説明

使用者保持面

【課題】保持面のさまざまな部分が基準面に対してある角度をなすときに、圧力の除去を最大にするよう構成された使用者保持面を提供する。
【解決手段】使用者保持システム10は、使用者保持装置12と、使用者保持装置12上に保持された使用者保持面14またはマットレス14とを含む。使用者保持装置12は、下部フレーム16、下部フレーム16に結合された保持部18またはリフト機構18、および下部フレーム16の上に保持部18により移動可能なかたちで保持された上部フレーム20を含む。リフト機構18は、下部フレーム16に対して上部フレーム20を昇降させ、またトレンデレンブルグ体位や逆トレンデレンブルグ体位など、さまざまな向きの間で上部フレーム20を移動させるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に使用者保持面に関連する。さらに具体的には、これに限らないものの、例証的な一つの実施態様は、頭および胴の保持セクションが基準面に対してある角度をなすとき、その上の使用者を保持するよう構成された使用者保持面に関連する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
さまざまな使用者保持面が開発されてきたものの、依然として改善の余地が残されている。こうして、この技術分野においては、さらなる貢献の必要性が存続している。
【課題を解決するための手段】
【0003】
例証的な一つの実施態様において、使用者保持面は、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを備える。第一の保持セクションと第二の保持セクションは、第一の保持セクションが、第一の位置にある第二の保持セクションとある角度をなすように形成され、第一の位置から第二の位置へと移動するよう構成されており、ここで第一の保持セクションと第二の保持セクションは実質的に同一平面上にある。第一の保持セクションと第二の保持セクションの間の境界面は、第一の位置で中立状態にあり、第二の位置で圧縮状態にある。
【0004】
別の例証的な実施態様において、使用者保持面は、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを備える。第一の保持セクションは、中立状態にある第二の保持セクションに対してある角度をなす。第一の保持セクションは、中立状態から、第一の保持セクションが実質的に第二の保持セクションと同一平面上にある第二の位置に移動するよう構成されている。
【0005】
別の例証的な実施態様において、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを含む使用者保持面は、第一の表面および第一の表面と間隔をおいた第二の表面を備える。第一の表面の第一の保持セクションは第一の長さであり、第二の表面の第一の保持セクションは第二の長さである。第二の長さは第一の長さよりも大きい。第一の保持セクションは、第一の保持セクションが第二の保持セクションに対してある角度をなし中立状態にある第一の位置から、第一の保持セクションが実質的に第二の保持セクションと同一平面上にある第二の位置へ移動可能である。
【0006】
追加的な特徴は単独でも、または上記および請求項に列記され下記で詳述されるものを含む他のいかなる特徴と組み合わせても、特許性のある主題を構成し得る。別の特徴も、現時点で理解されている発明を実施するための最良の形態の模範例を示す例証となる実施形態の下記の詳細な説明を考察することにより当業者にとって明らかとなろう。
【0007】
次に、図面の用例を参照するが、ここで類似の数字は、全体を通して同一または類似した要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、例証的な一つの実施態様による、使用者保持装置上で保持される使用者保持面を持つ使用者保持システムの斜視図である。
【図2】図2は、背もたれを傾けた状態の配置にあるカバーおよびマットレスコアを示す、図1の使用者保持面およびデッキの断面図である。
【図3】図3は、カバーの上部ティッキング、防火障壁、下部ティッキングと、マットレスコアとを示す、図1の使用者保持面の一部の断面側面図である。
【図4】図4は、少なくとも一つの斜めの端部を持つさまざまなセクションの側面を示す、例証的な一つの実施態様による図2のカバーの側面図である。
【図5】図5は、傾けた配置になるように互いに結合させた側面のさまざまなセクションを示す、図4のカバーの側面図である。
【図6】図6は、互いに結合された側面のさまざまなセクションを示し、曲げ点付近に寄せ集められた余分な材料を持ち実質的に平面の配置にある、図4のカバーの側面図である。
【図7】図7は、その内部に複数のリリーフカット(逃げ加工)が施された、傾けた配置にある例証的な一つの実施態様による、図2のマットレスコアの側面図である。
【図8】図8は、実質的に平面の配置にあるコアを示す、図7のコアの側面図である。
【図9】図9は、フレームおよび複数の袋を含むマットレスコアを示す、例証的な別の実施態様による、図1の使用者保持面の断面側面図である。
【図10】図10は、傾けた配置にあり、第一の圧力で曲げ点付近に配置された複数の楕円の袋を含む、例証的な別の実施態様による、図1の使用者保持面の断面側面図である。
【図11】図11は、第二の圧力での複数の楕円の袋と、曲げ点付近に寄せ集められた余分な材料とを持つ、実質的に平面の配置にある、図10の使用者保持面の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は数多くの異なる形態をとりうる一方で、この開示の原理の理解を促進する目的で、ここで図面に示した実施態様への参照をし、またそれらを説明するために特定の言葉遣いを使用する。従って、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書で説明した本開示の原理のさまざまな変更、説明した実施形態のさらなる修正、および任意のさらなる応用が意図されている。
【0010】
本開示の例証的な一つの実施態様による使用者保持システム10を図1〜10に示す。使用者保持システム10は、使用者保持装置12と、使用者保持装置12上に保持された使用者保持面14またはマットレス14とを含む。例証的な一つの実施態様において、使用者保持装置12は病院用ベッドフレームであり、マットレス14がその上に保持されている。意図されている一部の実施態様において、使用者保持装置12は、ストレッチャー、手術台、車椅子、またはその他の使用者保持構造ともしうる。使用者保持装置12は、図1に示すとおり、下部フレーム16、下部フレーム16に結合された保持部18またはリフト機構18、および下部フレーム16の上に保持部18により移動可能なかたちで保持された上部フレーム20を含む。リフト機構18は、下部フレーム16に対して上部フレーム20を昇降させ、またトレンデレンブルグ体位や逆トレンデレンブルグ体位など、さまざまな向きの間で上部フレーム20を移動させるように構成されている。
【0011】
上部フレーム20は、図1に示すとおり、上部フレームベース24、上部フレームベース24に結合されたデッキ26、および上部フレームベース24とデッキ26に結合された複数のアクチュエータ27を含む。複数のアクチュエータ27は、デッキ26の少なくとも一部分を、上部フレームベース24に対してさまざまな連接配置間で移動させるように構成されている。デッキ26は、図2に示すとおり、腓腹セクション28、大腿セクション30、座セクション32、ならびに頭および胴のセクション34を含む。腓腹セクション28および大腿セクション30は、下肢保持セクションLL1を画定する。頭および胴のセクション34は、上半身保持セクションU1を画定する。座セクション32は、座セクションS1を画定する。腓腹セクション28、大腿セクション30、および座セクション32は、下半身保持セクションLB1を画定する。少なくとも、腓腹セクション28、大腿セクション30、ならびに頭および胴のセクション34は、相互に、かつ/あるいは上部フレームベース24に対して移動可能である。例証的な一つの実施態様において、腓腹セクション28、大腿セクション30、座セクション32、ならびに頭および胴のセクション34は連携して、実質的に平面すなわち横たわった配置と椅子の配置との間で使用者保持装置12を移動させる。例証的な別の実施態様において、腓腹セクション28、大腿セクション30、座セクション32、ならびに頭および胴のセクション34は連携して、実質的に平面すなわち横たわった配置と、傾いた、すなわち傾けた配置との間で使用者保持装置12を移動させる。また別の例証的な実施態様において、頭および胴のセクション34は、上部フレーム20を貫通する基準面RP1に対して少なくとも約30°の角度をなすように動く。
【0012】
使用者保持面14は、その上の使用者を保持し、さまざまな配置間でデッキ20と一緒に動くように構成されている。使用者保持面14は、図2〜10に示すとおり、腓腹部分36、大腿部分38、座部分40、ならびに頭および胴の部分42を含み、これらはデッキ26の対応するセクション上で保持されている。例証的な一つの実施態様において、使用者保持面14は、図2および7〜9に示すとおり、非電動式(静止)表面である。別の例証的な実施態様において、使用者保持面14は、図9〜11に示すとおり、電動式(動的)表面であり、これは、表面の特性を変化させうる流体供給源(非表示)からの流体などの入力を受けるように構成されている。
【0013】
使用者保持面14は、図2および3に示すとおり、マットレスカバー44およびマットレスコア46を含む。意図された他の実施態様において、使用者保持面14は、マットレスカバー44に結合された温度および湿度を調節するトッパー(非表示)を含む。マットレスカバー44は、マットレスコア46を囲み、防火障壁48、下部ティッキング50または耐久性のある層50、および上部ティッキング52を含む。例証的な一つの実施態様において、防火障壁48はカバー44の最内層であり、上部ティッキング52は最外層であり、また下部ティッキング50は、防火障壁48と上部ティッキング52との間に位置し、上部ティッキング52には結合されていない。下部ティッキング50と上部ティッキング52は、蒸気や空気を浸透させない。例証的な一つの実施態様において、上部ティッキング52および下部ティッキング50は、ポリウレタン被覆を施したナイロンから成り、下部ティッキング50は、防火障壁48に対して上部ティッキング52の移動を促進するよう構成されている。その他の実施態様において、上部ティッキング52および/または下部ティッキング50は、空気および/または湿気浸透性でもよい。
【0014】
マットレスコア46は、1種類の材料、もしくは材料および/または装置の組合せから成りうる。電動式の面の場合は、マットレスコア46は、流体を流体供給源(非表示)から受け入れ、流体袋54内の流体の圧力を所定のレベルに維持する、その内部の少なくとも一つの流体袋54を含む。意図されている一部の実施態様において、電動式の面は、図9に示すとおり、発泡体などの非電動式の構成要素を含みうる。非電動式の面の場合、マットレスコア46は、単密度フォームなどの多孔質工学材料で構成される。意図されている一部の実施態様において、マットレスコア46は、静止空気袋またはその内部に発泡体が含まれる静止空気袋、金属製バネおよび/またはその他の非電動式保持要素、あるいはそれらの組合せなど、少なくとも一つの袋54を含む。意図されている一部の実施態様において、マットレスコア46は、使用者の身体の比率の違いに応じて圧力の再配分を促進するよう構成された異なる保持特性を持つ複数のゾーンを含む。また、一部の実施態様において、マットレスコア46は、NP100 Prevention Surface、AccuMax Quantum(登録商標) VPC Therapy Surface、およびNP200 Wound Surfaces(発売元Hill−Rom(登録商標))にあるものなどの異なる印象荷重によるたわみ(ILD)特性を持つ、さまざまな発泡体の層および/またはセクションを含む。
【0015】
マットレスカバー44および/またはマットレスコア46は、腓腹部分36、大腿部分38、ならびに頭および胴の部分42など、さまざまな部分が基準面RP1とある角度をなすとき、圧力の除去を最大にするような多数の方法で構成しうる。圧力の除去を最大にする一つの方法は、マットレス14が傾けた配置で中立状態または静止状態となるようにマットレス14を設計する方法である。意図されている一部の実施態様において、マットレス14は、さまざまなセクションおよび/またはさまざまなセクションの交差部での引張りおよび圧縮が最小になったとき、中立状態またはレスト状態にある。意図されている一部の実施態様において、マットレス14は、さまざまなセクションの交差部に実質的に引張りまたは圧縮がないときに、中立状態または静止状態にある。
【0016】
マットレスは、一般にマットレスが実質的に平面の配置にあるときに、圧力の除去が最大になるよう設計される。それらの場合に、使用者との境界面を構成する、上向き面UF1のさまざまな部分は、デッキの対応する部分に接触するよう構成された下向き面DF1の対応する部分と実質的に同じ長さである。使用者保持面14が、傾いた、すなわち椅子の配置にあるとき、さまざまなセクションの上向き面UF1および下向き面DF1は、異なる長さである。例えば、例証的な一つの実施態様において、使用者保持面14が傾いた配置にあるとき、頭および胴の部分42の上向き面UF1(座部分36と頭および胴の部分42の交差部から胴体部分42の端まで)の長さは、第一の長さL1であり、頭および胴の部分42の下向き面DF1(座部分36と頭および胴の部分42の交差部から頭および胴の部分42の端まで)は第二の長さL2であり、これは第一の長さL1よりも長い。別の実施例において、使用者保持面14が傾いた配置にあるとき、腓腹部分36の上向き面UF1(腓腹部分36と大腿部分38の交差部から腓腹部分36の端まで)は第一の長さL1であり、腓腹部分36の下向き面DF1(腓腹部分36と大腿部分38の交差部から腓腹部分36の端まで)は、第二の長さL2であり、これは第一の長さL1よりも短い。
【0017】
カバー44は、異なる長さに対応する多数の方法で構成しうる。例証的な一つの実施態様において、座セクション40と頭および胴のセクション42の交差部など、カバー44の少なくとも一つの部分は、上半身保持セクションU1および下半身保持セクションLB1を覆うために必要な、材料の異なる長さに対応するように拡張/収縮するよう構成された材料を含む。別の例証的な実施態様において、腓腹部分36、大腿部分38、座部分40、頭および胴の部分42など、カバー44の部分は、上向き面UF1の各部分と、対応する下向き面DF1が異なる長さをもつように、互いに独立して大きさが決められる。別の例証的な実施態様において、各部分は、材料の異なる長さに対応するように伸びる弾性材料を介して互いに接続できる。
【0018】
別の例証的な実施態様において、カバー44の余分な材料は、例えば、マットレス14の曲げ点BP1で(すなわち、各部分が材料の異なる長さに対応するために互いに接続される部分で)、プリーツ加工、ギャザリング、または折り畳みにより寄せ集めることができる。意図された他の実施態様において、余分な材料を寄せ集めるために弾性ストラップ(非表示)が使用される。一つの実施例において、頭および胴の保持セクション42の交差部付近での下向き面DF1上の余分な材料(または腓腹部分36と大腿部分38の交差部付近での上向き面UF1の材料)は、マットレス14が実質的に平面の配置にあるときに寄せ集められ、マットレス14が実質的に平面の配置から傾いた配置に変わるときに拡張するよう構成しうる。意図されている一部の実施態様において、余分な材料は、使用者の膝の裏など、境界面の圧力が比較的小さい場所で寄せ集められる。
【0019】
また別の例証的な実施態様において、マットレス14の側面は、それらがすなわち溶接や縫い合わせにより互いに結合されたとき、図4〜6に示すとおり、傾いた配置にあるときにマットレス14の輪郭を模倣するように形成しうる。一つの実施例において、図4に示すとおり、腓腹部分36ならびに頭および胴の部分42は、一つの傾いたまたは斜めの端部で形成され、また大腿部分38および座部分40は、両端が傾いたもので形成される。意図されている一部の実施態様において、マットレス14の側面は、上向き面UF1または下向き面DF1の一部として形成される。
【0020】
マットレスコア46は、腓腹部分36、大腿部分38、ならびに頭および胴の部分42などのさまざまな部分が、基準面RP1とある角度をなすときに圧力の除去を最大にするような多数の方法で構成できる。非電動式のマットレスの例証的な一つの実施態様において、マットレスコア46は、マットレス14が中立状態にあるとき、マットレスコア46の頭および胴のセクション42が、基準面RP1に対して角度αをなし、また腓腹部分36および大腿部分38が基準面RP1に対してそれぞれ角度βおよびγをなすように成形された発泡体で構成される。意図されている一部の実施態様において、角度αは基準面RP1に対して約25°から約45°の間であり、角度βおよびγは基準面RP1に対して約10°から20°の間である。意図された他の実施態様において、マットレスコア46は、角度α、βおよびγの大きさが基準面RP1に対して0°より大きくなるように成形される。成形したマットレスコア46は、傾いた配置から実質的に平面の配置への移動にあたりマットレス14の部分を補助する逃げ加工RC1を含む。意図されている一部の実施態様において、逃げ加工RC1は、マットレスコア46の上向き面UF1および下向き面DF1のうち一方のみに位置し、マットレス14が傾いた配置から実質的に平面の配置に移動するとき、拡張/圧縮するよう構成される。意図されている一部の実施態様において、逃げ加工RC1は、上向き面UF1と下向き面DF1の両方に位置する。意図されている一部の実施態様において、マットレスコア46は、傾いた配置と実質的に平面の配置の間を移動するために引いたり押したりできる。
【0021】
非電動式のマットレスの例証的な別の実施態様において、マットレスコア46は、フレームFR1および複数の袋BL1を含む。フレームFR1は、比較的高いILD(例えば、約61のレーティング)を持つ発泡体から成る。フレームFR1は、フレームFR1のさまざまな部分、腓腹部分36、大腿部分38、座部分40、ならびに頭および胴の部分42が、マットレスコア46が傾いた配置にあるときに中立状態または静止状態になるように、使用者保持面14の曲げ点BP1で互いに連結されるように構成される。フレームFR1は保持を提供し、マットレス14の形状の維持に役立つ。例証的な一つの実施態様において、フレームFR1は、マットレス14のさまざまな部分を基準面RP1に対して角度α、βおよびγに維持するのに役立つ。フレームFR1には、袋BL1がその内部に位置している凹部分がある。例証的な一つの実施態様において、袋BL1は、使用者がマットレス14上に保持されているとき、袋BL1の列全体で空気圧が実質的に同じになるように袋BL1内の空気を再配分できるような、互いに流体連通した静止空気袋である。別の例証的な実施態様において、袋BL1は、流体供給源(非表示)から流体を受け取るよう構成しうる。
【0022】
電動式マットレス14の例証的な一つの実施態様において、マットレスコア46は、一般的に管状の複数の流体袋54を含み、その一部は実質的に丸い断面54aを持ち、また一部はくさび形の断面54bを持つ。意図されている一部の実施態様において、流体袋55bは楕円または卵形である。意図されている一部の実施態様において、流体袋54は、くさび様の輪郭を形成するために、大きめの袋(非表示)上に配置された少なくとも一つの小さめの袋(非表示)を持ちうる。意図された他の実施態様において、マットレスコア46はまた、流体袋54aおよび54bを保持するフレームFR1などの半剛体フレームを含む。両方のタイプの流体袋54aおよび54bが所定圧力まで完全に膨張したとき、頭および胴の部分42は、座部分40に対してある角度をなし、使用者保持面は中立状態または静止状態となる。流体袋54bが第二の所定圧力に収縮したとき、頭および胴の部分42は実質的に座セクション40と同一平面上にあり、また使用者保持面14は実質的に平面の配置となる。流体袋54bは、頭および胴の保持セクション42が座部分40と交差する場所など、さまざまなセクションが互いに交差する、マットレス14の曲げ点BP1付近に位置する。一部の実施態様において、小さめの直径の袋(非表示)は、曲げ点BP1の内側付近に位置し、大きめの直径の袋(非表示)は、曲げの外側付近に位置する。
【0023】
本開示のその他数多くの実施態様も想定される。例えば、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを含む使用者保持面は、第一の表面および第一の表面と間隔をおいた第二の表面を備える。第一の表面の第一の保持セクションは第一の長さであり、第二の表面の第一の保持セクションは第二の長さである。第二の長さは第一の長さよりも大きい。
【0024】
別の実施例において、使用者保持装置は、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを含むコアを備える。コアは、第一の保持セクションが、中立状態にある第二の保持セクションに対してある角度をなすように形成される。第一の保持セクションは、中立状態から、第一の保持セクションが実質的に第二の保持セクションと同一平面上にある第二の位置に移動するよう構成されている。
【0025】
別の実施例において、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを含む使用者保持面は、内室を画定するカバーおよび内室内に配置可能なコアを備える。コアは、第一の保持セクションが第一の位置にある第二の保持セクションに対して初期的にある角度をなすように形成される。第一の保持セクションは、第一の位置から、第一の保持セクションと第二の保持セクションが実質的に同一平面上にある第二の位置に移動するよう構成される。第一の保持セクションと第二の保持セクションの間の境界面は、第一の位置では中立状態で、第二の位置で圧縮状態にある。
【0026】
別の実施例において、使用者保持面は、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを備える。第一の保持セクションと第二の保持セクションは、第一の保持セクションが、第一の位置にある第二の保持セクションとある角度をなすように形成され、第一の位置から第二の位置へと移動するよう構成されており、ここで第一の保持セクションと第二の保持セクションは実質的に同一平面上にある。第一の保持セクションと第二の保持セクションの間の境界面は、第一の位置では中立状態で、第二の位置で圧縮状態にある。
【0027】
別の実施例において、使用者保持面は、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを備える。第一の保持セクションは、中立状態にある第二の保持セクションに対してある角度をなす。第一の保持セクションは、中立状態から、第一の保持セクションが実質的に第二の保持セクションと同一平面上にある第二の位置に移動するよう構成されている。
【0028】
別の実施例において、第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを含む使用者保持面は、第一の表面および第一の表面と間隔をおいた第二の表面を備える。第一の表面の第一の保持セクションは第一の長さであり、第二の表面の第一の保持セクションは第二の長さである。第二の長さは第一の長さよりも大きい。第一の保持セクションは、第一の保持セクションが第二の保持セクションに対してある角度をなし中立状態にある第一の位置から、第一の保持セクションが実質的に第二の保持セクションと同一平面上にある第二の位置へ移動可能である。
【0029】
本明細書に記載した一切の理論、動作メカニズム、証明、または所見は、本開示の原理の理解をさらに高めることを意図しており、いかなる方法でも本開示をそうした理論、動作メカニズム、実例となる実施態様、証明、または所見に依存するものとすることを意図していない。上記の説明において、好ましいという用語は、そのように記載した特徴がより望ましいことを示すが、それにもかかわらず、それが必要なわけではなく、その記載のない実施形態も本開示の範囲に入るものと意図されることが理解されるべきであり、その範囲は以下の請求項で定義される。
【0030】
請求項を読む際に、単数形(a,an)、「少なくとも一つ」、「少なくとも一部分」などの単語が使用されているとき、請求項にそれに反する内容が具体的に述べられていない限り、請求項を一つの項目だけに限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。「少なくとも一部分」および/または「一部分」という用語が使用されているとき、その項目には、これに反して具体的に記載のない限り、一部分および/または項目全体が含まれる。
【0031】
一部の施態様のみを表示し説明しており、本明細書、または下記の請求項のいずれかによりに定義したとおり、本開示の精神を逸脱しない、考えられるすべての変更、修正、態様、組み合わせ、原理、変形物、および等価物が保護されることが望ましいことが理解されるべきである。本開示の実施形態について、図面および上述の説明で詳細に図示・説明してきたが、これらは、実例となるものとして考慮されるべきであり、本発明を網羅するものではなく、本開示を開示した正確な形態に限定することを意図したものではない。追加的な変更、修正および変形物が、当業者にとって明白となりうる。また、発明の複数の態様や原理について提示してきたが、上記の各種の実施態様に照らすと、これらは組み合わせで利用する必要はなく、また発明の態様や原理のさまざまな組み合わせが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の保持セクションおよび第二の保持セクションを含む使用者保持面であって、
第一の表面と、
前記第一の表面と間隔をおいた第二の表面と、を備え、
前記第一の表面の前記第一の保持セクションは第一の長さであり、前期第二の表面の前記第一の保持セクションは第二の長さであり、前期第二の長さは前記第一の長さよりも長く、また前記第一の保持セクションは、前記第一の保持セクションが前記第二の保持セクションに対してある角度をなし中立状態にある第一の位置から、前記第一の保持セクションが実質的に前記第二の保持セクションと同一平面上にある第二の位置へ移動可能である、使用者保持面。
【請求項2】
前記第一の表面および前記第二の表面が連携してカバーを画定する、請求項1の使用者保持面。
【請求項3】
前記第一の保持セクションが前記第二の位置にあるとき、前記第二の表面の少なくとも一部分が圧縮状態にある、請求項1の使用者保持面。
【請求項4】
前記第一の保持セクションが前記第二の位置にあるとき、前記第二の表面の余分な長さが、前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションの交差部付近で寄せ集められる、請求項3の使用者保持面。
【請求項5】
余分な長さが、前記第二の表面と、前記第一の表面と前記第二の表面との間に延びる側面のうち少なくとも一つでの、少なくとも一つの折り目により寄せ集められる、請求項4の使用者保持面。
【請求項6】
前記第一の表面と前記第二の表面との間に延びる側面をさらに含み、前記側面の第一の保持セクションが、前記側面の前記第二の保持セクションの斜めの端部に結合するよう構成された斜めの端部を含む、請求項1の使用者保持面。
【請求項7】
前記側面の前記第一の保持セクションの斜めの端部が、前記側面の前記第二の保持セクションの斜めの端部と結合するとき、前記第一の保持セクションが、中立状態にある第二の保持セクションに対してある角度をなす、請求項6の使用者保持面。
【請求項8】
使用者保持面であって、
第一の保持セクションと、
第二の保持セクションと、を備え、
前記第一の保持セクションは、中立状態にある第二の保持セクションに対してある角度をなし、前記第一の保持セクションが、前記中立状態から、前記第一の保持セクションが実質的に前記第二の保持セクションと同一平面上にある第二の位置に移動するよう構成された使用者保持面。
【請求項9】
前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションのうち少なくとも一つの第一の部分の印象荷重によるたわみ特性が、前記第一の保持セクションおよび前記第二の保持セクションのうち少なくとも一つの第二の部分の印象荷重によるたわみ特性と異なる、請求項8の使用者保持面。
【請求項10】
前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションのうち少なくとも一つの中に位置する少なくとも一つの流体袋をさらに備え、前記流体袋が流体供給からの流体を受け取るよう構成された、請求項8の使用者保持面。
【請求項11】
前記少なくとも一つの流体袋が、前記第一の保持セクションが前記中立状態にあるときに第一の圧力となり、前記第一の保持セクションが前記第二の位置に移動したとき、第二の圧力となるよう構成された、請求項10の使用者保持面。
【請求項12】
少なくとも一つの流体袋が実質的に楕円の断面を持ち、前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションの交差点付近に位置する、請求項11の使用者保持面。
【請求項13】
第三の保持セクションをさらに備え、前記第二の保持セクションが前記第一の保持セクションと前記第三の保持セクションとの間に結合され、前記第一の保持セクションが使用者の上半身を保持するよう構成され、また前記第三の保持セクションが前記使用者の下肢を保持するよう構成された、請求項8の使用者保持面。
【請求項14】
前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションが、前記第一の保持セクションが前記中立状態にある前記第二の保持セクションに対してある角度をなすよう成形された単一層の発泡体から成る、請求項8の使用者保持面。
【請求項15】
前記第一の保持セクションが前記中立状態にある前記第二の保持セクションに対して15°よりも大きい角度をなす、請求項9の使用者保持面。
【請求項16】
使用者保持面であって、
第一の保持セクションと、
第二の保持セクションと、を備え、
前記第一の保持セクションが、第一の位置にある前記第二の保持セクションとある角度をなし、また前記第一の位置から、前記第一の保持セクションと第二の保持セクションが実質的に同一平面上にある第二の位置へと移動するよう構成されるように、前記第一の保持セクションおよび前記第二の保持セクションが形成され、前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションの間の境界面が、前記第一の位置で中立状態にあり、前記第二の位置で圧縮状態にある、使用者保持面。
【請求項17】
前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションのうち少なくとも一つが発泡体から成り、前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションの交差部付近に少なくとも一つの逃げ加工を含む、請求項16の使用者保持面。
【請求項18】
前記第一の保持セクションが、前記第一の位置にある前記第二の保持セクションに対して、約30°から約45°の間の角度をなす、請求項16の使用者保持面。
【請求項19】
前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションのうち少なくとも一つが、凹部分と前記凹部分内にある複数の袋とを含む発泡体フレームを含む、請求項16の使用者保持面。
【請求項20】
前記第一の保持セクションと前記第二の保持セクションのうち少なくとも一つが、流体供給源からの流体を受け取るよう構成された少なくとも一つの流体袋を含む、請求項16の使用者保持面。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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