説明

作物搬送装置

【課題】作物を搬送した後に整列させることが出来るとともに、作物の姿勢を安定させて落下を防止し、作物の商品価値を向上させる作物搬送装置を提供すること。
【解決手段】作物投入用貯留部Aと、作物搬送用の汲上搬送装置Bと、汲上搬送装置Bから作物を排出する排出部材16と、排出部材16からの作物の整列搬送装置Cと、左右整列搬送装置Cの規制部材70と、排出部材16から左右整列搬送装置Cに直接載らなかった作物を左右に送る振分板31と、振分板31の開口部33a、33bから落下した作物を貯留部Aに送るシュータ64と、左右整列搬送装置Cからの作物の選別装置Dとを備えた作物搬送装置に、振分板31の上方で且つ開口部33a、33bよりも前方に、排出部材16からの作物を受けて左右に送る分離部材71と、分離部材71の左右側方で且つ左右整列搬送装置Cの上方に搬送中の作物の姿勢を安定させて後方へ送るガイド部材72とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫した人参や大根等の作物を搬送装置で搬送した後に整列させる作物搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記の技術分野に関して、例えば特開2005−238165号公報には、収穫した作物を投入タンクに投入し、投入タンクから搬送装置により搬送後、洗浄装置に供給して洗浄後、洗浄した作物を一旦貯留タンクに溜めておき、その後搬送装置で搬送し、さらに整列装置で整列させながら選別装置に送り、選別装置で搬送しながら作物を重量毎に選別し、選別装置の搬送方向左右一側に回収する作物洗浄選別装置(作物搬送装置)が開示されている。
【特許文献1】特開2005−238165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の作物選別装置は、該作物選別装置で選別された後の作物を回収する作業者にとって、より回収しやすい場所に配置できる装置である。この選別装置は、作物を選別作業するまでの工程が長く、また、搬送中に作物の整列が上手く行われないで、貯留タンクに逆戻りすることが頻繁にあった。更に、搬送途中で作物の姿勢が安定せず、作物が作物選別装置から落下して、作物の商品価値が下がるなどの問題もあった。
そこで、本発明の課題は作物を搬送した後に整列させることが出来るとともに、作物の姿勢を安定させて作物搬送装置からの落下を防止し、作物の商品価値を向上させる作物搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するために次の技術的手段を用いる。
すなわち、請求項1記載の発明は、作物を投入する貯留部(A)と、該貯留部(A)から作物を後方へ搬送する搬送体(15)を備え、該搬送体(15)により作物を汲上搬送する汲上搬送装置(B)と、該汲上搬送装置(B)により搬送された作物を排出する排出部材(16)と、該排出部材(16)で排出された作物を受けて更に後方へ搬送する左右一対の搬送体(47、55)を備え、作物を整列させながら該搬送体(47、55)により作物を搬送する左右整列搬送装置(C)と、該左右整列搬送装置(C)の左右一対の搬送体(55)の下部にそれぞれ設けられ、該搬送体(55)のずれを防止するための規制部材(70)と、左右整列搬送装置(C)の上方に設けられ、作物の搬送方向から見て左右方向に下り傾斜面を有する山形形状であって、作物が通り抜け可能な開口部(33a)を有し、前記排出部材(16)から左右整列搬送装置(C)に直接載らなかった作物を受けて左右整列搬送装置(C)の左右いずれか一方に送る振分部材(30,31)と、前記排出部材(16)から左右整列搬送装置(C)に載らずに前記振分部材(30,31)の開口部(33a)から落下した作物を受けて貯留部(A)に送る左右移送部材(64)と、左右整列搬送装置(C)により搬送された作物を受けて選別する左右選別装置(D)とを設けた作物搬送装置であって、振分部材(30,31)の上方で且つ前記振分部材(30,31)の開口部(33a)よりも搬送方向始端部側に、作物の搬送方向に直交する方向に平面部を有し、排出部材(16)から排出されて前記振分部材(30,31)上に載った作物が前記平面部に当たることで作物を受け止めて左右整列搬送装置(C)の左右いずれか一方に送る分離部材(71)と、作物の搬送方向に対して該分離部材(71)の左右側方で且つ左右整列搬送装置(C)の搬送体(47、55)の上方に、該搬送体(47、55)上で搬送中の作物を上方から支持し姿勢を安定させて搬送方向終端部側へ送るガイド部材(72)とを設けた作物搬送装置である。
【0005】
請求項2記載の発明は、前記振分部材(30,31)と前記分離部材(71)との間に空間部(K)を設け、該空間部(K)は、作物の搬送方向に対して中央部から左右外側部ほど広くなる構成とした請求項1記載の作物搬送装置である。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記分離部材(71)に作物の搬送方向に対して左右方向に複数のスリット(71a)を設け、該スリット(71a)の上下方向の長さを、中央部から左右外側部ほど長くすると共に、隣接するスリット(71a)同士の間隔を中央部から左右外側部ほど狭くした請求項1及び2記載の作物搬送装置である。
【0007】
請求項4記載の発明は、分離部材(71)とガイド部材(72)とを一体に形成した請求項1記載の作物搬送装置である。
【0008】
請求項5記載の発明は、前記左右一対の搬送体(55)の各規制部材(70)の内側上部に、振分部材(30,31)の開口部(33a)の搬送方向始端部側端部から搬送方向終端部側端部よりも更に搬送方向終端部側に亘って、左右整列搬送装置(C)の搬送体(47、55)上に一本ずつ整列させられた作物の左右の搬送体(47、55)間内側への落下を防止するための搬送方向に長手方向を有する柱形の落下防止ガイド(73)を設けた請求項1記載の作物搬送装置である。
【0009】
請求項6記載の発明は、前記落下防止ガイド(73)の搬送始端部側を下方に屈曲させた請求項5記載の作物搬送装置である。
【0010】
請求項7記載の発明は、前記落下防止ガイド(73)と前記規制部材(70)との間に落下防止ガイド(73)の支持部材(75)を設け、該支持部材(75)を介して落下防止ガイド(73)を規制部材(70)に取り付け、前記支持部材(75)を弾性体で構成した請求項5記載の作物搬送装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、振分部材(31)の上方で且つ振分部材(31)の開口部(33a)よりも搬送方向始端部側に、排出部材(16)から排出された作物を受け止めて左右整列搬送装置(C)の左右いずれか一方に送る分離部材(71)を設けたことによって、作物を確実に左右整列搬送装置(C)に移動させることができる。すなわち、振分部材(31)上を滑って開口部(33a)に落下する作物や振分部材(31)の終端から作物搬送装置の外側に飛び出す作物を減らすことができるので、左右移送部材(63)から貯留部(A)に移動し、再び搬送経路に戻る作物が少なくなるので作業能率が向上すると共に、作物搬送装置の外側に落下した衝撃で傷つく作物が減り、作物の商品価値が向上する。
【0012】
また、分離部材(71)の左右側方で且つ左右整列搬送装置(C)の上方に搬送中の作物の姿勢を安定させて搬送方向終端部側へと送るガイド部材(72)を設けたことによって、左右整列搬送装置(C)上の作物を安定した姿勢に整えることができるので、搬送中の作物が左右整列搬送装置(C)の振動や作物同士の衝突により分離部材(71)から左右整列搬送装置(C)の内側に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、振分部材(31)と分離部材(71)との間に空間部(K)を形成したことによって、分離部材(71)に衝突した作物がその場で止まってしまうことが防止されるので、人手で左右整列搬送装置(C)に戻す作業が省略されて、作業能率が向上する。
【0014】
また、空間部(K)を、作物の搬送方向に対して中央部から左右外側部ほど広くしたことによって、左右整列搬送装置(C)の近傍に向かって移動してきた作物がこの空間部(K)に詰まって動かなくなってしまうことが防止されるので、人手で左右整列搬送装置(C)に戻す作業が省略され、作業能率が向上する。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、分離部材(71)に作物の搬送方向に対して左右方向に複数のスリット(71a)を形成したことによって、分離部材(71)と振分部材(31)との間の空間部(K)に作物が詰まりかけても、分離部材(71)が僅かに移動して作物を移動させるため、人手で左右整列搬送装置(C)に戻す作業が省略され、作業能率が向上する。
【0016】
そして、スリット(71a)の上下方向の長さを、中央部から左右外側部ほど長くすると共に、隣接するスリット(71a)同士の間隔を中央部から左右外側部ほど狭くすることによって、スリット(71a)の長さが短くスリット(71a)同士の間隔の広い部分(左右整列搬送装置(C)の左右方向中央部近傍)では、スリット(71a)は殆ど動くことはなく、分離部材(71)は衝突する作物を弾いて左右整列搬送装置(C)に移動させることができるので、左右移送部材(63)から貯留部(A)に移動し、再び搬送経路に戻る作物が少なくなるので作業能率が向上する。
【0017】
一方、スリット(71a)の長さが長くスリット(71a)同士の間隔が狭い部分(左右整列搬送装置(C)の左右外側近傍)では、スリット(71a)は作物の速度を減速させて左右整列搬送装置(C)に移動させるため、左右整列搬送装置(C)上に作物を安定した姿勢で乗せることができるので、搬送中の作物が左右整列搬送装置(C)の振動や作物同士の衝突により振分部材(31)から左右整列搬送装置(C)の内側に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0018】
請求項4の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、分離部材(71)とガイド部材(72)とを一体に形成したことによって、部材の取り付け及び取り外しが容易になる。
【0019】
請求項5の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、規制部材(70)の内側上部に、左右整列搬送装置(C)に一本ずつ整列させられた作物の左右整列搬送装置(C)の左右の搬送体(47、55)間内側への落下を防止するための柱形の落下防止ガイド(73)を設けたことによって、搬送中の作物が左右整列搬送装置(C)の振動や作物同士の衝突により振分部材(31)から左右整列搬送装置(C)の左右の搬送体(47、55)間内側に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0020】
また、振分部材(31)の開口部(33a)の搬送方向始端部側端部から搬送方向終端部側端部よりも更に搬送方向終端部側に亘って落下防止ガイド(73)を設けたことによって、作物が開口部(33a)の側方を通過するまで落下を防止することができるので、搬送中の作物が左右整列搬送装置(C)の振動や作物同士の衝突により振分部材(31)から左右整列搬送装置(C)の内側に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0021】
請求項6の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、落下防止ガイド(73)の搬送始端部側を下方に屈曲させたことによって、作物が落下防止ガイド(73)の搬送始端部側に接触しても傷つくことが防止されるので、作物の商品価値が向上する。
【0022】
請求項7の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、落下防止ガイド(73)を弾性体からなる支持部材(75)を介して規制部材(70)に取り付けたことによって、作物の径が大きい場合でも、弾性体からなる支持部材(75)により落下防止ガイド(73)が作物の径に合わせて左右整列搬送装置(C)の搬送体(55)と落下防止ガイド(73)との間に退避させることができるので、径の大きな作物が左右整列搬送装置(C)の内側から落下することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施例を図面と共に説明する。
本実施例の作物搬送装置の側面図を図1に示し、図2には図1の左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア付近の拡大図を示し、図3には図1の作物搬送装置の平面図を示し、図4には作物搬送装置の動力伝達系統図を示す。なお、図3の平面図では、見やすいように分離部材71及びガイド部材72は図示を省略している。
【0024】
図1と図3に示す作物搬送装置は作物(ニンジンN)を投入する貯留部Aと該貯留部Aから作物を複数の搬送ローラ15で汲上搬送する汲上搬送装置Bと汲上搬送装置Bの搬送終端部から排出、落下するニンジンNを受けて排出する排出部材としての引継シュータ16と該引継シュータ16から排出されるニンジンNを受け取り整列させる左右の整列搬送装置Cとをメインフレーム1に取り付けた構成である。左右整列搬送装置Cは、後述する左右第1整列搬送装置(第1整列搬送コンベアということがある)、左右第2整列搬送装置(第2整列搬送コンベアということがある)56,56、作物の振分部材30,31、分離部材71、左右移送部材(左右リターンシュータ)63などからなる。なお、本実施形態の作物搬送装置の作物搬送方向に直交する方向を左右方向ということがあり、貯留部A側を作物搬送方向の前側(始端部側)、左右整列搬送装置C側を作物搬送方向の後側(終端部側)ということにする。
【0025】
まず、貯留部Aの構成について説明する。
メインフレーム1の前側(作物の搬送方向始端部側)の前部にパンタグラフ式の油圧ジャッキ2の下部を回転自在に取り付け、該油圧ジャッキ2の上部を支持フレーム3に取り付けている。支持フレーム3の上部には、ニンジンNを貯留するホッパ4を載置している。
【0026】
油圧ジャッキ2を昇降させることによってホッパ4と後述する汲上搬送装置Bの汲上搬送コンベア17とが連動して昇降するため、汲上搬送コンベア17の搬送終端部と後述する左右の整列搬送装置Cの左右第1整列搬送装置(第1整列搬送コンベア)48,48との落差をニンジンNの品種や大きさによって変更できるので、落下の衝撃でニンジンNが傷つくことを防止でき、ニンジンNの商品価値が向上する。
なお、油圧ジャッキ2は電動ジャッキや空圧ジャッキとしても良く、ハンドル5を取り付けて回転させる手動ジャッキとしても良く、また、油圧、電動、空圧等により伸縮するシリンダに置き換えても良い。
【0027】
そして、ホッパ4の作物搬送装置の機体前側に傾斜板4aを取り付けると共に、ホッパ2の左右両側にそれぞれ下り傾斜姿勢の左右傾斜板4b,4bを取り付けることで、貯留部Aが構成される。なお、傾斜板4a,4bには水切り用のスノコ部(図示せず)を設けても良い。スノコ部を設けると、作物に付着した水分や泥土を落とすことができるので、作物の整列搬送や選別搬送が適正に行われ、作業能率が向上する。
【0028】
次に、汲上搬送装置Bと引継シュータ16の構成について説明する。
前記ホッパ4の左右方向(作物搬送方向に直交する方向)外側にホッパ4の底部に基部を有する前後方向に長い左右一対のフレーム6,6を取り付けると共に、該左右フレーム6,6の後端部左右間に側面視で後方上り傾斜姿勢に左右汲上フレーム7,7を取り付ける。フレーム6,6の前端部の左右方向に従動シャフト12を回転自在に装着すると共に、該従動シャフト12に従動ローラ(従動スプロケット)13,13を軸着する。
【0029】
また、前記左右汲上フレーム7,7の後端部の左右方向に駆動シャフト8を回転自在に装着し、該駆動シャフト8の左右端に駆動ローラ(駆動スプロケット)9,9を軸着すると共に、ホッパ4の下方で且つ左右フレーム6,6間に左右方向に中間シャフト10を回転自在に装着し、該中間シャフト10の左右端に左右テンションスプロケット11,11を軸着する。さらに、該左右駆動スプロケット9,9と従動スプロケット13,13と左右テンションスプロケット11,11との間に左右伝動チェーン14,14を無端状に巻き掛ける。
【0030】
更に、該左右伝動チェーン14,14の左右方向の間に複数の搬送ローラ15…を等間隔に回転自在に取り付けて汲上搬送コンベア17を構成すると共に、左右汲上フレーム7,7の搬送終端部の左右の幅方向に亘り、引継シュータ16を引継始端部が前記駆動スプロケット9,9よりも機体前側に位置するように取り付ける。このように、汲上搬送装置Bの出口には左右整列搬送装置Cへ作物を排出し引き継ぐための板状の引継シュータ16を配置している。
そして、メインフレーム1の後部に支持台18を取り付け、該支持台18の上部に機体の前後方向にスライド自在なスライド板19を取り付け、該スライド板19の上部に汲上搬送コンベア17と後述する左右整列搬送装置Cに駆動力を供給する駆動モータ20を取り付けている。
【0031】
また、前記左右汲上フレーム7,7の左右一側に機体の上下方向及び前後方向に移動自在にエンジン(図示せず)からの動力を伝達する伝動機構を内部に備えた汲上伝動ケース21を取り付け、該汲上伝動ケース21の内側上部に出力スプロケット22を駆動シャフト8の左右一側の端部に軸着して配置し、汲上伝動ケース21の内部下部に入力スプロケット23を入力軸に軸着して取り付けている。更に、前記出力スプロケット22と入力スプロケット23との間に伝動チェーン24を無端状に巻き掛ける。
【0032】
そして、入力スプロケット23の入力軸の左右一端に従動プーリ25(図4)を軸着し、駆動モータ20の機体外側の出力軸に駆動プーリ26を軸着し、該駆動プーリ26と従動プーリ25との間に伝動ベルト27を無端状に巻き掛けることで、汲上搬送装置Bを構成している。
【0033】
このように、駆動モータ20を載置したスライド板19が機体の前後方向にスライド移動自在であると共に、駆動モータ20の動力を汲上搬送コンベア17の駆動シャフト8に伝動する伝動機構を備えた汲上伝動ケース21が機体上下方向及び機体前後方向に移動自在であることによって、貯留部Aの油圧ジャッキ2によってホッパ4と汲上搬送コンベア17とを上昇させると駆動モータ20と汲上伝動ケース21とが適切な位置に自動的に移動するので、駆動モータ20や汲上伝動ケース21を着脱することなく、ホッパ4及び汲上搬送コンベア17の上下高さを変更することができる。したがって、作業者の労力が軽減されると共に作業能力が向上する。
【0034】
次に、左右整列搬送装置Cと振分部材30,31の構成について説明する。
前記メインフレーム1の後側上部に整列搬送フレーム28を取り付け、該整列搬送フレーム28の左右両側に左右一対の整列フレーム29,29を取り付ける。そして、該整列フレーム29,29の左右間の中央部で且つ搬送方向始端部側に、搬送方向終端部ほど下方傾斜させ、汲上搬送コンベア17の搬送方向終端部から排出されるニンジンNを左右の整列搬送装置Cの第1整列搬送コンベア48,48の左右いずれか一方に振り分ける第1振分板(振分部材)30を取り付ける。第1振分板30は、左右一対の第1整列ベルト47,47の内側に作物搬送方向に稜線Y(図3)を有し、左右方向に下り傾斜面を有する背面視で山形形状をしたものである。
【0035】
そして、第1振分板30の後部に前端部が第1振分板30の後端部よりも上方に位置し、第1振分板30の上部を搬送終端部まで移動してきたニンジンNを第2整列搬送コンベア56,56の左右いずれか一方に移動させる第2振分板31を支持台34の上に取り付けている。第2振分板31も作物搬送方向に稜線Y(図5)を有し、左右方向に下り傾斜面を有する背面視で山形形状をしたものである。この第2振分板31は、引継シュータ16から左右整列搬送装置Cに直接載らなかった作物を受けて左右整列搬送装置Cの左右いずれか一方に送る振分部材である。
なお、第1振分板30と第2振分板31とは一体の振分板を分割して構成すると取り外しや取り付けが容易になり、メンテナンス性が向上する。
【0036】
更に、第2振分板31の前端部にニンジンNが衝突した際の衝撃を緩和する弾性体(ゴムなど)32を取り付け、第2振分板31には、後述する左右第2整列搬送装置(第2整列搬送コンベア)56,56からニンジンNが落下する左右内側開口部33a,33aを形成している。また、左右の整列フレーム29,29に左右外側開口部33b,33bを左右内側開口部33a,33aと略同じ長さに切り欠いて形成している。第2振分板31の前端部に弾性体32を取り付けることで、第1振分板30の搬送終端部まで移動したニンジンNを傷つけることなく、第2整列搬送コンベア56,56の左右いずれか一方に移動させることができる。
【0037】
なお、左右開口部33a,33bの前後方向の長さは、240mm〜400mm程度に設定すると、平均的なニンジンNの長さ(120mm〜200mm)のニンジンNが二本同時に左右開口部33a,33bに入り込んできても、左右開口部33a,33bに詰まることが防止され、作業能率が向上する。
第2振分板31に左右内側開口部33a,33aを形成し、整列フレーム29,29に左右外側開口部33b,33bを形成することで、第2整列搬送コンベア56,56に不安定の姿勢のまま載ったニンジンNや複数本同時に載ったニンジンNを落下させることができる。したがって、第2整列搬送コンベア56,56から排出されるニンジンNを安定した姿勢で且つ一本ずつ排出できるので、ニンジンN同士が当たって傷つくことを防止でき、ニンジンNの商品価値が向上する。
【0038】
更に、左右の整列フレーム29,29の前端部の左右間に回転自在且つ上下動自在に第1駆動シャフト36を掛け渡し、該第1駆動シャフト36に左右一対の第1駆動プーリ35,35を軸着すると共に、左右の整列フレーム29,29の左右方向略中央部に整列伝動ケース40に内装する整列出力スプロケット37を軸着している。
整列出力スプロケット37と整列伝動ケース40に内装する整列入力スプロケット38との間に整列伝動チェーン39を無端状に巻き掛けている。
そして、駆動モータ20の機体内側の出力軸に出力プーリ41を軸着し、整列入力スプロケット38の入力軸に入力プーリ42を軸着し、出力プーリ41と入力プーリ42との間に伝動ベルト43を無端状に巻き掛けている。
【0039】
また、左右の整列フレーム29,29の左右間で且つ第1振分板30の後端部近傍に第1整列駆動シャフト46を回転自在且つ上下動自在に取り付けると共に、該第1整列駆動シャフト46に左右に一対の第1従動プーリ44,44を軸着する。また、第1整列駆動シャフト46には、左右の整列フレーム29,29の左右間略中央部に伝動スプロケット45を軸着させている。
【0040】
前記第1従動プーリ44,44と第1駆動プーリ35,35間には、作物搬送方向に対する横断面が凹字型の第1整列ベルト47,47をそれぞれ無端状に巻き掛け、これらを左右第1整列搬送装置(第1整列搬送コンベア)48,48とする。
そして、左右の整列フレーム29,29の左右間であって、且つ第2振分板31の前端下部に第2整列駆動シャフト51を回転自在に装着し、該第2整列駆動シャフト51に左右第2駆動プーリ49,49を軸着すると共に左右方向略中央部に従動スプロケット50を軸着する。そして、従動スプロケット50と伝動スプロケット45との間に整列伝動チェーン52を無端状に巻き掛けている。
【0041】
更に、左右の整列フレーム29,29の左右間であって搬送終端部に、第2整列従動シャフト54を回転自在に装着し、該第2整列従動シャフト54に左右第2従動プーリ53,53を軸着する。そして、左右第2従動プーリ53,53と左右第2駆動プーリ49,49との間に作物搬送方向に対する横断面が凹字型で、且つ左右第1整列搬送装置48,48よりも左右幅の狭い第2整列ベルト55,55をそれぞれ無端状に巻き掛け、これらを左右第2整列搬送装置(第2整列搬送コンベア)56,56とする。
【0042】
該第2整列搬送コンベア56,56の第2整列ベルト55,55の下部には、第2整列ベルト55,55に沿って、横断面が凹字型(上方に開口したコの字型)の規制部材70(図2、図5)が第2整列ベルト55,55の左右方向のずれを防止するために取り付けられている。
第2整列ベルト55,55には、上方の第2振分板31によって振り分けられたニンジンNが勢いよく落下するため、ニンジンNの搬送方向に対して左右方向にずれやすい。しかし、規制部材70によって第2整列ベルト55,55の左右両端部がコの字の折れ曲がり部によって支持、規制されるため、第2整列ベルト55,55のずれを防止できる。この規制部材70は、第1整列搬送コンベア48,48の左右一対の第1整列ベルト47,47の下部に設けても良い。
【0043】
また、前記左右内側開口部33a,33a及び左右外側開口部33b,33bの前端部に左右第2選別搬送コンベア56,56上に載ったニンジンNの姿勢を搬送方向に沿わせながら整える左右前側矯正ガイド59,59,59,59を取り付けると共に、後端部には左右第2選別搬送コンベア56,56からはみ出したニンジンNの姿勢を整えて左右内側開口部33a,33a又は左右外側開口部33b,33bにニンジンNが落下することを防止する左右後側矯正ガイド60,60,60,60を取り付ける。そして、第1振分板30の後部左右端と左右前側矯正ガイド59,59,59,59との間に左右内側開口部33a,33a上に突出する左右突出部材61,61を取り付ける。
【0044】
なお、左右前側矯正ガイド59,59,59,59及び左右後側矯正ガイド60,60,60,60は、塩化ビニルやスポンジなどの軟質部材で構成すると、接触するニンジンNの姿勢を撓みながら整えることができ、ニンジンNの搬送を妨げたり抵抗となって搬送方向始端部側に押し返すことを防止できる。したがって、ニンジンNが左右第2選別搬送コンベア56,56の搬送始端部側に詰まったり、先行するニンジンNが後続のニンジンNに当たって搬送を妨げるということを防止でき、整列作業の能率が向上する。
【0045】
更に、整列搬送フレーム28の後端部で且つ左右整列搬送装置Cの搬送終端部に、ニンジンNを一本ずつ排出する左右排出シュータ62,62を後方下り傾斜姿勢で取り付け、左右内側開口部33a,33aの下方に左右内側開口部33a,33aから落下するニンジンNを機体の外側方向に排出し、後述する左右フィードバックシュータ64,64に送る左右リターンシュータ63,63を機体の外側方向に下り傾斜姿勢に取り付けると共に、該左右リターンシュータ63,63の外側に左右リターンシュータ63,63及び左右外側開口部33b,33bからのニンジンNを受けてホッパ4に移動させる左右フィードバックシュータ64,64を搬送方向始端部側(前方)に向かって下方傾斜させて、且つ着脱自在に取り付けている。
【0046】
なお、左右リターンシュータ63,63及び左右フィードバックシュータ64,64の上面に平坦な塩化ビニル板などの軟質部材を敷設すると、ニンジンNに加わる衝撃が吸収されるので、ニンジンNが傷つくことが防止されて商品価値が向上する。また、このような軟質部材を敷設することで、ニンジンNが左右リターンシュータ63,63及び左右フィードバックシュータ64,64上を滑りやすくなり、左右リターンシュータ63,63及び左右フィードバックシュータ64,64上で停止したニンジンNを人手でホッパ4へ戻す作業が省略され、作業者の労力が軽減されると共に、整列搬送作業の自動化を図ることができる。
整列搬送装置Cの後方には左右排出シュータ62,62から排出されたニンジンNが左右選別装置Dに供給されて、人手により選別される。
【0047】
図5には、図1のS1−S1線矢視断面図を示す。
そして、本実施形態によれば、第2振分板31の上方で、且つ第2振分板31の左右開口部33a(整列フレーム29,29の左右開口部33b)よりも搬送方向始端部側(前側)に、引継シュータ16から排出されたニンジンNを受け止めて左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の左右いずれか一方に送る分離部材71と、該分離部材71の側方で、且つ第2整列搬送コンベア56,56の上方に搬送中のニンジンNの姿勢を安定させて搬送方向終端部側へ送るガイド部材72を設けたことを特徴としている。
【0048】
これら分離部材71及びガイド部材72は、整列フレーム29,29間の天井部分29に取り付ければよい。
そして、これら分離部材71及びガイド部材72は、第1整列搬送コンベア48,48と第2整列搬送コンベア56,56の間に設けられ、ニンジンNの搬送方向に対して直交する方向に平面部を有する板状の部材から構成されている。ニンジンNが第1振分板30上を転がりながら分離部材71に衝突することで、左右いずれかの方向に移動して、第2整列搬送コンベア56,56上に振り分けられる。また、第1振分板30上を左右方向に転がることなく第1振分板30の稜線Y(図3)付近でそのまま後方に直進するニンジンNが分離部材71に衝突することで、左右いずれかの方向に移動させることができる。
【0049】
そして、この際に、分離部材71の左右外側であって、第2整列搬送コンベア56,56の第2整列ベルト55,55の真上に取り付けられたガイド部材72によってニンジンNは第2整列ベルト55,55上に案内、載置される。
図5に示すように、ニンジンNの搬送方向から見たガイド部材72の下端部の断面形状を逆コの字又は逆U字形状にすると、ちょうどニンジンNを逆コの字又は逆U字形状の開口部分で挟んで上方から支持できるため、一本ずつニンジンNの姿勢を安定させて搬送方向終端部側へと送ることができる。
そして、この分離部材71及びガイド部材72は軟質部材(ゴム板、塩ビ板等)で構成すると、衝突の衝撃でニンジンNが傷つくことが防止される。
【0050】
本構成を採用することにより、第2振分板31の上方で且つ第2振分板31の左右開口部33a(整列フレーム29,29の左右開口部33b)よりも搬送方向始端部側に、左右整列搬送装置Cの左右いずれか一方に送る分離部材71を設けたことによって、ニンジンNを確実に左右整列搬送装置Cに移動させることができる。すなわち、第2振分板31上を滑って左右開口部33a(左右開口部33b)に落下するニンジンNや第2振分板31の終端から機体の外側に飛び出すニンジンNを減らすことができるので、左右リターンシュータ63,63から貯留部Aのホッパ4に移動し、再び搬送経路に戻るニンジンNが少なくなるので作業能率が向上すると共に、機体の外側に落下した衝撃で傷つくニンジンNが減り、ニンジンNの商品価値が向上する。
【0051】
また、分離部材71の側方で且つ左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の上方に搬送中のニンジンNの姿勢を安定させて搬送方向終端部側へと送るガイド部材72を設けたことによって、左右整列搬送装置C上のニンジンNを安定した姿勢に整えることができるので、搬送中のニンジンNが左右整列搬送装置Cの振動やニンジンN同士の衝突で第2振分板31から第2整列搬送コンベア56,56の内側(第2整列ベルト55,55間)に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0052】
また、第2振分板31と分離部材71との間には、左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56のニンジンNの搬送方向に対して中央部から左右外側部ほど上下方向の間隔Wが広くなるような空間部Kを設ける。そして、図5に示すように、第2振分板31の中央の頂部(稜線部Y)と分離部材71との間の距離W1と第2振分板31の左右両端部と分離部材71との間の距離W2は、W1<W2となる関係とする。
【0053】
本構成を作用することにより、空間部Kを形成したことによって、分離部材71に衝突したニンジンNがその場で止まってしまうことが防止されるので、人手で左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56に戻す作業が省略されて、作業能率が向上する。
【0054】
また、空間部Kの上下方向の間隔Wを、左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の作物の搬送方向に対して中央部から左右外側部ほど広くしたことによって、第2整列搬送コンベア56,56の近傍に向かって落下、移動してきた作物がこの空間部Kに詰まって動かなくなってしまうことが防止されるので、人手で第2整列搬送コンベア56,56に戻す作業が省略され、作業能率が向上する。
【0055】
特にニンジンNやダイコンなど、先細りする部位がある作物は第2振分板31と分離部材71との間に詰まるおそれがある。なお、分離部材71及びガイド部材72はニンジンNの搬送方向に対して前後方向に移動自在に構成しても良い。
図示例では、ちょうど第1整列搬送コンベア48,48と第2整列搬送コンベア56,56の間に設けているが、例えば、第1整列搬送コンベア48,48上の第1振分板30上方に設けても、第2整列搬送コンベア56,56上の第2振分板31上方に設けても良い。
【0056】
そして、この分離部材71に左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の作物の搬送方向に対して左右方向に複数のスリット71aを設け、該スリット71aの上下方向の長さを、中央部から左右外側部ほど長くすると共に、隣接するスリット71a同士の間隔を中央部から左右外側部ほど狭くなる構成としても良い。
【0057】
図4に示すように、左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の作物の搬送方向に対して左右方向中央部のスリット71aの上下方向の長さL1を左右外側部のスリット71aの上下方向の長さL2よりも短くして(L1<L2)、且つ中央部から左右外側部にかけて徐々に長さLを長くする。
また、隣接するスリット71a同士の間隔Mを、中央部のスリット71a間の間隔M1の方が左右外側部のスリット71a間の間隔M2よりも広くなるようにする(M1>M2)。
【0058】
本構成を採用することにより、分離部材71にスリット71aを形成したことによって、分離部材71と第2振分板31との間の空間部KにニンジンNが詰まりかけても、分離部材71が僅かに移動してニンジンNを移動させるため、人手で左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56に戻す作業が省略され、作業能率が向上する。また、品種や大きさの異なるニンジンNでも安定して支持でき、例えば、大きさの比較的小さいニンジンNの場合でも急激に第2整列搬送コンベア56,56上に転がり落ちることがなく、傷つくことを防止して徐々に落下させることができ、大きいニンジンNの場合でも分離部材71に挟まって、止まってしまうことが防止される。
【0059】
そして、スリット71aの上下方向の長さLを、中央部から左右外側部ほど長くすると共に、隣接するスリット71a同士の間隔Mを中央部から左右外側部ほど狭くすることによって、スリット71aの長さが短くスリット71a同士の間隔の広い部分(左右整列搬送装置Cの中央部近傍)では、スリット71aは殆ど動くことはなく、分離部材71は衝突するニンジンNを弾いて左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56に移動させることができるので、左右リターンシュータ63,63から貯留部Aのホッパ4に移動し、再び搬送経路に戻るニンジンNが少なくなるので作業能率が向上する。
【0060】
一方、スリット71aの長さが長くスリット71a同士の間隔が狭い部分(左右整列搬送装置(C)の左右外側近傍)では、スリット71aはニンジンNの速度を減速させて第2整列搬送コンベア56,56に移動させるため、第2整列搬送コンベア56,56上にニンジンNを安定した姿勢で乗せることができるので、搬送中のニンジンNが左右整列搬送装置Cの振動やニンジンN同士の衝突により第2振分板31から第2整列搬送コンベア56,56の内側(第2整列ベルト55,55間)に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0061】
なお、スリット71aの上下の長さLは、最も内側(稜線部Y付近)が20mm程度、外側端部では50〜60mm程度とすると良い。内側と外側端部の間は、外側に向かうにつれて+5〜10mm程度ずつ長くしていくと、バランスがよい。
また、ガイド部材72にも複数のスリット72aを設けると、品種や大きさの異なるニンジンNでも安定して支持できるため、ニンジンNの姿勢を安定させて搬送方向終端部側へと送ることができる。
また、分離部材71とガイド部材72とを一体に形成すると、部材の取り付け及び取り外しが容易になる。また、分離部材71及びガイド部材72の前後位置を調節自在に構成している場合は、前後位置の調整を容易に行うことができる。
【0062】
更に、規制部材70の内側(第2振分板31側)上部に、左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56上に一本ずつ整列させられたニンジンNの左右の第2整列ベルト55,55間内側への落下を防止するために落下防止ガイド73,73を左右に設ける。落下防止ガイド73は、ニンジンNの搬送方向に長手方向を有する円柱形状(四角柱形状などでもよい)のものとし、第2振分板31の左右開口部33a(左右開口部33b)の前端部から後端部よりも搬送方向終端部側(後方)に亘って設ける。なお、落下防止ガイド73の形状を円柱形状とすれば、ニンジンNが落下防止ガイド73の側面に触れても、傷つくことが防止される。
このように、落下防止ガイド73を設けることで、搬送中のニンジンNが左右整列搬送装置Cの振動やニンジンN同士の衝突により第2振分板31から左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の内側(第2整列ベルト55,55間)に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0063】
また、第2振分板31の左右開口部33a(左右開口部33b)の前端部から後端部よりも搬送方向終端部側に亘って落下防止ガイド73を設けると、ニンジンNが左右開口部33a(左右開口部33b)の側方を通過するまで落下を防止することができるので、搬送中のニンジンNが左右整列搬送装置Cの振動やニンジンN同士の衝突により第2振分板31から左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の内側(第2整列ベルト55,55間)に落下してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0064】
そして、第2整列搬送コンベア56,56に整列しないまま乗っているニンジンNや、複数のニンジンNが同時に乗っている場合、第2整列ベルト55,55上に乗っているニンジンN以外はこの落下防止ガイド73の作用を受けず、左右開口部33a、33bから落下する。
また、この落下防止ガイド73の搬送始端部側(前側)を下方に屈曲させると、ニンジンNが落下防止ガイド73の搬送始端部側に接触しても傷つくことが防止されるので、ニンジンNの商品価値が向上する。
【0065】
更に、落下防止ガイド73と第2整列ベルト55の規制部材70との間に支持部材75を介して落下防止ガイド73を規制部材70に取り付け、支持部材75を弾性体(ゴムなど)で構成すると、ニンジンNの径が大きい場合でも、落下防止ガイド73がニンジンNの径に合わせて第2整列ベルト55と落下防止ガイド73との間に退避させることができるので、径の大きなニンジンNが左右整列搬送装置Cの第2整列搬送コンベア56,56の内側(第2整列ベルト55,55間)から落下することが防止される。
【0066】
図6には、図1と図3に示す作物搬送装置の左右フィードバックシュータ64,64の形状を変えた場合の作物搬送装置の平面図を示し、図7には図6の作物搬送装置の側面図を示す。図8には、左側のフィードバックシュータ64の背面図を示す。
図6及び図7には、左右フィードバックシュータ64,64上を移動するニンジンNの様子を示している。
【0067】
上述のように、左右リターンシュータ63,63及び左右外側開口部33b,33b(図2)から落下するニンジンNは左右フィードバックシュータ64,64からホッパ4に移動する。この左右フィードバックシュータ64,64上を移動するニンジンNの本数が多くなると、ニンジンN同士の間隔が詰まって停止したり、また、傷つくこともある。
【0068】
このような不具合を防止するために、左右フィードバックシュータ64,64の左右幅を広くすると、作物搬送装置自体の大きさが大きくなってしまい、コンパクトさが失われてしまう。
しかし、図6に示すように、左右リターンシュータ63,63近傍の左右フィードバックシュータ64,64入口(上部)のみ外側へ膨らみd(例えば、+25mmから100mmほど)を持たせるようにすると良い。
【0069】
左右フィードバックシュータ64,64の左右リターンシュータ63,63近傍では、特に左右リターンシュータ63,63及び左右外側開口部33b,33bから落下するニンジンNが集中しやすいため、ニンジンN同士の間隔が詰まって停止することがある。
【0070】
そこで、左右フィードバックシュータ64,64の入口(上部)のみ左右幅を広くして(図中にdで示す)、その他の部分は従来と同様の大きさ(左右幅)とすれば、作物搬送装置のコンパクトさを保持できると共に、左右フィードバックシュータ64,64上のニンジンNをスムーズにホッパ4へと送ることができる。
そして、この膨らみdを持たせた左右フィードバックシュータ64,64入口部分の前後方向の長さは、ニンジン一本分以上(例えば、約250mm以上)の長さ分、取るようにすると良い。ニンジン一本分以上の長さ分の余裕を持たせることで、横向きになったニンジンNが矢印P方向に向きを変更できるため、左右フィードバックシュータ64,64入口部分にニンジンNが滞留することを防止できる。
【0071】
また、図7及び図8に示すように、左右フィードバックシュータ64,64の膨らみd部分(幅広部分)からホッパ4へは、緩やかな傾斜Hをつけると、ニンジンNがスムーズにホッパ4へ流れ込みやすくなる。
更に、左右フィードバックシュータ64,64の膨らみd部分の外側底部を角度θ(図6,例えば13度から20度程度)内側に向けて傾斜させると良い。
【0072】
本構成を採用することにより、フィードバックシュータ64,64に入ってきたニンジンNの先端が、流入(落下)の勢いで傾斜部の先端に乗り上げるため、ニンジンNが横向き(図6のA位置)から縦向き(B位置)へ矢印P方向に方向転換し易くなる。ニンジンNが縦向きになると、左右フィードバックシュータ64,64の傾斜に沿って流れやすくなるため、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを防止できる。
【0073】
また、図9には、図6及び図7のフィードバックシュータ64,64の別の例を示した作物搬送装置の平面図を示し、図10には図9の作物搬送装置の側面図を示す。図9及び図10においても、左右フィードバックシュータ64,64上を移動するニンジンNの様子を示している。
【0074】
一方、図6及び図7に示すような左右フィードバックシュータ64,64の膨らみd部分を設けずに、作物搬送装置の左右幅(フィードバックシュータ64,64の左右幅)をよりコンパクトに保持しながら左右フィードバックシュータ64,64上でニンジンNが滞留しないようにできれば好ましい。
そこで、フィードバックシュータ64,64の入口部分の外側上部に外側から内側へ向けてスロープ部r(図9)を設けると、フィードバックシュータ64,64に入ってきたニンジンNがスロープ部rに当たって、矢印P方向(図6)に内側へと方向転換し易くなる。したがって、ニンジンNは左右フィードバックシュータ64,64の傾斜に沿って流れやすくなるため、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを防止できる。
【0075】
また、側面視(図10)においても、スロープ部rを設けることで、ニンジンNは左右フィードバックシュータ64,64のスロープ部rから傾斜に沿ってより流れやすくなるため、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを防止できる。
また、フィードバックシュータ64,64上部のスロープ部rはフック80(図9)による引掛け式とし、作物搬送の状況に応じて取り外し可能とすると、便利である。例えば、ニンジンNの本数が多いときは、スロープ部rをフック80によりフィードバックシュータ64,64入口部分に引掛けて使用し、ニンジンNの本数が少ないときなど、スロープ部rが不要なときには、取り外せばよい。
【0076】
本構成を採用することにより、作物搬送の状況に応じたフィードバックシュータ64,64の使用方法が可能となり、便利であり作業効率も良い。
そして、スロープ部rの表面には、滑りの良い光沢のある防水性の素材を使用すると、ニンジンNの先端が矢印P方向(図6)に内側へと方向転換し易くなる。したがって、ニンジンNは左右フィードバックシュータ64,64の傾斜に沿って流れやすくなるため、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを防止できるので好ましい。
【0077】
また、図11には、図6及び図7のフィードバックシュータ64,64の別の例を示した作物搬送装置の平面図を示し、図12には図11の作物搬送装置の側面図を示す。また、図11及び図12においても、図6及び図7や図9び図10と同様に、左右フィードバックシュータ64,64上を移動するニンジンNの様子を示している。
また、フィードバックシュータ64,64の入口部分(上部)にフリーローラ83を配置し、ニンジンNの先端を下方(ホッパ4側)へ向けるようにしても良い。フリーローラ83は図示例では3個設けているが、個数に制限はなく、図13以降についても同様である。
【0078】
左右リターンシュータ63,63及び左右外側開口部33b,33bから落下するニンジンNが左右フィードバックシュータ64,64に入ってくると、入り口部のフリーローラ83によりA位置からB位置、次いでC位置へとスムーズに左右フィードバックシュータ64,64上を移動して、ホッパ4へと送ることができる。
【0079】
そして、このフリーローラ83は、フィードバックシュータ64,64の内側(左右リターンシュータ63,63側)ではなく、左右外側に複数個設けると良い。フリーローラ83をフィードバックシュータ64,64の左右外側に複数個設けることで、フィードバックシュータ64,64に流入(落下)する勢いでフィードバックシュータ64,64の左右外側まで移動したニンジンNでもフリーローラ83上を滑って内側へと誘導されるため、方向転換し易くなる。
したがって、ニンジンNは左右フィードバックシュータ64,64の傾斜に沿って流れやすくなるため、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを防止できる。
【0080】
また、図11の丸枠部分に示すように、フリーローラ83は外側の径φAを内側の径φBに対して大きくしたテーパ形状にすると、フィードバックシュータ64,64に勢いよく流入(落下)するニンジンNがフィードバックシュータ64,64の左右外側に移動するほど内側に転がり易くなって、ニンジンNの内側への方向転換が、し易くなる。
【0081】
図13には、図6及び図7のフィードバックシュータ64,64の別の例を示した作物搬送装置の平面図を示す。なお、図13の作物搬送装置の側面図は図12と同様である。図11に示す例では、フリーローラ83をフィードバックシュータ64,64の左右外側に複数個設けているが、図13に示すように、フリーローラ83をフィードバックシュータ64,64の中央から内側(左右リターンシュータ63,63側)にかけて配置しても良い。
【0082】
フィードバックシュータ64,64に流入(落下)する勢いでニンジンNの先端がフィードバックシュータ64,64の外壁に当たると、そのまま留まって、他のニンジンNの流入を妨げるつっかえ棒になってしまう場合がある。
しかし、フリーローラ83をフィードバックシュータ64,64の中央から内側にかけて設けることで、このようにニンジンNがつっかえ棒になってしまう前に、すなわちフィードバックシュータ64,64の外壁に当たる前にニンジンNの向きを変えることができる。そして、入り口部のフリーローラ83によりA位置からB位置、次いでC位置へとスムーズに左右フィードバックシュータ64,64上を移動して、ホッパ4へと送ることができる。ニンジンNは矢印P方向に左右フィードバックシュータ64,64の傾斜に沿って流れ、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを防止できる。
【0083】
図14には、図6及び図7のフィードバックシュータ64,64の別の例を示した作物搬送装置の平面図を示す。なお、図14の作物搬送装置の側面図は図12と同様である。
【0084】
また、フィードバックシュータ64,64の入口部分(上部)のフリーローラ83の左右幅(軸方向長さ)をフィードバックシュータ64,64の底面の左右幅と同じとし、フィードバックシュータ64,64の左右幅全面に亘って配置しても良い。フリーローラ83をフィードバックシュータ64,64の左右幅全面に亘って配置することで、どの位置にニンジンNが移動してもフリーローラ83が作用する。
【0085】
したがって、フリーローラ83の作用によりニンジンNは左右フィードバックシュータ64,64の傾斜に沿って流れ、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを防止できる。
なお、図示例では一つのフリーローラ83の左右幅をフィードバックシュータ64,64の左右幅と同じにしているが、フィードバックシュータ64,64の左右方向にフリーローラ83を複数設けて当該複数個のフリーローラ83を合わせた全体の左右幅をフィードバックシュータ64,64の左右幅に合うように配置しても良い。
【0086】
図15には、図6及び図7のフィードバックシュータ64,64の別の例を示した作物搬送装置の平面図を示し、図16には図15の作物搬送装置の側面図を示す。
また、図14のフィードバックシュータ64,64入り口底面に設けたフリーローラ83の外側で、フィードバックシュータ64,64の入口部分(上部)の外壁(左右側壁)に、更にフリーローラ84を設けても良い。ニンジンNがフィードバックシュータ64,64に流入してニンジンNの先端がフィードバックシュータ64,64の外壁に当たり、他のニンジンNの流入を妨げるつっかえ棒になりかけても、外壁に設けたフリーローラ84によってこのようなニンジンNの向きを変えることができ、スムーズに左右フィードバックシュータ64,64上を移動させて、ホッパ4へと送ることができる。
【0087】
図16に示すように、フリーローラ84の軸方向(長手方向)を左右フィードバックシュータ64,64の底面に対して略鉛直方向になるように、フリーローラ84をフリーローラ83の外側で、フィードバックシュータ64,64の底面左右外側に立て掛けて配置する。
このようにフリーローラ83の外側に、更にフリーローラ84を外壁に立て掛けて配置することで、フィードバックシュータ64,64の左右外壁に移動したニンジンNが上下に重なっていても、確実にフリーローラ84に当たってフィードバックシュータ64,64上を下方に案内されて移動するため、ニンジンNが重なってフィードバックシュータ64,64に流入しても、ニンジンNが詰まってフィードバックシュータ64,64上に滞留することをより一層防止できる。
【0088】
そして、フィードバックシュータ64,64の左右外壁に取り付けたフリーローラ83は側面視(図16)において、丸枠部分に示すように上側のローラ径φDを下側のローラ径φCよりも小さくなるようにすると良い。φD<φCにすることで、フリーローラ83の下側にニンジンNの先端が移動するとフリーローラ83の回転によって、ホッパ4側へニンジンNが案内される。
上側のローラ径φDが下側のローラ径φCよりも大きいと(φD>φC)、フリーローラ83の下側とフィードバックシュータ64の底面との間にニンジンNが挟まれてしまい、ニンジンNが詰まってしまう場合がある。
しかし、本構成を採用することにより、フリーローラ83の下側にニンジンNの先端が移動しても、ニンジンNが詰まってフィードバックシュータ64,64上に滞留することを防止できる。
【0089】
また、フィードバックシュータ64,64の入口部分(上部)に設けたフリーローラ83、84を駆動させて強制的にニンジンNをホッパ4へ案内するようにフリーローラ83、84の駆動機構(図示せず)を設けても良い。
フリーローラ83、84を駆動させることで、ニンジンNが強制的に左右フィードバックシュータ64,64上を搬送されて傾斜に沿って下方に流れるため、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することを確実に防止できる。
【0090】
図17には、図6及び図7のフィードバックシュータ64,64の別の例を示した作物搬送装置の平面図を示し、図18には図17の作物搬送装置の側面図を示す。
更に、図9から図16等に示す、フィードバックシュータ64,64の入口部分(上部)に設けたフリーローラ83、84を搬送ベルト89、90に変えても良い。図17及び図18に示すように、左右フィードバックシュータ64,64の入り口部底面及び左右外壁の上下位置2箇所にプーリ87,87及びプーリ88,88をそれぞれ設けて該プーリ87,87間、プーリ88,88間に搬送ベルト89、90を掛け渡すことで、簡便に変更できる。
【0091】
上述のフリーローラ83、84の構成では、フリーローラ83,83間、フリーローラ84,84間でニンジンNが詰まる場合もあるが、搬送ベルト89、90の構成にすれば、確実にニンジンNを左右フィードバックシュータ64,64下方に送ることができるため、左右フィードバックシュータ64,64上にニンジンNが滞留することをより確実に防止できる。
【0092】
なお、図示例ではフィードバックシュータ64,64の底面部に設けたフリーローラ83とフィードバックシュータ64,64の外壁部に設けたフリーローラ84の両フリーローラ83、84を搬送ベルト89、90に変えているが、どちらか一方のフリーローラ83(84)を搬送ベルト89(90)としても良いし、左側フィードバックシュータ64は搬送ベルト89とフリーローラ84とし、右側フィードバックシュータ64はフリーローラ83と搬送ベルト90にするなど適宜変えても良い。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の作物搬送装置によれば、根菜などの作物の搬送に限らず、他の作物の搬送等にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の作物整列装置の側面図である。
【図2】図1の左右整列搬送装置の第2整列搬送コンベア付近の拡大図である。
【図3】本発明の作物整列装置の平面図である。
【図4】図1の作物整列装置の動力伝達系統図である。
【図5】図1の作物整列装置のS1−S1線矢視断面図である。
【図6】図1と図2に示す作物搬送装置の左右フィードバックシュータの形状を変えた場合の作物搬送装置の平面図である。
【図7】図6の作物整列装置の側面図である。
【図8】左側のフィードバックシュータの背面図である。
【図9】図6及び図7のフィードバックシュータの別の例を示した作物搬送装置の平面図である。
【図10】図9の作物搬送装置の側面図である。
【図11】図6及び図7のフィードバックシュータの別の例を示した作物搬送装置の平面図である。
【図12】図11の作物搬送装置の側面図である。
【図13】図6及び図7のフィードバックシュータの別の例を示した作物搬送装置の平面図である
【図14】図6及び図7のフィードバックシュータの別の例を示した作物搬送装置の平面図である。
【図15】図6及び図7のフィードバックシュータの別の例を示した作物搬送装置の平面図である。
【図16】図15の作物搬送装置の側面図である。
【図17】図6及び図7のフィードバックシュータの別の例を示した作物搬送装置の平面図である。
【図18】図17の作物搬送装置の側面図である。
【符号の説明】
【0095】
A 貯留部 B 汲上搬送装置
C 整列搬送装置 D 左右選別装置
K 空間部 N ニンジン
1 フレーム 2 油圧ジャッキ
3 支持フレーム 4 ホッパ
4a,4b 傾斜板 5 ハンドル
6 左右フレーム 7,7 左右汲上フレーム
8 駆動シャフト
9,9 左右駆動スプロケット
10 中間シャフト 11,11 左右テンションスプロケット
12 従動シャフト 13,13 従動スプロケット
14,14 左右伝動チェーン
15 搬送ローラ 16 引継シュータ
17 汲上搬送コンベア 18 支持台
19 スライド板 20 駆動モータ
21 汲上伝動ケース 22 出力スプロケット
23 入力スプロケット 24 伝動チェーン
25 従動プーリ 26 駆動プーリ
27 伝動ベルト 28 整列搬送フレーム
29,29 整列フレーム
30 第1振分板 31 第2振分板
32 弾性体 33 開口部
34 支持台 35 第1駆動プーリ
36 第1駆動シャフト 37 整列出力スプロケット
38 整列入力スプロケット
39 整列伝動チェーン
40 整列伝動ケース 41 出力プーリ
42 入力プーリ 43 伝動ベルト
44 第1従動プーリ 45 伝動スプロケット
46 第1整列駆動シャフト
47,47 第1整列ベルト
48,48 左右第1整列搬送装置(第1整列搬送コンベア)
49,49 左右第2駆動プーリ
50 従動スプロケット
51 第2整列駆動シャフト
52 整列伝動チェーン 53,53 左右第2従動プーリ
54 第2整列従動シャフト
55,55 第2整列ベルト
56,56 左右第2整列搬送装置(第2整列搬送コンベア)
59 左右前側矯正ガイド 60 左右後側矯正ガイド
61 左右突出部材 62 排出シュータ
63 左右リターンシュータ
64 フィードバックシュータ
70 規制部材 71 分離部材
71a スリット 72 ガイド部材
72a スリット 73 落下防止ガイド
75 支持部材 80 フック
83,84 フリーローラ 87,88 プーリ
89,90 搬送ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を投入する貯留部(A)と、
該貯留部(A)から作物を後方へ搬送する搬送体(15)を備え、該搬送体(15)により作物を汲上搬送する汲上搬送装置(B)と、
該汲上搬送装置(B)により搬送された作物を排出する排出部材(16)と、
該排出部材(16)で排出された作物を受けて更に後方へ搬送する左右一対の搬送体(47、55)を備え、作物を整列させながら該搬送体(47、55)により作物を搬送する左右整列搬送装置(C)と、
該左右整列搬送装置(C)の左右一対の搬送体(55)の下部にそれぞれ設けられ、該搬送体(55)のずれを防止するための規制部材(70)と、
左右整列搬送装置(C)の上方に設けられ、作物の搬送方向から見て左右方向に下り傾斜面を有する山形形状であって、作物が通り抜け可能な開口部(33a)を有し、前記排出部材(16)から左右整列搬送装置(C)に直接載らなかった作物を受けて左右整列搬送装置(C)の左右いずれか一方に送る振分部材(30,31)と、
前記排出部材(16)から左右整列搬送装置(C)に載らずに前記振分部材(30,31)の開口部(33a)から落下した作物を受けて貯留部(A)に送る左右移送部材(64)と、
左右整列搬送装置(C)により搬送された作物を受けて選別する左右選別装置(D)と
を設けた作物搬送装置であって、
振分部材(30,31)の上方で且つ前記振分部材(30,31)の開口部(33a)よりも搬送方向始端部側に、作物の搬送方向に直交する方向に平面部を有し、排出部材(16)から排出されて前記振分部材(30,31)上に載った作物が前記平面部に当たることで作物を受け止めて左右整列搬送装置(C)の左右いずれか一方に送る分離部材(71)と、
作物の搬送方向に対して該分離部材(71)の左右側方で且つ左右整列搬送装置(C)の搬送体(47、55)の上方に、該搬送体(47、55)上で搬送中の作物を上方から支持し姿勢を安定させて搬送方向終端部側へ送るガイド部材(72)と
を設けたことを特徴とする作物搬送装置。
【請求項2】
前記振分部材(30,31)と前記分離部材(71)との間に空間部(K)を設け、
該空間部(K)は、作物の搬送方向に対して中央部から左右外側部ほど広くなる構成としたことを特徴とする請求項1記載の作物搬送装置。
【請求項3】
前記分離部材(71)に作物の搬送方向に対して左右方向に複数のスリット(71a)を設け、
該スリット(71a)の上下方向の長さを、中央部から左右外側部ほど長くすると共に、隣接するスリット(71a)同士の間隔を中央部から左右外側部ほど狭くしたことを特徴とする請求項1又は2記載の作物搬送装置。
【請求項4】
分離部材(71)とガイド部材(72)とを一体に形成したことを特徴とする請求項1記載の作物搬送装置。
【請求項5】
前記左右一対の搬送体(55)の各規制部材(70)の内側上部に、振分部材(30,31)の開口部(33a)の搬送方向始端部側端部から搬送方向終端部側端部よりも更に搬送方向終端部側に亘って、左右整列搬送装置(C)の搬送体(47、55)上に一本ずつ整列させられた作物の左右の搬送体(47、55)間内側への落下を防止するための搬送方向に長手方向を有する柱形の落下防止ガイド(73)を設けたことを特徴とする請求項1記載の作物搬送装置。
【請求項6】
前記落下防止ガイド(73)の搬送始端部側を下方に屈曲させたことを特徴とする請求項5記載の作物搬送装置。
【請求項7】
前記落下防止ガイド(73)と前記規制部材(70)との間に落下防止ガイド(73)の支持部材(75)を設け、該支持部材(75)を介して落下防止ガイド(73)を規制部材(70)に取り付け、前記支持部材(75)を弾性体で構成したことを特徴とする請求項5記載の作物搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−30753(P2010−30753A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195881(P2008−195881)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】