説明

価値媒体処理装置

【課題】
本発明の第1の目的は、コインの真偽判別及びICカードに対する読込及び/又は書込処理ができる小型の価値媒体処理装置を提供することである。
【解決手段】
投入口に投入したコインをコイン通路を転動させて真偽判別をするとともに、返却手段により当該コイン通路におけるコインを返却口へ返却するようにした価値媒体処理装置において、前記コインのためのコイン投入口とICカードのためのICカード投入口の少なくとも一部を共通にした共通投入口、前記共通投入口に続いて直線的に形成された前記ICカードのためのICカード通路、前記共通投入口に続いて前記ICカード通路の下方において下向きに傾斜するコイン通路、前記ICカード通路に近接して配置したICカードのための読込書込装置、 前記コイン通路に近接配置したコインの真偽判別のための判別装置、を備えた価値媒体処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインの真偽を判別し、及び、カード形電気的価値情報記憶媒体の価値情報を読み込み、若しくは書き込みできる価値媒体処理装置に関する。
本発明は、さらに、コインとカード形電気的価値情報記憶媒体を少なくとも一部が共通する投入口に投入する価値媒体処理装置に関する。
さらには、コイン及びICカードが使用できる小型の価値媒体処理装置に関する。
なお、本発明に係る価値媒体処理装置は、コイン式ゲーム機や自動販売機等に使用可能である。
本明細書において、コインとは、通貨としての硬貨、ゲーム機のメダルおよびトークン等の総称であり、ICカードとは、カード形電気的価値情報記憶媒体をいう。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、ICコインと硬貨のいずれも投入可能な縦スリット状の共通投入口の背後に当該投入口と同幅の縦長行路を設け、当該縦長行路の底面にはその幅方向中央部において硬貨のみを収めうる幅の相対的高勾配なくだり斜面の硬貨用通路を形成してその先に硬貨のみ落下する幅のスリット状硬貨受入口を設けると共に、該硬貨用通路の両端脇においてはより低勾配な下り斜面の路肩を形成し、該スリット状硬貨受入口より先に先方にICコイン受け入れ部を設けた種分け機構知られている(例えば、特許文献1参照。)。
第2の従来技術として、ほぼ直立するベースプレートの上部に硬貨口を設け、前記硬貨口の下方に硬貨返却口を配置した硬貨選別装置において、前記ベースプレートの上部に対応して上向き傾斜面を形成し、前記上向き傾斜面に硬貨投入口を配置すると共に前記硬貨投入口の周りの前記上向き傾斜面の下位に通信用のアンテナを配置し、かつ、前記上向き斜面にアンテナ標示をしたことを特徴とするスマートカード課金機能を備える硬貨選別装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006-189986(図1−図3、2頁―4頁)
【特許文献2】特開2005-25404(図2−4、2頁―4頁)
【0004】
第1の従来技術は、コインとICコインとを同一の投入口に投入でき、顧客が投入口を間違えない利点がある。
しかし、第1の従来技術における電気的価値記憶媒体はコイン形であるため、一般に普及しているカード形電気的価値記憶媒体であるICカードは使用することができない問題がある。
第2の従来技術においては、記憶価値がゼロになったICカードを回収することができず、使用済みICカードを不正に利用される恐れがある問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、コインの真偽判別及びICカードに対する読込及び/又は書込処理ができる小型の価値媒体処理装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、コインの真偽判別及びICカードに対する読込及び/又は書込処理ができる価値媒体処理装置における読込及び/又は書込処理を確実行うことができる価値媒体処理装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、コインの真偽判別及びICカードの読込及び/又は書込が可能であって、不正が困難な小型の価値媒体処理装置を提供することである。
本発明の第4の目的は、コインの真偽判別及びICカードの読込及び/又は書込が可能であって、かつ、ICカードの回収が可能な小型の価値媒体処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明にかかる価値媒体処理装置は以下のように構成される。
投入口に投入したコインをコイン通路を転動させて真偽判別をするとともに、返却手段により当該コイン通路におけるコインを返却口へ返却するようにした価値媒体処理装置において、
前記コインのためのコイン投入口とICカード(IC)のためのICカード投入口の少なくとも一部を共通にした共通投入口、前記ICカード投入口に続いて直線的に形成された前記ICカードのためのICカード通路、前記コイン投入口に続いて前記ICカード通路の下方において下向きに傾斜するコイン通路、前記ICカード通路に近接して配置したICカードのための読込書込装置、前記コイン通路に近接配置したコインの真偽判別のための判別装置、を備えた価値媒体処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の価値媒体処理装置において、前記ICカード通路にICカードの進行によって移動される接触片を設け、前記接触片の位置を前記ICカード通路の外で接触片検知手段によって検知することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の価値媒体処理装置において、被動体検知手段のICカードの検知に基づいて前記返却手段を不作動にする返却不作動手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の価値媒体処理装置において、前記ICカード通路にICカードを前記投入口から引き入れる搬送手段を配置し、前記搬送手段の直ぐ下流に弾出手段を配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2の価値媒体処理装置において、前記接触片は前記ICカード通路に突出するよう弾性的に付勢され、ICカードの戻り動時にストッパになることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項2の価値媒体処理装置において、前記ICカード投入口へのICカードの投入に連動して前記コイン投入口へのコインの投入を阻止するコイン投入阻止手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この構成において、コイン及びICカードの投入口の少なくとも一部を共通とした共通投入口に投入されたコインは、カード通路の下方に配置されたコイン通路を転動する途上で判別手段により判別される。
もし、コイン通路においてコインがジャムした場合、当該コインは顧客が返却手段を操作することによりコイン通路の一部を開放することにより、当該コイン通路から排除されて返却され、返却口へ戻される。
ICカードがICカード投入口に投入された場合、ICカードの位置が所定の条件を備えることにより、読込書込装置よって少なくともICカードの記憶情報が読み込まれ、所定の処理が行われる。
ICカード投入口は、コイン投入口と少なくとも一部共通であるため、投入口の設置範囲を狭くできる。
また、コインはコイン投入口に投入された後の所定の間、ICカードと共通のコイン通路を移動する。
換言すれば、ICカードとコインとは一部において、共通投入口及び共通通路を用いることから、重複部分について価値媒体処理装置を小型化できる利点がある。
【0013】
請求項2の発明において、ICカード投入口にICカードが投入され、ICカード通路の所定の位置に達すると接触片に接触し、機械的に移動させる。
この接触片の移動がICカード通路から外れて配置されている接触片検知手段によって検知される。
この検知に基づいて、読込書込装置が作動され、ICカードの記憶チップと通信し、所定の処理を行う。
これにより、接触片検知手段はICカード通路の外に配置されるので、共通投入口から挿入した不正器具によってアクセスされ難く、誤検知を生じさせられる恐れが少ない利点がある。
【0014】
請求項3の発明において、検知手段がICカード通路におけるICカートの存在を検知した場合、換言すれば、読込書込装置によってICカードが読込書込可能な場合、コインの返却手段が不作動にされる。
換言すれば、コインをコイン通路から落下させる返却カバが移動されない。
ICカード通路は一側を返却カバにより構成されているので、返却カバが移動されないことにより、ICカードの位置が安定し、読込書込エラを生じることがない利点を有する。
【0015】
請求項4の発明において、回収指令に基づいてカード通路に位置するICカードは、搬送手段によってICカード通路においてICカード投入口から遠ざかる方向に移動される。
ICカードの後端が搬送手段を外れると搬送手段によっては移動されず、ICカード通路に残留することがある。
弾出手段は搬送手段を外れたICカードの後端をICカード通路の外へ弾き出す。
これにより、ICカードはICカード通路から弾き出され、回収通路へ落下させられる。
ICカードがICカード通路に残留せず、自重により自然落下させるためには、ICカード通路を大きくせねばならないが、弾出手段により弾き出すことにより、ICコイン通路を大型化せずにICコイン通路から排除できるので、価値媒体処理装置を小型化できる利点がある。
【0016】
請求項5の発明において、被動体は回収のためにICカードが搬送手段により引き込まれ、ICカードの後端が接触片を通過した場合、接触片は弾性的にICカード通路に進出する。
この接触片の進出により、ICカードを引き戻そうとしても接触片により邪魔されて引き戻すことができない。
これにより、効用を終えたICカードが再利用される不正を防止することができる。
【0017】
請求項6の発明において、ICカードがICカード通路の所定位置に存在することを検知手段が検知した場合、コイン投入阻止手段がコイン投入口へのコイン投入を阻止する。
これにより、判別手段はコインを判別しない。
換言すれば、ICカードに記憶されている価値情報のみを処理する。
さらに換言すれば、ICカードの価値情報及びコインの両方から二重課金しない利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の最良の形態は、投入口に投入したコインをコイン通路を転動させて真偽判別をするとともに、返却手段により当該コイン通路におけるコインを返却口へ返却するようにした価値媒体処理装置において、前記コインのためのコイン投入口とICカードのためのICカード投入口の少なくとも一部を共通にした共通投入口、前記共通投入口に続いて直線的に形成された前記ICカードのためのICカード通路、前記共通投入口に続いて前記ICカード通路の下方において下向きに傾斜するコイン通路、前記ICカード通路に近接して配置したICカードのための読込書込装置、前記コイン通路に近接配置したコインの真偽判別のための判別装置、前記ICカード通路に位置するICカードの進行によって移動される被動体、前記被動体の位置をICカード通路の外で検知する被動体検知手段、検知手段のICカードの検知に基づいて前記返却手段を不作動にする返却不作動手段、前記カード通路に配置したカードを投入口から引き入れる搬送手段、前記搬送手段の直ぐ下流に弾き手段、前記被動体は前記カード通路に突出するよう弾性的に付勢され、かつ、ICカードの戻り動時にICカード通路に進行するストッパとして機能し、前記検知手段のICカードの検知に連動して前記コイン投入口へのコインの投入を阻止するコインコイン投入阻止手段を設けたことを特徴とする価値媒体処理装置である。
【実施例】
【0019】
図1は実施例の価値媒体処理装置の斜視図である。
図2は実施例の価値媒体処理装置の正面図である。
図3は実施例の価値媒体処理装置の左側面図である。
図4は実施例の価値媒体処理装置の右側面図である。
図5は実施例の価値媒体処理装置の平面図である。
図6は図5におけるA―A線断面図である。
図7は図4におけるB―B線断面図である。
図8は図4におけるC―C線断面図である。
図9はフロントカバの裏面図である。
図10は図5におけるD―D線断面図である。
図11は図5におけるF―F線断面図である。
【0020】
実施例において、ICカードCDは矩形薄板状であって、かつ、非接触で読込及び/又は書込可能なICチップTPを内蔵し、幅(高さ)は、コインCの直径よりも大きい。
【0021】
価値媒体処理装置100は、共通投入口102、コイン通路104、返却手段108、ICカード通路112、ICカードCDの挿入検知手段114、返却不作動手段116、判別手段118、逸らせ手段122、搬送手段124、コイン投入阻止手段126、読込書込手段128、コイン振分手段130、を含んでいる。
【0022】
まず、共通投入口102を説明する。
共通投入口102は、コインC及び電気的価値情報記憶媒体としてのICカードCDを投入される機能を有する。
共通投入口102は、コインCの投入口138、及びICカードCDの投入口140の少なくとも一部が共通になるようオーバーラップして形成されている。
一部を共通にすることにより、投入口設置範囲を小さくできるので、装置を小型化できる利点を有する。
本実施例において、共通投入口102はフロントカバ134に形成されている。
フロントカバ134は、金属製の板状のフロントパネル136の前面を覆うように固定されている。
本実施例において共通投入口102は、コインCのための縦長矩形形のコイン投入口138とICカードCDのためのICカード投入口140とにより構成されている。
【0023】
コイン投入口138は、コインCの厚み及び直径よりも僅かに大きい矩形に形成された縦長の矩形開口である。
ICカード投入口140は、おおよそ上半分がコイン投入口138と共通であり、コイン投入口138の下端よりも下方へスリット状に縦長に伸びている。
ICカード投入口140の高さはICカードICの高さよりも僅かに大きく、スリット部141の幅はICカードCDの厚みよりも僅かに厚い。
コイン投入口138及びICカード投入口140の一側面142は、垂立する実質的に同一線上に形成されている。
【0024】
次にコイン通路104を図6,7及び11を参照して説明する。
コイン通路104は、コイン投入口138に投入されたコインCを案内する機能を有する。
コイン通路104は、ベース144と返却カバ146、転動開始ガイドレール148及びガイドレール150によって構成される
ベース144は、フロントパネル136に対し直角に固定された垂立する非磁性体よりなるほぼ矩形の板状体である。
ベース144の側面152は、投入されたコインC及びICカードCDのガイドのため、共通投入口102の側面140と同一平面内に位置される。
ベース144は、樹脂によって一体成形することが好ましい。
【0025】
返却カバ146は、非磁性体よりなるほぼ矩形の板状体であり、上端部がベース144の軸受154A、154Bに水平に取り付けられた軸156に揺動自在に支持され、付勢用のスプリング158によってベース144に近づくよう回動力を受ける。
返却カバ146は、樹脂により一体成形することが好ましい。
返却カバ146のベース144側のガイド側面160からIコインガイドレール150が突出している。
ベース144の側面152とガイド側面160との間隔は、選別するコインCの厚みよりも僅かに大きく設定されている。
換言すれば、コイン投入口138に続くコインCの直径よりも僅かに長い領域はコインCとICカードCDの共通通路170であって、下方へ延びている。
転動開始ガイドレール148は、フロントパネル136に隣接する返却カバ146に固定された台形の金属板であり、ガイドレール150に連なる湾曲する落下転動面168が形成されている。
コインCの落下によって落下転動面168が摩耗しないため、及び、コインCの転動速度向上のためである。
【0026】
コイン通路104は、ベース144の側面152、返却カバ146のガイド側面160、転動開始ガイドレール148及びガイドレール150によって画定された図11において右下がりに直線的に伸びる下向き傾斜通路である。
よって、コインCは立った状態でコインガイドレール150上を側面152及びガイド側面160によって側面を案内されつつ転動可能である。
また、コイン通路104は後述のICカード通路112の下方において下向きに傾斜する傾斜通路である。
【0027】
次に返却手段108を図4、10を参照して説明する。
返却手段108は、コイン通路104においてジャムしたコインCをコイン通路104から排除し、返却口172に戻す機能を有する。
本実施例において、返却手段108は、返却カバ146、返却レバ174、及び、第1リンク機構176を含んでいる。
【0028】
まず、返却レバ174を説明する。
返却レバ174は、顧客がコインCを返却するために操作するレバであり、ベース144の裏面から横方向に突出する固定軸178に中間を回転自在に取り付けられている。
その上部レバ180はフロントカバ134の共通投入口102に並置された開口182からフロントカバ134の前方に突出され、顧客によって押し下げ可能に配置されている。
下部レバ184は、フロントパネル136に対し平行に下方に伸び、図示しないストッパにより図4及び10に示す待機位置に保持される。
【0029】
次に第1リンク機構176を図4、8を参照して説明する。
第1リンク機構176は、下部レバ184が図4において反時計方向に回動された場合、返却カバ146の下端をベース144から遠ざける方向に移動させる機能を有する。
第1リンク機構176は、ベース144から横方向に延びるステー186から上方に突出する軸188に回動自在に取り付けられたL形の第1揺動レバ190を含んでいる。
揺動レバ190の第1レバ190Aは下部レバ184によって押動され、図8において時計方向に回動される。
揺動レバ190の第2レバ190Bは、ベース144の開口を通って返却カバ146の下端部に当接し、押動可能である。
【0030】
返却レバ174が図4において反時計方向に回動された場合、下部レバ184は第1レバ190Aを押動するので、第2レバ190Bは返却カバ146の下端部を押してベース144から離隔させる。
これにより、返却カバ146は軸156を支点に回動し、ベース144に対し傾斜され、コインガイドレール150の側端面と側面152との隙間はコインCの厚み以上にされ、かつ、コインガイドレール150の上面は横方向に対して下向き傾斜になるので、その上に載っているコインCは、自重により落下する。
【0031】
落下したコインCは、コイン通路104の下方においてベース144に形成され、フロントパネル136側へ下向きに傾斜する返却ガイドレール192上に落下した後、自重によりその上を図6において右方向へ転動し、返却口172へ転げ落ちる。
返却口172は、コインCの両サイド及び前方を囲う溝状に形成されているので、コインCは返却口172において立った状態で保持される。
【0032】
次にICカードCDのICカード通路112を図6、8を参照して説明する。
ICカード通路112は、ICカード投入口140に続いてベース144の側面152に沿って伸びており、ICカード投入口140からコインCの直径よりも僅かに長い部分はコイン通路104と共通である。
ICカード通路112の下端は、コイン通路104に適宜移動される進退片194によって規制される。
ICカードCDのICカード通路112への挿入が検知された場合、進退片194はコイン通路104に進出され、ICカードCDの下縁を支える。
進退片194は、後述の返却不作動手段116と一体に移動される。
ベース144の中間から返却カバ146に向かってICカードの中間サポート195が突出している。
【0033】
中間サポート195の上面は水平に形成され、ICカードCDの下縁と線接触しつつ案内する。
また、中間サポート195の下流に位置するガイド351の水平上面によってもICカードCDは案内される。
以上より、ICカード通路112は下側を進退片194の上面、中間サポート195の上面及びガイド351の上面によって、側面をベース144の側面152及び返却カバ146及び後述の搬送手段124によって挟まれた横長の水平に延びる縦長扁平空間である。
なお、中間サポート195を配置せず、ガイド351のフロントパネル136側に向かって下向きに傾斜する傾斜ガイド353によって代用することも可能である。
【0034】
次にICカードCDの挿入検知手段114を説明する。
ICカードの挿入検知手段114は、共通通路170に面して配置され、ICカード投入口140に投入されたICカードCDの位置を検知する機能を有する。
よって、同様の機能を有する他の装置変更することができる。
本実施例において、挿入検知手段114は、ベース144の側面152に配置された第1センサ196を含んでいる。
本実施例において、第1センサ196は、共通通路170を横断する透過型の光電センサであるが、反射型光電センサや接触式センサ等に変更することができる。
第1センサ196は、逸らせ手段122の近傍に配置され、ICカードCDによって投射光を遮断されたとき、検知信号を出力する。
【0035】
次に返却不作動手段116を図9、10を参照して説明する。
返却不作動手段116は、ICコイン投入口140にIICカードCDが投入された場合、返却手段108を不作動にする機能を有する。
よって、返却不作動手段116は、同様の機能を有する他の装置変更することができる。
本実施例において、返却不作動手段116は、返却レバ174を機械的に不作動にする。
返却手段108が機械的に不作動にされる構造は、安価に構成できる利点がある。
【0036】
返却不作動手段116は、進退片194、被動レバ204、被動部206及びストッパ208を含んでいる。
被動レバ204は、フロントパネル136から後方に突出する固定軸210にその中間が回動自在に取り付けられ、弾性体212により図10において時計方向に付勢されている。
被動体レバ204はほぼ垂立し、下端部から横方向にステー205が延び、ステー205の先端から上方に向かって被動レバ204の中間まで立ち上がる垂立部207が形成され、垂立部207の上端から横方向に進退片194が延びている。
垂立部207の上端側面がストッパ208である。
被動部206は、被動レバ204の中間部に形成された半球形部であり、ICカードCDがカード投入口140に挿入されない場合、コイン投入口138の下縁の直ぐ下方のICカード通路112に突出し、ICカードCDが挿入された場合、カードの先端が被動部206の球面に当接して押動され、ICカード通路112の外へ押し出される。
【0037】
進退片194は被動レバ204よりもICカード投入口140から離れた当該投入口下縁の水平方向の延長線よりも僅か下側にその上面が位置するように設定され、被動レバ204が揺動しても当該位置を保つよう横方向に長く形成されている。
ストッパ208は、垂立部207のフロントパネル136側の上端側面であって、開口182の下端部に隣接配置されている。
被動部206がICカードCDによってICカード通路112の外に押し出された場合、図10に示すように返却レバ174の下端部213の回動経路に突出する。
これにより、返却レバ174を押し下げようとしても下端部213がストッパ208に当接して阻止され、返却レバ174は押し下げられない。
換言すれば、下部レバ184が回動されないので、返却カバ146は軸156を支点に回動されず、コインCの返却操作をすることができない。
【0038】
次に判別手段118を図3を参照して説明する。
判別手段118は、コイン通路104を転動するコインCの正偽及び金種を判別する機能を有する。
判別手段118は、コイン通路104に沿ってベース144及び返却カバ146に相対して固定されたコアにコイルを巻きつけたコイル体232、234、236を含んでいる。
コイル体232は、コインCの直径を検知するために用いられる。
コイル体234は、コインCの厚みを検知するために用いられる。
コイル体236は、コインCの材質を検知するために用いられる。
これらコイル体232、234、236からの出力を判別回路(図示せず)に入力し、所定の基準値と比較してコインCの正貨及び偽貨並びに金種を判別する。
判別手段118は判別したコインが偽貨の場合、コイン振分手段130に返却信号を出力する。
コイン振分手段130は、返却信号に基づいて所定の動作をし、偽貨を返却口172に戻す。
【0039】
次にコイン振分手段130を図4及び6を参照して説明する。
コイン振分手段130は、コイン通路104を転動するコインCを返却通路190若しくは保留金庫への収納通路244に振り分ける機能を有する。
コイン振分手段130は、コイン振分体246、電磁アクチュエータ248及び第2リンク機構252を有する。
コイン振分体246は、コイン通路104の延長上の返却位置CP若しくは収納通路244へ案内する収納位置SPに選択的に位置される。
コイン振分体246は、ベース144から横方向へ突出する固定軸258に回転自在に取り付けられた第2揺動レバ254の先端から横方向に向かってコイン通路104に延びる棒体である。
第2揺動レバ254の他端は、電磁アクチュエータ248の鉄心260に第2リンク機構252によってリンク結合されている。
鉄心260は、スプリング(図示せず)により、図4において左方向へ付勢され、通常、第2揺動レバ254が垂立してコイン振分体246が返却位置CPに保持される(図4、6に示す位置)。
【0040】
判別手段118の正貨判別により電磁アクチュエータ248が所定時間、励磁された場合、鉄心260が図4において右方へ移動されるので、第2リンク機構252を介して第2揺動レバ254が反時計方向へ回動され、コイン振分体246は収納位置SPに移動され、所定時間保持される。
コイン振分体246が収納位置SPに保持される場合、コイン通路104を転動するコインCは、コインガイドレール150からコイン振分体246上に落下して慣性力により横方向へ跳ね返り、収納通路244に達する。
コイン振分体246が返却位置CPに位置する場合、コイン通路104から落下したコインCはコイン振分体246に当接し逆向きに跳ね返り(図6において右方)、返却通路190に達し、返却通路190を転動して返却口172へ戻される。
【0041】
次に逸らせ手段122を図11を参照して説明する。
逸らせ手段122は、コイン投入口138に投入されたコインCを下方の転動開始ガイドレール148に案内する機能を有する。
換言すれば、逸らせ手段122はコインCのコイン通路104を画定する。
逸らせ手段122は、返却カバ146のガイド側面160に形成された段部であり、コインCの直径よりも僅かにフロントパネル136から離れた位置において垂立するコイン通路壁面270である。
コインCが投入された場合、コインCは共通通路170においてコイン通路壁面270、に衝突して横方向の慣性力を消滅させられ、自重によって下方へ落下して転動開始ガイドレール148の落下転動面168上を転動する。
これにより、コイン通路104は、コイン投入口138から水平に横に延びた後、垂下し、その後下向きに傾斜する、大凡クランク形の通路である。
【0042】
次にコイン投入阻止手段126を図9を参照して説明する。
コイン投入阻止手段126は、ICカードCDが保留位置HPに保留されている場合、コインCをコイン投入口138に投入できないようにする機能を有する。
よって、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
コイン投入阻止手段126は、被動レバ204の上端部に形成したフック状の阻止片308である。
阻止片308は、被動部206がICカード通路112に位置する場合、コイン投入口138に隣接するコイン通路104から退出した位置に保持され、被動部206がICカード通路112から外れた場合、ICカード通路112の反対側の側壁310の開口を通ってコイン通路104に進出する(図9鎖線示)。
よって、阻止片308がコイン通路104に位置した場合、コインCは阻止片308によってコイン投入口138から奥に進行することができない。
【0043】
次に読込書込手段128を図4を参照して説明する。
読込書込手段128は、保留位置HPに保留されたICカードCDのICチップTPと価値情報の通信を行う機能を有する。
よって、読込書込手段128は同様の機能を有する他の装置変更することができる。
本実施例においては、読込書込手段128は、ベース144の裏面に固定され、通信機能を有するIC及びアンテナを搭載した通信基板310である。
読込書込手段128は、処理機能に応じて少なくともICチップTPに記憶されている価値情報を読込又は書込できればよいので、読込機能のみ、又は書込機能のみの通信基板を用いることが出来る。
【0044】
次に表示手段330を図2を参照して説明する。
表示手段330は、受け入れたコインCの金額及び総額、ICカードCDから読み込んだ価値情報、並びに顧客に対する情報等を表示する機能を有する。
また、コインC又はICカードCDが投入されない待機時は種々発光させて装飾機能を発揮させることができる。
表示手段330は、液晶表示器、7セグ表示器等適宜採用することができる。
表示手段330は、フロントカバ132に僅かに上向きに装着され、顧客から見えやすいように構成することが好ましい。
【0045】
次にICカードCDの搬送手段124を図7、11を参照して説明する。
搬送手段124は、ICカード通路112に挿入されたICカードCDを読込書込手段128の処理に適した保留位置HPに搬送し、ICカードCDを保留位置HPからICカード投入口140へ移動させ、ICカード投入口140からその一部を突出させ、及び、保留位置HPに位置するICカードCDを回収通路349へ搬送する機能を有する。
よって、搬送手段124は実施例と異なる他の同様の機能を有する装置に変更することができる。
【0046】
本実施例において搬送手段124は、ベルト322、プーリ324、326、ローラ328、電気モータ332及び減速機334を含んでいる。
横向きチャンネル形のブラケット336がベース144の後端の垂立軸338に回動自在に取り付けられている。
ブラケット336の下フランジ342の後端部下面に減速機334が固定され、当該減速機334に固定された電気モータ332によって駆動される。
【0047】
減速機334のチャンネル溝344突出する出力軸345の先端に駆動プーリ324を水平状態に固定する。
ブラケット336の共通投入口102側に下フランジ342及び上フランジ346に上下端部を回転自在に支持させて従動軸348をチャンネル溝344内に配置する。
従動軸348の下側にプーリ326を固定し、上側にローラ]328を固定する。
プーリ324と326の間にベルト322を所定の張力で巻き付けてある。
ベルト322は、丸ベルト、平ベルト等を採用できるが、ICカードCDとのスリップを防止するため、本実施例では平ベルトを用いている。
プーリ324、326におけるベルト表面及びローラ328とベース144の側面152との間隔は、ICカードCDの厚みよりも小さく設定されている。
ベルト322及びローラ328は、ICコイン通路112に相対している。
【0048】
挿入検知手段114がICカードCDを検知した場合、モータ332が起動され、ベルト322及びローラ328がICカードCDを取り込む方向に回転される。
ベルト322及びローラ328が側面152との間にICカードCDを挟み込んだ場合、ICカードCDを図6において左方へ搬送し、後述の機械的センサ360がICカードCDを検知したときモータ332は停止され、ICカードCDは保留位置HPに保留される。
さらに、モータ332が同方向に回転された場合、ICカードCDは共通投入口102の反対側へ送り出され、回収通路349へ送り出される。
返却カバ146には保留位置HPにおけるICカードCDの下縁の下方に位置し、全体として弧状のICカードガイド352が形成されている。
ICカードガイド352は、ICカード投入口140側が当該投入口140に向かって下向きの傾斜ガイド354、傾斜ガイド354に続いてICカード通路112の下側を画定する水平な下縁ガイド356、下縁ガイド356に続いて回収通路349に向かって下向きに湾曲する落下ガイド358が形成されている。
【0049】
搬送手段124は、ローラ328に代えてベルト322と平行に平ベルトを配置することができる。
しかし、ICカードCDの保持力が大きいため、回収スペースを多くとることから、実施例のように下側にベルトを配置し、上側にローラを配置することが好ましい。
ブラケット336は、垂立軸338を支点に図7に示す稼働位置から180度後方へ回動させることができる。
ゲーム機等への取り付け時、価値媒体処理装置100の幅を狭くしてゲーム機等に装着しやすくするためである。
【0050】
次に機械的センサ360を図4、6、7、10を参照して説明する。
機械的センサ360は、ICカードCDがICカード通路112の所定位置、具体的には、読込書込手段128による読込書込に適した保留位置HPにあることを検知する機能を有する。
機械的センサ360は、接触片362、接触片センサ363及び付勢手段368を含んでいる。
【0051】
接触片362は、おおよそベルト322の長手方向の中間に相対するベース144におけるICカード通路112に相対して形成された三角形の開口372において縦軸周りに揺動可能に配置されている。
接触片362の共通投入口102側の上下端部から突出した軸がベース144裏面の軸受374、376に回動自在に支持されている。
接触片362は、付勢手段368としてのスプリング378によって図7において反時計方向へ付勢されている。
接触片362はICカードCDがICカード通路112に存在しない場合、ICコイン通路112に突出し、ベルト322に接触している。
接触片362がICカードCDによって押された場合、図7において時計方向へ回動され、ICコイン通路112から退出する。
【0052】
接触片センサ363は作用片364、センサ366を含んでいる。
作用片364は接触片362の裏面から横方向に伸びている。
センサ366はベース144の裏面に固定されたブラケット380に固定され、作用片364を検知する。
具体的には、センサ366は透過型光電センサであって、接触片362がICコイン通路112に位置している場合、作用片364はセンサ366の投射光を遮断しない。
接触片362がICコイン通路112から退出した場合、作用片364は投射光を遮断し、センサ366は検知信号を出力する。
このように、ICカードCDのセンサを機械式センサ360にすることにより、赤外線照射器による不正を行うことができない。
また、ICカードCDが回収通路349側に通過した場合、接触片362はICカード通路112に位置しているので、ICカードCDは接触片362によって移動を阻止され、引き戻されることができない。
これらにより、機械的センサを採用した場合、不正に対する安全度が向上する利点がある。
【0053】
次に弾出手段390を図7、10を参照して説明する。
弾出手段390は、搬送手段124によって回収通路349へ向かって搬送されたICカードCDを弾き出して確実に回収通路349へ送り出す機能を有する。
したがって、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
本実施例において、弾出手段390は、弾性体からなる羽根392を放射状に複数有する回転羽根体394である。
回転羽根体394は、ベース144の軸受396、398に回転自在に支持された縦軸400に固定されている。
縦軸400の回転羽根体394の下方の軸の周囲に巻かれた被動ローラ402がプーリ324の周囲のベルト322に接触している。
これにより、ベルト322の回転によって回転羽根392は、プーリ324の直ぐ上方のICカード通路112を横断してICカードCDを回収通路349へ向けて送り出すよう回転される。
【0054】
次に本実施例の作用を説明する。
まず正貨コインCを投入したケースを説明する。
本価値媒体処理装置100がスタンバイ状態にない場合、コイン振分手段130の電磁アクチュエータ248は消磁され、鉄心280がスプリング(図示せず)によって図4の位置に移動され、リンク機構252を介して第2揺動レバ254はほぼ垂立した位置に回動され、コイン振分体246は図6の実線示位置に保持される。
正貨をコイン投入口138に投入すると、共通通路170を横断したコインCはコイン通路壁面270に衝突して横方向への慣性力を消滅させられ、自重によりコイン通路104を真下に落下し、転動開始ガイドレール148上に落下する。
【0055】
転動面168に落下したコインCは、その円弧面により加速されつつ転動し、次いでコインガイドレール150上を転動する。
センサ体236、234、232はガイドレール150上のコインの特性情報を取得しないので、判別手段118は正貨信号を出力せず、コイン振分体246は前述の位置を継続する。
ガイドレール150から落下したコインCはコイン振分体246に衝突し、図6において右方へ跳ね返って返却通路190に案内される。
コインCは返却通路190において返却ガイドレール192上を転動して返却口172に到達する。
返却口172はコインCの前面及び両側面を囲んでいるので、コインCはそれら壁面にもたれかかってほぼ立った状態で保持される。
【0056】
次にスタンバイ状態において真正コインCが投入されたケースを説明する。
コインCはガイドレール150上を転動する過程でセンサ体236、234、232に順次相対し、コインCの材質、厚み及び直径に関する識別情報を取得される。
判別手段118は、これらの識別情報からコインCの真偽を判別する。
本ケースは、正貨であるため、正貨として判別され、電磁アクチュエータ248が所定時間励磁される。
この励磁によって、鉄心260は図4において右方へ引かれるので、第2揺動レバ254は反時計方向へ回動される。
これにより、振分体246は収納位置SP(図6の鎖線示位置)へ移動される。
ガイドレール150から落下したコインCは振分体246上に落下し、図6における左方へ跳ね返り、収納通路244へ案内される。
収納通路244を落下するコインCは、阻止体324を図6において時計方向へ回動させて通過し、保留金庫(図示せず)に保留される。
保留されたコインCを糸吊りにより引き上げようとしても前述のように阻止体324に阻止されて引き上げることができない。
【0057】
次にスタンバイ状態において偽コインが投入されたケースを説明する。
コイン投入口138に投入された偽コインは、前述同様にコイン通路104のガイドレール150上を転動する。
判別装置118はセンサ体236、234、232からの識別情報に基づき偽信号を出力するので、電磁アクチュエータ248は励磁されない。
これにより、振分体246は返却位置CPを維持するので、偽コインは振分体242に衝突して返却通路190へ案内され、返却口172へ返却される。
【0058】
次に、スタンバイ状態においてICカードCDが投入されたケースを説明する。
ICカードCDがICカード投入口140に投入された場合、ICカード通路112においてICカードCDは被動部206を押動し、被動部206をICカード通路112の外方へ押し出す。
これにより、被動レバ204は図9(A)において反時計方向へ回動され、阻止片308がコイン通路104に突出する(図9(A)鎖線示位置)。
これにより、コイン投入口138にはコインCを投入することができない。
また、被動レバ204と一体のストッパ208は返却レバ174の下端部213の移動経路に突出するので、返却レバ174は回動されることができない(図10)。
換言すれば、ICカードCDがICカード投入口140に投入されている場合、コインCをコイン投入口138に投入できず、さらに、返却カバ146は軸156を支点に回動されない。
【0059】
さらに、進退片194がICカード投入口140の下縁の延長上に進行し、ICカードCDの下縁を案内する。
これにより、ICカードCDはほぼ真横(水平)方向に案内され、ICカード通路112を進行する。
この進行途上において、第1センサ196がCカードCDを検知する。
第1センサ196の検知信号に基づいて電気モータ332が回転され、減速機334を介して駆動プーリ324が回転され、ベルト322がICカードCDを取り込む方向(図11において右方向)に進行される。
これにより、プーリ326を介して従動軸348が回転され、ローラ328も同方向へ回転される。
さらに、被動ローラ392がベルト322によって回転され、羽根392がICコイン通路112を横断する経路を回転する。
【0060】
ICカードCDは下端を進退片194によって案内され、次いで中間サポート195の上面に案内された直後にベルト322並びにローラ328と側面112との間に挟まれ、搬送手段124によってカード投入口140から離れる方向へ積極的に搬送される。
この途上において、ICカードCDは接触片362と接触してICカード通路112から押し出す。
これにより、接触片362と一体の作用片364はセンサ366の投射光を遮断するので、センサ366は検知信号を出力する。
【0061】
この検知信号によって電気モータ332への給電は停止され、換言すればICカードCDの搬送は停止される。
モータ332の停止によって、ICカードCDの先端が接触片362の上縁を通過した直後の位置においてICカードCDは停止し、保留位置HPにおいて保留される。
この保留位置HPは、ICカードCDの後端がICカード投入口140から僅かにICカード通路112に進行した位置である。
これにより、ICカードCDが保留位置HPに位置する場合、顧客はICカードCDにタッチすることが出来ない。
【0062】
保留位置HPにおいて、読込書込手段128はICカードCDのICチップTPに記憶された価値情報を無線通信によって読込んだ後。所定の処理を行って新たな情報をICチップTPに記憶させる。
例えば、読み込んだ価値情報から、ゲームの1プレイに必要な価値情報100を減算した価値情報を新たにICチップTPに記憶させる。
なお、読み込まれたICチップTPの情報及び新たに書き込まれた情報は、顧客に知らしめるため表示装置330に表示することが好ましい。
さらに、この表示と共にコインを落とした時に発するような効果音をスピーカから発音することが好ましい。
所定の処理が行われたことを視覚及び/又は聴覚で感覚的に顧客が認識できるためである。
【0063】
当該新たな価値情報がゼロでない場合、新たな価値情報を書き込んだ後、電気モータ332が逆転される。
これにより、ICカードCDはベルト322及びローラ328によってICカード投入口140側へ向かって移動される。
この移動によってICカードCDが接触片362との相対位置から外れた場合、接触片362はICコイン通路112に進行するので、作用片364はセンサ366の透過光を遮断しなくなる。
センサ366が受光をした時から所定時間後に電気モータ332への給電が停止される。
この所定時間の搬送によって、ICカードCDはベルト322及びローラ328の挟持が開放される位置まで戻される。
これによりICカードCDは、その後端が約10ミリICコイン投入口140から突出した位置まで送り出され、顧客はICカードCDの後端を摘んで引き出すことができる。
【0064】
新たな価値情報がゼロである場合、電気モータ332は正転され、ICカードCDをさらにICコイン通路112に引き入れ、回収通路349側へ向かって搬送する。
ICカードCDの後端が接触片362から外れた場合、接触片362が投射光を遮断しなくなるのでセンサ366は受光をしたときから所定時間後に、電気モータ332は給電を停止される。
この所定時間の搬送手段124による搬送の間にICカードCDの後端はベルト322を通過するのでベルト322と側面152との挟持から開放され、さらに、回転する羽根392によって回収通路349に向かって弾き出される。
これにより、ICカードCDはガイド351に案内されつつ回収通路349へ落下する。
接触片362はICカードCDの後端が通過した後、スプリング378によってICコイン通路112に突出される。
ICカードCDに結びつけた紐を引いてICカードを引き戻そうとしても、接触片362の端面がストッパになるため引き戻すことができない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は実施例の価値媒体処理装置の斜視図である。
【図2】図2は実施例の価値媒体処理装置の正面図である。
【図3】図3は実施例の価値媒体処理装置の左側面図である。
【図4】図4は実施例の価値媒体処理装置の右側面図である。
【図5】図5は実施例の価値媒体処理装置の平面図である。
【図6】図6は図5におけるA―A線断面図である。
【図7】図7は図4におけるB―B線断面図である。
【図8】図8は図4におけるC―C線断面図である。
【図9】図9はフロントカバの裏面図である。
【図10】図10は図5におけるD―D線断面図である。
【図11】図11は図5におけるF―F線断面図である。
【符号の説明】
【0066】
C コイン
IC ICカード
102 共通投入口
104 コイン通路
108 返却手段
112 ICカード通路
116 返却不作動手段
118 判別装置
124 搬送手段
126 コイン投入阻止手段
128 読込書込装置
138 コイン投入口
140 ICカード投入口
172 返却口
362 接触片
363 接触片検知手段
380 弾出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口(102)に投入したコイン(C)をコイン通路(104)を転動させて真偽判別をするとともに、返却手段(108)により当該コイン通路におけるコインを返却口(172)へ返却するようにした価値媒体処理装置において、
前記コインのためのコイン投入口(138)とICカード(IC)のためのICカード投入口(140)の少なくとも一部を共通にした共通投入口(102)、
前記ICカード投入口に続いて直線的に形成された前記ICカードのためのICカード通路(112)、
前記コイン投入口に続いて前記ICカード通路の下方において下向きに傾斜するコイン通路(104)、
前記ICカード通路に近接して配置したICカードのための読込書込装置(128)、
前記コイン通路に近接配置したコインの真偽判別のための判別装置(118)、
を備えた価値媒体処理装置。
【請求項2】
請求項1の価値媒体処理装置において、
前記ICカード通路におけるICカードの進行によって移動される接触片(362)を設け、
前記接触片の位置を前記ICカード通路の外で接触片検知手段(363)によって検知することを特徴とする。
【請求項3】
請求項2の価値媒体処理装置において、
被動体検知手段のICカードの検知に基づいて前記返却手段を不作動にする返却不作動手段(116)を設けたことを特徴とする。
【請求項4】
請求項1の価値媒体処理装置において、
前記ICカード通路にICカードを前記投入口から引き入れる搬送手段(124)を配置し、前記搬送手段の直ぐ下流に弾出手段(380)を配置したことを特徴とする。
【請求項5】
請求項2の価値媒体処理装置において、
前記接触体は前記ICカード通路に突出するよう弾性的に付勢され、ICカードの戻り動時にストッパになることを特徴とする。
【請求項6】
請求項2の価値媒体処理装置において、
前記ICカード投入口へのICカードの投入に連動して前記コイン投入口へのコインの投入を阻止するコイン投入阻止手段(126)を設けたことを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−70051(P2009−70051A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236567(P2007−236567)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】