部に機体前後方向に亘って左右分離フレーム77,77を取り付け、該左右分離フレーム77,77の後上部に後述する左右分離搬送装置84,84を駆動させる左右分離モータ78,78を設けると共に、該左右分離モータ78,78と第2油圧バルブ14とを送油ケーブル等で連結する。また、前記左右支持プレート74,74の下部に左右駆動プーリ79,79を左右分離モータ78,78の回転軸に軸着して配置すると共に、前記左右分離フレーム77,77の前端下部に左右従動プーリ80,80を回転自在に取り付ける。さらに、前記左右駆動プーリ79,79と左右従動プーリ80,80との機体前後方向間で且つ左右分離フレーム77,77の下部に左右転動輪アーム81,81を回動自在に取り付けると共に、該左右転動輪アーム81,81の前後端に左右転動輪82,82、82,82を回転自在に取り付ける。そして、前記左右駆動プーリ79,79と左右従動プーリ80,80と左右転動輪82,82、82,82とにゴムや合成樹脂等で形成される軟質部材からなる左右分離履帯83,83を無端状に巻き掛けることによって、左右分離搬送装置84,84が構成される。さらに、左右分離搬送装置84,84の後部左右間を所定距離離間させて分離作用部αを形成すると共に、機体前側ほど左右間隔が広くなるように配置することによって、第1分離装置Eが構成される。
【0078】
また、前記左右支持フレーム69,69の機体内側で且つ左右分離搬送装置84,84の後方にL字形状の左右落下防止ガイド85,85を左右分離搬送装置84,84の後端部直近に取り付ける。
【0079】
上記構成によれば、連結フレーム70の上下に回転移動自在に配置した左右上部移動ローラ71L,71L、71R,71Rと左右下部移動ローラ72L,72L、72R,72Rの前側に取り付けた左右前部支持プレート74,74に左右分離搬送装置84,84を取り付けたことによって、収穫する里芋Tのサイズや種類に応じて分離作用部αの間隔や分離力を手動もしくは機械的に変更することができるので、作業条件の変化に対応しやすく作業能率が向上する。
【0080】
また、里芋Tを適切な分離力で親芋Tpと子芋Tcとに分離することができるので、第1分離装置Eの分離能力が向上して作業能率が向上すると共に、里芋Tに過剰な分離力がかからないため親芋Tpや子芋Tcが押し潰されて傷付くことが防止されるので、親芋Tpや子芋Tcの商品価値が向上する。
【0081】
そして、左右前部支持プレート74,74を連結スプリング76で連結していることによって、分離作用部αの設定間隔よりも大きな里芋Tが搬送されてきても、左右分離搬送装置84,84は里芋Tに押される力で左右方向に自動的に移動することができるので、第1分離装置Fを駆動させる左右分離モータ78,78や左右駆動プーリ79,79、左右分離フレーム77,77等に過負荷がかかって破損することが防止されて機体の耐久性が向上すると共に、分離収穫作業が中断されないため作業能率が向上する。
【0082】
また、左右分離搬送装置84,84を左右分離モータ78,78で駆動することによって、左右分離搬送装置84,84の左右間隔を変更する際に駆動装置を取り外すなどして移動させる必要が無いので、作業者の労力が軽減されると共に、機体構成が簡潔になる。
【0083】
さらに、左右分離搬送装置84,84が回転していることによって、掘取搬送コンベア50の左右端部に里芋Tが載置されていても、左右分離搬送装置84,84が里芋Tを分離作用部αに移動させるので分離作業が滞ることなく、作業能率が向上する。
【0084】
また、分離された親芋Tpや子芋Tcが分離作用部αよりも前方で且つ機体左右外側方向に転がっても、左右分離搬送装置84,84が掘取搬送コンベア50の機体左右方向中央部に移動させることができるので、親芋Tpや子芋Tcが圃場に落下することが防止され、落下の衝撃で親芋Tpや子芋Tcが傷付き商品価値が低下することを防止できると共に、圃場に落下した親芋Tpや子芋Tcを拾い集める作業が省略されるので、作業能率が向上する。
【0085】
そして、左右後部支持プレート73L,73Rに左右ストッパー75L,75Rを機体前後方向に位相をずらして取り付けることによって、左右分離搬送装置84,84の分離作用部αを調節する際や、里芋Tに押されて広がった左右分離搬送装置84,84が設定位置に戻る際に、左右分離搬送装置84,84が近接し過ぎて分離作用部αが小さくなりすぎる、或いは無くなることを防止できるので、左右分離搬送装置84,84の調節が行いやすくなり作業能率が向上すると共に、左右分離搬送装置84,84が里芋Tを挟み潰すことが防止されるので、里芋Tが傷付くことが防止されて里芋Tの商品価値が向上する。
【0086】
なお、図4で示すように、左右支持フレーム69,69の機体内側に左右ストッパー86,86を取り付けておくと、左右分離搬送装置84,84が広がり過ぎることを防止できるので、左右分離搬送装置84,84の調節が行いやすくなり作業能率が向上する。
【0087】
また、左右落下防止ガイド85,85を設けたことによって、第1分離装置Fによって分離された子芋Tcが左右搬送分離履帯83,83の回転に巻き込まれて第1分離装置Fと左右サイドカバー42,42との間へと搬送され、挟まれて子芋Tcが傷付くことが防止されるので、子芋Tcの商品価値が向上する。
【0088】
なお、左右落下防止ガイド85,85の機体内側端部は左右駆動プーリ79,79の中心よりも機体内側寄りに位置させることによって、第1分離装置Fによって分離された子芋Tcが左右搬送分離履帯83,83の回転に巻き込まれて第1分離装置Fと左右サイドカバー42,42との間へと搬送される前に掘取搬送コンベア50の搬送経路に戻されるため、左右搬送分離履帯83,83と左右サイドカバー42,42とに挟まれて子芋Tcが傷付くことが防止されるので、子芋Tcの商品価値が向上する。
【0089】
また、左右落下防止ガイド85,85の機体内側端部をゴムや合成樹脂等で形成する軟質部材のガードプレート85a,85aで覆うことによって、左右搬送分離履帯83,83の回転に巻き込まれて運ばれる子芋Tcが左右落下防止ガイド85,85の機体内側端部に接触しても傷付くことを防止できるので、芋Tcの商品価値が向上する。
【0090】
次に、選別搬送装置Fについて説明する。
図1,図2,図7乃至図9に示すように、前記メインフレーム1で且つ掘取搬送装置Dの後方に左右前支柱88F,88Fと該左右前支柱88F,88Fよりも高さの低い左右後支柱88R,88Rを取り付けると共に、該左右前支柱88F,88Fの左右間に左右カムローラ92,92を軸着した揺動シャフト93を回転自在に取り付ける。そして、前記左右後支柱88R,88Rの機体外側に凹形状の左右揺動ガイド94,94を取り付け、該左右揺動ガイド94,94と左右前支柱88F,88Fとの間に夫々左右選別搬送フレーム89,89を取り付ける。さらに、該左右選別搬送フレーム89,89の左右間上側に複数の上部棒体90a・・・から構成される、該上部棒体90a・・・同士の前後間に泥土や夾雑物を落下させる落下空間S1を形成した上部選別体90を取り付け、左右選別搬送フレーム89,89の左右間下側に複数の下部棒材91a・・・から構成される該下部棒体91a・・・同士の前後間に泥土や夾雑物を落下させる落下空間S2を形成した下部選別体91とを、上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とが側面断面視で上下交互となるように、且つ夫々の落下空間S1,S2の位相を機体前後方向にずらして配置(千鳥配置)する。
【0091】
このとき、上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とは上下間隔と前後間隔とを等間隔にして配置すると、選別搬送装置Fの搬送経路のいずれの位置でも親芋Tpと子芋Tcとが上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに均等に接触することができるので、親芋Tpと子芋Tcに付着した泥土や夾雑物を夫々の落下空間S1,S2から効率よく落とすことができる。
【0092】
また、上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・との前後間隔を搬送方向前側ほど広く、搬送方向後側ほど狭くなるように配置すると、泥土や夾雑物が付着して径が大きくなっている選別搬送装置Fの搬送始端側では親芋Tpと子芋Tcとが上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに接触する回数が増加して泥土や夾雑物が効率よく落とされると共に、泥土や夾雑物が落下空間S1,S2に落とされて親芋Tpや子芋Tcの径が小さくなる搬送終端側では上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・との間から小粒な子芋Tcが落下することを防止することが出来る。
【0093】
なお、左右揺動ガイド94,94は凹形状以外にも、U型や円型、楕円型など選別搬送装置Fの揺動を損ねない形状であれば、どのような形状にしても構わない。また、図7,図8で示すように、左右選別搬送フレーム89,89に左右安全カバー94S,94Sを取り付け、左右揺動ガイド94,94を覆う構成にすると、選別搬送装置Fで選別作業を行う作業者が高速で動作している左右揺動ガイド94,94に触れることが防止されるので、作業の安全性が向上する。
【0094】
そして、左右前支柱88F,88Fに取り付けた前記揺動シャフト93の左右一側端で且つ左右前支柱88F,88Fの左右一方の内側に揺動従動スプロケット95を軸着し、該揺動従動スプロケット95を設けた側の前支柱88Fの下部に揺動駆動スプロケット96を出力軸に軸着した揺動選別モータ97を取り付けると共に、該揺動従動スプロケット95と揺動駆動スプロケット96との間に揺動チェーン98を無端状に巻き掛けて揺動装置105を構成する。さらに、前記左右後支柱88R,88Rの左右一側に揺動選別モータ97の回転数を変更すると共に回転の駆動力伝達を入切する出力調節装置99を取り付け、該出力調節装置99と第2油圧バルブ14とを送油ケーブル等で連結すると共に、出力調節装置99と前記揺動選別モータ97とを送油ケーブル等で連結することによって、選別搬送台100が構成される。そして、前記左右選別搬送フレーム89,89の上部に里芋Tや親芋Tp、子芋Tcが選別搬送装置Fに選別搬送される途中で落下することを防止する左右落下防止ガイド101,101を取り付けると共に、該左右落下防止ガイド101,101の後部内側に左右排出ガイド102,102を取り付ける。
【0095】
さらに、前記複数の上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに夫々中空の円筒形で且つ機体左右方向に切れ目を設けたゴムや樹脂等を素材とする軟質部材からなる調節カバー103・・・を着脱自在に取り付けることによって、選別搬送装置Fが構成される。
【0096】
上記構成によれば、複数の上部棒体90a・・・を備えた上部選別体90と下部棒材91a・・・を備えた下部選別体91とを上部棒体90a・・・と下部棒材91a・・・とが上下交互になるように配置したことによって、親芋Tpと子芋Tcとが揺動する選別搬送台100を移動する際に上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに何度も接触しながら移動するため、親芋Tpや子芋Tcに付着した泥土を落下空間S1,S2から落とすことができるので、親芋Tpや子芋Tcの商品価値が向上すると共に、親芋Tpや子芋Tcを視認しやすくなるため誤選別が防止され、選別作業の能率が向上する。
【0097】
そして、切れ目を設けて着脱自在とした調節カバー103・・・を複数の上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに装着することによって、複数の上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・との間隔が小さくなるため、子芋Tcが小粒である品種を収穫する時に選別搬送中の子芋Tcが下方に落下することを防止できるので、落下の衝撃で子芋Tcが傷付くことが防止されて作物の商品価値が向上すると共に、作業後に落下した子芋Tcを拾い集める作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0098】
また、調節カバー103・・・を装着しておくと、里芋Tや親芋Tpや子芋Tcが複数の上部棒体90a・・・や下部棒体91a・・・に付着しないため、里芋Tや親芋Tpや子芋Tcが上部棒体90a・・・や下部棒体91a・・・と接触して傷付くことを防止できるので里芋Tや親芋Tpや子芋Tcの商品価値が向上すると共に、里芋Tや親芋Tpや子芋Tcに付着している泥土は調節カバー103・・・に付着するので、選別搬送装置Fの掃除にかかる時間を短縮することができ、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。なお、調節カバー103・・・に付着した泥土は、調節カバー103・・・を取り外して水洗いすればよく、このとき消耗の激しいものは新品に交換すれば、作業中に調節カバー103・・・が破損して作業能率を低下させることを防止できる。上述の効果に加えて、上部棒体90a・・・や下部棒体91a・・・が里芋Tや親芋Tpや子芋Tcや泥土との接触で消耗することが防止されるので、上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とを耐久力の高い金属や硬質プラスチックで構成することができ、選別搬送装置Fの耐久性が向上する。
【0099】
さらに、調節カバー103・・・を複数の上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とから取り外すことによって、子芋Tcが大粒である品種を収穫する場合や、里芋Tや親芋Tpや子芋Tcに付着している泥土の塊が大きい場合、上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・との間隔を大きく取ることができるので、親芋Tpや子芋Tcを上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに接触させることができ、効率よく付着した泥土を取り除くことができると共に、大きな泥土の塊であっても落下させることができるので、泥土の塊を親芋Tpや子芋Tcと誤認して誤選別することが防止されるので、選別作業の能率が向上すると共に、選別の精度が向上する。
【0100】
なお、本実施例では親芋Tpや子芋Tcの傷付き効果を高めるため調節カバー103・・・の材質をゴムや樹脂からなる軟質部材としたが、調節カバー103・・・は適度な柔軟性のある布や紙などの繊維材、合成皮革や獣皮などの皮材から構成してもよく、また皮が厚く丈夫な品種を収穫する場合には、金属やコンクリート、硬質プラスチック等を用いてもよい。
【0101】
また、本実施例では調節カバー103・・・を着脱自在にするため切れ目を入れているが、図11で示すように2つ以上の調節カバー103a,103bに分割し、連結して上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とを被覆する構成としてもよく、また図12で示すように糸状の調節カバー103cとして上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに巻き掛けるようにしてもよい。
【0102】
さらに、調節カバー103・・・は全ての上部棒体90a・・・と下部棒体91a・・・とに装着する必要は必ずしもなく、泥土の付着量の多い選別搬送始端側に設ける、確実に泥土を除去するために選別搬送終端側に設ける、或いは選別搬送始端と終端に設ける、また或いはランダムに設ける等、作業者が自由に設定して構わない。
【0103】
そして、選別搬送台100を揺動装置105によって揺動自在に構成したことによって、親芋Tpや子芋Tcを揺さぶって付着した泥土を落とすことができるので、親芋Tpや子芋Tcの商品価値が向上すると共に、親芋Tpや子芋Tcを視認しやすくなるため、選別作業の能率が向上する。さらに、親芋Tpや子芋Tcを機体後部へと移動させることができるので、作業者が親芋Tpや子芋Tcを手作業で回収する必要がなく、作業者の労力が軽減される。
【0104】
また、左右後支柱88R,88Rを左右前支柱88F,88Fよりも低く構成したことによって、選別搬送台100は後方傾斜姿勢となっているため、親芋Tpと子芋Tcとを自動的に機体後部へと移動させることができるので、作業者が手作業で回収する必要がなく、作業者の労力が軽減される。
【0105】
そして、揺動選別モータ97の回転数を調節したり動力伝達を入切したりする出力調節装置99を設けたことによって、親芋Tpや子芋Tcに泥土が多く付着しているときには出力を上げて選別搬送台100の揺動幅を大きくできるので、親芋Tpや子芋Tcの商品価値が向上すると共に、親芋Tpや子芋Tcを視認しやすくなるため、選別作業の能率が向上する。
【0106】
また、揺動幅が大きく選別作業の妨げになるときは出力を下げて選別搬送台100の揺動幅を小さくできるので、親芋Tpや子芋Tcを視認しやすくなるため、選別作業の能率が向上すると共に、選別作業者が安全に作業を行うことができる。
【0107】
さらに、作業状態に応じて選別搬送装置Fだけを停止させることができるので、選別搬送台100に里芋Tや親芋Tpや子芋Tcを貯留しておくことができ、コンテナや袋体等の収容部材104の交換作業を能率よく行うことができる。
【0108】
そして、左右選別搬送フレーム89,89の上部に左右落下防止ガイド101,101を設けたことによって、選別搬送台100の揺動により選別搬送台100の左右に揺さ振られた里芋Tや親芋Tpや子芋Tcが落下することを防止できるので、里芋Tや親芋Tpや子芋Tcを拾い集める作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0109】
また、左右排出ガイド102,102を設けたことによって、選別搬送台100上全面に親芋Tpや子芋Tcが散らばっていても、左右排出ガイド102,102が選別搬送台100終端部の排出位置を規制して一定の範囲からのみ排出させることができるので、子芋Tcを確実にコンテナや袋体等の収容部材104に収容することができ、作業能率が向上する。
【0110】
さらに、選別搬送装置Fから圃場に親芋Tpや子芋Tcが落下することが防止されるので、落下の衝撃で親芋Tpや子芋Tcが傷付くことが防止されて親芋Tpや子芋Tcの商品価値を向上させることができると共に、圃場に落下した親芋Tpや子芋Tcを拾い集める作業が省略されるので、作業者の労力が軽減される。
【0111】
次に、第2分離装置Gについて説明する。
図1,図2,図17及び図18に示すように、前記第1エンジン2と燃料タンク3との上方にカバーフレーム106を取り付け、前記左右選別搬送フレーム89,89の外側で且つ左右前支柱88F,88Fの後方に左右中支柱107,107を取り付け、該左右支柱107,107の左右間で且つ選別搬送台100の上方位置に連結フレーム108を取り付ける。そして、該カバーフレーム106と連結フレーム108の機体内側との上部に支持フレーム109を取り付けると共に、該支持フレーム109の後部に機体前後方向に子芋Tcと親芋Tpの残骸とを選別搬送台100へと移動させるシュータ110を取り付ける。また、該支持フレーム109と右支持支柱107と連結フレーム108の上方に側面視コの字型の分離装置フレーム111を取り付け、該分離装置フレーム111の下側の機体前側突出部に里芋Tを載置する円筒形の載置台112を取り付けると共に、該載置台112の上端部外周に子芋Tcを削ぎ落とすためのリング113を取り付ける。さらに、該載置台112の内側に親芋Tpを切断破砕する複数の切断刃114・・を取り付ける。
【0112】
また、該切断刃114・・・は、載置台112の内側周縁部に基部を装着し、切断刃114・・・の夫々略中心部で先端部を対面させて配置すると、切断破砕された親芋Tpの残骸が下方に落下しやすくなる。切断刃114・・・の数は、4〜6枚程度とすると、親芋Tpの残骸の抜け落ちの邪魔になりにくい。
【0113】
そして、前記分離装置フレーム111の上側の機体前側突出部で且つ載置台112の略中心の上方に伸縮自在な分離シリンダ115取り付け、該分離シリンダ115と第1油圧バルブ8とを送油ケーブル等で連結する。また、該分離シリンダ115の下端部に載置台112に設置された親芋Tpを押圧して子芋Tcをリング113で削ぎ落とす円柱形の押圧部材116を取り付けると共に、該押圧部材116の下部に複数の平面視で八の字型の押圧突起117・・・を取り付けることによって、第2分離装置Gが構成される。
【0114】
なお、前記分離シリンダ115を着脱自在に構成すると共に、分離装置フレーム111上に第2分離装置Gの分離シリンダ115を嵌め込むことができる幅の載置爪155を1つ以上取り付けることによって、機体を収納する際に分離装置フレーム111から分離シリンダ115を取り外して前記載置爪155に分離シリンダ115を嵌め込むと、機体の上下高さを低く抑えることができるので、収納スペースが狭くても機体を安全に収容することができるので、収納性が高くまた接触による機体及び被接触物の損壊を防止することができる。
【0115】
また、図2,図7,図8及び図16に示すように、前記連結フレーム108の上部に分離突起118を取り付けることにより、選別作業者が手作業で親芋Tpと子芋Tcとが分離されていない里芋Tを分離する第3分離装置Iが構成される。
【0116】
上記構成によれば、第1分離装置Fで親芋Tpと子芋Tcとに完全に分離されなかった里芋Tを載置台112に載置し、分離シリンダ115で親芋Tp押圧することによって子芋Tcを削ぎ落としてシュータ110を通じて選別搬送台100に送ることができるので、圃場で収穫作業を行う際に里芋Tの分離作業を終わらせることができ、作業能率が向上する。
【0117】
また、載置台100の内側に押し込まれる親芋Tpを複数の切断刃114・・・で切断して下方に排出することによって、親芋Tpを載置台112から取り除くことなく次の里芋Tを設置することができるので、作業能率が向上する。
【0118】
そして、親芋Tpが複数の切断刃114・・・によって切断破砕されることによって、親芋Tpの残骸が腐敗し易くなると共に残骸一つ一つの大きさが小さくなるため、里芋Tの収穫期が終わった後、トラクタ等で圃場を耕耘する際に親芋Tpの残骸を細かく破砕しつつ土中に梳き込むことができるので、圃場に天然の滋養分が供給されて圃場の土質を向上させることができる。
【0119】
さらに、細かく砕かれた親芋Tpの破片は連作障害の原因となる菌やウィルスを繁殖させる温床となる前に分解されて圃場の滋養分となるので、圃場の土質の低下を防止できると共に圃場の土質を向上させることができる。
【0120】
なお、親芋Tpを破砕しないまま圃場に放置しておくと腐敗が進行しにくく、耕耘作業時に圃場に梳き込もうとしても破砕しきれないため、親芋Tpの破片が圃場に残り、連作障害の原因となる菌やウィルスを繁殖させる温床となって土質を低下させてしまう欠点があると共に、大雨の後や水田化すべく水を引いた際に破片が浮かび上がってしまい、トラクタ等による代掻き作業や田植機等による苗の植え付け作業を親芋Tpの破片が妨害する可能性があるため、圃場に浮かんだ親芋Tpを人手で取り除かねばならなくなって作業者に余計な労力を費やさせてしまうという欠点がある。
【0121】
そして、コの字型の分離フレーム111の上下前側突出部分に載置台112と分離シリンダ115を設けたことによって、操縦作業者が掘取搬送コンベア50の終端部から親芋Tpと子芋Tcとが完全に分離されていない里芋Tを取って第2分離装置Gに設置して分離作業を行うことができるので、作業能率が向上する。
【0122】
さらに、分離シリンダ115の下端部に複数の押圧突起117・・・を備えた押圧部材116を取り付けたことによって、親芋Tpの押圧部分が曲面であっても押圧突起117・・・が押圧部材116の滑りを防止するため、親芋Tpを確実に載置台112に押し込むことができるので、分離作業の能率が向上する。
【0123】
また、第3分離装置Iを第3分離装置Iを選別搬送台100の上方に構成することによって、分離突起118で分離した親芋Tpと子芋Tcを選別搬送台100に落下させることができるので、作業者は分離後すぐに選別作業を行うことができ、作業能率が向上する。
【0124】
そして、左右選別搬送フレーム89,89の外側で且つ左右前支柱88F,88Fの後方に左右中支柱107,107を取り付けると共に、左右中支柱107,107を連結フレーム100で連結していることによって、選別搬送装置Fの強度を高めることができるので、機体の耐久性が向上する。
【0125】
さらに、第3分離装置Iを設けたことによって、第2分離装置Gで里芋Tを分離している間に別の里芋Tが搬送されてきたとき、選別作業者は第3分離装置Iで里芋Tの分離作業を行うことができるので、作業能率が向上する。
【0126】
次に、載置部Hについて説明する。
図1,図2に示すように、前記メインフレーム1の後端部に選別搬送装置Fから排出される子芋Tcを収容するコンテナや袋体等の収容部材104を載置する後部載置台119を機体前後方向に折り畳み回動自在に設けると共に、メインフレームのうち第2エンジン9を配置した側の機体外側に後部載置台118で子芋Tcを容量一杯に収容した収容部材104を貯留しておく側部載置台119aを機体左右方向に折り畳み回動自在に設ける。さらに、該側部載置台119aの後部に、空の収容部材104、或いは子芋Tcを満載した収容部材104を載置する延長載置台119bを機体前後方向に折り畳み回動自在に取り付けることによって、載置部Hが構成される。
【0127】
上記構成によれば、子芋Tcを容量一杯に収容した収容部材104を側部載置部119に貯留できることによって、収容部材104に子芋Tcが満載されるたびに分離収穫作業を中断して収容部材104を機体から降ろす必要がなくなるため、作業能率が向上する。
【0128】
また、後部載置台118と側部載置台119と延長載置台119aとが夫々折り畳み回動自在であることによって、機体の前後の幅及び左右の幅をコンパクトにすることができるので、倉庫等への機体の収納や軽トラック等の輸送手段への機体の積込が容易になる。
【0129】
以下、本件里芋Tの分離収穫機の別実施例を説明する。
図20、図21で示すように、第2分離装置Gのカバーフレーム106上に前後排出フレーム122F,122Rを取り付け、該前後排出フレーム122F,122Rの前後間で且つ機体外側端部に駆動排出ローラ123を回転自在に装着し、該駆動排出ローラ123の回転軸の機体前側端部もしくは後側端部に排出モータ124を取り付ける。そして、前記前後排出フレーム122F,122Rの前後間で且つ機体内側端部に排出従動ローラ125を回転自在に取り付け、該排出従動ローラ125と輩出駆動ローラ123との間に排出ベルト126を無端状に巻き掛けて、第2分離装置Gによって分離された親芋Tpの破片を機外に排出する排出装置127を構成する。そして、前記後排出フレーム122Rに支持フレーム128を取り付け、該支持フレーム128の上部に分離装置フレーム129を機体前側に向かって取り付け、前記支持フレーム128の下部で且つ排出装置127の上方に格子状の分離台130を選別搬送装置Fの選別搬送台100側に傾斜させて取り付けると共に、該分離台130の中心部に分離する里芋Tを載置する円筒形の載置台112を取り付ける。また、該載置台112の上端部外周に子芋Tcを削ぎ落とすためのリング113を取り付け、載置台112の内側周縁部に夫々載置台112の略中心部で先端部を対面させて取親芋Tpを切断破砕する複数の切断刃114・・・の基部を取り付ける。さらに、前記分離装置フレーム129の上部前側で且つ載置台112の略中心部上方に分離シリンダ115を着脱自在に取り付け、該分離シリンダ115の下端部に親芋Tpを押圧して子芋Tcをリング113で削ぎ落とす円柱形の押圧部材116を取り付けると共に、該押圧部材116の下部に複数の平面視で八の字型の押圧突起117・・・を取り付ける構成としてもよい。
【0130】
上記構成によれば、分離台130の下方に排出装置127を設けたことによって、押圧部材116に押されて載置台112に押し込まれ、切断刃114・・・に切断された親芋Tpの破片は排出装置127に落下して自動的に機外に排出されるので、第2分離装置Gで分離された親芋Tpが選別搬送台100に落下することが防止され、作業者の選別精度と選別作業の効率が向上する。
【0131】
また、切断された親芋Tpの破片を手作業で排出する必要が無くなるので、作業者の労力が軽減されると共に、親芋Tpの破片から染み出した粘液に触れて作業者の手が痒くなる、体質によってはアレルギー症状を起こす等のトラブルを防止することができるので、作業の安全性が向上する。
【0132】
そして、分離台130を選別搬送台100に向かって傾斜させて配置したことによって、リング113によって削ぎ落とされた子芋Tcは自動的に選別搬送台100に向かって移動するので、作業者が子芋Tcを選別搬送台100に移動させる手間が省略され、作業能率が向上する。
【0133】
図22で示すように、第1分離装置Eの左右分離フレーム77,77を掘取搬送コンベア50の搬送始端部の上方まで延長し、該左右分離フレーム77,77の前端部に左右従動プーリ80,80を回転自在に装着すると共に、左右分離履帯83,83を延長する構成としてもよい。
【0134】
上記構成によれば、第1分離装置Eの先端部が掘取搬送コンベア50の搬送始端部と略同じ位置まで延長されているため、里芋Tが土中から掘取搬送コンベア50の左右端に掘り起こされたときでも第1分離装置Eが里芋Tを落下させることなく掘取搬送コンベア50の中央部へと掻き込むことができるので、掘り起こした里芋Tを作業者が圃場から拾い上げて掘取搬送コンベア50に置き直す作業が省略され、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【0135】
図23,図24で示すように、第1分離装置Eの左右分離フレーム77,77の前側上部に複数の螺子穴を設けた連結フレーム131を取り付け、該連結フレーム131に穴を設けたボス132を連結フレーム131に沿って移動自在に且つ回動自在に取り付けると共に、連結フレーム131に設けた螺子穴の一つとボス132の穴とを合わせて螺子等で固定する。そして、該ボス132の前部に複数の穴を設けた中空のロッド133を取り付け、該ロッド133の中空部に穴を設けた調節ロッド134の一端を差し込むと共に、ロッド133の穴の一つと調節ロッド134の穴とを合わせてボルトとナット等の固定部材で連結する。また、前記調節ロッド134の他端に門型の支持アーム135を回動自在に取り付け、該支持アーム135の左右幅内に押えローラ136を回転自在に取り付ける構成としてもよい。
【0136】
このとき、押えローラ136の直径は、里芋Tを確実に上方から押えるために、平均的な里芋Tの親芋Tpの直径10cmよりも大きい必要があるため、10〜15cm程にするとよい。なお、小径過ぎると里芋Tを押せなくなるおそれがあると共に、大径過ぎると押えローラ136と掘取搬送コンベア50との間から里芋Tが抜けなくなり、作業が中断されてしまうおそれがある。また、押えローラ136の左右幅は、掘り起こされた里芋Tに確実に接触させるために、平均的な里芋Tの左右幅30cmよりも大きい必要があるため、30〜40cm程にするとよい。
【0137】
上記構成によれば、土中から掘り起こされた里芋Tの上方に押えローラ136が配置されていることによって、掘取搬送コンベア50に乗った里芋Tを上方から押えローラ136が押圧するため、掘取搬送コンベア50から里芋Tが圃場に転がり落ちることを防止することができるので、作業者が落下した里芋Tを拾い上げて掘取搬送コンベア50に戻す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
【0138】
そして、押えローラ136を支持する支持アーム135が回動自在に設けられていることによって、掘り起こされた里芋Tの径の大小に応じて押えローラ136の位置が里芋Tを押えるのに適切な位置に自動的に移動するため、押えローラ136と掘取搬送コンベア50との間に里芋Tが詰まって動かなくなることを防止できるので、掘取収穫作業が中断されることが無く、作業能率が向上する。
【0139】
また、ロッド133には複数の穴を設けているため、調節ロッド134を固定する場所を変えることによって押えローラ136の前後位置を変更することができるので、里芋Tの品種や生育条件、圃場の土質や天候等作業条件の変化への対応性が向上する。
【0140】
さらに、ボス132の固定を解除すると連結フレーム131に沿って移動可能に設けたことによって、押えローラ136の左右位置を変更することができるので、里芋Tの品種や生育条件、圃場の土質や天候等作業条件の変化への対応性が向上する。
【0141】
なお、ロッド133と調節ロッド134の組み合わせからなる前後位置調節機構の代わりに、ボス132にテレスコピック方式の伸縮ロッドを取り付ける構成としてもよく、押えローラ136の回転軸の左右いずれか一端に駆動モータを取り付けて、機械的に回転するように構成してもよい。また、押えローラ136を厚手で且つ非常に柔軟性のある弾性体で構成すると、里芋Tの形状に合わせて押えローラ136の形状が変化するため、脱落防止能力が向上すると共に耐久性が向上する。
【0142】
また、図25(a)で示すように、押えローラ136の中央部に断面視でV字型となる溝部136aを形成することによって、里芋Tの茎部分Tsの切断部が押えローラ136に引っ掛かりにくくなり、掘取搬送コンベア50から里芋Tが圃場に転がり落ちることを防止することができるので、作業者が落下した里芋Tを拾い上げて掘取搬送コンベア50に戻す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
【0143】
なお、図25(c)で示すように、断面視V字型の溝部136aの角部をR形状とした溝部136cとすることによって、里芋Tが押えローラ136に接触して傷付くことを防止できるので、里芋Tの品質が向上する。
【0144】
そして、図25(b)で示すように、押えローラ136を中央部に向かうほど小径となる構成とし、断面視がテーパ状となる溝部136bを形成することによって、里芋Tの茎部分Tsの切断部が押えローラ136に引っ掛かりにくくなり、掘取搬送コンベア50から里芋Tが圃場に転がり落ちることを防止することができるので、作業者が落下した里芋Tを拾い上げて掘取搬送コンベア50に戻す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。加えて、断面視テーパ状の溝部136bによって、里芋Tが押えローラ136に接触して傷付くことを防止でき、里芋Tの品質が向上する。
【0145】
図26,図27で示すように、連結フレーム131の前側に左右支持アーム137,137を回動自在に取り付け、該左右支持アーム137,137に夫々左右支持フレーム138,138を取り付けると共に、該左右支持フレーム138,138の後上部左右間に駆動ローラ139を取り付ける。また、該左右支持フレーム138,138の後下部左右間に第1従動ローラ140を回転自在に装着し、前下部左右間に第2従動ローラ141を回転自在に装着すると共に、該第1従動ローラ140と第2従動ローラ141と駆動ローラ139との間に押えベルト142を無端状に巻き掛ける。そして、前記第1従動ローラ140と第2従動ローラ141の前後間外側に左右連結アーム143,143を取り付け、該左右連結アームに伸縮自在な複数のバネロッド144・・・を取り付けると共に、該バネロッド144・・・の下端部に夫々テンションローラ145・・・を取り付けて押えベルト142の内側に内接させる。さらに、前記駆動ローラ139の左右一側に油圧モータ146を取り付けて、駆動押え装置147を構成しても良い。
【0146】
上記構成によれば、土中から掘り起こされた里芋Tを、駆動押え装置147と掘取搬送コンベア50とで上下から挟んで機体後方へと搬送するため、掘取搬送コンベア50から里芋Tが圃場に転がり落ちることを防止することができるので、作業者が落下した里芋Tを拾い上げて掘取搬送コンベア50に戻す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
【0147】
また、左右支持アーム137,137を回動自在に設けていることによって、掘り起こされた里芋Tの径の大小に応じて駆動押え装置147の位置が里芋Tを押えるのに適切な位置に自動的に移動するため、駆動押え装置147と掘取搬送コンベア50との間に里芋Tが詰まって動かなくなることを防止できるので、掘取収穫作業が中断されることが無く、作業能率が向上する。
【0148】
そして、テンションローラ145・・・がバネロッド144・・・に取り付けられていることによって、大径の里芋が通過する際はテンションローラ145・・・が上方に押し上げられるため、駆動押え装置147に過負荷が掛かることを防止できるので、駆動押え装置147の破損が防止されて機体の耐久性や作業能率が向上する。
【0149】
図28,図29で示すように、第1分離装置Eの左右分離フレーム77,77の上に左右支持フレーム148,148を第1分離装置Eと略同じ傾斜角度で取り付け、該左右支持フレーム148,148の後部に左右駆動プーリ149,149を、第1分離装置Eの左右駆動プーリ79,79の駆動軸に延設した左右延長軸150,150に軸着する。そして、該左右延長軸150,150に里芋Tの茎葉部Tsを切断する左右切断刃151,151を前記左右駆動プーリ149,149よりも下方に軸着すると共に、左右駆動プーリ149,149の上方に左右分離モータ78,78を取り付ける。また、前記左右支持フレーム148,148の機体外側前部に左右従動プーリ152,152を回転自在に装着し、機体内側に複数の左右テンションプーリ153・・・,153・・・を回転自在に装着すると共に、前記左右駆動プーリ149,149と左右従動プーリ152,152と複数の左右テンションプーリ153・・・,153・・・との間に左右挟持ベルト154,154を無端状に巻き掛けて、里芋Tの茎葉部Tsを挟持して引き抜く引抜装置Jを構成してもよい。
【0150】
上記構成によれば、左右分離モータ78,78の駆動力で引抜装置Jと第1分離装置Eとを作動させることによって、駆動構成や動力構成を簡略化することができるので、メンテナンス性が向上すると共に部品点数を削減することができる。
【0151】
また、引抜装置Jで里芋Tの茎葉部Tsを挟持して引き抜くことによって、里芋Tを周辺の土ごと掘り起こす掘取犂53にかかる負荷や、里芋Tを掘り取る際の土中抵抗により機体の各部にかかる負荷を軽減することができるので、機体の耐久性が向上すると共に、里芋Tが容易に圃場から掘り起こされるので作業能率が向上する。
【0152】
そして、左右延設軸150,150に里芋Tの茎葉部Tsを切断する左右切断刃151,151を設けたことによって、作業者は里芋Tの収穫作業前に茎葉部Tsを鎌等で切除する作業を省略できるので、作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
【0153】
さらに、左右切断刃151,151は左右延設軸150,150に軸着されていることによって、第1分離装置Eの終端部上方に位置しているので、里芋Tが第1分離装置Eの分離作用部αに挟持されている状態で茎葉部Tsを切断することができ、確実に茎葉部Tsを除去することができる。
【0154】
また、引抜装置Jの傾斜角度を第1分離装置Eの傾斜角度と略同じとしたことによって、掘取搬送装置Dの掘取搬送コンベア50の作業姿勢を変更しても引抜作業や茎葉切断作業を行うことができるので、作業能率が向上する。
【0155】
なお、引抜装置Jの搬送速度は、掘取搬送装置Dの掘取搬送コンベア50の搬送速度と略同じにすると、里芋Tと茎葉部Tsの搬送姿勢が安定するため、掘取搬送コンベア50から里芋Tが圃場に転がり落ちることを防止することができるので、作業者が落下した里芋Tを拾い上げて掘取搬送コンベア50に戻す作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】作物分離収穫機の全体側面図
【図2】作物分離収穫機の全体平面図
【図3】掘取搬送装置・第1分離装置の側面図
【図4】掘取搬送装置・第1分離装置の平面図
【図5】掘取搬送装置・選別搬送装置間の要部拡大側面図
【図6】掘取搬送装置・選別搬送装置間の要部拡大平面図
【図7】選別搬送装置の側面図
【図8】選別搬送装置の側面断面図
【図9】選別搬送装置の平面図
【図10】(a)調節カバー装着状態の上部棒体・下部棒体の斜視図 (b)調節カバー分離状態の上部棒材・下部棒体の斜視図
【図11】調節カバー分離状態の上部棒材・下部棒体の別実施例の斜視図
【図12】調節カバー装着状態の上部棒材・下部棒体の別実施例の斜視図
【図13】メイン操縦パネルの操縦部材配置図
【図14】補助操縦パネルの操縦部材配置図
【図15】調節操作パネルの操縦部材配置図
【図16】操縦座席の回動を示す部分拡大図
【図17】第2分離装置の側面図
【図18】第2分離装置の変形例の側面図
【図19】作物分離収穫機の伝動機構及び油圧回路図
【図20】第2分離装置・選別搬送装置の別実施例の背面図
【図21】第2分離装置・選別搬送装置の別実施例の側面図
【図22】掘取搬送装置・第1分離装置の別実施例の側面図
【図23】掘取搬送装置・第1分離装置の別実施例の側面図
【図24】掘取搬送装置・第1分離装置の別実施例の平面図
【図25】(a)V字型の溝部を設けた押えローラの正面図 (b)テーパ状の溝部を設けた押えローラの正面図 (c)V字型の溝部の角をR形状にした押えローラの正面図
【図26】掘取搬送装置・第1分離装置の別実施例の側面図
【図27】掘取搬送装置・第1分離装置の別実施例の平面図
【図28】掘取搬送装置・第1分離装置・引抜装置の側面図
【図29】掘取搬送装置・第1分離装置・引抜装置の平面図
【符号の説明】
【0157】
67 シュータ(引継部材)
67a 茎葉落下スリット(茎葉落下部)
67b 泥土落下スリット(泥土落下部)
90 上部選別体(上部選別部材)
90a 上部棒体(上部棒状体)
91 下部選別体(下部選別部材)
91a 下部棒体(下部棒状体)
103 調節カバー(被覆部材)
105 揺動装置
110 シュータ(案内部材)
112 載置台
B 走行装置
C 操縦部
D 掘取搬送装置
E 第1分離装置
F 選別搬送装置
G 第2分離装置
I 第3分離装置
S1,S2 落下空間
T 里芋(作物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の操縦を行う操縦部(C)と、圃場を走行する走行装置(B)と、圃場から作物(T)を掘り取り機体後方へと搬送する掘取搬送装置(D)と、該掘取搬送装置(D)で搬送中の作物(T)を分離する第1分離装置(E)と、操縦部(C)の後側に配置した第1分離装置(E)で分離されなかった作物(T)を分離する第2分離装置(G)と、第1分離装置(E)で分離された作物(T)を引き継ぎ機体後方へ選別搬送する選別搬送装置(F)を設けた作物分離収穫機において、
該選別搬送装置(F)の上部に配置した泥土等の夾雑物の落下空間(S1)を有する上部選別部材(90)と下部に配置した泥土等の夾雑物の落下空間(S2)を有する下部選別部材(91)とを夫々の落下空間(S1,S2)を機体前後方向にずらした状態で設けると共に、選別搬送装置(F)を揺動する揺動装置(105)を設けたことを特徴とする作物分離収穫機。
【請求項2】
前記掘取搬送装置(D)と選別搬送装置(F)との間に作物(T)を案内する引継部材(67)を設け、該引継部材(67)に作物(T)に付着した泥土や雑草等の夾雑物を落とす空間部(67b)を形成したことを特徴とする請求項1記載の作物分離収穫機。
【請求項3】
前記上部選別部材(90)を複数の上部棒状体(90a・・・)で構成すると共に下部選別部材(91)を複数の下部棒状体(90b・・・)で構成し、該上部棒状体(90a・・・)と下位棒状体(90b・・・)とに夫々着脱自在な被覆部材(103)を設けたことを特徴とする請求項1及び2記載の作物分離収穫機。
【請求項4】
前記第2分離装置(G)の分離する作物(T)を載置する載置台(112)を操縦部(C)の近くに設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の作物分離収穫機。
【請求項5】
前記第2分離装置(G)の下部に分離した作物(T)を選別搬送装置(F)へ移送する案内部材(110)を設けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の作物分離収穫機。
【請求項6】
前記選別搬送装置(F)の上方に作物(T)を分離する第3分離装置(I)を設けたことを特徴とする請求項1乃至5記載の作物分離収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−171902(P2009−171902A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15228(P2008−15228)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】