説明

使用済み紙おむつの集収・保管方法とその装置

【課題】頻度高く追加的に使用しても臭気や細菌を生活(作業)環境に放出しない汚物の集収保管の為の袋を提供する。
【解決手段】PET製のフィルムを素材とした袋を,枠13によってその袋型を維持する。袋はオゾンO3の注入(兼吸出)孔3を複数箇所に備え、外側から操作が出来る分離器具10によって袋を上下2段に密閉分離する。汚物の投入口となる袋の上段に専用チャックを設け、新たに発生した汚物は分離器具は閉したままオゾン処理装置を稼働し上段の小袋に在る吸出孔3からオゾンO3を吸い出して処理する。投入口を開き、汚物を投入し直後にチャックを閉じ、分離器具を開ければ汚物は自重で下段のオゾンが充満した袋内に落下する。次に袋の分離装置を所定の位置に戻して再度袋の上下を分離し、チャックを閉めオゾンO3発生装置を稼働してオゾンO3を注入調整し、袋内では所定の濃度で充満したオゾンO3によって消臭,殺(制)菌が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,主に介護施設,病院あるいは家庭において介護に際し生ずる汚物の処理(搬出,焼却等)直前までの集収・保管中における消臭・殺(制)菌方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,高齢者に限らず排泄は摂食等と共に生きていることの証で,それらは生命を持つ(維持する)人間として幾つかある最も重要な営みの中の一つであり健常者を含め決して避けて通れないものである。しかもその周期は短く普通には日単位あるいはそれより更に短時間で頻度高くそれは繰り返される。また排泄は他人(介護者を含む)の対応の仕方によっては人間の尊厳をも脅かす恐れすらある内容に発展する微妙な事柄を含むものでもある。
【0003】
ところで,現在の日本においては多くの人達の並々ならぬ努力による知識と技術,特に1945年以後の飛躍的な経済発展に支えられ直接的には栄養学的な知識と技術の発展を踏まえての質勿論量的にもそれらの知識や技術に基づいた第一次生産を含む食物加工に関する発展があって充実した食生活の改善がありそれに支えられ又これらは多くの人達による他の諸々の分野の発展を助長し新しい発見もありそれら諸々の事柄の総合的成果の指標の一つでもあるが「寿命が飛躍的に延伸」した。
【0004】
それは喜ばしく誇り高い事である。その人口推定数を世界において最も権威があると言う日本国の総務省統計で平成22年について観ると,公に高齢者と呼ばれている満65歳以上が男女合計で2,944万人(それは同年度の総人口1億2、735万人の23.1%に相当),その内70歳以上が2、121万人(16.7%),75歳以上としても1,422万人(11,2%),その内80歳以上が826万人(総人口の6.5%)を示す。
【0005】
これらの値を同省の昭和25年(1950年)の統計で観ると,65歳以上が411万人(それは当時の総人口8,320万人の4.9%に相当),その内70歳以上が234万人(2.8%),75歳以上が106万人(1,3%),80歳以上が37万人(1%にも達しない0.4%)で,昭和20年(1945年)に終わった太平洋戦争における戦中の死亡率に年齢による偏りがあったとは言え「段落0004とこの0005」とを諸々の組み合わせで比較して観る限り高齢化が進むあるいは重要な観点だが更に「高齢化が進行しつつある」ことは近年の出生数減少による影響を含めて検討しても確かである。
【0006】
このように高齢化が進み諸々の社会情勢や家と家族に対する考え方の変化もあって核家族化も進み,要介護者を社会全体で支える新たな仕組みが生まれ,それらに応じて平成12年(2000年)に介護保険制度が導入され,法人・民営の介護施設も計画,建設あるいは実際に運営されその施設数は増加しつつあるが,要求のある要介護者を特に質において完成した環境で総て受け入れる迄には至っていないようである。
【0007】
したがって,諸々の理由によって自宅において介護を受けている要介護者も多数あるわけでそれらの該当者も加入条件を満たしていれば介護保険制度に加入は可能でそれなりに認定を受ければ国,都道府県,市区町村からの給付を受けることは出来る制度となっている。
【0008】
このように制度は出来あがり,運営も軌道に乗りつつあり,それが病院や介護施設であろうと自宅であろうと介護人が心身共に気を遣いご苦労のあるのは汚物の付着した「おむつ」等の処理で,病原性への配慮だけでなく臭気も相当なもので時間を経るほど強烈さを増し,誤って一旦生活(作業)環境に臭気を放出させるとそれが収まるまでに時間単位の経過を必要とする事態となる場合も往々にしてある。
【0009】
ところで「段落0002」にも述べたように人間の尊厳に係わる微妙な事柄を含み,対応の仕方によってはそれが侵されることもあり,その遠因の一つは介護者において常に受ける心身共に存在する『甚大な負荷』があり,現在は職業とは云え介護者個人の使命感の他に我慢の範囲内において表に出ないまま経過している事が多いと言う。それが現状だとしてもこの状況は何時までも続く筈はないし早い時期の改善が望まれている。
【0010】
このことは裏を返せば要介護者側にも諸々あって介護をする側と介護を受ける側の狭間に生ずる微妙で深刻な問題であり,だからこそ人間の尊厳に係わる問題に発展する事もあるのだろうから介護者側の善意の思考・対応にも当然だろうが限度があり,要介護者に対する対応について改善は求められないが(実効のある方法では求め難い)何らかの改善策が急がれており(急ぐ必要があり),その為には介護者側の遠因の一つになっているという汚物処理に係わって生ずる『甚大な負荷』の軽減あるいは限度はあるだろうがその排除である。
【0011】
現在は介護施設や病院においてはプラスチックスフイルム製の小袋に収納して口をしっかりと結束して更に大型のプラスチックス製の袋あるいは有蓋の専用保管箱等にその小袋をその都度随時収納し複数袋(実数は30〜50袋くらいで一定しない)収納して保管し定期的に回収に来るそれらの処理ライセンスを所有する契約業者に渡して処理(主に焼却と言われている)されているのが現在における基本的な方法のようである。
【0012】
この汚物に限ればこの時点において介護者による直接あるいは間接的作業は一応完結されるが(現実には絶え間なく汚物は発生して連続的に一連の作業は繰り返されている)処理業者に渡すまでの10〜12時間あるいは36時間において「段落0011」の方法で臭気を完全に断つことは至難(小袋が一定数に達するまでは小袋を収容する毎に大袋あるいは専用箱の開け閉めを繰り返すために)なので臭気発散防止に苦慮しているのが現実のようで改良の必要が早くそして強く望まれている。
【0013】
また,家庭においては固形便はトイレに流し健常者と同様に公共(又は流域)下水道で処理し,使用済みのおむつは一般ゴミとして処理されているのが現状のようであるが殺菌等しない末処理のおむつが一般ゴミとして処理されることはゴミ回収を実施している各地方自治体は禁止している筈であるが,それはもしかの場合の疾病蔓延や環境汚染の観点からで当然である。独立した収集機構が無いので仕方ないとは言えこの行為は甚だ好ましくない又このことは本特許願の範疇外ではあるがおむつには吸水性を高めるために吸水性高分子物質が採用され多量な水分(主に尿)を含むので焼却するのにその分余計なエネルギ−(熱源)が消費されるなどの問題も残っている。
【0014】
ところで「段落0011」に述べた処理専業者においても諸々の観点から先に述べたように焼却処理しているのが現状のようであるが今後における国の政策等によっておむつの更なる機能アップを含めて処理に関して専用の回収処理機構?を立ち上げ又水分(尿)を吸収した高分子物質の機能を解除する(水分を分離する)事は作業性においてもエネルギ−の総消費量節減の立場においても技術的には至難ではないので改善されることが期待されるところである。
この事は本特許の範疇外であるが重要なこの事(上記回収機構)を実現するためには本特許のような内容を実現することが先決であり上記機構設立に大いに役立つと考えている。
【特許文献1】
【0015】
おむつに関する特許及び実用新案の出願合計件数は1千件の単位をはるかに越える膨大な件数に及びそれは紙製の使い捨ておむつが普及し赤子用(含む幼児用)が近年の年平均でおよそ60億枚/1年が生産され,ここで主題の大人用においても2001年(平成13年)に24億枚/1年 以上が生産されている事(約20年後の2023年の今年には控えめに見積もっても30〜40億枚くらい/1年)と併せてこの数値は輸出分?あるいは要介護者以外分を含むとしても,この数値は事の深刻さの現れの一つとして解釈出来それらの使い捨て数に対する処理など対応方法の確立が急がれている。
ところで,その膨大な文献の内,本特許願の内容と抵触の有無がありそうで先行文献ではないかと思われるものを下記25文献抽出した。
公開番号/登録番号 発明の名称
1,特許公開2009−172599 使用済み紙おもつの処理方法
2,特許公開2009−113038 使用済み紙おもつの処理方法
3,特許公開2009−112642 使用済み紙おもつの処理機
4,特許公開2006−272203 使用済み紙おもつの処理装置
5,特許公開2003−190928 使用済み紙おもつの処理装置
6,特許公開2003−070832 紙おむつ
7,特許公開2003−019169 使用済み紙おむつの処理方法及び処理装置
8,特許公開2002−228127 紙おむつの処理方法及び処理装置
9 特許公開2001−181075土壌改良材の製造方法,土壌改良材及び使用すみおむつ処理剤
10,特許公開2000−189455 紙おむつ及びその処理方法
11,特許公開平11−047190 後処理袋付紙おむつ
12,特許公開平08−215229 おむつ付カバ−
13,特許公開平05−305110 汚物処理用シ−ト付き紙おむつ
14,実用新案公開平06−080422 紙おむつの処理袋
15,実用新案公開平06−022305 おむつ収納部付下半身用下着
16,登録実用新案第3022187号おむつの濡れ感知装置
17,特許公開2008−265783醗酵容器
19,特許公開2009−261866おしめ交換等強臭気脱臭方法及び装置
20,特許公開2003−205023消臭抗菌剤
21,特許公開H06−136694 悪臭緩和具
22,特許公表2010−531714ヒト病原体の伝染を低減するための装置および方法
23,特許公表2001−527162抗菌剤構造体
24,特許公表H11−503068廃棄物処理のシステムとプロセス
25,実用新案公開平06−026883おしめ等に付ける木酢消臭パッド
【0016】
その膨大な文献の内,本特許願の内容との抵触の有無が課題になるあるいはなる可能性があると考えた先行文献は先に述べたように上記25文献であったが,この25文献について精読検討した結果,それらは使用済みおむつの処理方法に関する内容,おむつの構造・機能とその改良に関する内容,排おむつの再利用(再資源化,土壌改良材などへの利用を含む)あるいは本特許と内容の異なる除・殺菌方法,脱臭方法,悪臭の閉じ込め方法等に関する内容で本特許願の内容が直接に抵触する先行技術に関する文献は見当たらなかった。それは「本特許願」の主な内容が使用済みおむつを離脱後から処理(介護施設等や家庭から搬出又は自己処理)に至る迄の保管経過時間中における適切な保管方法と保管中の消臭・殺(制)菌と保管装置に関することであるからである。
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
使用後の排「紙おむつ」の適正な処理を行うためには一次的には適正な保管が主課題となり,既に縷々述べたように要介護者と介護者の関係から兎角生じやすい介護者の心身が「担う負荷」を如何に軽減するかも間接的ではあるが非常に重要な課題の一つである。内容的にはそれらの場が介護施設,病院あるいはそれが家庭にしろ処理に至るまでの1日〜1.5日間あるいは家庭の場合の現状(一般ゴミとして処分)では一般ゴミの回収が2回/1週として3〜4日間は保管することになる。従ってその間において菌(病原性を持つ菌を含む)の増殖抑制あるいは殺菌及び消臭あるいは防臭しながらの保管方法とその装置が直接課題となる。
【0018】
なお汚物は絶えることなく発生しその都度保管容器を開いて新しく発生した汚物を追加集収する事になるのでその都度臭気あるいは細菌などが生活(作業)環境中に飛散する可能性は充分にあり得る。それを如何にして抑制あるいは無くするかも重要な課題である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
使用後に脱離した汚物を処理するまで保管するには従来使用されていたのは種々あるポリエチレン等プラスチックスフイルム製の小袋あるいは大袋ともにその質によって臭気やその処理剤(消臭・殺菌用)の透過性に差がありしかもそれら(臭気を含むガス化した処理剤)の遮断効果において経験的にそれ程高くないと云う。
なお同質の袋に於いてもフイルムの厚さによってそれらの遮断能は増減するが袋を構成するフイルムが厚いと遮断能は向上するが価格が高騰するだけでなく重要なのは作業性が悪くなりその結果,袋の結束部分などから充填したガス漏れの恐れすら生じ,殺菌等の目的で封入するオゾンや塩素のように生活(作業)環境中の濃度が濃くなると毒として働くようになる物質が殆どなのでそれらが袋あるいはその結束部や継ぎ目などから環境中に漏れ出す恐れもある。
【0020】
ここでは零ではないが酸素ではポリエチレンフイルムに比較してその透過性が更にその1/5程度低い適当な厚さの市販飲料水の容器材料に使用されているPET;ポリエチレンテレフタレ−ト(Polyethylene terephthalate,)製の再生材によるフイルムによってこの使途に沿う形態と機構の袋を製造使用する事としオゾンOの注入は針の刺し抜きに複数回にわたって耐えることの出来る輸液用の瓶に使用するゴム栓を応用利用してここで使用する汚物集収保管袋の適当な位置に漏れないように強い接着剤によってその栓を貼り付け,その機能を生かしてその部位(栓)から別に準備したオゾン発生装置によって製造した所定濃度のオゾンOを注入あるいは必要に応じては保管袋から吸引処理(図5)することとした。
【0021】
ここでは消臭・殺菌には上記のようにオゾンOを採用したがその理由は反応後に残留するのは酸素Oのみであり云うまでもなく無毒であることの他にOの酸化力は塩素より強く塩素の1.78倍に達し,最も強いフッ素に次ぐ強い酸化(消臭・殺菌)力を持ちしかも塩素のように反応後有機塩素化合物を生成して処理後の水分にも残留し現在行われているやむを得ない最終処理の焼却が当分の間踏襲される(せざるを得ない)とすると塩素化合物によって焼却炉を侵しその耐久性に問題が生じる恐れもあり又排おむつはやや少なめではあるが水分を含むのでOでの殺菌,脱臭には逆に非常に都合良く効果的に働く等の理由からOを採用し,課題を解決することとした。
【0022】
ところで,ここでは絶え間なく発生する汚物の収容作業中を含めて処分までの保管時間における消臭の他に病原性細菌を含めての殺菌あるいは少なくともその増殖抑制の為にオゾンOを使用する.が環境への透過量の小さいすなわち遮断能の高い「段落0020」に記載したPET製フイルム使用の袋を採用することとした。それはオゾン.Oは濃度が高いと毒性を示し日本では厚生労働省が作業場での基準値を0.1ppm以下と定めており,安全を観て0.05ppmを越えないようにすることが望まれているからであり,特に家庭に於いての介護に係わって生ずる汚物の保管時において重大と考えたからである。
【0023】
なお「段落0018」において述べたように汚物は絶えることなく随時発生するのでその都度汚物保管用袋の集収口を開いて新たに発生した汚物を追加集収することに成りその都度臭気や細菌が生活(作業)環境中に飛散する恐れは充分にありうるのでここでは1枚の保管袋を随時必要に応じて開口しないまま上下の分離とその解除が袋の外側から容易にできる機構によって袋を完全に上下2段に分け上段に位置する袋の容積を小さくし投入集収口は簡易に開け閉めが可能なチャック式を用いて閉じ新たに発生した汚物は袋を上下2段に分離したままオゾンを吸い出し処理し(図5)その後上段のチャックを開いて汚物を集収後チャックを閉じてその後袋を2段に分離した機構を解除すると袋上段に新たに収容したその汚物は自重によって袋下段に落下して本来の場所に収納されるのでそれを確認後に袋を上下に再度分離する機構を正規の状態に戻せば臭気やオゾンOを生活(作業)環境に大量に漏らすことなく(最小限に留めて)収容して保管でき漏れた少量のオゾンOは定法によって充填部位から追加補給しその保管時間の間に於いてもオゾンOの作用によって消臭・殺(制)菌を能率よく行わせるようにした。
【0024】
ところで保管とその間におけるオゾンOによる消臭・殺菌をより効果的になさしめるには保管袋の上段に収容するに際して従来行われていたと云う汚物を収容して口を結束した小袋で収容するのは好ましくない。小袋を使用しないか使用する場合は開口のままあるいは小袋に多くの穴を意図的に開けて定法によって保管袋の上段に収納し定法によって下段袋に落下させて集収することが望ましい。それはオゾンOによりよく触れさせる事によって消臭・殺菌を満遍なく完全に行わせるためである。
【0025】
なおこの事に関連してオゾンOで処理中の袋口のチャックを開くに際して上下に分けた上段の部分は小さく従って充填してあるオゾンOの量は袋下段に比較して少ないが完全を期するとすれば開口する直前にオゾン.Oは袋の上部に設けた専用部位から予め抜き取って後チャックによって開口し,オゾンOが環境中に漏れないようにし抜き取ったオゾンOは活性炭等その処理装置に送って処理することも可能で家庭用では特にその必要がある。
【発明の効果】
【0026】
1.本来,袋は一空間を形成するのが普通であるがここでは汚物集収保管用の袋を外側から解除が容易に出来る機構によってその集収保管袋を上下2段に分離し随時発生ずる汚物を追加集収するに際して既に保管中の汚物による臭気を殆ど感ずることなく追加集収できることは介護者にとって大きな福音である。それは保管袋の機構・機能の他にオゾンOによってほぼ完全に消臭されているからでこの消臭状況と物性や色の観察からすると細菌については少なくとも増殖抑制の効果があるように観察され,その検証が急がれるが差し当たっては消臭のみでも介護に際しての「負担」が心身共に総てでは無いとしても解消する効果がある。
2.家庭に於いての介護を望みながら(80%の高齢者が希望)それが実現できない理由の一つは汚物の臭気が原因だとする例が多いと言う。それが解消できれば要介護者の望むように家庭での介護が可能で増加する効果があると言う。
3.「段落0013,0014」に述べた事から汚物の処理機構を立ち上げる必要があると考えるが回収までの時間は家庭での要介護者を含め一般ゴミの回収頻度を踏襲すると汚物が発生してから最大3〜4日の保管期間を必要とするのでその期間を保管する方法の一つとして検討する実例対象となる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に本発明による実際を図面によって説明するがその前に各図面を簡単に説明しておく。
【0028】
図1が汚物の集収保管に使用するPETフィルム製で使用前においては「枚」の単位で呼称したい程扁平なトックリ型を呈する袋の正面図と左右の各側面,下面およびチャック式開閉装置12を持つ汚物の集収投入口1を示した上面図である。その他に消臭・殺菌のためのオゾンOの注入孔又は吸出孔のための特殊機能を持つ栓3と,使用時において収集保管袋を使い易い形に保持するためのフック15を掛ける輪2とをそれらの目的に合う集収袋の適当な位置に栓3は3箇所,輪2は6箇所に付加した。
【0029】
図2は集収袋を上下2段に分離するための分離器具でその長さは図2の凹部6と凸部6’においてそれらの長さが共に図1に示した正面図のトックリ型の首部に相当する部分の幅+2cm程度とし,図3に示した首の付け根の部分を凹凸部(6と6’)の間に挟んで充填ガスここではオゾンOガスや汚物の臭気が分離した上部の袋に漏れない程度に蝶ネジ10を締める事によってこの分離器具を装着し狙い(袋の上下の分離)を果たすようにした。
【0030】
図3は図1に示すトックリ型の袋本体胴部の円周を2m(幅1mの袋)として投入口のチャックを閉め袋の上下分離器具を装着する前に適当濃度のオゾンOガスを約1m程注入栓3を径由して充填し,その後に図2の分離器具を装着して袋を上下にしかも小大に分割した時の正面,側面の各斜視図として示したものである。
【0031】
図4は集収保管袋の使用中の斜視図を示したものであるが作業の効率向上を図るために作業中においても常に袋の状況観察が出来るように専用の枠13において釣りフック15によって6箇所にある輪にそれぞれフックの一端を他の一端を枠に掛けて集収保管袋を釣るように支え,またこの枠13は集収管理袋専用の台14の上に置いた当該袋に上から被せてあるだけで固定していない。それは作業性向上の他に集収保管袋は消耗品,枠13,台14はともに再使用品としての思考からである。
【0032】
図5は汚物の集収保管袋と汚物の殺(制)菌,消臭の為に使用するオゾンO発生装置および使用後に残余したオゾンOの処理装置の3者におけるオゾンOの流れを示したもので長い矢印はオゾンO発生装置から適当径のプラスチックス製チュ−ブによって注入栓3を径由して集収保管袋内にオゾンOの適当量を注入,短い矢印は作用後残余したオゾンあるいは新たな汚物を追加集収するに際して環境中にオゾンと臭気の放出することを防除するために予めオゾン注入を兼ねる栓3から適当径のプラスチックス製チュ−ブを径由してオゾンOを吸出して処理する処理装置に至るものである。すなわちオゾン発生装置,集収保管装置(袋)、オゾン処理装置の3者における1連の関係を示す模式図である。
【0033】
以上のことを踏まえて実際を述べると図4の枠13にセットした集収保管袋においてオゾン発生装置を稼働させ注入孔3を径由して適当濃度,適当量(圧)のオゾンOを注入し所定の位置において図2に示した袋の分離器具によって袋を上下(小大)に袋を分割しておく。
【0034】
新たに汚物が生じその処理をするに際しては図5に示したオゾン処理装置を稼働し2段に分離してある上に位置する小の袋にある注入栓3を兼ねる吸出栓3からオゾンを吸出してオゾン処理を為し,処理終了後に処理装置の運転を停止し,次に上部袋の最上部に位置するチャックを開いて(オゾンの環境への拡散は零)汚物を集収(収容)し速やかにチャックを閉じ続いて袋分離器具を開くと新たに収容した汚物は下に位置する保管袋に自重によって落下して本来の位置にほぼ納まり,既に充満させてあるオゾンOの作用を受け始める。落下を確認後オゾンO発生装置を稼働し,吸出と作業中における若干の漏れによって不足したオゾンOを補充しその濃度を含めてそれらを確認後袋の上下分離器を所定の位置に戻して機能させ次の汚物発生に備えればよく,環境への臭気の漏れは全く感じなくなった。殺菌については現在なお調査中であるが集収保管中において特別な取扱上に間違いがない限り環境を汚染する事はない。それは保管袋を開くことなく焼却する事が出来るからである。
【0035】
ところで、これらの作業すなわち新たな汚物の発生加入は頻度高く起こるのでそれは新たなオゾンを常に補給することに繋がり袋内ではオゾンの濃淡の変化を含めて袋内が長時間にわたって静止状態であることは殆ど無く作用がその回数(新たな汚物発生数)に見合って促進される傾向が観られその事で消臭・殺菌力も促進されているよう観察思考出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】汚物を集収・保管する為の袋(容器)
【図2】汚物の集収・保管専用袋を上下(小大)に分割するための器具
【図3】汚物集収・保管専用袋(図1)に汚物とオゾンとを容量合計で1mになるように収容した時の姿図。
【図4】汚物の集収・保管袋(図3)を専用の枠で支えた斜視図
【図5】汚物の集収・保管袋とオゾン発生装置及びオゾン処理装置の関連模式図
【符号の説明】
【0037】
1. 汚物の収集口。
2. フックを掛けるための輪(袋に貼り付け固定)。
3. オゾンO注入孔と吸出孔の為の特殊機能を持つ栓。
4. 分離器具の凹部6を持つ腕。
5. 分離器具の凸部6’を持つ腕。
6. 凹部分。
6’.凸部分。
7. 蝶番。
8. ビス。
9.蝶ネジのボルト留め。
10.蝶ネジ(ナット)。
11.蝶ネジのボルト。
12.プラスチックス製袋用チャック。
13.汚物の集収保管袋支持枠。
14.汚物の集収保管袋置き台。
15.汚物の集収保管袋を釣って支える為のフック。
16.オゾンOの注気チュ−ブ
17.オゾンOの吸気(排気)チュ−ブ
A−・−A’;A断面
B−・−B’;B断面
→,→ ;オゾンOの流れ,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高齢化が進み国の施策として介護保険制度も導入されその内容も充実しつつあるが被自立の要介護者(介護を受ける側の人で以下単に要介護者と云う)に直接に係わる介護者(介護をする側の人で以下単に介護者と云う)において幾つかある避けて通れない事柄中の一つとして使用済みの汚物(「使い捨て紙おむつ」の事で以下単に汚物と云う)を処理(搬出焼却等)するまでの集収と保管がある。
その集収保管中に於いて病原性のある菌(ウィルスを含むがここでは単に菌と言う)の有無を含めてその取扱と保管中における強い臭気とが介護に絡んで人の尊厳に係わる深刻で微妙な問題を屡々惹起させている。そこで要介護者,介護者共に心身の負担を軽減する方法の一つとして汚物の収集・保管作業とその経過期間中における軽易な方法による殺菌と消臭とが求められている。
ここではその収集・保管中における汚物の強い臭気の消臭を兼ねて殺(制)菌を目的にオゾンOを採用しその臭気とオゾンOを殆ど透過しないPET(ポリエチレン テレフタレ−ト)製のフィルムを素材とした袋を,幾つかの機能を備えた汚物の集収・保管のための容器(袋)として形状を含めて考案し使用時は枠(図4)によってその袋型を維持し使用(作業)し易くした。
ところで処理対象となる汚物は日々随時新たに頻度高く発生するがその集収保管のために臭気源と高密度の細菌源でもある汚物が既に収容されている集収保管用袋を従来通り頻度高く集収の都度直接に開閉を繰り返すことは生活(作業)環境に臭気と細菌をその都度伝播することに外ならない。そこで使用前の集収保管袋の正面がトックリ型(図1)でオゾンOの注入(兼吸出)孔を適当な複数箇所に備えた集収保管袋にその外側から操作が容易に出来る分離器具(図2)によってトックリの首の付け根部分(図1又は図3に示す位置)において袋を上下2段に,上段を小さく下段(本体)を大きく成るように密閉分離し(その為に上部を小さくしてトックリ型とした)将来汚物の投入口となる上段袋の最上部は開け閉めが容易で密閉度もそれなりに高いプラスチック製袋の専用チャックを上記の分離器具とその略中央で垂直方向の開閉となるように設け新たに発生した汚物は上下に分離した集収保管袋の分離器具は閉したままオゾン処理装置(図5)を稼働し上段の小袋に在る吸出孔3からオゾンO(少量の臭気と共に)を吸い出して処理,その後チャック式の汚物投入口を開き,汚物を投入収容し直後にチャックを閉じ,その後において上下分離器具を開ければ汚物に触れることなくその自重で下段本体のオゾンが充満した集収保管袋内に落下してほぼ予定保管位置に納まる。その後に集収保管袋の上下分離装置を所定の位置に戻して再度集収保管袋の上下を分離し集収口のチャックを閉めオゾンO発生装置を稼働して常にセットされている注入孔からオゾンOの所定量と濃度を注入調整すれば集収保管袋では所定の濃度で充満したオゾンOによって消臭,殺(制)菌が自動的に継続して行われ随時新たに発生する汚物にもその都度上記の作業を繰り返せば生活(作業)環境を臭気や規制濃度以上のオゾンで汚染する事なく汚物を保管できる状況が維持できる。
以上本特許願の請求内容は臭気と高濃度のオゾンOを生活(作業)環境に漏らすことなく汚物における消臭と殺(制)菌を兼ねる機能と機構とを特徴として持つ汚物の集収保管方法とそのための素材を含む容器(ここでは袋)に関するものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−56768(P2013−56768A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208059(P2011−208059)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(509104942)
【Fターム(参考)】