説明

供給装置

【課題】物品を目標となる箇所に正確に供給できる供給装置を提供する。
【解決手段】供給装置10は、スティック型を呈するアイスクリーム等の冷菓を製造するバイターラインで使用される。この供給装置10は、複数の冷菓を収容する収容部34と、複数の冷菓を連続的に搬送するバケットコンベアのバケットの上方に収容部を近接・離反するように往復移動させる配置ユニット11と、バケットに近接した収容部をバケットコンベアの流れ方向に移動させる流れ移動ユニット12と、流れ移動ユニットによってバケットの上方を移動中の収容部からバケットに向けて落下させる落下ユニット13と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を供給する供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スティック型を呈するアイスクリーム等の冷菓を製造するバイターラインは、大別して、冷菓をモールドで成型する工程と、成型された冷菓を複数のバケットからなるバケットコンベアで搬送する工程と、搬送された冷菓を包装機で包装する工程と、等を備えている。成型された冷菓のバケットへの供給は、供給口を開閉するシャッタを備える供給装置によって行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
供給装置は、受入口から受け入れた複数の冷菓を間仕切りで仕切って収容する容器と、この容器に形成された供給口を開閉するシャッタと、容器を水平軸回りに旋回させる旋回ユニットと、を備えている。この供給装置によれば、供給口をシャッタで閉鎖した状態の容器に対して複数の冷菓を受け入れさせるステップと、容器を旋回させて複数の冷菓をバケットコンベアの上方に配置させるステップと、シャッタを開放して供給口から複数の冷菓をバケットに向けて落下させるステップと、を経ることで、複数の冷菓を一度にまとめてバケットに供給できる。シャッタの開放は、走行するバケットに応じたタイミングで行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平06−020346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなバイターラインにおいて、冷菓の製造能力を高めるために、バケットのスピードをアップさせたり、バケット同士の間隔を狭めたりすることが試みられる。しかしながら、バケットのスピードをアップさせたり、バケット同士の間隔を狭めたりした場合、冷菓が目標となるバケットに正確に供給できないおそれがある。このような問題は、冷菓をバケットに供給する上記供給装置に限られず、その他の食品や日用品等の各種物品を、目標となる箇所に供給する供給装置に共通して存在する。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、物品を目標となる箇所に正確に供給できる供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、複数の物品を収容する収容部と、複数の物品を連続的に搬送する搬送装置の搬送面の上方に前記収容部を近接・離反するように往復移動させる配置ユニットと、前記搬送面に近接した前記収容部を前記搬送装置の流れ方向に移動させる流れ移動ユニットと、前記流れ移動ユニットによって前記搬送面の上方を移動中の前記収容部から前記搬送面に向けて前記物品を落下させる落下ユニットと、を備えることを特徴とする、供給装置である。
【0008】
本発明によれば、搬送装置の搬送面の上方に配置させた複数の物品を、搬送装置の流れ方向に移動させながら搬送面に向けて落下させるから、搬送面と、落下させる前の物品と、の流れ方向における相対速度をなくしたり小さくしたりできる。これにより、搬送面のスピードをアップさせたり、搬送面となるバケット同士の間隔を狭めたりした場合であっても、物品を目標となる箇所に正確に供給できる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記搬送装置は、搬送速度の変更が可能であり、前記流れ移動ユニットは、前記搬送装置に同期して動作することを特徴とする、上記(1)に記載の供給装置である。
【0010】
(3)本発明はまた、前記流れ移動ユニットは、前記収容部を流れ方向に移動させる収容部移動機構を備え、前記配置ユニットは、前記流れ移動ユニットを昇降させる昇降機構と、前記昇降機構に連動して前記流れ移動ユニットを自転させる自転機構と、を備えることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の供給装置である。
【0011】
上記発明によれば、配置ユニットとして、流れ移動ユニットを昇降させる昇降機構を備えるから、配置ユニットとして、流れ移動ユニットを水平軸回りに旋回させる旋回ユニットを備える従来の場合と比較して、移動する範囲が小さく、狭いスペースで動作できる。
【0012】
また、旋回ユニットを備える従来の場合に物品に生じていた遠心力をなくしたり小さくしたりできる。これにより、搬送面の上方に物品を配置するステップと、搬送面の上方に配置させた物品を、流れ方向に移動させながら搬送面に向けて落下させるステップと、を連続して行わせた場合であっても、物品が遠心力による影響を受けることはなく、物品を目標となる箇所に正確に供給できる。すなわち、時間間隔を空けずに各ステップを連続して行わせることができ、物品の供給能力を高められる。
【0013】
(4)本発明はまた、前記自転機構としてリンク機構を備えることを特徴とする、上記(3)に記載の供給装置である。
【0014】
上記発明によれば、簡単な構成で自転機構を実現できる。
【0015】
(5)本発明はまた、前記収容部移動機構は、軸回転することで前記収容部を流れ方向に移動させる送りネジと、前記リンク機構内に配置され、前記送りネジに動力を伝達する動力伝達機構と、を備えることを特徴とする、上記(4)に記載の供給装置である。
【0016】
上記発明によれば、特別な部品を設けずに、動力伝達機構をスペース効率よく配置できる。
【0017】
(6)本発明はまた、前記動力伝達機構として、プーリとベルトと、または、スプロケットとチェーンと、を備えることを特徴とする、上記(5)に記載の供給装置である。
【0018】
(7)本発明はまた、前記落下ユニットは、前記収容部に形成された供給口を開閉するシャッタを備えることを特徴とする、上記(3)〜(6)のいずれかに記載の供給装置である。
【0019】
(8)本発明はまた、冷菓を製造するバイターラインで使用されることを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の供給装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の上記(1)〜(8)に記載の供給装置によれば、物品を目標となる箇所に正確に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る供給装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す供給装置の分解斜視図である。
【図3】図1に示す配置ユニットの動作手順を説明する図であり、(A)は収容部を昇降機構の上死点に位置させた状態を示し、(B)は(A)に示す状態から収容部を昇降機構の下死点に移動させた状態を示す。
【図4】図1に示す供給装置の動作手順を説明する図であり、(A)は収容部を昇降機構の上死点に位置させた状態を示し、(B)は(A)に示す状態から収容部を昇降機構の下死点に移動させた状態を示す。
【図5】図1に示す供給装置の動作手順を説明する図であり、(A)は図4(B)に示す状態から収容部をバケットコンベアの上流側に移動させた状態を示し、(B)は(A)に示す状態から収容部をバケットコンベアの下流側に移動させながらシャッタを開放させた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る供給装置について詳細に説明する。
【0023】
まず、図1〜図3を用いて供給装置10の構成について説明する。図1は、供給装置10の外観斜視図である。図2は、供給装置10の分解斜視図である。図3は、配置ユニット11の動作手順を説明する図であり、(A)は収容部34を昇降機構16の上死点に位置させた状態を示し、(B)は(A)に示す状態から収容部34を昇降機構16の下死点に移動させた状態を示す。なお、各図において、図面の簡略化のため、一部の構成要件の図示を適宜省略する。また、以下において、各方向は、特に説明がない限り、供給装置10を基準とする。ただし、流れ方向は、バケットコンベア60(図4および図5参照)を基準とする。
【0024】
図1〜図3に示す供給装置10は、スティック型を呈するアイスクリーム等の冷菓XA1(図4および図5参照)を製造するバイターライン1(図4および図5参照)で使用される。バイターライン1は、冷菓XA1をモールド(図示省略)で成型する工程と、成型された冷菓XA1を複数のバケット61(図4および図5参照)からなるバケットコンベア60(図4および図5参照)等の搬送装置で搬送する工程と、搬送された冷菓XA1を包装機(図示省略)で包装する工程と、等を備えている。なお、バケットコンベア60は、バケット61による搬送速度を変更することが可能となっている。
【0025】
このようなバイターライン1(図4および図5参照)において、供給装置10は、成型された冷菓XA1をバケット61に供給する。なお、本実施形態では、バイターライン1において供給装置10が冷菓XA1をバケット61に供給する場合を例に説明するが、供給装置10は、その他の食品や日用品等の各種物品を、目標となる箇所に供給する場合に使用できる。
【0026】
供給装置10は、複数の冷菓XA1(図4および図5参照)を連続的に搬送するバケットコンベア60(図4および図5参照)の搬送面となるバケット61(図4および図5参照)の上方に、複数の冷菓XA1を収容する収容部34を近接・離反するように往復移動させ、モールド(図示省略)で成型された複数の冷菓XA1を流れ方向に沿うように配置する配置ユニット11と、バケット61に近接した収容部34をバケットコンベア60の流れ方向に移動させる流れ移動ユニット12と、この流れ移動ユニット12によってバケット61の上方を移動中の収容部34からバケット61に向けて複数の冷菓XA1を落下させる落下ユニット13と、配置ユニット11、流れ移動ユニット12、および落下ユニット13の動作を制御する制御ユニット14と、等を備えている。以下、供給装置10の各構成要件を説明する。ただし、各構成要件の強度を補強する支柱やプレート等の部材については、説明および図示を省略する。
【0027】
(配置ユニット)配置ユニット11は、流れ移動ユニット12を昇降させる昇降機構16と、この昇降機構16に連動して流れ移動ユニット12を水平軸回りに自転させる自転機構17と、を備えている。
【0028】
昇降機構16は、流れ移動ユニット12の両脇に配置された一対の筐体18と、これら一対の筐体18の互いに向かい合う面に形成された縦長のスリット18aからそれぞれ突出し、流れ移動ユニット12を両側から昇降可能にかつ水平軸回りに回動可能に支持する一対の昇降・回動部19と、これら一対の昇降・回動部19の動力源となるモータ20と、このモータ20の回転動力を一対の昇降・回動部19に伝達する動力伝達機構21と、を備えている。
【0029】
一対の筐体18は、縦長の箱型を呈している。これら一対の筐体18は、一対の昇降・回動部19および動力伝達機構21の一部を収容する。
【0030】
一対の昇降・回動部19は、動力伝達機構21によって伝達されたモータ20の回転動力によって、一体となって昇降する。
【0031】
モータ20は、制御ユニット14等を収容する筐体58内に配置されている。このモータ20は、制御ユニット14からの信号に基づいて、電源(図示省略)から供給される電力を回転動力に変換する。
【0032】
動力伝達機構21は、筐体58から側方に突出して、筐体58と対をなす筐体59に架け渡されたモータ20の回転軸22と、筐体58内および筐体59内においてモータ20の回転軸22に取り付けられた一対のプーリ23と、各プーリ23に引っ掛けられると共に筐体58,59外に引き出された一対の連結ベルト24と、各連結ベルト24が引っ掛けられた一対のプーリ25と、一対の筐体18の互いに向かい合う面の下方から側方に突出し、各プーリ25が取り付けられた一対の回転軸26と、各筐体18内の下方において各回転軸26に取り付けられた一対のプーリ27と、各筐体18内において各プーリ27に引っ掛けられると共に、各昇降・回動部19が取り付けられた一対の昇降ベルト28と、各筐体18内の上方において各昇降ベルト28が引っ掛けられた一対のプーリ29と、各プーリ29が取り付けられた一対の回転軸30と、を備えている。
【0033】
この動力伝達機構21は、モータ20の回転動力を、回転軸22→一対のプーリ23→一対の連結ベルト24→一対のプーリ25→一対の回転軸26→一対のプーリ27→一対の昇降ベルト28→一対の昇降・回動部19の順に伝達する。
【0034】
自転機構17は、リンク機構の一種である往復すべりこクランク機構(往復クランク機構ともいう。)を採用している。この自転機構17は、流れ移動ユニット12の背面にそれぞれの先端が固定された一対の箱型アーム32と、先端が各箱型アーム32の基端に対して水平軸回りに回転可能に取り付けられると共に、基端が各筐体58,59に対して水平軸回りに回転可能に取り付けられた一対の箱型アーム33と、を備えている。
【0035】
一対の昇降・回動部19が、昇降機構16における上死点から下死点に下降して流れ移動ユニット12が下降する場合(図3(A)→図3(B)参照)、一対の箱型アーム33は、基端を中心に背面側に回転して先端が背面側下方に移動する。一対の箱型アーム32は、基端が各箱型アーム33の先端と共に背面側下方に移動すると共に、基端を中心に正面側に回転し、流れ移動ユニット12を一対の昇降・回動部19を中心に自転させる。
【0036】
一対の昇降・回動部19が、昇降機構16における下死点から上死点に上昇して流れ移動ユニット12が上昇する場合(図3(B)→図3(A)参照)、一対の箱型アーム33は、基端を中心に正面側に回転して先端が正面側上方に移動する。一対の箱型アーム32は、基端が各箱型アーム33の先端と共に正面側上方に移動すると共に、基端を中心に背面側に回転し、流れ移動ユニット12を一対の昇降・回動部19を中心に自転させる。
【0037】
(流れ移動ユニット)流れ移動ユニット12は、複数の冷菓XA1を収容する収容部34と、この収容部34を流れ方向に移動させる収容部移動機構35と、を備えている。この流れ移動ユニット12は、バケットコンベア60に同期して動作する。
【0038】
収容部34は、昇降機構16の上死点に位置する時の姿勢で上方側および正面側(図1参照)、すなわち下死点に位置する時の姿勢で正面側および下方側が開口した箱型を呈している。収容部34において、昇降機構16の上死点に位置する時の姿勢で上方側、すなわち下死点に位置する時の姿勢で正面側は、冷菓XA1を受け入れる受入口34aとして機能する。収容部34において、昇降機構16の上死点に位置する時の姿勢で正面側、すなわち下死点に位置する時の姿勢で下方側は、バケットコンベア60(図4および図5参照)に向けて冷菓XA1を供給する供給口34bとして機能する。この収容部34は、複数の仕切り34cを有し、複数の冷菓XA1を個別に収容する複数の区画34dに仕切られている。
【0039】
各区画34dには、収容部34が昇降機構16の上死点に位置する時に、受入口34aから冷菓XA1が受け入れられる。各区画34dからは、収容部34が昇降機構16の下死点に位置する時に、供給口34bからバケットコンベア60(図4および図5参照)に向けて冷菓XA1が供給される。
【0040】
収容部移動機構35は、収容部34等が固定されるプレート36と、軸回転することでプレート36ごと収容部34を流れ方向に移動させる送りネジ37と、この送りネジ37に並設する一対のガイド軸38と、これら一対のガイド軸38の両端を、一対の昇降・回動部19に回動可能に取り付ける一対の取付け部39と、送りネジ37の動力源となるモータ40と、このモータ40の回転動力を送りネジ37に伝達する動力伝達機構41と、を備えている。
【0041】
プレート36は、送りネジ37および一対のガイド軸38の正面側に配置されている。このプレート36には、収容部34および落下ユニット13が固定されている。
【0042】
送りネジ37は、ネジ軸37aと複数のナット37bとから構成されている。ネジ軸37aの両端は、一対の取付け部39に固定されている。複数のナット37bは、プレート36に固定されている。ガイド軸38は、流れ方向に移動するプレート36をガイドする。
【0043】
モータ40は、制御ユニット14等が収容される筐体58内に配置されている。このモータ40は、制御ユニット14からの信号に基づいて、電源(図示省略)から供給される電力を回転動力に変換する。
【0044】
動力伝達機構41は、筐体58から側方に突出して、筐体58と対をなす筐体59に架け渡されたモータ40の回転軸42と、筐体58内および筐体59内においてモータ40の回転軸42に取り付けられた一対のプーリ43と、各プーリ43に引っ掛けられた一対の連結ベルト44と、各プーリ43の上方において各連結ベルト44が引っ掛けられた一対のプーリ45と、各プーリ45が取り付けられると共に、各筐体58,59に各箱型アーム33を回転可能に取り付ける一対の回転軸46と、各箱型アーム33内において各回転軸46に取り付けられた一対のプーリ47と、各プーリ47に引っ掛けられた一対の連結ベルト48と、各箱型アーム33の先端側において各連結ベルト48が引っ掛けられた一対のプーリ49と、各プーリ49が取り付けられると共に、各箱型アーム33に各箱型アーム32を回転可能に取り付ける一対の回転軸50と、各箱型アーム32内において各回転軸50に取り付けられた一対のプーリ51と、各プーリ51に引っ掛けられた一対の連結ベルト52と、各箱型アーム32の先端側において各連結ベルト52が引っ掛けられると共に、ネジ軸37aの両端に取り付けられた一対のプーリ53と、を備えている。
【0045】
この動力伝達機構41は、モータ40の回転動力を、回転軸42→プーリ43→連結ベルト44→プーリ45→回転軸46→プーリ47→連結ベルト48→プーリ49→回転軸50→プーリ51→連結ベルト52→プーリ53→ネジ軸37aの順に伝達する。なお、動力伝達機構41における一部の構成要件は、自転機構17を構成する箱型アーム32,33内に配置されている。
【0046】
(落下ユニット)落下ユニット13は、収容部34に形成された供給口34bを開閉するシャッタ55と、このシャッタ55を駆動するエアシリンダ56と、を備えている。エアシリンダ56は、制御ユニット14からの信号に基づいて、圧縮空気のエネルギを往復動力に変換する。
【0047】
(制御ユニット)制御ユニット14は、筐体58内に配置されている。この制御ユニット14は、CPU(図示省略)等を備えている。このCPUは、供給装置10の各部を統括的に制御する。
【0048】
次に、供給装置10の動作手順について、図4および図5に基づいて説明する。図4は、供給装置10の動作手順を説明する図であり、(A)は収容部34を昇降機構16の上死点に位置させた状態を示し、(B)は(A)に示す状態から収容部34を昇降機構16の下死点に移動させた状態を示す。図5は、供給装置10の動作手順を説明する図であり、(A)は図4(B)に示す状態から収容部34をバケットコンベア60の上流側に移動させた状態を示し、(B)は(A)に示す状態から収容部34をバケットコンベア60の下流側に移動させながらシャッタ55を開放させた状態を示す。
【0049】
まず、図4(A)に示すように、昇降機構16の上死点において、上方を向いた受入口34aから収容部34に冷菓XA1を受け入れる。
【0050】
そして、図4(B)に示すように、収容部34、すなわち冷菓XA1の姿勢を変えながら、冷菓XA1を昇降機構16の上死点から下死点に移動させる。
【0051】
また、図5(A)に示すように、収容部34、すなわち冷菓XA1をバケットコンベア60の上流側に移動させる。なお、冷菓XA1を昇降機構16の上死点から下死点に移動させると同時に、冷菓XA1をバケットコンベア60の上流側に移動させてもよい。
【0052】
さらに、図5(B)に示すように、収容部34、すなわち冷菓XA1をバケットコンベア60の下流側に移動させながら、シャッタ55を開放させて複数の冷菓XA1を一度にバケット61に供給する。
【0053】
なお、冷菓XA1をバケット61に供給してから、収容部34を昇降機構16の下死点から上死点に移動させる場合、上死点に移動させた後に、または、上死点に移動させると同時に、収容部34をバケットコンベア60の上流側の位置、すなわち図4(A)に示す位置に移動させる。
【0054】
このように、供給装置10によれば、バケット61の上方に配置させた複数の冷菓XA1を、バケットコンベア60の流れ方向に移動させながらバケット61に向けて落下させるから、バケット61と、落下させる前の冷菓XA1と、の流れ方向における相対速度をなくしたり小さくしたりできる。これにより、バケット61のスピードをアップさせたり、バケット61同士の間隔を狭めたりした場合であっても、冷菓XA1を目標となる箇所に正確に供給できる。
【0055】
また、配置ユニット11として、流れ移動ユニット12を昇降させる昇降機構16を備えるから、配置ユニットとして、流れ移動ユニットを水平軸回りに旋回させる旋回ユニットを備える従来の場合と比較して、移動する範囲が小さく、狭いスペースで動作できる。
【0056】
さらに、旋回ユニットを備える従来の場合に冷菓XA1に生じていた遠心力をなくしたり小さくしたりできる。これにより、バケットコンベア60の上方に冷菓XA1を配置するステップと、バケットコンベア60の上方に配置させた冷菓XA1を、流れ方向に移動させながらバケットコンベア60に向けて落下させるステップと、を連続して行わせた場合であっても、冷菓XA1が遠心力による影響を受けることはなく、冷菓XA1を目標となる箇所に正確に供給できる。すなわち、時間間隔を空けずに各ステップを連続して行わせることができ、冷菓XA1の供給能力を高められる。
【0057】
そして、自転機構17として、リンク機構の一種である往復すべりこクランク機構を採用しているから、簡単な構成で自転機構17を実現できる。
【0058】
ついで、収容部移動機構35が、軸回転することで収容部34を流れ方向に移動させる送りネジ37と、自転機構17を構成する箱型アーム32,33内に配置され、送りネジ37を軸回転させる動力伝達機構41と、を備えているから、特別な部品を設けずに、動力伝達機構41をスペース効率よく配置できる。
【0059】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0060】
すなわち、上記実施形態において、流れ移動ユニット12として、直動ガイド構造のものやリニアモータを採用したものを用いてもよい。
【0061】
あるいは、上記実施形態において、落下ユニット13として、把持式のものや吸着式のものを用いて物品を搬送面に向けて落下、もしくは載置するようにしてもよい。
【0062】
あるいは、上記実施形態において、動力伝達機構21,41を構成するプーリおよびベルトを、スプロケットおよびチェーンに変更してもよい。
【0063】
あるいは、上記実施形態において、各構成要素の数量、形状、大きさは適宜変更できる。例えば、収容部34における区画34dの数量が挙げられる。
【0064】
あるいは、上記実施形態において、冷菓XA1の供給先となる搬送装置として、バケットコンベア60を採用することに限定されず、フィンガーコンベア、サイドフィンガーコンベア、もしくはバーコンベア等、複数の冷菓XA1を個別に仕切って搬送する搬送装置を採用できる。フィンガーコンベアの詳細は、実開昭58−007720号公報の図2等を参照されたい。サイドフィンガーコンベアの詳細は、特開2001−010605号公報の図3等を参照されたい。バーコンベアの詳細は、実開昭63−123403号公報の図1等を参照されたい。
【符号の説明】
【0065】
1 バイターライン
10 供給装置
11 配置ユニット
12 流れ移動ユニット
13 落下ユニット
14 制御ユニット
16 昇降機構
17 自転機構
18 筐体
18a スリット
19 昇降・回動部
20 モータ
21 動力伝達機構
22 回転軸
23 プーリ
24 連結ベルト
25 プーリ
26 回転軸
27 プーリ
28 昇降ベルト
29 プーリ
30 回転軸
32 箱型アーム
33 箱型アーム
34 収容部
34a 受入口
34b 供給口
34c 仕切り
34d 区画
35 収容部移動機構
36 プレート
37 送りネジ
37a ネジ軸
37b ナット
38 ガイド軸
39 取付け部
40 モータ
41 動力伝達機構
42 回転軸
43 プーリ
44 連結ベルト
45 プーリ
46 回転軸
47 プーリ
48 連結ベルト
49 プーリ
50 回転軸
51 プーリ
52 連結ベルト
53 プーリ
55 シャッタ
56 エアシリンダ
58 筐体
59 筐体
60 バケットコンベア
61 バケット
XA1 冷菓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を収容する収容部と、
複数の物品を連続的に搬送する搬送装置の搬送面の上方に前記収容部を近接・離反するように往復移動させる配置ユニットと、
前記搬送面に近接した前記収容部を前記搬送装置の流れ方向に移動させる流れ移動ユニットと、
前記流れ移動ユニットによって前記搬送面の上方を移動中の前記収容部から前記搬送面に向けて前記物品を落下させる落下ユニットと、を備えることを特徴とする、
供給装置。
【請求項2】
前記搬送装置は、搬送速度の変更が可能であり、
前記流れ移動ユニットは、前記搬送装置に同期して動作することを特徴とする、
請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記流れ移動ユニットは、前記収容部を流れ方向に移動させる収容部移動機構を備え、
前記配置ユニットは、前記流れ移動ユニットを昇降させる昇降機構と、前記昇降機構に連動して前記流れ移動ユニットを自転させる自転機構と、を備えることを特徴とする、
請求項1または2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記自転機構としてリンク機構を備えることを特徴とする、
請求項3に記載の供給装置。
【請求項5】
前記収容部移動機構は、軸回転することで前記収容部を流れ方向に移動させる送りネジと、前記リンク機構内に配置され、前記送りネジに動力を伝達する動力伝達機構と、を備えることを特徴とする、
請求項4に記載の供給装置。
【請求項6】
前記動力伝達機構として、プーリとベルトと、または、スプロケットとチェーンと、を備えることを特徴とする、
請求項5に記載の供給装置。
【請求項7】
前記落下ユニットは、前記収容部に形成された供給口を開閉するシャッタを備えることを特徴とする、
請求項3〜6のいずれかに記載の供給装置。
【請求項8】
冷菓を製造するバイターラインで使用されることを特徴とする、
請求項1〜7のいずれかに記載の供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−187052(P2012−187052A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53648(P2011−53648)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】